(1) 平成16年12月20日 中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育行財政部会 学校の組織運営に関する作業部会「学校の組織運営の在り方について(作業部会の審議のまとめ)(抄)
○校務分掌などについて整理合理化を行い、これを簡潔なものとする必要がある。その際、教育活動の領域とこれを支える領域に分けて、その有機的な連携を図ることも考えられる。
○新たな課題に対応できるよう柔軟に組織を見直し、(略)非効率な業務や慣行の見直しを行うことも大切であると考える。
(2) 平成17年10月26日 中央教育審議会「新しい時代の義務教育を創造する(答申)」(抄)
○教師が以前に比べ多忙になり、子どもと触れ合う時間が確保できないという指摘がある。今後、学校が処理する事務・業務の見直しや、国・都道府県・市区町村が行う調査等の精選により、学校の負担軽減を図ることが必要である。
(3) 平成19年3月29日 中央教育審議会「今後の教員給与の在り方について(答申)」(抄)
○(略)教育の質の向上を図っていくには、何よりもまず、教員が子どもたちに向き合い、きちんと指導を行えるための時間を確保することが重要である。
○このため、教員の校務について見直しを行い、校長、教頭、教諭、助教諭、講師や事務職員などのそれぞれの職に応じた役割分担の明確化を図り、教諭、助教諭、講師(以下「教諭等」という)が子どもたちの指導のための時間を十分に確保できるようにすることが必要である。また、校長及び教頭は、学校組織のマネジメントをしっかりと行い、特定の教員の勤務負担が過重にならないよう、教員の時間外勤務の縮減や勤務負担の適正化等を図る必要がある。
○教員の校務を整理をした上で、なお教員が行う必要のある学校事務については、以下のような方策を通じて軽減・効率化を図り、時間外勤務を縮減していくことが必要である。
・ Eメールや電子掲示板の活用などを通じて会議・打合せの回数・時間を縮減する。このため、教員に1人1台パソコンを整備することやICT活用を支援できる職員の確保など学校のICT環境の整備・充実を図る。
・ 国・都道府県・市町村等が行う調査の縮減・統合を図る。
・ 業務日誌、学校運営関連書類等の様式の簡素化・統一化を図る。
○あわせて、教員が抱える事務負担を軽減するため、事務職員が学校運営に一層積極的に関わるとともに、そのサポートにより、教員の事務負担を軽減することができるよう、事務の共同実施の促進、事務職員の質の向上のための研修の充実などを行う(略)。
○(略)教育上の諸課題に対応するため、教員の職務の見直しや学校事務の軽減・効率化を図るとともに、教職員や外部人材の配置の充実、又は様々な教育課題に対応できるような研修の充実を図ることが必要である。なお、これらの諸課題は、必ずしも教育だけで解決するものではないことがあるため、外部専門家の活用や、福祉や医療等関係機関との連携を促進することも必要である。
○部活動は、正規の勤務時間を超えて実施されている実態があるが、本来は、教員の他の職務と同様に、正規の勤務時間内で実施すべきものである。このため、外部指導者の活用を促進するとともに、部活動による時間外勤務が可能な限り生じることがないように、校長が適切に管理・監督するよう指導を行うことが必要である。
(4) 平成20年9月8日 学校の組織運営の在り方を踏まえた教職調整額の見直し等に関する検討会議「審議のまとめ」(抄)
○学校内における教職員の適切な役割分担を図るため、校長の全体統括の下、各教職員のそれぞれの職に応じた役割を明確にすることが必要である。例えば、食育や読書活動などについて栄養教諭や学校司書などの職員を配置して活用していくことや、事務部門を強化することにより今まで教員が担ってきた事務作業を事務職員が一括して処理すること、教員以外の専門的職員や支援的職員を配置して適切な役割分担の下で学校が一つのチームとして機能を発揮するようにしていくことなどが考えられる。
○(略)学校業務の効率化やスクラップ・アンド・ビルド、学校事務の共同実施、ICTの活用や事務機器の整備・更新、部活動指導、生徒指導、給食指導、学校徴収金などに係る専門的・支援的な職員の配置、外部人材の積極的な活用などにより、教員が担う授業以外の業務を縮減することが必要であると考える。(略)通常の学校の業務は勤務時間内で処理できるようにし、時間外における勤務は、学校として臨時に必要となる業務の処理のために限られるようにすることが必要である。
○(略)自宅で業務を処理せざるを得ない状況は教員にとって大きな負担で、教員の健康管理やワーク・ライフ・バランスの観点から大きな問題であり、また、成績処理などのため児童生徒の個人情報を学校外に持ち出すことは適切な情報管理の観点からも問題であることから、今後は、学校として必要な業務は、勤務時間内で処理できるようにすることが必要であり、自宅への持ち帰り業務は原則として無くしていく必要があるとの意見もある。
(5) 平成26年7月3日 教育再生実行会議「今後の学制等の在り方について」(第5次提言)(抄)
○(略)教師の勤務時間や授業以外の活動時間が世界的に見て格段に長いことを踏まえ、教師が子供と向き合う時間を確保し、教育活動に専念できるようにする観点から、学校経営を支える管理・事務体制の充実、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの多様な専門職の配置や活用が進むよう、制度面・財政面の整備を行う。
初等中等教育局初等中等教育企画課