参考資料2 第1回作業部会(平成26年11月21日)における主な意見

チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会(第1回)(平成26年11月21日)における主な意見

<初等中等教育企画課において作成>

(1)学校が組織全体の総合力を高め、発揮していくための学校運営の在り方等について

・マネジメントについては管理職頼みの教員が多いが、一人一人の教員がマネジメントに関わる雰囲気を作り出していくことが重要。
・一つ一つの授業を変えるプラス、カリキュラム全体を見ていくという視点が、各学校にますます求められてくる。
・教務主任がカリキュラム・マネジメントの中心となるべきだが、そのための研修をしたり、カリキュラムと向き合ったりするための時間が確保されていない。教育の目標や内容・方法を囲んで、子供の姿を出して語り合う時間が確保される必要がある。
・1時間の授業の準備のためといったレベルにとどまらず、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学まで視野に入れた教育のことを、先生方が考えられる条件を確保したい。
・企業や大学が求める人材像がより現実的なものになっており、答えのない問いに答えていく力や、多様な立場や価値観への寛容性、また、いろんな現実の社会課題がある中で、それを当事者意識を持って受け止めていく力が今後、必要となる。そういった人材を育成していくために、どのような資質が教職員に求められていくのかという観点から議論を行うことが必要。
・先生たちは、ある意味で頑張り過ぎてしまう面があり、学校に求められる内容が多くなり、また専門的な力量を要求される部分も多くなる中、本当に大変であると感じる。授業準備をするという時間がもっとあれば、もっとすばらしい授業を毎日展開できるのではないか。

(2)教員と事務職員、様々な人材との役割分担や連携の在り方について

・教員は、教科指導、質の高い授業ができるかが第一と言われてきたが、現在は、教育活動を行う上での専門性のほかにも、非常に幅広い業務を行うことが求められている。学校で教員が質の高い教育を提供できるよう、環境整備していくことが重要。
・いろいろな教科の教師がそれぞれの専門性を生かしながら話し合い、地域の方も交えて議論をしながら、協働的に単元開発・カリキュラム開発等をしていかないといけない。
・校内研修あるいは授業研究を中心とした実践的な研究がなかなかできにくい。専門ではない先生も部活動の担当になっていて、そういう先生方は負担感を大きく感じている。
・教師が協働的に授業を作り上げていく体制や、教員が互いに円滑なコミュニケーションをとれる雰囲気作り・環境作りが、これからの学校作りには必要。
・教育というのは人。授業力が勝負であり、双方向型の授業をやるためには、よほど教員の力量がなければ駄目。行政がそれをきちんと担保しなければならない。
・専科の先生や学校総合支援員といった人的支援や、研修の時間をどう確保するかに頭を痛めている。良い子供たちを育てるためには、先生方が元気にならなければならない。
・「教員でなければできない業務」と「それ以外の業務」は、実際には重なり合う部分があり、かつそれの調整が必要。現在は両方とも先生がやっており、先生に多能性があることの良さも考え続けるべき。
・多能性のある先生方の部分が切り落とされて、他のスタッフに代替されるようになってしまうのではないかと危惧する。先生の部分は確保、又はアクティブ・ラーニングの実施で更に手厚くする形で、プラスアルファで他のスタッフを付けられるかが重要。
・スタッフを配置するということについては、少しでも先生方が、授業など子供に向き合うという時間を確保できるのではないかという期待がある。
・事務職が要。少し違った立場で学校全体を見て、施設のこと、お金のこと、人のことを考える事務職の位置付けを高めると、マネジメントの核の一つになると思う。
・先生、事務職、カウンセラー等は、価値を変え、行動パターンも変え、合意形成の仕方も変えなければならない。
・人的な面でのいろんな支援が来てくれれば、先生たちは助かる。いろいろな方々と協働し、コラボレーションしていけるような世界を作っていかなければいけない。
・学校事務の共同実施が自動的に学校経営の改善や学校経営の質を高めることにつながるものではない。それをつなげるためには学校事務の共同実施の活用についての戦略をどう打ち出していくか、例えば先駆的な取組の事例から検証しておくことが必要。

(3)教員の評価や処遇等の在り方について

・教員の評価や処遇等を趣旨に添った形で機能させるには、その在り方や具体的な運用について真剣に考えないといけない。
・評価と処遇等の在り方については、KPIの設定が重要。そのKPIがあった上で、目指すビジョンの中でどのように弱みを補い、強みはより強くし、到達するパスを設計していくのかというものの中に研修は位置付けられるべき。
・教員の評価については、処遇とのリンクが難しい。導入している県の状況、問題を検討しながら、きちんと整理していきたい。

(4)管理職や主幹教諭、指導教諭、主任等の在り方について

・管理職や主任に加え、主幹教諭や指導教諭といった職を機能させるには、養成のほか、その在り方等を明示し、現行のシステムとの違いを十分周知させなければいけない。
・マネジメントの中で、ミドルリーダーの位置付けの認識がばらばらであることが、ミドルリーダーに対する積極性を阻害している。養成・採用・研修の流れの中で、ミドルリーダーも見ていかないといけない。
・チーム学校を強化することは、管理職がしかるべき管理職としてのマネジメントの仕事に専念できるということであり、マネジメントの支援や研修の在り方に興味がある。
・教員に加えて複数種のスタッフの方がいる中で、多様性のある組織をどうマネジメントしていくかが難しい。より高度な校長のありようが求められ、それをどのようにチーム学校の中に位置付け、そういう校長をどのように育成していくかが重要。
・教育の現場に管理職で入っていく方に、より高度なマネジメントのスキルが求められるべき。民間のプロフェッショナルの登用が進んでもいいし、管理職の研修の部分で、より民間での人事研修に近いような一般的な形もあるのかもしれない。
・主幹教諭、指導教諭、主任等が、実態的にはどういう現場でどういう動き方、働き方をしているのか、データに基づいて検証する作業が必要。
・指導主事の不足分を補う形で退職校長などを教育委員会が雇い、学校支援の業務を指導主事に代わって行ってもらう仕組みを、効率的にどうやって運用していくかが課題。
・教育行政職というような職を作って、指導主事が本来の業務、学校支援業務に専念できるような仕組みを考えるなど、いろんな工夫が必要。

(5)学校と地域等との連携の在り方について

・学校は先生だけのものではなく、地域とともに子供を育てるとき、チーム学校という考え方が必要。
・多彩な人がそれぞれの強みを生かし、一緒にパートナーとして進むコミュニティスクールの仕組みそのものが、チーム学校の基盤となる。学校運営協議会や学校支援地域本部のコーディネーターが学校組織に外から風を入れることで、情報が流れ、活動が動く。
・多様な学びの形の実現、社会課題に対する当事者意識を育んでいくという意味においては、その学校がある実際の社会における市民社会、例えばNPO等との連携というのは非常に大きな意味を果たしていく。また、地域ならではの、地元の企業などと連携することで、その地域で実際に起きている課題を学生に理解してもらうような機会が生まれる。

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(初等中等教育局初等中等教育企画課教育公務員係)