チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会(第16回) 議事録

1.日時

平成27年11月4日(水曜日) 15時~17時

2.場所

中央合同庁舎第4号館 12階1208会議室

3.議題

  1. 答申(素案)について

4.議事録

中央教育審議会 初等中等教育分科会

チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会(第16回)

平成27年11月4日


【小川主査】  それでは、定刻になりましたので、ただいまから、チームとしての学校・教職員の在り方に関する作業部会、今日でたしか16回目になると思いますけれども、開催したいと思います。

本日も大変お忙しいところを御出席いただきまして、ありがとうございます。今日は、年末に予定している答申に向けた答申素案について議論いただきたいと思っています。答申素案は関係団体ヒアリングなどを踏まえまして、7月の中間まとめをベースに加筆・修正したものです。今日提案される素案はあくまで素案の段階ですので、皆様から今日御意見を頂いて、答申案にすべく議論をよろしくお願いしたいと思います。

まず最初に、本日の配付資料について、事務局からお願いいたします。

【福島課長補佐】  本日の配付資料でございますけれども、議事次第にあるとおりでございますが、資料として答申の素案、つまり、素案の案ということでございますが、資料、それから参考資料を配付をしております。不足等ございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。

【小川主査】  ありがとうございました。本日もまた報道関係者から会議の傍聴などの希望がありましたので、これを許可しております。御承知おきいただければと思います。なお、副主査の米田委員は予定されている飛行機が少し遅れるということですので、後ほどお見えになると思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは、本日の議事に入りたいと思います。最初に、答申素案について、中間まとめの内容から加筆・修正された箇所を中心に、事務局から説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。

【福島課長補佐】  よろしくお願いいたします。そうしましたら、修正が溶け込んだもののページ数を基に順次説明をさせていただきます。机上に修正の見え消しのものも併せてお配りしております。

まず、1ページをお開きいただければと思います。この経緯のところでございますが、ここは二つ目の段落の部分でございますけれども、関係団体へのヒアリング等を行ったこと、それから、概算要求、予算要求がございましたので、そのことに触れているところでございます。

続きまして、資料の3ページをごらんいただきたいと思います。ここについては、少しチームとしての学校の趣旨をもう少しはっきりさせるという意味で、箱書きの部分について、主としてこのような状況の中というところを追加させていただいております。

続きまして、4ページでございます。3ページから4ページにつきましては、学習指導要領の今改訂の議論をしておりますけれども、その内容を踏まえた記述をしておりましたが、8月に教育課程企画特別部会の方で論点整理が出たことを踏まえまして、中身を修正しているところでございます。その件につきましては、4ページの我が国の子供たちの課題というところで、三つ目の段落、このような子供たちのというのがありますが、ここの最後にありますとおり、本年度8月に論点整理がまとまったところでございます。

今回の論点整理の中で一つ出されておりますのは、社会に開かれた教育課程ということを打ち出しておりますので、その社会に開かれた教育課程という記述を4ページから5ページに掛けて書いております。

それから、前回、指導方法というところで、主体的・協働的な学習ということでアクティブラーニングの話を書いておりました。そこにつきましては、アクティブラーニングの視点を踏まえて指導方法を不断に見直して、改善していくということが大事だというのが出ておりますので、指導方法の不断の改善という段落でその旨を記述をしております。

それから、カリキュラム・マネジメントにつきましては、中間まとめの段階から記載があったわけでございますけれども、論点整理の中身を踏まえて少し再整理をさせていただいております。

併せて、その次のページ、6ページの上の方でございますけれども、社会に開かれた教育課程ということで、子供たちが教育活動を受ける上でいろいろな地域の方々、あるいは専門能力のスタッフと関わっていくということが、その子供たちに必要な資質・能力を育むためにも重要だという記述をそこに追加させていただいているところでございます。

それから、6ページ、同じく(2)複雑化・多様化した課題を解決するための体制整備でございます。ここにつきましては、子供の貧困対策に関する大綱というのが下から三つ目のところに書いてございますけれども、それに併せまして、今政府の方で1億活躍社会というのを出しておりますので、それに関する記述を追加しているところでございます。

続きまして、8ページでございます。ここは子供と向き合う時間の確保のための体制整備というところでございます。ここにつきましては、少し先生方の実態ということについて、授業持ち時数、それから小学校、中高の少し校種の違い、それから先生方が単なる事務業務ではなくて、先生方が担うべき事務業務のようなものとして、例えばそこには学年団としての業務、それから教務部等、そういう認証の業務、それから委員会等で組織しているような業務、それからPTA等の業務といったものを例示して、中身を少し整理させていただいております。

それで、続きまして、2番、チームとしての学校の在り方の方に参りますけれども、12ページをごらんいただきたいと思います。この全体の構成としては、専門性に基づくチーム体制の構築というのが一つ目というのは変わらないところでございますけれども、その中の中身として少し中間まとめから記述を整理させていただいております。そもそも学校の中で先生方が自分の得意分野を生かして、今までもやはりチームとして取り組んできている部分があるということ。ただ、近年の状況等を踏まえて改めて専門能力スタッフ、あるいは地域の力の参画を得て、チームとして教育活動に取り組むことが重要だという記述を追加等しているところでございます。

続きまして、前回、小見出しを付けていなかったのですけれども、そこに協働の文化という小見出しを下に付けさせていただいております。

併せまして、次、13ページでございます。ここは前回、小見出しでは付けておりませんでしたけれども、やはり専門能力スタッフ等の確保というところで、人材の確保ということがヒアリングの中でも繰り返し出てまいりましたので、教員については免許制度ですとか、国庫負担制度等あるわけですけれども、それ以外のスタッフにつきましても、計画的な配置の促進というものが大事だということを書かせていただいています。

続きまして、2番目、学校のマネジメント機能の強化でございます。ここの中身についても、基本的に中間まとめと同様の中身でございますが、中身を少し整理をさせていただきました。そもそも校長をはじめとした優秀な管理職を確保するという話が一つ目、続いて、その上で校長だけではなくて、学校をマネジメントする組織的な体制を強化するという話を二つ目、それから、三つ目として、今回のチームとしての学校を踏まえて、どういうマネジメントが必要かということで、少し留意点のような形で多様な職員で構成される組織のマネジメントというので、小見出しを一つ付けさせていただいております。

続きまして、マル3、教職員一人一人が力を発揮できる環境の整備の部分でございますけれども、ここにつきましては、後段の具体的な改善方策とも併せる形で人材育成の充実という話、それから業務改善の推進、それから次の15ページですけれども、教育委員会等による支援という形で整理をさせていただいています。

それから、(2)でございますが、ここは中間まとめではなかったものでございますけれども、前回竹原委員の方からも家庭、地域社会との話を御意見を頂きましたけれども、それを踏まえまして、これまでの取組の経緯、それから学校と家庭とはどういうふうに変わってきたかということ。それから、下に学校が担うべき業務と書いておりますけれども、そういう形で整理をさせていただいております。

それから、16ページでございます。ここは、一つは、団体ヒアリングでPTA団体に来ていただきましたけれども、その際、PTAの話もきっちり書いてほしいということもございましたので、PTAの話を書いていること。それから、(3)番ですけれども、国立学校、私立学校につきましては、それぞれの位置付けとか役割というのもございますので、それを踏まえて各学校の取組に対する必要な支援の在り方を検討していく必要があると書かせていただいております。

それから、18ページをごらんいただければと思います。ここは教員の業務の見直しというところでございましたけれども、ここの下の「ただし」以下を少し丁寧に書く形で追加をしております。例えば、いじめ等の対応につきましても、カウンセラーを使っていくということは有効であるわけですけれども、カウンセラー任せでは解決するわけではなくて、教員が中心となることが必要であるということは追加、明記させていただいているところでございます。

続きまして、21ページでございます。ここは予算要求等も踏まえているのですけれども、小学校の例えば専科教員の配置ですとか、これはヒアリングでございましたけれども、特別支援教育、あるいはいじめ等に対応するというために中心的な対応ができるような教員の配置ということで、配置数の充実を求める意見がございましたので、それを追加しているところでございます。

それから、次の22ページでございます。ここから22、23につきましては、養護教諭、それから栄養教諭・学校栄養職員について。ここについては、中間まとめの段階では特に記述、明記をしておりませんでしたけれども、やはり生徒指導の観点、あるいは健康管理の関係でいけば養護教諭が大きな役割を担っていると。それから、食に関する指導というのも近年求められているということもございますので、ウとエという形で新しく記述を追加しているところでございます。

それから、23ページ以降でございます。ここからはマル2ということで、教員以外のスタッフについて列挙してあるわけです。中間まとめの段階では、そのままずっとア、イ、ウと列挙しておりましたけれども、少しグルーピングをいたしまして、一つ目として、心理、福祉、主に生徒指導で関わるようなスタッフということで、カウンセラー、ソーシャルワーカーを記述しております。

それから、26ページをごらんいただければと思いますけれども、ここの特別支援ということで書かせていただいております。前回の医療的ケアを行う看護師、これがウでございます。

それから、29ページのエの特別支援教育支援員ということでございましたけれども、今回はヒアリング等の結果を踏まえまして、オとしまして、言語聴覚士等、それからカでございますが、就職支援コーディネーターということで、これに関する記述も追加しています。

それから、31ページは、ICT支援員、それから学校司書、ALTということで、主に授業等の教育活動の番目で教員を支援するスタッフということで列挙させていただいているところでございます。

それから、36ページでございます。ここが一つしかないんですけれども、部活動に関するスタッフということで記述を追加しているのと、それから36ページの下の方から5行目ぐらいですけれども、「ただし」と書いてありますけれども、たしか高体連の発表だと思いますけれども、部活動の顧問の業務というのにいろいろな業務があるという話を頂いておりますので、それを踏まえまして、部活動に関する計画の作成とか、予算の調整、そういった業務があるという記述を追加しているところでございます。

それから、38ページですけれども、ここは地域との連携の体制の整備ということです。ここについては、今のこの作業部会とは別に、地域との協働について別の部会で議論しておりますけれども、それの結果も踏まえまして、地域学校協働本部といったような記述に追加させていただいております。

続きまして、42ページでございます。ここからマネジメントに関する話の部分でございましたけれども、やはり前回の議論におきましても、管理職のマネジメントということが重要だという指摘をたくさん頂いておりますので、記述としては「特に」というところで2行目の部分でございますが、研修に関するような記述を追加させていただいております。

それから、続きまして、事務職員に関する部分でございます。45ページをごらんいただきたいと思います。ここは学習指導要領との関係でございますけれども、カリキュラム・マネジメントの重要性ということとかがありまして、やはり教育内容だけではなくて、教育活動に必要な人的、物的資源という観点で、事務職員が力を発揮されることが期待されているのではないかということを書かせていただいています。それから、これは本作業部会でも何度もなかなか難しいという議論がございましたが、その事務職員の採用の話、そこにつきまして少し記述を追加させていただいております。

続きまして、46ページの改善方策のところにつきまして、事務の共同実施組織につきまして少し表現を明確化させていただいております。

それから、次の三つ目ということで、教職員一人一人の環境の部分でございますが、ここについて修正しておりますのは、51ページでございます。ここが前回の中間まとめでは、国は指針を作成という形にしておりましたけれども、本年の7月に業務改善のガイドラインというのを作っておりますので、そのガイドラインを活用した取組の推進ということで記述をさせていただいております。それと、併せまして改善方策のところにつきましても、一つ目のポツですけれども、「国は」ということで修正をさせていただいています。

それから、続きまして52ページでございます。メンタルヘルスの部分でございますけれども、ここにつきましては、平成26年に労働安全衛生法が改正になっておりますけれども、本年の12月からストレスチェック制度というのが新しく導入をされると。これは、そこにるる書いてございますが、労働者の心理的な負担の程度を把握するために医師等が面接をするといったような仕組みでございますけれども、それに関する記述を追加させていだいております。

それから、53ページでございますが、マル3というところでございます。学校に対する支援ということで、教育委員会の指導主事、管理主事の支援ということが重要だということを改めて、この53ページのアの部分の最初3行でございますが、ここを追加させていただいております。

それから、次の54ページです。指導主事の力量の向上という小見出しの部分で、最初の段落の最後の部分、「特に」というところですが、幼稚園ですとか、子ども園につきましては、これは特に都道府県ですけれども、幼児教育専任の指導主事というのが現在配置されていないという状況、そういうのが多いというのがございますので、幼児教育専任の指導主事の配置が欲しいという意見があったということを追加させていただいております。

それから、54ページ、同じくイ、人事管理の充実と、ここは新規で書いております。前回は指導主事の話だけ書いたわけですけれども、こういう形で学校の在り方が変わっていくということになれば、当然その管理する教育委員会の方にもそれを踏まえた体制が求められるということで、人事管理ということで特に新しく書いております。

一つ目、これは当然のことですけれども、任命権者として服務管理等に取り組んでいるということで、これは当然ながら今までどおりやっていただく必要があるわけでございます。それと合わせて、次の55ページ、「一方で」と書いておりますけれども、服務管理に留まらず、教職員の力を引き出していけるような施策ですとか、伸ばしていけるような施策についても、やはり併せてこれからはもう少し重視していく評価があるのではないかということ。それから、いわゆる指導行政と管理行政との間の連携ということ、そういったことが必要なのではないかということを書いております。改善方策としてここに書いておりますのは、現在、国の方でも管理主事に対する研修を毎年実施しておりますけれども、その中身の見直し等を含めて取り組んでいくべきだということで書いております。

最後、55ページのウの部分ですけれども、不当な要望等への対応ということを追加しております。これは、校長を支援するという姿勢をはっきり教育委員会が示していくべきだということで追加をしている部分でございます。

56ページ、最後、改善方策のところで二つ目のポツですけれども、こういう不当な要望等への対応についての研修というものを実証していくべきだというのを追加しております。

修正の箇所は以上でございます。よろしくお願いいたします。

【小川主査】  ありがとうございました。それでは、今の事務局からの説明を加えまして、答申素案について質問、意見交換等々をお願いいたしたいと思います。前の中間まとめと比べると、例えば用語等々においても幾つか変更がありまして、私も先ほど聞きながら、どうもしっくり来ないのが、専門スタッフから今度専門能力スタッフと、全てそういう呼び方に変更しています。専門能力スタッフというのが3ページにも規定があって、学校で教員と連携・協働できる専門性を有している人材を総称して専門能力スタッフということで、ここでは一貫してそういう名称で通すということにしております。

こうした用語等々への御意見も踏まえまして、よろしくお願いいたしたいと思います。もう幾つかに分けて疑問や意見をお伺いするというよりも、答申素案全体を通して疑問とか、御意見があればお受けしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。どなたからでも構いませんので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

まず最初は、先ほど専門能力スタッフの名称の言い方というのは結構発信として重要だと思うので、専門スタッフを専門能力スタッフということで統一した理由をちょっと説明いただければと。

【福島課長補佐】  まだ中でも議論しているところなんですけれども、中間まとめを7月に出した以降のいろいろな議論も見まして、やはり教員に置き換えていくというような捉え方をされているのではないかと。そういうところで、この用語がいいかどうかというのはあるのですけれども、やはり教員がいて、その教員にこういう専門性、あるいは経験を持った方が入ることで学校の教育活動を良くしていくということで、単に置き換えればいいというものではないというのを何かしら明確にできないかなということで、ちょっと今回はこういう形で問題提起の意味も含めてさせていただいたというところでございます。

【小川主査】  ありがとうございます。そのことも含めまして、皆さんの方から質問や御意見があれば何でも構いませんので、いかがでしょうか。  どうぞ、田村委員。

【田村委員】  失礼します。細かいことで申し訳ございませんけれども、まず3点ございます。1点目、8ページの真ん中のパラグラフの下から2行目で、「校務分掌は教職員のOJTの機会として重要な業務である」とあるのですが、これはOJTの機会だけでいいのかと。実質的な業務があるのではないかなというのが、1点目です。

それから、2点目なんですけれども、2点目は12ページの下から3行目、4行目あたりなんですが、「少数職種が孤立しないよう、学校全体で意識改革を行い、専門性や立場の異なる人材をチームの一員として受け入れることが挙げられる」とあります。おっしゃっていることの意味はよく分かって、中身は賛成なんですけれども、チームの一員として受け入れるという表現が、何か最初に教員のチームが、前の段落とのつながりだと思うんですけれども、もっと共にやっていくというようなニュアンスで、元あるものに受け入れるというよりは、違った表現の方がよろしくないかなと思いました。

それから、意識改革とよく言うんですけれども、それは非常に趣旨は分かるのですが、なかなか直接的に意識を変えるというのは難しいところがございます。例えば意識改革を残しつつも、共に話し合う機会を設けるとか、そういった行動を共にするというニュアンスをどこかに入れていただいたらどうでしょうと思いました。

似たようなところなんですが、17ページにカリキュラム・マネジメントの必要性ということで書いていただいています。ここのところで、カリキュラム・マネジメント、こういうことをやっていくことが必要だと書いてあるのですが、そのためには、教職員が場や機会を共有するコミュニケーションの場が必要なんです。結局自分の教科だけとか、自分の学年だけではなくて、限られた時数の中で最大限の効果を出していくということがカリキュラム・マネジメントの一つの趣旨ですので、学年を超えたコミュニケーションであったり、教科を超えたコミュニケーションであったりといったような、そういった場や機会というのがどうしても折に触れ必要ですので、そういった意味で時間も必要ですし、教員にとって仕事でありますので、そういったところのニュアンスを入れておいていただけたらなと思いました。以上でございます。

【小川主査】  ありがとうございました。今の8ページの、確かにこの文章はOJTの機会だけではないので、この辺のうまい表現があれば、また後で御提案いただければと思いますけれども。  ほかにいかがでしょうか。

【大久保委員】  すみません。

【小川主査】  貞広委員、そして大久保委員の順でお願いします。

【貞広委員】  ありがとうございます。私は、田村委員と違って、逆にすごく茫洋とした意見なんですけれども。前回のものと今回のものを比べると、もちろんヒアリングでいろいろ伺ったものを盛り込んでいただいた成果ゆえの結果だと思うんですが、特に3の具体的な改善方策のところが全体的に現状を見てではゃ、改善方策はどうというふうに書かれているのですけれども、これも、これも、これもという感じになっている。

本当に全部実現できればいいんですけれども、何というか、優先順位のようなものというのは考えなくてもいいのかなと。これだけたくさんになってしまったので、逆にそれが不安に。もちろん、全部実現できればいいんですけれども、優先順位の地図のようなものというのは作らなくてもいいのかなというのが、すみません、とても印象的なもので。

それと、先ほどの専門能力スタッフも、ちょっと私もワーディングには若干違和感があります、学校の先生も専門能力を持っていらっしゃるので。例えば、専門協働スタッフとか。でも、協働だとチームにならないのかとか、さっきからちょっと考えていたのですけど、若干、もう少し皆さんから知恵を出していただいた方が。やはり、小川先生がおっしゃるように、ここが特出しで情報発信になっていくと思いますので、ということです。

もう一つは、前回のもので気になっていながら意見で言わなかったのが、養護教諭の記述がほとんどなかったのですね。これをちゃんと今回書き出していただいて、特にスクールソーシャルワーカーやカウンセラーとの連携というのが養護教育の先生は大事で、そのあたりも書いていただけたので、大変よかったと思います。以上です。

【小川主査】  ありがとうございました。  大久保委員、どうぞ。

【大久保委員】  細かいところからということもあったので、最初に複雑化・多様化した課題を解決するための体制整備というところ。このそもそものチームとしての学校というのを考えるきっかけとして、学校側の抱える課題が複雑化・多様化したというの、ページで言いますと6ページになりますか。6ページのところにありまして、ここに、今回のチームとしての学校を考える一つの基になる考え方が書いてあると。ほかの部分もそうですけれども、ここのところは特に私たちは議論したと思うんです。

ここの最初のところに、学校が抱える課題が複雑化、困難化している理由としてはとあって、第2段落ですけれども、そこに都市化、過疎化の進行とずっとあって、セーフティーネットの機能の低下などが考えられるとあります。実際複雑化、困難化している理由というのは、もちろん、ここにあるようなのもあるのだと思うのですけど、これよりも「また」書きのところにある、非常に人間関係のありようが変化してきているというところ、そして、「加えて」とあって、特別支援教育のことについて書かれた、この二つのところがかなりこの複雑化・多様化した課題の具体的な中身を示していると思うんです。

実際、それを分かりやすく書いたのは、その下の方に小項目で生徒指導上の課題解決のためのチームとしての学校の必要性というのと、その次のページの7ページの真ん中ほどに、特別支援教育の充実のためのチームとしての学校の必要性というふうに、ここが詳しく書いてあって、このとおりだと思うんです。ですので、最初の書き出しのところに、この生徒指導上の課題解決のという部分と、特別支援教育の部分が後で詳しく説明してあるのに、最初の書き出しでは、メーンの理由は別にあって、「また」書きを加えたものみたいになっているのですけれども、 書きぶりとしては、最初にある、こういった一般的に学校が抱える課題が複雑化・困難化している理由として書かれている3行程度の内容は、一般の教職員も一般的に言われることで、それよりも、後ろの「また」書きと「加えて」の方が実際のところとして感じるので。ですから、ここの書きぶりのところは、前3行もあるけれども、もっと言うと、「また」書きと「加えて」の部分があって、複雑化・多様化しているという部分になるものなのかなというのを感じました。最初のところ、まずその1点を。

【小川主査】  よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。  藤原委員、どうぞ。

【藤原委員】  ありがとうございます。3点だけ申し上げたいと思います。まず1点目でございますけれども、11ページに関わって、チーム学校の推進の主体について、例えば国・地方公共団体等がやはり連携して進めなければ実現しないので、そこについて国・地方公共団体等の責務について、やはりこれ書き込んでおく必要性があるのではないかというのが1点目でございます。学校だけではなかなか実現できないだろうというのが、1点目。

2点目でございますけれども、13ページでございます。今回、子供の教育に第一義的責任を有するという文言を入れられていると思います。これはやはり現実的に日本の学校というものを考えますと、重要なフレーズなんだろうと思います。そういうことを考えますと、全くばらばらに協働するというイメージではなくて、例えばこの協働という下からのマル1の専門性に基づくチーム体制の構築の、チーム体制の構築の一番下のパラグラフでございますけれども、例えばこのあたりに子供の教育に第一義的責任を有する教員を支援することを基本としてと、その上で、当事者意識とか責任感を共有するというふうな文言の形で進めた方が、現実には日本の学校には適合的ではないのかという点が、2点目でございます。

3点目は、教員養成との連動性、整合性との関係で御意見、ここは2点ございます。56ページでございますけれども、今現在学び続ける教員を支えるキャリアシステムの構築という議論というのが同時並行でなされてきているところでございます。そのあたりの文言というのも、やはり全ての教職員が学び続けるというような文言というのは必要であろうということ。

もう一つ、教育委員会と大学等との協議・調整のための体制の構築というのが今後進められてまいりますけれども、それを主として教員養成を中心としているのですけれども、せっかくそういう場が設けられるのであれば、そこで教員養成を中核とするとしても、様々なスタッフの育成について、教育委員会と大学が協議するという方が望ましいのではないかと。そのあたりを具体策として提言するということは有効ではないかと思います。

もう一つ、教員養成との整合性について、47ページでございます。47ページ、教員研修センターについての記述がございますけれども、これは重要な記述だろうと思っております。ここで、今後教員のリーダーが教職大学院等々を含めて重視しながらマスターレベルの教育というのを受けてくるということを想定いたしますと、事務職員等々の全国レベルのリーダーにおいては、修士課程と言わなくてもマスターレベルの能力というものに相当したようなプログラムというのが要るのではないかと。すぐには無理としても、是非そのあたりを検討していく必要があるのではないか。ですから、修士ではなくて修士レベルという形で、教員研修センターで実施すべきではないかと。

また、その際に、私ども教員もそうですけれども、職業人を育成する上では、すぐれた先輩が後輩をいざなうというのが職業人育成の基本ではないかと考えます。そういうことを考えると、そうしたプログラムの開発において、教員研修センター、これはもちろん独法でございますので、裁量はございますけれども、事務職員出身の指導主事の配置をし、さらにそこで研修ネットワークの構築等の役割を担えば、かなり効果的な研修プログラムの計画と実施ができるのではないかと考えます。

このあたりについて、可能な範囲で是非取り入れていただければと思います。ありがとうございました。

【小川主査】  ありがとうございました。  稲継委員、どうぞ。

【稲継委員】  ありがとうございます。3点申し上げたいと思います。一つは、とても細かいことなんですけれども、11ページの図の中なんですが、今、専門能力スタッフなのか、あるいは専門的スタッフと言った方がいいのか、専門協働スタッフという提案もありましたが、いずれにしろ本文と図の中の表現を統一してもらいたい。これ、今図の中は専門スタッフになっちゃっているので、ここでコンセンサスが得られた用語に統一していただきたいなと思います。これが1点です。

2点目もかなり細かいことなんですが、27ページです。ウ、医療的ケアを行う看護師というタイトルがあって、1行目は「看護師は」とありまして、2段落目に「看護師等」の配置ということで、恐らくここに准看護師も含める意味を持っておられると思うのです。今年の4月から、保育所における准看護師についても保育士に代わる算定基準に入っているのです。これ、昨年の地方分権の提案制度に佐賀県が応募して、それも内閣府で議論した上で、最終的には労働省令、基準が変わって准看護師も算定されるようになったのですが、そのあたり、用語を入れるかどうかで後でとてももめることになりかねないので、「等」を入れるのだったら、このタイトルにも「等」を入れておいていただきたいなと思います。これが2点目です。

3点目は、貞広委員と同じく、かなり大きなことをちょっと感じました。これは目次のところに戻った方が分かりやすいと思うんですけれども、具体的な改善方策のところで、貞広委員も御指摘のように、たくさんのことが出てきて、今読んでいてプライオリティーが分からない状態になっています。そんな中で、何が一番優先順位があるのかなと考えた場合に、いろいろな専門的スタッフ、あるいは専門能力スタッフが今後登場した場合に、それを全部オーガナイズして、全部働いていただくようにファシリテートするのは校長先生、学校管理職の役割なのです。ですから、一番大事なのは学校マネジメントの機能の強化、管理職の能力育成ですとか、そういったところになると思います。

今それが2番目になっているのですけれども、私はロジカルオーダーで言うと、これは1番目になるのかなと思います。ですから、私の提案としてはこれを1番目に持ってきていただいて、1番を2番に入れ換えるようにしてもらったら、少しは分かりやすくなるのではないかなと思います。以上でございます。

【小川主査】  ありがとうございました。ここまで用語の問題とか、ここの文章はこういうふうに工夫してほしいとかいう御意見については、そうした要望を踏まえながら工夫していきたいと思うんですが、先ほど、例えば新しい書き方、例えば藤原委員から出てきた様々な専門スタッフというか、専門能力スタッフの育成ということについては、もう少し大学の養成のところで議論するような機会を増やすとか、修士レベルでの研修、研究センターでやるということを、もう少し記述の中に入れてほしいとか。

貞広委員とか稲継委員から出た、いわゆる改善方策をどういう形で、ここの報告、答申案の中に優先順位を明記しなくてもいいと思うんですけれども、しかし、何らかのここは絶対譲れないよという、そういう発信というか、改善方策については、そういうものが伝わるような工夫は必要ですね。その辺の書き方を含めて、少しこれは事務局の方に議論していただいた方がいいのかなと思うんですが。

今までの記述以外の、今言ったような御意見等々について、何か今の時点でお考えがありましたら事務局の方からお答えいただければと思うんですが。

【福島課長補佐】  今の構成等の話ですね、非常にだんだん文章が長くなって、いろいろなものがどんどん追加されてきているので分かりにくいというのは、おっしゃるとおりのところもあるかと思いますので、そこは少し構成上の工夫を検討させていただきたいなと思っております。

それから、教員養成の方につきましては、教員養成部会の方で今教育委員会との協議の場の話ですとかいろいろ出ておりますので、そちらの方も踏まえた形の記述を少し検討させていただきたいなと思っております。細かい文言等については、また調整をさせていただければと思います。

【小川主査】  前田委員、どうぞ。

【前田委員】  すみません、まとめた後に同じようなことをお話しするのでお恥ずかしいのですけれども、やはり私もこの校長先生のマネジメント、これだけ多様な人を集めますので、マネジメントが非常に重要なので、これが一番大事なのではないかなと思うこと。

この専門能力スタッフの方たちの雇用の安定とか質の担保というのは、やはり誰でもいいから来てもらうというわけにはいかないですし、子供たちがこの方たちに影響されることはかなり大きいと思いますので、先ほど藤原委員が教育、研修とおっしゃっていましたけれども、質の担保というのは相当うたわなければいけないですし、そのためには、ある意味、雇用の安定、そちらのことも考えつつチームで入ってもらわなければいけないのではないかなと思っています。

【小川主査】  ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。  青木委員、どうぞ。

【青木委員】  ありがとうございます。これまでの御意見と重なるところもあるのですが、大きく分けると三つぐらい申し上げたいと思います。一つ目は、優先順位問題です。これは、この答申が主として誰が名宛人で想定されているかというと、やはり県費負担教職員制度をそれぞれつかさどっている都道府県の教育委員会、あるいは付随して市町村の教育委員会なんだろうと思うんです。そう考えると、基本的にこの答申で盛り込まれている具体的な職名というか、専門能力スタッフはメニューというか、カタログであって、それぞれの都道府県、あるいは市町村の教育委員会で判断して力点を置いてくださいという文言を一つ入れるというのがあり得るのかなと思います。

もちろん、文部科学省、この答申としてどこに力点を置くかというのは、先ほど稲継委員がおっしゃったように、もちろん書くべきだと思うんですけれども、その両面から攻めていくというのがいいかなと思います。

二つ目ですが、事務体制の強化というのが充実などという表現を含めて44ページのあたりに書かれています。これに関わってなんですけれども、市町村の事務職員というか、市町村費の事務職員というのが最近引き揚げられていて、ここの答申の素案でも、46ページに2回ほど出てきますが、一人配置という表現があります。私たち教育行政に関わりのある人間からしても、それがある意味当然の相場感のようになっているわけですが、ここから申し上げるのは総務省との関係もありますので何とも言いようがないんですが、交付税措置があります。

教材費に関しても、交付税措置がありますよということを関係機関や、関係団体、教育委員会に向けてのパンフレットである程度表現がなされていますので、交付税措置がありますよということは強調してもいいのかなと思います。その上で、例えば何がなんでも都道府県費の事務職員と同じような処遇で、もう一人配置してくださいというわけではなくて、先日たしか読売新聞、教育ルネサンスで紹介があったと思いますけれども、事務のサポートをするような方を市町村費で雇用するということも含めて、充実ということにつなげていけばいいのかなと思います。

3点目です。情報ということを考えると、この答申素案では余り触れられていないんですが、例えば医療の現場を見ますと、チーム医療という言葉で今非常にここの作業部会と似たような議論が進んでいるわけです。民間資格ですが、診療情報管理士ですとか、医療情報技士というような民間の資格があります。そういったものを考えると、学校での情報の管理というのは非常に大事になってきますので、これを誰が受け皿になるかは別として、情報といったものを扱う役割は学校の誰かに必要であるということを書き込む必要があるかなと思います。以上です。

【小川主査】  ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。  大久保委員、どうぞ。

【大久保委員】  先ほど具体の書き換えのところで、少し今度は全体的なことで3点ほどお願いします。

まず1点目です。一つ先ほど前田委員がおっしゃったように管理職の研修というか、資質向上というのはすごく大事ということがありましたけれども、この今頂いた資料の中では、管理職の研修のことについて記述があって、国が管理職の研修に関するプログラムを開発してというふうな部分がきちんと書き込まれてはいるのですけれども、やはり今回のチームとしての学校という、こういったこれまでの体制と変えていくといったときに、都道府県の教育委員会とか、市町村の教育委員会もそれぞれ管理職の研修というのをやっているわけですけれども、学校の在り方を変えていくという大きな見直しをしていくわけですので、管理職に対してどんな資質が必要というだけではなくて、やはり管理職そのものに対する研修というのを充実させるというところは特に強く出していくべきなのかなと。

そうしないと、都道府県任せとか、市町村教育委員会任せだと、少し前から組織マネジメントとかいって、結構管理職の研修というのは実施されていたのですけれども、やはり各県、各市町村ばらばらに進んでしまう可能性があるので、学校としての在り方を変えていこうというこの状況の中で、やはり国として管理職の研修をどうするかというのは、プログラムを出すというだけでいいのは、そこが私、予算との絡みでよく分からないんですけれども、とにかく管理職に対する研修の内容とか仕組みの整備というのを進めるべきだということを明確にうたうべきではないかなと、これがまず1点です。

2点目は、今何人かの委員の方がたくさんの専門能力スタッフが書かれていて、これはこれでいろいろな地域の実情によって優先順位が変わってきたりする中でいろいろあるというのを示すというのはありなのかなと思ったのですけれども、大事なことは、書いてあるかもしれませんけれども、先ほど事務局の説明でも、この専門能力スタッフというのを入れることによって、先生方の仕事が少なくなるわけではなくて、教職員の仕事を専門能力スタッフに切って渡していく。つまり、業務が減るから人数も減っていいと、そういうふうにはならないようにしていただきたい。

要するに、学校全体の教職員の数を減らして専門能力スタッフが入ってくるというのではなくて、教職員の定数はきちっと確保した上で、その上で専門能力スタッフというのが必要になってくるというふうにしておかないと、専門能力スタッフが入ることによって、教職員の定数を減らしてもいいというとられ方をするのはよくないのではないかと。もちろん、財政的な面があって、そういう部分もあるのかもしれませんけれども、我々のスタンスとしては、決して教職員の、例えばさっきいじめのことがありましたけれども、スクールカウンセラーに丸投げするのでは駄目だと、たしか事務局の説明がありました。

そのとおりで、例えばカウンセリングをするから、教職員は何も関わらなくいいかというと、そんなことは決してないわけです。例えばいじめの早期発見の一番スタートは、やはり他人であったりとか、そういった直接子供たちと接している先生たちなわけで、そこが数が減っていって、専門能力スタッフが増えるというふうなことにならないように、どこかで記述で明快になるような、全体をくくる前の方に何かあってほしいなというのが、これが2点目です。

最後に3点目ですけれども、ヒアリングの中で、それぞれの専門能力スタッフの関係の方々が自分たちの専門能力の必要性を一生懸命説明されていたと思うんです。そういう中で、学校にこれからこういう専門能力スタッフが入ってくるときに、最初で誤解されたまま入ってくると、なかなか先生方の頭の中が切り換わらないということがありますので、最初の書き出しのところに、例えば一つ例で言いますと、スクールカウンセラーというのが一番最初に多分出ていると思うんです。例えばスクールカウンセラーが出てくるときに、こういう職でという形で最初書いてあったと思うんですけれども、例えばスクールカウンセラーというのは、心理の専門家として児童・生徒へのカウンセリングや教職員、保護者への専門的な助言や援助と、こういう書き方をしてある。

これで定義されると、そういうものだけというふうになるわけですけれども、たしかあのときにスクールカウンセラーで入ってきた方々は、自分たちはカウンセリングだけではなくて、例えば児童・生徒のストレスへの対処方法に資する教育プログラムの実施も大事な役割としてあるのだとか、それから、助言とか援助だけではなくて、教員のカウンセリング能力の向上を図る研修もやると。こういう最初に定義するところは特に気をつけて、入れるべきことは入れておかないと、違った形で定義されたら、これが大本になってずっと後につながれると、非常におかしなこととまでは言いませんけれども、うまく専門能力スタッフの活用がされないこともあるので。

特に今、スクールカウンセラーを使って、と言いましたけれども、ほかの専門能力スタッフもそこはしっかり確認をしておいた方がいいのかなと思いました。以上、3点です。

【小川主査】  ありがとうございました。ほかにどうでしょう。  加藤委員、何かございますか。

【加藤委員】  遅れまして、すみませんでした。拝見させていただいて、非常に細かいというか、緻密に整理されていて、大変私自身、読みごたえがあるというか、拝読いたしました。委員の皆様から様々な意見が出ておりますので、おおよそ私も同意するところなんですけれども。

私が感じたところを申し上げさせていただくと、これまで出していただいたのと、先週頂いた机上の資料について私が大きなところで感じたのは、8月の教育課程企画特別部会の論点整理との整合性をかなりつけていただいたというところが、私にとっては非常に腑に落ちるというか、分かりやすくなっていました。改めて論点整理の方も読ませていただいて、ただ、最初の方の整合性はついているのですけれども、後ろの方に行くに従って、こういう言葉が使われていないのはどうしてなのかなというようなところがありましたので、文章がこれ以上長くなっても大変読みづらくなっていく可能性もあるので、その辺うまく置き換えていただくなりの工夫が、後ろの方は特に必要なのかなというのを感じました。

論点整理のところの文章で恐縮ですけれども、一つ、自分では分かりやすかったところを読ませていただきます。論点整理の23ページに、教育課程を核に授業改善及び組織運営の改善に一体的、全体的に迫ることのできる組織文化の形成を図り、アクティブラーニングとカリキュラム・マネジメントを連動させた学校経営の展開がそれぞれの学校や地域の実態を基に展開されることが求められると。一文でかなり、全部チーム学校の何か求めるものを凝縮している感じや雰囲気があったので、先ほどの、例えば校長のリーダーシップの在り方なんかを前の方に持っていっていただくと、校長のリーダーシップの文章は多分大分前に書かれたところなので、こういったところをうまく使っていただいて、今後の教育課程の改訂の文言とうまく連動させていただくと、現場にとっては非常に分かりやすくなるのではないかと。

これまでも、教育課程とこういうマネジメントの在り方は連動していたとは思うのですけれども、これまで以上にかなり連動させているのが今回の特徴なのかなと、私、勝手に思わせていただきました。養成部会のまとめとか、ほかとの連動性もかなり工夫されていらっしゃる様子で、そこのところの部分で補っていただければというのが、私が全体的なところで思っているところでございます。以上でございます。

【小川主査】  ありがとうございました。ほかに何かございますか。

何を大幅に見直せとか、加筆・修正しろという要望はそれほどないので、今加藤委員からお話があったような、ほかの答申との整合性をもう少しうまく文章で生かした方がいいのではないかという意見を含めて、文章の練り方を少し検討してほしいというのが大方の意見だったような気がします。  ほかにいかがでしょうか。よろしいですかね。いいですか。もう1時間ぐらいで終わることになりますけれども。ただ、これまでもかなり丁寧に。

【青木委員】  終わるのであれば、ちょっといいですか。

【小川主査】  どうぞ、どうぞ。

【青木委員】  すみません、全体を熟読し切れていないかもしれないんですが、チームとしての学校という定義は10ページの枠囲みで出ているのですが、やはりこれを読みこなすときに、さらに読者というか、読み手が欲しがる情報として、チームというのは何だろうかということなんだと思うんです。そこも、この枠囲みに込められていますという整理がなされているというのであればいいんですけれども、そのあたり、事務局の方で咀嚼されてこうなったのか、やっぱりチームというのを正面から書くことについては何らかの支障があるのかというのがちょっと分からなかったので、教えていただきたいということ。

それに関わって11ページに図が出ています。ここのチームとしての学校という右端の図の黒ポツポツの三つ目に、チームとしての学校と地域の連携を強化とあるのですが、これ、「と」が読みづらくなって、地域も含めてチームなのかしらという誤読を招くかもしれませんので、何らかの表現の工夫が必要ではないかと思います。これに関わって改めて申し上げたいんですが、やはり学校という校長がトップにいて、それでマネジメントがきく組織の範囲が明確になっていますので、地域とか家庭とかとの関係は、そうやって閉じた学校という形、組織体として学校を位置づけているという意味で、今回の素案は非常に良いと思います。以上です。

【小川主査】  ありがとうございました。よろしいでしょうか。  どうぞ、藤原さん。

【藤原委員】  時間を頂いてありがとうございます。青木委員から御指摘があったこのイメージ図なんでございますけれども、これはやっぱりかなりインパクトがあると思います。そういう意味で、このイメージ図、かなり丁寧にお作りいただいているというふうに思います。その意味で、例えば先ほど青木委員から御指摘があった、例えば事務補佐員でしょうか、そういったところも含めて、あるいは共同実施の法令化を考えるというふうな文言も見られますので、そういったチームとしての仕事の在り方、学校という枠を超えたチームの在り方も含めてここに書き込んでいただけるような形に、是非とも工夫をしていただきたいなと思っております。  これが申し上げたい点でございます。ありがとうございました。

【小川主査】  全体を通じて何か御意見ございますか。  事務局の方から、今までの意見等々をお聞きして何かございますか。

【福島課長補佐】  まず11ページの図の方については、スペースとの関係があって苦労したところなんですけれども、ちょっと書き方の工夫をしてみたいと思っております。

それから、チームということですけれども、ここは事務局の中でもいろいろ議論していまして、チームというのがそもそも例えば日本語に訳すと何だろうかと。グループとは当然違うわけですけれども、そういうところも含めてなかなか正面からどう書くかというのがあるのですが、そこが先ほどの書き方の工夫のところと併せて、ここがはっきりするともう少し読みやすくなるというのもあるかと思いますので、少し検討させていただきたいと思います。

【小川主査】  どうしましょう。ほかにどうでしょうか。  どうぞ、田村委員。

【田村委員】  すみません、チームとしての学校像の定義のところなんですけれども、子供たちに必要な資質・能力を確実に身に付けさせることができる学校というのは本当にすばらしい。それを目指すべきなんでしょうけれども、これをチームとしての学校と定義すると、現実的にはいささか苦しいような、心理的な、そういう受けとめもあるかなと私は感じるのですけれども。確実に身に付けさせることを目指す学校とかでは…。すみません、これは私の。

【小川主査】  具体的に何ページですか。

【田村委員】  すみません、10ページですね。

【小川主査】  何行目ですか。

【田村委員】  10ページの四角囲みの中の。

【小川主査】  括弧の中ですか。

【田村委員】  はい、括弧の中で、子供たちに必要な資質・能力を確実に身に付けさせることができる学校というと、実際できなかったらチーム学校ではないのかとか、そういったような読み方もなきにしもあらずかなというふうに、私は……。

【串田課長】  意気込みではないですか。

【田村委員】  意気込みですね、これは。

【小川主査】  分かりました。御意見は御意見としてお伺いします。

【田村委員】  分かりました。はい。

【小川主査】  もう一度、時間を見つけて読んでいただいて、恐らく表現のところはそれぞれの思いがあると思うんですが、やはり答申として最後に仕上げる場合、ほかの答申の表現との関係等々もありますので、その辺のところは事務局の方に少しすり合わせをしていただいて、ほかの答申の表現と余り齟齬のないような形で整合性を保っていただくというのが、まず一つ、大前提の作業だと思いますので、その辺は事務局の方によろしくお願いしたいと思います。  どうぞ。

【加藤委員】  すすみません、1か所いいですか。すみません、追加するようなもので、16ページのところで、チームとしての学校と家庭、地域との関係というところがあると思うんですけれども、(2)です。前回というか、メールで頂いたものにここの文章はなかったので、どういう書き方を頂くのかなと思っていたのですけれども、私としては、前のところでチームとしての学校を実現する三つの視点ということで、明確に1、2、3と分かりやすくなっている反面、ここは家庭と、地域と、学校と、こういうポイントがあるという感じのところで、もっと信頼関係を作っていくとか、教育活動を充実させていくとか、こういうふうに学校にいろいろなスタッフの人たちが入るけれども、保護者や地域の方々もそれに協力してとか。

新しくチーム学校で、学校と家庭、地域、こんなふうにというような、少しメッセージも入れていただくような感じでポイントを書いていただけると。これまでの経緯のところも、平成8年の話から平成18年のところまで一気に飛んでいる感じがあって、平成14年あたりに開かれた学校といって、そこも多分クッションがあると思うので、ここの部分の押さえるべきポイントというか、保護者、地域にむしろ考えてもらいたいというか、協力してもらいたいような部分を、書きにくいようなところはあるかもしれませんけれども、そういったところで、ここの部分を。

とりわけ前の(1)が三つの視点というふうに明確になっているので、それと合わせていただいて保護者の方や地域の人がぱっとここを見たときに、ああ、ここかということが分かるような整理をしていただくと。これ以上長くならない方がいいと思いますけれども、お願いできればなと思います。以上です。

【小川主査】  ありがとうございます。よろしいですか。

この場で気がつかなかった点で、また読み直してみて何か加筆・修正等々の要望がありましたら、事務局の方にできれば文章を、こういう文章ではいかがかというような提案も含めて、事務局の方にお寄せいただければと思います。これは後でまたお話ししますけれども、再来週あたりの初中分科会の方に答申素案として提案して、小中分科会等々でも御意見を頂くことになるかと思いますので、むしろそういう意見をお寄せいただく場合には、今週中あたりでしょうか。

【福島課長補佐】  いや、来週の前半ぐらいでも大丈夫です。

【小川主査】  来週の前半ぐらいまで? はい。では、来週の前半ぐらいまでまだ時間的な余裕はあるそうですので、もしもこの場で気がつかなくて、また再度読み直して必要な加筆・修正の御意見があれば、来週の前半までに事務局の方に御意見をお寄せいただければと思います。

ほかにいかがでしょうか。米田委員は飛行機の遅れで、最後三、四十分のところでしか着けないようなお話だったので、米田委員がいらっしゃる前に閉会というのはちょっとまずいかなと思うんですが。ただ、皆さんからも御意見が出尽くしているのであれば、閉会しても構わないと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。

やっぱり専門能力スタッフはちょっとこだわりますので、これはもうちょっと事務局の方で議論していただいて、私たちの方もいい代替案があれば考えたいと思いますので。委員の方も、専門能力スタッフということでいいのかを含めて、これはこの答申のメーンの用語なのでもう少し検討させていただければなと思います。

ほかになければ、終わりましょうか。よろしいですか。では、米田委員は今日、間に合いそうにありませんので、後で米田委員を含めて、今日欠席された委員については、別途今日の答申素案について御意見を頂くようにしたいと思いますので、事務局の方ではその辺、手続、よろしくお願いいたします。

また、先ほどお話ししたように、この答申素案については、今日頂いた意見を踏まえて、さらに必要な加筆・修正をした上で、11月中に開かれる初等中等教育分科会、そしてその後、中教審の総会に御報告させていただく予定です。そして、そうした初中分科会と中教審の総会での御意見を伺い、なおかつパブリックコメントも行いますので、そのパブリックコメントを踏まえて、最終的には答申案という形で、次回のこの作業部会で最後になるかと思いますけれども、答申案の審議をしていただくことになります。

その作業部会の答申案の議論を経て、12月中に中教審の総会がありますので、そこで答申という形で大臣の方にお渡しすると、おおよそそういうふうなスケジュールになるかと思いますので、引き続き御協力いただきますようお願いいたします。  それでは、次回の日程について事務局の方から何かあれば、よろしくお願いします。

【福島課長補佐】  今度素案ということで、これにつきましては、また今日頂いた意見を踏まえまして、また個別に御相談をさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

次回の日程につきましては、恐らく11月か12月になると思いますけれども、今調整中でございますので、また追って御連絡をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【小川主査】  次回の作業部会については、今お話があったように初中分科会、中教審の日程等の調整もありますので、決まり次第、また事務局の方から御連絡させていただきます。次回、恐らく最後になると思いますので、御出席をよろしくお願いしたいと思います。

それでは、今日の議事は全て終了しましたので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

―― 了 ――

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