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小中一貫教育特別部会(第4回) 議事録

1.日時

平成26年9月26日(金曜日)9時30分~11時30分

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 小中一貫教育の制度化の在り方について

4.議事録

中央教育審議会初等中等教育分科会 小中一貫教育特別部会(第4回)
平成26年9月26日

【小川部会長】  おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから、第4回目になりますけれども、小中一貫教育特別部会を開催いたします。
 お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 きょうは、議事次第にもありますとおり、これまでのヒアリングと、事務局が実施していただきました実態調査の結果を踏まえて、小中一貫教育の制度化の基本的な方向性について議論をしていきたいと思います。よろしくお願いします。
 まず最初、配付資料について、事務局からお願いいたします。
【小林教育制度改革室長】  少し部屋が暑うございますので、今少し冷やします。申し訳ございません。
 それでは本日の配付資料、議事次第にございますとおり、まず本日の中心的な資料といたしまして、小中一貫教育の制度設計の方向性に関する論点、こちらが資料1でございます。
 また、それらの論点に関する基礎データ等をまとめましてお配りしているところでございます。
 また、次に参考資料といたしましては、これまで頂きました主な御意見と、この部会の委員名簿をお配りしております。
 また、そのほか机上配付資料といたしまして、これまでのこの会議での配付資料をファイルにつづったものをお配りしております。特に第1回でお配りいたしました平成24年度の初中分科会でおまとめいただきました小中連携一貫教育に関する主な意見の整理、それからこれまでのヒアリング資料、それから前回お配りいたしました小中一貫教育についての実態調査の結果などにつきましては、特に本日の審議で適宜御参照いただくのに有用かと思いますので、御参照いただければと思います。
 また、前回の部会で御要望のございました小中一貫教育についての実態調査結果の追加分析でございますけれども、大変恐縮ながら今回までに作業が間に合いませんでしたので、次回以降、提出させていただければと考えております。
 資料につきましては以上でございます。万が一、不足等ございましたら事務局にお申し付けください。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 きょうもまた、報道関係者より会議冒頭の撮影及び会議内容の録音を行いたい旨の申出がありましたので、これを許可しています。御了承ください。
 それでは、きょうの議事に入りたいと思います。きょうはまず事務局から、先ほど御説明ありました資料1ですね。制度化の基本的な方向性に関する論点メモをまとめていただきましたので、事務局から、この資料1の内容について説明いただきたいと思います。
 その後に、この論点メモでは、一貫教育の制度化に向けて主要な論点を五つに分けて整理しておりますので、事務局からの説明を頂いた後に、この5点の項目ごとに、それぞれ時間を区切って意見交換をしたいと思います。きょうは全ての項目にわたって皆さんからいろいろな御意見を頂いて、できましたらそういう五つの論点それぞれにおいて、今後更に深めるべき課題、検討すべき課題を洗い出すような作業をしていただければと思います。よろしくお願いします。
 それでは説明をお願いいたします。
【小林教育制度改革室長】  それでは資料1に基づいて御説明させていただきます。こちらの資料は、これまで会議資料としてお配りいたしておりました検討すべき事項案という1枚の紙がございましたけれども、そこで挙げられていた課題に対応するものとして作成させていただいております。
 最初の、検討に当たっての留意点というところでございますが、小中一貫教育学校(仮称)の制度化に当たり、これまでの全国各地での先導的な取組の成果・課題を十分に踏まえる必要があるということで、これは一つ諮問文にございました留意点かということで挙げさせていただいております。また、こちらの部会でも様々なヒアリングや御意見を頂きましたところ、あるいは実態調査結果でも浮かび上がっておりますとおり、地域の様々な取組がございますので、そういった地域の実情を踏まえた柔軟な取組を可能とする必要があるのではないかということを、今回の検討に当たっての、いわば前提として挙げさせていただいております。
 各論点ですが、まず一つ目に意義・目的についてでございます。一つ論点としてございますのは、小中一貫教育学校を新たな学校種として学校制度に位置付ける意義・目的は何か。また、小中一貫教育を推進する上で、制度上の制約は何かということでございます。
 こちらにつきまして、関連のデータを下に掲げさせていただいております。例えば前回御紹介させていただきました実態調査の結果では、今、既に取り組んでいる市町村あるいは都道府県各学校におきまして、それぞれ別にアンケートをとりましたけれども、大体共通して、まず国に対しては教職員の定数上の措置、あるいは学校施設整備の財政措置、教育課程・指導方法面での好事例の収集・普及などについて、あるいは教員免許制度の改善、そういったことについて、多少差はございますけれども要望があったと。国に対する期待として出されております。裏返して見れば、こういうのが制度上、何か今後改善が求められている点だと言えるかと考えております。
 また、おめくりいただきまして、既にこの中央教育審議会、部会、分科会、こちらの分科会、それから総会、そういったところで頂いております関連した御意見といたしましては、意義・目的につきましては、例えば学教法21条で定められている「義務教育として行われる普通教育の目標」を達成するため、小・中学校の9年間を見通して学校制度・教育内容を考える点に制度化検討の意義がある。それから、核家族の普遍化や地域コミュニティの衰退が進む中、異年齢の子供や多様な教員との関わり合いの機会を確保する意味。急激な少子化が進んでいる中で、学習集団のまとまりを確保する上で必要であるといったような御意見を頂いております。また、小中一貫教育は、小・中学校の先生方が互いに良いところを吸収し合って成長し、一貫性のある教育を実現するための取組であるといった効果面からの御意見を頂いているところでございます。また、制度的な制約に関しましては、学校設置者である市町村が小中一貫教育に取り組んでいるといっても、これは実態上の話であって、法制上はあくまでも小学校と中学校にすぎないので、人事権を行使している都道府県が適切な人事を行わないと、なかなか小中一貫の理念を浸透させるのは難しいといったような御意見、それから、教員免許の小中の併有が進んでいないことなどにより、乗り入れ授業などを相当程度行っていく上で困難が生じているというような御意見を頂いているところでございます。
 また、御参考までに、小中一貫教育全国サミット2011年の共同宣言でも、義務教育学校の、こちらも委員の先生から御意見を頂いています、小中のつなぎがどうあるべきかという視点で捉えるべきだということで、義務教育学校とこのサミットでは使われておりますが、その義務教育学校の設置を具体化できるような法整備を望むということで、制度化への要望も出されているところでございます。
 それから、本日は論点2点目でございますが、小中一貫教育に適した学校の在り方ということで幾つか挙げさせていただいております。まず、小中一貫教育を最も効果的に実施できる学校組織や教育課程の形態はどのようなものか、そのような形態に適合する施設のイメージといったものはどういうものになるか、言葉を換えれば、小中一貫というのは、どういうものをもって小中一貫とすべきかということを書かせていただいております。
 また、関連いたしまして、そういったいわゆる小中一貫校とは別に、準ずる形のようなものとして、同一設置者が設置する独立した小学校・中学校が一貫して教育を行う形態を、そちらも制度化すべきかどうか。これは御参考までに中高一貫について、次の4ページで御参考までに挙げさせていただいております。下の四角の中でございますが、御案内のように中高一貫に関しましては、中等教育学校というものとして、義務教育として行われる普通教育並びに高度な普通教育及び専門教育を一貫して施すことを目的とするという中等教育学校と、それと併せて同一の設置者が設置する中学校及び高等学校においては、中等教育学校に準じて、中学校における教育と高等学校における教育を一貫して施すことができるという二つの形態がとられております。また、これに関連して連携型というのもございますけれども、そういった形で小中一貫教育については、そういった形との関係をどう考えるべきかという論点でございます。
 また3ページにお戻りいただきまして、その際に、例えば複数の小学校が一つの中学校に接続する形態まで含めるべきかどうかということを論点として挙げさせていただいております。
 下には、先日、御紹介いたしました実態調査の結果を挙げさせていただいておりますが、要は一体的な体制をとっている場合、それから一貫したカリキュラム、あるいは一貫した教育目標を持っている場合、それから施設が一体型である場合、いずれも小中一貫の成果(総合評価)が高いという実情になっております。また、ただ、下の緑の方のグラフでございますが、一方では実態を見ますと、やはり施設一体というのは大変少ないという実態がございます。
 おめくりいただきまして4ページですが、中央教育審議会で頂いたこれまでの御意見ですが、小中の教員の連携は施設一体型では容易であるが、施設分離型では物理的制約から難しい面があるといった御意見、それから小中一貫教育の制度化といったときに、施設一体型、施設分離型等の全てを包含して制度化と捉えるべきだ、分離型の方が制約が大きいのだから、分離型にとって一番あるべき制度設計をしていくことがポイントになるといったような御意見を頂いております。それから、別々の小学校と中学校が一貫教育を行う際、各校長が同等の権限を有していると調整が困難となるので、学園長といったように一人が最終の決定権限を持ち合わせるような制度を検討すべきであるというような御意見を頂いております。
 それから5ページでございますけれども、教育課程についての論点でございます。既存の小・中学校との関係に配慮し、9年間の教育課程に一定の区分を設けることについてどう考えるか。それから、小中一貫教育学校(仮称)において準拠すべき教育課程の基準について、現行の小・中学校の学習指導要領との関係でどう考えるか。小中一貫教育学校において求められる教育課程の特例としてどのようなものが考えられるか。
 関連するデータといたしまして、小中一貫教育等についての実態調査の結果で、例えば転出入者への学習指導上あるいは生徒指導上の対応についての課題認識というものをとらせていただいております。それにつきましては小中一貫教育実施校あるいは市町村教育委員会の方で、課題があるという認識の下、様々な配慮がなされているところでございます。配慮の内容といたしましては、家庭学習の課題を工夫して出している、あるいは補習授業を実施している、保護者や児童生徒に個別なガイダンスを行っている、あるいは通常の教育課程との違いを分かりやすく示して、資料をあらかじめ作成し活用しているというところも、少ないですが、そういった取組もございます。また一方で、特別な教育課程を編成しておらず、特に配慮していないというところもそれなりにございます。
 また、下の方でございますけれども、教育課程の特例を現行制度上はあえて研発や特例の認可を受けなければならないという仕組みになっておりますが、そういった中で、そういった特例を活用しているところも相当数ございます。
 一番下の所ですが、その内容といたしまして、特例として独自の教科の創設ですとか、あるいは英語教育・外国語教育の導入を行っているところなどが多くなっております。また、指導内容の前倒しということもございますけれども、指導内容の後送りなどは取組としてはございませんでした。
 次の6ページでございますが、これまで頂いております御意見として、転校しなければいけないときに、どこに行っても義務教育をきちんと受けられるという親の安心感を大事にすべきであるといった御意見、あるいは小・中の「articulation(区切り)」が最も重要であり、小中一貫教育学校はその最も効果的な接続関係を生み出すものとして位置付けられるのではないか。小・中学校という学校種があるということが前提として考えるべきであるといった御意見を頂いております。
 中等教育学校におきまして教育課程の取扱いについてでございますが、これは前半の3年間と後半3年間、中学校段階、高等学校段階をそれぞれ前期課程・後期課程として区分して、前期課程は中学校学習指導要領を、後期課程は高等学校学習指導要領を準用しているという制度がとられております。その上で、独自の教科の新設や指導内容の入替え・移行に係る特例が認められているところでございます。これは併設型中学校・高等学校でも同様の特例がございます。
 それから7ページでございますが、設置義務・就学指定をどう考えるべきかという論点でございます。市町村が小中一貫教育学校を設置する場合、小・中学校と同様に学校設置義務の履行と認め、市町村教育委員会が行う就学指定の対象校とするという考えでよいかどうかということでございます。
 現行制度でございますけれども、こちら御案内のとおりでございますが、就学義務が憲法あるいは学校教育法などによって小学校の6年間、それから中学校の3年間、子供に教育を受けさせなければならないという義務があり、この義務を果たすことを可能にするために、市町村には小・中学校の設置義務が課されているところでございます。また、そういった学校に対して保護者の具体的な就学義務というのが、市町村の教育委員会が就学すべき学校を指定して保護者に通知するということによって生じ、その市町村が設置する小・中学校が二つ以上ある場合には、どの学校に就学すべきか通学区域に応じて指定するという仕組みになってございます。ただし、中等教育学校の場合、これは中学校の段階に該当するわけでございますが、中等教育学校あるいは併設型の中学校では、高等学校における教育と一貫した教育を施すという特色に鑑みまして、いわば中学校段階で行くべき高校を決めてしまうということになりますので、就学指定の対象からは除かれているという仕組みがとられているところでございます。
 こういったことについて、今度の小中一貫教育についてはどう考えるべきかということです。御参考までに8ページの下の方に、実態調査の結果でございますが、現行では市町村全域で小中一貫を実施しているというところが約半分ございます。一方で市町村の1割以下の学校でしか実施していないという市町村も3割程度、ございます。
 また、小中一貫を含めた学校選択制の導入状況を見ますと、70%のところで学校選択制は導入していないという実態がございますので、いわば選択制を導入していない中で、小中一貫の取組を行って、そこに就学指定の対象として取り扱っているという実態が現在ございます。
 続きまして9ページですが、ほかの学校種との関係でございます。既存の学校種(小学校、中学校、高等学校、中等教育学校等)との関係をどう全体の中で考えるかという論点でございます。同一市町村内に既存の学校種と小中一貫教育学校が併存し得ることについてどう考えるかということで、下の図は両方併存する場合のイメージを描かせていただいております。中等教育学校のところと同様に、中学校・高等学校があり、またその一部として併存する形で中等教育学校が別にございますけれども、小・中学校についても同じような形をとるかどうかということでございます。
 また最後の10ページ、一番後ろのページでございますけれども、これは前に御紹介させていただいております実態調査の結果と同様でございます。下の方でございますが、小中一貫教育を市町村全域で行っていない場合にどのような対応がとられているかということでございますけれども、調査結果の自由記述の中では、一つの自治体の中に小中一貫教育を行う学校と普通の学校が存在することによって、特に課題が生じているかどうかということを32の市区町村から伺ったところ、特に課題は生じていないという記述は多くなってございます。その中で、ただ、今後、小中一貫教育の全域実施を予定しているようなところが、そのほか三つございました。また、ほかの小学校に転校する場合、実際に個別指導など教員の努力によって、カバーしているというところもございました。また、市の全体で教育課程のすり合わせの検討を行っているというような対応をとっているという御意見も頂いております。
 また、これに関連しまして、先ほども御紹介させていただきましたが、小中一貫教育の取組においては、そのarticulationの関係を重視すべきであるということで、小学校・中学校という学校種があることが前提であるといったような御意見を頂いているところでございます。
 また最後に、御参考までに、これはちょっと、次のステップに関連しての抜粋になってしまうんですけれども、学制改革全体については、将来的な課題として5次提言の、こちらの内容が提言されているところでございまして、これはあくまでも参考として挙げさせていただいております。
 以上でございます。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 これから、今、説明があったような資料1の論点を五つ整理していただいておりますので、その一つ一つ、少し、一つの柱、大体15分から20分ぐらいずつ、それぞれ時間をとって意見交換をさせていただければと思います。一応1から5の論点それぞれ議論をしていきたいと思います。そして最後に、全体を通じて相互に関連付けながら、また御意見を頂ければと思いますので、よろしくお願いします。
 最初に1の意義・目的、また小中一貫教育を推進する上での制度上の制約という点に関わって、少し自由に皆さんから御意見を頂ければと思います。いかがでしょうか。
【西川委員】  では、失礼いたします。いいでしょうか。
【小川部会長】  はい。
【西川委員】  すみません、じゃあ失礼いたします。一番最初の所ですけれども、小中一貫教育学校を制度化するかという議論から始まるようになっておりますが、実際は施設一体型の小中一貫教育学校というのは3万分の100校、現時点で。ほとんどのところは、ほかの委員からも発言がありましたように、分離連携型での一貫教育が行われているわけで、それを同時に視野に入れながら議論を進めなきゃならないということがまず前提だと思っています。
 その目的というのはもう明らかで、例えば一番極端な形としての施設一体型小中一貫教育校も制度化することによって、基礎自治体及び各学校の地域における創意工夫を最大限可能にするという意義がある。そこまで私たちがやれるんだ。ある校長先生は、自分たちで学校段階の区切りまで考えられるようになったら、とてもやりがいがあるとおっしゃった。そういうふうな各基礎自治体や個別学校の取組、創意工夫を最大限に大きくするということが最大の意義だと思っています。
 制約については明らかに、免許状だと思っています。
 とりあえず以上です。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 ほかに自由に。じゃあ西委員、どうぞ。
【西委員】  それでは、1と2に関わる所があるかと思うんですけれど、ここの課題に挙げられていますように、教職員の定数上の措置というのが非常に大きな、今、課題として出てきているところではあります。私も小中一貫教育を行うに当たって、一旦は中学校籍で教頭をさせてもらいました。それからもう一度小学校に戻って校長をしたという経験の中で、最も困ったのはこの辺の定数上の問題でした。というのは、中学校の例えば英語の教員が6年生に行って英語を教える。この場合の時間はプラスアルファだけなんですね。ここに定数上の何らかの措置が打たれるわけではなくて、非常勤も打たれないということなんです。これは、ほとんど全国の学校で、この状態で今行われていると思うんですね。6年生の算数に入ろうということで数学の教員が入ろうとしても、これも全てプラスアルファなんです。私たちは中学校、私は中学校の籍にいるときに、この辺の定数を何とかしてくださいと教育委員会にお願いしたんですが、実際のところは、私たちは府費ですので、府の方からの措置でこれは決まっていると。そして、また更には文科省の方の定数の措置として、これは決まっているので打てないということだったんです。ですから全ての教員は、ここはプラスアルファでやってきたわけなんですね。これを解消するにはどうしたらいいのかなと思っていたんですが、こんなことは実現可能かどうか分からないんですけれども、少し思うんですが、例えばこの小中一貫教育学校をやる学校については、この接続段階に二人加配を置けないかということなんです。二人というのは、どこで切るかということによるんですけれども、この二人を何らかの形で加配に置いてもらって接続をスムーズにする、と。ただし、この二人については中学校籍で置く、あるいは小学校籍で置く、あるいは教科の、例えば英語を増やす、あるいは数学を増やすということについては、これは各学校あるいは自治体に任せていくということで、総枠でこの定数を実施できないかということなんです。ここら辺で2名増やすことによって、非常に子供たちにも手厚いことができますし、またよく言われます負担という問題についても応えることにはなるかなと思うんです。
 ただ、もう一つの問題は、論点の2に関わるわけですけれども、単純に2名増やせないと思うので、ここで小中一貫教育学校においては、校長を一人にする。小・中学校で、特に隣接の場合は非常にやりやすいと思うんですが、併設であっても、具体的に言えば500メートルぐらいの範囲内であれば割と実現可能ではあると考えています。そこら辺で校長の方を一人にして、この一貫性を増して、ここでいわば人件費的には少し相殺されるかなと思うんですね。こういうふうな措置をとって、結局、一貫教育学校で校長としての一つの統一性を持つということと、それから教員が手厚く子供たちに接することができるということと、それから教員自体の負担減になってくるんじゃないかなということをお願いしたいなとずっと思っていたんですけれども。
【小川部会長】  ありがとうございました。西委員、今、小中一貫校に二人の加配という御提案があったんですけれども、二人というのはどういう論拠ですか。
【西委員】  ちょうどつなぎ目に当たるところをどう考えるのかということで、例えば5・4に区切った場合、この6年生に置く、あるいは中学校1年生に置くとか、あるいは5年生に置くとかいうふうに、このつなぎ目のところに一人、一人というので基本二人ぐらいかなと思ったんです。ですから、例えば4・3・2と置いた場合にはどこに置くのかとかいうのは、それはそれぞれの学校にお任せいただいてもいいんじゃないかなと思って。
【小川部会長】  分かりました。
 じゃあ今、手が挙がっていた天笠委員、そして福井委員、國定委員、橋本委員、若月委員という順でお願いいたします。
【天笠委員】  失礼します。まずですけれども、先ほど御案内いただきましたこの資料の2で、中央教育審議会における主な意見の中で、こういう意見がそれにあるのが目を引きました。そこに制度的制約云々(うんぬん)という中で、制度上は小学校と中学校にすぎない云々(うんぬん)というコメントがあるんですけれども、その後の文脈として、人事云々(うんぬん)はともかくとしまして、制度的に小学校と中学校が存在しているというのは御承知のとおりなんです。ある意味で言うと、この小学校と中学校を我々は、何というか、時間を掛けて、余りにもかっちりと築き上げてきたというんでしょうか。大変固く、あたかも大きな、何ですか、堅牢(けんろう)なお城のごとく作ってしまったという、そこが今日に至っていろいろな意味でプラスに働くよりもマイナスに働いているということが多くなっているというところが、こういうことをここで議論しなければいけない前提にあるんではないかと思います。ですからそういう意味で言うと、まずは小学校と中学校のこの間が、後の言葉にありますけれども弾力的とか柔軟とか、そういう制度的な姿を描き出す、あるいはそういう実践上、状態を作り出すということが我々のそれかと思いますし、その例えば一つの代表的な例として、学年間の区分、区切り方というのは、ある意味で言うとその設置者が相応において判断するということも、その中での一つとして位置付けられていいんではないかと思います。
 それと同時に、もう一つはこの小中一貫教育学校の具体的なイメージ化というんでしょうか、それが今申し上げた制度的に硬直したそれというのに対して、新たなる選択肢というんでしょうか、そういうものを提起したりですとか、新たなる、その9年間の接続の在り方等々についての、それを提起するということにつながっていくんではないかということで、ですからここで小中一貫教育学校の具体的なイメージ化・制度化というのは、そういう意味で言うと硬直化した小・中学校の制度をやわらかくしていく、弾力的に扱っていく、そういうための取組だということをまずは押さえておきたいなと思います。
 以上です。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 福井委員。
【福井委員】  私は港区の小中一貫教育校で小・中学校の校長を兼務して勤務しておった経験から申し上げたいと思いますが、制度化の意義が職員、特に教員の一体とした配置ができるという点において、非常に学校の使いやすさが増すと思います。小学校五、六年生の一部を教科担任制にいたしました。そのときに中学校の教員が一部、小学校の五、六年生の授業を手伝うということもあるわけでございますが、実態として、中学校は中学校で非常に厳しい状況があります。ところが県費負担教員の場合に、小学校は小学校の定数での配置だし、中学校は中学校の配置です。一体としての配置となれば、より使いやすさが増すと思いました。教育課程の編成上は、五、六年生の一部教科担任制では数学、あるいは国際科、港区の場合には国際科という特設教科を1年生から6年生まで週2こま作っているんですが、その数学と国際科で実施をしたかったんですが、なかなか人がうまくいきませんでした。中学校の教員が、時間が少しだけ空いているから、それでいけるでしょうというと、なかなかそういうわけにもいきません。そもそも教員が1時間の授業をするのに、空いている時間だから、じゃあ事務作業もできるでしょうという発想がややもすると一般にあるかなと思うんですが、実際は教員が1時間の授業をするのに、どんなに省力的に準備をしても1時間は掛かりますし、2時間、3時間、4時間、5時間と、熱心にやればやるほど時間が掛かるわけでございます。そうしますと、じゃあ5時間空いているからその分、中学校の英語の先生が小学校の国際科に行きましょうと、そう簡単にいくものではありません。そういう点では一体とした人事配置、特に教員の配置が非常に有効であると思います。
 そして教員以外の事務職員、管理職等についても同様です。管理職も、校長が一人、そして副校長が三人というふうに結果的になったんですが、私の構想としては校長が一人、副校長が二人、そして事務に管理職を置いて、行政的な仕事、いわゆる調査であるとかそういった行政的な仕事をある程度事務室で完結することでした。都立学校の場合には経営企画室という名前で管理職も一部置いているんですが、そういう構想にするとよりいいかなと。小中一貫教育学校の制度化は、職員、特に教員の配置について非常にメリットが大きいということを実感いたします。以上でございます。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 國定委員、どうぞ。
【國定委員】  幾つかの論点で分かれているみたいですので、できる限り分けて言おうと思っております。多分、1点目の所は、2点目以降で議論されていく小中一貫教育学校なるものが出来上がった後に、そうではないものとの関係をどういうふうに捉えるのかというところが一番大きいのかなと思っていて、制度で言うと、初回の会合で若月さんのおっしゃられたところが一番やっぱり僕は大きいと思っているんですね。つまり人事のところをどうするのかということなんだと思います。先般、文科省さんの方から実態調査を頂いたので、連携型を含めたところでの小中一貫教育と捉えたとしても、全体の12%にしかすぎないわけですね、現行で。ここで、仮にそこを全部包含した中で小中一貫教育学校なるものが制度化されましたとなったとしたときに、明らかに学校種が違いますし、2点目以降の多分、小中一貫教育学校と小学校・中学校の従来型との違いって何というところに結局入っていくと思うんですけれども、明らかに何かが違うわけですね。何かが違うというものに対して、今現実に、その12%対88%の構図の中で、12%で実際に教えている先生方が、一定年数以上たってしまうと、88%の世界に飛び込まざるを得ないと。それはものすごくロスなわけですよ。ロスというのは先生にとってもロスでしょうし、教育委員会側にとってみてもロスでしょうし、一番不幸な思いをするのは子供たちになっていくと思うので、やっぱり、ここは小中一貫教育学校種については、特に人事権についてはある一定の配慮をする必要があるんじゃないのかなと。一番強硬論で言ってしまうと、人事権をよこせという話になってしまうわけですけれども、仮にそこが難しいとなったとしても、例えば同一校に一定年数以上在籍する人を転任させるような規定が多分あるんだと思うんですが、こうしたものを小中一貫教育学校種に分離させるか、あるいは、あそこに弾力条項を設けていくのか。そういうようなことをやらない限りは、なかなか産みの苦しみばっかり味わうところが、チャレンジしようとするところに対して余計な負荷が掛かってくると私は思います。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 橋本委員、そして若月委員、貞広委員という順でお願いします。
【橋本委員】  ありがとうございます。論点の1の2ページの所なんですが、そこの意義・目的の四つ目に、互いの良いところを吸収し合いというふうなことが書かれていますが、これまでのヒアリングや調査でも、その小中一貫教育は大変いいということに間違いがないわけです。しかしながら一般に小学校と中学校ということがあって、連携を進めなければならないと言われながらなかなか進んでいない。じゃあ一貫になっていいことは何かというと、先ほどから出ているような乗り入れ授業のようなこともありますけれども、もっと日常的に、中学校と小学校の先生が今一緒に統一した考えの下に学校というものを作っていける。いわゆる小中一貫校とその一貫教育の一部、準ずるものと、そこら辺がどこまでなのかということを考えると、全ての小学校・中学校との関係においても、日常的に、できるだけ小学校の先生が中学校に行き、中学校の先生が小学校に行くというようなこともどうしたら進むのかなと思います。ただ制度的にはやはり学校種が違うというところで区切りをつけなければならないものではないかと考えております。
【小川部会長】  若月委員。
【若月委員】  ありがとうございます。もう何人かの委員の方の御意見とちょっとダブってしまうかもしれませんが、まず初めに、きょうは第1点目からということでしたので、私の考えていることを申し上げますと、まず最初は、先ほど西川委員がおっしゃっていましたけれども、数からいって圧倒的に実態は一体型よりも連携、いわゆる分離型の方が多いという実態がございます。これは事実だろうと思います。したがいまして、それはやはりいつも視野に入れていかなきゃいけないわけでありますが、これは、例えば私がやってきた品川区の例を出しますと、この連携というのは実に一貫教育をやっていく上で難しい、困難な問題が多々ありました。形骸化しやすい、形だけに流れやすいということがありました。そうした意味で、この第1点目の論点メモですが、この中でやはり出ていることは、どうしても人事と、それから免許の制度をきちっと考えておかないと、現状のままで連携といったようなものを、放置というと言葉は悪いんですが、これは本当になかなか実の上がらない経験がございましたので、この点についてはやはり、制度としては人事と免許といったようなものをこれからもう少しクリアにしていく必要があるんではないかなと思いました。これが1点目です。
 それからもう1点なんですけれども、これも先ほど天笠委員が御指摘になっていたんですが、私も法制上、小と中があるんだということ、これは分かるんですけれども、例えば品川区がああいうことをやらざるを得なかったのは、今、法制上決められている小と中ではどうにもならない、その観念や概念や先入観や、そういったようなものに縛られて、もうどうにもならないという子供たちの育ちの中の問題が多々出てきたという現実があったわけです。これを解決するには小は小の分野で努力しましょう、中は中でそれを受けて頑張りましょうと、幾ら指導したところでどうにも乗り越えられない壁があったわけです。これはやはり、もう制度というものが一つ、だから小学校というまとまり、中学校という概念、そういった概念に縛られて、我々教師が教育活動を計画したり展開している、どうもそこに限界なり何なり問題があるんじゃないだろうかということで一貫教育ということをやらざるを得ないというぐらいまで追い込まれた現実があったわけです。したがって、先ほど申し上げました施設分離型の場合などは、これ、分離型だから、でも現実には小と中がまだ残っているんだよと。これを余り強調しますと、ますます形骸化して、一貫教育のよさというものが発揮できないと思うわけですね。
 ですから連携であろうと分離型であろうと、やはり一貫教育学校なんだという。一貫教育学校というのをきちんと法制化して、中等教育学校のようにですね。そういうものを作って、そして分離型であっても、例えばカリキュラムや教育課程においての一貫といったようなものを強く強調し、それを支える教員の人事配置、あるいは指導のできる免許制度、こういったものをやはり考えていく必要があるんじゃないだろうか。とはいえ、一貫教育を地域によってやる必要がないというところだってもちろんあるわけですから、今の小学校・中学校という学校教育法に定められたものは、それはそれとして残しておいてもいいだろうと。しかし、それが基本だというのは、ちょっと今までやってきた立場の人間からすると、どうだろうかという感じを持ちました。ありがとうございます。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 貞広委員、お願いします。
【貞広委員】  ありがとうございます。まず、今、若月先生からもお話が出ましたけれども、中教審の初中部会の方では、各地域にすぐれた取組があるんだから、あえて制度化する必要がないじゃないかという御意見も出ていました。しかし、やはりすぐれた取組であるのであれば、制度化をして、教員の個人の意識レベルや属人レベルを超えて、こうしたすぐれた取組がしっかりと先生方の力でなされていくような形にするのは大変望ましい方向性であろうと思います。
 その上で、目配りをしていきたいなと思うのは、コミュニティ・スクールとの関係です。特に人口減少地域においては、小学校・中学校が各々小規模化し、小中一貫の形をとらないと、教員集団としても子供の集団としても立ち行かなくなっている地域が既に多数あり、これからも更に多くなっていきます。そのときにやはり地域の力をかりなければ教育は更に立ち行かない訳です。
 さらに、本日の参考資料の1の所の中にもありましたけれども、現在、小中一貫に取り組んでいる事例も、コミュニティとの関わりの中で取り組まれているという事例が大変多いことがわかります。これらのことを考えると、やはりこれからの学校の一つの選択肢として、この小中一貫教育学校とコミュニティ・スクールをどういうふうに支えていくかという制度設計をすることが重要だと思います。小中一貫教育学校1校に一つの学校運営協議会ができ、そこで一体的なコミュニティ・スクールという形にすることができるわけですし、地域の教育力も、その小中一貫教育学校の中に入れられますので、制度設計の中ではコミュニティ・スクールをどう拡大していくかということと併せて、是非御検討していただきたいと思います。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 もう既に二、三というほかの柱にも関わっての1の議論ですけれども、ほかに、また1に関わって議論がもしもあれば。
 安彦委員。
【安彦副部会長】  後でもいいかと思いましたけれども、今、後ろの方も関係してというお話だったので、申し上げたいのは、制度化という言葉がどのレベルで使われているのか、もう一つぴんとこなかったので、結局、私の認識では、学制改革全体に関わって小中高をやるわけではないので、基本的には部分的な制度化だと、そういうレベルの制度化という意味で認識していたんですね。今伺うと何か非常に、そのさらに、もう少し具体的なレベルの制度の話だったので戸惑っているのですけれども。私は、前回の教員養成部会との合同のときにもいろいろ御意見ありましたが、基本的にやはり、どうも教員養成部会の方々も、今、貞広委員からお話があったように制度化が問題らしいなと。制度化するかしないかが問題で、運用で済むならそれでいいんじゃないかというところが問題らしいなということが分かりました。
 私は、あのときも申し上げましたけれども、基本的に、部分的であれ、とにかく制度化は望ましい。中高一貫の例を出しましたけれども、中高一貫の場合は制度化が先だったと言われましたが、そもそも先だったのは、いわば取組がまだ遅かったために、前例が余りなかったから。今回、小中の場合には、研究開発学校その他で非常にいろいろなところで、もう既に先行的な取組があって成果が出てきていたということの違いが大きい。
 そもそも制度化の基本的な原則は何かと言えば、これはやはり私は教育の機会均等だと思います。教育の機会均等という観点からすれば、やはりここは私学と違います。今の運用だけでよいというのでは、運用のやりやすいところはやる、あるいは意欲のあるところはやりますけれども、全ての地域で機会均等を守るという発想はないわけであります。これまでは、うちはとにかく一貫校がやりたい、あるいはやらざるを得ない状況にあるというところがやってきた。したがってそういう意味では、機会均等の原則というのは、直接的には余り念頭になかったと思います。しかし制度化する以上は、これは教育の機会均等の原則をとって、やはり保護者には平等にそういう機会を与えられなきゃいけない。そういう意味では制度化ということがまず前提になる。そこが一つのポイントでありまして、それは、制度化が先が後かというのは、基本的には問題ではないと思います。原則そのものが、そういう意味で機会均等を守るという方向で行われなきゃいけないと思います。だからこそ制度化をする必要がある、というのが1点目です。
 その上で、やはり、2ページ目に議論のあるような、その制度的制約の中で、運用で済むようなところというのはたくさんあって、そういうところを制度化の形でどうするかといったときに、どういいますか、運用そのものが容易になるようにするという制度化ならばもちろんいいわけですけれども、逆にあまり、上から縛るのかと言われるような形の制度化は困る。ですから、そういう意味で今お話があったような、地域の実情に応じてというようなことがあって、単に私がプレゼンをやったような子供の状況だけで改革、制度化が行われるわけではない、これはやはりより視野を広く持つ必要があるということ。
 その点で言うと、一つの条件として免許の話がありましたけれども、養成部会の方はかなり免許に対しては神経質だと思いますが、私としては新しい免許制度、免許を作るということまでは考える必要がないのではないかと思う。運用というレベルよりはもうちょっとちゃんとやはりやってほしいと思っていますが、ここに併有とありますけれども、免許の併有が進んでいない。これをやっぱり是非進めていただきたい。これはある意味で制度化の前提というか、非常に重要な条件だと思います。それは、もう小中それぞれ教員をやってきている方たちですから、それほど、はなからの長期の研修ではない形でいいと思いますので、一定の研修を経て併有というものを認めていく、ということをやっぱりやっていただければと思います。そのレベルは、やはりそれぞれしっかりと制度化を念頭に置いて保たなければいけないと思いますけれども、そこのところを余り厳密にしてしまいますと、むしろ制度化が進めにくいということを私としては思います。
 そういう意味でちょっと制度化という言葉の、もう一歩上のレベルの制度化のことをちょっと考えておりましたので、私としては、私学の方は大体慎重論だろうなというのが、中学校で子供を取られてしまうのでかなわんと、もう危惧をしておられるだろうとは思いますから、そういう意味では私学の方の御心配はよく分かりますけれども、やはり公立である以上は教育の機会均等が原則で、きちっとそれはやるべきだと思っております。そのためにはやっぱりきちんとした形の制度化というのが望ましいと、まず最初に申し上げておきたいと思います。
【小川部会長】  時間がかなり予定をオーバーしているので、ほかにも関係しますので、後また全体一括して御意見を伺いたいと思いますので、次の2の3ページですね。小中一貫教育に適した学校の在り方ということについて少し論点を移していきたいと思います。この点については先ほど西川委員、若月委員はじめ幾人かの方から既に御意見が出ておりましたけれども。ここでの主な論点というのは、小中一貫教育の制度化を考えた場合に、非常に近いのが施設一体型なんですが、しかし実態的には施設一体型というのは、このデータにありますとおり13%で、いわゆる隣接型、分離型というのが圧倒的に多いというのが現状でありますし、また小学校・中学校1校ずつの組合せよりも、中学校1校に対して2校以上の小学校が関係付けられているという方が実態としては多いという。こういう多様な形がある中で、小中一貫教育の制度化といった場合、どこまで含めるのか。先ほど西川委員と若月委員のお話では分離型を含めて、やっぱり小中一貫学校だとおっしゃっていましたけれども、例えば施設分離型の小中一貫の実際の取組というのは、9年間一貫のカリキュラムまで踏み込んだ取組というのはなかなか少ないという現実もあるので、そういう現状を認めたまま一貫校として制度化するのか。やっぱりそこに何らかのカリキュラムに対する取組を促すような、インセンティブなんかも含めた、そういうことも考えながら、そういう分離型等々の一貫学校の制度化を考えていくか。このあたりが少し議論すべきポイントかなと思うんですけれども、自由にまた、これもお話を伺いたいと思います。
【國定委員】  質問していいですか。
【小川部会長】  はい、どうぞ。
【國定委員】  事務局にもし、この場でお答えいただけるようであればお聞かせいただきたいんですが、4ページの所に、現行制度で中学校・高等学校における例というのがありますよね。学校教育法の第63条であったり、第71条であったりと。多分、ここの2番目の論点って極めて核になる場所になると思っていて、要は制度化するということは、制度化する前と違って、明らかに学校種ができるわけで、そこには特別な何かが付与されるわけですよね。この中学校と高等教育学校、例えば中等教育学校は、第71条の目的規定を見てみても、どっちにしても教育を一貫して施すことを目的とするというところになっているわけですが、多分制度化は、これに基づいて、もうちょっと要件設定されているんじゃないかと思っているんですけれども、そういうところってどんなことが書かれているんでしょうか。
【小川部会長】  事務局、具体的に御説明できますか。
【小林教育制度改革室長】  学校教育法上の規定の中……。
【國定委員】  法令全体でいいです。
【小林教育制度改革室長】  全体の仕組みとしてということでしょうか。一番の特例は、この後にちょっと御紹介させていただいております教育課程のところだったんですけれども、簡単に申し上げますと、例えば併設型中学校から高等学校への進学も、中等教育学校の場合も、いわゆる高校受験がなくなって、そのまま上に進めるという、まさに6年続けてということ。それからこの間の教育課程ですとか、あとすみません、ちょっとまとまった形の資料が今ございませんので、ちょっと調べて、すぐまた……。
【國定委員】  もし可能であれば次のときまでに総じて。
【小林教育制度改革室長】  全体としてどのような特例が、ほかの中・高に比べて何があるかということですよね。
【武藤教育制度改革室長補佐】  ちょっとそうしたらお手元のこのドッチファイルがあるかと思うんですけれども、すみません、どさっとしておりますが、ドッチファイルの二つ目の耳の所に小中一貫教育関連の基礎資料というのがございまして、その基礎資料の一番後ろの方に中高一貫のことが書いてございます。ちょっとページが、31ページですかね。ここに基本的な資料を載せてございます。それで、今、室長から申し上げた特例については33ページにあるわけですけれども、そもそもその前提として何が一番大きく違うかと申し上げれば、中等教育学校は32ページの方ですね。中等教育学校は一つの学校なわけで、ここに皆まで書いてございませんけれども、一つの学校ということは、一人の校長で、一つの教職員組織で、カリキュラムも1本ということでございます。併設型というのは同じ設置者なんですけれども、一応、高等学校と中学校というのは、組織的にはそれぞれであるということでございます。なので、併任とかいろいろなことはできるとしても、基本的には校長先生がお二人いて、それぞれに教職員組織があるというような大きな違いがあるということです。なので、併設型については中等教育学校に準じた形ということになっていて、ちなみに、その次のページにある教育課程上の特例というのは、これは同様になっているというのが概況かなと思います。ちょっと補足です。
【小林教育制度改革室長】  全体の構造が今、御紹介したとおりで、法令上、あくまでも制度として特例が認められている内容というのは、やはり先ほど申し上げました教育課程の特例と、あといわゆる高校入学の部分での特例、この二つが制度上の特例となっております。
【國定委員】  ありがとうございました。
【小川部会長】  今の資料と説明で納得ですか。
【國定委員】  大丈夫です。
【小川部会長】  次回、改めてまたというのは必要ないですか。
【國定委員】  いいです。
【小川部会長】  いいですか。ありがとうございました。
 西川委員、どうぞ。
【西川委員】  3ページに戻りますけれども、施設一体型の小中高一貫教育校に関しましては、やや結論的に言いますと校長先生一人が望ましいんだろうと思っています。そして副校長なり教頭先生が二人、そして事務方を管理職に入れる。1名を一般の教員に戻すなどの細かいことはありますが、管理職、校長先生は一人ということが望ましいと思っています。
 今、申し上げたいのは、四つ目の丸で、複数の小学校が一つ、いわゆる1中2小とか1中3小の場合、小中一貫教育をどのように制度化するかということですが、私のイメージとしては、いわゆる学園構想のようなものがあります。あるいは地域学校経営といってもいいかもしれません。一つの中学校と二つの小学校は一つの学園を構成して、その代表者に一定の権限を与える。教員も、個別の教員の兼務発令ではなくて、その学園に所属する教職員は全ての学校でも勤務することが可能である。それをプラスアルファでカウントするのではなくて、正規の授業としてカウントしていく。そしてまた予算も、三つの学校の予算をグロスで支出することもできる。そういったものが僕のイメージでございます。現在のところはそういうところです。
【天笠委員】  よろしいですか。
【小川部会長】  ちょっとごめんなさい。貞広委員、お願いします。それで、天笠委員が続けて。
【貞広委員】  ありがとうございます。私も3ページ目の四つ目のぽつ、その際、複数の小学校が一つの中学校に接続する形態を含めるべきかという点について御意見を申し上げたいと思います。もちろん、理想的には、施設一体型で、一つの学校の中で従来の小学校と中学校が一つの学校になるということが運用上も非常に望ましいんでしょうけれども、そもそも考えてみますと、物理的にそんなことが難しいという地域の方が多いわけで、この四つ目の複数の小学校が一つの中学校に接続する形態を含めないと、特定の地域には小中一貫の教育形態をとり得ないということになりますので、安彦先生が御懸念の機会均等ということから考えると問題があることになります。したがって、むしろ施設分離型も前提に、そういう学校でも何とかやっていけるような制度設計をするというような思考の方が順当であろうかと思います。
 御参考までに、皆さん御存じかと思いますけれども、諸外国でも、子供の数が減っている地域では、例えばマルチキャンパススクールとか、フェデレーションとかネットワークスクールとか、各国でいろいろな言葉を使っていますが、複数の小学校と1校の中学校で一つの学園の、今、西川先生がおっしゃったような学園のようなものを形成して一貫的な教育をしているというところは多数ございます。そのときには、やはり必ず最高権力者、スーパー校長みたいな方が必ずどこか1校にいらして、最終的な決断はその方がされて、ほかのキャンパスには副校長先生のような方がいらっしゃるというような管理職の形態をとっています。こういう学校においては、それぞれの学校はもともと、こういうマルチキャンパスになっていない場合はそれぞれ小さな学校ですので、学校の先生方の研修や交流もなかなかできない中で、こういうマルチキャンパスにすることによって、先生方がお互いに切磋琢磨(せっさたくま)をして、研修をすることによって先生の職能が高まったりとか、実際に子供の学力も高まったりとか、学校への満足度も高まるという、ただネットワークで結び、一貫にするというだけではなくて、もっとすぐれた成果も上げているという部分もございますので、是非こういう複数の小学校で施設一体型ではないのでできないというのではなくて、むしろそういうところができるように、そしてそこで成果が上げられるような形を考えていくというのが必要だと思います。
【小川部会長】  ちょっとお待ちください。
【天笠委員】  よろしいですか。
【小川部会長】  天笠委員、そして國定委員、大橋委員ですね。
【天笠委員】  平成23年のときに出しました「地域とともにある学校づくり」ということですけれども、その中には御承知のようにコミュニティ・スクールを全国で3,000校を目指すということがそこで提起されたわけですが、その中に併せて、これからの学校の一つの姿として中学校区を単位に運営していくというか運用していくという、それもその中に挙げられたのではないかと思います。そういう点において、今、議論しています分離型のそれというのは、中学校区をどう運用していくかという話と大変重なって、そこにコミュニティ・スクールということがかぶさっているわけでして、この辺のところを整理すると一つの方向になっていくということが言えるんじゃないかと思います。
 まず、それを押さえた上で、やはり今、先行している小中一貫に取り組んでいる市町村で、恐らく多くの、一番悩みを抱えているのは、いわゆる施設一体型と、それから分離型を同居して、そして全市的に展開しようとする場合に温度差とか、それぞれの個別差とか、そういうものをどういうふうに全体として運用していくのかどうなのかということで、それの一つの、何というのか、落としどころの一つとして中学校区を単位にしてというふうなあたりのところで動こうとしているということだと思います。そういう点では、議論は、一つはやっぱり、この小中一貫教育学校というのをまずはしっかりと押さえるというのが一つと共に、もう一つは、この中学校区をどう運用していくかというか、分離型とどうやっていくかって、その辺のところを時に一体として議論したり、あるいは時に整理して議論し、それぞれの話を詰めていくという必要があるんじゃないかと思います。
 そのときの分離型の一つの進め方としては、分離型が一貫教育の方に展開していく、あるいはそういざなっていくような、そういう制度的な要件を挙げていくというところで話を詰めていくというのが一つのやり方としてあるんじゃないかと。例えば先ほどの学校運営協議会というのは、現在の段階ですと各学校に設けなければいけないというのが現行ですけれども、少なくとも中学校区で一つでもということを開いたりですとか、あるいは今、例えば小学校の建物の階段の高さというのが、これまでは16センチだったのが、この前18センチまで云々(うんぬん)というような制度的な運用も可能とするような。一つ一つ点として見ると、そういうことがぽつりぽつり出てきているわけですので、それらをある程度、交通整理しながら、分離型を一貫教育校にいざなっていくような整理の仕方、議論の仕方というのがあるんじゃないのかなと思うんです。
 以上です。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 國定委員、どうぞ。
【國定委員】  小中一貫教育校ということを考えていったときに、私自身はやっぱりまず二つ配慮しなければいけないということがあると思っています。
 一つは、先回も発言させていただきましたけれども、またきょうも幾つかの先生方から御発言いただきましたとおり、一体型ではなくてやっぱり連携型を包含したものとして小中一貫教育校というものを捉えなければいけないということが配慮の1点。
 それから2点目は、既存の小学校・中学校を、小中一貫教育校なるものが発足したとしても、88%の市町村は多分そこから出発していくと思うので、そことの融通をどう利かせるのかということを考えると、余りとっぴな制度設計から入るというのはいかがなものかということの2点の配慮がまずは必要なんだろうと。
 でも、余りに今言ったことに偏り過ぎてしまうと、小中連携教育と小中一貫教育の差異というのは何なんですかというふうになってくる。ここが僕は制度化の一番のポイントだと思っていて、今の中で必要最小限ここは制度化しなければいけないんじゃないのかということは3点あると思っていまして、1点目は、まず本質論としての一貫カリキュラムというものが施されているということ。それが施しやすいような形で特例措置を設けるなり何なりというような法制度上の規定を設けるということが1点目。
 それから2点目は、やっぱり先回もお話ししましたが、きょうもお話が出ているように、学園長の設置と権限の付与だと思います。そこがあって初めて、先ほど西川委員がおっしゃられたように、学園全体としての権限の差配というものが生まれてくると思いますので、ここは欠かすことはできない2点目なのかなと。
 それから3点目は、ちょっと踏み込み過ぎなのかもしれませんけれども、教科担任制を小学校の段階においても認めるということ。それの裏返しとして、それに必要となる教員の確保に対する特例みたいなものが施されるという三つの柱というものが、僕はこの小中一貫教育学校を新たに制度化するときの、一番骨格となる3大要件になってくるのかなと思っております。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 大橋委員、どうぞ。
【大橋委員】  前回、前々回の取組をされているところの御発表をお聞きしまして、やはり成果を上げている要因としては、カリキュラムが一貫しているということ、それからあと、それと関係するんですが、指導の一貫性があるというところだと思います。ところが、今ある小学校と中学校の学校数を見たときには、小学校の方が圧倒的に多いわけです。そうしますと、今ずっと話が出ていますけれども、複数の小学校と一つの中学校、これを組んで小中一貫ということをしない限り、なかなか制度化していくことは難しいだろうと思います。そうしますと、じゃあ誰が責任者になっていくのかというところで、先ほど西川委員からお話がありましたけれども、やはり権限と責任というのを明確にしていかないと、指導の一貫性も、それからカリキュラムの接続の一貫性も保たれないと思いますので、その中で一人、学園長というものをきちんと決めて推進していくということが必要だろうなと思います。以上です。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 若月委員、お願いします。
【若月委員】  多くの委員の方々がもうお話しになっちゃったんで、もう発言する時間がもったいないなと思うぐらいなんですけれども、簡単に申し上げますと、この第2の課題については、私はもうある程度見えているんじゃないかなと思うんですね。一つは、やはり小中一貫学校というものの制度化、それから小学校と中学校の数の問題ですけれども、これは地域によって全部違うと思うんですが、都会においては、複数の小学校が一つの中学校と接続せざるを得ないのが現実なわけなんです。ですから理想論は理想論でいろいろあるのかもしれませんが、これは当然もう含めて考えざるを得ないだろうと思います。
 それから、これは國定委員がお話しになってきたこととダブるんですけれども、何といっても、そう考えたときに、連携であろうと施設一体型であろうと何であろうと、一貫教育学校というようなことを銘打つならば、やはり教育課程と、もう一つは、私もこれはそのとおりだと思うんですね。やはり、特に現行の小学校五、六年生あたりからの教科担任制、それも全てとは、私は、品川の場合には全てやりませんでしたけれども、幾つかの教科に重点的な教科担任制をしいたわけですが、やはりこの二つがいわゆる従来の小・中の指導形態で、あるいは特質と大きく変わってくる。そこに特色を持たせるべきだろうなと思っています。
 あとは学園長の権限と責任と、これは教育委員会の役割はどうなるのかという兼ね合いで明確にしていけばいいだろうと思います。
 以上です。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 おおよそ、ここについては方向性が、何か出てきたかなという感じで受け止めております。
 次に移っていきます。5ページの教育課程の件、これはいかがでしょうか。
【西川委員】  すみません、時間がもったいないので。
【小川部会長】  どうぞ。
【西川委員】  私は、先ほどから、例えば天笠委員がおっしゃいましたように、小学校と中学校というのが非常に硬直した、もうどうしようもないお城のような存在であると。そのことの一つは、僕はやっぱり小学校学習指導要領、中学校学習指導要領という完全な分冊があることだと思っています。これは運用ということで、現行のままでも運用すればやれるんだ、それはそうだ。だけど、仮に義務教育学校学習指導要領というものが出来上がれば、その中身の区切りも学校現場はもっともっと容易にできるんじゃないかと思っています。とんでもない宇宙の話だというふうに叱られるかもしれませんが、義務教育学校学習指導用要領というものがあれば、取組はより進みやすいと思っております。いかがでしょうか。
【小川部会長】  はい。
【天笠委員】  その件については安彦委員も既に詳しいとは思うんですけれども、現行の学習指導要領においても、小学校・中学校、合冊になっているという、それはやはりこの種の動き等々を踏まえた上でということであるわけで、現行以前は、御指摘のように小学校・中学校別々の分冊だったわけですけれども、現在は一緒になっているということなんです。ただし、それがそもそも、何というんですか、最初からそういう形で小・中、あるいは関係者が一堂に会してそれをだんだん作り上げていったかというと、出だしは、それこそ小学校や中学校が、それぞれがそれぞれとしてやって、最後の段階で、それを1冊にしたという経過をたどったわけでありますので、恐らくほどなく学習指導要領の検討がまた始まるんじゃないかと思うんですけれども、そうしたときには今の御指摘等々を踏まえた上で、そもそも議論するところからの組み立て方ということ等も、今度の学習指導要領の場合は一つの方向としてあっていいんじゃないかと。言うならば小学校と中学校がある意味一緒になりながら、義務教育の学習指導要領を作り出していくというふうなことというのも、また一つ取り上げてもらっていいかなと思っております。以上です。
【小川部会長】  ほかに。
 若月委員、どうぞ。
【若月委員】  ありがとうございます。これにつきましても今、何人かの先生から御指摘いただいたとおりだと思います。これは、たしか昭和22年でしたっけね。学習指導要領試案というのが最初に国の方からたしか出ているんです。その試案を見ますと、今の学習指導要領の構成とは大分違いまして、まず初めに学校教育の目的とか目標というのが明確にうたわれているんですね。何のために学校教育があるのか。それを受けて小学校、それを受けて各教科の目標というのが出てきているんですけれども、今はもういきなり各教科の目標がぼーんと出てきちゃっている。やはりもう一度あの試案のあの姿勢に戻って、9年間の普通教育である義務教育学校の目標とかいったようなものを明確にする、そうしたやはり指導要領が必要だろう。その次に、私は、これも私の拙(つたな)い経験からでしか申し上げられませんが、それをそれぞれの地域で一貫教育をやる場合には、国の方から示されたそうした一貫の学習指導要領を基にして、私は各地域それぞれの学習指導要領をきちんとそれぞれが作るように、本当は義務付けるところまで行くときつ過ぎるかもしれませんけれども、しかしそのぐらいの地域性といったようなものをそこできちんと出す。あくまでも前提としては、その一貫教育の学習指導要領といったようなものを基にしたものを作っていく。そんな一つの方向性が出たらいいだろうなと思うんですが、いかがでしょう。
【小川部会長】  橋本委員、どうぞ。
【橋本委員】  それは非常に大事なことだと思いますが、それに加えてやっぱり小学校の1年生から、9年間というのは発達のことを考えても非常に長いスパンでありますから、その中に柔軟に、今地域で行われているような2ないし3の初等教育的な部分、中等教育的な部分のその下の目標というか、そういうところを柔軟に定めながらやっていくというようなことも必要だと思いますし、例えば施設にしても、さっき階段の高さの話が出ましたけれども、実際に施設一体型でやっているところでも、小さい子供たちが使う校舎というかそちら側と、大きい子供たちが使うところというふうにうまく区分をしながらやっておりますので、全体は統一した考えがありながらも、やはり適切な初等教育的な部分、中等教育的な部分の区切りというものを考えてやっていくという2本立てというのは非常に大事なのではないかと思っております。
【小川部会長】  ありがとうございます。
 福井委員、どうぞ。
【福井委員】  すみません。9年間の教育課程で一貫した教育課程というのが非常に大きな意義があると思います。私ども学校に勤める職員として、これまでの反省事項は、小学校の職員であれば小学校のことを中心に考えて、中学校についておもんぱからなかったと。それは中学校でも同じでございます。それは教育界というか学校の大きな反省であると思いますが、それを一歩踏み出すためにも一貫した構想のカリキュラムが必要であろうと。そもそもそういう構想でカリキュラムを作る必要があると思います。学校の職員がそういうふうに反省をしなきゃいけないんだけれども、教育課程の編成、できているもの自体においても、その作る側も違うわけですよ。発想は多少ね。そんなところを一貫して取り組むということは大いに意義があることだと思います。
 二つ目でございますけれども、一番上のこの中黒の中で、9年間の教育課程に一定の区分を設けるということでございますが、これは、例えば私どもが港区で実践したのは、品川区さんのような例を非常に参考にさせていただいて、9年間を4・3・2という教育区分に分けたわけでありますけれども、その教育区分を考えるときに、教育課程を編成する理念上の教育区分と、子供たちの実際の活動という教育の実際のレベルと両面があると思うんですね。それがタイアップすれば一番理想でございますが、私どもの実践で言えば、教育課程編成上は非常にとりあえず結構でございました。子供たちの実際の動きというと、4・3・2となりますと、1から4年生、とりあえずいいでしょう。5・6・7年生、中1までですね、それがいつも一緒に活動するかというと、行事等はあるとしても、なかなかそうじゃない。そして最後残された8年生、9年生、つまり中2、中3が2学年しかないという。しかも私ども小さな規模の学校だったので、なかなかそれがうまく機能しませんで、港区の方針として4・3・2とやりましたが、実際は二つに大きく分けまして、1から4、それから5・6・7・8・9の二、三期を一緒にして行動することが多かったです。というのは、五、六年生は明らかに成長が早い等々の議論がたくさんありますが、一貫校にいたときに、そのことを強く感じました。そのことは十分に私どもも踏まえた上で子供の発達段階や社会的な状況の変化に応じた刺激を与えていかなきゃいけないという点においては、五、六年生の扱いというのは大いに今後もっと一歩進んで、一歩大人として扱うという部分が必要だと確信します。そんなことを考えるといろいろな手立てが必要だと思いますが、そういう点では学年の区分が子供たちの活動にとってどうかという議論も随分考えていかなきゃいけないかなと思いました。
 以上でございます。
【小川部会長】  ほかに、いかがでしょう。安彦委員、どうでしょうか。意見がいろいろ出たようですが。
【安彦副部会長】  私は最初に申し上げたように、義務教育学校という学校種は、世界中どこの国を見てもないと申し上げました。義務教育というのは年限あるいは期間を指しているわけで、日本の戦後の形でも、結局、前期中等教育まで義務教育年限を延ばしたというのが、戦後の非常に大きな制度改革の特徴だったわけで、そういう意味では、基本的な考え方としてやはり義務教育学校というもので指導要領を作るという発想は、基本的に私はとりたくない。この点は別な懸念もあったりしてとりたくない。むしろ現実的に考えて、まず、いわゆる完全な小学校・中学校という既存のものが前提とされているわけで、それがいわば大部分なわけですよね。そっちはそっちであるわけですから、義務教育学校という形で指導要領を作るというのは、そういう大多数の小・中学校に合わないと思います。それから小学校は「義務教育としての普通教育の基礎」という目的規定をちゃんと受けて規定されているし、中学校は「義務教育としての普通教育」という目的規定がちゃんとあるわけで、学校教育法上も、そういう目的規定がそれぞれにある以上は、基本的にそれは別々のものを前提に置いていていい。
 それからもう1点は、いわゆる多くの方が言われる段差は多少あってもいいのだという発想、これはもちろん、それが飛び越えられないような段差に今なってしまった。硬直化して。天笠委員が言われたような、そういうニュアンスの部分があるから、今こういう形で取り組んで、それを滑らかにしようとしているわけですけれども、少なくともそういう意味での一定の段差というのはあってもいい。ただ、それを6で切るか、5で切るか、もう少し今は4で切るかという、あるいは4・3・2という2か所で切るかという切り方を選べるようにして、6でなきゃならないという切り方というのは、もう相対化されたというのが学校教育法第21条ではっきりしたということ。基本的にそういう考え方でいくと、言ってみれば、そういう内部区分が柔軟にできるように、そういう趣旨で義務教育としての普通教育の基礎という部分と、それから普通教育というものを、ある意味でそれぞれの学校が内部区分に応じて、柔軟にそこで扱えるような法的なバックアップが欲しいなと思う。今それが、先ほどから言われているようないろいろな制約があって、教科担任制その他、運用でやっていますけれども、それではやっぱり十分にやれないところもあちこちにある。そういう意味では、法的にはっきりさせた上で一定のバックアップ、財政的な面も人員的な面も含めてバックアップした上で、柔軟に扱えるような形というのを作る。それが、いわば9年全体に対する指導要領を作るという意味では、やっぱり小学校・中学校それぞれ既存のものがたくさん残っているわけですから、同時的にそちらのものをも満たすという点では、やはり二つのものを指導要領として作るのが望ましい、あるいは現実的だと思います。
 そして、全体としては一貫制に、私個人も今後の改革の方向としては動いていってほしいと思っておりますので、そういう意味では、例えばカリキュラムの作り方の一つとして、少なくとも通し番号ですね。学年制を通し番号でやってみる。こういうことぐらいはもうやってもいいとは思っていますが、それはあくまでも、そういういわば方向付けを、何というか目指したものとして考えたいと思っています。
【西川委員】  ちょっと質問していいですか。
【小川部会長】  どうぞ。
【西川委員】  安彦先生にちょっと。私は理解不十分ですが、義務教育学校という言葉が正しくなければ、例えば義務教育学習指導要領ならよろしいんでしょうか。安彦先生には初等教育、それから前期中等教育というものの区分の必要性を強く主張しておられるように僕は受け取りましたが、同時に9年間の弾力化は肯定しておられる、否定はしないということでありましたら、義務教育学習指導要領ならいいんでしょうか。
【安彦副部会長】  いや、私は義務教育学習指導要領でも多少気になります。ちょっとそこのところは、皆さんと少し独特な僕の懸念があるのですけれども。
【西川委員】  高校も意識しておられるからじゃないですか。
【安彦副部会長】  それもあります。まだ全体の学制改革でないですので。そこが一つやっぱり不十分な面としてあるんで、ここだけを取り上げて何かそういうことにするのはまずいなということが1点あります。
 あとは、要するに義務教育という、言ってみれば、そもそも新しい義務教育を創るという、あの平成17年の答申あたりでも、私は委員じゃなかったので、外から見ていてひっかかっていたのは、どうも義務教育というのはこういうものだという何物かがあると皆さんお考えのようだけれども、最初に私、申し上げたように、義務教育には決してそういうタイプのものでない、イギリス型のものと言いましたけれども、むしろ何年目までを、とにかく子供の成長の大事な時期を、学校に、言ってみれば子供を保護して、あとはそれぞれの子供が、それぞれに伸びるだけ伸ばしていけばいい、という意味での義務教育の観念もあるわけです。日本も明治の最初は、プロシア型の義務教育学校というものはこういうもので、ここまで身に付けなければ修了させないというやり方をとったので、明治の初めの学制の頃は、本当に学校反対運動なんかあちこちで起きて、いつまでも卒業させてもらえないもんだから親が怒ってしまったわけですよね。
 そういういわば、何というか、これが義務教育であって、それを国民的教養として身に付けない者は卒業させないという発想のもの、そういうものというのは、やっぱり、どうも私から見ると、新しい義務教育を創るという、あの答申の場合の義務教育の観念に、強くあったように思うんです。その辺がやはり私としては気になっていて、むしろ今、戦後の義務教育の形というのはイギリス型でやってきている。ですから御存じのように履修主義になっていて、これだけはというふうなことは言わず、落第なしでも済ませてきているわけです。ところが、それはいかにも甘い、それこそ余りに無責任でひどいからというんで、実質的に教育の効果は本当にどこまで出たのか、これだけ義務教育費を、お金を使っていながらどこまでやれているのかという議論が出てきて、それでこれぐらいはきちっと示せという発想で、ある意味でプロシア型に、何ていいますか、変えるような見方が強まったと思うんですね。でも実際はやはり、いざそれを本当にやろうとしたら、ものすごく大きな制度改革ですし、お金も掛かるし、多分人も掛かるし、そこの部分の保証をせずに、手当てそのものを全く何も考えもしないで、とにかくこれだけ身に付けなければ駄目という発想だけで、履修主義を修得主義的なものに変えるんだったら、これはもう容易なことではないと思います。多分、そこまでは政治家も考えていないと思う。ですので、私としてはそういう発想に対して、むしろ現状を前提にして、部分的にもう少し厳しく修得を問うような学年や教育内容その他はあってもいいと思いますけれども、全体の制度の作り方としては、今のままの方が私はむしろ望ましいと思っています。
【小川部会長】  きょうはこれぐらいにしておきたいと思います。ほかの論点もありますので。今、小中一貫学校のカリキュラムを考える際、現行の小学校・中学校の学習指導要領との関係をどうするかという話で、幾つか考え方の違いが出ました。これについては次回以降、更に議論を進めていきたいんですが、この3の5ページの所で、もう一つ皆さんの御意見をお聞きしたいのがありまして、5ページの黒丸、上の黒丸の三つ目なんですけれども、恐らく現行の小学校・中学校の学習指導要領をベースにしながら一貫学校の教育課程を考えていく際、そこで教育課程の特例というようなことが出てくると思うんですが、その際、教育課程の特例としてどのようなものを考えたらいいか等々、この辺についても少し御意見があればお聞かせいただきたいんですけれども。
【西委員】  すみません。
【小川部会長】  西委員、どうぞ。
【西委員】  特例を考えるときに、この小中一貫教育の軸となる独自の教科等の創設というのが、非常にたくさんの学校が取り組んでおられますけれども、皆さん方御存じだとも思うんですが、私も中学校と小学校と両方経験しまして、結局、何らかの軸になる特例の教科を設定した方が進めやすいことが多かったんですね。というのは、中学校で、例えば国語を研究教科にしようということで通しますと、中学校はもう国語の教員だけが関わっていくということになってくるわけです。小学校は全体で取り組むけれどもという、そこら辺で段差ができてしまうんですね。例えば道徳であったら、割と通しでできるというようなことはあったんですけれども、その辺で、この辺の独自の教科等の創設というのは、もちろん地域性もありますし、地域のニーズとか、必要性に応じてということはあるんでしょうけれども、その小・中を通して一つみんなが一体化してやっていけるという点で、独自教科というのが多いんだと考えています。
 その点で、私たちは、結局どうしたかといいますと、時間数としてはなかなか設定できないことがありましたので、いわゆる剰余時間ですね。1年間、もう御存じのとおりです。40週程度はカウントできますので、35週の標準の時間からすれば5週間程度の剰余時間はできているわけで、この剰余時間の中の時間を使って一つの教科を立ち上げたということがありました。ただ、幾つかのところとの教科との関連性を考えて、そこの時間をとりながらということも考えたんですが、基本的にその剰余時間を使ってきたんです。ですから、ここら辺に独自教科の時間設定としての柔軟性があれば、この剰余時間を使ってということではなくて、もう少し有効に働くかなと思いますし、また小・中をつなげていく大きなツールとして必要性は高いかなと思ったところです。
【小川部会長】  若月委員、どうぞ。
【若月委員】  どうもありがとうございます。具体的に、例えば品川は教育課程の特例として何をやってきたかというのを御参考までに教えますと、一つは、その年その年のいわゆる教科の学力でいろいろな凹凸が出ますね。成績定着の。その次のときに教育課程を編成するとき、若干落ち込んでいるような教科についての授業時数をやはり増やしたということは一つあります。
 それからもう一つは、これは大事だと思ったんですけれども、一貫教育を何のためにやるのかという原点に立ち戻ったとき、ただ単に中1ギャップ、もちろん大事なんだけれども、あるいは不登校を減らすことも大事なんだけれども、それをやると共に、一貫で、9年間で一貫して育てなければ育たないものは何なのか。今の子供たちには何が必要なのか。安彦先生のお考えで言えば、義務教育という期間の中で、少なくともどういうものだけは人間の核として育てていきたいか、これを考えたわけです。ですから一貫教育をやるから特例だから何か作れるじゃなくて、逆なんですね。何か核になるものを作りたい、それは一貫でやんなきゃ育たない、ということで必然的に出てきたのが、品川の場合には特別活動と道徳と、それから総合の時間を一緒にした市民科という一つの教科を柱にしたわけです。ただ単にだから成績がどうこうということではなくて、人の核を作るという意味で、一貫でその教科を統合して作らせていただいた。幾つかの地方を回っていますと、やはりそういう核になるものを作っていらっしゃる学校というのはかなり見受けられます。東北のある地方の私立、これは私立ですけれども、言語技術というものをやはり、1年生から9年生まで一貫して教えていく。これは非常に参考になる例だったんですけれど、そうしたものがどうしてもやはり一貫教育をやる以上、なくてはならいバックボーンになる。それが今は特例として工夫されてきているということでございます。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 天笠委員、どうぞ。
【天笠委員】  今もお話がありましたので、品川区の場合ですと、象徴的に市民科というのがあるかと思いますし、それから呉市の場合ですと、名称はともかくとしまして、いわゆるキャリア教育に関わる中身を入れた9年間のそういう新しい教科を作るというんでしょうか、こういうふうな動きというのがあるということです。その一方において、いろいろなデータ等々もありますけれども、現行の学習指導要領に沿ってということで、とりたてて新しい教科等々に開発ということは踏み込まないで、現行の学習指導要領を前提にしてそれをやるって、私は大いにその線もあり得るということで、小中一貫ですから、新しい教育の開発に向かうというあたりのところは、少しそれぞれの地域の事情ですとか、それぞれの当事者の考え方ということを大切にするということがまず第一原則かなと思います。
 その上で、もう一つは、このデータもあるんですけれども、教育課程特例校制度というのが、どちらかというと英語の早期実施の方の運用上の制度という形になっていて、必ずしもここ、何というんでしょうか、小中一貫の推進のためのそれというのと絡み合っていないような側面というのもあるように思えてならないんですけれども。改めて先ほどの話ですと、これから教育課程について更に議論を深めていくということでありますので、是非この辺のところを、さらなる事例等々の御紹介等々も含めて、少しそれらを基にしながら、一度更に議論を深めていってもいいかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 3の教育課程についてはかなり論議がありましたので、予定以上の時間を費やしてしまって、残りあと20分しかありません。それで、あと残っているのが4と5なんですが、恐縮ですけれども、4と5は、これはもう同じような問題を違った角度から扱っている問題ですので、4と5を一緒にして、残りの時間、少し皆さんから御意見を頂ければと思います。これももう、きょうは初回ですので自由に御意見を頂ければと思います。いかがでしょうか。
 すみません。貞広委員、どうぞ。
【貞広委員】  すみません、どこで申し上げようかと思っていたんですが、どうも4の所の資料にあるので、ここで申し上げます。8ページの所に、小中一貫教育等についての実態調査の結果の抜粋の中で、市区町村内での小中一貫教育の実施割合で、市区町村内全域で実施しているのが半分程度という結果が出てきています。この点に関してなんですけれども、是非何かインセンティブを付けて、もし小中一貫教育学校を導入する自治体さんについては、市区町村全域でこれを導入していただくような働き掛けができるような制度設計にならないかと思います。と申しますのは、幾つもの自治体や学校に調査に行っていますと、市区町村の中で1校だけが小中一貫教育をやっていると、なかなか先生方の意気も上がらず、かつ地域の方々の理解も得られず、あそこの学校は何をやっているんだろうという感じで受け止められたりしています。かつ自治体としても、うちはこういう教育方針でいくのでというような提示もなかなかできず、先生方も地域の方のマインドも盛り上がらなくて、結果的に支えがないということになるので、是非、導入する市町村については、導入が市区町村内全校での導入が推進されるよう、インセンティブが設けられる必要があるかなと思います。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
【西川委員】  はい。
【小川部会長】  西川委員、どうぞ。
【西川委員】  すみません、手を挙げて、実は西委員から教えていただきたいんですが、前回の合同委員会でも、小中一貫教育を展開するところからそうでない学校に転校した場合、いろいろな問題が生じているんだという発言をされた委員がいらっしゃるんですが、私自身はそういう事実を承知していないんですよ。京都市というのは、いわゆる学校選択制をとらずに、就学先指定を狭くやりながら、4校の施設一体型と二つの5・4制と、それからほかの6・3制が併存していますよね。その中で、そういう制度間のトラブルというのは教育委員会でどのように承知しておられますか。教えてください。
【小川部会長】  西委員、よろしいですか。何かあれば。
【西委員】  こちらの方でつかんでいる点で言えば、全く承知しておりません。
【西川委員】  そうですよね。
【西委員】  はい。
【小川部会長】  そういうお答えでもうよろしいですか。
【西川委員】  はい。ですから私は、そのイメージでそういうことがあるんじゃないかという言説が結構あるんですよ。でも確かに京都市においては承知していないということは、我々にとっては大事だなと思っています。全国的に皆無とは言えないかもしれないけれども、そういう意味で、例えば4番の所で、対象校とすることについてよいかと書いてあるけれども、特段の問題はないように僕は思っています。以上です。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 ほかに、いかがでしょう。この辺は特に問題ないですかね。
 國定委員、どうぞ。
【國定委員】  制度の話と余り直接関係ないので、やめようと思っていたんですけれども、貞広さんの話、そのとおりだと本当に思っていて、大変だと思いますよ。一つの市の中で小中一貫教育タイプと、そうじゃないタイプというものを併存するというのは。そもそも先ほどおっしゃられたように、地域の理解もなかなか得られないですし、教育委員会がそこまでの余力を多分持ち得ないと思うんです。逆に私たちとしてインセンティブが欲しいなと思っているのは、僕たちは12%の部類なわけですよね。全市的に小中一貫教育をやるわけですけれども。そうすると、そのために市単独で教育センターを作って、市単独で小中一貫教育の標準カリキュラムを基にした研修制度をゼロから作り上げて、市内に展開されている小学校の先生とか中学校の先生に何回も教育センターに足を運んでいただいて、ほかの市町村の教員として勤務している者とは全然違う研修を新たに受けなければいけないということをやっていかなければいけないと考えると、それでさえ大変なのに、同じ自治体の中に二つの学校種が併存しているというのは、これはなかなか多分、現実的には難しいと思うんですね。加えて申し上げると、ほかの市町村よりもかなり財政的に身銭を切って教育費に対してお金を掛けざるを得ないわけですよ、私たちも。三条市のレベルで言うと、教育センターを作るだけで毎年4,000万ぐらい飛んでいきますので、もうちょっとだったかな、4,000~5,000万ぐらい飛んでいくんですね。これはやっぱり結構なかなかヘビーな話で、別にそれによって基準財政需要額が増えるわけでも何でもありませんので。そういうことを考えると、やっぱりある程度、制度設計という意味ではなく、予算上の形である一定の支援措置ということを頂けるのであれば、これはかなり鬼に金棒になると思いますし、私自身が若干恐れているのは、小中一貫教育って制度設計だけだとなかなか厳しいと思うんですよ。結局、教育委員会をはじめとした全体としてのサポート体制がないと、苦しむのは現場の先生になるので、そうするとそこのサポート体制をどういうふうに、制度ではないんだけれども運用上どうやって整えていくのかということはいっぱいある一方で、ちゃんと目配せしておかないと、最後は先生方に全部負担が押し付けられてしまって長続きしない制度になるんじゃないのかなというのは若干危惧をしています。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 ほかに。
 福井委員、どうぞ。
【福井委員】  私も小中一貫教育を実施するならば、その自治体が一斉に構想として進めていくというのが非常によろしいかなと思います。港区の例で言いますと、中学校で10校ございまして、私どもの学校が22年にお台場学園ができまして、2校目が来年度、27年度にできるんですが、それ以外は全ての10の中学校区域をアカデミーと称しまして、小学校二、三校と中学校1校、港区の場合は幼稚園も含めますが、幼稚園も含めた幼小中一貫教育を進めているわけでございます。そういう点では区内の同じ発想で幼稚園・小学校・中学校の教育がつながるということを職員が意識するということは非常に大きいと思います。
 ただし、そこで職員が非常に心配することは、今でも非常に厳しい勤務の状況がございまして、研修も幾らでもやりたいけれども、なかなか学校を空けることはできにくいと。港区のように都心にある学校は小さな規模でございますので、例えば私ども今の中学校でいっても教科の教員は一人なんですよ。一人が3学年を教えると、これは当たり前じゃないかと。時間数がそこで収まるから当たり前なんだけれども、かなりきついわけです。そして初任の方もたくさん増えて、初任の方が一人で全学校の教科を責任持たなければならないという状況はかなり増えてきている。そこで研修がたくさんあっても、それに出ること自体もなかなかままならないという状況があるときに、やはりその自治体こぞって進めていくということがいいと思います。
 ただし、施設が一体であれば条件が非常によろしいですので、いろいろなことが進められますけれども、そうじゃない、小・中隣接していればまだしも、遠いという場合に、同じことを求められてもなかなかそれはあれですので、理念としては同じであっても、実際の施行する教育の中身は変わってくると、手法は変わってくる。当然そのことを認めなければ、その良さを認めていかなければ、今以上に負担が増えるというのは、もうちょっと教員がもたないかなという実感もいたします。そういう点では置かれた状況に応じて教育の実際の中身は変えていくにしても、理念としては、その自治体がこぞってサポートしてもらえるということの安心感は非常に大きいかなと思います。以上でございます。
【小川部会長】  ちょっとお待ちください。
 設置義務とか就学指定とか、既存の学校種との併存云々(うんぬん)という話は、ほぼそういう方向でという意向で了解してよろしいですか。全体を通じて議論に移りたいと思いますので、今、挙手は天笠委員、橋本委員でよろしいですか。
【大橋委員】  質問が一つ。
【小川部会長】  まず、すみませんが、天笠委員から。
【天笠委員】  今の話に関わるんですけれども、今後恐らくどこかの段階で、好ましい事例の提供というんでしょうか、情報発信というふうな、そういうことというのも出てくるんじゃないかと思います。その中には今のこの話がありますように、市町村教育委員会の、ある意味の地域教育経営そのものの一貫として、この一貫校の展開ということがあるわけですけれども、私の関わらせてもらった幾つかの例ですと、やっぱり段階、段取りがありまして、オーソドックスなのは、まずはパイロット的な学校、あるいは地域が1点あって、そこで様子を見て、メリット・デメリットと称されるものを明らかにして、そこを判断して次に展開するというようなステップをとる場合というのが比較的あって、その次にステップをとるときに、どういう意思決定がなされるか、どういうそれぞれの地域の中でのバランス感覚の中で展開されるかどうかが、その後の帰趨(きすう)を決するというようなことというのが幾つか見られるわけなんですけれども。そんなこと等も、この調査結果と付随して、そういう情報の提供等々を今後しかるべき段階で市町村に提供するということが、市町村の関係の方々にも大変いい参考例になっていくんじゃないかと思います。まさにそういうときに、いかにして全市展開に持っていけるかどうか、そこのところのタイミング等々のところの勘どころが分かるような、抽出できるような形のデータの追求があるといいかなと思いますので、御検討いただければと思います。
【小川部会長】  分かりました。
 橋本委員、どうぞ。
【橋本委員】  教員免許の問題等も出ておりますが、私は先ほど日常的に小が中、中が小に関われるということがなければいけないというお話をしましたが、先ほど國定委員の研修にも関係しますけれども、余りにも小学校の先生が同じ学区域にある中学校のことが分かっていない、あるいはその反対もあるということで言えば、体感的に、やはり小中一貫教育の前提となるほかの学校種を必ず経験して、研修をしていくということが、免許を取るということも一つの方策なんですが、非常に重要じゃないかと思っております。例えば教育委員会の指導主事になった者も、頭の上でしか理解していなかったというような話が出ておりまして、指導主事となって両方行きながら、一貫教育の考え方ということも勉強するという話を聞きます。ですからちょっととっぴな話をしますが、免許更新の講習がありますけれども、地方では大学に通うのは大変なことなのです。ないです、そばには。それこそ小学校の先生だったら中学校は通える範囲にある。中学校は小学校がある。ですから、どこかの大学に申し込んだけれども、実践的に違う他校種に入り込んで、それでレポートか何かして免許更新講習をできれば、と思います。やはりこれは進めるべきことなのですから、制度化を待ってというよりも、できることは何か研修というような形でしていくということが大事ではないかなと思っております。
【小川部会長】  ほかに。
 大橋委員。
【大橋委員】  先ほど天笠委員から、その地域でパイロット校があって、そこをお手本に広めていくというお話がありました。先ほど小中一貫教育で複数の小学校から中学校へということもかなりあるだろうということだったんですが、一つの小学校から複数の中学校へ進むというようなパターンもあります。そうしますと各地区の教育委員会で、じゃあどういうような小中の一貫校、どこと組み合わせるのか、かなりこれは地域の住民の御理解を得ていく必要もあるかと思います。ですので、進めていくときに全地域で一体として進めていくわけなんですが、ここはかなり時間的な猶予が必要なのではないかなと思っております。以上です。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 安彦委員。
【安彦副部会長】  私も今の話がちょっと気になっておりまして、設置義務については、もうこれで問題ないと思いますけれども、就学指定の話は、ちょっと今のようなこともあって、通学区域をもう指定してしまうのか、それともやはり最初から、私としてはむしろ学校選択的な、選択の中身はいろいろなタイプがあるのを承知していますけれども、そういう形で行うのか。その辺がちょっと、この就学指定の文言ですと、私はどちらかというと中高一貫校の場合のように、保護者の選択に委ねられるという方を念頭に置いていたんですね。ですので、この点は両面合わせ可能なというか、地域の実情に応じて両方可能な形で何かうまく制度化できないかなと思いますけれども。その基本のところは、やはり公立学校ですから、教育の機会均等の原則だと思います。
【小川部会長】  ありがとうございました。その辺は次回以降また、少し詰めていきたいと思います。恐らく基本的にはもう自治体の方にその判断を委ねるという形で、今のような問題については解決方向を探るということもあるかと思いますので。
 ほか、あと全体を通して何か一つ、二つあればお受けします。あと5分ぐらいしかありませんけれども、5分もありませんので、一人二人ございましたら。
 四柳委員、矢崎委員、もしもあれば。どうぞ。
【矢崎委員】  そもそもこの小中一貫がギャップを各部署で作らないように、カリキュラムにしても流れがスムーズにというようなことがあるんだろうと思うんですが、一方で子供の行動とか精神面の発達で、今までは、6年間が終わったら、もう君は中学校なんだから頑張らなきゃいけないよということで、その節目を利用して成長を促すことがあったわけですね。それがギャップにつながったりもしたわけですけれども。いろいろな事例を見ますと、卒業式に当たるようなもの、入学式に当たるようなものを、そう呼ばずにもやっていらっしゃるようですけれども、これは教育課程が一つの9年間のものができたときに、成長を促すような部分部分が可能なのかどうか。例えば特例を作って成長を促せれば一番いいんですが、成長を促すような流れを作るのがまた大事なんじゃないかなと一方で思います。
【小川部会長】  ございますか。
【四柳委員】  はい。
【小川部会長】  よろしくお願いします。
【四柳委員】  ありがとうございます。一言だけ。先ほど貞広委員からも言っていただきましたけれども、コミュニティ・スクール、学校運営協議会で地域や保護者の意見が反映されるような仕組みとセットにして考えていただければなと思いました。学区域の問題にしても、まず学区域をある程度中学校区単位で整備して、それから小中一貫を進めていくことも保護者にとっては非常に大切なことだと思いますし、そういった中で子供たちの義務教育の質を高めていくということで、平たく言うとできる子はより専門的な学習ができるように、そして学習の定着が遅れている子に関しては、思い切ったさかのぼり教育などで学力の定着がその9年間の中でしていけるようにしていただければ、小学校の子が中学校に行ったときに、授業で50分間ついていかれない、それで中学校が面白くないというようなことが起こらないように、小中一貫の教育の中でしていっていただければなと思っております。
【小川部会長】  ありがとうございました。
 もう時間が来てしまいましたので、きょうはこの辺で終わらせていただきたいと思いますが、きょうは制度化に向けて、更に今後検討すべき課題、また視点、また留意すべき事項等について非常に多様な御意見を伺いました。次回以降も、きょう頂いた意見を事務局の方で再整理していただいた上で、重要な点について更に追加的な審議を進めると共に、また小中一貫学校をどう進めていくかという推進方策についても、次回は少しお時間を頂いて御意見を伺いたいと思います。きょうは本当にありがとうございました。
 次回の会議の御連絡をお願いします。
【小林教育制度改革室長】  次回の部会の日程につきましては、10月6日、月曜日、10時から12時を予定しております。追って正式な御案内を送付いたしますので、御出席の方よろしくお願いいたします。
【小川部会長】  次回は10月6日午前10時から12時ということで、かなり頻度の多い部会ですけれども、御協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、きょうの会議をこれで終わります。ありがとうございました。

 ―― 了 ――

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