資料7-1 委員提出資料

第二回目の合同会議(2013年7月26日)保育要領に盛り込むこと

岩田 純一

 1.第一回合同会議における資料8<現行保育指針と教育要領の対照表> の突合せによって、整合性の観点から保育要領作成の技術的な調整のための方策タイプが機械的に示唆される。 →私見として、幼保連携型こども園における保育要領は、現行の教育要領と保育指針が補い合ったものとして成立するという前提に立つ。したがって、突合せ作業を手がかりにする。 

タイプ別

1.教育要領になくて保育指針には見られる事項のうち、認定こども園の保育要領にとっても必要と思われるものを書き込む、また新たな認定こども園の特質に合わせてその部分を新たに書き直す
2.保育所保育指針にはなくて教育要領にみられる事項のうち、認定こども園の保育要領にとって必要と思われるなら書き込む。
3.保育指針にも教育要領にも言及はあるが、言及の詳細の程度に不等号な多少関係が見られる事項を調整して書き込む→保育要領への書き込みは最大公約数的に、最小公倍数的に?←(解説書との兼ね合いによる)
4.保育指針と教育要領いずれにも、両方の特質に応じた類似の内容記述があるとき、両者を折衷するような事項の書き込み。
5.新たな保育要領の策定にあたって、従来の保育指針や教育要領にはないが新たに書き込む必要があると思われる事項

 

たとえば対照表を例にとると


(1)保育指針に書かれている保育の目標は、(教育要領には書き込まれていないが)学校教育法に教育の目標としてあり、いずれも内容的には5領域のねらいの概要である。→上の1タイプであり保育要領へ落とし込む。
(2)ゼロ歳から6歳を対象にする保育指針では必然的に「子どもの発達(2章):乳幼児期の発達の特性や、<おおむね>の発達過程」に言及せざるを得ない。幼保連携型認定こども園の保育要領(仮称)にも書かれる必要がある。→上の1タイプ
(3)ゼロ歳から6歳を対象とする保育指針では第三章(保育の内容)に、乳児、3歳未満と3歳以上児の保育(養護と教育が一体化した内容)に関わる実施上の配慮事項がある。そのような配慮事項があるということは、せめて保育要領では、保育のねらい及び内容を3歳未満児までと3歳以降児の2段階に分けて継続的に書く必要があるのでは→上の5タイプ
(4)保育指針では健康及び安全で「3食育の推進」として独立の項目が立てられている。教育要領では見られない。しかし教育要領でも、領域「健康」の内容の取扱いに若干の説明アリ。→上の3タイプ
(5)教育要領では見られないが、保育指針の特質たる養護に関する内容(生命の保持、情緒の安定といった内容?)は保育要領の中に書き込む必要がある→上の1タイプ
(6)週数、時数の事項は、幼保連携型認定こども園では短時間保育・長時間保育のコースが一体化されているので、教育要領と保育指針を合わせたような記述になる→上の4タイプ
(7)保育指針における「保育の計画及び評価」(第四章)で、(三)指導計画作成上、とくに留意すべき事項において<障害のある子><小学校との連携>や、専門性の向上をねらった「保育の内容などの自己評価」、第五章の「健康及び安全」などの内容は教育要領においても言及されてはいるが(その解説書には詳しいとしても)、指針と要領間における言及の程度には不等号が見られる→上の3タイプ
(8)家庭や地域との連携、子育て支援は、同じように書かれている教育要領と保育指針を折衷する→上の4タイプ
(9)預かり保育は指針では言及ないが、短時間保育コースが一体化することに伴い、教育要領で述べられている預かり保育についても書き込む必要がある→上の2タイプ
(10)施設の役割、社会的責任等では保育指針にのみ総則として述べられているが、保育要領ではその部分に新たに認定こども園の位置付けを書き直す必要がある→上の1タイプ
(11)評価、健康・安全が保育指針では第五章として書き込まれているが、上位規定の学教法や学校安全法にはあるものの教育要領には直接的に書き込まれていない(なお部分的な内容は<指導計画にあたっての留意事項>に若干触れられてはいるが)。保育要領に書き込む必要あり→上の1タイプ
(12)職員の資質向上は、保育指針の方には七章「職員の資質向上」としては入っているが、教育要領にはなく、保育要領に書き込む→上の1タイプ

 

なお、上のような整合化を図る際には、保育要領に書き込む大綱部分と、解説書で詳しく説明する部分を検討する必要があるようにも思えるが。

 

2.短時間と長時間保育児コースの一体化(混在化)に伴う、認定こども園に固有の配慮事項の観点から、保育要領では以下のようなことがら等を配慮事項として言及する。

(1)異なるコース児の保護者間の連携作りへの支援
(2)生活リズムや集団生活の経験年数の違うコース児への保育的な配慮
(3)家庭における経験の違いを配慮した保護者支援のあり方
(4)両コース児の教育、保育の継続性や一貫性をいかに配慮するか

 

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