資料4 幼保連携型認定こども園保育要領(仮称)の策定に関する合同の検討会議(第1・2回)における主な御意見

論点1 幼稚園教育要領及び保育所保育指針との整合性

  • 幼保連携型認定こども園が行うべきことが分かるように保育要領を作成し、解説書において更に具体化し、研修を通じて深めていくことが必要。
  • 現場の先生の実践のよりどころになるものであるため、網羅的にするのが妥当。当面の内容は折衷的にならざるを得ないのではないか。
  • 幼稚園から移行する事業者を念頭に置き、ゼロ歳から2歳児の保育についてしっかりと書かれていることが重要。
  • ゼロ歳から小学校低学年のところまで一貫して養護が基盤にあり、教育がある整理を、保育要領で示すべきである。3歳未満児の乳児保育や特別な支援を必要とする子どもの保育等については、解説書で詳しく書くことにはなるが、保育要領できちんと書いておくべき。
  • 学校教育、保育、地域子育て支援、在園児の保護者支援の4点をフルセットで持った要領とし、応諾義務、保護者支援、安心・安全の確保などの福祉的な視点を重視すべき。
  • 大綱化により、各地域や各園の独自性が生かされる必要があり、告示で書く部分はできるだけ明確に書き、解説書の方には丁寧に書くべき。
  • 教育要領に言う教育課程と比較して保育指針で示された保育課程の方が包括的な概念で示されており、この点についても検討が必要。
  • 教育要領と保育指針の書きぶりが異なる点として、例えば養護的な部分の書き方、保健的なこと、発達過程等があるが、例えば発達過程については解説書の中で詳しく書き加えることとし、大まかなところを保育要領で押さえていくことが適当。
  • 教育と保育について、今回、両方併せた保育要領にするため、乳幼児期の教育について議論が必要。

(1)総則部分の取扱い

  • 教育要領、保育指針をつなぎ合わせるだけでなく、幼保連携型認定こども園という一つの施設の特徴、良さ、目的等を総則に規定し、それぞれにない特徴が配慮事項として規定されると、現場は分かりやすい。

(2)発達過程について

  • 修了までの子どもの育ちをゼロ歳から6歳まで連続性を踏まえながら考えられればよい。
  • 子どもがどう育つのかという発達観、発達過程については、保育要領本体に規定するのか、解説書により分かりやすく書くのか、十分な検討が必要。
  • 年齢や領域ごとの区分で発達を捉えると誤解が生じるため、「プロセス」を大切にした発達の過程が示せるとよい。

(3)「内容」における「5領域」及び「養護」の取扱い

  • 遊びを中心とした保育が乳幼児にとっては最もふさわしい学校教育の方法であることを確かな指標にしてほしい。
  • 養護的視点が乳児から一貫して大切であるということを提示することが必要。

(4)「指導計画」における3歳未満児の取扱い、障害のある子どもの保育、小学校、家庭、地域社会との連携

  • 「養護」「教育」ともに3歳未満に到達すべき内容やねらいと3歳以降にかけて到達すべきねらいや内容とを2段階程度に分けて記述する必要があるのではないか。
  • 現在保育指針で規定されている2歳までの個別計画は、小学校への接続等も考慮し5歳までの計画とすることが必要。 

(5)「健康及び安全」「保護者支援」「評価」「職員の資質向上」

  • 幼保連携型認定こども園の役割、社会的責任、評価の在り方、保育教諭の専門性、資質向上等については、保育要領ないし、解説書に限定することが必要。
  • 健康、安全に関することは深く子どもの発達と保育の内容に関わることなので、保育要領で入り口の部分を書き、あとは解説書に書くべき。
  • たくましく生きる活力といった健康の積極的な面にも触れる必要がある。
  • 虐待防止も含めた、危機管理に関する条項を是非入れてほしい。
  • 障害のある子ども、特別な支援が必要な子どもなどに対する保育を保育者間で話し合えるよう研修をしっかりやっていきたい。
  • 保護者支援には、保育所組織としての取り組みが重要であり、保育要領の中で保護者支援の重要な意義、具体的なハウツーに触れる必要がある。
  • 保護者との協働、あるいは保護者支援、子どもの健全育成のための健康、安全、食育、保育の質の担保のための評価についても、保育要領の中に明記が必要。
  • 幼保連携型認定こども園で子どもたちの育ちを保障していくためには、アレルギー対応の問題も含めて、「食育」を保育要領中への規定が必要。
  • 認定こども園の食事は、お弁当、自園調理、外部搬入と、多様な提供パターンがあり、複雑化した中での事故対応のためのガイドラインが必要。
  • 保育者の資質向上の必要性、研修・研究の権利の保障についても規定すべき。

論点2  小学校教育との円滑な接続

  • 小学校との接続に関し、「表現」においては遊びと学びが基本的に幼稚園の場合一致しており、それらをどのように小学校にどうつないでいくのかをきちんと規定したい。

論点3  幼保連携型認定こども園の固有の配慮事項

  • 幼保連携型認定こども園固有の配慮事項として取り扱うべき事項として、1. 教育、保育の継続性、2. 保育時間の長さによる園内の経験の違い、家庭での経験の違い、3. 長時間保育、短時間保育、双方の保護者との連携がある。
  • 認定こども園固有の配慮事項については丁寧に記述してほしい。特に、3歳児の場合3歳から入園する子どもとゼロ歳から集団生活をしている子どもとでは、指導体制、保育体制について相当な配慮が必要。
  • 多様な子育てのスタイルがあるため、1日の生活リズムや集団生活の経験年数が異なる子どもたちに対応する保育要領とする必要がある。
  • 幼保連携型認定こども園の機能には子育て支援に係る総合的な機能が求められており、様々な機能に着目した規定を置くことが必要。
  • 現行の認定こども園の設備・運営の基準にある「固有の配慮事項」に示された内容について手厚く書いておくことが大事。

4.その他の留意事項

  • 今回の保育要領が平成30年の教育要領や保育指針の改訂に大きな影響を及ぼすことを想定しつつ策定することが重要。
  • 今の乳幼児期の子どもたちにとって本当に必要な生活について、明確にし、現場がそれを支えにして保育ができるようなことを書き込むべき。
  • 保護者や社会などの様々な状況によって子どもを分断するのではなく、どの子にも同じような育ちが保障される中で教育と保育が良い形で認識され、行われていくことが必要。
  • 生活の連続性と学びの連続性をいかに施設で担保していくかということが重要。
  • 保育要領は将来的には乳幼児に関わるすべての者の指針となるような保育要領であってほしい。
  • 「子どもの最善の利益」「保育の質の保障」の具体的内容を整理して規定すべき。
  • 技術的な指導や見栄えのよい成果を性急に求めるといった偏った形での早期教育の問題と教育的な内容についての過剰な警戒のどちらに対してもメッセージを出していかなければいけない。
  • 長時間の子ども、障害を持つ子ども、幼稚園だけの子ども等、様々な子どもがいる中で子どもが尊重される生活をどう作るか、という視点が必要。
  • 質の高い教育とは何か、質の高い保育とは何かを、保育要領の中で示していくことが重要。
  • 「すべての子どもに質の高い教育・保育を提供する」といった場合の「すべて」について、具体的にどのようなことを意味するのか示していくことが必要。
  • 保護者も含めて乳幼児教育に関わるすべての人が子どもの運動の重要性に関する認識を高め、ゼロ歳から5歳の子どもたちがどのような運動経験をすればよいかの知識を持っていただきたい。
  • 保護者が読んでも分かりやすいものであってほしい。
     

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