(中央教育審議会初等中等教育分科会高等学校教育部会ヒアリング資料)
25.07.01
日本放送協会学園高等学校
校長 賀澤恵二
1.日本最初の広域通信制高等学校としてのNHK学園-「東京都認可」 【別添1】
~「いつでも、どこでも、だれでも」、そして「世界中どこでも」
(1)「日本最初の広域通信制高等学校」「世界最初の放送を利用した高等学校」
(2)本校及び33 箇所の協力校を面接指導(スクーリング)
(3)高校の施設、設備を前提とした公立、私立高校における面接指導
2.全国私立通信制高等学校協会 【別添2】
(1)協会の概要
(2)文部科学省への陳情
(3)作文コンクールの実施
3.東京都認可「東京都認可私立通信制高等学校連合会」 【別添3】
(1)東京都の通信制高等学校認可基準
(2)厳格な認可基準である東京都の認可校9 校の連合会
(3)活動概要
4.適正な教育水準とは何か?-あえて『学校設置基準』『指導要領』
5.教育を受ける生徒の立場からの「不適切な教育活動」の例
6.何が問題か?
(1)都道府県で、広域通信制高校に対する認可基準が大きく異なること。
(2)認可後の活動が、半ば放任状態にあること。
(3)学校法人の技能連携校と異なる「特区」の学習センターは認可されているのか?
(4)高等学校と、サポート校とは似て非なるもの。
7.是正に向けた一提言
(1)教育的視点からの「正確な実態把握を!」
(2)違法性、教育上の問題等の確認と、各県に対する文部科学省の「是正勧告」
(3)生徒、保護者の立場からの不適正な教育手法に対する文部科学省の「是正指導」
【別添1】 日本最初の広域通信制高等学校としてのNHK学園-「東京都認可」
記
1.私立高等学校等経常費助成費補助金特別補助(特定教育法支援事業すなわち広域通信制課程支援経費)及び生徒一人当たりの単価を明示し増額すること。
2.平成22年度から展開された高等学校等就学支援金に係る制度の実施に際しては、私立通信制高等学校の実態に即した極め細やかな内容に深めていくこと。
3.三位一体の改革後も、適正な教育を行っている広域通信制高等学校の存続を保障し、その教育水準を確保できるよう、国が都道府県を指導監督すること。
以上
陳情趣旨
1および2、3について
現在、不登校・引きこもり等の児童・生徒は全国に約20万人もいるといわれております。従来、通信制高等学校は勤労青少年や勤労者の教育機関でしたが、現在は、全日制高等学校退学者や不登校経験者の受け皿的な高等学校として極めて重要な教育機関にもなっています。また、学校教育法第五十五条による技能連携教育制度を活用して専修学校高等課程や企業内職業訓練校での学修成果を高等学校の単位として認定を受けている生徒が、全国に1万8千人以上在籍しております。そして、全国で約18万人の生徒、しかもその内の半数を超える生徒が私立通信制高等学校で学び、その社会的責務はますます大きなものとなっています。
平成22年度から施行された高等学校等就学支援金に係る制度において、右記の技能連携教育制度で学習活動をしている生徒においては、公立の高等学校と専修学校(高等課程)に在籍している生徒はいずれも授業料不徴収なのに対して、私立の高等学校と専修学校(高等課程)に在籍している生徒はいずれかを選択しての制度利用となっており、在籍の違いによる制度差別を受けることになります。また、全日制高校を74単位以上修得したが高校卒業をできなかった生徒が、通信制高校に転入学してきた場合、残在籍期間があるにもかかわらず支給対象となりません。このように公立・私立間、全日制・定時制・通信制の課程間による対応が大きく変わらないように配慮していただきたいと考えております。
近年、少子化の中で通信制高等学校への入学者が増加したことにより、通信制高等学校へ参入する各種学校や学校法人が増え、この数年間に全国で80数校も通信制高等学校が増加し、通信制単独校は5年前の約2倍に増えています。
新規に参入した通信制高等学校の中には、新たな「ビジネスチャンス」と捉え、生徒を集めることだけに力を入れ、本来の教育法規を遵守しているとは思われない指導内容であったり、高等学校の教育水準を確保できていなかったりする学校もあり、わが国の通信制高等学校への信頼を損ないかねない状況にあります。
また、三位一体改革で広域通信制高等学校への助成費補助を極端に減額した地方自治体があります。そのため、以前から適正な教育を行っているにも関わらず財政面でその存続が危ぶまれる学校、募集停止の学校が出ています。
複数の都道府県から生徒を受け入れている広域の通信制高等学校に対する助成は、従前のように国で一括して支給していただくとともに、生徒一人当たりの単価増につながる増額をしてくださるよう是非ともお願い申し上げます。同時に、全日制・定時制高等学校同様、授業料減免事業等支援特別経費に、私立通信制高等学校も対象とするよう合わせてお願い申し上げます。
また、広域通信制高等学校の中には、設置認可した道府県の指導監督が及ばないために適正な教育水準を確保していないところもあります。
国は、広域通信制高等学校を設置認可した自治体に指示し、広域の通信制高等学校が適正な教育水準を確保するよう指導していただくようお願い申し上げます。
【別添3】
平成25年7月1日
第4 教育施設及び設備
1 本校
(1) 通信制の課程のみを置く実施校の本校の施設は、高等学校通信教育規程第3条に規定するもののほか、実施校の教育課程に規定される教科の授業に必要な実験・実習等のための施設、及び体育の授業に必要な運動場等を備えていなければならない。
高等学校通信教育規程 |
2 面接指導実施施設
(1) 実施校の設置者(以下「設置者」という。)は、教育上支障がないと認められる場合には、本校のほか、面接指導実施施設として実施校専用の施設を設けることができる。この場合の施設、設備については、本校の基準を満たすことを原則とする。(教頭室及び校長室を除く。)
(2) 設置者は、生徒の修学に関して特に必要性が認められる場合には、自己所有である他の学校の施設を面接指導実施施設とすることができる。ただし、当該学校の教育に支障を来さないうえで、本校と同様の教育環境を確保できることが確認されなければならない。また、その際には、当該学校の使用について、その認可庁の了承を得ていることを要する。
第6教育方法
1 面接指導及び試験
(1)高等学校学習指導要領に規定する面接指導(以下「面接指導」という。)及び単位認定のための試験は、原則として、本校、協力校又は面接指導実施施設で行うものとする。
第8教職員
1 設置者は、実施校の各施設において、原則として、その定員に対し高等学校通信教育規程第5条に定める基準以上の人数の教職員を置くものとし、養護教諭その他の生徒の養護をつかさどる職員及び司書教諭を置くように努めるものとする。
高等学校通信教育規程 第5条 実施校における通信制の課程に係る副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭及び教諭の数は、五人以上とし、かつ、教育上支障がないものとする。 |
東京都私学部認可基準・高等学校通信教育規程より抜粋
初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室