資料1-2 第19回高等学校教育部会における各委員の主な意見

1.困難を抱える生徒等のための支援・相談の充実

○ 高等学校の定時制・通信制教育は、就業等のために全日制高校に進学できない青年に教育の機会を提供するという目的から、不登校経験など、様々な入学動機や学習歴をもつ者が多くなっており、そのような実情も踏まえる必要。
○ スクールカウンセラーについて、設置されるところも週に一度等ではなく、必要なときにすぐに相談に行ける環境を整備することが重要。そのためには、一律に配置するのではなく、ニーズを持っている生徒が多くいるところに厚く配置する等の対応が必要。
○ カウンセラーと保護者との関係強化もできればよいと思う。
○ 毎日、たくさんのカウンセラーが必要だというなら、カウンセラー資格をもった教員が教えた方がよい場合と、教員とは別にカウンセラーを置いた方がよい場合との境目を考えていく必要はないか。
○ 教員がカウンセリングマインドをもつことは大事だが、カウンセラーについては、成績を付ける・付けられるという関係を離れた別の人間関係の中で関われるところに利点があり、教員がカウンセラーとして機能するかというと、そこは難しいと思う。
○ 教員の人柄で、ちょっとしたスキルをもっていれば生徒は救われる部分もある。スキルが全くなく、弱っている生徒に覆いかぶさる強い口調でいくと、やはり子供はつぶれてしまう。そういうスキルの研修は教員に必要だと思うが、一方、カウンセリングについては、教員の仕事とは分けたものが必要と感じる。
○ スクールカウンセラーを万全に配置できないのであれば、カウンセリングセンターを利用する等、様々な形でカウンセリングを受ける方法もあるので、全体の行政の中で対応していくことも考える必要がある。
○ 最近では若者サポートステーションを活用するなど、外部団体の力を借りて、学校に入ってもらったり、家にいる生徒との接触を行ったりしている。カウンセリングについては、スクールカウンセラーによる対応が十分でなくても、こうした外部の機関等を活用しながら対応していけばよい。 

2.広域通信制課程における問題点について

○ 1月に入学して、3月までの間に40単位ぐらいが取れると言った学校があることを聞いたが、広域通信制課程に関わる不適切な活動の事例については、もう少し詳しく調査していかないといけないのではないか。
○ 高校を卒業するということを重い意味で受け止め、高校卒業を目指して真摯に学んでいる生徒がいる一方、一部の通信制高校では、高校卒業を極めて簡単に認めてしまっている実態があるのではないか。
○ スクーリング型の指導を行っている通信制高校などは、いつ来てもよいというような謳い(うたい)文句を掲げている。そう謳う(うたう)以上は、いつ来ても各担当の教員が在駐していなければならないはずだが、果たして本当に全ての学校がそのような体制を整備できているのか。
○ 教員資格をもたない者が生徒を指導している例があるのではないか。
○ 広域通信制については、認可制度の在り方みたいなものの検討も必要ではないか。

3.その他

○ 定時制・通信制に関しては、高等学校教育のセーフティーネットだと考えている。特に、通信制に関しては最後のセーフティーネットだろうと考えており、質保証を絡めて在り方を考えると相当難しい議論になるだろうと思っている。東京都で先行的に実施している学力スタンダードからも、定時制・通信制は外しており、もう1年かけて、その扱いを考えていくつもり。
○ 定時制・通信制課程は全日制とは違うとか、質保証の問題は別に考えるということではなく、「質保証を求めるなら、更にこれだけの支援等が必要だ」という声を、定時制・通信制高校の側からも出していくことが重要。

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