学校段階間の連携・接続等に関する作業部会(第15回) 議事録

1.日時

平成24年5月31日(木曜日)10時~12時

2.場所

文部科学省東館3階特別会議室1

3.議題

  1. 小中連携、一貫教育に関する主な意見等の整理(案)について
  2. その他

4.議事録

【小川主査】 おはようございます。
 定刻になりましたので、ただいまから第15回の学校段階間の連携・接続等に関する作業部会を開催したいと思います。
 お忙しい中、委員の皆様には、多数の御出席ありがとうございました。
 それではまず、本日の配付資料の確認を事務局からお願いします。

【小谷室長】 本日の配付資料でございますが、資料1及び2、そして参考資料となっております。不足等ございましたら事務局にお申し出ください。

【小川主査】 では、これから議事に入りたいと思います。
 前回の第14回では、作業部会における小中連携、一貫教育に関する主な意見等の整理案に関して、皆さんから御意見を賜りました。前回皆さんから頂いた意見は、さらに整理案の中に組み込ませていただいて、今日御提出した整理案の内容になっています。
今日は主に資料1に即して、本作業部会の報告の取りまとめに向けた議論をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 では、まず最初に資料1について事務局の方から説明をお願いします。

【小谷室長】 それでは、資料1を御覧ください。今、主査の方からお話がございましたように、前回の会議におきまして小中連携、一貫教育に関する主な意見等の整理骨子案について御審議いただきまして、資料1は前回の委員の皆様の御意見、すべての御意見につきましては資料2で網羅しておりますが、これをもとに骨子案に必要な資料を追加するなどして修正するとともに、必要なデータを補うような形で報告書としての形を整えたものでございます。
 冊子の目次を御覧いただきますと、目次、それぞれの本文に加えまして、さらに参考資料のお示しをさせていただいております。委員の皆様には事前に送付させていただいておりますので、前回の御意見として新たに事句を追加したり修正したりした部分や、事務局で新たに御用意した部分に絞って説明をさせていただきます。この後の御審議では、内容はもちろんのこと、細かな表現も含めて御意見を賜ればと思っております。
 それでは、お開きいただきまして1ページを御覧ください。学校間の連携・接続に関する現状と課題認識でございますが、まず、天笠委員の御指摘を踏まえまして、冒頭にこれまでの幼小の接続ですとか中高一貫教育について検討を行ってきたことにつきまして、追記をさせていただいております。
 続きまして、6ページを御覧いただきたいと思います。11行目でございますが、小中連携の定義でございます。こちらは前回、野木委員の情報提供や情報共有の必要性についての御指摘を踏まえまして、定義の部分を、「小・中学校が互いに情報交換、交流することを通じ」と改めております。また、15行目にございますように、清水良一委員の御指摘を踏まえまして、「小中連携、一貫教育」と表記する場合についての説明を加えております。
 7ページを御覧いただければと思います。小中連携、一貫教育の目的、効果についての記述でございます。32行目のところでございますが、こちらは長谷川委員の御指摘を踏まえまして、管理職のリーダーシップについて追記をさせていただいております。
 それから、恐縮でございますが、10ページを御覧いただければと思います。29行目から小・中学校の施設が一体となっている場合の兼務について記述をしておりましたが、こちらも長谷川委員の御指摘を踏まえまして38行目辺りからですけれども、兼務させない場合の考え方についての追記をさせていただいております。
 14ページを御覧ください。「地域とともにある学校」づくりとの関係性についてでございますが、こちらは天笠委員の御指摘を踏まえまして19行目の丸になりますが、東日本大震災の被災地域についての追記をするほか、また、37行目の丸になりますけれども、新井委員の御指摘を踏まえまして学童保育についても追記をさせていただいております。
 17ページを御覧ください。教育課程の在り方について前回御議論いただきました内容をもとに、学習指導要領の範囲を超えた教育課程の基準の特例の必要性について追記をしております。まず32行目の丸で、新学習指導要領は、その検討の過程において発達や学年段階を踏まえた円滑な接続を図ることを重視して改善が図られているところであり、小中一貫教育の実施に当たってはこの趣旨を踏まえることが求められることを記述いたしまして、おめくりいただきまして18ページにまいりますが、研究開発学校制度や教育課程特例制度の活用の状況を記述した上で29行目から、こうした特例につきまして設置者の判断で活用できることにすることにつきまして、前回積極的な御意見と慎重な御意見をそれぞれ頂戴いたしましたので、18ページの29行目の辺りから19ページにかけまして、それぞれのいただいた御意見を列記させていただきました。
 その上で29行目の丸になりますが、このことにつきましては、設置者の判断に基づいて教育課程の基準の特例を活用できるようにするということで、9年間の義務教育の質保証や地域の実情に対する配慮を行った上で認める方向で検討すべきとの意見があったこと、また一方で、現行制度の範囲内で優先的に取り組むべき、あるいは義務教育においては全国の学校において同じ教育が受けられることを担保すべき等の意見があったことを要約した上で、38行目の丸にありますように、これらを踏まえると、国としては学校、市町村における取組を促すとともに、その成果や課題を把握することが求められること、そして、おめくりいただきまして20ページにまいりまして、それに加えて、設置者の判断に基づき一定の教育課程の基準の特例を活用できるようにすべきであることを明記しました。
 ただし、制度化に当たりましては、御指摘いただきました全国的な教育の機会均等や転入学への配慮、あるいは公立小・中学校において就学指定の制度があることなどを勘案して、具体的な特例の内容を検討することが必要であること、また、併せて義務教育の目的・目標や小・中学校の目的・目標が、十分に達成されるような運用上の配慮を求める必要があることを明記しております。
 その上で15行目の丸でございますが、具体的な制度として一定の範囲内で各学年の教科等の授業時数を削減し、当該内容を代替できる内容の学校設定教科の授業時数に充てることができること、少し戻って恐縮でございますが、18ページの11行目の辺り、研究開発学校制度、教育課程特例校制度については、この二つのパターンが類型化できるということを説明させていただいておりますが、この丸1の内容については設置者の判断で実施できることを提案しております。逆に丸2の内容につきましては、児童・生徒の転校などを考慮して、引き続き文部科学省への申請・審査を要するような教育課程特例校制度などを活用していただくという考えで、それについては取り上げないという形にしております。この部分につきましては、前回の骨子案から委員の皆様方の意見をもとに大幅に加筆をしておりますので、この後、特に御意見をいただければと思っております。
 また、20ページ28行目の丸でございますが、こちらは酒井委員の御指摘を踏まえまして、小中一貫教育と中高一貫教育のそれぞれについて、設置者が互いに連携して双方の一貫教育の趣旨・目的も踏まえた上で、地域において児童生徒の育ちを一貫して支援するような教育の在り方について検討する必要があることを追記いたしました。
 21ページを御覧ください。今度は乗り入れ指導の実施に当たっての工夫についての記述でございますが、村上委員の御指摘を踏まえまして36行目のところでございます。「ただし」と書いておりますが、インターネットなどを活用した指導を行う際の留意点を追記しております。
 24ページを御覧ください。教員免許状取得に係る工夫についてでございますが、天笠委員の御指摘を踏まえまして教員養成について記述している部分でございますが、最後の行になります。小・中学校の両学校種における物事の見方・考え方のいずれについても理解することについて追記をいたしました。
 また、25ページを御覧いただければと思いますが、4行目の丸でございます。清水哲雄委員の御指摘を踏まえまして、教員養成課程における教育哲学や教育史等の教育の基礎理論に関する科目の重要性について追記をいたしました。
 26ページを御覧ください。校地・校舎等に関する工夫についてですが、23行目でございます。こちらも長谷川委員の御指摘を踏まえまして、小・中学校の施設の共用については、小学校低学年の児童と中学校の生徒の発達上の違いを踏まえて考えることを追記いたしました。
 28ページを御覧ください。義務教育学校制度の是非についてでございます。この部分は、主査からお話がございましたように今回新たに事務局で御用意した部分でございます。まず、28ページで過去の中央教育審議会等における問題提起ですとか、あるいは関係者へのアンケート調査の結果について御紹介した上で、29ページでは、本作業部会においてどのような視点で御審議いただいたかを説明しております。その上で12行目からになりますが、これについても制度の創設に賛成との御意見と、慎重であるべきとの御意見それぞれございましたので、この29ページの12行目辺りから30ページにかけまして、それぞれの意見を列記させていただいております。
 そして、その上で27行目の丸になりますけれども、本作業部会においては、制度の創設について賛成する意見もある一方で、制度を創設した場合の人間関係の固定化による再チャレンジの機会の喪失や、初等教育段階から複線化すること等への懸念が示されたこと、さらに31行目の丸では、義務教育学校制度を創設することに期待されていることとしては、その背景として義務教育の継続性の確保だとか、あるいは教育課程に関する柔軟な対応、教員の指導力の向上、校地・校舎の一体的運用ということがございますが、これらはいずれも現行制度において対応可能な面が多いということ、さらに教育課程に関する柔軟な対応につきましては、先ほど御説明したような教育課程の基準の特例を活用できるようにすることで、取組の広がりが期待できることを記述しております。
 38行目の丸で、以上のことから国としては、学校、市町村において積極的に小中一貫教育を推進できるように、現行の小・中学校制度を基本としつつ、小中一貫教育を実施する学校、市町村において、設置者の判断に基づき一定の教育課程の基準の特例を活用できるようにすべきとした上で、31ページにまいりまして、先ほど教育課程の特例のところで御説明した内容を改めて記述しているところでございます。
 さらに13行目でございますが、この特例が普及して小中一貫教育の豊富な実践が蓄積されて、将来的に改めて義務教育学校制度の創設について検討する場合には、本特例を活用した取組、ニーズ、成果や課題等について把握、検証した上で、前回の御審議で御指摘のあったような事項について十分な検討を進めることが必要であるとしております。この部分につきましても特に御意見をいただければと思っております。
 おめくりいただきまして32ページでございます。まとめといたしまして初めの丸で、小中連携、一貫教育については現行制度のもとでも多様な取組が推進されてきたこと、そして8行目の丸で、全国の小・中学校関係者が、各々の多様な取組を生かす形で小・中学校間の連携をより一層図るとともに、円滑な接続を確保していけるよう支援に努める必要があり、今後より多くの小・中学校において小中連携、一貫教育が導入されることが望まれること、また、14行目の丸で、本作業部会としては、小中連携、一貫教育を推進することで義務教育期間全体として教育の質が向上し、子どもたちがこれからの社会をたくましく生き抜いていくための力を、よりよく身につけていくことを期待するという形で書かせていただいております。この部分も今回新たに事務局の方で追記させていただきましたので、特に御意見をいただければと思っております。
 33ページからは、これまでの会議で配付いたしました資料で、特に本文に関わりのあるものを幾つかピックアップして添付させていただきました。参考資料の35ページの1としては、これまでの関係する答申の記述、それから39ページからの参考資料2としては、事務局の方から御報告しました実態調査の結果、それから57ページの参考資料3として、義務教育の目的・目標に関する法令上の規定、そして59ページからは、地方公共団体における取組例、事務局の方で端的にまとめたものを用意させていただいております。そして65ページからは参考資料5として、研究開発学校における小中連携、一貫教育の取組、そして参考資料6になりますが、教育課程特例校における小中連携、一貫教育の取組を続けて書いております。
 それから83ページからは、今回の作業部会の設置についてということで設置についての要綱と、それからこれまで第7回から今回まで9回にわたる御審議をいただいておりますが、それぞれについて、特に呉市をはじめ様々な調査、あるいは学校から優れた取組について御紹介いただきましたり、あるいは新井委員の方から研究データについて御紹介いただきましたので、そういったものにつきましては、URLをお示しして御覧いただいた方がおわかりになりやすいようにすべてさせていただいております。
 最後には名簿という形で参考資料を整えさせていただいておりますが、これにつきましても、今後この報告を取りまとめていただいて、事務局がその内容を各教育委員会、学校へ周知を図っていく上でさらに追加しておくべき資料等がございましたら、御意見いただければと思っております。
 私からは以上でございます。

【小川主査】 ありがとうございました。
 それでは、今、前回いただいた意見を受けて、主に、前回のたたき台から新たに加えたこと、修正を加えたところを中心に説明いただきましたので、これから意見等の整理案の最初の方から御意見を伺いたいと思います。最初に、1項目ずつ文章の内容につきまして御検討いただいて、そして後は8の義務教育学校制度創設については、今日初めてこういう形で出されましたので少し時間をとって御意見を伺い、そしてさらに全体を通じて皆さんから御意見を伺うという形で進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 では、まず、1ページから6ページまでの学校間の連携・接続に関する現状と課題認識のところに関わって、何かございますでしょうか。
 では、長谷川委員。

【長谷川委員】 語句の訂正ということでちょっと気になるのが、1ページの29行目にあります「不登校等の問題行動」という記述になっておりますけれども、不登校自体は問題行動という位置付けになっていないんです。いわゆるこれは、「不登校等の生徒指導上の諸問題につながっていく」というような言い回しにされるのがいいんじゃないかなと思います。これは7ページにも同じような表現が出てきますので、7ページの22行目、「暴力行為や不登校、いじめといった問題行動」となっていますけれども、「暴力行為や不登校、いじめといった生活指導上の諸問題の解消に」というような言い回しの方が、よいのではないかと思います。
 それから、続けて今度は2ページの20行目からの文章なんですけれども、いわゆる身体的な発達が2、3年早まっている傾向があるというふうになっているということで、「また、『学校の楽しさ』『教科や活動の時間の好き嫌い』について、小学校4年から5年に上がる段階においても肯定的回答をする児童の割合が下がる傾向があることから」で終わっているんですけれども、この後にできればいわゆる周りから認められていると思いますかという、あなた自身が、要するに自己存在感や自己肯定感というものの低下が小学校4年、5年ごろに非常に出てくるという研究結果もありますので、この文章を入れていただいたらというように思います。下がる傾向があったり、周りから認められていると思いますかという問いに対して小学校4、5年のころに自己肯定感の低下が見られるというようなところへつなげるのがよいのではないかと思います。
 と申しますのは、小中一貫教育が中1ギャップということだけに焦点を当てているような感じがするんです。小中連携、一貫教育を根気よくやることによって中1ギャップの解消を促すことが一つと、やはりこういった子どもたちの自尊感情を育てていくという、幅広い学年の交流によって児童の存在感が認められるというそういったことの効果もあるんじゃないかと思います。
 以上です。

【小川主査】 ありがとうございました。
 今いただいた、二点について、これはそのとおりかなというふうに私も思いましたけれども、 ほかにどうでしょうか。ここでは特に6ページの小中連携、小中一貫教育の定義ということもありますけれども。

【天笠委員】 よろしいでしょうか。

【小川主査】 天笠委員。

【天笠委員】 ここの1ページから以下6ページまでの記述は、基本的にはこういう記述の仕方でいいかなと思います。ただ、どこまでここのところで記述を深めていくのかどうなのかといったときに、今回だけじゃなくて前から引き継いでいる基本的な問題意識というのは、一つの学校だけの中で自己完結的に努力しても、成果となり得ないような課題というのがいろいろ出てきている。だから、その中で両者の関係を連続的に具体的に捉えていくということの必要性というのが出てきているんだと、こういう問題意識でいいんでしょうか。
 その辺りのところが、最初の丸のところに書かれているような書かれていないようなという気がいたしますので、何とかそれぞれが、中高にしても幼小にしても今回の小中にしても、そういう問題意識の連続の中にあるというところがあるのかなというところは、もう少し私は出してもいいのかなというふうに思います。記述の問題ということなんですけれども、以上です。

【小川主査】 これは少し事務局と相談させていただきます。ありがとうございました。
ほかはどうでしょうか。
 最初は順番に一項目ずつ処理していきますので、また後で全体について戻ってきますので、また今の項目のところで気が付いたところがあればまた御意見を伺いますけれども、とりあえず今の二点でよろしいでしょうか。
 では、今、長谷川委員と天笠委員からお伺いした三つの点について、これは事務局とまた少し詰めてみたいと思います。
 では、次に、7ページ以降ですが、小中連携、一貫教育の目的、効果についてはどうでしょうか。7ページから8ページのところで、これは先ほど長谷川委員の方から出た問題行動のところは、生徒指導上の問題という形で整えたいと思います。

【向山委員】 すみません、遅くなりました。

【小川主査】 向山委員、どうぞ。

【向山委員】 内容ではなくて整理の仕方ということになるんですが、目的と効果が書いてあるんですが、効果のところなんですが、わずか3、4行が効果で、あとは今後の方向性みたいな内容なんですよね。1の目的の中に少し効果的なところがあるのでもう少し整理して、効果だったら効果と言えるものを少し書き込んで、今後の方向性みたいなのは(3)みたいなもので整理した方が、読み手はわかりやすいなという印象を持ちました。

【小川主査】 ありがとうございました。
 ほかにどうでしょうか。
 よろしいですか。
 まず一通りやっていきたいと思います。9ページの2の小中連携、一貫教育の推進体制の在り方について、13ページまで、ここはいかがでしょうか。 原委員、どうぞ。

【原委員】 失礼いたします。
 10ページの、先ほど事務局から説明があった校長を兼務させない場合に関して、なぜさせないかという理由が、下から3行目に書いてあるわけですが、例えばというこの例なんですが、両方の校長会に出席する必要が生ずる等の事務量が増加するということはわかるんですが、例として挙げられている校長会への出席というようなのは、33行目にあるように、副校長に一部権限委譲をするというようなことでクリアしている学校もたくさんあろうかと思います。本校においてもそうです。ですから、校長を一人ずつ置かなければならない理由の例としては、ちょっと弱いのではないかなというふうな感じがいたします。これが1点目です。もう1点よろしいですか。

【小川主査】 どうぞ。

【原委員】 もう一点は11ページになりますが、3行目の丸のところからですが、これに書いているとおりだと思いますが、私が結論として申し上げたいのは、要するに負担増ばかりではないですよと、その負担増は実は負担を最終的に減らすことを目的としていることなんですよということです。
 具体的に申し上げますと、小中連携、一貫教育推進のための体制整備、もちろん作り上げていくときには非常に大きな負担があるのは現実的な問題です。しかし、それが軌道に乗って期待するような成果があった場合には、例えば生徒指導上の対症療法的な指導といいますか、大変大きなエネルギーを費やしていた負担というようなことは、ひょっとすると根本的な改善とか負担軽減にもつながっていく可能性があるのではないか、そういうふうに期待できるんだというように考えられるのではないかなと思います。
 ということで、決して負担増ばかりではなくて、それは最終的には負担を減らすことを目的とした努力と捉えられるんだというような、そういう視点も入れてあげると説得力が出るかなと思いました。
 以上です。

【小川主査】 まさにそうですね。ありがとうございました。
 野木委員、どうぞ。

【野木委員】 今の原委員のお話のことなんでございますけれども、前に言わせていただいている負担の軽減のために、ぜひITを利用するといいですね。そこの意見を入れていただきたいというように思います。

【小川主査】 わかりました。ありがとうございました。
 ほかにどうでしょうか。
 長谷川委員、よろしくお願いします。

【長谷川委員】 9ページの25行目ですけれども、ここに小中一貫教育を推進している学校の話が出ていますけれども、推進している課程上「4・3・2」に区分していると。その中で低学年団、中学年団、高学年団と、各学年団ごとに団長という言葉が出てきておりますけれども、4・3・2に区分してこういう区分けをしている例もあるのかなと思いますがこれは、当該学年区分ごとに前期・中期・後期と位置付けて、各期ごとにリーダーとか主任とかを置くという言い回しのほうがなじみやすいかなと思います。団というのは申しわけないですけれども、一般的ではないのかと思います。

【小川主査】 これはどこかの事例をベースにしていますよね。

【小谷室長】 はい。品川区に御発表をいただきました事例がありまして、確かに一般性を欠くということであれば御指摘のとおりでございます。

【小川主査】 ありがとうございました。

【長谷川委員】 すみません、それと、ちょっとわからないのが、11ページの29行目からの記述なんです。ここには「教育課程編成に携わる指導主事のほか、市町村教育委員会においては、中学校区ごとに小中連携、一貫教育を行う小・中学校間の連絡調整役を担うコーディネーターを配置する」という、何か教育委員会の中に新たな役職を設けるようなことが書いてあるんですけれども、これまでの発表によれば、教育委員会の中には指導主事というのがあって、これは小中一貫教育を推進していきますよという役割を担っている。各中学校区の小学校、中学校の中に小中一貫教育推進コーディネーターを配置して、その先生たちが現実に連絡調整をしながらやっていくというようなことであったんだろうと思うんです。
 だから市町村教委の役割というのは、そういう各学校に配置されたコーディネーターの先生方を研修させて、その力量をアップさせるという、そういう役割なんではないかなと思うんですけれども、何かこの市町村教委の所管にまたコーディネーターを新たにつくるという、ここの書き方はいかがなものでしょうか。
 だから教職員によるコーディネーターの具体的役割としては、乗り入れ指導や合同行事の実施に向けての連絡調整を担うとともに、小・中の教員間や学校における教員間の連携あるいは企画、立案というふうなもの、教員や管理職、教員同士あるいは教員と管理者との調整をやるというふうなことにつなげていければいいのではないかと思いますけれども。                    

【小川主査】 何か事務局の方から答えることはございますか。

【髙見室長補佐】 今御指摘いただいた点については、長谷川委員がおっしゃる各学校、中学校区ごとにコーディネーターを配置するということも意識しておりまして、「具体的には」以下なんですけれども、小・中学校の校務分掌としてコーディネーターを位置付けるというのが一つはあるということと、やり方として、もう一つ、市町村教育委員会の指導主事が、その役割を担うという在り方もあり得るということで書かせていただいております。そこは現実的に難しいということであれば書き方を改める必要があると思いますけれども。

【長谷川委員】 これは難しくない。指導主事は当然そういう役を担っているわけですよね。市町村で小中一貫教育をやっているんでね。だから、あえてそのことを、教育委員会の中にそういうコーディネーター等を設けるというような記述が要るのかなと言ったんです。

【小川主査】 確かに指導主事のほかということで強調していますよね。

【長谷川委員】 そうです。

【小川主査】 その辺はどうでしょうね。

【長谷川委員】 そこを検討していただいて。

【小川主査】 わかりました。少し事務局と検討してみます。

【長谷川委員】 よろしく。

【小川主査】 はい。ありがとうございました。
 ほかにどうでしょうか。よろしいですか。
 じゃ、一通り最後まで行ってみたいと思いますので、次に、14、15ページの3の柱の「地域とともにある学校」づくりとの関係性のところでいかがでしょうか。
 向山委員。

【向山委員】 この3の項目のネーミングというんですか、ちょっと読んだらわかりにくいなと思うんですけれども、目次を見てもらいたんですが、1、2来て3で「地域とともにある学校」づくりとの関係性と、所与の何かがあってそことの関係性じゃないかというふうなことで、僕は内容的に検討していって地域との関わりが重要だというのはわかっているし、読み手がすぐにわかるようなプロットというかタイトルの付け方の方がいいのかなというふうに思いました。

【小川主査】 何かアイデアがありますか。

【向山委員】 はい。特に地域とともにある学校と、何か一つの理想像みたいな、そことの関係で小中一貫教育があるみたいな書き方ですね、このネーミングは。だから、14ページの本文でいけば、地域との関わりを深めることを目的に云々書いてあるんですから、普通に地域との連携の重要性とか平たい言葉の方がいいのかなと思います。そういうもっといい書き方があるのではないかと思います。

【長谷川委員】 いいですか。

【小川主査】 どうぞ。

【長谷川委員】 何回も申しわけないんですけれども。

【小川主査】 よろしくお願いします。

【長谷川委員】 ここに突然にコミュニティ・スクールというのがどんと出てきているわけです。小中連携にしても小中一貫教育にしても、あるいは普通の小学校教育、中学校教育にしても、今の時代、地域との連携を図りながら、地域の意見を聞きながら学校教育活動が進められていると思うんです。
 そういう中で、ここでコミュニティ・スクールというものがクローズアップされて出てくると、それが例えば25行目からの文章が本当にここで要るのかどうなのか、30行目からは残すとして、35行目からの3行も残すとして、私自身は25行目からの4行と40行目からの5行、これは特に書く必要はないんじゃないかというような思いがしております。
 30行目からの5行というのは15ページ目の15行、一番最後にコミュニティ・スクールとしたらそういうやり方もやっていますよと、小中一貫教育を進めていく上で効果的であるということが考えられますよというのをちょっと付け加えた方が、今までの流れからいって、ここにぽんと突然コミュニティ・スクールがいいんですよというものが出てくること自体に、非常に違和感を覚えております。

【小川主査】 ありがとうございます。

【向山委員】 たびたび失礼します。

【小川主査】 はい、どうぞ。

【向山委員】 それを含めてこの3の項目が、7の26、27ページの通学区域で地域との関係が出てきますよね。最後のところ、結びでこういった地域に根差した学校云々があるので、3の内容がこっちに来た方が読み手としてはわかりやすいなというような気持ちです。

【小川主査】 これはちょっと工夫の余地がありますね。わかりました。確かに14、15ページと、小中一貫の文脈とちょっと違う文脈で、コミュニティ・スクールとか学校支援地域本部の導入の際の留意点が書かれていますね。そこら辺も検討させていただきたいと思います。
天笠委員、どうぞ。

【天笠委員】 今の御意見の御指摘のように、技術的にこれをどこの文脈の中に位置付けていくのかというか、もう一工夫必要かなというふうなことを今理解いたしました。その上で、基本的なこのことの中での趣旨というのは、小中一貫の推進というのを見ていますと、どちらかというと行政サイドが主導をとったような、あるいは学校関係者とかが先に進んでいると、どちらかというと地域の人は置かれていったんですが、話が後から地域の人に伝わってくるようなそういうケースも少なくはなかったわけですけれども、改めて行政と教育委員会と学校と、それから地域の人が一緒になって、そのフィールドでそれを進めていくんだというその趣旨が、このところにはあるということが必要なんじゃないかなということで、ですから推進も三位一体というそういう体制そのものの必要性として云々というふうな形の意味かなと思いました。
 以上です。

【小川主査】 ありがとうございました。
 ほかにどうでしょうか。
 長谷川委員、向山委員、そして天笠委員から出た意見と、27ページの通学区域に関する内容が一部ありますので、その辺はまた事務局と皆さんからの意見を含めて少し検討させていただきたいと思います。
 ほかにどうでしょうか。
 じゃ、一通りということでいきたいと思います。次、4の柱の教育課程の在り方ということで20ページまで、ここについて御意見を伺いたいと思います。
 無藤委員どうぞ。

【無藤委員】 20ページのところが全体のまとめだと思いますけれども、その15行目からですが、一定の範囲内での教科、時間等の代替、これ自体、私は賛成なんですが、目的としては、小中一貫というものを行うためにやりやすくしようということだと思うんですね。
ですから特色ある教育ということで、例えば研究開発学校であるとか、従来の教育課程の特例校とか特区などで、新教科をつくったりしますけれども、そういう従来の意味合いと少し違っていて、要するに、小中の9年間という中で、学習指導要領による教育課程が規定されているわけですけれども、それをより効率的に、あるいは生徒の実態に合わせた形で指導をしやすくしようと。そのために、各学校ないし教育委員会を通して、指導要領の中身をいろいろ入れ替えたりしていると、そういう方向だろうと思うんですね。
 そういう意味ではここに書いてあることだとは思うんですけれど、一つは基本的にやはり小・中学校の学習指導要領の趣旨、内容をしっかり保ち、義務教育全体として最終的に生徒がそれなりの知識、資質を獲得できるようにするんだと、いうことを少し強調してほしいということが一つ。
それからもう一つは、いろいろな教科等々についてですね、代替して新たな教科などをつくるにしても、基本的に指導要領で規定されている内容等については、どこかで必ず保証されているということをですね、明記する。そういった意味での説明責任というものを小・中学校側にも持ってほしいということも明確にしてほしいと思います。
 つまり、いわゆる特色ある学校で「○○科」をつくりますよという話と、小中の一貫ということで9年間で、指導要領の中身をきちっとより効率的に位置付けられる話とが       ごっちゃにならないようにしなくてはいけないということです。

【小川主査】 その点は一応たたき台のほうには書いているとは思うんですけれども、それをさらに明確にという形でできればと思います。
 では、天笠先生。

【天笠委員】 私も、今の、新しい「○○科」をつくるということへの一種の警戒心というんでしょうか、それが文章にいろいろと出ているんですけれども、その言葉がむしろ、現場のメッセージとしては、小中一貫、連携の取組を規制的に扱うようなシグナルを送っちゃうような、そういうふうな形にならないように留意しなくちゃいけないというのが一番心掛けるべき点ではないかというふうに思います。
 私は基本的にはこの間の過去四半世紀の教育課程行政の一番の指針というのは、やっぱり現場において創意工夫を図るという、その基本的な趣旨、いうならば現場での知恵とかアイディアをできるだけ出してもらって、そこで教育活動を行っていくんだという、この方向性のことを基本的にやっぱり重視して、それで、今回の小中一貫のこの取組も、その基本的な路線の中の一つなんだという位置付けを。それで、これまでは小学校は小学校、中学校は中学校で、それぞれの関係者がその中で創意工夫をしていたわけですけれども、今回の場合は、ここで提示しているのは、小・中の先生が力を合わせて教育課程に向けて創意工夫を、エネルギーを引き出してほしいという、そういう旨のメッセージこそ、ここで一番大切にすべきではないかというふうに思います。ですから、そういう意味で、例外的措置に関する記述の仕方ですとか、そういうものについてはかなり慎重に、そのあたりの送り手としての配慮というんでしょうか、メッセージが必要なのかなと思います。
 なんだか小中一貫や何かそういう取組をするのは、ちょっと遠慮しなくちゃいけないのかなというようなメッセージを、現場の立場の人が、もし、この文章から受け止めたとしたら、それは送る側の、ちょっともう少し配慮が必要なところなんじゃないかと思います。          その上で、例えば、二つの学年で扱うということが、現行の学習指導要領でも弾力的な扱いというんでしょうか、そういうことで定められているわけですけれども、そうしたときに、小学校6年生と中学校1年生というのを、二つの学年というふうな扱い方で考えているのかどうなのか、私はそこら辺のところが具体的なテーマとしてあるのではないか、それで、小6と中1は二つの学年としての扱い方というか考え方としての運用をこの中の一つとして考えられるのではないかと、そういう連携の仕方もまたあるんじゃないかと思います。
 以上です。

【小川主査】 ありがとうございました。

【無藤委員】 今のに引き続いて一つ。

【小川主査】 どうぞ。

【無藤委員】 私は今の天笠委員の御指摘に賛成なんですけれども、一つはですね、小6と中1の間の入れ替えというのが、小学校から中学校に行くときに、新たな学校、一貫ではない別な学校に進学することが多いので、そのことについて十分配慮したり、補いを行ったり、留保とも言いますけれども、その留保の上でならば、小6と中1の間で、いろいろな教科、教育内容を入れ替えなり制度なりがあって当然いいと私は思っています。
 ただ、私として先ほど申し上げたのは、やはりその全体として小中一貫というものをつくるというのは、やはり9年間の義務教育として指導要領の中ではちゃんとやるんだと、そのために6・3という区切り目が場合によっては不便な場合もあるんだから、それを現場で乗り越えていこうとする。一番重要なメッセージはそこだと思うので、そこのところをはっきりさせていくと。
それから、小中一貫という場合、別に新教科をつくらなきゃいけないとか、授業時数を大きく変えなきゃいけないということをしてもいいわけだけれども、しなくったても全然いいわけなんですね。
 品川区の場合のように新しい教科をつくる場合もありますけれども、別に従来の教科、時間のままでですね、だけど、中身として入れ替えていくとか、あるいは中身は入れ替えないけれど順序を変えるとかということも、かなりそれは私はむしろ現実的な選択で、そういうこともできるんだけど、やはり大事なことは義務教育全体をしっかり支えていくことかと、そういうところをもう少し書いていければと思います。

【小川主査】 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 では、酒井委員。

【酒井委員】 今の件なんですけれども、確かに弾力的運用をしていく、そして隣接する学年を一体的に考えていくということは大事なことだと思うんですが、一方で、無藤先生が言われたように、小学校と中学校との間の様々な形の移動があり得る前提の中で、その継続性をどうやって保証していくのかということは、やっぱりどこかで気にしながら、その検討を進めていきませんと、非常に不都合が生じるのではないかなという心配があります。
 ですからかえってそういう取組の中で、細かく分けられてしまった子どもたちが増えてしまったら、それは本末転倒ではないかなと思います。こういうことがどこかであると。
 それから、今回、学習指導要領のことが17ページの一番最後に書かれてありますけれども、今回の新学習指導要領は、要するに、その、連携・接続の観点から、編成されているんだと思いますが、要するに、こうした流れに沿った形で、次回の検討の際には、今行われているこうした連携・接続等の取組を踏まえて、学習指導要領の検討過程においても、校種の一体的な検討がさらに進められる必要があると、そういう方向性が必要なのではないかというふうに思います。

【小川主査】 ありがとうございました。
 ほかによろしいでしょうか。
 長谷川委員、そして原委員。では、長谷川委員からお願いします。

【長谷川委員】 小中一貫教育とか小中連携をもっともっと単純化して考えたときに、これの必要性というのは一体何かと。小学校・中学校の先生がそれぞれ別の感覚で授業をしていて子どもを教えていて、そこに小学校から中学校に入るときに乗り越えられない中1ギャップというのがある。あるいは小学校5年生ぐらいからいわゆる自尊感情の低下が見られて、そのまま中学校に入って、中学生のいわゆる暴力行為とかいじめとかという問題行動、それから不登校というような形に現れる。だから、小中一貫教育で先生たちが9年間通してやっていこうではないかという、単純な目的であったはずなんですよね。
 そしてその中で、やがて付随的に生まれてくるのが、小中一貫教育をするときに、中学校の先生が小学校の先生と一緒になって、小学校の先生が子どもを教えるときに、中学校の先生の教え方と小学校の先生の教え方は余りにも違い、そこにある種のカルチャーショックがあったわけです。
 どちらかといえば小学校は、非常に綿密に緻密に、あるいは子どもたち一人ひとりを絶えず評価しながら、あなたはすばらしいねと、あなたはあれだねと言いながら、まさに幼稚園教育の延長線上にある。ところが、中学校の先生の教え方というのは、結構黒板の前で説明、余り動かずに講義的な、いわゆる高校の授業のようなものが持ち込まれているという感じです。その違いの中で、中学校の先生が小学校へ行って小学校の先生の習い方を見たときに、ああ、こんなふうに評価してるんだと、中学校の生徒に対して今度は指導が小学校の先生のやり方をまねてやっていくと、子どもたちが非常に自分の存在感、先生に褒めてもらった、評価してもらったと、そういうふうな形で変わっていくだろうと、だから、私はこういったことをやはり常にこの中に盛り込んでいく必要があるんじゃないかと思います。
だから、例えば、16ページから17ページのところに移行するときに、身体的な変化の特徴と先ほども申し上げましたけれども、それだけではなくて、やはり子どもたちが余り評価されないといいますか、褒められないということによる肯定感、いわゆる自尊感情の低下というものがありますよということを、常に入れておかなくてはいけないんだと思います。
 例えば、自尊感情の低下というものもあったとかそういったことをずっと入れていきながら、今のようないわゆる学校、地域においては、小中一貫教育の中でやったら効果があるような教育課程を自由に組んでいいですよと、そういうふうな流れの中でこれを記述していかないと、これはこうだ、ここでこうだからこうだということをやっていると、齟齬(そご)をきたすような気がします。
 以上です。

【小川主査】 ありがとうございました。
 原委員。

【原委員】 失礼します。
 大変瑣末なことで恐縮です。17ページの11行目のところに「市の独自性を明確に打ち出すことで市内の」とありますが、これは前回もちょっと気になっていたんですが、これは市町村ということなんでしょうか。

【小川主査】 はい。

【原委員】 そうですね。よろしくお願いします。
 以上です。

【小川主査】 よろしいですか。
 ほかにどうでしょうか。
 今、教育課程の在り方等については何名かの方から御意見を頂きましたけれども、基本的には頂いた御意見の中身は、この原案の中に書かれていることだと思うんですけれども、それをどういうふうにメッセージとして全体をより明確にお伝えするかというふうなことを、もう少し趣旨であるとかその辺りはちょっとまた工夫してみたいなと思っています。ありがとうございました。
 では次に、5のところ、指導方法の工夫ということで21ページ、22ページ、何かございますでしょうか。
 また後で戻ってきますので指導方法の工夫のところは一応これで。では、6の教員人事や教員免許の在り方ということで、23、24、25ページのところで何かございますか。
 どうぞ。

【向山委員】 これも言葉のことで大変恐縮なんですが、タイトルが教員人事の在り方なんですよね。タイトルは在り方で項目は工夫なんです、(2)も。これは全体の目次の方を見ていくと、全体の小項目の在り方というところと、この整理がされていないところがあるんです。やっぱり見る側はそれぞれの項目、在り方とか工夫と言うよりは、例えば教育課程とか指導項目とか言う方がまだいいのかもしれないし、その辺のところをちょっと整理したいなと思います。

【小川主査】 御指摘いただきありがとうございました。なるほど、在り方と工夫がちょっと使い分けされていない部分があるという指摘、わかりました。
 内容に関してほかのところはよろしいでしょうか。
 では、高岡委員。

【高岡委員】 ありがとうございます。
 教員人事や教員免許の在り方の問題のところで、今のお話も私もちょっとすんなり落ちなかったところを御指摘いただいたんですが、それで、私は23ページの31行目からの丸全体ですが、これの前段の解説がちょっとよく理解できにくいところがあります。
 それと、その後半部分は、研修の必要性としては書いてあるんですが、一貫教育あるいは連携といった場合の教育の在り方というのは、全体をまず義務教育学校という形で、きちんと理解する理念と物の考え方をまず身に付けさせると、そのことの先に、今度は、例えば小学校でいうと低・中・高という学年で分けて、指導技術を持って専門的に指導するというそこの矛盾、ベクトルの方向がちょっと違うということとの関係があるのかもわかりませんけれども、少しこの丸は整理をした方がいいんじゃないかなということが1つであります。
 それからもう一点、24ページの30行目からの最後の2つの丸なんですが、教員養成課程の在り方、免許制度の在り方というようなところで、今申し上げた9年間を見通した小学校、中学校を、義務教育の学校として全体を視野に置けるような教員を育てるべきだと、そういう考え方だと思うんですけれども、ただ、実際に免許法はそうなっていないといいいますか、小学校、中学校は、むしろそれぞれの学校種ごとの専門性等をきちんと全うするような最低基準が示されている。
そこの矛盾をもう少し書き込んで、いわば教育の基礎的な理解を促すような、ここの内容も変更、あるいは改善ということが重要だという記述にされたらどうかというふうに思います。
 その背景には実は、免許法上は道徳に関する指導法、あるいは教育相談とか生徒指導とかそういう領域についても、学校種ごとにやれというのが基本になっています。その辺を一歩踏み込んで、そこの在り方ということをもう一度考えるべきだというぐらいの強めに書かれた方がいいかというふうに思います。

【小川主査】 はい、ありがとうございました。23ページの下のところをもう少し全体的に整理した方がいいという御指摘なんですけれども、何かこういうふうなという具体の御提案が高岡委員の方からあれば。

【高岡委員】 私は、30行目からの一つの大きな丸は、かなり踏み込んだ中身になっていると思うんですが、ここまで踏み込むかなという印象もあるんです。ですから、乗り入れ指導というときには中学校の教員が、逆に小学校の教員が中学校へということに関わっているんですから、余り研修の中身に具体的に踏み込むと、ほかのことが言えなくなってしまっているというような印象があるんです。
 ですから、何かここでも研修については、やはり小・中の接続、連携、一貫教育というような視点で研修の内容を、もう一度精査して再構成すべきだというような表現の方が重要度が高いといいますか、実際に研修を企画する立場の人たちからすれば方向が示されるというような気がするんです。少し具体的過ぎるんじゃないかなと。

【小川主査】 ありがとうございました。
 では、天笠委員、どうぞ。

【天笠委員】 先ほどの高岡委員の御指摘は私も大変同感です。例えば、24ページの一番下の両校種で物の見方・考え方云々ということが、25ページにつながって記述されているわけですけれども、9年間を見通した物事の見方・考え方について、私はこの記述の仕方で、こういうことでいいと思うんですけれども、ただ、教員養成のことを、必ずしも多くの方がその内情というんでしょうか、多くの方はよく理解し切れていないところがあるかと思うので、方向としてはこういう方向でいいと思うんですけれども、なぜこのことがここで出されているかということを考える必要があるかと思います。
実際なされているのは、学校種ごとに教員養成をやれと、また、事実そういう方向で進行しているわけですので、だから、こういうものが出てくるのであって、そう思うところについてのこれはそういう定時性を持っているんだという辺りのところが、多くの人の読み手にわかるような記述の仕方にしていただけるとありがたいかなと思います。
 ですから、そういう意味では小・中別々に教員養成をやっているということが現状であって、だから、こういう趣旨のことを求められているんだというようなことが、理解できるような記述をお願いしたいと思います。
 以上です。

【小川主査】 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 赤沼委員。

【赤沼委員】 先ほどの23ページの一番下の30行からの丸なんですけれども、私も同様に思います。ここは教員人事や教員免許の在り方の(1)の運用面の工夫という部分に入っている内容としては、研修の部分に大分重きを置かれております。むしろ、この場合は、指導方法の工夫ですとか、先ほどの21ページの方の乗り入れ指導の実施に当たっての研修の在り方ですとか、そっちの方で入れるべき内容なのではないかというふうに考えると、ここに違和感があるなというのを感じていますので、再考した方がよろしいかと思います。

【小川主査】 ありがとうございました。
 ほかにどうでしょうか。
 では、一通り見ていきます。今度は7の校地・校舎、通学区域等に関する工夫のところではいかがでしょうか。26、27ページです。よろしいでしょうか。
 どうぞ。

【原委員】 失礼いたします。
 26ページの26行目に当たるわけですが、ここには施設一体型の動線に配慮というようなことが書かれている部分なわけですが、私自身もプレゼンさせていただいた実体験から申し上げますと、児童と中学校の生徒では、運動能力に差があるというよりは体格や運動能力にというふうなことで、実際、体格とか体力とかそういうことの方が現実的には問題かなと思います。
 以上です。

【小川主査】 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。
 では、また後でということで、最後、8、義務教育学校制度(仮称)創設の是非についてということで、28ページから31ページ、そして後、32ページのまとめを含めて御意見を伺いたいと思います。
このことについては、先ほど事務局の方から御説明があったかと思いますけれども、賛成の意見、慎重にやっていきたいという意見を踏まえて、本部会としての義務教育学校制度創設に関する基本的な意見や方向性を整理しています。一応そういう構成になっていますので、いかがでしょうか。

【向山委員】 ここで言うことなのか全体で言うことなのか、ちょっとわからないんですが、85ページ、そもそも論で恐縮なんですが、作業部会の設置が3年前にされて、3の検討事項が、学校段階の接続と、(2)の優れた才能や個性を伸ばす学習機会と二つあったわけですよね。もちろんこの間にも政権交代が起きましたり、いろいろな情勢の変化があって、基本的に今、接続部会がこの(1)について検討してきて、(1)を報告したわけですが、もしこれは、(2)の内容はこの次に譲るとかなんとかするなら書かなくていいのか、まとめとか冒頭のところで書くとか、あるいはこのままでいいのか、そこがちょっと気になるんですけれども、どうですか。

【小川主査】 設置の主な検討課題のうち(2)の、優れた才能や個性を伸ばす学習機会については、これまで中高一貫も小中一貫も余り取り上げてこなかったんです。

【向山委員】 だから、それでいいのかと。今からでも書かなくていいのか。要するに、書かなくていいんだよと言うならそれでもいいんだけれども、つまりこれも一緒に示すわけですよね、設置の検討事項だと、そこはどうなのかと。

【無藤委員】 すごく簡単というか、当然(2)の方も議論しなきゃいけないので、この会ではすぐには終えられないというか。

【小川主査】 事務局の方から御説明いただけますか。

【小谷室長】 平成21年7月6日にこの初等中等教育分科会決定をさせていただいたときは、資料で35ページにお付けしていますけれども、現行の教育振興基本計画におきまして、下線を引いていないところも含めて見ますと、「6-3-3-4制の弾力化に関し、小中一貫教育やいわゆる飛び級を含め、幼児教育と小学校との連携など、各学校段階間の円滑な連携・接続等のための取組について検討する」というふうに閣議決定をしておりまして、それを踏まえて初等中等教育分科会に当時の初等中等局長から御相談して、では、その検討事項として、この学校段階間の連携・接続について、そして、優れた才能や個性を伸ばす学習機会について御審議いただくための作業部会の設置について、お認めいただいたところでございまして、これまでは、(1)の学校段階間の連携・接続についてということで、幼小連携につきましては、別途、無藤主査代理が座長になられておまとめになった協力者会議等でも御議論いただいておりましたので、まず中高一貫教育について御議論いただき、今回、小中連携、一貫教育について御議論いただいたという経緯でございまして、二つ目の優れた才能や個性を伸ばす学習機会についても別途の検討事項としてございますので、この会は小中一貫教育についての報告という形でおまとめいただければというのが事務局としての考えでございます。

【向山委員】 これは書かなくていいということ、わかりました。

【小川主査】 よろしいですか。

【向山委員】 はい。

【小川主査】 どうでしょうか。この8の義務教育学校制度の創設の是非について、28ページから31ページ、そして、まとめの32ページまで御意見ございませんでしょうか。
天笠委員。

【天笠委員】 義務教育学校制度というのが、どれほどイメージとして共通のものとしてあるのかどうなのかというところ、実際にはまだまだ吟味しなくちゃいけないようなそんな段階なのかなというふうに思うんです。
 例えば今、8まで議論してきましたけれども、1から7まで議論してきたことが、これは義務教育学校制度のことを議論してきたということとするのか、それとも、今までの7までとは別にまた8があって、そのことについての是非を云々というのが8のところの守備範囲か、そこら辺のところについても、議論していく必要があるのではないかと思うんです。
 要するに、学校体系とか学校制度の全体的な体系の中で、この義務教育学校制度というものがどうなったというふうな、そういうこともあるかと思いますし、一連の今までの1から7までを議論して、それの受け皿としての整理としての8番で、それで義務教育制度云々というふうな整理の仕方、考え方があると思うんですけれども、そのときにやっぱり義務教育学校制度ということについて、それというのが、例えば、中学校と高等学校における中高一貫校のようなそういうイメージなのか、要するに現行の小学校、中学校があって、そこに義務教育学校というのが置かれるようなそういうイメージなのか、それとも、小・中の現状をすべて義務教育学校というふうなこととして考えるべきなのかどうなのか、バイパス的なことを含めて一部としてのことなのか、今度は全体としてこういう義務教育学校制度ということにすべきだというふうな考え方によって、全然トーンというか、進行の状況が違ってくると思うんです。
 そういうことを考えていくと、ちょっとまだこの中の議論が、ある意味では足りないというふうなことかと思うんで、そういう意味では時間の設定もあるかと思いますので、検討すべき事項をここにまとめて、そしてそれから、というふうなやり方もあるのかなというふうに思います。
 以上です。

【小川主査】 ほかにどうでしょうか。
 長谷川委員、どうぞ。

【長谷川委員】 天笠先生の意見に私も本当に同感なんですが、ずっと小中連携と小中一貫教育というのを同時進行でやってきました。結果的にはどうなるかというと、複線化という言葉になるわけです。だけど、義務教育学校ということを目指すならば、将来的にこれが効果がありますよという提言をしていくならば、やはり小中連携でなくて、これは小中一貫教育であろうと思います。
これは、たとえ離れている学校であっても、小学校、中学校であっても、研究テーマを同じにして小学校の4年生であればこのようにしてくださいよと、中学校1年生ではこういうことをやっていきましょうと、そして2年生から3年生、いわゆる最後の8年生、9年生は、こうやってやりましょうということさえ共通的に行政は持っているわけですので、小中一貫教育を積み上げていくことはできると思うんですね。
やはり、そこら辺が整理されないと、なかなか今おっしゃったような形では、何となくもどかしい感があって、我々としてはここの作業部会としては何を提言していくのか、最終的にぼやけてしまうんじゃないかなというふうな私も懸念を持っております。

【小川主査】 今の二人の御意見は、8という形で義務教育学校制度の是非という項目をあえて設定しなくてもいいのではないかと受け止めてよろしいんでしょうか。

【天笠委員】 設けるとしても、このことを検討する素材というか材料をここに提示して、そして触れるというやり方もあるんじゃないかということですね。なくす必要は全然ないかなと思っていますけれども、これはまた皆さんの意見を伺ってですけれども。

【無藤委員】 今の意見を受けて一つ。

【小川主査】 どうぞ。

【無藤委員】 天笠委員の御指摘を受けてなんですけれども、改めて確かに見直してみるとちょっとわかりにくいところがあるといいいますか、これを学校関係者が読んだ場合にわかりにくいと思うんですけれども、だから注記というか解説が要るかもしれません。
 それは何かというと、義務教育学校というもの、仮称ですけれども、そういう制度をつくるという場合と、小中一貫校をつくるということと、あるいは実態として小中連携等を行う場合、大ざっぱに言えば三通りが今議論されていると思うんですけれども、あるいはその中間があると、そういうものがあり得るんだということが一つと、それから、それらに伴って何が変わるのかということです。要するに、義務教育学校制度とここで呼んでいるものは、恐らく学校教育法の改正までイメージしていることだと思うんですけれども、それに伴って単に学校教育法における一条学校の中身が一つ増えるとかいうだけのことで、かなりいろいろなことを変えなきゃいけないはずなんですけれども、それに対して、小中一貫校というのは、現行の小学校、中学校を前提とした上で、カリキュラムや環境の一貫校をつくるという仕組みなんだと思います。
 じゃあ、その一貫校というものを、この報告全体は、省令をつくることはいろいろなことができるんだよと、それを教育課程の特例としてかなりつくりやすくしますよ、という趣旨の最後、結論になっている気がします。そうだとすると、それは小中一貫校というふうになり得るには、要するにどんなことを変えなきゃならないのかというか、どういうことをすればいいのかということで、恐らく小学校の先生と中学校の先生が、いろいろ話し合いながら一緒に考えますよというぐらいなら、連携をしましょうというくらいで済む話なんですけれども、ここはもうちょっと踏み込んで、ここら辺を簡潔に整理してもらえるとわかりやすいかなと思います。

【小川主査】 いかがでしょうか。
 村上委員、どうぞ。

【村上委員】 失礼します。
 今おっしゃったところは同感です。小中連携と小中一貫教育の整理が必要だと思います。実態からすると、小中連携から小中一貫教育を目指しましょうという方向性をはっきり出す方がよいと思います。教育課程の在り方のところは全部、小中一貫教育の方向性で書かれているので、一貫教育を目指すと示せたらいいのではないか思います。
 
 目次については、私の感覚ですけれども、小中連携、一貫教育の取組の現状がありますね。その2のところで推進体制が先にありますけれども、教育課程の在り方は、小中一貫の核となるものであることから、目的、効果の次に記述した方が、教職員とか学校現場には分かりやすいと思います。

【小川主査】 ありがとうございました。では向山委員。

【向山委員】 僕もプロットの中で、結局5ページの下のところで、この作業部会で八つの柱を中心に一貫教育の在り方について審議を行うと、ここでこう書いてあるから、もう一度目次に戻って1から8まで全体のテーマにあるのは小中連携、一貫教育の取組の現状云々と上にありますね。そういう中で1、2と来て8になっているわけで、これはやっぱり1から7までのことと8は、同じプロットで並べていいかどうかという論点があると思います。
 結局、だから5ページの書き方も確かにこういうくくりで8項目出しちゃっていいのかどうか、そこはもう少し慎重にした方がいいのかなと思います。恐らくこれを出したときに、このペーパーはやっぱり8の部分というのはいろいろな意味で関心が高いですから、つまり、余り誤解を招かないような書き方にした方がいいのかなと思います。

【小川主査】 ありがとうございました。
 では、井上委員。

【井上委員】 私も昨日から読ませていただいているのですが、8のところで「是非について」というタイトルで、今までの経緯から今回の創設に関する賛成意見、反対意見ということ、慎重であるべきという意見が並んできて、最後の30ページの下の丸、この辺りからトーンが違うというわけではないのですが、かなり結論めいたことが明確に出ていると思うんですね。要するに、小中一貫教育が推進できるようにということで、これは多分この報告書の例えば9ページの辺りの冒頭の文章などに呼応するものだと思うのですが、意見の羅列の部分と過去の経緯の部分とここの部分の接続が、余りよくないのではないかという感じがします。
 推進、賛成という意見と慎重な意見からなぜこういう結論になるのかがわからなくなるのです。どうしても結論を30ページの30行目以降に置くのであれば、これは当然別途しっかりとした章を立てて書いて、参考として義務教育学校制度の創設に関してはこのように賛否があるという書き方で分けた方が、ここは流れが良くなるような気がいたします。

【小川主査】 ありがとうございました。
 ほかにどうでしょうか。
 この8のまとめ方については今いろいろな方から御意見が出ましたので、原案ような形での整理を少し見直しした方がいいのかなというような感触を、個人的には皆さんのお話を伺って少し感じておるところです。ほかにまだ何か御意見があればお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 では、新井委員と後はよろしいでしょうか。
 新井委員、どうぞ。

【新井委員】 8の項目についての若干の唐突感というのがあることから、せめて連携、一貫と義務教育学校との位置関係のような、そのポジションのようなものが、分かるように記述されると、8のところももう少し読みやすいかなというふうな印象を受けます。突然、義務教育学校制度については、となっていますので、連携、一貫までは分かるんですが、それと義務教育学校制度についてはどうか、その点についてはこうだというような書き方がいいのではないかと思います。

【小川主査】 私もそういう意見で少し考えていたんですが、ほかにどうでしょうか。
 8の項目の扱い方も含めて、今まで1から7の部分を最初からずっと通してやってきたんですけれども、全体を通じてまた少し御意見を伺っていきたいと思います。先ほど村上委員の方から項目の構成の仕方について少し御意見がありましたけれども、そういうことも含めて全体を通じて何か御意見や疑問等々があれば出していただければと思います。
 新井委員、そして佐藤委員。

【新井委員】 細かいところで表記上のところで二、三申し上げます。1ページ目の30行目に「一般に『中1ギャップ』と呼ばれ」というのは、その前段では学習面や生活面への適応ということが主なんですが、7ページ目の5行目の「いわゆる『中1ギャップ』」の前段が、主に生活面のことにだけ焦点を当てているので、この目的のところの前の記述のところに、何か学習面のことの例を掲げておくといいのかなというふうに思いました。7ページ目のここを読んだ場合に、ちょっと内容に関して含む範囲が違っているように思えるので、このところの中1ギャップの前のところに、何か学習面のことについても記載した方がいいのではないかと思いました。
 それから評価のところで、19ページの中の意見、慎重な意見の点のところですが、ここの語尾の統一の点で、29ページにも意見の表現があるわけですが、こちらのような語尾の統一に合わせた方がいいのではないかなというふうに思います。19ページのところは語尾の統一がとれていないので、29ページのように直したらいかがかなと思います。
 それから、先ほどの30ページのところの18行目、リセットという言葉を使っているんですが、このリセットという言葉がここに合うのかどうか、リセットという言葉は何かポジティブなときだけではないので、何か清算したいというようなイメージもありますので、もう少し発展とか進化とか前向きな表現に変えた方がいいのではないかなと思います。
 以上です。

【小川主査】 ありがとうございました。
 酒井委員。

【酒井委員】 まだうまく整理していないんですけれども、今お話がありましたように、この問題には小中連携というテーマと、小中一貫というテーマと、それから最後に、今もありました義務教育学校、この点については少し検討するという話だったので、小・中の連携というテーマと一貫というテーマでつなげようとしているということで、方向としては一貫教育の方を方向として考えるという中で、どういう取組をしていくかという議論を組み立てているということだと思います。二つあるんですけれども、一つは一貫の中での様々な独自の取組で、いろいろな方の御指摘や言及の中にもあったと思うんですが、ここで問題になっている中1ギャップですとか、様々な子どもの心の問題ですとかそういった問題は、広く、どの学校、地区でもやはりいろいろな問題が生じているわけでして、そうしますと、短期的に手をつけなければいけない問題ということについて、連携の充実といったことについては、やはり強調しておく必要があるのではないかというのが一点です。
 それから二点目は、一貫ということになってきますと、小学校は小学校で6年間の独立した教育のよさというものも私はあると思っています。初等教育のよさ、大切さということ、それから中等教育の独立性ということもあると思うんです。それはやはり大事にしながら小中一貫ということも考えていく、そういう点も一つ大事なのではないかと、いろいろな国の教育制度を考えてみますと、初等教育と中等教育はやはり分けて考えているところが国としては多いと思いますので、そこをどうあえて一貫で9年間で考えていくという方向性の中で、やはり初等教育と連携するところでの一つといいますか、固有の意味といったことも大切じゃないかというふうに思います。

【小川主査】 ありがとうございました。
向山委員。

【向山委員】 言葉のことで恐縮なんですけれども、6ページなんですが、最後の10行目のところで小中連携と小中一貫教育を定義したわけですが、最後が小中連携の様々な教育活動、一貫教育の系統的な教育活動と、こういう言葉を使っているんですが、私自身、現場的に見ると教育活動、「何とか」教育、小学校教育というのに比べると教育活動というのは狭い概念で受け止めがちなんです。例えば小学校教育といっても教員組織の問題もあるでしょうし、あるいは校舎の建築のこととかもあるし、あるいは保護者のPTA活動とかなんとかと、教育活動というとやっぱり教育課程についてそれに基づく活動となっちゃう。こういう定義でいいかどうか。もう少し「何とか教育」にしておいた方が、後の文脈で考えやすいのかなというふうに思いました。
 例えば20ページを見ても、一番最後のところで29行目、「小中一貫教育を実施する小・中学校の設置者」云々と来ますところにこの定義を当てはめると、小中一貫教育というのは教育活動ですから、後の方と食い違っちゃうんじゃないかという気がします。ですからこの定義はもう一回議論したほうがいいのかなと思います。

【小川主査】 ありがとうございました。
 ほかにどうでしょうか。全体を通じて何か御意見ございますか。よろしいでしょうか。
 今日は、全体の構成と基本方向を了解していただいて、字句上の様々な修正とか加筆というふうなことであれば、今日の会議で主査一任をいただいて事務局で最終案を詰めてもらうことを考えておりましたが、今日のお話を伺うと、全体の構成も含めて少し見直してほしいというふうな意見が強かったように思います。今日頂いた御意見を踏まえて、項目の配置を含めて、もう一度全体の構成等も見直して整理案を書き直してみないと思います。そのために、もう一度作業部会を開かせていただいてよろしいでしょうか。そのようにさせていただきます。

【小谷室長】 すみません、あと一点、御議論の中の過程で確認をさせていただきたいんですけれども、まず、コーディネーターのところで長谷川委員の方から、教育委員会において指導主事がそれを担うというので、それとはまた別の職員が、という発想があるのかという御指摘をいただきましたけれども、これについては、別途コーディネーターというのは、教育課程とかそういった部分だけではなくて、いろいろな地域活動をまとめていくようなことも、機能としてあり得るというような話を、これは酒井委員の方から9回目の会議で御指摘いただいておりまして、そういった意味では指導主事だけではないこともあり得るのかなということで、今のような仕組みになっていると思いますので、そこの確認をいただきたいのと、それから教育課程の特例に関しては、いわゆる新教科、学校設定教科科目などを設けることについて設置者の判断でという形で、今回の事務局案では提案させていただいているんですが、天笠委員と無藤主査代理の方から、小学校、中学校間の内容の移行については、一定の歯止めがあれば認めていいのではないかという御意見だったので、そこはこの事務局案とかなり齟齬(そご)がありますので、この辺りの委員の皆様方の御意見を確認する必要も、また次回あろうかと思います。

【小川主査】 よろしいですか。
 ほかになければ少し予定より早いんですが、今日はこれで終了させていただきます。いろいろな御意見が出ましたので、少しお時間を頂いて、次回の会議で提案させていただければと存じます。
 さらに、先ほど事務局の方から出た教育課程の弾力化のところについても、学年の組み替えというふうなそういうことも含めて、その辺も次回、教育課程の特例の内容を、具体的にどんな方向で整理していくかというところも御意見を伺えればと思います。
 次回の会議の日程等々については、恐らくまだ日程調整がされていないと思いますので、また事務局の方から皆様方に日程調整の御依頼があるかと思いますので、その辺はよろしくお願いいたします。
  最後に、事務局の方から何か御連絡はありませんか。
 では、今日は限られた時間でしたけれども、非常にたくさんの御意見をいただきましてありがとうございました。これで終わります。

 

―― 了 ――

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