特別支援教育の在り方に関する特別委員会(第8回) 議事録

1.日時

平成22年12月3日(金曜日)15時30分~18時00分

2.場所

文部科学省東館3階 第1講堂

3.議題

  1. 論点整理について
  2. その他

4.議事録

【宮﨑委員長】 それでは定刻となりましたので、ただいまから第8回中央教育審議会初等中等教育分科会特別支援教育の在り方に関する特別委員会を開催いたします。
 本日は御多忙の中、御出席を賜りましてまことにありがとうございます。
 本日の委員の出欠状況ですが、青山委員、乙武委員、木舩委員、齋藤委員、向山委員、山口委員が御欠席、その他の委員は御出席です。なお、安彦委員、太田委員、大南委員、山岡委員は、御都合により遅れて出席の御予定です。
 なお、本委員会においては、御発言をされる場合には必ず挙手をしていただいた上で、お名前を述べてから御発言をいただきますよう、改めてお願いをいたします。また、通訳の方のために、御発言の際にはゆっくり御発言をいただきますようお願い申し上げます。
 続きまして、本日、笠文部科学大臣政務官に御出席をいただいておりますので、まず一言御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【笠文部科学大臣政務官】 皆様こんにちは。また今日もこのように本当にお忙しい中、各委員の皆様方にこのようにお集まりをいただき、議論をしていただくことに心より感謝を申し上げます。これまで7回にわたって、随分、本当に色々な形での議論が行われてまいりまして、私も議事録を拝見させていただいております。様々なお立場、その専門的な見地から御議論をいただいていることに、心より敬意を表し、感謝を申し上げたいと思います。年内を目途として、本特別委員会の一定の論点整理、取りまとめに向けた大詰めの段階であると承知をしていますけれども、今日も重ねてそのような方向で議論を進めていただき、私ども文部科学省といたしましても、障害のある子どもも、そして障害のない子どもも一緒になって共生できる社会をつくっていくための大事な時期を迎えている、そういう制度改革を進めていかなければならないということで、この特別委員会での皆様方の議論を踏まえて、しっかりとその期待に応えていけるように頑張ってまいりたいと思っています。今日もまた活発な議論を行っていただき、更にこの論点整理が進んでいくことをお願い申し上げて、一言御挨拶とさせていただきます。本日もよろしくお願いいたします。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。なお、笠文部科学大臣政務官におかれましては、所用のために途中で御退席なさる予定です。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。これより先は、議事の進行に支障を来たす可能性がありますので、カメラの御使用を御遠慮いただければと思います。
 本日は、前回の会議において皆様からいただいた御意見を踏まえ、私のほうで石川委員長代理とも御相談した上で、更に皆様の御意見等も賜り、論点整理案を修正したものを用意させていただきました。これに基づいて論点整理の取りまとめに向けた審議をしていただきたいと思っています。目標といたしましては、先ほど笠文部科学大臣政務官からもお話がありましたように、年内を目途としてということでして、また、現在、障がい者制度改革推進会議で第二次意見の取りまとめをなさっているというようなことがありまして、そういうところと並行して、ある一定の審議の取りまとめをさせていただきたいと思っています。したがいまして、目標としては、本日の審議の進行状況にもよりますが、論点整理の取りまとめを行った上で、修文をして中間のまとめができればと思っています。皆様その点をどうぞお考えいただいて、活発に御意見を頂戴いたしたく存じます。
 それでは、まず、配付資料について事務局から御確認をお願いいたします。

【助川特別支援教育課課長補佐】 特別支援教育課の助川です。配付資料といたしまして、資料1から4、参考資料1と参考資料2をお配りしていますが、資料4につきましては資料4-1と4-2を1つにとじてお配りしております。不足がありましたら、事務局まで仰せつけください。以上です。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。続きまして、論点整理について自由討議といたします。まず、私から前回の論点整理案について、皆様から頂戴した御意見を踏まえて修文をした点についての簡単な御説明をさせていただきます。
 資料1を御覧ください。まず、前回皆様からいただいた御意見を中心に石川委員長代理とも御相談をし、事務局と詰めて整理をしたものです。前回整理できなかったと思われる部分についても、一応文章の整理をいたしました。繰り返し申していることですが、今回の論点整理は、まず総論としての方向性を出すことに重点を置いているということです。これまでの協力者会議の報告、障がい者制度改革推進会議の御意見といった議論のベースにある、就学先決定の在り方についても具体的な方向性を示すことになっています。それに伴う環境整備のところは、まだ十分な詰めができていませんが、このところは時間をかけて検討していくことが必要と思われますし、教職員の確保、専門性の向上については、現在同じ中央教育審議会に設けられております教員の資質能力向上特別部会との兼ね合いで検討を進めて行く必要があると思います。私の説明の後で、事務局から詳細な説明をしていただきますが、私からは今回の変更点のポイントについて説明をいたしたいと思います。
 まず、目次です。前回御指摘いただいたことを踏まえまして、各項目のタイトルを修正いたしました。一番大きく変えたのは、1、総論というところですが、御指摘を受けて、「インクルーシブ教育システム構築に向けての特別支援教育の方向性について」といたしました。
 2ページの2つ目の○と3ページの○3のところを御覧ください。特別な教育的ニーズのある児童生徒に対して、その時点で教育的ニーズに的確に応える指導を提供できる「多様な学びの場」を用意するということとして、これまで「カスケード」という言葉を使ってまいりました。「カスケード」の考え方は、諸外国で基本的に流布した理論ですが、誤解を招くというような様々な御意見もありましたので、今回は「カスケード」という文言はやめました。それについては27ページの参考資料5のとおり修正を加えています。連続性のある「多様な学びの場」としての考え方については十分皆様に御理解をしていただけたと思いますので、カスケードという言葉をあえて使う必要はないということです。
 総論の本文に戻りますが、3ページの○6を御覧ください。短期、中長期についての目安を示しました。短期は、障害者の権利に関する条約批准までとし、中長期は、条約批准から10年間程度としています。
 5ページの○1を御覧ください。ここにつきましては、前回御意見のありましたコミュニティ・スクールの議論を入れました。この中で、障害のある子どもへの対応を念頭に置いて、地域資源の活用を考えていく必要があると考えています。
 それから7ページの2を御覧ください。「就学相談・就学先決定の在り方について」です。一番上の○ですが、「教育相談」を「教育相談・支援」としています。この考え方は、本人並びに保護者への対応を念頭に置いたものです。就学先については、前回様々な御意見を頂戴いたしました。いかに合意形成のプロセスを持つかという観点、学校、教育委員会、保護者の役割分担等の観点から整理してみました。
 また、前回も様々な観点から御議論いただいた、二番目の○の就学先の決定についてですが、「本人・保護者と教育委員会、学校等が教育的ニーズと必要な支援について合意形成を図りながら、最終的には市町村教育委員会が決定」としていましたが、この部分の「ながら」を取りました。しっかりと合意形成を行っていくことを明記しています。繰り返しになりますが、合意形成を図ることが大変重要であると考えています。また、一方で国と地方公共団体が責任を持って教育を実施するという日本の教育制度の考え方からすれば、教育委員会が最終的に決定をすることが適当であると考えられます。就学先決定の仕組みを変えていくに当たっては、本人・保護者と教育委員会、学校等との意見が一致しない場合の調整のための仕組みがますます重要になってくるものと思います。また、対立的なものではなく、円滑に合意形成を図る観点から取り組まれることが重要とも考えています。また、就学先は一度決めたら変えられないということではなく、柔軟なものであるという考え方を関係者間で御認識していただく必要があると思います。
 10ページの○11を御覧ください。前回この委員会で中澤委員から御説明をいただいた、イギリスやアメリカでとられている仲介者といった仕組みを今後検討していく必要があると考えています。
 また12ページの「3.インクルーシブ教育システム構築のための人的・物的な環境整備について」ですが、「現状と課題」について複数の委員から書き込みが不十分であると御指摘をいただきました。これも少し加筆してみましたので、御確認をしていただいて御意見を頂戴したく存じます。以上、変更点をかいつまんでポイントだけ、私から申し上げました。なお、私といたしましては、今回の論点整理については、障害者権利条約の理念を基本に置きつつ、その理念を具現化するための具体的、現実的な対応をどのぐらい、現在の教育現場で行えるかという視点をもって検討をしたものであると理解しています。そのことも念頭に置いていただいて、論点整理の取りまとめに向けて議論をお願いしたいと存じます。私からは以上ですが、引き続き、事務局から補足をお願いいたします。

【横井特別支援教育企画官】 特別支援教育企画官の横井です。今ほど、宮﨑委員長からポイントについて御説明いただきましたので、私からは変更点について御紹介いたします。引き続き資料1を御覧ください。
 まず、目次ですが、宮﨑委員長からもお話いただきましたように、大きな項目1.を修正いたしました。それに加えまして、1.の(1)につきましては、インクルーシブ教育システムと特別支援教育の関係という形で修正いたしました。
 また2.の(1)ですが、「早期からの教育相談」に「支援」を足して、「早期からの教育相談・支援」という形にいたしました。
 それから3.の「(1)環境整備全般」としていたところを、「(1)障害のある児童生徒等を受け入れるための環境整備全般」という形にいたしました。
 続きまして2ページを御覧ください。2ページ目につきましては、四角囲いの中のポイントですけれども、先ほど宮﨑委員長からお話いただきましたけれども、2つ目の○のところ、「多様な学びの場」は、「カスケード」という表現を除くなど、そういった形で整理いたしました。
 続きまして、3ページを御覧ください。一番下の○6ですが、こちらも宮﨑委員長からお話いただいたとおり、短期と中長期についてそれぞれ目安のようなものを括弧書きで示させていただきました。
 続きまして、4ページの(2)の「共に学ぶ」ことについてですが、○3、○5についてそれぞれ表現を整理いたしました。 続きまして5ページを御覧ください。「(3)インクルーシブ教育システムと地域性」ですが、○1のところ、こちらも宮﨑委員長からお話いただきましたけれども、コミュニティ・スクールの議論を追加しています。具体的には、学校運営協議会制度、それから学校支援地域本部という文部科学省で進めています施策について、参考資料を後ろに添付いたしました。31ページ、32ページを御覧ください。31ページには、コミュニティ・スクール学校運営協議会制度についての概要を、32ページには学校支援地域本部ということで、前回も御議論ありましたが、学校運営協議会制度という制度は、主に、学校運営に地域の方に入っていただくものと、それから学校支援地域本部事業というのは地域の方々の御協力で学校を運営すると。もう一つは、地域ぐるみで学校の支援を行うということで真ん中の中ほどに、学校支援ボランティアですとか、外部人材を活用する事業というものを紹介させていただきました。
 本文に戻っていただけますでしょうか。5ページですが、○3、○4、○5につきまして、それぞれ順序を入れかえるとともに表現を修正いたしました。
 続きまして7ページの「2.就学相談・就学先決定の在り方について」を御覧ください。四角囲いの最初の○のところ、こちらにつきましても「教育相談」となっていたものを「教育相談・支援」という形にいたしました。
 それから「(1)早期からの教育相談・支援」の○1、○2につきましては、それぞれ表現を整理いたしました。
 戻りますが、7ページの四角囲いの中の2番目の○、8ページの「(2)就学先決定の仕組み」の○1の表現については、先ほど宮﨑委員長からもお話いただいたような表現の修正を行っているところです。就学先決定の仕組みにつきましては、8ページから○2からですが、○2、○3、○4、○5についても少しずつ表現を整理いたしました。
 10ページの○8、○10につきましても、例えば○8であれば、あらかじめ人的配置、物的整備を計画的に行うよう努めることが必要であるというような形で文言を追加いたしました。
 10ページの○11ですが、宮﨑委員長からお話いただいたように意見が一致しない場合の調整の仕組みについての整理を行っています。
 11ページを御覧ください。「一貫した支援の仕組み」ということになっていますが、その一番上の○1につきましては、一貫した指導・支援ということでもともと(1)の「早期からの教育相談」にあった表現を移してきたものです。
 12ページを御覧ください。「3.インクルーシブ教育システム構築のための人的・物的な環境整備について」は、「現状と課題」の記述を追加いたしました。前回御議論のありました、いわゆるボーダーの子どもにつきましては、障害があると周囲から認識されないものの、学習面または行動面での困難を抱えている子どもといった表現を使わせていただきました。
 13ページを御覧ください。「(1)障害のある児童生徒等を受け入れるための環境整備全般」ですが、こちらの○1、○3について表現を整理いたしました。
 「(2)合理的配慮」ですが、13ページの一番下のところ、ICF国際機能分類のところ、それから続いての○3、○4について、それぞれ表現を整理いたしました。
 15ページを御覧ください。「(4)特別支援学校のセンター的機能の活用」ですが、○1のところで特別支援学校と市町村教育委員会の役割分担について、○2のところでは、特別支援学校がその学校の子どもだけではなくて、地域にいる障害のある子どもの教育を積極的に進めていくことについて、それぞれ記述を追加いたしました。
 続きまして、16ページを御覧ください。「4.教職員の確保及び専門性向上のための方策について」の「(1)教職員の専門性の確保」の○3のところですが、表現を整理いたしました。
 17ページ(2)の「教職員の養成・研修制度の在り方」ですが、○1で文章を整理いたしました。具体的には、特別支援学校の教員の免許状の制度の見直しについて言及していますその下の○3では、免許状の更新講習における特別支援教育の明確化などを追加いたしました。以上で説明を終わります。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。それでは、これから自由討議とさせていただきます。前半、後半に分けて論議をしていただこうと思っています。どなたからでもよろしいかと思います。御意見を賜りたく存じます。
 それでは、どうぞ御意見をお願いいたします。

【杉山委員】 浜松医科大学児童青年期精神医学講座の杉山です。今回、出席するにあたって1回資料読み直してみましたが、一つ非常に引っかかる部分というか、自分でもどういうぐあいに判断していいのか分からないところがありまして、問題提起という形で出させていただければと思います。特別支援教育は、学校システムの中だけで、多分完結ができないのだろうということです。
 例えば早期からの一貫した支援、もしくはケアになるのでしょうか、ということでいきますと、自分の身近なところにきちっと相談ができる、専門的な児童精神科医がいるとかなり違ってくるだろうというのはよく分かります。ただ、そういうシステムと学校との関係というのが、何というのか、未整備なんです。現在、発達障害バブルとか呼ばれています。専門の医療機関が非常に長期の待機をつくってしまって、例えば、私の前職であるあいち小児保健医療総合センターの診療科は最長で3年半の待機をつくりました。3年半ということは、3歳の子が6歳になります。この議論の中にこういう問題まで入れていいのかどうかというのはよく分かりませんが、おそらく特別支援教育という問題が今のような形で、これはある種の進化だと僕は思います。一人一人の子どもに合わせた教育というのが非常に広がってきていて、様々な関連領域との連携というものを念頭に置かなくてはやれない状況になってきているのだとしますと、この提言の中に学校というのがこれからそういう何ていうのでしょう、一種の学校システムだけではなくて、オープンなシステムになっていくということを、どこかで、未来のために取り入れておく必要があるのではないかと感じたものですから、それを具体的にどこに入れればいいのか、よく分かりませんけれども、問題提起として出させていただければと思います。以上です。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。国の段階では、一昨年の夏に障害のある乳幼児の支援の在り方についてという、一定のまとめをしています。厚生労働省と文部科学省が連携した対応をしていかなければいけない。そのツールとして、支援計画を作成して支援をしていく仕組みをつくろうという提言は出ていますが、それはいわゆる障害者自立支援法絡みのところに移して、児童福祉法との関係で整理をしていくことなどが盛り込まれたのですが、その後の動きが少しとまっているような気がしています。この問題はここの問題というよりは、また今提起をしていただいたようなところ、改めてこの中にいろんな形で盛り込めばいいかというようなことについては検討課題かなと思います。ありがとうございました。
 それでは、尾崎委員お願いいたします。

【尾崎委員】 全国特別支援学校長会の尾崎です。3点お話をしたいと思います。
 1点目は、「インクルーシブ教育システムと地域性」に関連してですが、社会をつくる上で、インクルーシブ教育は非常に役割が大きいし、それは特別支援学校だけ、あるいは学校教育だけでは多分できないものだろうという観点です。
 先ほど紹介がありましたように、今回の論点整理の中で、5ページに新たに「学校運営協議会制度や学校支援地域本部など地域と連携した学校づくりを進めるに際しても、各学校は障害のある子どもへの対応をも念頭に地域の理解と協力を得た連携の取組を考えていく必要がある」ということが盛り込まれましたが、これには大賛成です。そこにやはり特別支援学校も絡んでいかなければいけないという思いをしています。その下には、副次的な学籍を置くことについても検討していくということがありますが、そういうコミュニティ・スクールの中でも、そういう在り方についても検討していただければと思います。
 それから、同じ5ページの○3には、地域内の教育資源、いわゆるスクールクラスターの役割もあるんですが、そのコミュニティ・スクールも含めて地域クラスターというような考え方で読み込むこともできるのかなと思っていますので、その点を確認できればと思います。
 15ページの○1の後半のところには、先ほど紹介ありましたように、「市町村教育委員会との役割分担を念頭に協力体制を構築することが重要である」と明確に書かれていますので、さっきの特別支援学校のセンター的役割、それからコミュニティ・スクールの話、そしてスクールクラスターの話、それをつなげて考えられるような地域づくりをすることが、私はインクルーシブな社会をつくる、それから教育をつくることにつながるのではないかという思いで、ぜひ進めていただければと思うのが1点目です。
 2点目ですが、「保護者の意見を最大限尊重」というような文言が出ている一方で、やはり子どもの意見はなかなか出ないですけれども、子どものへの配慮というか、子ども中心に考えていこうというようなことが今回も述べられているなと思いました。それは8ページの一番上の○1の最後のほうに、「個別の教育支援計画を作成していくことが重要である。その際、子どもの教育的ニーズや困難に対応した支援という観点から検討することが必要である」というところで示されていると思います。これは全て、小・中学校、高等学校も含め、そしてもちろん特別支援学校もそうだと思いますが、その原点をいつも忘れないで支援していくということを確認したいということが1つあります。同じように9ページの○5に、「保護者は、何よりもまず、子どもの健康、学習、発達、成長という観点を最優先する立場で」ということが明確に書かれていることが大変ありがたい。そういう観点で、我々は保護者を支援していくことが必要かなと考えました。それが2点目です。
 3点目は、特別支援教育にかかわる免許の関連です。17ページのところに新たに追加された「特別支援学校教諭の免許状を保有せずに、特別支援学校の教員となることが可能とされている現行制度の見直しを検討する必要がある」という点について、基本的には賛成です。現在6割から7割といわれている保有率です。ところが、小学校、中学校、高等学校は免許がないと、当然、教員はやれませんので、これは100%当然だと思いますが、そういう状況の中で、万が一育成が間に合わないと、先生が足りなくなるというようなことが絶対生じないような制度設計をぜひ検討していただきたいのが1つです。それと関連して16ページに次のような文言があります。○3で、「特別支援学校における勤務等により特別支援教育の中核となる教員を養成し、そういった人材を障害のある子どもの教育的ニーズや学校の状況に応じ、各学校に配置するなど」と書かれています。特別支援学校から経験を積んだ専門的な者が小学校、中学校等に行くということは、非常に賛成ではありますけども、特別支援学校の中でそういう専門性のある教員を確保するということも前提の話だと思うので、その辺のバランスも今後検討していただければと思います。以上です。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。幾つかの観点で、御意見を賜りました。
 それでは、清原委員お願いいたします。

【清原委員】 ありがとうございます。三鷹市長の清原です。全般について、意見を申し上げてよろしいですか。4点について意見を申し上げたいと思います。
 1点目は、杉山委員が先ほどおっしゃいましたことと共通の思いを持っていまして、私は三鷹市長でして、教育長ではありませんので、教育長及び教育委員会と市長部局が連携をすることが、特別支援教育の充実、特にインクルーシブ教育の実現のためには必要という立場で取り組んでいます。杉山委員がおっしゃったような問題意識を持って、まず総論部分で次のようなことを申し上げたいと思います。
 国や都道府県のリードのもと、地方自治体それぞれが子どものライフステージに応じて、表現は適切ではないかもしれませんけれども、「縦の支援」をするとともに、教育委員会だけではなくて市長部局も含め、関係部局の連携による「横断的な、横割り的な支援」というのがインクルーシブ教育の実現のためには必要と考えます。
 1つの例ですが、三鷹市では健康福祉部、子ども政策部、教育部による連携の下、運営委員会方式によりまして、子ども家庭支援ネットワークの組織を利用した障害者支援を行っています。また、教育の分野では、コミュニティ・スクールを基盤とした小中一貫教育を実現していますが、その中にしっかりと特別支援教育、三鷹市でいう、「教育支援」を位置付けています。すなわち、教育の中に教育支援を孤立したものとはしない。むしろ全体のコミュニティ・スクールを基盤とする小中一貫教育の中に、教育支援も含めて取り組んでいるということがあると思います。
 そこで、次に2点目の就学相談・就学先決定の在り方とも関係しますけれども、子どもたちに対して適切な教育の在り方を提案していく、あるいは相談に乗っていく前に、乳幼児期の健診に携わる職員からそうした声かけが保護者になされたりして、就学前の幼稚園の教員や保育園の保育士からそのような声かけによる相談の実態というのが、先行して存在するわけです。それは、形式として就学相談や就学先決定の仕組みに至る前の早い段階で、教育委員会ではなく、市長部局の職員やあるいは専門家が気づくということがあります。
 したがいまして、就学相談・就学先決定の在り方の中には、当然のことながら保護者に向き合い相談や支援をする、そういう仕組みの中には教員や特別支援教育の専門家だけではなくて、一般の職員たちの気づきや声かけや相談の実態が有機的に形を成していくということもポイントではないかと思います。
 このことにつきまして、9ページの「(2)就学先決定の仕組み」の○5に、「保護者は、何よりもまず、子どもの健康、学習、発達、成長という観点を最優先する立場で就学相談・就学先決定に臨む必要がある」という直後の○6に、これはたまたま小学校が就学相談の窓口ですが、三鷹市の場合、教育委員会が対応しておりますが、「保育所、幼稚園と日常的に連携を行う」云々とあります。また、最後のほうに「必要に応じて、教育・保健・福祉・医療分野の連携を行っている自治体もある。これらの先行事例も参考としながら、相談・支援体制の充実に努めることが必要である」という記述があります。これは杉山委員が御指摘になったことの反映の1つだとは思いますが、この就学先決定のところだけではなくて、インクルーシブ教育そのものと市長部局が行っている保健や福祉や、また医療やその他の取組が関連付けられると思いますので、ひょっとしたらこの論点整理の「はじめに」というところか、あるいは今後深めていく課題を「終わり」にということで記述される場合には、前面に出していただくということが必要かもしれません。教育分野だけでインクルーシブ教育が位置付けられるのではなく、地域行政の立場の私も委員にさせていただいていますので申し上げますが、地域においてもその他の分野、特に市長部局がきちんと貢献できるという道筋ができるのではないかと思います。
 3点目は、人的・物的な整備のところですが、何よりも地域の実情に応じた整備やシステムの構築の必要性が示されているということは重要だと思います。特にこの場所ということで申し上げませんけど、このインクルーシブ教育システム構築のための人的・物的な環境整備につきましては、その前に整理されています、5ページに「インクルーシブ教育システムと地域性」が位置付けられていますけれども、これはシステム全体に共通して地域性ということを配慮する必要があるということで、いい意味での地域主権との兼ね合いを指摘されているところだと思います。人的・物的な環境整備についても、当然のことながら、地域の実情に応じた整備やシステムの構築のために、国及び都道府県の支援というのが必要になってくると思います。
 4点目ですが、教員の専門性というのは本当に重要だと思います。いきなり初任者で、インクルーシブ教育、あるいは特別支援教育をするということもあるという実態があります。それはそれで意味があると思いますが、やはりいい意味でベテランの教員が子どもの何を見て、何を聞いて、どう判断するのか、実際の授業や子どもの行動観察、カンファレンスを通じて、教員が学ぶことが有用だと思います。教育支援コーディネーターの育成については、地域のリソースをどのように使えるのか、実情に応じたコーディネーターの育成が必要であり、有用だと思います。各障害種別や発達障害について、知識や指導技術だけではなくて、地域の中でどう教育支援をコーディネートしていくのかということの研修が重要であると思います。
 1つの例をお話しますが、三鷹市では小中一貫教育の7つの学園がありますが、その7つの学園ごとで、教育支援学級の教員が、センター的機能を発揮して、各校の教育支援コーディネーターとともに動くことを進めています。ワークショップという方式で研修を行うことによって、三鷹市のような狭い市域でやっても、やはりそれぞれの地域ごとに保健や福祉や医療等のネットワークがきめ細かくつくられることが必要ですので、フェース・ツー・フェースで、それぞれの職員が互いに顔見知りとなり話し合えるような、教員だけではない他の専門の保健・福祉・医療等の職員による研修会が有用と考えます。
 これは先ほど杉山委員がおっしゃったことと共通するのかもしれませんが、教育分野、教育委員会だけの検討ではなくて、地域の人材を幅広くネットワーク化することで、よい意味での連携の中でのインクルーシブ教育が、地域で実現されるのではないかと感じました。その点は、かなりこの案に委員長がちりばめていただいていますけれども、改めて地域の自治体の立場で、その意義を発言させていただきました。どうもありがとうございます。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。杉山委員の御意見を踏まえて、特に子どものライフステージに応じた縦の支援と、それから時期を踏まえた横断的な支援の有り様について、具体的に的確な御指摘を頂戴しました。このあたりの修文についてはまた御相談をさせていただきたいと思います。
 それでは、河本委員お願いします。

【河本委員】 全国特別支援学級設置学校長協会の河本です。ありがとうございます。細かいことで大変恐縮ですけれども、3点話をさせていただきたいと思います。
 1点目、14ページの「(3)交流及び共同学習」のところです。第7回のときも資料を出しながらお話をさせていただいたところですけれども、基本的には○2に書いてある居住地校との交流、共同学習、これは大賛成です。更に活発化していく必要があるという感じがしています。
 それに関連して、○1もそうなのですけれども、特別支援学校と通常の学級の子どもたちとの交流だとか、それはよく見えてきて分かりますが、特別支援学級の子どもたちと通常の学級との子どもたちとの交流、その文言を入れていただきたいと思います。全国に約2万2,500校の特別支援学級設置校があります。そうすると、当然そこの設置校の子どもたちが、通常の学級の子どもたちと新しい学習指導要領に沿って交流及び共同学習していくことによって、底辺といいますか、まさにインクルーシブ教育システムを、基本的な部分が小学生あるいは中学生のところで実現する可能性は非常にあると考えていますので、ぜひそこの中に文言を入れていただければということが1点です。
 2点目は16ページの、これも先ほどから何人の方からも話が出ています。教職員の専門性の確保ということで、○4の特別支援教育コーディネーターの件です。今、公立の小・中学校では、それぞれの学校の中でコーディネーターが約100%近く、99.6%ぐらい指名されているというデータもあります。問題は、このコーディネーターが中心になって、校内委員会をいかに機能させているかということだろうと思います。コーディネーターがそれぞれの学校で指名されていますけれども、コーディネーターそれぞれの状況を聞きますと、コーディネートする時間が足りないというのが実情です。ぜひここに書いてありますように、専任のコーディネーターが輩出されるような取組、それが不可能であるならば、コーディネーターが通常の子どもたちの指導の時間を軽減できるような措置を講じていただけるといいかなと思います。
 3点目です。17ページです。これも先ほどから話が出ています教職員の養成・研修制度の在り方ということですが、免許のことは私も当然必要だろうと思っています。特別支援学級の担任で特別支援学校教諭の免許を持っているのは31.6%というのが実態です。今それぞれの都道府県で、あるいは学校で、教員の免許取得に向けて努力しているところですけれども、一概に特別支援学校の教員の免許が特別支援学級の子どもたちの指導に、全て役に立つかということを考えたときに、私はそれほど有効ではないと感じています。ということは、特別支援学級独特の免許が必要なのかなということも考えていますので、そのあたりのこともまたお含みおきいただきたいということが1点。
 その教員の養成のことについて、細かいところですけれども、やはり先ほど清原委員から話が出ました、それぞれの学校の中での教員の資質を高めていくということは、非常に重要なことと思います。そのときに一番肝心なのは、やはり校長のスタンスだろうと思います。校長が教員をどう指導していくかだとか、特別支援教育に対してどう考えるかだとか、あるいはインクルーシブ教育システムを、校長がそれぞれの学校の中で、実現をどう図っていくかということで、ここのところで校長のリーダー性、あるいはリーダーシップの発揮みたいな文言をどこかに入れていただけるといいかなと思いました。以上3点です。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。
 それでは、貝谷委員お願いいたします。

【貝谷委員】 日本筋ジストロフィー協会の貝谷と申します。前々回にもこのことについては少しお話ししましたが、筋ジストロフィーという病気は、家族性の病気です。遺伝子に色々と問題がある。我々は遺伝子異常ということはあまり使いません。遺伝子変異という言葉を使います。このことには色々と深い意味があります。そういうことで、それはひとつ我々の今の会員に対する教育ですが、4ページの(2)○2の「障害のある子どもと障害のない子どもが共に学ぶことにより、同じ社会に生きる人間として、互いに正しく理解し、共に助け合い、支え合って生きていくことの大切さを学ぶなど、個人の価値を尊重する態度や自他の敬愛と協力を重んずる態度を養うことが期待できる」との文章からいきますと、一緒に学ぶだけで、お互いに尊重し合ったり自他の敬愛と協力ができるように思えてしまいますが、やはりもっと深い教育が必要だと思います。前からお話ししましたように、命の教育とか道徳教育とか、こういうものがまだ完全に行われておりません。教育用語の中には載っていますが、これが教育現場でしっかりと義務付けられていないように思います。
 ですから、そういうことに関して、ぜひしっかり普通教育の中でも障害児教育の中でも、しっかりと命の教育、道徳教育、個人の価値を尊重する態度、自他の敬愛と協力ということを十分に協力がはっきりできるような項目を、つくっていただきたい。これが障害者の教育、または一般教育の一番根本だと思います。ですから、私は、具体的にその項目をつくっていただきたいとお願いしたいです。以上です。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。今回の学習指導要領の、特に幼稚園、小学校、中学校、高等学校の特別支援教育の中の一番大きなポイントに挙げてあるのが、障害理解教育だと思います。その内容や、あるいはカリキュラムづくりというのを小学校等で具体的に検討されている学校も出ておりまして、確かに、おっしゃるように、この文は、ただ一緒に学べばそういうことができるということではなくて、何々を通してそういった態度を培うことが期待できるというものを少し修文する必要があるかなと、読みながら改めて感じました。ありがとうございました。
 それでは、大久保委員お願いいたします。

【大久保委員】 大久保です。最初の「1.インクルーシブ教育システムの構築に向けての特別支援教育の方向性について」の、囲ってあるポイントの部分です。御苦労されて修正されているというところは理解していますけれども、まず、質問といっていいかもしれませんが、○の2つ目の「通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある『多様な学びの場』を用意しておくことが必要」とありますが、ここは「カスケード」という言葉がなくなって、この「連続性」という言葉が入ったわけです。ここで「連続性」という言葉で「カスケード」を言いかえたのかどうかよく分かりませんけれども、この連続性というのがどっちにかかっているのか。つまり、「といった」で点が入れば、「連続性のある多様な学びの場」というのは理解できます。多様な学びの場は一貫性という意味で考えれば、どこの場であろうと連続性が必要だと理解できます。ところが最初の部分、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性という意味なのか、そっちに連続性がかかっているのかどうかというところです。その辺ではちょっとニュアンスが変わってくるなということと、カスケードの図にこだわったら申しわけないのですけれども、あの図を思わず思い出してしまうというところです。ですからこの辺がどちらにかかるのかというところは気になったところです。
 それと、これもしつこくて申しわけないですけど、一番最後の○です。「今後の進め方については、短期と中長期に整理し段階的に実施していく必要がある」についてですが、前は「制度改正として整理し段階的に」と「制度改正」という言葉が入っていましたよね。これがまず消えているということがあります。それと、やはり日本語として、「今後の進め方」は何の進め方かというのが見えないです。私の理解では、インクルーシブ教育システムに向かっての進め方と理解していますが、そのように理解していいのかどうかということです。その理解で良いのであれば、そのように書いたほうがすっきりするのではないかなと思います。
 それと、就学先決定のところです。7ページの「就学相談・就学先決定の在り方について」ですけれども、ここで全般としてかかってくるかもしれませんし、ほかのところにも関係してくるかもしれませんけれども、先ほどの清原委員のお話にもあったとおり、どこかで福祉あるいは保健、医療との連携だけは明確に文言として入れておく必要があるのではないかと思います。大体、福祉でも、今は教育、労働とか絶えず一緒に入っています。やはりそういうものをきちんと入れておくことが、当然いわゆるインクルーシブ教育あるいは障害児の育ちの問題と関連してくるわけですから、その辺の連携みたいなところは、やはり文言で明確にしておいたほうがいいのではないでしょうか。そうでないと、どうも教育関係者と、あるいは保護者・本人だけというイメージがしてしまいます。
 それとここの四角で囲ったポイントのところも御努力いただいて、敬意を払いたいです。例えば、真ん中の2番目の○の、「本人・保護者の意見を最大限」という言葉については、前は「尊重し」となっていましたが、ここに「最大限」という言葉が確か入りましたよね。そのように御配慮いただいています。ただし、最終的に、ただ合意形成を図り、最終的には市町村教育委員会が決定となっています。この辺のところは、私は原則親の同意を得るといったものがいいのではないかと意見書で出しました。決定どうのこうのというより、何よりも合意形成に至るプロセスが最も重要だと認識しています。そういう意味でも、やはりここの辺はその努力というか、そこにおいて集中する努力と、あるいは準備といったことも含めたときに、やはり文言が原則同意みたいなことが強いのであれば、合意形成をもってとか、いわゆるそういう前提で臨んでください、といった表現が欲しいと思います。とりあえず以上です。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。今のことで、事務局から何かコメントありましたらお願いします。いいですか。

【横井特別支援教育企画官】 特別支援教育企画官の横井ですが、2ページの四角囲いの「連続性のある『多様性の学びの場』」ということにつきましては、今区切ってお話ししたように、前にかかるのか、後ろにかかるのかとおっしゃれば、後ろにかかるのであろうと我々としては認識しています。また、図についてもお話がありましたけれども、27ページの図でも表題としましては「多様な学びの場の連続性」というような形でお示ししているところです。以上です。

【宮﨑委員長】 あとのことについてはまた、御意見として承って、また検討をさせていただくことになるかと思います。ありがとうございました。
 それでは、岡上委員お願いいたします。

【岡上委員】 全国幼児教育研究協会の副理事長の岡上です。幼稚園で子どもたちと生活している立場からお話し申し上げたいと思います。私どもの幼稚園でも、特別支援の必要なお子さんが数名いらっしゃいます。そしてそこに特別支援のための人が配置されていますので、学級担任とその人が中心になって教育活動を展開しています。先ほど清原委員がおっしゃられましたように、本当に幼稚園で子どもの小さなことでも、ちょっと発達に障害があるかなと思う発見は、多々あります。そしてまた既にそういうことを申告されて入っていらっしゃる方があるわけで、その中で幼稚園では小学校の学習とは違って、時間的にも空間的にも、緩やかな幅の中で生活していますので、わりあいとなじみますし、またどちらにとっても学びの多い意味のある教育活動に、生活になっているなという気がいたします。
 特に私どもは、特別支援のための人が配置されている関係もありまして、必ずしもコミュニケーションだけの問題ではなく、その子一人一人の課題に応じて、時にはいつも一緒にするんではなくて、この子にはちょっと特別な言葉の学びの機会があったほうがいいなとか、数の学びがあったほうがいいなという場合には、その子だけ先生と一緒に遊ぼうねという形で時間を持つことでより効果的に子どもたちが伸びていく体験を私はしています。
 幼稚園にほかの子とかかわらせたいといって保護者が幼稚園に希望して来られたお子さんも、基本的にはずっと一緒に生活するわけですけれども、多分、1日20分くらい、時には、必要な場合ですけれども、そんなことをしています。
 そして同時に、また今お話にありました福祉の機関との連携、そんなこともしていますので、そういった意味ではすごく、うちの場合は4歳、5歳だけの学年ですけれども、入園当初に比べてすごくコミュニケーションが改善して、ちょっと見ると分からない形になっていく場合も多くあります。保護者としてもすごく期待が膨らみまして、これならば普通の学級の中でという期待も膨らんだり、それが適切な場合と、それから幼稚園の時間空間の自由さと学校で学習する場合には、みんなで一緒に思考、考えることを進めていくことの、リズムを人とそろえるということもあるので、そういった中でどうかなと悩むこともあります。
 そういった形で、幼児期に発見して適切なケアをすることで、どんなに改善するかと考えると意味は大きいし、また私どもは、先ほど教員の資質というお話がありましたけれども、もっともっと高めていき、一人一人の子どもが伸びる働きかけはしたいと思っています。
 しかし、就学時になりますと、今のこの就学の問題ですけれども、その辺になりますと、保護者の中には、その就学支援シートを書くと一生その子について回るのでしょうと、それをすごく恐れて書きたくないというお話もあります。私どもはその意味を説明し、一人一人のお子さんが通常の学級に入ることが多いわけですけれども、そういう場合でも適切なケアをしてくださるためには、支援シートを書いたほうがいいですよと説明することもあります。けれども、そういったときには、やはり保護者からそういう声も出ます。ですから、そういった意味では、個別の指導計画とか就学支援シートの意義を保護者へ周知する必要性、もちろん私ども努力していますけれども、周知することも大切ではないかと思いました。
 長々申し上げましたけれども、幼児期に発見して、そこに適切なケアをする大切さ、そして9ページに書かれていましたけれども、そういった伸びていった子どもたちが適切に就学するためには、やはり9ページの5番に書かれた、先ほどから何人かがおっしゃっていらっしゃいますけれども、子どもの本当にその子にとって一番伸びる学習スタイルはどこなのかということと、それから3番に書かれている、繰り返し、それぞれの色々な段階で、その子にとってふさわしい学習とはどんなものかを問い直していくことの必要性は、私は大事に思っています。それともう1つが、そういったケアに対する保護者の意識啓発というのでしょうか、保護者へのそういった仕組みに対する周知の必要性を感じています。以上です。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。それでは、1回休憩を入れたいと思います。

(休憩)

【宮﨑委員長】 それでは、後半を始めたいと思います、よろしいでしょうか。
 それでは、石川委員、お願いします。

【石川委員長代理】 石川です。今日は、資料を用意いたしました。この資料は視覚障害教育の研究者の皆様がまとめられた提言です。これは非常に内容が充実しておりまして、力がこもっております。残念ながら、この具体的な中身についてお話をする時間はありませんので、ぜひ後ほど御一読いただきたいと思います。視覚障害について書いてはありますけれども、なぜそれぞれの個別のニーズに対応した専門的教育が必要で重要なのかということが非常に説得的に書いてありまして、ほかの障害についても共通する点がかなりあると思いますので、その点をまず申し上げたいと思います。思いっきり意訳してというか、私の意見でもありますけれども、こういうことを言いたいのだというお話をさせていただきたいと思います。
 まず、インクルーシブとか、インクルージョンに対して、その反対概念として、エクスクルーシブとか、エクスクルージョンという概念があります。排除的、排除ということです。エクスクルーシブな社会、障害者をエクスクルードする社会というものにおいては、排除と分離という社会環境の中で特別支援学校がつくられてきたという歴史的な事実、これは否定しがたくあると言えると思います。しかし、結果的に、そこから教育の専門性とか、仲間集団が形成されて、そこでエンパワー機能を図らずも果たしてきたという面もあります。したがって、特別支援学校は両義的な存在であるということが言えます。1つの印象的な言い方として、入学式と卒業式がその様子をよくあらわしていて、入学式は何となく悲しげであるのに対して、卒業式はみんな元気に卒業していくということが言われています。
 一方、インクルーシブな社会、障害者をインクルードする社会、我々が目指している社会ですけれども、そこでは合理的な配慮によるインクルーシブ教育が実現しているはずです。しかし、その場を共有するということは、ユニバーサルデザインとしての原理的な限界が残る可能性があります。そういうような障害者をインクルードする理想的な社会における特別支援学校の存在理由は何かというと、やはり個別ニーズに対応する専門性と仲間集団です。ただ、特別支援学校が存在するだけではそのような機能は担えません。更なる充実と新しい役割の引き受けが必要であるということを先ほどの提言は述べております。つまり、障害者をインクルードする社会においては、もはや特別支援学校には排除や分離といったような社会的機能は担わされていないはずだということです。
 完全にパラレルかどうか分かりませんけれども、例えば女子大とか女子校というのを思い出してみることができると思います。戦前の女子教育は初等教育を除けば分離教育でした。しかし今では、女子のための学校をエクスクルーシブなものと考える人はいないと思います。
 もちろん、インクルーシブな社会における特別支援学校においてもデメリットは残ります。同質的な集団であって、多様な人々とつき合う力をどうやって育てていくのかという問題、そういう弱点があります。つまり、障害者をインクルードする社会であっても、障害のある子とない子が共に学ぶ学校があろうと、特別支援学校であろうと、メリットもデメリットもあるはずだということです。
 今はインクルーシブな社会へと向かう過渡的な段階ですけれども、社会全体で積極的にインクルーシブ教育に取り組まなければなりません。同時に、多様な学びの場としての特別支援学校を更に充実させていかなければならないと考えています。一方で、充実したインクルーシブ教育と空っぽの特別支援学校、あるいはその逆、合理的配慮のない統合教育と充実した特別支援学校、これらは比較にならない。子どもの教育的利益にとってどちらがベターなのかというのは、どちらの場合もほぼ明らかだと思います。そうではなくて、インクルーシブ社会を目指す今日においては、両方充実させていくことが重要だと考えます。
 特別支援学校が担わされてきた障害者を分離するという機能を払拭するには、少なくとも2つのことが前提条件になると思います。先ほど大久保委員もおっしゃいましたけれども、1つは親の同意ということです。それから、もう一つは就学先決定における同意要件とともに学校教育法施行令等の改正、これはやはりどうしても画竜点睛であると思います。この2点。
 インクルーシブな社会を目指す段階において、エクスクルーシブな力を一掃しようとして、原則インクルーシブ教育だという主張を私は理解できます。ところが、それでは多様な学びの場のボジティブな機能も急速に失われてしまう危険があると考えます。教育というのは子どもの利益のためにあるのだから、私としては何がなんでもインクルーシブ教育だという主張はここではしないという立場をとりました。障害のある子どもを分離し、排除しようとする個々の場における力に抗して、それが子どもの利益になるのならばインクルーシブ教育を難なく選択できる、そういうしっかりとした制度をバックボーンとして構築することが、このような立場をとる前提条件であると考えています。つまり、原則インクルーシブ教育という主張をあえてせずに、選択というためには、しっかりとした制度的なバックボーンが必要です。それができないのならば、やはり私もまた原則インクルーシブ教育だと言わざるを得なくなってしまうということです。
 2点ありますけれども、先ほどの繰り返しになりますが、4ページの1行目、やはり短期に関していうと、学校教育法施行令と法制度の改革をぜひ入れていただきたいと思います。それから、これは短期なのに「必要な財源を確保し」というと、非常に時間がかかりそうな印象を与えるので、ここは削除していただいたほうがよいと考えます。それから中長期に関していうと、つまり、地域間の格差、自治体間の格差というものをなくすためには、合理的配慮指標とか、合理的配慮基準の策定、評価ということがやはり必要だと思います。そういうことを入れていただきたいと思います。
 2つ目ですけれども、8ページの2.(1)○1の4行目の「合意形成を図り」につきまして、昨日まではこれでいいと思っていたのですが、ふと「図る」とはどういう意味だろうと思い直してみたら、「企てる」「試みる」「努力する」「アテンプト」などという意味です。実は事務局も委員長も私も、それから多くの委員もそうだと思いますけれども、「合意を得て」という意味で、この修文を考えてきたと思いますが、あとでほかの人が読んだときに、「図る」というのは努力するという意味に読まれてしまう危険があるので、やはり「合意を形成し」とか、はっきりと、委員会としての意図が誤読されないようにする必要がある。「合意を形成し」と修正することを提案させていただきたいと思います。
 3つ目ですけれども、14ページの(2)の○3ですが、「合理的な配慮が不十分なままでは、子どもに適切な教育を提供することができない」として、「障害者権利条約においても、それを差別と規定している」くらいは書いておきたいものだと思います。なぜかというと、ほかのところでは、まだまだ合理的配慮についての認識が社会には全然浸透していないということを書いているので、合理的配慮について、やはりここできちんとそのように書いておくほうがよいのではないかと考えています。
 これら3つとセットですけれども、もう一点だけ提案させてください。4ページの真ん中の「共に学ぶ」というところですが、障害のある子とない子とが共に学ぶことの重要性について書いてある話ですし、この節全体がそういう意図ですけれども、障害のある子が仲間集団との中で育つことの意義ということも書いていただきたいと思います。例えば、こういう文はどうかということですが、「同時に障害のある子どもが他者への尊敬と自己肯定感を育てる過程では、同じ障害のある仲間と共に学ぶ機会も必要である。人は同じ体験を共有する仲間とのつながりから多くを学び、成長していく」、つまり、自分と同じような障害のある他者と出会って、信頼とか友情とか、あるいは尊敬とかあこがれとかを抱き、それを模倣したいと思って頑張り、やがてそこから自己肯定感が生まれてくると、そういう点も、インクルーシブであろうと、特別支援学校であろうと、特に低発生障害の子どもたちの場合で、同じ障害を持った仲間とともに育つチャンスを提供するということの重要性も一緒に書けないかと思います。ただ、これはほかの3つの話とは切り離せないと考えています。先ほど、もっと一般的な言い方で述べたこととかかわっていまして、インクルーシブな社会を目指してバックボーンをきちっとつくっていくという前提でもって、初めてこういう言い方が意味を持つというか、誤読をされないで意味を持つと思いますので、そういう意味でセットで提案させていただきました。以上です。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。具体的にまず考えを述べていただいて、細かい点で大変重要な御指摘をいただきました。
 それでは、佐竹委員お願いいたします。

【佐竹委員】 全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会の佐竹です。今、石川委員のお話を聞いておりまして、石川委員の今のお話の中で大変共感を覚えることの1つに同じ障害のある仲間同士の場も大事であるということがあります。私も子どもが養護学校を卒業していますので、養護学校の中で障害のある先輩とか友達、肢体不自由ですが、障害と一口に言っても、また色々と状況が違います。その中で障害のある子ども同士がお互いを思いやるということ、またお互いの違いを知るということも、子どもにとっては学びの場で経験してきて成長したところです。本当に、今、石川委員のおっしゃるとおりと思います。ありがとうございました。
 手を挙げましたときにはあれもこれもと思っていましたが、3ページの○3の「多様な学びの場」については、色々と御意見があったようなので、ここにしっかり書いていただければありがたいと思います。東京都では、今、学校数が減っていますので、先日、視覚障害、聴覚障害の親御さんと何で減っているのかという話をしましたが、その際には、学びの場が色々と、要するに聾学校、盲学校以外にできたから、というお話を伺いました。通級もそうだし、通常の学校においても特別支援教育支援員を置くことで、点字訳とか、色々な人を置くことで十分に通常の学校で学んでいくことも可能になってきた。なので、現状、盲学校、聾学校は大変重度化していることもまた事実ですというお話を伺いまして、そういったことも含めて、「多様な学びの場」は大変必要だろうと思っているところです。
 それから就学決定のところですが、色々と保護者の意見を最大限に尊重し、合意ではないかという御意見もありますが、私は「最大限の尊重」を大変ありがたく受けとめています。また、皆様にも考えていただきたいのですが、特別支援学校よりも通常の学校に行きたいと保護者も本人も思っているという思考の前提でお考えにならないでいただきたい。特別支援学校に通わせたいと思っている親御さんも多いのです。なぜならば、軽度の発達障害であるにもかかわらず、通常の学校で十分頑張れるであろうお子さんを特別支援学校に入れてください、特別支援学級に入れてくださいという親御さんが、現在でも増えています。色々なことの中で混乱も起きているのも実態ではないかと思います。そういった場合において、保護者が「こちらがいい」と言ったらそれで決まるという制度では、特別支援学校が満杯になってしまうという現状があるのではないでしょうか。うなずいている方もいらっしゃるので、そう考えるのは多分私だけではないだろうと思います。
 そこで専門家による、また第三者のお立場でも結構です。色々な方々の御意見を本人も保護者も情報として受けとめて、この子にとっての最良の就学先を選べる。そのためには幼少期から個別の支援計画、これがとても大事だと、再度言わせていただきます。そのように思っています。そういったことも含めて、保護者の決定権ではなくて、あくまでも教育委員会が責任を持った制度のほうが、保護者として理想です。最大限尊重するという前提ではありますが。
 それから9ページです。先ほどから皆様からも出ておりますが、「保護者は、学校や市町村教育委員会が、自分の子どもを地域で進んで受け入れてくれるという姿勢が見られないと、心を開いて就学相談をすることができない」と書いていただいたことは本当にありがたいと思います。気持ちに寄り添った就学相談が、これから制度としてしっかりと担っていけるような仕組みを希望いたします。
 それから、質問になってしまうかもしれないのですが、前回中澤委員からも資料として出ていたかと思いますが、10ページの○11の「仲介者」について、「仲介者」とはどういった機関でだれを指すのか教えていただければと思います。以上です。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。10ページに「例えば、都道府県教育委員会が」とありますので、事務局からコメントをお願いします。

【横井特別支援教育企画官】 特別支援教育企画官の横井です。こちらにつきましては、また改めてという形で恐縮ですが、配付資料集の前回の配付資料8を御参照いただくのが一番よろしいかと思います。中澤委員から前回御説明をいただいたところです。ここで書かれている仲介者の説明として、アメリカにおいては州が、イギリスにおいては地方行政局が、基準に照らして中立性のあるとされる仲介者のリストを公開すると、仲介者の選択は当事者双方の合意の中で、リストの中から選ばれる形になっています。ですから、仲介者のリストが整理されているということです。御質問の趣旨と合っているかどうか。

【佐竹委員】 ありがとうございます。私もその資料を読みまして、諸外国の事例を考えて、日本においての仲介者は、どういったものを指すのかということをお伺いしたかったのですが。次回でも結構です。

【宮﨑委員長】 これについての具体的な案件については、この事例に従って今後検討していくことになると思います。詳細な詰めはまだしていないので、提案していただいたものをここには入れたと御理解いただいてよろしいでしょうか。

【佐竹委員】 分かりました。

【宮﨑委員長】 ありがとうございます。
 それでは、新藤委員、お願いいたします。

【新藤委員】 全日本中学校長会の新藤です。全日中では、今回のこの論点整理をいただいて、全ての都道府県校長会にも示し、意見を求めました。基本的なところでは、非常によくまとめていただいて、この方向で賛成です。よくまとめていただきましたというのが結論です。ただ、今回、幾つかの点について、少し細かい話をさせていただきたいと思います。
 主に3.の「インクルーシブ教育システム構築のための人的・物的な環境整備について」と、4.の「教職員の確保及び専門性向上のための方策について」、述べたいと思います。
 1つは、地域の実情ということもあるのですが、現実に今、中学校が9,774校あるわけですが、全ての学校の実態調査によれば約8,000名の免許を持たない教員、免許外の教員が教科の指導をしている。つまり、音楽の教員が数学を教えていたり、数学の教員が英語を教えたりという実態が9,774校の中で8,000名近くいるという存在。それから、これも文部科学省の調査ですけれども、現在はまだ40人学級ですが、その40人学級に必要な教員数が計算されているわけですが、それが100%確保されているのは、わずか二都県だけと。平均94%足らずしか確保できていない。ということは、各学校1人か2人教員が足りない状況が延々と続いている。一番少ない県においては、84%足らずしか確保できていないという県がある。こういった地域格差がなぜ起こっているのか。今後もこの地域格差はどんどん広がっていく可能性がある。例えば言いました免許外教員でいけば、去年と今年で10%増えています。こういった状況から言えば、この地域格差はやっぱり見過ごしできない。そういう面で、このインクルーシブ教育システムの構築に当たっては、地域格差が生じないように国庫負担制度等でもって、やっぱり国が全て責任を持って必要なお金を負担するというようなことについての確約が必要かなというのが1点あります。
 それからもう一つですが、障害のある子ども、障害のない子どもという表現が何カ所も出てくるのですが、現実に今、私自身が預かっている学校の現場等の実態から言えば、線引きは非常に難しくなっているという現実があります。ですから、私が入学式の後の保護者会で申し上げるのは、「全てのお子さん、100%が何らかの発達課題や教育ニーズを持っていると私は受けとめて、この3年間預からせていただきます」と申し上げています。そういったところでいけば、全ての教員が、まず子どもの発達に対する正しい知識、それから発達障害に対する知識・理解、それから最低限のスキル・技能は備えなければならないだろうと思います。そういう意味での教員養成はぜひお願いしたい。
 それからもう一つは、それらの教員を束ねていく教員として、今は特別支援教育コーディネーターという存在があるわけですが、これも現在は兼務です。他の職務をこなしながら、兼務として兼ねてやっているというのが現実です。これでは十分な活動はできない。理想を言えば、各学年で最低1人は必要だろうと現実感じているところです。同時に、このコーディネーターなる人材については、特別支援教育に関する教員免許を持っている、持ってないは別にいたしまして、やはりこの特別支援教育に関します知識や理解、技能等については、かなり深いものをしっかりと持っている教員が配置される必要があるだろうと思います。
 そして、もう一つは望ましい教育活動が実施されるためには、施設設備が必要だと思います。実際に私が前に務めていた学校にはアスペルガー症候群という診断を受けて、医師の判断も含めた中で保護者から特別な配慮をしてほしいという1つに、真っ暗な、一切光が入らない、音もできるだけ排除できる部屋を1つ用意してほしいという、もしパニックを起こしたときに、その子がそこで自分自身で向き合って冷静さを取り戻す、そういったことができる部屋が確保してほしいということがありました。でも現実には今の学校にそういった施設を確保する場所はありません。たまたま空き教室がありましたので、その教室を何重にも目張りをして、光が入らない部屋に変えて対応して、3年間、卒業させた経験があるわけですけれども、そういった部分での最低限必要な施設設備については、これも整えていく方向をやはりやっていただかなければならないと思います。
 私が大学で学んでいたころに、Aptitude Treatment Interactionという、適性処遇交互作用という、クロンバックという学者が1957年に提唱したものがありました。言うならば、一人一人の子どもに最も適した指導法を試みれば、最も学習効果が高まるという理論なわけですけれども、すばらしいと思いながらも今の日本の実態とか、自分自身の実力からいったら、とてもこれは実現できないと思っていましたけれども、今考えてみれば、個に応じた指導が徹底してきておりまして、教員たちの意識も変わりましたし、それから何よりも組織対応で臨むという学校体制ができています。そういった意味でいけば、かなり成熟してきたと感じます。そういった意味で、多様な教員や人材が学校にいるということが、この適性処遇交互作用を可能ならしめる必須条件かと思っています。
 人間の発達にとっては、やはり影響力のある教員、人との出会いというのはものすごく重要だと思いますけれども、ただ、どんなにすぐれた教員であっても、全ての子どもたちに影響を与えることはできません。そういった意味では多様な教員がいて、それが可能だろうと私は思っています。
 1つの例を言えば、人権教育という教育があるわけですけれども、これはもう欠かせない教育として喫緊の課題として対応しているわけですが、東京にはそういうシステムはありませんけれども、他県では各学校に人権教育担当の教員が加配という形で完全に専任で配置されて、その人たちは授業を基本的には持たない。いわゆる人権教育にかかわる部分のものを持つけれども、教科だとか分掌等については、教科の指導等を持たない、担任も持たない、人権教育そのものについての専門的な立場で学校全体をコーディネートするという役割を果たしている者がいるわけですけれども、こういうシステムが現実にあるわけですから、特別支援教育についてもそういったものが実施されることが望ましいと感じています。以上です。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。中学校の現状を、初めて、具体的な生々しいお話を伺ったわけですが、ここは本当に整備が必要だろうと思いますし、それは特別支援教育を推進する以前の問題として考えなければいけない。それから、様々な具体的なお話をいただきました。ありがとうございました。
 それでは、品川委員、お願いします。

【品川委員】 ありがとうございます。教育ジャーナリストの品川です。大変すばらしくまとめていただきまして、委員長、それから石川委員長代理と皆様におかれましては、本当に大変だっただろうと深く敬意の念をあらわしたいと思います。申し上げたいことは事前に文書で提出しているので恐縮ですが、また少しだけ言わせてください。
 まず全体を拝見しまして、事務局に申し上げたほうがいいかもしれませんが、主語を明確にしていただきたいと痛感しました。すごくいいことがたくさん書いてあってもだれがやるのかがよく分からないところが結構あります。例えばP5の○2には「地域の実情は様々であるが」と非常にいいことが書いてあるのに、これは国がやるのか、地方の自治体がやるのか、あるいは国と地方自治体が一緒にやるのか、保護者がやるのか不明です。主語を明記するとかなり整理されるかなと考えます。それがまず1点目です。
 先ほど新藤委員に御指摘いただきうれしく思っておりますが、この(2)の「共に学ぶ」の、障害のある子、障害のない子という分け方が何とかならないのかと思います。やはりここは可能であれば全ての子どもと、無理であれば教育的ニーズが色々ある全ての子どもがいいかと。障害のない子とはどういう子を指すのかということ自体、問わなければいけない時代に突入していると感じています。障害があるか、ないかという、従来の障害観に立つ限り、大人が気がつかなければ、見た目からでは分からないような教育的ニーズは見落とされていき、結果的に学習不振とか、学校不適応といった形で子どもたちが不利益を受けることにもなります。国が出す文書が、そういったことを助長する可能性があるのはいかがなものかと思っております。
 (2)の先ほどの障害のある子ども、ない子どものところですが、「実感」という言葉がありました。「実感」の後に、ぜひ「達成感」も入れていただければと、細かいことですが考えています。先ほど貝谷委員もおっしゃっておられましたように、ほかの細かいところまで読めば「一緒に学べばいいわけではない」と書いてあることが分かりますが、この四角の中だけを読むと、まだまだ、「共に学べばいい」と読み取れます。この四角の中だけがひとり歩きすることを考えると、やはりただ一緒に学べばいいわけではなく、ニーズに応じたプログラムを個人的にも集団にも入れることが必要だということを、はっきりと打ち出す必要があるだろうと考えます。
 それから、5ページの「インクルーシブ教育システムと地域性」について、コミュニティ・スクールのことを入れていただいて大変ありがたく思いました。先ほど尾崎委員も言っておられたのですが、インクルーシブ教育を推進するときに、もし本当に地域を巻き込むのであれば、実は特別支援学校こそコミュニティ・スクールにしていく必要があると痛感しています。取材をしていますと、特別支援学校は孤立した存在だと思い知ることがたびたびです。その学校が特別支援学校だとは知っていても、子どもたちがバスで通っていたりすれば地域の人たちからしたらどこか遠い存在です。せいぜい文化祭等に顔を出すくらいです。連続性というのであれば、そこははっきりと明記する必要があるだろうと思いました。
 次に6ページの○4で、「各都道府県レベルで『障害保健福祉圏域』」とあります。実はここの表現は慎重にすべきと思っています。というのは、教育界はこの数年ずっと、連携、連携と言い続けています。自治体によっては、例えばこの間の長野県の駒ヶ根市のように教育委員会のなかに児童福祉を取り込んで「子ども課」を立ち上げたところもありますが、それが機能している自治体もあれば、組織は変えてもなかなか意識改革が進まず、かえって疲労感が募っているところもあります。原因は様々でしょうが、土台に教育と福祉、それぞれに携わる人たちのの発想の違いがあることは否めません。乱暴を承知で言うなら、教育界は、ニーズに応じて少し鍛えて社会に出していこう、社会化させようという視点が大きい。福祉は、困ったことがあるなら制度に乗せて少しでも支援が受けられるようにしていこうと考える方が多い。例えばアスペルガー症候群の少年に教育界の人は「君は苦手なところを鍛えて得意な面を頑張ったら、将来、ビル・ゲイツになれるかもしれないよ」などと言い、一方で福祉出身の専門家の中には「手帳をとれば障害年金をもらえるから大丈夫だよ」「手帳があればソーシャルスキルトレーニングも必要ないよ」などと言う人もおられる。この意識の差はなかなか埋まらず、単に何々圏域をつくったからいいということではないと痛感しています。
 ちなみに、この点につきましては、今年の9月10日に「『新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策』について」という閣議決定がありまして、発達障害については適切な支援を早期に行う必要があると、放置しておけば福祉の対象になるが、支援をすれば働いて税金を払う対象になって支援効果が高いということが明記されております。発達障害が入ってきた段階で障害はひとくくりにはできず、機能不全と機能障害、社会参加等できるかどうかなどはそれぞれ別の次元の話だという前提をいま一度、どこかで明確にしていただければいいなと思いました。
 それから7ページについてです。四角の中に「支援」と入れていただいて本当にありがたいと思ったのですが、一方で3つ目の○に、「その結果に合わせて柔軟に」とあります。この「結果」は非常に抽象的と思います。私の提出資料の3ページにも書いているのですが、インクルーシブ教育を推進していく上でとても大事なのは、もちろん保護者の思いも大事なのですが、やはり効果測定だろうと思います。要はどのようにその子どもさんのポテンシャルをアセスメントをして、そのアセスメントに応じてどういう教育が提供されて、その提供された教育が1年後どういう成果を出したのか出さなかったのか。そういった効果測定について、今回いただいているこの文書にはどこにも明示されておりません。子どもの持っているポテンシャルが最大限伸びる教育が実質的に受けられることが保障されるかどうか、保護者の悩みはそこにあります。それと同時に、その教育を受けたことが負のラベリングにならないかということ。この2点を考えていただけたらと思いました。というのは、指導の効果の状況、私としてはここは「結果」ではなくて、例えば「指導効果の状況に合わせて」とか、「効果測定に応じて」とか入れていただけるといいなと思います。学校がニーズに応じて適正指導しても結果が出ないのか、それとも実は学校は適正指導をしていないのかなどを分析的に考える必要があります。
 それから8ページの○1ですが、これはもう毎回申し上げていますけれども、「保護者の意見、教育学、医学、心理学等」と同時に、ここにはぜひ「言語」を入れていただきたい。多分それを配慮されて、いつも私が申し上げるから○2に「専門家に言語発達に知見」と入れていただいているのですが、やはり教育は言語理解なので、早い段階でその子どもの言語の偏りが分かれば、これは特に自閉系のお子さんとかはそうなのですが、教育につながります。学校に入学する前にどれだけポテンシャルを底上げできるかが子どもの成長のカギなので、それを改めて申し上げたいと思います。
 それから○3のところですが、ラベリングにならないということを、気をつけたほうがいいなと思いました。「市町村教育委員会は」と書いてあるところですが、その下に「相談・支援体制の充実に努めることが必要である」と書いていただいていますが、早期発見だけではマイナスのラベリングになりやすいです。発見だけして、療育や教育につながらないケースが現実に非常に多いです。今、1歳半健診でもいきなり子どもに「自閉症でしょうね」と言ってしまっていて、その後、親御さんがどうしたらいいか分からず大変苦しまれるという現実がありますので、発見するのであればきちんと教育につなげなければ、それは「あなたはがんです」と言って放置されるようなものですので、そこのところの文章を慎重にしていただきたいと思いました。
 それから、(2)の「就学先決定の仕組み」の○1における「本人の教育的ニーズ」についてですが、教育的ニーズは私もいつも申し上げていることですが、この就学先決定のところには、やはりアセスメントを一緒に入れていただきたいです。発達検査などのアセスメントによって、要は長年の勘や経験でこの子はこっちがいいよということではなく、WISCやWPPSIをとるのか、あるいは何かほかの発達検査をやるのか、そのデータに基づいてこの子はこちらのほうが伸びるだろうと判断していくと、保護者の理解はもちろん得やすいでしょうし、先ほど石川委員がおっしゃっておられた合意形成のところも納得をされるのではないかと思います。
 一方で、ネグレクトをしている親、あるいは親が御自分の子どもさんのことが受け入れられない場合、だれが責任を負うのかというのは、これを読んだときによく分かりませんでした。そこをいま一度、多分それを意識されて○5の「保護者は、何よりも」と書いていただいているのだけれども、では、来ない子どもの親御さんをどうするのか。学校が引き受けるのか。そこのところを御検討いただきたいと改めて思いました。
 それから、11ページのところの○1です。これもだれが配布するのかは曖昧です。先ほど岡上委員がおっしゃっておられたと思いますけれども、書いたら一生ついて回るから不安だという声は取材をしていても、実際によく親御さんがおっしゃることです。なぜかといったら、こういった書類を書くこと自体が負のラベリングになるのではないかと本人たちが考え、それを一番恐れるからです。ならば書くということが特別なことにならないよう、そうではなくて、全ての子どもさんに最初から配布して誰でも書けるようにしておけばいい。もちろん誰でも、何か課題があれば次につながるということにしておく必要があると思われます。可能性は障害だけではなく、例えば食事の在り様によって後に偏りが出てくることもありますし、虐待や事故なども偏りの原因になります。色々なケースが考えられるので、それを申し上げたいと思います。
 それから、16ページの専門性のところですが、「高発生頻度障害」と入れていただいて、本当にありがたいです。ただ、高発生頻度障害とは何かということが普通は分からないので、ぜひここに、LDとか、自閉症とはっきり書いていただく必要があると思われます。世間の人は、学習障害の可能性がある子どもたちが全国に50万人いるなど知りません。だからこそ、そういうことを明記していただく必要があると思いました。以上です。長々と細かく申し訳ございません。どうもありがとうございました。

【宮﨑委員長】 いつもながら厳しい御指摘をありがとうございます。修文は、できるだけ努めなければいけないと思っています。
 それでは、北住先生、お願いします。

【北住委員】 幾つかありますが、2つだけ申し上げます。先ほど、新藤委員からも出たこと、あるいは品川委員がずっとお話されていることに関して、12ページです。「3.インクルーシブ教育システム構築のための人的・物的な環境整備について」の四角の中で、「発達障害も含め、特別支援教育の更なる環境整備が必要」とあります。特別支援教育を含む一般教育といいますか、私たちが外来で見ていて、もうちょっと先生に余裕があれば何とかこの子は頑張れるのにとか、例えば保育所とか幼稚園だと発達課題のあるお子さんでは、診断名がついていなくても加配がつく場合がありますけれども、そういう加配があるとか、それは障害がある、なしの連続性のある中で、いわゆるボーダーラインという言葉だけではなくて、気づきにくい教育上の特別ニーズがあるお子さんへの対応も含めて、一般教育及び特別支援教育といっていいのではないか。中長期の目標として、あるいは短期的な中でもある程度可能なこととしての一般教育、特別支援教育の更なる環境整備というのが基本的なスタンスとして入れる、うたうべきだろう。この後の各論には、少人数学級の問題とかが入っていますので、少なくとも大きなまとめとしてのところに、大きなテーマとしてそれを入れていただきたいのが1つ。
 それと関連ですが、戻りまして、4ページの上のところ。短期的目標、それから中長期的にはということで、「短期的には、就学相談・就学先決定の在り方、教職員の研修について検討し、必要な財源を確保して」とありますが、短期的にはこれだけなのか。もっと今の中である程度大幅な予算の増額ができない中でもそれぞれ努力目標として、幾つか短期的なほかの努力が免罪されるという可能性がありますので、そういう面で先ほど財源を確保してという、逆に削除という御意見が出ましたけれども、それぞれの状況によって、幾つかのとりあえずできるところとできないところがあると思いますけれども、はっきりうたえなければ、教育等についてファジーな、あいまいな形でもいいですが、これだけではない、先ほどの色々な部分的な加配とか、色々な可能なところも、努力すればある程度できる部分というのがハード面でもあると思いますので、ここを入れていただきたいと思います。以上です。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。大事な指摘をいただきました。
 それでは、山岡委員、お願いします。

【山岡委員】 ありがとうございます。日本発達障害ネットワークから参りました山岡と申します。よろしくお願いします。まず、時限性のあるところでこの特別委員会を運営していただいておりまして、年内に中間まとめ、それから年度内に最終まとめという目標で我々は議論してきたわけです。今、たくさんの意見が出ておりまして、委員長は御苦労されているかもしれませんけれども、中間まとめということでいけば、現在のいただいた試案に、後にいただいた意見を委員長に入れていただいて、残った課題は、年が明けてからまた議論するということで、一旦まとめていいのではないかと感じているところです。そうは申しましても意見を言わせていただきます。
 まず、先ほど言われていました「連続性のある多様な学びの場」という議論の中で、以前に特別支援教室構想のことを申し上げさせていただきましたけれども、今回の資料では13ページに入れていただいておりまして、ありがとうございます。これにつきまして、現在の特別支援学校や、特別支援学級、通級による指導等を見ていますと、かなり落差のある仕組みになっておりまして、これらについては大南委員からも御意見が出ておりますけれども、もう一度中間まとめの後でも結構ですが、ここを議論させていただければというところです。
 それから、2点目ですけれども、これは教員の専門性のところで教員免許のお話を2回ほど前に差し上げているところですけれども、現在の色々な制度をインクルーシブな連続のある制度にする上でネックになっていることの1つに教員の免許制度があるのではないかと思っています。前に申し上げましたけれども、現在は特別支援学校の教員免許状という種別になっています。例えば、河本委員がおっしゃったように、特別支援学級で教える場合に、特別支援学校の免許はあまり有効ではないのではないかと考えております。ですから、できればこの際、特別支援教育用の免許というように制度を変えていただいて、それをベースにして、その上に盲・聾とか、あるいは身体とか、専門性のあるものについては、その上にもう1段階乗せるような形が良いのではないかと思っています。更に、今回の特別委員会の中ではできるかどうか分かりませんけれども、私は、今回の特別委員会は障害者権利条約の批准に向けて我が国の教育制度をどうしていくかということを議論しているという思いで参加していたわけです。今回の議論では、我が国の教育、日本の現状だけ見ていても、おそらく判断できないではないかと思っています。それで、3回ほど前の会議の時にお願いをしていたのですけれども、現在既にかなり多くの国が、障害者権利条約に批准をしています。私が断片的に知っているところでは、例えばドイツ、フランス、ニュージーランド、カナダとかは批准しているわけですけれども、それらの国にも特別支援学校のようなものがあって、在籍者がいることも分かっています。ただ、イタリアだったと思いますが、一部、特別支援学校がなくなったような国もあったと思いますけれども、その多くの国が批准している中で、それらの国ではどのように考えて、どういう方向性の中で批准をしていったのかということですね。我々が、今、中央教育審議会で検討しているところで、どういう制度をつくっていくか検討していますが、世界標準と比較して、障害者権利条約を批准する上で、日本としてどう考えるべきなのかというのが分からないのです。ですから、そういう材料を事務局から与えていただきたいと思っています。おそらく最終的には事務局からは国立特別支援教育総合研究所に御依頼されるものと思いますけれども、私たちにはそういう材料をぜひ与えていただきたいと思っています。
 それから、あと3点申し上げます。中長期的な問題として、特別支援教育の免許状に転換していただけないかという話をしましたけれども、これは実は教員養成の問題が入ってきます。大学の教員の養成方法が変わってきます。
 更に、ここの今の特別支援学校の教員免許みたいな考え方というのは、例えば学校教育法のつくり方も同じような作りになっています。それから、学習指導要領も特別支援学校用の学習指導要領があって、通常の学校の中の特別支援学級で指導をするときは、特別支援学校の学習指導要領を参考にするみたいになっている。それから、通常の学校の中で障害があるお子さんについては、新しい学習指導要領の中では個別の指導計画のようなものを作成して指導することになっていますけれども、それも小・中学校の学習指導要領には何も書いていませんし、それらをたどっていくと、やはり特別支援学校の学習指導要領に準じて行う、参考にして指導を行うようになっている。
 特別支援学校において、専門性の高い指導が必要なお子さんがいらっしゃって、そういう指導が必要だと私も思っています。ただ、現在、通常の学級において、今、品川委員もおっしゃったり、新藤委員もおっしゃったりしたのですけれども、障害があるとかないではなくて、特別なニーズのあるお子さん、通常のお子さんと境界線がないようなお子さんに対する指導というのは、明らかに特別支援学校で行っている教育とは違っているところがあると思っています。
 特に発達障害のお子さんについてはそういうお子さんが多いのですけれども、そうすると、今の制度だと特別支援学校の指導方法に準じてやる教育が通常の学校における特別支援学校教育になっていますけれども、もうそういうことではないと思っています。新たにつくるということで、そこらあたりを考えていただきたいと思います。
 それから、もう一つは、在籍の問題です。今回、インクルーシブ教育の方向に進むとしても、おそらく今在籍については特別支援学校と特別支援学級はそちらに在籍となり、通級指導教室は通常の学級に在籍をしてという形になっています。おそらく、障害者権利条約が求めるインクルーシブな教育を実現していくためには、今すぐできるかというと無理かもしれませんが、我が国の方向としては、全てのお子さんは一度地元の学校に在籍をしてもらって、そこから必要に応じて通級の指導を受けたり、特別支援学校に行ったり、特別支援学級に行けるようなシステムに、1つの方向にそろえることが必要ではないかと思っています。ですから、このような在籍の在り方の見直しについて、できれば長期的な課題としてぜひ入れていただきたいと思っています。
 色々と申し上げましたけれども、中間まとめとして、今回御提案いただきました内容を基本に、委員長に一任ということで進めていただいていいと、私は思っています。以上です。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。今、お話があった、特に免許状関係は、中央教育審議会に別の部会が設置されていますので、そちらにお願いをしなければいけない中身ですし、免許状の仕組みが学校免許状になっていますので、かなり厳しい問題があって、これをどうするかというのが研修システムをつくり上げるかとか、様々あるので、少し時間がかかるだろうと思う。
 それから、学習指導要領に関しては、改訂されたばかりで、今後のこともありますので、この中身についてももう少し時間をかけて検討していってというようなことが出てくると思いますし、更に学籍の問題は少しだけ触れていますが、どのような仕組みがいいかというのは、もう少し時間をかけて検討をする必要があると思います。私も今年ヨーロッパでそのあたりを見てきましたが、それぞれの国がかなり独自の動きをしていまして、批准とは別の仕組みできちんとしたスペシャルエデュケーションという問題を整備しているということがあることは事実です。そこはまた特別支援教育総合研研究所等にお願いをしなければいけないかもしれません。ありがとうございました。

【山岡委員】 できれば、そういったことをこの中央教育審議会の方向の中で、これからの課題として織り込んでいただければありがたいと思います。

【宮﨑委員長】 はい、分かりました。
 それでは、久松委員、お願いします。

【久松委員】 発言の機会をいただきましてありがとうございます。全日本ろうあ連盟の久松です。聴覚障害、聾教育についてまずお話しをさせていただきたいと思います。先ほど石川委員から視覚障害に関する教育の提案、提言の資料が配布されましたが、基本的には聴覚障害も通じる部分が多いですので、そういうところは同じ立場です。私ども聾教育という場でも、集団性と専門性の担保がぜひ必要ですので、そういった部分が非常に大きな問題として今後の課題になります。また、地域格差が大きいですから、それも繰り返し申し上げますが、経済的または人口の少ない市町村での聾教育がもうほとんど子どもが非常に少なくなってきて、教育の専門性が担保されないという事態が起きてきています。集団性も担保できないような状態も出てきています。専門性も生かされないという問題も非常に大きく出てきています。
 また、昨日の朝日新聞に日本財団の笹川会長のオピニオンが載っていました。日本財団は、日本の福祉に非常に影響のある財団ですけれども、笹川会長が手話言語法という新しい法律をつくる必要があるという意見を出してくれています。ですから、今後、聾学校でも、言語教育の中でも、手話の取入れという意見が提案で出されていますが、これも非常に参考にすべきことだと、聾教育の中でも日本語教育と2つの言語について手話との環境を整備していかなければいけないと思っています。
 改めて意見を申し上げますが、確認させていただきたいことがあります。論点整理の1ページのところです。障がい者制度改革推進会議の第一次意見を踏まえた閣議決定において、平成22年度内にの障害者基本法の改正の教育というテーマで結論を出すと。次に、平成24年内を目途に教員の確保、教員の専門性の向上に関する方向の在り方について結論を出すというように書かれています。今、障がい者制度改革推進会議でも、障害者基本法の見直し、障害者基本法の改正案が来年出されます。また、障害者総合福祉法という新しい法案を平成25年の8月からスタートするという予定で、新しい法律の中身を今審議しているという現状があります。
 この間、障がい者制度改革推進会議に差別禁止部会ができまして、平成25年に国会に差別禁止法案を持っていく予定ということで段取りが進んでいます。そういう状況の背景の中で、4ページですが、冒頭のところの「短期的には、就学相談・就学先決定の在り方、教職員の研修について検討し」ということがあり、「中長期的には、合理的配慮を含むインクルーシブ教育システム構築のための人的・物的な環境整備、教職員の確保及び専門性向上のための方策、特別支援教育について」ということが書かれています。これを見ていますと、この方向について審議するということで構わないですが、3ページの○6の下のところには、短期が「『障害者の権利に関する条約』批准まで」で、中長期というのが「同条約批准後の10年間程度」と示されています。そういう期間設定がされています。しかし、今回、批准の仕組みの条件というのは、理解されているように、国内法の整備がまず必要だということで、大体4年ぐらいというように、私は理解しています。その後に批准されていくだろうと思っていますが、そういう意味で、そこまでの段取りに合わせてる形が必要ではないかと私は思っています。ですので、今の状況では、私は、前にも意見を申し上げたとおり、踏み込んだ書き方をしていただきたいということで、非常に宮﨑委員長に頑張って、手を突っ込んで、踏み込んだ意見も書いていただいたと思うんですが、例えば就学先決定のその後に、批准後に、合理的配慮、環境整備を検討していくという言い方がまだまだ合理的な配慮の環境整備ができていない状況ですが、しばらくは続くわけですから、現状としては地域の学校に行くということ、子どもがきちんと個別のニーズに応じた教育を受けられるような状況でない環境が続くのではないかと思っています。ですから、検討するというのは、中長期ではなく、短期の中に検討する。そして、環境整備をするということを中長期のほうに入れるような段取りで決めていきませんと、今、就学先決定を決めても、一般地域の学校で学びたくても個別ニーズで支援を受けられないという状況ですね。支援を受けられないという、そういう環境整備が整わない大きな問題があるかと思います。その整合性を図る必要性があると思いまして、あえて意見を申し上げました。以上です。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。先ほどの御意見と同じように、短期、中長期の視点を少し検討しなければいけないということを御指摘いただきました。ありがとうございました。
 それでは、中村委員、お願いします。

【中村委員】 NPO法人若駒ライフサポートから参りました中村文子です。意見発表の場を設けていただいてありがとうございます。私としては、「はじめに」のところでぜひ加えていただきたいものが1つありますので、意見を述べさせていただきます。インクルーシブ教育ということで、どうしても批准のことから、この場では障害の有無にかかわらず同じ場で学ぶというところに視点が置かれがちですが、私、保護者の立場、また当事者の立場としては、まず地域の中で障害の有無にかかわらず、地域の子どもであるということが優先されるということに重点を置くことが非常に必要だと思います。平成15年から始まりました特別支援教育という理念の中では、それに重きを置き、場の教育からニーズの教育に移していくということが大きく掲げられていたと認識しています。ぜひ、「はじめに」のところでその部分を明記していただけたらと思います。
 多分、それは当たり前であると認識される委員の方々、関係者の方々、いらっしゃるかと思いますが、現実、地方行政に参りますと、まだまだ支援学校に行ってしまうとそれは県の子どもである、都の子どもであるという認識を持っている行政は少なくありません。私はやはり、まず地域の子どもであるというところを、きちんと初めの総論の部分で明記していただくことがとても必要ではないかと思います。
 そして、その考え方から参りますと、先ほどの山岡委員の意見につながるところですが、スクールクラスターのイメージでどこが核になるかというと、やはり地域の小・中学校が核になり、その子のニーズを把握し、その結果、特別支援学校で終日学ぶことが適正であるとしたら、そこで終日学ぶという結果を導き出すという過程が必要ではないかと思っています。ぜひその部分を明記いただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。
 それでは、中澤委員、お願いいたします。

【中澤委員】 2点は、本日の何名かの委員の御発言に対するリアクションと、あと私自身の意見となります。先ほど、佐竹委員から、軽度の障害のある子どもたちもかなり今は特別支援学校に動く傾向があるというところで、そこで就学指導を適切にという意見もありますが、実は、その背景に押さえなければいけないのは、どのように資源を配分していくのかという根本的なところかと思います。
 今は、特別支援学校に入れば、子どもの障害が重い、軽いにかかわらず、その人数に対して費用がつくとなると、やはりより多くの支援を求める親は、お金がいっぱいつくところに入れたがると思います。「場」にお金がつく資源配分であると、こういうことはなかなか防げないのではないかと思いました。
 特に日本では、特別支援学校への移動にはあまりハードルは高くないですが、反対は高いですけれども、こういう現状が今、起きつつあるだろうと思いました。どこに書くのが適切かは分かりませんが、財源の確保だけでなく、その財源をどう配分してインクルーシブな制度にしていくかという取扱いが必要かと思いました。
 もう一つ、品川委員から出た障害のある子ども、ない子どもというところの問題です。この障害のある子どもをどう定義するのか。これも根本的なところで、制度設計のときに、実は不可欠なのではないかなと思いました。ここを見ますと、定義はされていません。私は自分の役割として、アメリカ、イギリスの紹介をしているとき、たまたまこの2つの国は2つのやり方で、アメリカの場合は明確に13の障害を定義していて、そこに入れるか、入れないかで支援が受けられるかどうかが分かれます。
 一方、イギリスは、実はいわゆる低発生頻度障害など、比較的すぐに分かりやすい障害については、後でそういう整理はしていますが、比較的軽度で区分けが非常にしにくいところは、学習困難という枠で処理をしています。ですので、この2つの国は定義が異なっています。
 しかし、この変遷を見ていますと、アメリカは徐々にかっちりした定義ではその定義に入るまでに状態が悪化して、初めて定義の中に入ってきて支援が受けられる問題に気づき、今、非常に柔軟に障害が認定されていない子どもも予防的にどう対応するかという動きになっているということを御報告いたします。
 ここでもやはり障害のある、ない、これは差別云々ではなく、だれを支援するのかということを定めるために議論とか、整理が必要かと思いました。
 また、別に整理すべきかと思いましたが、情報提供です。教員の専門性向上について、イギリスの取組が比較的今の日本に参考になる部分があると思い、少し短く御報告します。
 イギリスは2001年の法改正でよりインクルーシブな制度に持っていこうと動きを始めましたが、一気に通常の教員養成の中に、より障害の子どもについてのことを入れるとしても、新たな教員が出てくるのにも時間がかかるし、既に教員になっている方々の専門性をどうするのかという問題があり、それに対する対応として、10年計画の中で今やっていることがあって、この10年の中で、最初の2年間、いわゆる高発生頻度の障害について、4種類、2年ずつかけて、アシスタントから、通常の学校の教員から、校長さんからも簡単に学べるインターネット上で資源を提供するインクルーシブ教育を発展させるための研修プログラムというのを、4つの種類の高発生頻度についてつくって提供しています。
 そうすることによって、きちんとした教員養成の中で人をつくっていく過程の中で、落ちこぼれていってしまう現役の先生とか、アシスタントの方々にも、最低限の研修的なものが提供できるような取組をしています。こういったことは、外国の例を参考にするといいのかなと思いました。
 また、コーディネーターについても、この10年の間に、より専門的な研修を受けるシステムになってきているようです。
 最後に1点、自分の専門領域の盲ろうについて、一言述べさせていただきます。今回、石川委員から非常にすばらしい視覚障害についての教育について述べられましたし、また久松委員からは、常に聾教育、その中に盲ろうも入れていただいて、この独自な低発生頻度の2つの障害について述べられているところです。
 障害者権利条約に入っている盲ろうは、更にこの2つが重なった極めて困難な障害で、かつ大体どの国でも最も頻度の低い希少障害と呼ばれている領域です。この権利条約にせっかくこれが取り上げられており、21世紀の特別支援教育の在り方でも対応が必要であるということが述べられていますので、ぜひ日本でも、16ページの○2に低発生頻度障害のことが書かれており、括弧で「視覚障害、聴覚障害、重度・重複等」になっておりますが権利条約に入っていた盲ろうが消えてしまっていますので、盲ろうについて、ここに入れていただけるとありがたく思います。以上、私からの意見です。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。海外事情等も踏まえてお話をいただきました。これについては、また折を見て、先ほど山岡委員からお話があったような問題も含めて整理をしていかなければいけないと思います。
 それでは、大南委員、お願いします。

【大南委員】 全国特別支援教育推進連盟の大南です。前回は欠席をし、本日も遅参をして申しわけありませんでした。4点申し上げます。まず第1点は、8ページの(2)の○1の内容ですが、前回資料6で、更に佐竹委員がかわりに説明をしてくださったわけですが、私はこの書き方で賛成です。
 2点目、13ページです。(1)の○2、特別支援教室構想、本日、資料の2として提出していますけれども、細かく話しませんが、19ページをちょっとお開きいただきたいんですが、19ページのこの答申は、この中央教育審議会の答申ですが、平成17年12月に出ております。5年前です。そこで、四角の枠で小・中学校における制度的見直しについての3つ目の○が特別支援教室(仮称)の構想についてです。
 13ページでは、最後のほうに「その導入に向けて課題を整理し、検討を進めていく必要がある」。このトーンですと、平成17年12月に出ているものよりも先へ進んでいるとは読めない。ですから、この平成17年に出ているここの部分を更に深めて、といいますのは、例えば国立特別支援教育総合研究所で幾つかのモデル校の実践をまとめているはずですね。
 それから、各県でもモデル事業として、特別支援教室を動かしつつあります。例えば東京都は、来年検討を始めて、平成24年から小・中学校で特別支援教育構想を実際的に実施しようという動きがあります。ですから、そういうものを踏まえながら導入に向けて検討すると。この辺を、前回よりは進んだ形での表現にぜひお願いしたいと思います。
 それから、17ページです。(2)の○1、これが特別支援学校教諭免許状の保有の問題ですが、ここも「現行制度の見直しを検討する必要がある」となっていますが、19ページではもっと踏み込んでいます。「時限を設けて廃止することが適当である」というのが平成17年の答申です。ですから、これを踏まえた上で見直しをという、ですから「早急に時限を設ける」というぐらいのことを書かないと、先へ行かないのではないかと私は思います。これも、実は前回の資料6で書いております。この3点。
 それから、4点目は、先ほど何人かの委員の方がおっしゃったのですが、特別支援教育という言葉で、「特別」をなぜつけたのかというのが平成12年ごろから議論をされてきたわけです。それは何か。本当は「支援教育」でいいのではないかと。でも、なぜ「特別」にしたかというと、当時1.何%しか特殊教育を受けていなかったわけですね。
 一方、アメリカは十数%であるし、イギリスもそれに追随をしていく。その中で、特別を入れなかったら、全部本当に教育的ニーズに応じた教育をやろう。羊頭を掲げて狗肉を売るようなことを書いては困るだろうということで、特別という中で一応限定をしてきているわけです。
 5年たった今、その限定を外すぐらいのところまで進んだのかというと、私はまだだと思います。ということは、障害がある、ないという表現はともかくとして、そういう意識を全ての教員が持っていかない限り、先へは行かないだろうと思います。「いや、大南は障害がある」、「宮﨑委員長は障害がない」とかと、そういう言い方で分かる部分は結構ある。でも、もともと2人とも同じ人間ではないか、同じ子どもではないかということは、教師としては当然持っていなければならない。そういう点で、若干昔の経緯を申し上げましたけれども、せめて8%から9%いくまでは、特別支援教育でいかがかと。それ以降になれば、アメリカ合衆国のように十数%までいくのだったら、特別支援教育ということ自体がちょっと違和感が出てくるだろうと。
 ですから、その間の過渡的な用語として特別支援教育を私は使っていくのだろうと。私の目の黒いうちに「特別」がとれてくれたら、こんなにうれしいことはないというように思っています。ありがとうございました。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。前回の答申を踏まえて、もう少し踏み込んだ記述をすべきという御指摘です。
 現実、なかなか進んでいない部分と、進んだ部分とをどう整理するかというのはとても難しくて、先ほど尾崎委員からあったような問題も一方である中で、教育職員免許法附則第16項をどんな形で外していくかという検討はしていかなければいけないと思ったりもしているところです。
 それでは、安彦委員、お願いいたします。

【安彦委員】 早稲田大学の安彦です。先ほどからずっと感じていたことですけれども、インクルーシブということで、全体を一くくりにというような方向性と、それをあまり言われると個々の特性に対して無視されそうだという不安と、その2つの流れがあるのかということを感じました。
 それで、今の大南委員のお話もそうですけれども、どちらかといいますと、私は個別指導とか、個別化のことをやってきた人間でして、そういう意味で言うと、例えばここに「特別」という言葉を「個別」と言ったらどうなのかと。個に応じた、あるいは個別的な教育的ニーズとか、個別の教育的ニーズとかというように広げて一般的に言えば、まさに一人一人に対して、結果としてインクルーシブになっていくわけです、ある意味では。例えば2ページの四角の中の言葉で言えば、2つ目の○の中にある文言としては、その2行目を「その時点で『個別の』教育的ニーズに最も的確にこたえる指導を提供できる多様で柔軟な仕組み」とするか、あるいは次の文章の「子どもの」というのは、もう少しきちんと個別的な面を入れると、「子ども一人一人の学習権を保障する観点から」とか、もう少し「個別」とか、「個」ということについて、そういう視点を入れてくださると、全体を救う部分があるのではないだろうかと思いますので、その辺の表現のところを工夫していただけたらありがたいと思います。

【宮﨑委員長】 ありがとうございました。実は、私の修文をしなければいけないのが、多分真っ黒になるぐらい、皆様から色々な御意見を頂戴したわけです。
 実は、冒頭に現在の障がい者制度改革推進会議の第二次意見の方向性ですとか、様々な動きの中で私どももある程度整理をして、そちらに合わせる形で中間の取りまとめをしたいなと思ってきたわけです。
 これは、お諮りをしたいのですが、とりあえず、とにかく今日出された御意見を修文して、そして、今日の各委員の御意見については一定の修文をした後に皆様にお諮りをして、中央教育審議会の本体で御議論していただいて、年内に一定の報告を出すというような取りまとめができたらありがたいのですが、もう一度とにかくやるということであれば、そのようなことでもいいのですが、あまりにも色々な御意見が出ておりますので、皆様にとにかく見ていただくということは必要だろうと考えているところですが、いかがいたしましょうか。
 一応、予定としては、12月の末にもう1回という日程はとってはありますが、ここで一度皆様にお諮りをしたいと存じます。私の方で修文をして、それについて皆様から御意見をいただき整理して、それを中央教育審議会にお諮りをして、年内には障がい者制度改革推進会議に私どもの御意見として提出をさせていただくというような方向でよろしいでしょうか。
 それでは、まだ十分詰め切れていないところもありますが、今日いただいた個々の御意見とか、ニュアンスなどを反映する形で、論点整理をさせていただくということで、これにつきましては、石川委員長代理とも御相談の上で、最終的には事務局ともやりとりをして、皆様に報告をさせていただくと。そして、初等中等教育分科会に御報告をすると。
 それから、これはまだまとめではありませんので、一通りの整理の状況ということで押さえていただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【宮﨑委員長】 ありがとうございます。
 それでは、そんなような対応をさせていただくということで、ぜひ御理解を頂戴したいと思います。
 また、今後の本特別委員会の運営につきましては、事務局から御連絡をさせていただくことにいたしたいと思います。
 それでは、事務局から事務連絡をお願いいたします。

【助川特別支援教育課課長補佐】 特別支援教育課の助川です。前回の議事録の案を委員の先生方にお配りしていますので、こちらにつきまして修正等あります場合は、12月10日、1週間後までに私ども事務局までお送りいただきますよう、よろしくお願いいたします。以上です。

【宮﨑委員長】 それでは、本日の会議はこれで閉会といたします。御出席いただきました委員の皆様には、改めてお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

 

―― 了 ――

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)