○小学校・中学校・高等学校または幼稚園の教員
小学校・中学校・高等学校又は幼稚園の免許状取得に当たっては、教職に関する科目中、「幼児、児童及び生徒の心身の発達及び学習の過程」において、「障害のある幼児、児童及び生徒の心身の発達及び学習の過程」を学ぶこととされている。(教職員免許法施行規則第6条の表中の第3欄)
○特別支援学校の教員
特別支援学校の教員は、小学校・中学校・高等学校又は幼稚園の教員の免許状のほかに、特別支援学校の教員の免許状を取得することとなっている。(教育職員免許法第3条第3項)
従来、盲学校・聾学校・養護学校ごとに分けられていた教員の免許状は学校教育法等の一部改正(平成19年4月施行)により、特別支援学校の教員の免許状に一本化された。
特別支援学校教員免許状の取得のためには、様々な障害についての基礎的な知識・理解と、特定の障害についての専門性とを確保することとし、大学等における特別支援教育に関する科目の修得状況等に応じ、教授可能な障害の種別(教育領域。例えば「視覚障害者に関する教育」等。)を特定して授与される。
○特別支援学級や通級による指導を担当する教員
特別支援学級や通級による指導は、小学校・中学校の教員免許状を持っている教員が担当することができる。
特別支援学校教員の免許状保有率(各年5月1日現在) |
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平成20年度 |
教員全体69.0% |
うち新規採用者60.0% |
平成21年度 |
教員全体69.5% |
うち新規採用者61.3% |
平成22年度 |
教員全体70.0% |
うち新規採用者60.3% |
特別支援学級担当教員の特別支援学校教諭免許状保有率(各年5月1日現在) |
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平成20年度 |
小学校33.8% |
中学校28.0% |
合計32.0% |
平成21年度 |
小学校33.3% |
中学校27.9% |
合計31.6% |
平成22年度 |
小学校33.0% |
中学校27.4% |
合計31.3% |
○特別支援学校教諭免許状の認定講習会の実施および放送大学の活用の推奨(福井県)
○特別支援学級担当者の免許保有率の調査を毎年実施し、特別支援学級担当者に免許保有を促してきた。(福井県)
○(免許法認定講習について、大学と)県教育委員会が行う講習との日程や科目の重複を避けるなど、連携した対応を実施。(鹿児島県)
○特別支援教育担当教職員には、専門的な知識や技術が求められている。そのため、研究・研修等を行う機関として、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所や各都道府県等の特別支援教育センターなどがある。
○独立行政法人国立特別支援教育総合研究所では、特別支援教育に関する実際的・総合的研究、特別支援教育担当教員や特別支援教育センター等の教育相談員などに対する研修、教育相談などを行っている。
○なお、これらの機関で行われている研修や講習会の中には、特別支援学校の教員免許状取得に必要な単位を修得するための免許法認定講習もある。
特別支援教育に関する教員研修の受講状況(平成15年4月1日~平成22年9月1日) |
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○1 国公私立幼小中高計・教員研修受講率 |
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受講済 584,276人(58.1%) |
未受講 421,386人(41.9%) |
○2 国公私立幼小中高計・管理職研修受講率 |
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受講済 69,076人(70.3%) |
未受講 29,225人(29.7%) |
○専門研修への派遣(福井県)
○県単独機関としての県特別支援教育センターを設置(福井県)
○自主的な研究会(福井県、鹿児島県)
○特別支援学校の教員が小・中学校等へ出向く巡回相談とは別に、小・中学校等の教職員を対象にした研修会を、各特別支援学校において実施。(鹿児島県)
○県内の県立,国立を含む全ての16校の特別支援学校(盲学校1校、聾学校1校、養護学校14校)が、それぞれの担当地域を設定し、各地域の小・中学校等からの要望に応じて巡回相談を実施。(鹿児島県)
○離島における教員の専門性の向上に関する取組・・・県総合教育センターにおける移動講座の実施(鹿児島県)
(特別支援教育の在り方に関する特別委員会第4回(平成22年10月5日))から抜粋)
(1)小中学校における特別支援学級設置状況および特別支援学校教諭免許状保有率
昭和45年度 |
平成13年度 |
平成17年度 |
平成21年度 |
平成22年度 |
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小中学校総数 |
405校 |
306校 |
299校 |
289校 |
279校 |
特別支援学級設置校 |
124校 |
101校 |
143校 |
175校 |
182校 |
特別支援学級児童生徒数 |
1,541名 |
452名 |
591名 |
757名 |
786名 |
設置率 |
31% |
33% |
48% |
61% |
65% |
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小中特別支援学級 |
14人 |
75人 |
110人 |
158人 |
160人 |
小中特別支援学級 |
171人 |
59人 |
71人 |
65人 |
73人 |
保有率 |
7.6% |
56.0% |
60.8% |
70.9% |
68.7% |
(福井県特殊教育要覧資料より 4月1日現在)
○昭和45年度から特別支援学級担当者の免許保有率の調査を毎年実施し、特別支援学級担当者に免許保有を促してきた。
福井県内の小中学校における特別支援学級については、昭和45年度の調査では31%の設置率であり、平成13年頃まで大きな変動はなかった。しかし、その後、特別支援学級の設置が増加し、平成22年度には182校に設置しており、設置率は65%であり、昭和45年度から平成13年度までのほぼ倍の設置率である。
また、特別支援学級担当者の特別支援学校教諭免許状の保有については、昭和45年度は保有する者が少なく、保有率は7.6%であった。しかし、その後、徐々に保有する者が増加し、平成13年度には56%となった。平成17年度には約60%を超える保有率となり、平成21年度には70.9%の保有率であり、平成20年度の全国平均の32%を大きく上回っている。
(2)(略)
(1)(略)
(2)福井県教育委員会の取り組み
○1 特別支援学校教諭免許状の免許法認定講習の実施および放送大学の活用の推奨
平成14年度から、特別支援学校教諭免許状取得のための免許法認定講習を開始し、特別支援学校および特別支援学級担当の教員などが多く受講した。
また、放送大学における特別支援教育関係の受講者は、全国の学習センターの中でも多い方である。
○2 専門研修への派遣
国立特別支援教育総合研究所が専門研修(短期研修)を開始した昭和47年度から、小中学校特別支援学級担当者(小学校1名、中学校1名)を毎年派遣している。
○3 県単独機関としての県特別支援教育センターを設置
昭和45年~
前機関としての特殊教育推進センターを設置(県下5地区)
在宅心身障害児の家庭訪問指導の開始
昭和58年~
福井県特殊教育センター(嶺南駐在含む)を開所
(所長以下21名の特別支援教育の専門スタッフの配置)
特別支援教育センターの設置により、市町教育委員会や小中学校等が特別支援教育の専門性と重要性の認識が広まり、特別支援学級の校内人事の考え方に大きな影響を与えている。
○4 特別支援教育に関する手引き等の刊行と改訂
昭和33年より、指導の手引き書等を作成し、広く啓発を図ってきた。
○5 特別支援教育総合推進事業(平成22年~国の委託事業)
県内6地区の専門家チーム会の協力を得ながら、小中学校の特別支援学級担当者および通級による指導担当者を対象に、学識経験者による相談会(授業参観を含めた相談会、研修会)を行っている。
○6 その他
(1)昭和45年時以前から特別支援学級担当者の免許保有状況や特別支援教育の経験年数について経年的に調査を行ってきたことや、福井大学の教員養成、免許法認定講習の実施などの取り組みにより、小中学校における特別支援教育の専門性を重視してきた。
(2)単独機関としての福井県特別支援教育センターを設置している。また、特別支援教育に関する手引きやリーフレット等を作成し、啓発活動を継続している。
このことにより、特別支援教育に関する専門的な相談や研修が日常的に受けられ、教員の関心、知識、理解を深めることができた。
(1)県特別支援教育センターの研修講座の実施(16~18講座)
平成19年度から発達障害に関する講座も実施
(2)特別支援教育コーディネーターの養成研修講座の実施(平成13年度~)
小中学校対象の講座は、年間6~10講座と年間8~11講座の2コース
高等学校対象の講座は、年間7回
(3)特別支援学校教諭免許法認定講習の開催(平成14年度~)
(4)福祉部と連携した発達障害に関する理解啓発のリーフレット等の作成と配付
(1)特別支援教育センター
(2)特別支援学校
(3)通級による指導、特別支援学級による指導
通常の学級の気がかりな児童生徒の指導への活用
(4)各地区の専門家チーム
(1)特別支援学級の設置率の向上
(2)通級による指導担当者の加配
(3)重度の障害の児童生徒が特別支援学級へ入級した場合の学級運営
(4)特別支援学校および特別支援教育センターとの連携
(5)通常の学級との指導上の連携(教科教育と特別支援教育の連携)
(6)経験年数の少ない担当教員の育成(免許取得、意欲等)
(特別支援教育の在り方に関する特別委員会第4回(平成22年10月5日))から抜粋)
ア 各種研修等
○巡回相談 |
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【参考:平成21年度実績】 |
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巡回相談の件数 |
1,088件 |
来校・電話相談の件数 |
890件 |
○研修会 |
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|
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【参考:平成21年度実績】 |
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研修会実施回数 |
32回(35日) |
研修内容 |
知能検査の分析,個別の指導計画の作成等 |
【参考:平成21年度実績】 |
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○全体会 |
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---|---|
教育課程 |
年1回開催(24人参加) |
自立活動 |
年1回開催(30人参加) |
○部会 |
|
進路指導部会 |
年3回開催(延べ48人参加) |
コーディネーター部会 |
年2回開催(延べ51人参加) |
国語部会 |
年1回開催(25人参加) |
算数・数学部会 |
年1回開催(24人参加) |
イ 特別支援学校免許状保有率の拡大
【参考:保有率(平成22年5月現在)】 |
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視覚障害 |
40.0%(自立教科等の免許保有者を含む) |
聴覚障害 |
24.2% |
知的障害 |
76.7% |
肢体不自由 |
82.6% |
病弱・虚弱 |
74.5% |
【免許法認定講習の実施態勢】 |
○鹿児島県教育委員会 |
---|
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○国立大学法人鹿児島大学 |
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ウ 離島における教員の専門性の向上に関する取組
【参考:平成21年度実績等】 与論島において,特別支援教育の講座を実施し,10人が参加。平成22年度においては,奄美大島及び徳之島での実施を予定。 |
【参考:「鹿児島県特別支援学校教職員人事異動の標準」】 原則として,在任中に,中種子養護学校又は大島養護学校での勤務(標準勤務年数:5年)を1回以上経験するものとする。 |
ア 生涯を通じて求められる資質能力
イ 教職員のライフステージに応じて求められる資質能力
ア 障害のある教職員の受入
【参考:聴覚障害のある教員の受入例】 ○新規採用教員として鹿児島聾学校に赴任 ○校内では他の教職員が手話等で対応 ○悉皆研修に参加する場合は手話通訳士の依頼を行うとともに,その他の希望研修に参加する場合は,研修会担当者が講義の口述書を事前に配布するなどの対応を実施 |
イ 障害者特別選考の実施
【参考:受験資格】 ○身体障害者福祉法第15条に定める身体障害者手帳(1~6級)の交付を受けている者 ○自力で通勤が可能であり,かつ介助を要しないで教員としての職務遂行が可能な者 ○鹿児島県内に居住する者 |
ア 「移行支援シート」の作成と活用
【参考:アンケート調査に基づく活用実績(平成21年度)】 |
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幼稚園・保育所 → 小学校・小学部の活用件数 |
54件 |
小学校 → 中学校・中学部の活用件数 |
21件 |
中学校 → 高等学校・高等部の活用件数 |
9件 |
イ パンフレット「高等学校における特別支援教育の推進」を全高等学校教員に配布
初等中等教育局特別支援教育課