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資料7:河本委員提出資料

第七回の自由討議資料
特別支援学級と通常の学級における「交流及び共同学習」について

平成22年11月19日
全国特別支援学級設置学校長協会長
中野区立桃園小学校長 河本 眞一

 まず最初に、これから述べる意見は「全国特別支援学級設置学校長協会長」としての意見であることをお断りしておきたい。したがって、区市町村立小中学校に設置されている特別支援学級の児童生徒と通常の学級の児童生徒との交流及び共同学習についての意見であり、特別支援学校に籍を置く児童生徒のことに関しては、全国特別支援学級設置学校長の立場では控えさせていただきたい。

1 平成20年3月、文部科学省が告示した「小学校学習指導要領」及び「中学校学習指導要領」には、交流及び共同学習のことに関して、次のように記されている。

    小学校

      第1章  総則

        第4 指導計画の作成に等に当たって配慮すべき事項

        (12)学校がその目的を達成するため、地域や学校の実態等に応じ、家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また、小学校間、幼稚園や保育所、中学校及び特別支援学校などとの間の連携や交流を図るとともに、障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習や高齢者などとの交流の機会を設けること。

    中学校

      第1章  総則

        第4 指導計画の作成に等に当たって配慮すべき事項

        (14)学校がその目的を達成するため、地域や学校の実態等に応じ、家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また、中学校間や小学校、高等学校及び特別支援学校などとの間の連携や交流を図るとともに、障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習や高齢者などとの交流の機会を設けること。

2 障害者基本法

    第14条

      第3項

         国及び地方公共団体は、障害のある児童及び生徒と障害のない児童及び生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによって、その相互理解を促進しなければならない。

3 「交流及び共同学習」の時間のねらい

    障害のある児童生徒にとって、交流及び共同学習で期待できること。

    ○1 より確かな社会性の伸長が望まれる。
    ○2 より大きな集団の中で、幅の広い人間関係の育成に期待がもてる。
    ○3 人関係のスキルや言葉の学びへの期待がもてる。
    ○4 交流及び共同学習を行うことにより、かかわり合いや成就感から意欲・自信の育ちに期待がもてる。

    また、障害のない児童生徒にとっては、

    ○1 障害のある友達を正しく理解する力の基礎を育成することに期待できる。
    ○2 一人一人の違いを認め合う人権感覚の基盤の醸成に期待できる。
    ○3 仲間意識、社会の一員としての平等感の伸長に期待できる。
    ○4 ノーマライゼーションの理念の素地の育成に期待できる。

3 全国連合小学校長会の調査(H21.7~8)によれば、全国の95%の学校で通常学級と特別支援学級との間で「交流及び共同学習」が行われているとの結果が報告されている。

     しかし、小中学校学習指導要領・障害者基本法に示されている「交流及び共同学習」の意図やその目的にそって、計画的に進められているか疑問が残る。言うならば、どのような交流及び共同学習を、いつ、どのようなねらいをもって、どのような計画で行われているか。そして、一回一回の交流及び共同学習が、PDCAサイクルにより見直しが行われ次に生かされていっているかである。

     したがって、交流及び共同学習を日常的・効果的に実施していくために必要なことは、

    ○1 年間指導計画の作成は、児童生徒の状況を把握し、個別の教育支援計画及び個別の指導計画に位置づけられているか。
    ○2 通常の学級担任との共同姿勢はとれているか。
    ○3 相互の児童生徒にとっての学習目的は明らかにされているか。
    ○4 特別支援学級の時間割を優先して計画を立てているか。
    等々が重要となる。

4 今年度の全国特別支援学級設置学校長協会の全国調査(9,022校からの回答)では、

    ○1 学校経営方針に特別支援学級等を含めた特別支援教育の内容を盛り込んでいるか。

      いる  → 93%
      いない → 7%

    ○2 交流及び共同学習を学校経営方針に盛り込んでいるか。

      いる  → 72%
      いない → 28%

    ○3 学校評価の評価項目に特別支援学級等の内容を盛り込んでいるか。

      いる  → 68%
      いない → 32%

    ○4 学校評価の結果を特別支援学級等の指導に生かしているか。

      いる  → 82%
      いない → 18%

     という結果であった。全国の95%の学校で通常学級と特別支援学級との間で「交流及び共同学習」が行われているとの調査結果もあるが、各学校で交流及び共同学習の所期の目的の達成をめざし、充実した活動を展開していくためには、まず学校の経営者である校長の特別支援教育に対する幅の広い識見とマネジメント力が重要である。
     全国特別支援学級設置学校長協会としては、今後の通常学級と特別支援学級との間の交流及び共同学習がより充実した活動となり、どの学校でも計画的・意図的に実践できるよう情報の発信を行っていきたい。

5 各区市町村教育委員会では、管下の各小中学校の教育課程編成に向け、特別支援教育に関する方針をすべての小中学校の教育課程に明記すべきことを指導されることをお願いしたい。また、特別支援学級設置校においては、各学校の教育課程・特別支援学級の教育課程の両方に交流及び共同学習に関するねらいや内容、年間指導計画等を、障害者基本法・学習指導要領に明文化されている内容を強調し、教育課程の中に「交流及び共同学習」の項目を立てて、指導していかれることを併せてお願いしたい。

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

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(初等中等教育局特別支援教育課)

-- 登録:平成22年11月 --