資料10:鹿児島県教育委員会提出資料

中央教育審議会 初等中等教育分科会
特別支援教育の在り方に関する特別委員会
ヒアリング資料

平成22年10月5日
鹿児島県教育庁
義務教育課

1.本県の基礎データ(平成22年5月現在)

(1)特別支援学校

    ア 県内の特別支援学校は,16校(県立15校,国立1校)であり,特に,いわゆる離島において,県立の養護学校を2校(種子島の中種子養護学校,奄美大島の大島養護学校)設置している。
     さらに,平成24年度からは,鹿児島市内に,本県初となる高等特別支援学校(県立)の開校を予定している。

    イ 小学部・中学部の在籍者数は,訪問教育を含めて計1,004人であり,平成12年度からの10年間で,約1.12倍となっている。

(2)特別支援学級

    ア 公立小・中学校における特別支援学級の設置状況としては,小学校が,265校(全576校)に396学級,中学校が,143校(全248校)に185学級となっている。
     鹿児島県の場合,小・中学校の約半数が離島やへき地の小規模校であることなどもあり,特別支援学級の未設置校数は比較的多い。

    イ 在籍者数は,小学校1,185人,中学校509人で計1,694人であり,平成12年度からの10年間で,約1.87倍となっている。

2.ヒアリング事項

(1)教職員の専門性確保に向けた取組

    ア 各種研修等

      • 経験年次別研修
      • 職務別研修
      • 特別支援学校による巡回相談・研修会

○ 巡回相談

    • 県内の県立,国立を含む全ての16校の特別支援学校(盲学校1校,聾学校1校,養護学校14校)が,それぞれの担当地域を設定し,各地域の小・中学校等からの要望に応じて巡回相談を実施。
    • 従前は,小・中学校等における校内研修会への講師派遣依頼が中心だったが,この数年では,各小・中学校等における具体的なケースに関する助言や協力を求めるものが多くなっている。

【参考:平成21年度実績】

    巡回相談の件数:1,088件
    来校・電話相談の件数:890件

○ 研修会

    • 特別支援学校の教員が小・中学校等へ出向く巡回相談とは別に,小・中学校等の教職員を対象にした研修会を,各特別支援学校において実施。
    • なお,研修内容の決定に当たっては,各地域の小・中学校等のニーズの把握を事前に行っている。

【参考:平成21年度実績】

    研修会実施回数:32回(35日)
    研修内容:知能検査の分析,個別の指導計画の作成等 

      • 特別支援学校長会による自主研修会(主に特別支援学校の教職員対象)

【参考:平成21年度実績】

○ 全体会

    教育課程:年1回開催(24人参加)
    自立活動:年1回開催(30人参加)

○ 部会

    進路指導部会:年3回開催(延べ48人参加)
    コーディネーター部会:年2回開催(延べ51人参加)
    国語部会:年1回開催(25人参加)
    算数・数学部会:年1回開催(24人参加) 

    イ 特別支援学校免許状保有率の拡大

      • 特別支援学校免許状保有率の現状

【参考:保有率(平成22年5月現在】

    視覚障害:40.0%(自立教科等の免許保有者を含む)
    聴覚障害:24.2%
    知的障害:76.7%
    肢体不自由:82.6%
    病弱・虚弱:74.5% 

      • 免許法認定講習

【免許法認定講習の実施態勢】

○ 鹿児島県教育委員会

    • 毎年の夏期休業中に,特別支援教育に関する科目を3科目以上開設。平成21年度は,3科目を延べ233人が受講。

○ 国立大学法人鹿児島大学

    • 文部科学省「特別支援学校教員専門性向上事業」の委嘱により,特別支援教育に関する科目を3科目程度開設(8月~12月にかけて実施)。平成21年度は,3科目を延べ165人が受講。
    • 県教育委員会が行う講習との日程や科目の重複を避けるなど,連携した対応を実施。 

    ウ 離島における教員の専門性の向上に関する取組

      • 県総合教育センターにおける移動講座の実施

【参考:平成21年度実績等】

     与論島において,特別支援教育の講座を実施し,10人が参加。平成22年度においては,奄美大島及び徳之島での実施を予定。 

      • 人事異動上の配慮

【参考:「鹿児島県特別支援学校教職員人事異動の標準」】

     原則として,在任中に,中種子養護学校又は大島養護学校での勤務(標準勤務年数:5年)を1回以上経験するものとする。

※ 平成23年度の人事異動から施行 

(2)教職員に求められる専門性の内容

    ア 生涯を通じて求められる資質能力

      • 時代を超えて変わらない資質能力
      • 時代の変化に主体的に対応できる資質能力

    イ 教職員のライフステージに応じて求められる資質能力

      • 初任期の段階
      • 中堅期の段階]
      • 円熟期の段階

(3)障害のある教職員の受入状況と環境整備

    ア 障害のある教職員の受入

【参考:聴覚障害のある教員の受入例】

○ 新規採用教員として鹿児島聾学校に赴任
○  校内では他の教職員が手話等で対応
○ 悉皆研修に参加する場合は手話通訳士の依頼を行うとともに,その他の希望研修に参加する場合は,研修会担当者が講義の口述書を事前に配布するなどの対応を実施 

    イ 障害者特別選考の実施

      • 平成17年度から,教員選考試験において障害者特別選考を実施

【参考:受験資格】

○ 身体障害者福祉法第15条に定める身体障害者手帳(1~6級)の交付を受けている者
○ 自力で通勤が可能であり,かつ介助を要しないで教員としての職務遂行が可能な者
○ 鹿児島県内に居住する者

(4)通常の学級における適切な支援のための教育方法

    ア 「移行支援シート」の作成と活用

【参考:アンケート調査に基づく活用実績(平成21年度)】

    幼稚園・保育所 → 小学校・小学部の活用件数:54件
    小学校      → 中学校・中学部の活用件数:21件
    中学校      →  高等学校・高等部の活用件数:9件 

    イ パンフレット「高等学校における特別支援教育の推進」を全高等学校教員に配布

3.補足(今後の議論にあたって御留意いただきたい点など)

(1)地方自治体間の多様性

(2)特別支援学校への評価

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)