ここからサイトの主なメニューです

資料7:第13回障がい者制度改革推進会議配付資料 今後の取組に関する各府省の見解(抜粋)

第13回障がい者制度改革推進会議(平成22年5月31日)配付資料
今後の取組に関する各府省の見解(抜粋)

※下線部は文部科学省の見解

2)教育
(推進会議の問題認識)

 障害者権利条約においては、あらゆる教育段階において、障害者にとってインクルーシブな教育制度を確保することが必要とされている。
 障害の有無にかかわらず、それぞれの個性の差異と多様性が尊重され、それぞれの人格を認め合う共生社会の構築に向け、学校教育の果たす役割は大きい。人間の多様性を尊重しつつ、精神的・身体的な能力を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加するとの目的の下、障害者と障害のない者が差別を受けることなく、共に生活し、共に学ぶ教育(インクルーシブ教育)を実現することは、互いの多様性を認め合い、尊重する土壌を形成し、障害者のみならず、障害のない者にとっても生きる力を育むことにつながる。
 また、義務教育だけでなく、就学前の教育、高校や大学における教育及び就労に向けた職業教育や能力開発のための技術教育等についても、教育の機会均等が保障されなければならない。

【教育の機会均等】

 現行の教育基本法の第4条第1項においては、教育上差別されないものの例示として、「人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地」が明記されているが、「障害」が明記されていない。
 したがって、教育基本法の第4条第1項について、「人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地」と同様に、「障害」によって教育上差別されないことを明文化するため、平成23年常会に提出することを予定している障害者基本法の改正に関する法案の附則において改正することを検討すべきである。

(実施・検討に当たっての留意点)

  • 憲法第14条に列挙された事例は例示的なものであって、必ずしもそれに限るものではないと解されており、このことを踏まえ、教育基本法第4条第1項において列挙されていない「障害」についても、その趣旨には含まれていると解されている。
  • また、教育基本法第4条第1項は、憲法第14条及び第26条の趣旨を繰り返して規定したものである。現行の憲法に列挙されていない「障害」を明示するために、法律改正を行う必要性等については、憲法を含めた法体系全体にわたる議論と国民的な合意が重要である。
  • なお、平成18年に、制定以来約60年ぶりに全面的に改正された教育基本法の文言は、教育関係者を中心として、広く各界各層による6年にわたる深い国民的議論を経て規定されているものであり、その改正を検討するにあたっては、前記の議論と合意を踏まえた、教育関係者その他各界各層による、教育基本法全体の在り方を見据えた国民的議論が重要である。

(実施時期・検討期間)

  • 上記のような理由から、現時点で実施時期・検討期間を明記することは困難である。

【文部科学省関係】

【地域における就学と合理的配慮の確保】

 我が国における障害者に対する公教育は、特別支援教育によることになっており、就学先や就学形態の決定に当たっては、制度上、保護者の意見聴取の義務はあるものの、本人・保護者の同意を必ずしも前提とせず、教育委員会が行う仕組みであり、本人・保護者にとってそれらの決定に当たって自らの希望や選択を法的に保障する仕組みが確保されていない。
 また、特別支援学校は、本人が生活する地域にないことも多く、そのことが幼少の頃から地域社会における子ども期にふさわしい生活の機会を奪ったり、通常にはない負担や生活を本人・保護者に強いる要因ともなっている。
 障害者が地域の学校に就学し、多大な負担(保護者の付き添いが求められたり、本人が授業やそれ以外の教育活動に参加しにくいまま放置される等)を強いられることなく、その学校において適切な教育を受けることを保障するためには、教育内容・方法の工夫、学習評価の在り方の見直し、教員の加配、通訳・介助者等の配置、施設・設備の整備、拡大文字・点字等の用意等の必要な合理的配慮と支援が不可欠である。
 このような観点から、以下を実施すべきである。

  • 障害の有無にかかわらず、すべての子どもは地域の小・中学校に就学し、かつ通常の学級に在籍することを原則とし、本人・保護者が望む場合のほか、盲人、ろう者又は盲ろう者にとって最も適切な言語やコミュニケーションの環境を必要とする場合には、特別支援学校に就学し、又は特別支援学級に在籍することができる制度へと改める。

(実施・検討に当たっての留意点)

  • 現行の就学先決定の考え方(学校教育法施行令に基づき、就学基準に該当する場合、原則特別支援学校に就学、特別の事情がある場合、地域の小学校に就学)については、障害者権利条約の理念を踏まえつつ、障害の状態・教育的ニーズ、保護者の意見、専門家の意見、学校・地域の状況等を総合的に判断し、教育的ニーズに最も適切に対応できる学校を就学先として決定する仕組みに改めるべきとの文部科学省調査研究協力者会議の提言(H21.2)を受け、見直しを検討中である。
  • その際、具体的な見直しの方向性として、就学移行期における個別の教育支援計画の作成等を通じ、体験入学等の機会も活用した保護者への十分な情報提供、より早期からのきめ細かい相談・支援の実施、就学先検討プロセスへの多様な外部関係者・専門家(例:地域の障害当事者団体・親の会など)の参画等を通じ、保護者との共通認識を醸成していくことが重要と考える。
  • 就学先に係る選択を保護者に全面的に委ねることについては、例えば以下のような場合には、本人の精神的・身体的能力を可能な最大限度まで発達させることが難しくなる等の可能性があり、慎重な検討が必要である。
    ― 学前健診の受診や個別の教育支援計画の作成を認めないため、障害の状態や教育上のニーズの把握・対応が不可能な場合など、保護者の障害受容が得られない場合
    ― 重度の障害等により児童生徒が日常的に必要とする医療的ケア等の提供が物理的に困難な場合
    ― 行動・情緒面の障害等により、他の児童に重大な危害等が及ぶ恐れが強い場合
    ― 保護者の児童本人への虐待が疑われる場合
  • なお、障害のある児童生徒の指導に係る教員の専門性の確保・充実等の人的体制や施設・設備の整備が必要であり、国・地方を通じた財政措置を行うことが必要である。
  • 本件については、教育制度全般に関わることから、中央教育審議会等の場において、学校関係者、教育委員会関係者その他の関係者の意見を十分に踏まえ検討することが必要である。

(実施時期・検討期間)

  • 現時点で実施時期・検討期間を明記することは困難である。
     
  • 特別支援学校に就学先を決定する場合及び特別支援学級への在籍を決定する場合や、就学先における必要な合理的配慮及び支援の内容の決定に当たっては、本人・保護者、学校、学校設置者の三者の合意を義務付ける仕組みとする。また、合意が得られない場合には、インクルーシブ教育を推進する専門家及び障害当事者らによって構成される第三者機関による調整を求めることができる仕組みを設ける。

(実施・検討に当たっての留意点)

  • 就学先における必要な合理的配慮及び支援の内容等について、三者による合意を形成し、その具体化を図っていくためには、その前提として、前述の就学先決定プロセス等との関連において、障害のある児童生徒の指導に係る専門性ある教員の確保・充実等の人的体制の整備、所要の施設・設備の充実等の環境整備、並びにそれらを実現するための国・地方を通じた財政措置を行うことが必要不可欠。
  • 合理的配慮の内容等について合意が得られない場合の第三者機関については、障がい者制度改革推進会議における教育以外の施策分野を含めた議論を踏まえた検討が必要。なお、「インクルーシブ教育を推進する専門家」の定義が必ずしも明らかではないが、第三者機関を設置する場合には、中立的かつ地域の実情等を踏まえた議論・検討が可能となるような構成とすることが重要と考える。
  • 本件については今後、学校関係者、教育委員会関係者その他の関係者の意見を十分に踏まえ検討することが必要である。

(実施時期・検討期間)

  • 現時点で実施時期・検討期間を明記することは困難である。
     
  • 障害者が小・中学校等(とりわけ通常の学級)に就学した場合に、当該学校が必要な合理的配慮や特別な支援を確実に実施することができるよう、当該学校の設置者が追加的な教職員配置や施設・設備の整備を行うために必要な措置を計画的に講ずる。

(実施・検討に当たっての留意点)

  • インクルーシブ教育については、理念のみならず人的・物的条件整備とセットでの議論が必要であり、同時に現下の財政状況や人材養成の現状を踏まえた現実的な議論が必要である。条件整備を伴わないインクルーシブ教育は「子どもの能力を最大限度まで発達させる」との障害者権利条約の目的を損なう恐れがある。
  • 推進会議の問題認識において、設置者が追加的な教職員配置等の必要な措置を講ずるよう求めているが、教職員の人件費、施設・設備費については、義務教育費国庫負担法等により、国と都道府県等が負担していることから、国・地方を通じた財政措置を行うことが必要である。
  • 本件については今後、学校関係者、教育委員会関係者その他の関係者の意見を十分に踏まえることが必要であるほか、地方自治体及び財政当局を含めた政府全体として検討することが必要である。

(実施時期・検討期間)

  • 現時点で実施時期・検討期間を明記することは困難である。

【文部科学省関係】

【学校教育における多様なコミュニケーション手段の保障】

 障害者の人格、才能及び創造力並びに精神的及び身体的な能力を可能な限り発達させるためには、教育が本人にとって最も適当な言語並びに意思疎通の形態及び手段によって行うことが確保されなければならない。
 このような観点から、以下を実施すべきである。

  • 手話・点字・要約筆記等による教育、発達障害、知的障害等の子どもの特性に応じた教育を実現するため、手話に通じたろう者を含む教員や点字に通じた視覚障害者を含む教員、要約筆記者等の確保や、教員の専門性向上に必要な措置を講ずる。

(実施・検討に当たっての留意点)

  • 手話・点字に通じた教員の確保をはじめとする教員の専門性の確保・向上を図ることは重要な課題である。これらは教育課程及び教員養成全般に関連する事項であり、今後、中央教育審議会等の場において、学校関係者、教育委員会関係者その他の関係者の意見を十分に踏まえ、検討することが必要である。

(実施時期・検討期間)

現時点で実施時期・検討期間を明記することは困難である。

  • 教育現場において、あらゆる障害の特性に応じたコミュニケーション手段を確保するため、教育方法の工夫・改善等必要な措置を講ずる。

(実施・検討に当たっての留意点)

  • 多様なコミュニケーション手段を活用した指導について、教育方法の工夫・改善を図ることは重要な課題である。これらについては、国立特別支援教育総合研究所において、都道府県の指導的立場にある教員等を対象とした専門的研修や指導法に係る研究・成果普及を実施しているほか、各都道府県及び大学等においても各種の研修プログラムを実施している。これらの取組を通じて、指導内容・方法の工夫・改善や教員の専門性の向上に努めることが必要と考える。
  • 視覚・聴覚等に障害のある場合の教育については、特別支援学校におけるICT機器・支援技術の活用の有効性も確認されていることから、今後、小・中学校を含め、これらの取組を更に推進することが必要と考える。
  • コミュニケーション手段を確保するための教育方法の工夫・改善等は、教育課程に関連する事項であり、今後、中央教育審議会等の場において、学校関係者、教育委員会関係者その他の関係者の意見を十分に踏まえ、検討することが必要である。

(実施時期・検討期間)

  • 現時点で実施時期・検討期間を明記することは困難である。

【文部科学省関係】

(政府に求める今後の取組に関する意見)(P)

6)虐待防止
(推進会議の問題認識)

 入所施設や家庭内、労働現場や精神科病院等の医療現場等において障害者に対する虐待の例もみられるところであり、虐待の防止やその救済等に関する法整備が急務となっている。立法府においては、障害者の虐待防止に係る制度の法制化に向けた検討がなされているが、今後の法整備に当たっては、政府が行う場合も含め、次の方針に沿って検討されるべきである。

(防止すべき虐待行為)

  • 防止すべき虐待行為は、身体的虐待、精神的虐待、性的虐待、放置、経済的搾取の五つの場合とする。

(虐待行為者の範囲)

  • 障害者の生活場面に日常的に直接かかわりをもつ親族を含む介護者、福祉従事者、事業所等の使用者(従業員を含む。)に加えて、外部からの発見が困難な学校や精神科を始めとする病院等における関係者についても範囲に含める。

(早期発見・通報義務)

  • 虐待の事実を早期に発見できるようにする観点から、障害者の生活に関連する者等に対し、早期発見を促す仕組みとする。
  • 虐待の発見者に対して、救済機関への通報義務を課すとともに、当該通報者の保護のための措置を講ずる。

(救済措置の在り方)

  • 実効性のある救済を行うためには、事実確認、立入検査、一時保護、回復支援等のほか、必要な場合には、強制力を伴った措置を講ずる。

(監視機関の在り方)

障害者権利条約の趣旨を踏まえ、虐待を未然に防止するため、効果的な監視が可能な体制を整える。

実施・検討に当たっての留意点)

  • 現在、国会議員提出法律案が提出されていると承知しており、その動向に留意する必要がある。

(実施時期・検討期間)

  • 検討が必要であり、明示できない。

(厚生労働省)

(実施・検討に当たっての留意点)

  • 虐待行為者の範囲に学校関係者を含め、学校内における障害のある児童生徒に対する虐待に限定して「通報」という法的義務を課すことは、以下の理由により困難かつ不適切と考える。
    ―学校においては障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が在籍しており、発達障害など障害の状態によっては明確に障害の有無を判断することが困難な場合があること。
    ―およそ学校においては、障害の有無にかかわらず児童生徒に対する虐待を防止すべきであり、障害のない児童生徒に対する通報義務がない中で障害のある児童生徒のみを保護対象として通報義務を課すことの是非について慎重に検討する必要があること。
  • なお、これらの理由等を踏まえ、一連の議員立法案(昨年の通常国会に提出された民主党案及び今通常国会等に提出された自由民主党・公明党案)においては、学校は通報義務の対象施設には含めないこととし、学校長に対して虐待防止等のための責務を課すこととした経緯があると承知している。

(実施時期・検討期間)

  • 現時点で実施時期・検討期間を明記することは困難である。

(文部科学省)

【厚生労働省・文部科学省関係】

(政府に求める今後の取組に関する意見)(P)

お問合せ先

初等中等教育局特別支援教育課

(初等中等教育局特別支援教育課)

-- 登録:平成22年07月 --