資料2 小・中学校の適正配置に関する これまでの主な意見等の整理

1.現在、適正配置を検討する背景・意義

● 今後、少子化に伴う学校の小規模化がさらに進むことが予想される中、将来にわたって子どもが「生きる力」を培うことができる学校教育を保障する観点から、学校の適正配置の在り方について検討することが必要。
● 公立小・中学校の設置主体は市町村であり、適正配置の進め方については、最終的には市町村が教育的な観点から判断をしなければならないものである。本作業部会としては、教育的な観点から、適正配置を進める際の考え方、考慮すべき要素、留意点等を提示する。
● 適正配置について検討するにあたっては、交通環境の整備、市町村合併の進展、地域により人口動態が大きく異なることや施設の老朽化など、昭和31年当時とは学校を取り巻く社会状況が変わってきていることも踏まえることが必要。
● 学校の統合は、子どもの教育条件をよりよいものにするということを前提に行われるべきであり、統合後の学校における教育環境の整備が十分に図られる必要がある。
● 国は、適正配置を進める際の拠り所となる考え方、考慮すべき要素、留意点等を提示し、これを踏まえて市町村に対する支援策を講じることが考えられる。
● ある程度地域の特性に配慮できる立場である都道府県教育委員会が、一定の方針に基づく支援策を講じることにより、市町村の取組を行いやすくすることが考えられる。

<検討の観点>

○ 今後、さらなる少子化が急速に進むことが予想される中で、全国的に学校の小規模化がさらに進んでいくものと見込まれる。そうした中で、将来にわたって義務教育の機会均等、教育水準の維持・向上を図り、子どもが「生きる力」をはぐくむことができる学校教育を保障する観点から、学校の適正配置の在り方について検討することが必要である。
○ 公立小・中学校の設置主体は市町村であり、小・中学校の適正配置の進め方については、最終的には市町村が地域住民の意向を反映した計画的な学校配置を行うことが原則であり、子どもたちにとって望ましい環境を作り出すという教育的な観点から判断をしなければならないものである。本作業部会としては、教育的な観点から、適正配置を進める際の考え方、考慮すべき要素、留意点等を提示していくことが必要。

<社会状況の変化>

○ 昭和31年に中央教育審議会が適正配置について答申を行った時は、第一次ベビーブームによる児童生徒増のピークに近い時期であったが、その後、第二次ベビーブームを挟むものの、急速に少子化が進行してきた。
○ 昭和31年から今日に至るまでの社会事情の変化としては、道路の整備や自動車の普及が大幅に進み、交通事情が大きく改善されたこと、いわゆる市町村合併が進んだこと、都市への人口集中により人口動態の地域間格差が拡大したことなどがある。また、都市部における中心市街地の空洞化、高度成長期に造成されたニュータウンの急激な少子高齢化などによる、都市部における児童生徒数の減少という問題も深刻化している。昭和31年当時の小規模校の問題はすなわちへき地の教育の問題であったが、現在では都市の中にある小規模校への対応も大きな問題となっている。

<学校・教員に関する変化>

○ 学校教育に対する期待や学校教育が抱える課題が一層複雑化・多様化する中、主体的な学校づくりが行われるよう学校の裁量を拡大するとともに、学校の自主性、自律性を確立するため、校長のリーダーシップのもと教職員が一致協力し、組織的、機動的な学校運営を行うことがより重要になっている。
○ 文部科学省が平成18年に行った「教員勤務実態調査」によって明らかになったように、学校を取り巻く環境の変化に応じて、公立学校には授業以外の様々な業務が持ち込まれ、負担が増大している。
○ 学校の施設に目を向けると、昭和30~40年代の児童生徒の急増期に、各地で新たな学校の新設・増設等が行われたが、それらの施設が老朽化し、今後、改築や改修等の施設整備が一層必要になってくる。また、学校の耐震化を進めることも重要な課題となっている。

<子どもの変化>

○ 学校を取り巻く状況の変化のみならず、児童生徒の実態についても変化が見られる。例えば、全国的に子どもの数は減少している一方で、特別な支援を必要とする子どもの数は、都市や過疎地域など地域を問わず増加している。学校の設置運営の在り方を考えていく中で、特別な支援を必要とする児童生徒への対応という点についても留意する必要がある。

<市町村・都道府県・国の状況>

○ 学校を取り巻く様々な状況が変わってきている中、市町村の適正配置に向けた動きの状況は様々である。市町村によっては、合併成立後の新しいまちづくりの動きの一環として学校の適正配置を検討する動きもある。地方公共団体によっては、校舎の耐震化に合わせて学習環境の改善も取り組むため、集中的な財政投資を行って適正配置を進めようとしている例もある。学校の統合は、子どもの教育条件をよりよいものにするということを前提に行われるべきであり、統合後の学校における教育環境の整備が十分に図られる必要がある。
○ 小・中学校の設置者は市町村であり、地域によって様々な事情の違いがある中で、全国一律の基準による画一的な指導とならないよう十分配慮した上で、国としては、ナショナルミニマムとしての義務教育の質の維持・向上の観点から、学校の適正配置を進める際の拠り所となる考え方、考慮すべき要素、留意点等を提示し、それに基づく支援策等を講じたり、指導・助言等を行うことにより、都道府県や市町村における検討を進めやすくすることが必要ではないか。
○ 市町村に対し、ある程度地域の特性に配慮できる立場である都道府県教育委員会が、一定の方針に基づく支援策を講じたり、助言をしていくことなどが、適正配置を進めようとする市町村の取組の後押しとなると考えられる。

<コラム1>学校の小規模化に対する各市町村の対応

 全国の市町村教育長を対象とした意識調査では、小・中学校の規模縮小への対応策について、「困難はあっても小中学校の適正規模の維持を基本として統合方策を検討する」という回答が約4割弱であるが、具体的な統合に関する計画を策定するなど検討を終了し、配置の見直しの実施段階の市町村、実施済みの市町村は約1割程度である。
(※第2回作業部会葉養国立教育政策研究所部長説明資料より)

2.学校の規模・通学距離等に関する考え方について

(1)学校の規模の標準について

● 子どもに「生きる力」を身につけさせるためにどのような規模が望ましいのかという観点から考えと、一般に、一定の規模がある学校では、子どもが集団の中で切磋琢磨することなどを通じて、一人一人の資質や能力をさらに伸ばしやすいというの利点がある。
● 人間関係に配慮したクラス編制ができる、習熟度別指導等多様な指導形態をとることができる、教員が教科について組織的な経営ができるなどの観点を総合して考えると、学校の標準規模を12~18学級とすることは、現在においても概ね妥当な標準であると考えられるのではないか。
● それぞれの地域ごとに事情が異なるので、国や都道府県が参考となる基本的な考え方を示しつつ、市町村ごとに、地域の条件を踏まえて、適正配置について検討していくことが適当である。
● 市町村が学校の適正配置を考えるに当たっては、標準規模を下回ることによる教育上の課題を具体的にどのようにして克服していくのかという観点から検討を進めるべきである。

<規模についての考え方>

○ 学校の規模を考える際には、子どもにとって「生きる力」を身につけさせるためにどのような規模が望ましいのかということを第一に考えるべきである。基礎的な学力を身につけたり、社会の形成者として必要とされる規範意識を身につけさせるといった義務教育の役割に則して考えることが必要。
○ 一般に、一定の規模がある学校では、子どもが集団の中で、多様な考えに触れ、認め合い、協力し合い、切磋琢磨することを通じて、一人一人の資質や能力をさらに伸ばしやすいという利点がある。
○ 学校の規模による教育上の利点と課題については後述3.のように考えられるが、各学年複数学級とすると、人間関係に配慮したクラス編制ができる、習熟度別指導等多様な指導形態をとることができる、スポーツでクラスの対抗戦ができる、部活動がより多くの種目、多くの人数でできるため、生徒のモチベーションがあがるなどの利点がある。
○ 教員配置に関しても、各学年複数学級とすることで、教員同士が指導方法について協議ができるようになったり、組織的な校務分掌をすることもやりやすくなるという利点がある。教員が互いに切磋琢磨するため、また学校が向き合う様々な課題に組織的に対応するため、必要な教員数を確保するという観点も重要である。
○ 特に中学校の場合は教科担任制であり、同じ教科を担当する教員を複数配置できると、各教科について組織的な経営や、習熟度別指導などの多様な指導方法の工夫がしやすくなるという利点がある。

<標準規模について>

○ 現在の規定(※)は、小・中学校ともに12学級以上18学級以下を標準とし、地域の実態その他により特別の事情があるときはこの限りではないとされているが、上記の観点を総合して考えると、12学級以上18学級以下を標準とすることについては、現在も概ね妥当であると考えられるのではないか。(※学校教育法施行規則)
○ 例えば、3学級の中学校と6学級の中学校では、12学級を下回るという点では同じであるが、実際の教育条件を考えると、クラス編制や教員配置等の観点で大きな違いがある。現状の12学級以上ということはそのままとしつつ、それを下回る場合の扱いをもっときめ細かく考えるようにすべきではないか。
○ 都市部の中でも、古くからの市街地、いわゆるニュータウン、近年の再開発地区など、それぞれの地域ごとに事情は異なる。また、郡部の中でも、中核的な町とその他では事情が異なる。このため、適正配置を考える際には、都市部か郡部かという二分法ではなく、国や都道府県が参考となる基本的な考え方を示しつつ、市町村ごとに、個々の学校の置かれている地域の条件をきめ細かく整理し、当該市町村における適正配置について検討していくことが適当ではないか。
○ 市町村で適正配置の検討を行うに当たっては、単に標準規模を下回るか否かという点だけでなく、学級数が少ないこと、1学級あたりの児童生徒数や全体の児童生徒数が少ないことにより、具体的にどのような教育上の課題があり、どの点の解消を特に図るべきなのかという点を考えることが必要がある。
○ 各地域によって様々な状況があるので、具体的な事例やデータに基づいて、客観的に検討することが必要である。その際、定性的な要素であっても、各地域の適正配置の審議会等で結論を出すのに用いたデータを集めれば、各地域の現場の意見を集約したものとして、有益な情報となると考えられる。
○ 国は、学校規模による教育上の利点・課題についての考え方などを情報として市町村に提示し、それぞれの地域の実態に応じた適正配置についての検討を促すことが必要であるではないか。また、ある程度地域の特性に配慮できる立場である都道府県教育委員会が、一定の方針に基づく支援策を講じたり、助言をしていくことなどが、適正配置を進めようとする市町村の取組の後押しとなると考えられないか。

<コラム2>学校の標準規模についての各市町村における考え方

 全国の市町村教育長の意識調査では、学校規模の標準について現在の標準が適正であると考えている割合が約半数。都市部と郡部で学校規模の標準を分けて設けるべきだと考えている割合が約4分の1である。
(※第2回作業部会葉養国立教育政策研究所部長説明資料より)
 各市町村において、学校の適正規模を定めている場合における適正規模の判断理由については、小学校では「クラス替えのできる規模」「運動会や学芸会等である程度の活性化が図れる規模」、中学校では、「主要教科について各学年それぞれの担任教員を用意できる規模」「部活動やクラブ活動等の種目数を一定数維持できる規模」といった回答が多くなっている。(※第2回作業部会葉養国立教育政策研究所部長説明資料より)

(2)通学について

● 小学校4キロメートル/中学校6キロメートルを通学距離の上限とするとの考え方については、児童生徒の心身に与える影響という観点からは、その負担が明らかに大きいとまでは言えない。また、スクールバスなどの通学手段や、通学の安全確保などの観点を考慮すると、距離による考え方だけでは実態に合わない面があるのではないか。
● 通学については、距離と時間を併用して考え方を示すことも考えられるのではないか。その際、例えばバスの場合には概ね1時間程度を上限とし、徒歩の場合には概ね30分から1時間程度を上限とするなど、距離だけでなく時間についても標準として定めることも考えられる。
● 地域によっては、学校規模を大きくするために、通学距離・時間が大きくならざるを得ない場合がある。子どもの発達段階、通学の安全確保、交通手段などを総合的に勘案して、各地域の事情を踏まえて市町村において適切な在り方を検討すべきである。

<通学距離と通学時間>

○ 現在の規定では、通学距離については小学校でおおむね4キロメートル以内、中学校でおおむね6キロメートル以内であることが適正とされている。(義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律施行令)
○ 小学校5年生と中学校2年生を対象に、通学距離とストレスとの関係を調べた研究(第2回作業部会東京学芸大学朝倉教授説明資料)によると、小学校で4キロメートル以内、中学校で6キロメートル以内という通学距離は、気象等に関する考慮要素が比較的少ない場合、その距離の範囲内であれば距離によりストレスが大幅に増加するということは認められなかったことから、児童生徒の心身に与える影響という観点からは、現在においても、その負担が明らかに大きいとは考えられないのではないか。
○ 通学については、距離だけではなく、安全、地理的な事情や降雪などの気候などの観点からも考慮することが必要である。
○ 通学については、昭和31年当時に比べ、交通機関の発達などにより、生活圏が拡大していることなども含めて考えなければならない。昭和31年当時、統合に伴うスクールバス導入の事例は多くなかったが、現在では約6割の市町村においてスクールバスが導入されている。
○ バス、電車等を使うことにより、通学距離が4キロメートル、6キロメートルを超えても通学できる場合がある。一方で、交通事情は地域により様々であり、距離への換算も難しいことから、従来の距離による考え方をそのまま適用するだけでは実態に合わない場合があるのではないか。
○ 従来の距離に関する基準だけではなく、交通手段にも考慮した上で、時間と距離を併用した形で工夫していくということが適切な場合もあるのではないか。その際、例えば、徒歩の場合には30分から1時間を上限とし、バスの場合には乗車時間1時間を上限とするというように、交通手段による違いを考慮して示すことも考えられる。
○ 地域によっては、学校規模を大きくするために、通学距離・時間が大きくならざるを得ない場合がある。学校規模と通学距離・時間のどちらをより優先すべきということは、一概にはいえない問題である。
○ 地域によっては、4キロメートル、6キロメートルといったバス通学補助の基準に満たない場合でも、学校統合の後に、通学路の安全確保などの観点からバス通学を望む声がある場合もある。都市部の場合、保護者の感覚として2キロメートル、3キロメートルでも長く感じるという地域もある。
○ 今後の学校の適正配置を考えるにあたり、通学に関しては、従来の4キロメートル、6キロメートルという距離による考え方を踏まえつつ、各市町村において、子どもの発達段階、通学の安全確保、交通手段などを総合的に勘案して、各地域の事情を踏まえて市町村において適切な在り方を検討すべきである。

<バス等による通学の留意点>

○ バス通学になると、部活動や放課後の教育活動が行いにくくなることにも留意する必要がある。また、バス通学により、歩く時間が短くなることにより体力が低下するのではないかという懸念もある。学校での活動内容の工夫をしたり、遊具や運動場の環境整備などの対策をとることも望まれる。
○ 長時間バスに乗った状態から、学校での活動に入るために心身の状態を円滑に切り替えていくためには、例えば学校に到着した後、軽い運動を行う時間を設けるなどの工夫が必要となる場合もあることに留意が必要。

<コラム3 通学距離等の児童生徒への影響>

 小学校5年生の通学と心身の負担に関する調査によると、徒歩の場合、4キロメートルまでは特に顕著な問題はみられないが、4キロメートルを過ぎると心理的ストレスがかかってくる可能性があるという結果が出ている。また、バスの場合、長時間通学でのストレスは確認されていないが、脳が活性化していないことも懸念され、学習に入っていくまでには、学校に到着後、体を動かす時間を設けるなどの工夫が必要となる場合もあると考えられる。同様に、中学2年生の通学と心身の負担に関する調査によると、徒歩の場合、不明な部分もあるが、距離が長くなるにつれ、ストレス感が増大してくる可能性がある。自転車の場合、6キロメートルを超えるとストレスを感じている生徒が増えるので、これを一つの目安として設定することも考えられる。バスの場合は小学校と同様の傾向である。
 ただし、以上については、気象等に関する考慮要素が比較的少ない場合におけるデータであることに注意が必要である。
 (※第2回作業部会 東京学芸大学朝倉教授の発表より)

3.小規模校において、教育条件の向上を図る観点から、特に克服が求められる課題

● 小学校において、

  •  標準規模(12学級)に満たない場合には、1.クラス替えができず人間関係が固定化しやすい、2.教員数が限られるため、習熟度別指導、教科担任制等多様な指導方法をとることが困難、3.教育活動の幅が狭くなるなど、教育上の課題がある。
  •  さらに、学級規模が小規模化した場合には、4.授業の中で児童から多様な発言が引き出しにくく、授業の組み立てが難しくなる、5.男女の偏りが生じやすい、という問題も生じる。
  •  特に、6.1学年1学級を維持できず、複式学級となる場合の教育上の課題は大きい。

● 中学校において、

  •  標準規模(12学級)に満たない場合には、1.各教科に複数の教員を配置することが困難となりやすく、習熟度別指導等を円滑に行いにくい、2.教員数や生徒数が限られるため、部活動の種類が限られるなどの教育上の課題がある。
  •  さらに、6学級に満たない場合には、3.1学年1学級が常態化するため、クラス替えができず人間関係が固定化しやすい、4.免許外担任が発生しやすくなるという教育上の課題がある。
  •  さらに、学級規模が小規模化した場合には、前述の小学校の場合と同様、5.授業の組み立てが難しくなる、6.男女比に偏りが生じやすいという問題が生じる。
  •  特に、7.1学年1学級を維持できず、複式学級となる場合の教育上の課題は大きい。

● 小・中学校に共通して、学校規模が小さくなるのにしたがって教職員数が少なくなるため、1.教職員一人当たりの校務の負担が重くなり、2.授業研究など校内研修の時間が確保できないことがあるなどの問題がある。
● 以上のように、標準規模を維持できない場合、学校規模が小さくなるに従って多くの教育上の課題が生じてくるため、将来的にもこのような状況が不可避である場合には、子どもの教育環境のため、早期に適正配置の検討を行うことが望まれる。

<学級数が少ないことによる課題>

○ 子どもが少人数であると、人間関係が固定化し、9年間その集団で過ごさなければならないことがある、高校に進学した際に急に大きな集団の中に入ることになり、その中で自分を発揮できないことがあるなどの問題もある。人間関係が固定化すると、争いを避けてディスカッションができないなど、コミュニケーション能力が育ちにくいという指摘もある。
○ また、複式学級については、指導効果は教師の力量によるところが大きいという指摘もあるように、安定的に継続して学習効果を維持できるのかという点で特に教育上の課題が大きい。
○ 教職員の配置という点では、学校規模が小さくなると教職員数が少なくなり、経験、教科、特性などのバランスのとれた配置が行いにくい。
○ 学校行事の数は大規模校でも小規模校でも概ね同じであるという指摘がある。このため、小規模校で一定の教員数がいない場合、特別活動などにおける役割分担が十分にできず、役割が集中した教員は、教材研究などに十分な時間が割けないことがある。教員の負担軽減ということも考慮する必要がある。
○ 小規模の中学校では、各教科の免許状を有する教員を配置することが困難であり、免許外指導が生じやすく、特に教育上の課題が大きい。
○ 各教科ごとに複数の教員を配置できないと、校内での研修を行うことが難しくなる。

<学級数以外の視点>

○ 活力ある学校をどう作っていくのかという観点からは、学級数だけでなく、1学級あたりの児童生徒数、学校全体での児童生徒数といった点も考慮が必要である。例えば学年単学級の小学校においては、一学級あたりの児童生徒数が8人の場合から40人の場合まで、全校児童数では40人程度から240程度まで幅広い。
○ 学級の児童生徒数が少ないと、児童生徒に対してきめ細かい指導をしやすくなるという利点がある。しかし一方で、人数が少なくなりすぎると、学級内で切磋琢磨する環境ができなかったり、体育で球技を行ったり、音楽で合唱や合奏を行う際に、その活動の幅の広がりが少なくなることも考えられる。
○ また、学校全体の児童生徒数が少ないと、部活動・クラブ活動や児童会・生徒会活動などの特別活動や学校行事が盛り上がらなかったりする場合がある。部活動やクラブ活動の数などが少なくなると、子どもが自分を発揮できる機会が少なくなるという見方もある。

<小規模校における教育上の利点と課題>

○ 小規模校においては、児童生徒数が少ないために一人一人にきめ細かい指導が行いやすい、教職員数が少ないことから全体の意志疎通が図りやすいという教育上の利点があると考えられる。
○ しかしながら、義務教育における教育の機会均等、水準の維持・向上という観点からは、小規模である学校について、小規模であることによる教育上の課題もある以上、どのようにしてその課題を解消していくことができるかということは、設置者として必ず検討しなければならない問題である。
○ 人数が少ないことによる教育上の利点については、小規模校でなくても、教員配置の工夫等による少人数指導やティームティーチング等により可能になるものもあり、小規模の利点を損なわずに統合を進め、小規模であることによる教育上の課題の解消を図ることもできるのではないか。一方で、人数が少ないことによる課題は、小規模校では教員の努力などによっても根本的な解消は困難である。
○ このため、統合等により適正配置を進めるに当たっては、小規模であることによる教育上の具体的な課題について、どのように克服していくかという観点から検討すべきである。

<特に教育条件の向上が求められる状況>

○ 標準規模を下回る学校における教育上の課題が考えられる中でも、特に、小学校における複式学級が解消できないような規模、中学校における免許外指導が生じやすい規模の学校については、児童生徒の教育上の課題が大きいものと考えられる。
○ 将来的にもこのような状況が不可避であるような場合であって、他に統合の選択肢となりうる学校がある場合には、子どもの教育環境のため、早期に適正配置の検討を行うことが望まれる。

<コラム4>学校現場や教育委員会が考える小規模校の課題

 校長を対象とした調査では、小規模学校の問題点として、「良い意味での競い合いや切磋琢磨の機会が少ない」「組織的・機能的な子どもの集団づくりができにくい」という回答が多い。(※第2回作業部会葉養国立教育政策研究所部長説明資料より)
 学校の適正配置に関して都道府県・市町村が作成している計画等によると、小規模の学校では「集団の中で多様な考え方に触れる機会や学び合いの機会、切磋琢磨する機会が少なくなりやすい」「単学級で学級間の相互啓発がなされにくい」「グループ学習や習熟度別学習など多様な学習・指導形態を取りにくい」「男女比に偏りが生じやすい」などの指摘もある。

4.適正配置を進めることが困難である状況と対応

● 同一市町村内において、すでに小学校もしくは中学校が1つしかない場合には、複数の市町村で学校を共同設置すること、あるいは、ある市町村から他の市町村へ境を超えて通学させるという方法も考えられる。
● 特に離島や山間部等の場合、また、豪雪地帯の場合等には、バス通学等であっても、他の学校まで、安定して安全に通学を続けることが困難な場合もある。そのような場合、統合ができない小規模の学校をどのように支援していくかということについても考えることが必要である。
● 小・中学校は、地域の精神的支柱とも言うべき側面も持つが、子どもの学習の場としての機能を高めていくという教育論を第一に考えていかなければならない。その際、廃校施設や跡地の利用を検討するにあたり、学校に代わる新たな地域コミュニティのための施設として活用することも検討すべきである。

<同一市町村内に一校しかない場合>

○ 同一市町村内に一つしか小学校・中学校がない場合には、その市町村の判断で統合対象とすることができる学校がないことになる。
 この場合、近隣の市町村の協力のもと、交通事情等が許せば、事務委託等により、他の市町村内にある学校へ、市町村の境を越えて通学させるということも考えられる。また、複数の市町村で協力して学校を設置する(組合立学校)ということも考えられる。市町村間で連携するにあたり、都道府県が必要に応じて助言等を行うことで市町村の連携が進めやすくなる場合も考えられる。
○ 小学校同士、中学校同士の統合ができない場合でも、小学校と中学校の連携・接続を改善することで、一定の集団規模を確保し、教育効果を高めることをねらいとした「縦」の統合を行うことにより、社会性を涵養する機会を確保することも一つの方法である。

<地理上・気象上、安定して安全に通学可能な範囲に他の学校がない場合>

○ 特に離島や山間部等の場合、また、豪雪地帯の場合等には、バス通学等であっても、他の学校まで、安定して安全に通学を続けることが困難な場合もある。学校間の距離が比較的近い都市部においても、通学路の安全や交通事情等により、他の学校との統合が困難な場合がある。
○ いったんは統合したものの、統合後も標準規模に満たない場合や、統合を行った後に、またさらに少子化で児童生徒数が減少する場合もあり、安定的に通学可能な範囲でこれ以上の統合を進めることが難しい場合もある。
○ 統合を進めることが難しい地域では、小規模の学校をどのように支援していくかということについても考えることが必要。

<学校が地域の拠点としての性格を色濃く有している場合>

○ 学校は、地域によっては、地震等の場合の避難所になるなど防災の拠点としての役割を持っていたり、地域における文化・スポーツの活動拠点だったりと、様々な意味で地域の拠点的な役割を担っており、地域の文化の拠点となる施設、あるいは精神的支柱とも言うべき側面ももつ。市町村合併により新たな市町村となった地域によっては、合併前の旧市町村のつながりの象徴的なものとなっている場合もある。
○ 地域によっては、保護者は子どもに適度な競争を経験させたい、多くの友人関係の中で育てたいという意向から統合に賛成している一方、地域住民が、地域の中に学校を残してほしいという意向から統合に反対し、意見のずれが生じる場合もある。
○ 適正配置の検討を行うに当たり、小・中学校は地域の文化施設、精神的支柱という側面も持つことを踏まえることは大変重要なことであるが、小・中学校は義務教育のための施設であるから、子どもの学習の場としての機能を高めていくという教育論を第一として考えていかなければならない。その上で、仮に学校を統合した場合における地域住民と学校のつながりをどう維持していくかということについて、議論が行われるということが望ましいのではないか。

<再開発等による人口変動が繰り返される可能性がある場合>

○ 主に都心部では、同じ市区内に、人口が急増している地域と急減している地域があることがある。宅地造成や再開発によるマンション建設等により、一時的に子どもが急増した後、減少に転じることもある。
 再開発等による一時的な人口増により、学校の規模が大きくなった場合、分離新設によらず、近隣学校との通学区域の変更によって調整を図るという方法もある。

<廃校施設や跡地の利用に課題がある場合>

○ 地域によっては、統合により廃校となる(なった)学校施設や跡地の利用方法を決めることが大きな問題となる場合もある。
○ 廃校となった施設を他の施設に転用したり解体したりせず、そのまま維持するだけでも多額の予算がかかるという例もある。
○ 地域住民の中に、その地域から学校がなくなることで、住民同士のつながりが弱くなるのではないか、文化的な活動の拠点が失われるのではないかという懸念が強い場合も考えられる。このため、廃校施設等の利用については、学校に変わる地域コミュニティのための施設に活用する観点からも、その在り方を検討することが期待される。
○ 国や都道府県が、統合により廃校となった施設の利用について具体例を示していくことは、市町村が検討を行う際の参考となると考えられる。また、廃校後の施設等の利用について、柔軟な対応ができるよう、国が引き続き取り扱いを弾力的にすることも望まれる。
○ 廃校施設等をどう地域づくりに活用するかという観点からは、首長部局と教育委員会がよく話し合い、連携していくことも重要ではないか。

<教育条件の改善が見えにくい場合>

○ 現時点で標準的な規模である学校や、小規模であることによる教育上の課題が実感されていないような学校にあっても、将来的に児童生徒数の減少が不可避である場合には、将来を見越した適正配置を検討すべきである。
○ 地域の統合事例の中では、保護者から、教育条件がさほど変わらないのに通学距離が長くなる、ということで統合に反対する意見が出たという例もある。
○ 適正配置により教育条件が改善されるという教育上の利点が見えにくい場合、議論に着手しにくい場合があると考えられる。例えば6学級の小学校同士が統合しても学級数が6学級のままである場合には、実際には学級の人数が多くなることによる教育上の利点はあると考えられるが、学級数自体は変わらないため、その利点が見えにくいという場合がある。どのくらいの規模の学校の場合に、どのような教育上の利点・課題があるのかということを、地域住民や保護者にわかりやすく提示していくことが必要である。
○ 統合により教育条件がよくなったと実感できるようにするためにも、統合したら後はすべて学校に任せてしまうのではなく、統合後の学校が新しい目標を持って学校づくりができるよう、市町村教育委員会は、統合後の学校に対して、教育環境の維持・向上の観点から支援を行うことが必要ではないか。

<統合に伴い必要となる施設の整備に課題がある場合>

○ 都市部においては、学校施設の収容規模や敷地面積、建築基準等の関係で、校舎の増築に制約がある場合もあり、一定規模以上への統合が困難な場合が考えられる。
○ 統合を行うに当たっては、既存の校舎を活用した統合の場合には費用面での負担は比較的小さいが、増改築を伴う場合や、別に敷地を確保し新たに校舎を建てる場合には、市町村の財政上の負担が大きくなる。統合に伴う施設整備にかかる国の補助の活用や、既存施設の有効活用などにより、限られた資源の中で、より教育効果が期待できる方法の検討を行うことが望まれる。

5.適正配置を進めるに当たり、特に取り組むべきこと

● 学校の設置者である市町村は、適正配置を円滑に進めるため、保護者や地域住民に対し、財政論だけではなく、1.今後の子どもの減少見込みなども示しつつ、学校の実情をよく説明し、小規模校が子どもの教育にとって望ましいのかどうか問題提起すること、2.通学の条件整備や廃校施設等の利用、地域とのつながりの確保を含め、統合後の学校をどのような学校としていくのか等の具体的な計画を十分に説明することなどが必要である。
● 小規模校で機会が不足しがちな、社会性の涵養や、様々な体験を積ませるという観点から、学校同士の交流活動や学校と地域との交流を進めるべきである。複式学級での指導の充実のための工夫も望まれる。

<保護者や地域住民への説明や問題提起>

○ 地域住民は学校の現状を目にする機会が少なく、小規模校の教育上の課題を実感しにくいこともある。このため、市町村は、適正配置の検討を進めることについて地域の理解を得ていくために、今後の子どもの減少見込みなどを示しつつ、学校が置かれている状況を保護者や地域住民にも十分に説明し、学校をこのままの状況に置いておくことが、地域で子どもを育てていく上で本当に適当であるのかどうかということを問題提起し、問題意識を共有することが重要である。
○ 学校統合は、単に複数の学校を一つにまとめるということだけでなく、新たな学校をつくることである。市町村は、保護者や地域住民に対して、財政上の利点があるから統合するということではなく、統合によってよりよい学校になる、夢のある学校づくりにつながっていくという道筋を見せることが必要である。
○ 保護者や地域が統合後の学校に何を望むのか、十分に対話を行って要望を受け止め、新しい学校づくり、教育の目標づくりを行い、地域と学校が両輪となって新しい学校をつくるように価値観の共有を行うことが、円滑な統合が行われるために不可欠である。
○ 統合後の通学手段や通学路の安全確保をどのように行うか、学校の廃校施設等をどのように活用するかといった点についても地域の理解を得ていく必要がある。
○ 統合を機に、小中学生や教員同士の交流を進め、小中一貫での教育などの新たな取り組みを行ったり、学校運営協議会を積極的に導入するなどして、これを機に地域と学校の関係をつくっていくということも考えられる。適正配置の議論を行うにあたり、こうした新しい取組を取り入れることについても議論すべきと考えられる。

<統合できない小規模校への対応>

○ 小規模であることの教育上の課題がありながらも、他の学校との統合ができない学校について、それぞれの学校における教育条件を改善していくことは重要。
○ 小規模の学校では、小規模校で機会が不足しがちな、社会性の涵養や、様々な体験を積ませるという観点から、他の学校と定期的に互いの学校を訪問して合同の活動を行ったり、ICTを活用して児童生徒の交流を行うなど、学校同士の交流活動を積極的に行うことにより、教育活動の充実を図ることも一つの方策として考えられるのではないか。
○ 複式学級での指導の充実のため、教員養成大学と教育委員会が連携して、複式学級での指導を視野に入れた教員養成段階での工夫を行っている例や、都道府県教育委員会が、免許外指導を担当する教員を対象とした現職研修を行っている例もある。それぞれの学校の教育環境の改善を図る一方で、様々な条件下で、児童生徒に最善の教育を行うために工夫が求められる。
○ 特に小学校の場合、低学年と高学年の体力の違いも考慮する必要がある。このため、例えば、低学年については分校に通い、高学年になったら本校に通うということも一つの対応策として考えられる。

6.国、都道府県の関わり

● 市町村が教育的観点から適正配置を進めようとすることに対し、国や都道府県が、具体的な支援策を講じたり指導・助言を行うべきである。統合に係る支援の充実を図るなどにより、適正配置の検討を進めやすくし、また、統合後の学校の教育条件整備を進めていくことが望まれる。
● 都道府県教育委員会と市町村教育委員会が十分に相談して、新しい学校づくりのために必要な教員の配置等について手厚い配慮が行われるようにすべきである。
● 学校統合によって教育に支障が生じることなどがないよう、義務標準法の在り方について検討すべきである。

○ 国は、ナショナルミニマムとしての義務教育の質の維持・向上の観点から、適正配置を進める際の拠り所となる考え方、考慮すべき要素、留意点等を提示し、それに基づく支援策等を講じたり、指導・助言等を行うことにより、都道府県や市町村における検討を進めやすくすることが必要である。
○ 現在、国からの支援措置として、市町村合併に伴う学校統合に関する教員加配、スクールバス購入等の補助、施設整備費の補助、学校運営費の激変緩和措置などを行っている。これらの支援措置の充実などにより、市町村における適正配置の検討を進めやすくし、統合後の学校の教育条件整備を支援していくことが望まれる。
○ 小規模な市町村でも、十分な情報や事例をもとに適正配置の検討を進められるよう、都道府県が情報交換の場を設定したり情報提供に努める必要がある。その際、国が市町村や都道府県の協力を得て適正配置に関する調査研究等を行い、情報提供することも考えられる。
○ 市町村としては様々な事情の中で、適正配置の検討を進めることについて地域住民の理解を得ることが難しくなってきているところがある。そのような市町村に対し、都道府県教育委員会が、当該都道府県の事情を踏まえた適正配置の指針等を示したり、それに基づく支援策や指導・助言をしていくことなどが、適正配置を進めようとする市町村の後押しとなるのではないか。
○ 市町村の小中学校の教員の任命権者は都道府県教育委員会である。統合前と統合後の教員配置について、都道府県教育委員会と市町村教育委員会が連携して、統合前の学校の教員が統合後の学校へ引き続き残るようにしたり、他校から力量のある教員を加えたりするなど、新たな学校づくりを進めることができるような人事上の配慮を行うことが求められる。
○ 小規模校の教員の中には大規模校での指導に慣れていない場合もあるため、統合後の人事配置に配慮が必要。
○ 新たな学校づくりを進めるための支援として、統合直後の児童生徒の環境が急激に変わらないように教員を配置するなど、手厚い人事上の配慮を行うことが必要。
○ 学校統合により教員数が減って教育に支障が生じる場合や特別な配慮が必要となる場合があるので、必要な教員を確保することが必要である。
○ 小規模でありながら統合が困難な学校に対しては、任命権者である都道府県教育委員会が、力量のある教員を配置したり、複式学級の課題を解消をしたりすることができるよう教員配置に配慮することが望まれる。

7.その他の留意点

● 小・中学校それぞれの規模を確保するための「横」の統合だけではなく、義務教育の9年間全体を見通して、小学校と中学校の連携・接続を改善することで、一定の集団規模を確保し、教育効果を高める「縦」の統合を進めることも、一つの方策である。
● 適正配置の検討にあたり、大規模校をどう調整するかといったことや、特別支援学級、高等学校との連携・接続等についても考慮すべきである。

<大規模校の課題>

○ 教育的観点からは、小さな学校が望ましいという見方もあり、大きな規模の学校の上限をどうするのかという視点もある。
○ 大規模な学校については、学級数・児童生徒数が多くなることなどにより、施設が足りない場合に特別教室や屋内運動場などの使用に支障を生じやすい、学校行事の際に全校児童生徒が集まれない、災害が起きた際の校舎からの避難に時間がかかるといったことも課題として考えられる。
○ 一時的には児童生徒が増加しても、やがて急激な減少に転じる場合もあり、学校を新設すべきか否か慎重に検討せざるを得ない場合もある。大規模校の課題の解消のためには、新たに学校を設置する以外にも、学校の状況を丁寧に説明した上で通学区域を変更することにより、学校規模を調整するという方法もある。地域の将来的な在り方を様々な角度から検討し、その地域にあう方法で大規模校の課題に向き合う必要がある。

<小学校と中学校の連携など>

○ 市町村が適正配置について検討を行う上で、小学校と中学校の連携・接続を円滑にするという観点も重要なポイントである。
○ 小学校や中学校の連携・接続という観点からは、学校の統合や通学区域の変更を行う場合、出来る限り同じ小学校から複数の中学校へ分散して進学することとならないよう配慮して通学区域の設定を行うことが望ましいと考えられる。
○ 地域によっては、複数の小学校・中学校でのつながりを強め、教育効果を高めることをねらいとしたり、統合を機に小・中学校を同一敷地内に建て替えることなどにより、より密接な連携・接続を可能としようとしているところもある。このように、小・中学校それぞれの規模を確保するための「横」の統合だけではなく、義務教育の9年間全体を見通して、小学校と中学校の連携・接続を改善することで、一定の集団規模を確保し、教育効果を高める「縦」の統合を進めることも、一つの方策である。
○ 過疎地域では高等学校の存続も問題となっている場合もあり、中学校と高等学校との連携という観点にも留意する必要がある。
○ 学校種間の連携・接続については、中央教育審議会初等中等教育分科会において検討することとされているが、今後、本作業部会としても関連する部分について必要な議論を行う。

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初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

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