各学生は、共通科目(基本科目)を確かな土台とした上で、各コース(分野)、学生の専攻分野、研究テーマ等に応じた科目を履修することとなる。
コース(分野)の設定においては、
など、その設定方法は各大学院の特色や得意領域、指導目標等により様々な方法があり得る。
教職大学院においては、事例に関する知識を、基礎的理論を基に構造的・体系的に捉えることのできる資質能力を通じて、学校現場の課題に取り組むことのできる力量の育成を図ることが重要であることから、コース(分野)の設定に当たっては、各学生の関心領域に応じた科目とすることや、学校現場における今日的課題を設定し、その解決の研究に必要な、学問分野の枠を超えた科目群とすることが特に有効と考えられる。
他方、学問体系を基礎とする科目群によるコース・専攻分野の設定においても、その科目群の履修内容が、単なる「理論のための理論」ではなく、学校における教育課題の把握や教員の実践を裏付けるとともに、様々な事例を構造的・体系的に捉えるものとすることが重要である。
学校現場における実践力・応用力など教職に求められる高度な専門性を備えた教員を育成する観点から、事例に関する知識とそれを構造的・体系的に捉える知見を踏まえつつ、現場の課題に実際に取り組むことのできる力量の育成が必要である。このことから、特にコース(分野)により選択する内容においては、現場における実践活動・現地調査(フィールドワーク)や実務実習的な内容が含まれることが重要である。
現場における実践活動・現地調査(フィールドワーク)や実務実習的な内容の実施の仕方としては、
など、その実施内容・方法は、各大学院の特色や得意領域、教育目標等により様々な方法があり得る。
いずれの場合においても、その実施に当たっては、大学の指導教員と調査・実習校の指導教員との間で、指導計画、実習指導、事後分析指導等に当たって、密接な連携・協力が必要である。
コース(分野)別選択科目部分は、共通科目(基本科目)を確かな土台とした上で、各コース、学生の専攻分野、研究テーマ等に応じた科目を履修する。これは、共通科目(基本科目)を履修した上で、その内容との十分な関連の上で、学生がさらに専門的に絞り込んで修得したいと希望し履修する科目部分であり、大学が得意分野やコース等に応じて設定し履修させる部分である。その意味では、コース(分野)別選択科目部分のねらいは、個々の学生の得意分野づくりを図ることにある。
現行の修士課程においては、特定の専門分野において深く研鑽を積み、特定の分野について得意分野を持った教員の養成を建前としてはいる。しかし実際には多くの場合、専攻・専修・コース設定に当たっては、「特定の分野」の意味がいわゆる教科専門(教科につらなる学問内容)のイメージでしか捉えられてはこなかった。また、教科専門の内容も教員が現実に直面している学校や学級、児童生徒等の課題との関連はあまり意識されていなかった面がある。
教職大学院においては、共通科目(基本科目)の履修による幅広く厚みのある基礎の上に、コース(分野)別選択科目の分野として、学校教育における各問題分野に対応したコース(分野)別選択科目群を開設・履修し、それぞれの分野において専門職としての高度の実践的な問題解決能力・開発能力を有する人材を養成する。例えば、「学級経営分野のエキスパート」「教材開発分野のエキスパート」「生徒指導分野のエキスパート」として、学校教育の主要な分野で組織の中心として活躍できる力量を持った人材を養成する。
高等教育局専門教育課教員養成企画室