1.教職大学院におけるカリキュラムイメージについて(第二次試案)(案) 1.はじめに

1.はじめに

 この「教職大学院におけるカリキュラムイメージについて」(以下「カリキュラムイメージ」という。)は、中央教育審議会「今後の教員養成・免許制度の在り方について(中間報告)」(平成17年12月8日)(以下「中間報告」という。)に別添として掲載されている「(補論)教職大学院におけるカリキュラムについて」(以下「補論」という。)を実際にカリキュラムとして実施・運営していくことを想定し、各大学における教職大学院の設置検討にあたり考慮すべき点について参考としていただくため、カリキュラムイメージとして提示するものである。
 本来、各大学のカリキュラム等は、制度の趣旨に則り各大学・大学院がその教育理念や特色、得意領域、教育目標等から主体的に設定するものであり、この点は教職大学院といえども同様である。そのような中でカリキュラムイメージを提示しようとするのは、教職大学院が初めての試みであり、かつ、力量ある教員養成のためのモデルを制度的に提示することにより、より効果的な教員養成のための取組を促すものとして、今後の教員養成に大きな波及効果を及ぼす可能性を持っているからである。
 到達水準に関してこのようなカリキュラムイメージを作成することにより、教員養成の在り方に関し関係者間においてある程度の認識を共有することは、高度専門職業人としての教員の養成の観点から、修了者たる教員について一定の質を保証し得る教員養成の在り方につながるとともに、教職大学院という新たな制度とその修了者に対する社会的な信頼を安定的に確保する上でも重要である。
 このため、中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会の下に設けられ教職大学院制度の在り方について検討を行ってきた本ワーキンググループとして、そのカリキュラムについての共通のイメージと、養成すべき教員像についての具体的な到達目標等を提示することにより、各大学における教職大学院の検討の参考に供することとしたものである。

 教職大学院は白紙の状態から設定・運営されるものではなく、現実には現に設営・運営されている学部段階の教員養成、修士課程における養成・研修、更に任命権者が行う教員研修等と関わりつつ展開するものである。それらはいずれも長年の経験による蓄積を持っており、それぞれ存在意義を発揮し安定した仕組として機能している。これから設置される教職大学院が、こうした既存の仕組との関係において新しい役割を発揮するためには、それぞれの成果や蓄積を取り入れつつ、一方においてそこから思い切って「離陸」しなければならない。
 このため、それらの関係機関における改善への努力に加えて、教職課程改善の一つのモデルとして教職大学院という新たな仕組みを構築することにより、現在及び今後に求められる高度専門職業人としての教員の養成の充実を図る必要がある。
 今回、本ワーキンググループにおいてこれまで概ね意見の一致をみた内容について、第二次試案として取りまとめた。今後引き続きカリキュラムイメージについて検討を重ね適宜試案を示す予定であるが、大学等各関係者においても、本カリキュラムイメージ(第二次試案)を参考にしつつ、教職大学院に関する到達水準やあるべきカリキュラムに関する共通認識等について、活発な議論を期待したい。
 また、各大学においては、本カリキュラムイメージを参考にしつつ、各大学の特色・得意分野を活かし、力量ある教員養成のための良質の教員養成プログラムを開発・提供していただくことを期待したい。

 (以下、上記「中間報告」の補論の記述を、それぞれの関係項目ごとに参考に記載している(四角枠囲い)。)

 各教職大学院は、専門職大学院設置基準等に規定される教育課程の基準に基づき、各大学院の特色や得意領域、教育目標等により独自の教育課程を編成することとなるが、高度専門職業人養成としての教員養成の観点からは、ある程度の共通的な認識が必要であり、教員養成に対する社会の要請に応えるべく、関係者が共同する形で到達水準に関しての共有すべき具体的モデルを作成することが重要である。
 また、上記到達水準の確保の観点から、例えば医師養成における共用試験の実施などが見られるが、修了者たる教員の質の保証・資質の向上を図る観点から、統一的な評価のための試験制度を設けることも考えられる。この実施に当たっても、教員養成における指導内容・到達水準の共通認識としてのモデルカリキュラムが必要である。
 このため、関係者により、本資料をもとに、教職大学院におけるモデル的な教員養成カリキュラムが作成されることが期待される。

お問合せ先

高等教育局専門教育課教員養成企画室

(高等教育局専門教育課教員養成企画室)