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資料2


豊かな心をはぐくむ教育の在り方に関する専門部会(第1回)における主な意見(論点ごとに整理)
(平成16年11月1日時点)

 本資料は、これまでの豊かな心をはぐくむ教育の在り方に関する専門部会における主な意見や文書による意見等を論点ごとに整理したものであり、今後変更があり得る。


 現状や課題
 変化が著しい社会の中で、子供たちの経験や生活の領域が狭くなっているのではないか。
 子供たちの心のエネルギーが小さくなっているのではないか。
 小学校高学年から中学生にかけて心の発達が進まず、幼くなっているのではないか。
 取り返しのつかないことはないと思っている子供が多いのではないか。
 大人が子供たちのモデルになりえておらず、大人の社会の問題がある。大人が大切に培ってきたにもかかわらず見失ったものなどを点検する中で、子供に伝えるものを明らかにする必要があるのではないか。
 社会の変化、特に情報通信技術が進む中で、コミュニケーションが一方通行になってしまっている面がある。例えば食を通じることで豊かなコミュニケーションができるように、人と人とが直接向かい合うことをもっと大切にする必要がある。
 子供たちや社会の状況を考えると、道徳教育に根気強く取り組む必要がある。
 道徳教育に十分取り組めば学校の雰囲気が変わり、子供たちも、教師、保護者、地域も変わると思う。
 近年、道徳の授業に抵抗を感じる人は少なくなったと思うが、内容をどう充実していくかが課題である。
 学校として取組を進める上で、特に保護者の意識の問題にどう対応していくかが課題である。
 心の成長の面について、学校は家庭の役割まで担わなくてはならないようになっているのではないか。学校で心を育てることをどう支えるかが課題である。

 これからの学校教育で重視したいもの
 「豊かな心」と「確かな学力」は二項対立的なものではない。子供たちがもつ感受性や発信力など、「確かな学力」の中心になる「しなやかな心の力」を育てることを目指す必要がある。
 豊かな心を育てる教育の在り方については、個人的な側面と社会的な側面の双方から考えていくことが大切である。
 自立性の確立が重要であり、そのためには小・中・高等学校を通じて人間として生きるとはどういうことかを真剣に考えられる機会を設け、計画的に学んでいけるようにする必要がある。
 子供たちが自尊感情をもてるようにすることが重要である。
 子どもが自分の心の中に規範をもってそれに基づいて判断し行動できるようにすることが大切ではないか。
 特に思春期においては、子供たちが自分の感情を理解し、それを表現したり、コントロールしたりする力を育てることが大切である。
 市民性について、人と一緒にやれてよかったというような技能や能力を育てることが大切である。
 子どもがもつ心の豊かさを集団の中で発揮し更に膨らませていくためには、好ましい人間関係を築く力を育てることが大切である。
 自己中心性や社会性の欠如が言われる中で、学校教育において、異年齢集団活動などの集団活動がしっかりできるようにすることが大切ではないか。
 例えば、思いやりや助け合いの大切さは、多くの仲間と体験的な活動などで実践することで実感し、一層身に付いていく。直接的な触れ合い、実体験の場や機会を意図的、計画的に設定することが大切ではないか。
 学校として子供たちの体験活動を充実するとともに、家庭や地域の生活でもその体験を生かせるようにすることが重要である。
 日常の直接体験が限られている子供たちに、間接的なものを含め、多様な生き方を知り、共感したり葛藤したりする経験がもっと必要である。
 豊かな心が社会と触れていくところにメディアがあり、その特性を知らないことで問題が生じることのないよう、メディアの特性や付き合い方を取り上げることが必要ではないか。

 各教育活動が担う役割と改善充実及び相互の連携
 心の教育は、道徳の時間はもとより、特別活動を含め全教育活動で担っていくものである。

 指導の充実のための手立て
 子供たちの心の成長を支え深めていくためには、一人一人に応じた個別的な対応を大切にする必要がある。
 ティーム・ティーチング等により複数の教員が道徳の時間の指導に当たることが重要ではないか。
 学校における道徳教育の推進の中心となる教諭を置くなど学校の体制づくりを進めることが必要ではないか。
 中学校での問題は小学校の頃に芽があることがあり、小学校と中学校の連携が大切である。
 子供たちに多様な人生があることを知らせ考えさせるには、絵本や活字、映像などのコンテンツが有効で簡便な方法である。すぐれたコンテンツの充実とともに、信頼できる機関にデータベースを置くことを含め、コンテンツの所在や利用方法などの基本的な情報の普及が必要である。
 教員養成課程から、道徳教育について見識や指導力をもった教員を育てることが大切である。例えば、よりよい教材や資料を活用し、子供たちが道徳的価値を感じ取っていくことができるにする指導力を身に付けてほしい。
 教員が自ら体験を広げ、子供の体験活動を指導できる力をもってほしい。

 家庭や地域社会との連携
 子供たちを、教師と保護者と地域が連携して支えていくことが大切である。
 道徳の授業を地域に公開し、地域とともに道徳の考えていくことが大切である。
 地域におけるよい取組については、学校教育の中でもうまく生かしていくことができないか。
 学校と青少年施設等とが連携していくことも大切である。
 学校や教員、保護者への指導・助言を充実するために、市町村教育委員会などに道徳教育の専門性をもつ専任のアドバイザーなどを置くことを進めてはどうか。

 国や教育委員会に求められる支援
 文部科学省が作成している「心のノート」や指導資料などを継続的に配布したり、ホームページ等を活用して多様な資料を提供してほしい。


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