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資料4 教職員のキャリアステージと複線型キャリアコース案

マネージャー系とエキスパート系
マネージャー系 学校の管理職(校長・教頭)として、所属職員を監督・指揮して、学校教育目標を達成するための校務をつかさどる。教職員を通じて、教育成果に貢献するゼネラリスト。
エキスパート系 高度な専門知識と豊かな経験があり、教科指導や特定の校務分掌の分野で創造的・革新的な取り組みを行うとともに、校内や地区における指導的役割を担う。自ら業務を担当し、教育成果に貢献するスペシャリスト。資格の高低にかかわらず、管理職の指揮・命令にしたがう。

複線型キャリアコースイメージ
キャリア展開期
40歳代半ば〜定年
  マネージャー
(校長)
教育行政
(教頭)
系列間
異動
エキスパート
キャリア深耕期
10年目〜20年目
(40歳代半ばまで)
  マネージャー候補者としての経験(教務主任等)を通じて、組織マネジメントの能力も磨く時期。 教科担当をはじめ、いくつかの校務の担当(ジョブローテーション)を通じ、自分の適性(持味)、関心・志向、能力の強みを生かして、教職員としての専門性(教科・学級経営・校務分掌・部活動等)に磨きをかける時期。
キャリア探査期
2年目〜10年目
(30歳代前半まで)
  学級担任や教科担当をはじめ、各種の校務分掌について、ジョブローテーションや人事異動、管理職や先輩の指導等を通じ、基本的な力量を形成する時期。また、自分の適性(持味)、関心・志向、能力の現状を棚卸しし、教職員としての将来を描き、専門性獲得のためのシナリオを探索・発見する時期。
初任者 1年目   教職員としての基礎を、研修や管理職・先輩の指導を通じ、習得する時期

3箇所の節目
マネージャー登用時 管理職昇任試験等
エキスパート任用時 資格認定審査等
採用10年目 キャリアデザイン研修・自己申告・キャリア面談等


複線型キャリアコース導入の留意点
(1)  エキスパートの任用基準を明確にする
複線型キャリアコースのエキスパートは、特定の分野において専門的な知識・技術、極めて豊富な経験を持っている教職員を適正に処遇することにより、教職員の能力開発や意欲向上に資する制度である。
 専門的な知識や技術が特にない教職員を「勤続が長いから」「ベテランだから」という理由で安易にエキスパートにしてはいけない。複線型キャリアコースを、教職員の育成の方策として運用していくためには、エキスパートの任用基準を明らかにする必要がある。企業等の任用基準としては、1一定クラス以上の資格等級にいること、2ある専門的な分野での経験が一定以上あること、3公的なライセンス、外部評価の実績があること、などが考えられる。

(2)  エキスパートの分野を特定する
 複線型キャリアコースにおいて、エキスパートの重みを維持するためには、当然のことながら、エキスパートに対しては、専門的な知識・技術を活用しなければ遂行できないような分野を選択する必要がある。

(3)  エキスパートの仕事の評価を行う
 エキスパートは、特定の分野において専門的な知識・技術を持っている教職員である。通常、エキスパートには、比較的大きな権限と給与を与えて、その力量を発揮させるところにエキスパート導入の良さがある。
 複線型キャリアコースにおけるエキスパートの活躍を保持するためには、エキスパートの分野を特定することと並んで、エキスパートとして期待される仕事をしたかを評価することが必要である。

以下、重複するが、複線型キャリアコースにおけるエキスパート導入のポイントを列挙する。

1 エキスパートの任用基準を明らかにする(上記1)
2 エキスパートの分野を特定する(上記2)
3 エキスパートの任期を設定する
4 エキスパートの仕事の評価を行い、再任の可否を決定する(上記3)
5 エキスパートにランクをつける
6 給与面で、マネージャー系と対等に処遇する

産業能率大学 浅野 良一

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