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資料6
都道府県における複数障害に対応した養護学校の併置校,併設校の推移

平成16年3月17日現在
  平成14年度までに設置した学校 平成15年度に設置した学校 平成16年度以降の設置予定
知肢
群馬(1) 渡良瀬養護
埼玉(1) 秩父養護
神奈川(6)
武山養護,小田原養護
三ツ境養護,鎌倉養護
座間養護,茅ヶ崎養護
東京(2) 町田養護,あきる野学園
神奈川(2) 中原養護,
津久井養護
神奈川(3) 平塚養護(平成16年〜)
川崎北部(平成18年〜)
横浜南部(平成20年〜)
長野(1) 稲荷山養護(平成19年〜)
岐阜(1) 知肢併置校(平成17年〜)
茨城(1) 知肢併置校(平成19年〜)
山梨(1) ふじざくら養護
静岡(6)
御殿場養護,富士養護,
藤枝養護,袋井養護,
浜名養護,東部伊藤分校
滋賀(6) 北大津養護,長浜養護
草津養護,三雲養護
甲良養護,新旭養護
 
石川(1) 平和町養護(平成20年〜)



滋賀(2) 知肢併置(平成20年〜)
大阪(5) 堺養護,茨木養護,
東大阪養護,交野養護
箕面養護
京都(5) 与謝の海養護,丹波養護
南山城養護,中丹養護
向日ヶ丘養護
 
京都(1) 知肢併置(平成17年〜)
和歌山(5) きのかわ養護,
紀北養護,
紀伊コスモス養護,
たちばな養護,
みくまの養護
三重(3) 伊賀つばさ学園
東紀州くろしお学園
東紀州おわせ分校
岡山(1) 岡山東養護
岡山(1) 誕生寺養護
岡山(1) 西備養護(平成16年〜)
佐賀(1) 佐賀北部養護
鹿児島(1) 出水養護
 
佐賀(1) 知肢併置(平成19年〜)
長崎(1) 知肢併置(平成17年〜)
宮崎(3) 知肢併置(平成17年〜)
知肢病
福井(2) 嶺南東養護,嶺南西養護
 
福井(2) 知肢病(平成17年〜)
知肢病(未定)
肢病
福井(1) 福井東養護
岡山(1) 早島養護
鳥取(1) 鳥取養護
秋田(1) 秋田養護(平成16年〜)
鳥取(1) 倉吉養護(平成16年〜)
長崎(1) 肢病併置(平成17年〜)
その他
京都府(1) 城陽養護(知・病)
 
京都市(4) (平成16年〜)
49校 4校 25校

備考
(盲・聾・養護学校の併置・併設の先進的な計画)
  平成14年度までに設置した学校 平成15年度に設置した学校 平成16年度以降の設置予定
盲聾
青森(1) 八戸盲学校・聾学校
兵庫(1) 淡路盲学校・聾学校
   
その他    
秋田(1) (盲,聾,知,肢,病部門 平成22年〜)
群馬(1) 榛名養護沼田分教室(知)に他の障害種を併置
長崎(1) 盲・知併設(平成18年〜)
鹿児島(1) 盲・聾・肢で検討




地域の実態に応じた新しい知的障害と肢体不自由を併置した養護学校の取り組み


 知的障害と肢体不自由を併置した養護学校
 障害の重度・重複化が進む中で,通学にかかる時間を考慮したり,児童生徒等の障害の状態等に応じた指導の充実を図ることを目指して,知的障害養護学校や肢体不自由養護学校等が培ってきた指導内容・方法を活用しながら,様々な専門性を有する教員の協力体制や複数の障害に対応した施設・設備を整備し,障害種別を超えた知的障害と肢体不自由を併置した養護学校等を設置している事例がある。
 このような事例の評価や今後の検討課題について都道府県教育委員会に聞いてみたところ以下のとおり。

評価しうる点
就学相談
保護者に知・肢の視点から,適正就学への判断材料を豊富に提供することができる。教員も総合的に判断することができる
柔軟な相談体制
子どもの成長,発達や障害の状態の変容に応じ,知←→肢間の措置変更を弾力的かつ柔軟に行うことができる。
教育活動
一人一人のニーズに応じた多様な教育活動が可能である。
校内における児童生徒の自発的な好ましい交流。(合同集会・生徒会)
全校行事(運動会・文化祭)でのそれぞれの特色を生かした教育活動の展開
多様な集団保障が可能(肢体不自由にとって,様々な活動においてダイナミックな動きなど良い刺激を受ける。)
知的障害にとっては,人への配慮や順番を我慢するなど社会性の学習の機会が増える。
人事交流
校内における知的障害と肢体不自由課程の人事異動が可能で,教員の適性配置により,教員人材育成と専門性を高めることが可能である。
センター的な役割
市内の就学前施設や特殊学級等への専門的な教育に関する情報提供や自立活動の面(整形診・車いす・自助具など)から効果的な支援が可能である。
施設・設備
肢体不自由養護学校の施設設備であれば,知的障害の子どもにとっても利便性が高い。(エレベーター設置により発作時の対応や,低床のスクールバス導入により安全性の確保)
バリヤフリーに応える施設・設備→多様な障害者へ学校開放ができる。
ノーマライゼーションの推進
多様な障害に対応できる地域社会の実現について必要な情報を実践から発信できる。
保護者
これまでより通学の負担が少ない。地域の養護学校として就学を希望する保護者の声に対応できる。
保護者は,得てして我が子の障害のみに目をとらわれがちだが,他の障害児の存在や特性に触れる中で,孤独感が減少し,心理的な落ち着きや協力行動に結びつきなどの面が見られる。
知肢併置の養護学校のPTA活動が単一障害障害種別の盲・聾・養護学校に比べて活発な一員となる。
その他
医療的ケア等の課題も視野に入れて対応するには,教員配置や施設設備等,一定の規模が必要であり,その確保といった観点でも知肢併置にはメリットがある。

課題と思われる点
教育課程の管理
単一の肢体不自由児が在籍していると,複雑な教育課程となり,教科対応の必要性といった人数配置の面も課題が生じる。
知的障害児の予期せぬ好奇心や行動により,肢体不自由児の安全面に大きな配慮が必要となる。障害の重度化の中で「学校内の危機管理」面で重要な課題である。
人的な配置
知・肢併置校としてのメリットを生かすための予算や教員配当の基準がない。
施設・設備
障害の状態や発達年齢,生活年齢が異なる知・肢(小・中・高)6学部の児童生徒数のニーズに見合う施設設備がない。
多様な進路
重度の生徒の進路先(特に医ケア)から大学進学まで個々のニーズの応えていくための進路指導のスーパーバイザー的人材の確保が困難。また,進路開拓も難しい状況である。
学校運営
6学部であるが故の学校運営に面での複雑,困難さを抱えている。(例・全校的な行事を企画するためには,6学部間の調整は,困難を極める。)
管理職
大規模校,多様な職種,多様な教育課程→人事,予算,施設等の管理,監督が複雑になる。適正な人事管理のスパーンを超える。

 今後検討すべき課題
(1)  教育課程
 現行の学習指導要領においては,学校種別(盲・聾・肢・病と知)での規定になっているが,今後,障害の重度・重複化や多様化に対応するためには,学校種別の枠を超えて規定できないか検討が必要である。
(2)  教員の専門性
 各障害に対応できる教員の専門性の確保が必要である。
(3)  教員定数の配置の在り方及び弾力的な活用
 地域のセンター的役割を担うことを考慮し,教員の定数についての検討(例えば,コーディネーター等)が必要である。また,定数を活用して,学校の多様な業務形態に応じた任用(非常勤職員や特別非常勤講師の活用)ができることなど検討する必要がある。
(4)  施設設備
1 児童生徒の障害の状態に応じた施設設備の整備が必要である。
2 多様な教育課程に対応した施設設備が必要である。
(5)  特別支援学校に向けた校務分掌の見直し


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