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巡回相談員との連携
寒河江市立寒河江小学校


1    基礎データ
学校名 寒河江市立寒河江小学校 校長名 佐藤彬夫
児童数 482人 教職員数 38人
校内委員会の名前と構成員 名前 教育相談校内委員会
構成員 校長・教頭・教務・生徒指導主任・養護教諭・該当児担任
コーディネーター 指名された者の職名 特別支援担当


2    本校の取り組み
(1) 校内体制の整備
1 本校としての取り組みについて共通理解をはかる
2 チェックリストによる実態把握
3 リストアップされた児童について検討
4 支援体制図

支援体制図

5 巡回相談員との連携
6 専門家チームとの連携
7 校内研修会での児童理解や対応の仕方についての講演等
8 全職員間の共通理解、保護者との連携

(2) 平成15年度の教育相談活動を通した事例
1 対象児   高A男
2 児童の実態
  2学期から、登校はするが図書センターやパソコンルームにいることが多くなった。
  給食も食べないことが多くなり、後片付けも嫌がる。
  薬を服用していたが、飲まなくなってきた。
  注意を受けると、暴言を吐いたり、物を投げたりする。
  周りの子も何とか関わろうとするが、わがままなことが多く孤立している。
3 校内委員会でのケースの検討
  現在の実態把握のため、担任より資料を提示してもらう。
  指導方針を話し合う。
  全職員の共通理解を図り、担任だけの負担にならないような体制づくりをする。
  巡回相談員の来校の日程と相談内容を話し合う。
4 巡回相談員との相談(10月8日   千田先生来校)
  いろいろな場面を見ていただくため、昼食をはさんで、午前と午後に参観してもらう。
  普段の生活での担任の気づきや参観してもらっての千田先生の気づきを出し合う。
  今後の方針について話し合う。
  母親との関わりの中での問題点が浮かび上がる。
  巡回相談員と母親との話し合いの日程を確認する。
5 医療機関への相談(10月17日   山形精神保健センター生地先生)
  担任、養護教諭が母親とともに相談に行く。
  これまでの経緯と、現在の様子について話をする。
  専門的な立場でのアドバイスをいただく。
6 巡回相談員と母親との話し合い(11月12日 千田先生来校)
  幼児期からの様子、親として一番困っていること、学校への要求などを出してもらう。
  親としての対応の仕方のポイントを話し合う。
  母親との話し合いから感じたこと、学校としてすべきことのアドバイスをいただく。
7 校内委員会(12月11日)
  これまでの経過について確認し、現在の様子について話し合う。
  明日の両親との面談が有意義なものになるように、話し合いの柱を確認する。
8 両親との面談(12月12日)
  その後の学校での様子、家での様子について出し合う。
  今後の対応の仕方について話し合う。


成果と課題
  校内委員会の立ち上げとともに、担任一人が悩むような事態に陥ることなく、学校全体として見守る体制ができた。
  巡回相談員をはじめ専門の先生方と連携をとるなかで、とかく児童を否定的に見がちな視点が改められ、多角的で長期の展望に立った見方ができるようになっている。
  専門家チームに相談できるという支援体制が学校にとって大きな安心になっている。
  家庭との連携という点において難しさを感じる。コーディネーターの役割が充実したとしても、保護者にとっては学校職員に変わりはなく、相談しやすい第三者になることは難しいと感じる。
  本校では、モデル事業として全職員が研修をする機会を得て、ある程度の理解を得ることができたが、年度末には異動もあり、全県的な広がりを期待したい。しかし、その場合、巡回相談員や専門家チームの十分な派遣が可能であるのかが心配される。

執筆者名 白林 研二

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