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ア |
「数と計算」領域では,例えば,小数や分数の計算の技能についての問題と比べ,計算の意味理解と,計算の仕方の思考・判断についての問題で,通過率が設定通過率を下回ると考えられるものが多いという状況がみられる。このため,計算の意味理解や計算の仕方の思考・判断にかかわる学習において,計算の意味を実際の場面と結び付けたり,目的に応じて必要な計算を選んだり計算の仕方を工夫したりするなど,計算の意味を実感的にとらえられるようにする指導の工夫が大切である。また,それと並行して,計算の技能を定着させるための学習を一人一人の児童の学習状況に応じて進めるようにする指導が必要である。現行学習指導要領では,各学年の目標において,「計算の意味について理解し,計算の仕方を考え,用いること」を重視しているので,その趣旨を生かした取組が必要である |
イ |
「量と測定」領域では,例えば,三角形や円の面積の問題などで,通過率が前回を有意に下回る結果となっている。このため,面積の公式を児童自らが工夫しつくっていく学習や,身の回りにある様々な図形の面積を求めたり比べたりする学習を充実させて,面積を求める方法の理解を定着させたり,面積の公式を活用できるようにしたりする指導の工夫が大切である。 |
ウ |
「図形」領域では,例えば,円や円周率の知識・理解にかかわる問題などで,通過率が設定通過率を下回る結果となっている。図形や図形の性質についての知識を定着させ理解を深めるためには,積み木や紙など具体物を用いて図形をつくったり,実際に図形の性質を調べたり確かめたりする学習活動を積極的に取り入れる指導の工夫が大切である。現行学習指導要領では,作業的・体験的な活動などの算数的活動を通した学習を重視しているので,その趣旨を生かした取組が必要である。 |
エ |
「数量関係」領域では,問題となっている場面での数量の関係を式に表したり,式が表している考え方を説明したりする問題などで,通過率が設定通過率を下回ったり,前回を有意に下回ったりする結果となっている。数量の関係を適切にとらえることは,問題解決を進める上での大切な考え方となるものである。そのため,児童の様々な考えを授業の中で発表し合い,それらを式で表したり,考え方を比較したりする学習活動を積極的に取り入れる指導の工夫が大切である。 |