資料8−1 |
今回の調査結果によると,記述式の問題について,通過率が設定通過率を上回っていると考えられるもの,及び下回っていると考えられるものには,それぞれ以下のような共通点がある。
このように,提示された話題や文章に沿って書くことに対して,相手や目的などに応じ,自分の考えを明確にして内容を構成していくという問題について,通過率が設定通過率を下回ると考えられる結果がでている。取り上げる言語活動において,児童個々の考えをまとめることを一層重視し,相互評価などを活用してお互いの考えを高め合うような工夫を行うことにより,児童自身の考えを明確にし構成する力を育成できるような指導の充実が求められる。 なお,質問紙調査で明らかとなった教師と児童の意識の違いを踏まえ,今後は,児童の実態を十分に見据えた指導の充実が必要である。例えば,文学的な文章を扱う場合には,導入の学習活動に工夫を凝らして,興味・関心を高める,あるいは読解に偏重しないといった配慮が必要である。また,質問紙調査にみられる「読むこと」一般の問題について言えば,児童が読書に親しむよう多彩な文章様式(物語では,ファンタジー,短編と長編,いろいろな作家の作品など,説明的な文章では,記録や報告,解説や科学的な読み物など)に出合わせるようにしたり,現行学習指導要領の言語活動例にも示している読書発表会などの活動を一層充実させたりすることが必要となる。今改訂で示した言語活動例を参考に,多様な言語活動を行うといった指導の改善が求められる。児童の実態や指導内容の実現状況を明確に評価し,指導の改善を図る必要がある。 |