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資料1−2


《幼稚園と保育所の連携の取組》


1 幼稚園・保育所の施設の共用化

   平成10年3月「幼稚園と保育所の施設の共用化等に関する指針」を策定し、施設・設備の相互利用、園具・教具の相互使用、教員・保育士の合同研修等について指針を示した。
 
(平成15年5月現在   文部科学省調べ)
 
   
  公   立 私   立
合   築 62(   47) 20(12) 82(   59)
併   設 20(   21) 3(   8) 33(   29)
同一敷地内 47(   37) 54(46) 101(   83)
129(105) 87(66) 216(171)
(注)(  )内は、14年5月現在。


2 教育内容・保育内容の整合性の確保

   幼稚園教育要領、保育所保育指針の改訂に双方の関係者が参加することなどを通じて、内容面の一層の整合性の確保を図っている。


3 幼稚園教諭と保育士の合同研修・資格の併有

文部科学省の「幼稚園教育課程理解推進事業」に保育士等が参加
 
(平成14年度)
 
   
  全参加者 保育士等 割合(%)
中央協議会 420 16 3.8
教育課程研究協議会(全国計) 15,882 1,313 8.3

  厚生労働省の「地域子育て支援センター担当者研修会」に幼稚園教員等が参加
 
(平成14年度)
 
   
  全参加者 幼稚園教員等 割合(%)
研         修 611 11 1.8

  平成13年資格取得者の併有状況
 
   
幼稚園就職者数 うち保育士養成所
保育士資格取得者
保有率(%)
9,329 6,723 72.1

保育士養成所
保育士資格取得者数
うち幼稚園免許取得者数 併有率(%)
32,003 27,087 84.6




構造改革特区について

   少子化により幼児数が減少するなど、幼児が他の幼児とともに活動する機会が減少している地域において、集団生活の中で幼児の社会性を涵養する観点から、以下のような特例事項を設けている。
    (平成15年11月28日までに、幼児教育関係では24件の特区が認定済み)
   入園年齢: 北海道北広島市、北海道恵庭市、岩手県一関市、埼玉県北本市、埼玉県秩父市、山梨県富士吉田市、長野県、福井県丸岡町、京都府長岡京市、京都府大山崎町、鳥取県米子市、山口県防府(ほうふ)市、佐賀県、長崎県
   合同活動: 北海道東川町、秋田県千畑町、群馬県六合(くに)村、茨城県金砂郷(かなさごう)町、神奈川県箱根町、静岡県掛川市、岐阜県瑞浪市、三重県藤原町、和歌山県太地町、香川県池田町


1    幼稚園就園年齢の特例 (学校教育法第80条の特例)
 
   幼稚園に入園することのできる者は、満三歳から、小学校就学の始期に達するまでの幼児とされているが(学校教育法第80条)、特区において、幼児が満三歳に達する年度の当初から幼稚園に入園できるよう特例を設ける。

現状と特例

2     幼稚園における幼稚園児と保育所児等の合同活動の特例
 
(幼稚園設置基準第5条第1項の特例) 
 
   幼稚園において、幼稚園教諭が保育士等を兼務し、幼稚園の学級定員の範囲内で、保育所等の幼児を受け入れて合同の教育・保育活動を行うことを可能とする。
従来、幼保の合同活動はティーム保育によるものとなっていたが、この特例により、幼稚園教諭が保育士を兼任して、一人で合同保育を担当することが可能となる。)

3    幼稚園と保育所の保育室の共用化の特例
 
(幼稚園と保育所の施設の共用化等に関する指針の特例)
 
   幼稚園と保育所の共用化施設で合同活動を実施する場合、幼稚園と保育所の保育室をそれぞれ別に用意することなく、1つの保育室を共用化できるものとする。
 
(平成16年4月から施行予定)




幼稚園・保育所の一体的施設のイメージ図
(地方における事例による)

(例)
<年齢区分型>   例:東京都千代田区「いずみこども園」など
   ・ 0〜2歳児が保育所、3〜5歳児が幼稚園+預かり保育
保育料は、所得と保育時間(短時間または長時間が選択可能)に応じて設定。

年齢区分型


<合同活動型>(例)東京都台東区   石浜幼稚園・橋場保育所   など
   ・ 保育所児が、隣接する幼稚園の園児とともに、幼稚園の教育課程時間に同じ教育を受ける。
   (教諭と保育士によるティーム保育により、交流保育を恒常的に実施)
合同活動型





地域における連携事例

幼保一体的な施設の事例

秋田県井川町   「井川子どもセンター」
   施設の共用化を実施し、遊戯室、運動場、調理室を共用。園舎内は仕切のないオープンシステムとなっており、施設の特徴を生かした保育を実施。また、隣接する特別養護老人ホームとの交流や、就学前の幼児との交流や、小学校との合同活動も実施。

東京都千代田区   「いずみこども園」
   同じ年齢の幼児を保護者の就労形態等で区別することなく保育するため、0〜2歳児を保育所で、3〜5歳児を幼稚園(保育に欠ける幼児のために預かり保育を実施)として、認可上は幼稚園、保育所としてそれぞれ認可を受けながら、幼稚園と保育所を包括する「いずみこども園」として条例上位置づけている。

東京都品川区   「二葉すこやか園」
   多様化する保育ニーズに対応するため、既存の幼稚園の余裕教室の転用と、調理室等の増築により、0〜3歳児の保育所を新たに設置。4〜5歳児の幼稚園部分では、保育に欠ける幼児の受け入れのため、預かり保育を開始した。

岡山県岡山市   「御南幼児教育センター」
   岡山市が土地、建物を無償貸与し、そこに学校法人や社会福祉法人が私立幼稚園、私立保育園を設置し、管理・運営を行っている。
   両園の園児の交流を図ることを目的に検討した「岡山式カリキュラム」を踏まえて教育・保育を行う。


隣接する施設等で合同活動を実施している事例

東京都台東区  
   保育所の幼児が、登園後から給食後まで、隣接する幼稚園において、共通のカリキュラムに基づく保育を実施。幼稚園教諭と保育士のティーム保育により対応。

●島根県宍道町
   公立保育所(運営は社会福祉法人に委託)の4・5歳児が、道路を挟んで向かいの側の公立幼稚園において合同の保育を実施。幼稚園教諭と保育士のティーム保育により対応。


構造改革特区を活用した連携の例

●群馬県六合(くに)
   村内に保育所がなかったため、幼稚園舎の老朽化を期に、幼稚園を廃園し保育所を新設しようとしていたところ、特区における合同活動事業が措置されたため、幼稚園と保育所の一体化施設として改築することとした。(平成16年4月開園予定)

●茨城県金砂郷(かなさごう)
   幼保一体型施設「幼児教育センターうぐいす」を設置していたが、少子化の中で、幼児の社会性や創造性を育む機会を提供するため、幼稚園児・保育所児の合同クラスを編制することを目的として、構造改革特区の認定を受け合同活動を実施している。

岐阜県瑞浪市
   市内の地域ごとに幼稚園・保育所の設置の偏在解消のため、構造改革特区の「保育室の共用化の特例」「幼稚園における合同活動の特例」を活用し、既存の幼稚園の余裕部分を保育所に転用し、保育所の余裕部分を幼稚園に転用することにより、市内の全域に幼稚園・保育所の一体的運用を行う施設を整備することとしている。


窓口の一本化の事例

静岡県掛川市
   平成14年度より、保育所に関する市長部局の事務を教育委員会に委任。幼保一体型施設である「乳幼児センターすこやか」の管理運営を含め、公私立の幼稚園と公私立の保育所の窓口を教育委員会幼児教育課に統合している。

群馬県太田市
   保育所に関する事務を教育長に委任し、幼稚園に関する事務と保育所の所管を、教育委員会のこども課で一体的に行っている。

和歌山県
   福祉保健部に幼保・少子化対策推進室を設置。指導主事が教育委員会の職務と当室の職務を兼務し、幼稚園教諭と保育士の合同研修や、幼保合築、併設等の総合調整に関する事務を行っている。


教育・保育を一体として捉えた幼児教育振興プログラムの例

高知県
   県教育委員会に「幼保支援課」を設置。「高知県幼児教育振興プログラム」に基づき、知事部局の健康福祉部、各市町村等との連携・協力をしながら、幼稚園・保育所、家庭、地域を支援することとしている。

熊本県
   平成15年2月に0歳から小学校就学までの乳幼児全体を対象とした、「肥後っこかがやきプラン」をとりまとめた。「就学前教育関係機関である幼稚園や保育所等、家庭、地域社会」を子どもの生活ステージと捉え、それぞれの課題や今後の方向性を示している。

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