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資料4


2003.12.12中央教育審議会幼児教育部会資料
幼児教育の意義と役割をめぐって
東京大学大学院教育学研究科
汐見稔幸

1. 育ちのバックグラウンドの変化と幼児教育の役割
―放牧環境の消滅と厩舎育児
一次的社会化、二次的社会化、三次的社会化のバランスの崩壊、二次的社会化の弱さ→二次的社会化の課題(身体の諸能力、遊びのノウハウ、社会性、心のふるさとづくりなど)の個人化、家庭内化→親の育児課題の過剰化と親の負担感増大→短気で余裕のない育児、外注化、テレビ・ビデオ育児等
子どもの育ちの課題が多様化
   ex. 身体
自尊感情
対他関係と社会性
能動的遊びの減少、子どもへの評価的まなざしの増大など→能動的知性の育ちに懸念―学力低下問題の背景要因のひとつに
保育の見直しと専門性の向上の必要性
    課題の自覚にもとづく意識的働きかけと子どもたちの自主的選択的行為の保障ということの統一、特に個の課題の自覚と集団性の統一
保育への臨床的カウンセリング、集団カンファレンスの必要性

2. 保護者への育児支援の必要性・必然性と幼稚園
―世代間伝達の個人化
世代ごとに異なる背景社会
    親=農業社会、子=工業社会、孫=脱工業社会・IT社会 すべて異なる価値体系
基本的価値観の自然な伝達が困難に
基本的価値観の個別調達を強いられた世代
そのため、家庭内伝達が表面に浮かび出る、伝達の個人化
その上、被教育体験の特殊な世代―日本の教育の矛盾が肥大化した時代に教育を受けた世代子ども
    いじめの日常化世代
対人関係形成に気遣いが大
二分法的思考、バランス感覚の育ちの弱さ、中間で判断すること苦手
育児の基本的ノウハウの身体化の弱さ、ハビトゥスのなさなど
親を非難するのでなく、温かく支援する、それによって家庭のファミリーリテラシーを高める=家庭支援としての育児支援

3.その他





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