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資料3


小川博久(2003、12、12)
1. 幼児の遊びとは、
      自ら発意して、自ら達成する活動(自ら=自分たちがを含む)

2. 環境による教育―幼児自らが環境(人的、物的、空間的)に触発されて自らある意図をもちそれを実現する活動である。環境に幼児の発達や人間形成の要素が内包されている。(目標)

3. 遊びにおける動機形成の要因

c.f市川浩                    (1) 大人と幼児との同調的関係
                     応答的関係

c.f J.S Bruner   (2) 大人の行動へのjoint attention
(家事と育児の結合)―モノへの関心

    (3) 教師(大人)のモデル行動
モノへの集中(作業行動)

    (4) 観察学習(observation learning)

c.f 西村清和   (5) 試行錯誤の中で上昇過程
成功と失敗の繰り返しの中で成功率の上昇は遊びの間隙における宙吊り構造が成立し、楽しさの要因となる。

    (6) 達成感の増大と共におもしろさの終焉がくる。

4. 遊びの展開と援助のプロセス
・遊びの動因はあこがれを含む。(やりたい、できないの葛藤)
・試行錯誤―停滞、方向性の欠落
         ・
大人の援助の必要性 ・達成への道筋の示唆
・自己達成感を残す余地
達成動機の実現・自己内達成感と社会的承認

5. 集団保育の中での遊び
(1) 環境を構成するー伝承遊びを成立させた環境によるシミュレーション
             (イ) 大人(教師)と子どもの生活空間の場であること
大人と子ども集団の生活が交叉する時空間であること、日常的な作業、活動空間であること(保育室にコーナー保育の考え方を定着させる。)

  (ロ) 製作コーナー
精神的磁場としての心理的拠点
人の作業とモノの配置と場の関係を学ぶ場(勝手がわかる)
モデル行動から観察学習の成立する場
自己達成を個人レベルで達成できる環境(色々なモデルがみられる)
人間関係や群の成立する場

教師の役割 精神的に安定して幼児を迎える
  modelを演ずる場
  交流を受け返す場
  幼児を観察し(保育室を俯瞰し、幼児のうごきをとらえる)、援助する場

  (ハ) ままごとコーナー
幼児集団が集団性を実現する場(空間)
(遊びの拠点性かトポスとして成立する)
みたてによる会話を持続させるためにはモノづくりが必要
モノづくりの成立する場―イメージを実現する象徴空間
(イメージ媒体としてのモノとコトバが結びつくとともに、身体的拠点性と象徴による拠点性が結びつく場)

  (ニ) ブロック、積み木などのコーナー
モノを象徴化することで独自のイメージ空間を創立する場

   こうした遊びの拠点を用意することで、幼児集団の遊びが繰り返し展開することをねらう。こうした室内配置が保育室に常設されることで幼児の集団的遊び活動の持続的展開がはかられ、幼児の人間関係がモノの操作に媒介され、コーナーの空間性と結びつくことで遊びのトポスが成立する。
さらにこの三つのコーナーが部屋の壁面に設置されることで保育室がにぎわい空間となり遊びに所属する子どもたち相互のみるーみられる関係が成立し遊びが自力で展開する保育者はそれを観察し、その動向を読みつつ援助を考える。こうした遊びの持続的展開の中で幼児一人一人の動向を把握し援助をしていく。

(2) 園庭の遊びの集団性
(イ) 応答型
                          集団遊び(伝統遊びから)
(ロ) 循環型
(ハ) 固定遊具の遊びのギャラリー性





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