資料2 |
・ | 本来公教育の目的は、人格の完成を目指し、心身の健全な自立した人問を育てるとともに、国家・社会の形成者としての資質を育成すること(教育基本法)としており、とくに義務教育制度は、この目的実現の基盤となる教育制度として、憲法によって保障されている。 |
・ | 義務教育は、国民教育であることから機会均等を旨とし、一定の教育水準が維持されるよう国の責任において担保され、教育委員会はこれを受けて、公立学校(小学校・中学校)を設置、管理運営の責任を負っている。(地教行法) |
・ | 公教育(義務教育)の役割は、子どもの社会的自立に向けた基礎的・基本的能力(知・徳・体)を育て、生涯学習や社会活動、職業生活の基盤となる資質を養うとともに、ひとり一人の個性や能力の伸長を期することにある。 |
・ | 公立学校における教育の成果は、子どもや家庭・地域の信頼が基盤となることから、開かれた学校運営(学校評議員会等の設置)が必要である。 |
・ | 公立学校(義務教育学校)の設置・管理運営については、制度上責任を負う国と、地方公共団体(教育委員会)とがあいまって、将来にわたりその役割が十分機能するよう教育制度を整えるとともに、良質な教育の確保に努めることが求められる。 以上の観点から、公立学校(特に義務教育)の民間委託について意見を記す。 |
・ | 公立学校の管理運営については、経済的競争原理や営利目的、特定の主義や思想等によって、公立学校の拠って立つ公教育の理念(公共性、公平性、中立性)が損なわれないことが保障されること。 |
・ | 公立学校の管理運営については、公教育の理念はもとより、教育に対する信頼性の基盤である安定性、継続性、教育の質(物的、人的、企画的)が担保されること。 |
・ | 公教育の理念や教育に対する信頼性の保障は、物的・経済的要件に優先する要件であり、その保障は国や地方公共団体(教育委員会)の責任において行われるべきこと。 |
・ | 公立学校における教育は、施設設備や教育内容・方法等子どもの発達段階に即して整備され、教育の専門的見地に立って適時・適切に行われなければならないこと。 |
・ | 公教育における初等中等教育は、人間の成長過程における人格形成(個人として、社会人として、国民として)の基盤つくりの時期に行われる教育であって、すべての子どもが対象となることから、初等中等教育に関する学校の設置・管理運営は、原則として国、地方公共団体(教育委員会)ならびに学校法人が相当である。 | ||
・ | 株式会社等民間企業が、公立学校の管理運営に参入することについては、上記の公立学校に関する基本的要件になじみ難いと思料される。また、私立学校との関係において、民間委託導入の意義・役割が不明であることに加え、その目的が子どもの教育にとって正当であるかどうか、客観的に相当な成果が保障されるかどうかについて懸念がある。 | ||
・ | 公立学校の管理運営について、包括的な民間委託は適切さを欠くと判断されるが、目的や二一ズに対応した限定的な(部分的な)委託は可能である。
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・ | 公立義務教育学校(小中学校)における包括的な民間委託については、義務教育の本質に照らし適切でない。 |