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資料4




三重県津市立南が丘小学校の実践研究に係る課題について
〜中央教育審議会初等中等教育分科会教育行財政部会における実践研究に関する資料〜

平成15年9月19日

1   地域学校協議会の法的位置づけと役割
   【取組状況】
   ○   名称:    南が丘地域教育委員会
○   部会:    「学校協働部会」、「地域連携部会」
○   目的:    家庭・地域・学校の連携、学校教育への参画   等
○   委員:    PTA代表(4)、自治会等各種団体(3)、南が丘中学校教員(1)、公募委員(3) 計11名
      ※   オブザーバー:学識経験者(2)、津市教委(1)
   ○   事務局: 津市立南が丘小学校内
   ○   学校との関係:    学校との緊張感のある協働関係
   ○     主な活動内容
     学校外部評価と学校への「提言」
   昨年度末に全保護者・地域関係者を対象に外部評価を実施し、その結果をもとに学校に対し、よりよい学校づくりに生かすための「提言」を行った。
     「南が丘小学校の教育を語る会」の開催
   保護者や地域のニーズに応える学校づくりをめざして、昨年度「教育を語る会」を開催し、保護者から学校への要望を聴く機会とした。併せて保護者を対象にしたアンケート調査も実施した。
     「夏休み子ども教室」の開催
   夏休みに地域主導による学習教室を3講座開催し、親子のふれあう一機会とした。
     広報「子どもがいちばん」の発行
   地域教育委員会の活動状況を保護者や広く地域に啓発するため、2か月に一回程度発行した。
     コミュニティ・ファンドの研究
   本年度の最重要課題として、コミュニティ・ファンドの設立に向けて、研究を開始した。
   【課題】
   ○    地域教育委員会の役割や権限、学校との関係の明確化
   地域教育委員会が、永続的な組織として学校運営に参画するには、地域教育委員会自体はもとより、外部に対しても、その役割や権限等を明確化することが必要である。また、人事権や予算権の有無あるいはその在り方(例えば、意見具申権)についても明確化していくことが望まれる。
   地域教育委員会の法的位置づけ
   協議会を法的に位置づけるとともに、委員の身分を明確にすることが必要である。


2   校長の裁量による人事の内申権
   【取組状況】
   ○    民間からの校長の就任
   民間からの校長が就任し、校長のリーダーシップのもと、より組織的・機能的な学校運営をめざし会議の効率化や校務分掌の改善等を図るとともに、特色ある学校づくりの観点から、校長の教育構想を十分に生かした学校運営を進めている。
   【課題】
   ○    教職員人事に関する校長の裁量権の拡大
   特色ある学校づくりを推進していくためには、校長の学校運営等における裁量権をさらに拡大していくことが必要である。また、校長の教育構想に基づいた教職員スタッフを構成することは教職員人事に大きな比重を占め、校長に必要な教職員の人事内申権をどれだけ認めていくかが課題である。
   非常勤講師採用に関する校長の裁量権の認定
   教職員の人事同様、講師や非常勤講師の配置についても、校長の内申(意向)による任用を実施していくことが課題である。


3   柔軟な教育課程の編成権
   【取組状況】
   ○    小学校高学年における「選択教科」の導入
   研究開発の一環として、「総合的な学習の時間」を運用して、高学年において「選択教科」を設け、教科の基礎的及び発展的学習を進めている。児童や保護者にも好評を得ており、研究開発の指定が終了しても継続していきたい。
   また、保護者のニーズに応える特色ある学校づくりの視点から、来年度「英語科」等の新教科の設置を検討中である。今後、学校独自による教育課程編成は、ますます促進されることが予想され、教科用図書も学校独自の教育課程に見合ったものを使用する声が高まると考えられる。
   【課題】
   ○    学習指導要領の弾力的運用
   新しいタイプの学校づくりが進むにつれ、これまで以上に学校は、児童や保護者のニーズに応えるための学校独自の教育課程編成が必要となる。今後、学習指導要領の弾力的な運用が一層図られるような方策が求められてくる。
   教科用図書採択における学校裁量権
   より子どもたちの実態に即した教育課程を編成するために、現在、地域ごとに採択している教科用図書を各学校ごとに採択できるよう、学校に裁量権を与えてはどうか。


4   コミュニティ・ファンドの法的整理
   【状況】
   ○    コミュニティ・ファンドの創設
   地域教育委員会の本年度の大きな活動として、コミュニティ・ファンドの設立がある。
   その目的は、学校教育活動への支援、地域活動への支援であり、現在、公立学校としてのファンドの税金等の法的対策について検討中である。
   【課題】
   ○    公教育におけるファンドの法整備
   公教育におけるファンドは法的な規制や認定がなく、私立学校のような会計士や税理士がいて寄付金扱いをするシステムもなく、大きな支障が予想される。そこで、このようなファンドについて大きな負担なく税法等々の処理をいかに可能にしていくかを検討し、法整備する必要がある。



☆   教員の勤務形態の見直し
   【現状】
   ○    時間外勤務の現状
   地域学校協議会の運営や参加、その他保護者や地域との連携等の活動は、土日曜日及び夜間を中心に行われている。特に、協議会の事務局員や研究推進担当者の夜の会議の出席は頻繁であり、その時間外勤務のための措置は、現行制度の中では難しい。
   【課題】
   ○    教員の柔軟な勤務形態の確立
   コミュニティ・スクールのように、学校が地域と深く連携していくためには、教員の柔軟な勤務形態の整備、あるいは時間外勤務の保障が不可欠である。教員の時間外勤務の在り方については抜本的に見直す時期に来ている。


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