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資料4




義務教育に関する主な提言事項(抜粋)


(1)義務教育(学校教育)の在り方に関する提言

   ・    学校教育は、すべての国民に対して、その一生を通ずる人間形成の基礎として必要なものを共通に修得させるとともに、個人の特性の分化に応じて豊かな個性と社会性の発達を助長する、もっとも組織的・計画的な教育の制度であり、国民教育として普遍的な性格をもち、他の領域では期待できない教育条件と専門的な指導能力を必要とする教育を担当するものである。
初等・中等教育は、人間の一生を通じての成長と発達の基礎づくりとして、国民の教育として不可欠なものを共通に修得させるとともに、豊かな個性を伸ばすことを重視しなければならない。そのためには、人間の発達過程に応じた学校体系において、精選された教育内容を人間の発達段階に応じ、また、個人の特性に応じた教育方法によって、指導できるように改善されなければならない。
公教育の内容・程度について水準の維持向上をはかり、教育の機会均等を徹底し、国民的要請に即応して学校教育の普及充実に努めることは政府の任務であって、そのためには広く国民の理解と支持を得て、長期にわたる見通しのもとに計画的に適切な施策の推進をはからなければならない。
【中教審答申S46.6】

学校の目指す教育としては、(a)[生きる力]の育成を基本とし、知識を一方的に教え込むことになりがちであった教育から、子供たちが、自ら学び、自ら考える教育への転換を目指す。そして、知・徳・体のバランスのとれた教育を展開し、豊かな人間性とたくましい体を育んでいく。(b)生涯学習社会を見据えつつ、学校で全ての教育を完結するという考え方を採らずに、自ら学び、自ら考える力などの[生きる力]という生涯学習の基礎的な質の育成を重視する。
【中教審答申H8.7】

学校の役割は1地域コミュニティの中核としての役割2子どもに市民となるための基礎・規律を習得させる役割
【青少年問題審議会H11.7】

高等学校段階までの初等中等教育は、人間として、また、家族の一員、社会の一員として、更には国民として共通に身に付けるべき基礎・基本を習得した上で、生徒が各自の興味・関心、能力・適性、進路等に応じて選択した分野の基礎的能力を習得し、その後の学習や職業・社会生活の基盤を形成することを役割としている。
小学校教育段階及び中学校教育段階
       社会的自立に向けて、人間として、また、家族の一員、社会の一員として、更には国民として共通に身に付けるべき基礎・基本を着実に学習し定着させる。
a.    小学校教育段階では日常生活に必要な各般の能力を養うことにより、社会生活を営むため必要な資質・能力の基礎を身に付けるとともに、自分の個性を発見する素地を育てる。
b.    中学校教育段階では社会的自立のために必要な資質・能力の育成を図るとともに、生徒の興味・関心、能力・適性等の多様化に対応して、選択による学習を行う。
   特に進学や職業選択の準備のため、自らの生き方を考えて行動する能力や態度及び主体的に進路を選択する能力を身に付けるとともに、その後の学習や職業生活を通じて一層伸張されるべき自己の個性を見いだしておくことが重要である。
義務教育の役割は、人間として、また、家族の一員、社会の一員として、更には国民として共通に身に付けるべき基礎・基本を習得させるための教育について、国民の誰もがこれを等しく享受し得るように制度的に保証すること。
初等中等教育の役割は、人間として、また、家族の一員・社会の一員として、更には国民として共通に身に付けるべき基礎・基本を習得した上で生徒が各自の興味・関心、能力・適性、進路等に応じて選択した分野の基礎的能力を習得し、その後の学習や職業・社会生活の基盤を形成すること。
【中教審答申H11.12】


学校は、子どもの社会的自律を促す場であり、社会性の育成を重視し、自由と規律のバランスの回復を図ることが重要である。
【国民会議報告H12.12】

初等中等教育段階の学校の基本的な役割は、将来一人前の社会人として生きていくために最低限必要な「基礎学力と社会ルール」を、子どもたちがしっかりと習得できるようにすることである。そのうえで、これからの学校には、子どもたちがそれぞれ好きなことや得意なことを見つけ、自らの個性を自覚し、それをもとに自分の将来について考えていくための手助けをしてほしい。
学校は積極的に自らを社会に開いていく必要がある。そして、地域社会とも交流して、子どもたちが将来の選択肢になり得るような大人の実例に接する機会を多く作り出し、夢や希望を膨らませるきっかけづくりをしてほしい。また、働く保護者の時間的制約にも配慮して、PTA会合などの学校行事を週末や夕刻に開催したり、eメールを使うなどして、教師と保護者とのコミュニケーションがより一層円滑に行われるための努力をしてほしい。
【経済同友会提言H13.4】

これからの学校教育においては、一人一人の個性に応じて、基礎的・基本的な知識・技能や学ぶ意欲をしっかりと身に付けさせるとともに、道徳や芸術など情操を豊かにする教育や、健やかな体をはぐくむ教育を行い、これらによりその能力を最大限に伸ばしていくことが重要であり、その視点を明確にする。その際には、グローバル化や情報化、地球環境問題への対応など、時代や社会の変化に的確に対応したものとなることが重要である。

義務教育は、近代国家における基本的な教育制度として憲法に基づき設けられている制度であり、普通教育が民主国家の存立のために必要であるという国家・社会の要請とともに、親が本来有している子を教育すべき義務を国として全うさせるために設けられているものである。このように、国民に教育を受けさせる義務を課す一方、国及び地方公共団体は共同して良質の教育を保障する責任を有しており、義務教育の充実を図っていく必要がある。
(教育基本法の在り方について)学校の基本的な役割について、教育を受ける者の発達段階に応じて、知・徳・体の調和のとれた教育を行うとともに、生涯学習の理念の実現に寄与するという観点から簡潔に規定することが適当。その際、大学・大学院の役割及び私立学校の役割の重要性を踏まえて規定することが適当。
【中教審答申H15.3】

義務教育から大学までの教育の質を高めるため、競争環境の一層の整備、地方の自主性の尊重等を通じた教育改革を推進する。初等中等教育については、今まで以上に児童生徒に対する教育投資の向上を図り、投資効果を高めることを目指す。地方の自主性を一層尊重するとともに、学校や教員の個性と競争を重視する。
【経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003(骨太の方針2003)H15.6】


(2)義務教育制度に関する提言

   ・    現在の学校体系について指摘されている問題の的確な解決をはかる方法を究明し、漸進的な学制改革を推進するため、その第一歩として次のようなねらいをもった先導的な試行に着手する必要がある。
4、5歳児から小学校の低学年の児童までを同じ教育機関で一貫した教育を行うことによって、幼年期の教育効果を高める
小学校と中学校、中学校と高等学校のくぎり方を変えることによって、各学校段階の教育を効果的に行なう
幼年期のいわゆる早熟化に対応する就学の始期の再検討
【中教審答申S46.6】

学校制度の複線化構造を進める観点から、中高一貫教育の選択的導入を図る。
稀有な才能を持った子どもたちのための教育上の例外措置として、大学入学年齢の特例を設け、学校制度の弾力化を図ることや、同時に、学習の進度の遅い子どもたちに対して十分な配慮を行う。
【中教審答申H9.6】

個に応じた柔軟な進級、進学の在り方を検討
【青少年問題審議会H11.7】

幼児期から初等中等教育を一貫してとらえて各学校段階間の連携を一層強化するため、カリキュラムの一貫性、系統性をより一層確立するとともに、学校段階間のより望ましい連携や接続の在り方について総合的かつ多角的な観点から検討する必要
【中教審答申H11.12】

新しい経済社会システムにふさわしい「複眼的」で「複線的」な教育・人材育成システムを確立し、個人個人がその能力を最大限に発揮し、自らの目標を達成できるようにする必要がある。即ち、偏差値だけを重視するという単眼的な評価から、個人個人の多様な能力を評価する「複眼的評価」に変えるとともに、様々な選択肢を持つ「複線的システム」が必要である。それはまた、やり直しのできるシステムでもある。
通学区域を弾力化する自治体が出始め、公立小・中学校に通う生徒は、同一ブロック内であれば自由に学校を選択できるようになった。それにより、保護者側にも学校を選ぶ責任が生じ、学校教育に対する意識の向上が図られる。また、教育側においても、競争原理が働くことにより、各学校による創意を生かした特色ある教育を推進できる。
【経団連提言H12.3】

一人ひとりの資質や才能を生かすために、これまでの一律的な教育を改め、基礎的な知識を確実に身に付けさせるとともに、それぞれが持って生まれた才能を発見し伸ばし、考える力を養う学習を可能にすべき。(具体的には、少人数教育、習熟度別学習、学年の枠を越えて特定の教科を学べるシステム、中高一貫教育の推進、飛び入学)
新しいタイプの学校(“コミュニティ・スクール”等)の設置の促進
【国民会議報告H12.12】

学校選択制度を各地で積極的に導入する。学校間の切磋琢磨により、より質の高い教育の提供を目指す各校の努力を促す。教育の受け手である子どもや保護者の希望に合った学校を選択できるようにする。
【経済同友会提言H13.4】

教育分野における株式会社等の参入(平成15年度中に検討・結論)
       株式会社など国・地方公共団体や学校法人以外による教育分野への参入については、会計制度などによる情報開示制度、第三者評価による質の担保及びセーフティネットの整備等を前提に、教育の公共性、安定性、継続性の確保に留意しつつ、特に大学院レベルの社会人のための職業実務教育等の分野について、その在り方を検討する。
コミュニティ・スクール導入に向けた制度整備(平成15年中に検討・結論)
       新しいタイプの公立学校であるコミュニティ・スクールを導入することの意義は、教職員人事を始めとする運営・管理及び教育の実施等について、学校、保護者、地域の独自性を確保する一方で、地元代表や保護者の代表を含む「地域学校協議会(仮称)」に対しアカウンタビリティを負うことにより、社会や地域住民・需要者のニーズに応じた多様で機動的な学校運営を可能とし、独創性と創造性に富んだ人材の育成に資することにある。
   これらの点を踏まえ、コミュニティ・スクール導入のための制度整備に関しては、例えばコミュニティ・スクールの設置手続、「地域学校協議会(仮称)」の設置と機能、都道府県教育委員会、市町村教育委員会及び地域学校協議会の教員任免等に係る権限の在り方等の点について、法令上の規定を設けることを検討する。
教育への外部資源の積極的活用(平成15年度措置】
       現行、既に総合的な学習の時間において、学校外の教材や学習環境の積極的活用が図られているところであるが、そうした取り組みを促進するとともに、さらに民間企業やNPOなど学校以外の主体が保有する教育資源の有効活用等の観点から、例えば外国語やIT教育などの授業において、各学校の判断で外部人材や学外の学習環境の活用が推進されるよう、ガイドラインの策定や体制の整備等を図る。
   また、現在PFI方式により学校施設等の維持管理と温水プールの地域開放時の運営や水泳教室・フィットネスの運営などが行われている例が既にあるが、学校運営のアウトソーシング促進の観点から、PFIによる学校施設運営が可能である範囲について明確化を図る。
【規制改革推進3か年計画(再改定)H15.3】

公立学校の管理・運営の民間委託等
       公立学校の民間への包括的な管理・運営委託について、早急に中央教育審議会で検討を開始する。特に高等学校中退者を含めた社会人の再教育、実務・教育連結型人材育成などの特別なニーズに応える等の観点から、通信制、定時制等の高等学校の公設民営方式について平成15年度中に結論を得る。
   株式会社等による学校経営については、構造改革特区における実施状況についてできるだけ速やかに評価を行い、検討を進める。
義務教育面では、時代や社会の要請に応え、基礎・基本の十分な定着を図るとともに、コミュニティ・スクール導入に向けた制度整備や習熟度別少人数指導等、地域の実情や子どもの個性に応じた多様な教育・指導方法の工夫を進め、子どもの学習意欲の向上も含め「確かな学力」の向上を目指す。
国庫補助負担金の改革
       地方の権限と責任を大幅に拡大するとともに、国・地方を通じた行政のスリム化を図る観点から、「自助と自律」にふさわしい国と地方の役割分担に応じた事務事業及び国庫補助負担金の在り方の抜本的な見直しを行う。
【経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003(骨太の方針2003)H15.6】


(出典)

中央教育審議会
   ・    答申「今後における学校教育の総合的な拡充整備のための基本的施策について」(S46.6)
答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」(H9.6)
答申「初等中等教育と高等教育の接続の改善について」(H11.12)
答申「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」(H15.3)

青少年問題審議会
   ・    答申「「戦後」を越えて−青少年の自立と大人の責任−」(H11.7)

経済団体連合会(経団連)提言
   ・    「グローバル化時代の人材育成について」(H12.3)

教育改革国民会議
   ・    「教育改革国民会議報告−教育を変える17の提案−」(H12.12)

経済同友会提言
   ・    「学校と企業の一層の相互交流を目指して」(H13.4)

総合規制改革会議(閣議決定)
   ・    「規制改革推進3か年計画(再改定)」(H15.3)

経済財政諮問会議(閣議決定)
   ・    「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003(骨太の方針2003)」(H15.6)



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