1 |
「キャリア」をどうとらえるか
(1) |
「キャリア」の多義性・多様性
○ |
「キャリア」の解釈・意味付けは,それぞれの主張や立場,用いられる場面等によって多様 |
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(2) |
「キャリア」概念の本質
○ |
「キャリア」とは「個々人が生涯にわたって遂行する様々な立場や役割の連鎖」として,また,そうした連鎖の中で行われる「自己と働くこととの関係付けや人生における働くことへの価値付けの過程及びその累積」 |
○ |
初等中等教育段階では,このような過程,子どものキャリア発達の支援が重要 |
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2 |
キャリア教育の定義
○ |
端的には「児童生徒一人一人の勤労観,職業観を育てる教育」 |
○ |
中央教育審議会答申(平成11年12月)における定義:「望ましい職業観・勤労観及び職業に関する知識や技能を身に付けさせるとともに,自己の個性を理解し,主体的に進路を選択する能力・態度を育てる教育」 |
○ |
これを本協力者会議では,「キャリア」概念に基づき,「児童生徒一人一人のキャリア発達を支援し,それぞれにふさわしいキャリアを形成していくために必要な意欲・態度や能力を育てる教育」と捉えている |
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3 |
キャリア教育の意義
(1) |
教育改革の理念と方向性を示すキャリア教育
○ |
キャリア教育は,一人一人のキャリア発達や個としての自立を促す視点から,従来の教育の在り方を幅広く見直し,改革していくための理念と方向性を示すもの |
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(2) |
子どもたちの「発達」を支援するキャリア教育
○ |
キャリアが発達段階やその発達課題の達成と深くかかわりながら段階を追って形成されていくことを踏まえ,子どもたちの成長・発達を促す視点に立った取組を推進 |
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(3) |
教育課程の改善を促すキャリア教育
○ |
各領域の関連する諸活動を体系化し,組織的・計画的に実施することができるよう,各学校が教育課程編成の在り方を見直していくことが必要 |
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4 |
キャリア教育の範囲と内容
(1) |
学校教育における各領域とキャリア教育
○ |
キャリア教育は,学校の全ての教育活動を通して推進 |
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(2) |
小・中・高等学校学習指導要領におけるキャリア教育関連事項
○ |
学習指導要領において,キャリア教育に関連する事項は相当数に上る |
○ |
各学校において活動相互の関連性や系統性に留意しながら,発達段階に応じた創意工夫ある教育活動を展開していくことが必要 |
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5 |
進路指導,職業教育とキャリア教育
(1) |
進路指導とキャリア教育
○ |
進路指導の取組はキャリア教育の中核。しかし,従来の進路指導においては,「進路決定の指導」や,生徒一人一人の適性と進路や職業・職種との適合を主眼とした指導が中心 |
○ |
キャリア教育においては,キャリア発達を促す指導と進路決定のための指導とが系統的に調和を取って展開。適合とともに,集団生活に必要な規範意識やマナー,人間関係を築く力やコミュニケーション能力など,適応にかかる幅広い能力の形成の支援を重視 |
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(2) |
職業教育とキャリア教育
○ |
職業教育の取組はキャリア教育の中核。しかし,従来の職業教育の取組では,専門的な知識・技能を習得させることに重きが置かれており,生徒のキャリア発達を如何に支援するかという視点に立った指導は不十分 |
○ |
今後,キャリア教育の視点に立って,子どもたちが働くことの意義や専門的な知識・技能を習得することの意義を理解し,その上で科目やコース,将来の職業を自らの意思と責任で選択し,専門的な知識・技能の習得に意欲的に取り組むことができるよう指導の充実が必要 |
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