(11)小学校の英語教育に関する意識調査 結果の概要
調査の目的
小学校における英語教育について、児童、保護者及び教員の意識を把握することにより、今後の外国語教育の充実・改善に生かすことを目的とする。
調査の内容
1 調査対象
- 公立小学校の児童(4年生、6年生)
- 調査対象となる児童の保護者
- 調査対象校の教員(校長、学級担任等)
(なお、校長については、学校全体の状況について回答)
2 調査実施時期
平成16年6月
3 調査対象校数及び回収状況
|
調査対象校数 |
回答学校数(回収率) |
小学校 |
230校 |
190校(82.6パーセント) |
4 回答人数
|
4年生 |
6年生 |
合計 |
児童 |
4,923人 |
5,079人 |
10,002人 |
保護者 |
4,730人 |
4,868人 |
9,598人 |
教員 |
2,234人 |
2,234人 |
調査結果
1 総合的な学習の時間における英語活動
「総合的な学習の時間で英語活動が行われている(行っている)」
児童 |
保護者 |
75.3パーセント |
61.2パーセント |
|
|
校長 |
学級担任 |
77.0パーセント |
55.5パーセント |
|
(参考:小学校英語活動実施状況調査(文部科学省))
- 総合的な学習の時間で英語活動を実施している学校の割合(平成15年度実績)
第4学年:68.2パーセント 第6学年:70.6パーセント
英語活動に対する満足感(児童)
「英語活動が好き」(「どちらかといえば好き」を含む):73.9パーセント
(参考:学校教育に関する意識調査(平成15年度 文部科学省))
- 「総合的な学習の時間」の満足感(小学校5年)
「総合的な学習の時間が好き」(「どちらかといえば好き」を含む):89.0パーセント
英語活動が好きな理由(児童)
(複数回答・上位5項目)
英語の歌を歌ったり、英語のゲームをしたりできるから |
76.8パーセント |
外国人の先生や留学生など外国の人と話すことができるから |
43.4パーセント |
英語を読むことができるから |
41.1パーセント |
友達と英語を使ってやりとりをすることができるから |
37.5パーセント |
外国の文化などを知ることができるから |
29.7パーセント |
英語活動が嫌いな理由(児童)
(複数回答・上位5項目)
英語を読むことがうまくできないから |
50.4パーセント |
総合的な学習の時間では英語活動以外の学習の方が好きだから |
41.9パーセント |
友達と英語を使ってやりとりをすることがうまくできないから |
39.7パーセント |
外国人の先生や留学生など外国の人と話すことがうまくできないから |
37.5パーセント |
英語の歌を歌ったり、英語のゲームをしたりすることがうまくできないから |
35.1パーセント |
英語活動の達成度
- 児童「よくできている」・「だいたいできている」計:60.2パーセント
- 教員「よくできている」・「だいたいできている」計:48.9パーセント
(参考:学校教育に関する意識調査(平成15年度 文部科学省))
- 「学校の授業がわかる」(「だいたいわかる」を含む)
小学校児童:約70パーセント 小学校教員:約78パーセント
英語活動の実施の希望(英語活動が行われていない児童)
「英語活動を行ってほしい」(「どちらかといえばそう思う」を含む):66.3パーセント
英語活動によって生じた子どもたちの変化
保護者
(複数回答・上位5項目)
英語に興味や関心を持つようになった |
42.7パーセント |
今のところあまり変化は見られない |
38.1パーセント |
英語に関する話をよくするようになった |
17.9パーセント |
外国の文化などに興味や関心を持つようになった |
14.1パーセント |
学校であったことをよく家で話すようになった |
12.6パーセント |
教員
(複数回答・上位5項目)
英語に興味や関心を持つようになった |
62.6パーセント |
外国の人と臆することなく接しようとするようになった |
25.6パーセント |
外国の文化などに興味や関心を持つようになった |
24.4パーセント |
今のところあまり変化は見られない |
18.8パーセント |
英語に関する話をよくするようになった |
9.8パーセント |
小学校で英語活動を行うことについてどう思うか
- 保護者「よいと思う」・「どちらかといえばよいと思う」計:91.1パーセント
- 教員「よいと思う」・「どちらかといえばよいと思う」計:76.4パーセント
(参考:校長の回答)
「よいと思う」・「どちらかといえばよいと思う」計:86.5パーセント
小学校の英語活動で目標とすべき(目標としてほしい)こと
保護者
(上位5項目)
|
そう思う |
そう思わない |
英語に対する抵抗感をなくすこと |
94.8パーセント |
3.3パーセント |
外国のことに関する視野を広げること |
88.4パーセント |
9.0パーセント |
外国の人とコミュニケーションを行おうとする態度を身に付けること |
87.7パーセント |
9.9パーセント |
英語のリズムや発音などの基礎を身に付けること |
86.5パーセント |
11.0パーセント |
英語を聞いたり話したりする力を付けること |
83.3パーセント |
14.3パーセント |
教員
(上位5項目)
|
そう思う |
そう思わない |
英語に対する抵抗感をなくすこと |
94.8パーセント |
4.2パーセント |
外国の人とコミュニケーションを行おうとする態度を身に付けること |
92.8パーセント |
6.3パーセント |
外国のことに関する視野を広げること |
89.0パーセント |
9.5パーセント |
英語のリズムや発音などの基礎を身に付けること |
62.7パーセント |
35.5パーセント |
英語を聞いたり話したりする力を付けること |
59.6パーセント |
38.9パーセント |
小学校の英語活動で行ってほしい内容
児童
(複数回答・上位5項目)
英語の歌を歌ったり、英語のゲームをしたりする活動 |
55.2パーセント |
身近なものの名前を英語で言う活動 |
45.9パーセント |
あいさつや自己紹介など、やさしい会話をする活動 |
40.0パーセント |
アルファベットや英語の単語を書く活動 |
38.0パーセント |
英語の文章を読んだり書いたりする活動 |
37.1パーセント |
小学校の英語活動は誰が教えるのがよいか
保護者
(複数回答・上位5項目)
小学校の教員と英語を母語とする外国の人の組み合わせ |
89.5パーセント |
小学校の教員と英語が得意な地域の日本人の組み合わせ |
17.1パーセント |
小学校の教員と中学校や高校の英語の教員の組み合わせ |
11.1パーセント |
学級担任などの小学校の教員 |
10.2パーセント |
中学校や高校の英語教員 |
5.5パーセント |
教員
(上位5項目)
|
よいと思う |
よくないと思う |
小学校の教員と英語を母語とする外国の人のT・T(ティーム・ティーチング) |
85.7パーセント |
9.6パーセント |
英語を専門に教える小学校の教員 |
80.7パーセント |
12.8パーセント |
学級担任と英語を専門に教える小学校教員のT・T |
76.9パーセント |
16.0パーセント |
小学校の教員と英語が得意な地域の日本人のT・T |
62.8パーセント |
25.7パーセント |
学級担任 |
39.9パーセント |
45.1パーセント |
(参考:校長の回答)
(上位5項目)
|
よいと思う |
よくないと思う |
小学校の教員と英語を母語とする外国の人のT・T |
88.2パーセント |
7.3パーセント |
学級担任と英語を専門に教える小学校教員のT・T |
83.7パーセント |
10.7パーセント |
英語を専門に教える小学校の教員 |
80.9パーセント |
11.8パーセント |
小学校の教員と英語が得意な地域の日本人のT・T |
77.5パーセント |
12.9パーセント |
学級担任 |
51.7パーセント |
36.0パーセント |
英語活動を実施する上での課題(教員)
(複数回答・上位5項目)
ALTや英語に堪能な民間人など外部人材の確保 |
74.2パーセント |
教員間や、ALTや英語に堪能な民間人など外部の協力者との打合せの時間の確保 |
50.2パーセント |
教材・教具等の開発や準備 |
45.0パーセント |
小学校教員の英語力や指導力の向上 |
44.9パーセント |
英語活動に関する教員研修の充実 |
42.0パーセント |
(参考:学校教育に関する意識調査(平成15年度 文部科学省))
「総合的な学習の時間」の実施上の問題点
(複数回答)
・教員の打ち合わせ時間の確保 |
約69パーセント |
・学年全体を見通した発展性や系統性の構築 |
約50パーセント |
・体験的な活動等の実施のための経費 |
約48パーセント |
・外部機関等との連携 |
約42パーセント |
・校内の指導体制の構築 |
約35パーセント |
2 児童の英語習得の希望等
「英語が使えるようになりたい」(児童):
73.9パーセント
英語を使ってしてみたいこと(児童)
|
そう思う |
そう思わない |
外国に旅行に行ったときに英語を使ってみたい |
83.1パーセント |
8.3パーセント |
外国の人と英語で話したい |
79.0パーセント |
12.3パーセント |
将来受験に役立つようにしたい |
70.0パーセント |
14.3パーセント |
英語の本を読みたい |
58.6パーセント |
29.5パーセント |
外国のテレビや映画を英語のままで見たい |
54.0パーセント |
33.4パーセント |
外国の人と手紙やメールのやりとりをしたい |
43.8パーセント |
40.9パーセント |
将来英語を使う仕事をしたい |
32.1パーセント |
48.1パーセント |
すべての子どもたちが社会に出るまでに身に付けるべき英語力(教員)
英語であいさつや簡単な受け答えができる程度 |
59.7パーセント |
外国の人と英語で日常会話や手紙、メールのやりとりができる程度 |
27.0パーセント |
英語が使えるようにならなくてもよい |
3.6パーセント |
英語を使って仕事ができる程度 |
2.7パーセント |
英語を母語とする外国の人と同じ程度 |
0.3パーセント |
3 小学校の英語教育の必修化
小学校で英語教育を必修とすべきか
|
そう思う |
そう思わない |
保護者 |
70.7パーセント |
21.5パーセント |
教員 |
36.6パーセント |
54.1パーセント |
(参考:校長) |
53.4パーセント |
42.1パーセント |
小学校で英語教育を必修とすべき理由
保護者
(複数回答)
早くから英語に親しませておいた方が英語に対する抵抗感がなくなると思うから |
83.6パーセント |
英語の発音は小学生のときから学んだ方が身に付くと思うから |
50.5パーセント |
英語は小学生のときから学んだ方が身に付くと思うから |
46.4パーセント |
中学校に入ってから英語に積極的に取り組めると思うから |
41.8パーセント |
外国の人とコミュニケーションを行おうとする態度が身に付くと思うから |
36.7パーセント |
外国のことに関して視野が広がると思うから |
31.8パーセント |
学校によって英語を教えているところと教えていないところがあるのは問題だと思うから |
23.6パーセント |
教員
(複数回答)
早くから英語に親しませておいた方が英語に対する抵抗感がなくなると思うから |
76.4パーセント |
外国の人とコミュニケーションを行おうとする態度が身に付くと思うから |
63.6パーセント |
英語の発音は小学生のときから学んだ方が身に付くと思うから |
42.3パーセント |
外国のことに関して視野が広がると思うから |
42.2パーセント |
英語は小学生のときから学んだ方が身に付くと思うから |
31.2パーセント |
学校によって英語を教えているところと教えていないところがあるのは問題だと思うから |
18.6パーセント |
中学校に入ってから英語に積極的に取り組めると思うから |
12.2パーセント |
小学校で英語教育を必修とすべきでない理由
保護者
(複数回答)
小学校では他の教科の内容をしっかりと学んでほしいと思うから |
66.8パーセント |
子どもの負担が増えると思うから |
45.8パーセント |
正しい日本語を身に付けることがおろそかになると思うから |
38.8パーセント |
中学校や高校に入ってからでも十分身に付くと思うから |
23.6パーセント |
小学校では英語を教えることができる先生が少ないから |
23.3パーセント |
小学校で英語を教えるかどうかは、地域や学校の実態に応じて各学校が判断すべきだと思うから |
20.8パーセント |
早くから始めると英語を嫌いになる可能性があると思うから |
9.8パーセント |
小学校で英語を教えても英語は身に付かないと思うから |
8.6パーセント |
教員
(複数回答)
小学校では他の教科の内容をしっかりと学んでほしいと思うから |
68.2パーセント |
正しい日本語を身に付けることがおろそかになると思うから |
44.0パーセント |
子どもの負担が増えると思うから |
43.9パーセント |
小学校で英語を教えるかどうかは、地域や学校の実態に応じて各学校が判断すべきだと思うから |
31.1パーセント |
小学校では英語を教えることができる先生が少ないから |
22.4パーセント |
中学校や高校に入ってからでも十分身に付くと思うから |
12.6パーセント |
小学校で英語を教えても英語は身に付かないと思うから |
5.3パーセント |
早くから始めると英語を嫌いになる可能性があると思うから |
5.0パーセント |
小学校で英語教育を必修とした場合に、英語が中学受験をする場合の科目になることについてどう思うか
|
よいと思う |
よくないと思う |
保護者 |
19.4パーセント |
59.4パーセント |
教員 |
4.9パーセント |
86.8パーセント |
(参考:校長) |
9.0パーセント |
86.0パーセント |
例えば3・2・1やA・B・Cで成績をつけるなど、国語や算数などの教科と同じように評価することについてどう思うか
|
よいと思う |
よくないと思う |
保護者 |
28.8パーセント |
53.5パーセント |
教員 |
7.0パーセント |
85.7パーセント |
(参考:校長) |
14.0パーセント |
82.6パーセント |