7月20日から、新聞における政府広報、パンフレットの配付、文部科学省のホームページ等を通じ、国民の皆様に対し、審議経過報告(その1、その2)に対するご意見をお寄せいただくようお願いした。
8月10日までに、8,079件のご意見が寄せられている。
意見提出者の属性は以下のとおりである。職業をみると、教員が約7割を占めていることに留意する必要がある。
分類 | はがき | 封書 | 電子メール | FAX | 総数 |
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件数 | 6,416 | 444 | 806 | 413 | 8,079 |
性別 | 男性 | 女性 | 団体 | 不明 | 総数 |
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件数 | 3,347 | 4,473 | 33 | 226 | 8,079 |
年代 | 10代以下 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | 80代 | 不明 | 総数 |
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件数 | 4 | 484 | 1,494 | 3,019 | 1,329 | 34 | 18 | 2 | 1,695 | 8,079 |
職業 | 学生 | 教職員 | 公務員 | 団体職員 | 会社員 | 自営業 | 主婦 | 無職 | 団体 | その他 | 不明 | 総数 |
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件数 | 6 | 5,571 | 1,554 | 189 | 33 | 6 | 16 | 27 | 33 | 36 | 608 | 8,079 |
「学校、家庭、地域の連携を強化する方策、土曜日や長期休業日の活用方策の検討」、「総合的な学習の時間の具体的な在り方についての再検討」、「全国的な学力調査の実施」に関する項目について意見が多かった。
本項目については、「子供たちにとって土日は家庭や地域で様々な体験を行う機会として定着している。」、「学校週5日制は堅持すべきである。」、「学習時間を長くすることと「学力向上」を短絡的に結びつけるべきではない。」といった意見が多く、全体的に積極的な意見が多かった。
本項目については、「生活科や総合的な学習の時間をしっかりやっている学校ほど学力低下はないといえるので、より充実させるための条件整備を望む。」、「成果の可否についてこれまでの短い時間の情勢の中で、正当に評価しきれるものではない。より一層の条件整備の拡充をするべきである。」といった意見が多く、全体的に積極的な意見が多かった。その一方で、「今や子どもたちの生きる力は危機的に低下している。今一度、きちんと教えこむことの大切さを認識するべきである。」との意見もあった。
本項目については、「客観的なデータを得て、指導方法の改善や教育制度等が適当であるかどうかを見直すために、学力調査は必要である。」といった積極的な意見があった一方、「子供や学校間や地域間の競争をあおり、学校や地域の序列化や学力偏重に結びつくテストは導入すべきではない。」、「子ども同士、学校間、地域間で競争をあおることは好ましいことではない。」といった消極的な意見もあった。
「教員免許更新制の導入、免許状授与の仕組みの検討」、「教員評価の改善充実、優れた教師の顕彰、問題ある教師への毅然とした対処」に関する項目について意見が多かった。
本項目については、「教育現場における自主的な研修の機会保障等の条件整備を行うべき。」、「免許制度は、養成・採用・研修の抜本的・一体的改革を行うべきである。更新制で教育の資質、能力の向上に寄与する効果は薄い。」といった意見が多く、全体的に消極的な意見が多かった。
本項目については、「教員評価について、公正・公平性・客観性・透明性・納得性や「苦情処理制度」「労使協議制度」が確保されるべき。」、「教職員の評価については、学校改革・改善と個々の教職員の意欲の向上につながるようにしなければならない。」といった意見が多く、全体的に教員評価の改善充実に際しての配慮すべき事項についての意見が多かった。
「学校が主体的に教育活動を行えるよう、学校・校長の裁量権限の拡大」、「管理職を補佐し一定の権限をもつ主幹などの職の設置」、「学校教育の質を保証するため、学校の自己評価の実施・公表を義務化」、「人事権を市町村へ移譲する際、給与負担も併せて移譲する」に関する項目について意見が多かった。
本項目については、「教育課程、学校行事、学校予算などについての学校裁量を拡大すべき」といった意見が多く、全体的に積極的な意見が多かった。
本項目については、「主任制を含む校務分掌の在り方を見直し、「トップダウン」の強調ではない「ボトムアップ型」の組織づくりを図る必要がある。中間管理職としての「主幹制」導入は反対。」といった意見が多く、全体的に消極的な意見が多かった。
本項目については、消極的な意見が少なく、評価の実施を前提に「学校の序列化につながるものではなく、教育諸条件の整備につながるものにすべきだ。」といった意見が多く、全体的に学校評価の実施に際しての配慮すべき事項についての意見が多かった。
本項目については、「当該市と残る県域との財政力の格差などから教職員の人材確保に支障が生じ、義務教育の水準の格差につながりかねない。」といった意見が多かった。
本項目については、ほぼ100パーセントが「堅持」の結果となっている。
同制度を「堅持」すべき理由として、「教育の質の向上」、「教育財源の確実性、予見可能性」が主な理由である。このほか、若干ではあるが、「負担対象の拡大」があげられている。
「40人学級の維持や学校の施設、設備の充実に悪影響を及ぼし、地域間格差が生じる。」、「離島でも山間部でも、日本全国同じ条件で教育を受けられるようにするべき。」、「教育の機会均等、水準維持に不可欠な制度。多くの県では財源が確保できずに40人学級の維持も危ぶまれかねない。」、「全額税源移譲した場合、都道府県、市町村において教育に使用されず地域格差が起きるのは必至。」、「地方の財政の厳しい都市では、教育の機会均等など、ほど遠いものとなってしまう。」、「国庫負担制度は、憲法で保障された教育の機会均等を法的に裏付けるものである。」といった義務教育費国庫負担制度を堅持すべきという意見が多かった。
「自治体の財政が厳しい今日の状況では、国による財政負担が絶対に必要である。」、「一般財源となれば、多くの県で財政確保が出来ず、地域間格差が生まれてくることは明らかである。」、「一般財源化は地域間格差を助長するものであり、教育の根幹にかかわる。」、「この制度を廃止し、全額税源移譲したとしても、税源には偏在性がある。」、「多くの県では財源が確保できずに40人学級の維持も危ぶまれかねない。」、「税源の確保が難しく、せっかく始まった少人数学級事業も中止になってしまう。」、「へき地・小規模校が多い地域では、学校統廃合がすすみ、スクールバスの措置など自治体の負担が増すことが考えられる。」、「へき地・小規模校が多い北海道では、学校統廃合が進んで遠距離通学などによる保護者や自治体の負担が増す。」、「制度が廃止されれば、たとえ税源移譲や交付金で地方への財源が確保されても他の経費へ流用されかねない。」、「すでに一般財源化された教材費、旅費は国の基準を下回っていることから、義務教育費も同様のことが予想される。」、「10年前、教材費・旅費が同制度から除外され、現実に地方によって格差が生じている。」、「30人学級の実現を目指す中、地方によっては40人学級の維持も難しい。」、「30人学級を実現するためにも、国庫負担を維持するべきである。」といった意見が多かった。
また、その他の意見として、「財源不足になれば、地方は切り捨てられ、ますます子供を育てることが難しい世の中になり、出生率は下がり、国の危機になる。」、「学校は多くの人材で成り立っており、事務職、養護教諭、栄養職員なども大切な役割があり、校務分掌等いろいろな部分で関わりがある。」といった意見があった。
「全ての子供を同じスタート地点に立たせるには、国庫負担制度は維持どころか拡充するべきである。」といった意見があった。
初等中等教育局教育課程課教育課程企画室
-- 登録:平成21年以前 --