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資料3

理数教育について

1.算数・数学

(1)    教育課程の基準の改善の基本方針(平成10年7月   教育課程審議会答申)

   小・中・高等学校を通じて、数量や図形についての基礎的・基本的な知識・技能を習得し、それを基にして多面的にものを見る力や論理的に考える力など創造性の基礎を培うとともに、事象を数理的に考察し、処理することのよさを知り、自ら進んでそれらを活用しようとする態度を一層育てるようにする。

(2)    学習指導要領の改訂の概要
(小・中学校:平成10年12月改訂、高等学校:平成11年3月改訂)
1 算数・数学的活動の充実
   小・中・高等学校において、実生活における様々な事象との関連を図りつつ、観察、操作、実験を行うなどの「算数・数学的活動」を目標に位置付け、積極的に取り入れるようにした。
(例) 小学校…教室や校庭を実測し、面積を調べるなどの算数的活動
  中学校…さいころを振って、実際に数の出る確率を調べる実験などの数学的活動

2 内容の厳選
   算数・数学的活動の楽しさ、算数・数学的な見方や考え方のよさを知り、理解を深めることができるよう内容を厳選し、数量や図形に関する基礎的・基本的な知識や技能を確実に身に付けさせるようにした。
(例) 小学校…起こり得る場合の数(中学校へ移行)
  中学校…平方根表(削除)

3 課題学習の充実
   中学校では、問題解決的な学習活動を重視し、生徒が自ら課題を見つけ、主体的に問題を解決していく活動を通して数学的な見方や考え方をさらに深めていくことができるよう、各学年において課題学習を行えるようにした。
(例) 直角三角形と二等辺三角形の三角定規を重ねてできる三角形の面積求積
→方程式、相似、三平方の定理など複数の既習内容を総合するなどして課題解決

4 数学基礎の新設
   高等学校では、身近な事例等を扱い社会生活において数学が果たしている役割などを理解させ、興味・関心を高め、数学的な見方や考え方のよさを認識させる数学基礎を新設。(「数学1」と選択必履修)
数学基礎…数学史的な話題、社会生活における数理的考察、統計処理など


2.理   科

(1)    教育課程の基準の改善の基本方針(平成10年7月   教育課程審議会答申)

   小・中・高等学校を通じて、児童生徒が知的好奇心や探究心をもって、自然に親しみ、目的意識をもった観察、実験を行うことにより、科学的に調べる能力や態度を育てるとともに、科学的な見方や考え方を養うことができるようにする。

(2)    学習指導要領の改訂の概要
(小・中学校:平成10年12月改訂、高等学校:平成11年3月改訂)
1 見通し(目的意識)をもった観察、実験の充実
   小・中・高等学校において、児童生徒が問題に対して予想や仮説、構想をもち、それらをもとに観察、実験などの方法を工夫する「見通し(目的意識)をもった観察、実験」を行うことを小・中学校の目標に明記した。

2 内容の厳選
   観察・実験、探究活動、「ものづくり」などを行い、実感を伴った理解ができるよう内容を厳選し、基礎的・基本的な知識や技能を確実に身に付けさせるようにした。
(例) 小学校…金属の燃焼(中学校へ移行)
  中学校…天気図の作成(削除)

3 「ものづくり」の充実
   小学校の各学年の「物質とエネルギー」の領域において、知的好奇心を高め、実感を伴う理解を図るため、「ものづくり」を充実した。
(例) 小学校…光電池を用いた自動車

4 日常生活とのかかわりや自然に対する総合的な見方の育成
   中学校では、生徒の興味・関心、日常生活とのかかわりの認識や自然の総合的な見方を養う内容を新設した。
(第一分野…科学技術と人間、第二分野…自然と人間)

5 理科基礎、理科総合A、理科総合Bの新設
   高等学校において、科学的なものの見方や考え方を養う「理科基礎」、自然を総合的に見る見方や探究する能力を育成する「理科総合A」「理科総合B」を新設し、3科目の中から1科目選択必履修。
理科基礎… 物理・化学・生物・地学の内容について、発明、発見、法則等の中から事例を取り上げ実験し再現したり、科学と人間生活とのかかわりなどを学習
理科総合A… エネルギーの保存と変換や物質を構成する基本粒子等物理・化学を中心
理科総合B… 生命現象や地球環境にかかわる自然の事物・現象等生物・地学を中心


3.施策の現状
科学技術・理科大好きプラン及び関連施策
平成15年度予算額 128億円)
  平成16年度予算額(案) 134億円




1.    趣   旨

   科学技術創造立国の実現を目指し、我が国の技術革新と産業競争力強化を図り、国際社会に積極的に貢献していくためには、質の高い科学技術系人材の育成が不可欠である。また、昨今、青少年の「科学技術離れ」「理科離れ」が指摘されており、これらへの対策を講じることが喫緊の課題となっている。
   このため、科学技術、理科・数学教育を重点的に行う学校をスーパーサイエンスハイスクールとして指定するなど、科学技術・理科教育の充実のための様々な施策を総合的・一体的に実施する。

2.    事業の内容
(1) 科学技術・理科大好きプラン【52→52億円】
1
スーパーサイエンスハイスクール 【11.9→13.5億円】
理科・数学に重点を置いたカリキュラム開発、大学や研究機関等との効果的な連携方策についての研究を行う学校をスーパーサイエンスハイスクールとして指定
対象:高等学校、中高一貫教育校   【H15:45校→H16:60校】
2
理科大好きスクール 【2.5→2.2億円】*1
モデル地域を指定し、地域と域内の小・中学校が一体となって、理科教育の充実のための取組を推進(20地域×10校)
(*1   「地域科学技術理解増進人材の活動推進」からの支援分1.7億円を含む)
3
地域科学技術理解増進人材の活動推進 【3.9→3.0億円】*2
科学技術理解増進・理科教育に係る地域のボランティアを主な対象に、地域ボランティアの自立と組織化に資する支援を実施(*2   内数で1.7億円は「理科大好きスクール」の取組を支援)
4
大学、学協会、研究機関等と教育現場との連携の推進(サイエンス・パートナーシップ・プログラム) 【12.8→12.7億円】
第一線で活躍する研究者・技術者による特別講義、研究機関等を活用した学習プログラム、教員研修の実施   等
5
IT活用型科学技術・理科教育基盤整備事業 【7.4→6.4億円】
最先端の研究成果等を活用した先進的な科学技術・理科教育用デジタル教材の開発及び「教育の情報化」で整備される情報インフラを活用した流通・提供システムを構築
6
国際科学技術コンテストに対する支援 【新規   0.8億円】
科学技術関連の分野に特筆すべき才能を持つ生徒の個性を伸長し、社会的に正当に評価する基盤を整備するため、国際大会につながる国内での科学技術コンテストの開催、国際コンテストへの児童生徒の派遣を支援
7
理科教育等設備整備費補助 【13.5→12.8億円】
理科教育振興法に基づき、学校で行う実験・観察等に必要な設備の整備
(小・中・高等学校及び盲・聾・養護学校の理科教育設備、算数・数学教育設備に対し、1/2補助)
8
環境教育推進グリーンプラン 【0.9→1.0億円】
学校における環境教育を一層推進するため、環境教育に関する優れた実践の促進・普及、情報提供体制の整備、指導者養成講座等を実施
9
目指せスペシャリスト(15年度からプランに統合) 【(0.9)→1.3億円】
先端的な技術・技能を取り入れた教育や学習活動を重点的に行っている専門高校を指定し、技能の習得法や技術の開発法等についての研究を推進

(2) 科学技術理解増進事業【76→82億円】
1国立科学博物館の充実(運営交付金・施設整備費) 【30.9→40.3億円】
2日本科学未来館の充実(運営経費等) 【30.9→29.8億円】
3その他の科学技術理解増進事業(2を除くJST関係経費等) 【14.0→11.9億円】




科学技術・理科大好きプラン及び関連施策−技術革新や産業競争力強化を担う将来有為な科学技術系人材の育成−(PDF:58KB)
スーパーサイエンスハイスクール(PDF:43KB)
科学技術・理科教育推進モデル事業(「理科大好きスクール」事業)の概要(PDF:69KB)



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