ここからサイトの主なメニューです

教育課程部会(第120回) 議事録

1.日時

令和2年9月24日(木曜日) 16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省15F特別会議室 ※WEB会議

3.議題

  1. 高等学校の教育課程等の在り方について
  2. 教育課程部会におけるこれまでの検討の状況について
  3. その他

4.議事録

【天笠部会長】 定刻になりましたので,ただいまから第120回中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会を開催いたします。
 本日は大変御多忙の中,第120回教育課程部会に御参加いただき,誠にありがとうございます。本部会は新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため,ウェブ会議方式にて開催いたします。
 それでは,会議の留意事項及び本日の配付資料につきまして,事務局から説明をお願いいたします。
【板倉教育課程企画室長】 本日はありがとうございます。
 本日の会議は,Webexを使用したウェブ会議方式にて開催させていただきます。事務局も不慣れな点があり,御迷惑をおかけすることがあるかと思いますが,何とぞ御容赦賜れればと存じます。ウェブ会議を円滑に行う観点から,御発言に当たってはインターネットでも聞き取りやすいようはっきり御発言いただく,御発言の都度,名前をおっしゃっていただく,御発言時以外はマイクをミュートに,ビデオをオフにしていただく,御発言に当たっては手を挙げるボタンを押していただき,発言が終わりましたら手を挙げるボタンを再度していただき,手を下げていただくよう御配慮いただけるとありがたく存じます。御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 それでは,資料の確認をさせていただきます。本日の資料は,議事次第にございますとおり,資料1から資料4までがございます。また,参考資料として,9月11日の新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会で配付された中間まとめ素案,及び文部科学省においてこのたび公表した,各教科等の指導におけるICTの効果的な活用に当たって参考となる資料の概要をお配りしております。
 御不明な点等ございましたら,事務局までお申しつけください。
【天笠部会長】 それでは,議題に入ります。本日は,議題(1)及び議題(2)がございますが,相互に関連しておりますので,両方の議題を一括して審議を進めていきたいと存じます。
 議題(1)の事務局からの説明及び委員からの発表,議題(2)の事務局からの説明をいただいた後,まとめて質疑や意見の交換の時間を取らせていただきたいと思います。したがいまして,委員の皆様から御発言をいただくことは17時を過ぎてからということになるかと思いますけれども,どうぞよろしくお含みいただければと思います。
 それで,まず議題1としまして,高等学校の教育課程等の在り方について取り上げたいと思います。本議題につきましては,最初に,事務局から新しい時代の高等学校の在り方ワーキンググループにおける審議の状況について,説明をお願いいたします。そして,その次に,荒瀬副部会長に高等学校教育への期待について御発表いただき,その後,大島委員にSTEAM教育について御発表いただきます。
 それでは,まず,事務局から説明をお願いいたします。
【酒井参事官補佐】 失礼いたします。事務局の初等中等教育局高等学校担当参事官付参事官補佐の酒井と申します。
 私から資料1を用いまして,新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループにおけます,現在の審議状況について御報告させていただきます。高校ワーキングの審議状況につきましては,資料1をおめくりいただきまして,ページ番号で申しますと下のほうに1ページと付いておりますけれども,7月17日に論点整理といたしましておまとめしたものがございます。論点整理につきましては,一度,本教育課程部会におきまして,7月27日に概要を御説明させていただいておりますが,その後,高校ワーキングにおきまして,具体化に向けたさらなる御議論をいただいているところでございます。本日は高校ワーキングでの制度設計に向けた御議論の状況について,御紹介させていただきたいと思います。
 本日,御説明させていただく内容は主に3点でございます。まず,1点目でございますが,論点整理の1ページの赤囲みの中にございます,スクール・ポリシーの策定についてでございます。7月17日の論点整理の中では,これからの高等学校教育の在り方といたしまして,各学校においては,各設置者が策定いたします,目指すべき学校像でありますスクール・ミッションに基づき,卒業の認定に関する方針,教育課程の編成及び実施に関する方針,入学者の受入れに関する方針の3つのスクール・ポリシーを策定,公表し,カリキュラム・マネジメントを通じて教育活動を一貫した体系的なものに再構成するとされたところでございます。
 2点目につきましては,次の2ページでございますが,普通科改革についてでございます。普通科につきましては,普通教育を主とする学科として,現在,普通科が設置するとされておりますが,普通科のほかに設置者の判断によって,学際科学的な学びに重点的に取り組む学科,地域社会が抱える課題の解決に向けた学びに重点的に取り組む学科,その他普通教育として求められる教育内容であって,特色・魅力ある教育を実現すると認められる学科のような学科を設置することを可能とするといったところが御議論いただいているところでございます。
 議論の3点目は,高等学校通信教育の質保証についてでございます。高校ワーキングの議論と連動いたしまして設置されております,通信制高校の質の確保,向上に関する調査研究協力者会議におきまして,具体的には御議論いただいているところでございますが,高校教育の高校通信制高校の質確保に向けて,教育課程の編成実施の適正化について御議論をいただいているところでございます。
 まず,スクール・ポリシーについての御議論の状況の御紹介でございます。ページ番号で申しますと3ページでございますけれども,スクール・ポリシーに基づく教育活動の実施・改善といたしまして,まず,イメージ図で御紹介させていただきたいと思います。各学校においては卒業の認定に関する方針,いわゆるグラデュエーション・ポリシー,教育課程の編成及び実施に関する方針,いわゆるカリキュラム・ポリシー,入学者の受入れに関する方針,いわゆるアドミッション・ポリシーの3つのスクール・ポリシーを策定するといった方向で御議論いただいているところでございます。これらのポリシーの策定を通じまして,各学校において育成を目指す資質・能力を明確化し,目標達成に向けた一貫性ある方針が策定されることが期待されるところでございます。
 そして,スクール・ポリシーに基づく教育活動を具現化することを通じまして,例えば,ポンチ絵の右側にありますように,カリキュラム・マネジメントが各学校において充実をすることや,カリキュラム・マネジメントと関連づけた学校評価が行われること,さらには入学者選抜の実施・改善をはじめとしまして,各学校の教育活動の改善,さらなる特色化,魅力化につながるものといったところで御議論いただいているところでございます。
 その具体的な姿につきましては,資料の次の4ページ以降で,具体的な文章という形で御議論をいただいているところでございます。4ページの一番下の丸でございます。「これらを踏まえ」というところからでございますが,スクール・ポリシーの策定の意義といたしましては,高校教育の入口から出口までの教育活動を一貫した体系的なものに再構築するため,また,継続性ある教育活動を担保するために3つのスクール・ポリシーを定めて,あらゆる教育活動を,スクール・ポリシーを起点として組織的かつ計画的に学習者重視の立場から実施・改善することが求められることが策定の意義ではないかといったところで,御議論をいただいているところでございます。
 恐れ入ります,資料は先に行きまして,ページ番号で申しますと9ページ,2ポツのグラデュエーション・ポリシーとカリキュラム・ポリシーについてといった表題のところをお願いできればと思います。
 グラデュエーション・ポリシー,いわゆる卒業の認定に関する方針につきまして,まず,四角囲みの中で定義を記載させていただいております。卒業の認定に関する方針は,各学校のスクール・ミッションに基づき,学校教育活動を通じて,どのような資質・能力を育成することを目指すのかを定める基本的な方針といったところで定義をされております。また,カリキュラム・ポリシーにつきましては,グラデュエーション・ポリシー達成のために,どのような教育課程を編成し,どのような教育内容,方法を実施し,学習成果をどのように評価するのかを定める基本的な方針となるものといったことで定義されております。そして,この2つのポリシーにつきましては,何ができるようになるのかを定めるグラデュエーション・ポリシーと,何を学ぶのか,どのように学ぶのかを定めるカリキュラム・ポリシーの策定,運用に当たって,一体性・整合性に特に留意する必要があるといった方向で御議論をいただいているところでございます。
 策定の意義・効果についてでございます。このページの一番下の丸から続いておるところでございますけれども,グラデュエーション・ポリシー,カリキュラム・ポリシーを通じまして,例えば,卒業に向けた1つの尺度になっていくのではないかといったことでありますとか,次の10ページの一番上にございます,学校教職員にとりましては,グラデュエーション・ポリシーの表された資質・能力を育成することを,日々の教育活動の最終的な目標とし,また,カリキュラム・ポリシーに基づいて学校の教育課程全体の体系化,その中での各教科,科目の意味づけを行い,一貫した方針の下で教育活動を行っていくことが可能になるのではないかといったところを御議論いただいております。
 併せて,学校の設置者においては,カリキュラム・ポリシー,グラデュエーション・ポリシーに基づく目標達成,教育活動の実施状況を踏まえて,予算人事上の措置でありますとか指導主事の派遣などの当該高校に対する適切な支援を行うことも併せて求められているといったところを御議論いただいているところでございます。
 13ページをお願いいたします。次にアドミッション・ポリシー,入学者の受入れに関する方針についてでございます。アドミッション・ポリシーにつきましては,各学校のスクール・ミッションやグラデュエーション・ポリシー,カリキュラム・ポリシーに基づく教育内容等を踏まえ,どのような生徒を受け入れるのかを示す基本的な方針となるものと定義をされているところでございます。
 アドミッション・ポリシーを策定することを通じまして,その意義・効果といたしましては,入学希望者や中学校関係者に対して,当該高校が期待する生徒像を分かりやすく示すことで,学校選択時の大きな判断基準の1つとなり,また,入学に向けた目標となるものではないかといったところで御議論をいただいているところでございます。
 なお,アドミッション・ポリシーにつきましては,次の14ページの一番上のほうにございますが,策定に当たっては,高校ワーキングの議論の中でも,生徒の資質・能力は可塑性に富むものでありまして,入学時において求められる資質・能力をあまりに厳格に定めることは,学ぶ意欲を持った生徒に対して高校教育の門戸を閉ざすことにつながりかねないといったことでございますので,そういったことについては,厳格に定めることは教育の質向上を妨げることにもつながりかねないといったところで留意をする御意見があったところでございます。
 以上がスクール・ポリシーに関する現在の高校ワーキングでの議論の状況でございます。
 続きまして,学科の在り方について,御報告をさせていただきたいと思います。ページ数で申し上げますと,29ページ以降でございます。29ページ以降に,新たな普通教育を主とする学科に関する具体的な制度設計に係る論点と題しました資料がございます。新しく普通教育を主とする学科につきまして,学際科学的な学びに重点的に取り組む学科,地域社会が抱える課題の解決に向けた学びに重点的に取り組む学科,その他の学科を各設置者の判断により設置できるようにすることが求められるとされているところでございます。
 次は30ページでございますけれども,普通教育を主とする学科に新たな学科を設置可能とする趣旨につきましては,高校生の約7割が在籍する普通科においては,これまでも大学や産業界等との連携の下で様々な教育を展開したり,地域社会との課題解決に貢献する活動を実践したりと,先進的な取組を進める学校が存在しているところでございます。一方で,現行法令におきましては,普通教育を主とする学科については,普通科のみ設置できるということで整理をされているところでございますが,このような先進的な特色,魅力ある取組が行われていることを踏まえまして,こういった取組を可視化し,取組を積極的に推進する観点から普通科以外の名称を称することができるよう,普通教育を主とする学科の種類を弾力化・大綱化する措置を講じることが求められることを御議論いただいているところでございます。
 ただ,普通教育を主とする学科の種類を弾力化・大綱化する際は,教育基本法や学校教育法,学習指導要領等の関係法令に基づく教育が行われるのは当然の前提であるといったことで御議論をいただいております。その上で,普通教育として求められる教育内容であって,特色・魅力ある教育を実現すると認められる場合には,設置者の判断により,当該学科の特色・魅力ある教育内容を表現する名称を学科名とすることを可能にしてはどうかといった点で御議論をいただいているところでございます。
 32ページをお願いできればと思います。新たな学科につきましては,従来の普通科との取組の関係性が議論になるところでございます。ページの中程に関係性について記載をされておりますが,高校ワーキングの議論では,従来の普通科においても特色あるコースや教育課程の類型を設けるなどの工夫もあるところと御議論をいただいてきたところでございます。ただ,新たな学科の設置を可能とすることについては,こうした各学校のこれまでの取組を否定するものではなくて,高校における組織編成上の基本的な単位であります,学科を設置することを可能とすることで制度的な裏づけを付与し,特色・魅力ある取組を奨励,推進するものとなるものではないかといったところで御議論をいただいているところでございます。
 また,新学科の設置につきましては,その下でございます,設置可能とする時期につきましては,各学校の特色化・魅力化の検討状況に応じて,設置者の判断により適切な時期に行うことのできる制度設計が望ましいのではないかといった点を御議論いただいているところでございます。
 次に,新たな学科においては,どのような資質・能力の育成が目指されるべきかといったところでございます。ページ数で申しますと,33ページをお願いできればと思います。33ページの2つ目の丸でございます。新たな学科につきましては,いわゆる普通教育を主とする学科の1つとして設置されることになるものでございます。専門学科のように,特定の専門的な分野や職業分野に関する知識,技能の習得を目的とするものではございませんが,現在の普通科との対比ではいろいろ錯綜,多様化する現代社会の現状を踏まえまして,地域社会や我が国や世界が抱える現代的な諸課題に積極的に関わり,地域社会や我が国・国際社会の持続的発展に寄与するよう,必要な資質・能力を育成するための学びに重点的に置かれた特色・魅力ある教育が行われるべきではないかといった点で整理をされております。また,このほか,生徒や学校の実態に応じて,義務教育段階の学習内容の着実な定着を図る学科というところも考えられるのはないかといった点で御議論をいただいているところでございます。
35ページをお願いできればと思います。それでは,新たな学科における教育の特色については,どのようなものかといった点で,現在の高校ワーキングの議論の状況でございます。ページの一番下の丸でございます。高校教育の在り方をめぐりましては,これまでも中央教育審議会におきまして,初等中等教育最後の教育機関として,全ての高校生が共通して身に付ける共通性の確保と,一人一人の生徒の進路に応じて多様な可能性を伸ばす多様性への対応の観点を軸として御審議,そして御提言がこれまでもなされてきたところでございます。その上で,高校教育の共通性,高校教育全体の質の確保を図る観点から様々な取組が進められているところでございます。令和4年度から新学習指導要領が順次,年次進行で実施されるところもございますので,高校ワーキングの議論において,新たな学科における教育活動,特色を検討するに当たっても,これまでの中央教育審議会の御議論,そして新指導要領が実施されるといった前提を,まずもって踏まえることが必要ではないかという前提で御議論をいただいているところでございます。
 その上で36ページでございますが,普通教育を主とする学科において特色・魅力ある教育を実現する新たな学科の教育活動の特色としましては,全ての高校生が共通して身に付けるべき資質・能力を土台とした上で,生徒の多様な学習ニーズに対応し,生徒の興味・関心や得意分野を踏まえた学習の機会を提供することを主眼として位置づけることを考える必要があるといった点を御議論いただいているところでございます。
 より具体的には37ページでございますが,学際科学的な学びに重点的に取り組む学科につきましては,資料の中ほどの丸でございますが,現代的な諸課題のうち,特にSDGsでありますとかSosiety5.0をはじめとしまして,これまでの学問領域分野,とりわけ細分化された専門的知識や対応できないような複合的,学際的な学問分野に即した最先端の学びに取り組むことが必要ではないかといった点で考えられているところでございます。
 また,地域社会が抱える課題の解決に向けた学びに重点的に取り組む学校につきましては,次の38ページでございますけれども,1つ目の丸でございます。「そのため」と書いた丸のところでございますけれども,4行目以降でございます。地域社会がこれまで積み重ねてきた歴史や文化,産業・経済に関する知見やこれまでの実践を通じた取組の蓄積を基に,事例研究やフィールドワークを重視した地域社会の課題や魅力に関する実践的な学びに取り組んでいくことが考えられるのはないかといった点で御議論いただいております。
 そして,38ページの一番下でございます。こういった新たな学科に共通する教育活動の特色の基本的な考え方としまして,高等学校の学習指導要領に定める必履修教科・科目などの各学科に共通する各教科・科目の学びを基盤に置きつつも,各学科のスクール・ポリシー,スクール・ミッションに応じて,着目する社会的課題に関連する新たな学術領域,または複数の学問分野から再構築される学びを実現できるよう,学校設定教科・科目が開設されることが必要なのではないかといった点を御提言いただいているところでございます。
 その上で,各教科・科目と当該学校設定教科・科目,総合的な探究の時間を相互に関連づけて,総合的な探究の時間において当該社会的課題に対応するふさわしい探究課題に関する探究的・実践的な学びに取り組むことが適当ではないかといった点で,現在,御審議をいただいているところでございます。
最後,続きまして,資料は先にまいります。43ページをお願いできたらと思います。高等学校通信教育の質保証に向けてでございます。一部の通信制高校におきましては,違法・不適切な学校運営,教育活動等が明らかになっているところでございます。このページにございますように,現在,通信制高校の一部の高校の中では,不適切な教育活動の例が現時点でも報告をされているところでございます。
 こういった状況を踏まえまして,次に44ページをお願いできればと思いますが,通信制高校の学ぶ生徒が適切な教育環境で存分に学ぶことができるよう,高校の通信教育の質保証の徹底を図るためということで大きく4点,今は御審議をいただいているところでございます。
 その中でも1点目,教育課程の編成実施の適正化といったところでございますが,とりわけ1つ目の丸でございます,通信教育実施計画の策定・明示のところで,通信制高校の教育活動の中心的な内容であります添削指導・面接指導・試験の年間計画や実施予定を記載した体系的な計画である通信教育実施計画といったものを,新たに各通信制高校が策定し,そして生徒,保護者に対して明示するよう義務づけることや,面接指導の意義,役割の明確化といたしまして,面接指導を小人数で行うといったことを基幹とすることや,いわゆる集中スクーリングと呼ばれるものについて,1日に実施する面整指導の時間数を適切に定めること,さらには試験の時期,時間時期を適切に定めること等の事項を明確にするといったことが御審議いただいているところでございます。
 現在,高校ワーキングでは,これらの事項を御審議いただいているところでございまして,特別部会の答申に向けまして,高校ワーキングとしても審議のまとめに向けて御議論をいただきたいと思ってございます。
 説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは,続きまして,荒瀬副部会長から御発表をお願いします。よろしくお願いいたします。
【荒瀬副部会長】 関西国際大学の荒瀬です。よろしいでしょうか。
 それでは,資料なんですけれども,まず,申し訳ありませんが,4ページを開けていただければと思います。今,酒井参事官補佐から特別部会の下に行われています,高等学校ワーキングの話が縷々あったところです。私からは,その議論とも関わりまして,長年,私自身が高等学校の現場におりましたので,その立場からの視点で高等学校教育に対する期待について申し上げたいと思います。
 今もお話が出ましたが,これまでも高校教育について言及する際に,共通性の確保と多様性への対応ということが言われてきました。これは今後の高等学校教育を考える上で,非常に重要であると思います。ただ,今回,高校ワーキングでの議論では,共通性の確保ということについて,当然のことながら,我が国全体でも共通性の確保ということを前提としつつ,各高等学校においてもそれぞれの共通性の確保について検討していくことが必要であるとして提案が行われていると私自身は受け止めています。
 それでは,申しましたように,4ページの部分から経験に基づく個人的な感想のようなものも入りますけれども,お聞きいただければと思います。4ページの中程に,「4 生徒を主語にする学校をつくる」ということを書いていますけれども,学習指導要領の第1款1を読み比べますと,内容は全く同じであるにもかかわらず,順番が逆であることに気がつきます。後からまた申しますが,学習指導要領の前文の教育課程に関する記述もそうですが,生徒に視点を置くことの重要性が示されていると思います。そういうこともあって,生徒を主語にする学校を作っていくことが,これは高等学校だけではないと思いますけれども,高等学校教育においても非常に重要ではないかと思っている次第です。
 その下のところに,(2)といたしまして,高等学校は学びの百貨店ということを書きました。これは一方で共通性の確保,もう一方で多様性への対応ということを,私なりに考えている部分なんですが,初等中等教育の最終段階において,一般的な教養を高め,専門的な知識,技術及び技能を習得する場であるとともに,最終段階になるということを考えると,もちろんこの後,大学に進学する人もいれば,専門学校に行く人もいれば,就職する人もいるという多様な進路を選択するわけですけれども,その前段階において,学び直しのできる場になることも非常に重要ではないかと思います。
 個性の確立に努めるとともに,社会について広く深い理解と健全な批判力を養うという文言は学校教育法51条,これはまた後から見ていただきますけれども,そこに書かれている高等学校教育の目標の1つでありますが,こういう内容というのは,義務教育での学びも含めて,これまでの学習に基づく生徒自身のものの見方,考え方が,どのように養われているかにかかっています。多様な評価,それは各教科・科目,そして総合的な学習の時間,探究の時間,あるいは,特別活動といったものを通して,個人的な生活も含めて,ものの見方や考え方,ある種の「観」というものを養ってきた結果が重要であるというのがこの言葉であり,それを生徒自身が認識できるようにすることが大事であると思います。
 こういったことはキャリア教育につながっていきますし,そういうことを考えていく中では,教育課程部会でも議論がなされたところでありますけれども,履修主義・修得主義のバランスをどう取っていくのかということも,重要であると思っております。
 そういう取組,学びを通して,生徒自身が個別最適な学びということが,これはどちらかというと,生徒が支えられるということであろうかと思いますけれども,そういったことを通して,生徒自身が自分自身の個別最適な学びというものを自分で見つけていくことができる。自己調整できるようになることができることが大事であるのかと思います。現状,高等学校が多様でありまして,これがより充実していく形で続くこと,当然,新しいものが考えられることもありますけれども,それが重要であると思います。その際,これが一番大事だと思うんですけれども,生徒自身が自信を持って学校を選択できることが求められます。これは,例えば,単純に偏差値であるとか世間的な見られ方だとかそんなものじゃなくて,自分に最もふさわしい,まさに自分の個別最適な学びが実現できるような進路選択ができることが大変重要ではないかと思います。
 次のところ,(3)で書いてありますが,高校生に特に付けたい力ということなんですけれども,これはいろいろな力がありますが,必要なときに自分で学べる力,その前段階として,必要なときであると認識できる力というのが大事で,これが今般の総合的な学習の時間,総合的な探究の時間になって,さらに自分で学ぶための方法を学ぶということが実現していけばいいなと強く期待しています。
 最後に書いています,(4)の探究について試行錯誤することを軸にという部分に引用していますのは,中央教育審議会の答申の中で,理数探究に関する記述を引用しています。これは理数探究とか理数探究基礎について話をしようと思ってのことではなくて,答申の中の探究に関する説明が,まさしく高等学校教育は今後,探究が一層進んでいくわけですけれども,探究というものを共通理解する上で大変重要な指摘であると思いまして,理数探究基礎という1つの教科とか科目の話ではなくて,探究全般において,こういうことが大事ではないかということで引用したものです。
 とりわけその中で,評価について書いてあるんですけれども,これから探究全体についても考えればいいと思うんですけれども,探究の成果における新たな知見の有無の価値よりも,むしろ探究の過程において資質・能力をどの程度身に付けることができたかとか,あるいは,探究の過程全体を俯瞰的に捉えて自分がどこの位置にいるかと,そういうメタ認知とか,さらに,どこで間違ったのかなどの説明が自分でできるようになっていることを重視するべきであるということが書かれていて,評価のために1つの手立てとしてなんですけれども,記録を取らせるというのがとても大事であるということが示されています。記録の中で,例えば,この場合は観察・実験なんですけれども,取組の中で生じた疑問であるとか,どのように考えていったかという思考の過程だとか,あるいは,実際にその疑問について誰かと話をしたとか,調べたとか,具体的に実験したとか,そんなことも含めて記録を取らせることが非常に重要で,記録の中で自分の成長の過程を認識できるようにするということは,これは評価の説明の部分に書かれているんですけれども,当然のことながら自己評価としても重要だし,この部分が大変大切な点ではないかと,これから高等学校教育を行っていく上で,生徒自身に自分の取組の評価をさせることは大変重要だと思って,これを引用いたしました。
 とりわけ一番下の3つの丸ですけれども,総合的な探究の時間で育てたい資質・能力や生徒像は,これはまさしく学校の教育目標に重なっていくわけでありますし,さっき酒井補佐からお話があった,今後の学校を考える上でスクール・ポリシーといった形で,グラデュエーション・ポリシーという卒業時点の姿はどうであるのか,どんな力を付けているのかということなんですけれども,それと,総合的な探究の時間で育てていこうとする主体的に学習に取り組む態度とは,大変つながりが深いことがあると思います。
 そういった取組を通して,生徒が自己肯定感を身に付けていく,確かなものにしていくことが非常に重要で,そこに気づける形での評価の在り方というのが大切なのではないかと思って,この部分を引用しました。
 では,最初の1ページに戻っていただきたいと思います。最初にこんなようになればいいと,もちろん1つの側面ですけれども,現状を考えることを2つの角度からいたしまして,そして,それを克服して生徒を主語にする学校を作っていくためには,カリキュラム・マネジメントが大変重要だということを申し上げたいと思っています。
 現状を考えるに当たってというところ,1ページになりますけれども,学校教育法の50条と51条を引っ張ってきました。これは高等学校教育の目的と目標が書かれているわけなんですけれども,まず1つ目は,「中学校における基礎の上に」ということで,1ページの中程の(1)で示したところなんですが,高等学校教育の入学時点で,一人一人の生徒にどういう中学校における基礎というのが備わっているのかと,ここが大変大事だと思います。相当幅が広いということです。これは学力の3要素という観点から見ても大きく離れている。とりわけ主体的に学習に取り組む態度というところについて見ると,もともと自己肯定感と深いつながりがあると思っておりますけれども,主体的に学習に取り組む態度が十分に養われていない,ないしは,引き出されていないと思います。
 それをどうしたら引き出せるかということなんですけれども,幾つかの高等学校については,新しい取組をしようということで,例えば,高校生のための学びの基礎診断,これは今,実施されている状況なんですけれども,これがなかなか誤解を受けていまして,市販のテストを使うかどうかではなく,これはあくまでも,高等学校における基礎の部分がちゃんと付いているかどうかを見るわけなんですが,多様な学校において,そこにいる生徒たち全てに付けたいと思う力が基礎であると私は思いますが,その基礎の部分には差があると思います。
 それを各学校でカリキュラム・マネジメントに生かすために,現状はどうであるのかということを測定するための手立てとして,高校生のための学びの基礎診断を取り入れるようになりました。これは業者テストもあるんですけれども,それを使うかどうかということが大事なんじゃなくて,生徒の現状を把握する,学校の考える基礎がちゃんと付いているかどうかを見る上で非常に重要だということであります。これを考えていく上で,自分の学校の基礎ということをさっき申しましたが,そういうことを考えることがスクール・ポリシーにもつながっていくのではないかと考えています。
 51条のところに高等学校教育の目標が書かれていて,3つ書いてあるんですけれども,3つ目は「社会について,広く深い理解と健全な批判力を養い,社会の発展に寄与する」と,こういう書き方ですから主権者教育につながるものであると思いますが,2つ目の「社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき,個性に応じて将来の進路を決定させ」と,この部分について考えてみたいと思います。
 前回の教育課程部会で,筑波大学の藤田先生からキャリア教育について大変重要な御指摘がありました。キャリア・パスポートといったことについての御説明もあったわけですけれども,社会において果たさなければならない使命の自覚に基づきということは,自分の在り方,生き方の重要な部分ではないかと考えております。そう考えますと,これはキャリア教育ということが非常に重要なんですけれども,ここのところを1つの言葉で2つの点について見たいと思っています。
 2ページを見ていただきますと,(3)として,「個性に応じて将来の進路を決定させ」というところに分けて考えているわけですが,キャリア発達をどう促していくのかということと,そして,実際に進路を決定する際に,生徒自身が自分で考えてやっているのかどうかということが,今の高等学校では課題ではないかと思います。「個性に応じて将来の進路を決定させ」という使役であるということは,決定させるわけですから決定できる力を養う必要があるわけですけれども,この点について課題があるんじゃないかということを思っています。2ページの(3)に引用しましたのは,中央教育審議会の答申で,進路指導に関する記述に関しては脚注の部分であります。こういったことをもう少し丁寧に考えていく必要があるんじゃないかと思っています。
 2ページの下のほうの「現状を考えるに当たって」の2つ目のところなんですけれども,指導要領前文の引用であります。ここのところで,教育課程についての説明が書かれているわけですけれども,これからの学校には,こうした教育の目的及び目標の達成を目指しつつ,一人一人の生徒の自分のよさや可能性を認識するとともにと,こういう書き方がしてあるんですけれども,自分のよさや可能性を認識することが最初に書かれていることが大変気になるところなんです。この文の最後に書いてある,こういうことができるようにすることが求められるというつながりを考えますと,自分のよさや可能性を認識することができるようにするというのは,今,できていないということです。現状の裏返しなのではないかと思うんです。これはいろいろな調査があって,中教審で高校生の自己肯定感が低いということを様々な形で指摘を受けるわけですけれども,そのこととも関わって,自分のよさや可能性を認識することができるようにするにはどうしたらいいのかということを考えていく必要があると思います。カリキュラム・マネジメントを進める上では,そういったことをしっかりと考えた上で指導,評価といったことも考えていく必要があると思います。
 3ページの真ん中あたりのカリキュラム・マネジメントを進めるということは,言い換えれば,入学した生徒,高等学校の入学式におきましては,入学を許可すると校長が宣言する学校が多いのではないかと思うんですけれども,入学を許可した生徒であるわけですから,許可した生徒にどんな力を付けて卒業させていくのかということが非常に大事な部分かと思います。
 今,申しましたように,現状を考えてみると気になることがいっぱいあるわけですけれども,こういう気になることとか課題を快刀乱麻のように解決するすべというものを,私たちは持っていません。その中で,いろいろなことをこれまでも考えてきたと思うし,現在もワーキンググループで議論しているミッションの再定義とかスクール・ポリシーの策定とか,普通科をどうするのか,あるいは通信制教育をどうするのかと,こういったことは全てよりよい高校教育の実現に向けて,いろいろなことをそれぞれの学校の状況に応じて,とりわけ生徒に視点をしっかりと置いて考えていってはどうかということです。そこのところでカリキュラム・マネジメントということを考えていかなければならないと。
 私はカリキュラム・マネジメントを考えるときに,目標から現状を引き算すると課題が見えてくる,この課題にどう取り組んでいくのかということがカリキュラム・マネジメントで非常に重要なポイントではないかと思うんですけれども,そこに書きましたように,現状はいろいろ考えられるし,当然,目標,課題についてもそうであるわけです。そういったことを考えていく中で,評価ということまで含めた――この評価というのは,決して今まで多くの高校がやっていたみたいに,テストの結果でもって5段階の評点を付けることでとどまるものではなくて,日常的な生徒の学びを支える,生徒の自己肯定感を養うことができる,そういう評価につなげていく必要があるわけです。
 ところが,それがどうしてできないのかということを考えていくと,具体的に学習指導要領に書かれているカリキュラム・マネジメントの側面の中にもありますけれども,教育課程の実施に必要な人的または物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくということなんですが,ここのところが大変課題になっていると思います。設置者を含め,国も含め,これがちゃんと実現していくことが大変重要なことであるということをあえて申し上げておきたいと思います。
 カリキュラム・マネジメントは大変息の長い取組であると思います。そういうことを考える中で,カリキュラム・マネジメントの側面の1つでもある,教育課程の実施に必要な人的または物的な体制をどう確保していくのかということを国全体で,各学校もそうですけれども,考えていく必要があると思っています。
 雑駁な話で失礼いたしました。以上でございます。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは,続きまして,大島委員からお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【大島委員】 では,東京大学の大島より発表させていただきたいと思います。
 本日は,STEAM教育への取組ということで,20分ほどお時間をいただいて発表させていただきたいと思います。基本的には,皆様のお手元にございます資料3に基づいて,発表させていただきたいと思います。
 発表の内容といたしましては,STEAM教育ということで,概要についてということと,私が所属している東京大学生産技術研究所次世代育成オフィスでの取組ということで,STEAM教育に関連する活動についてを中心に,お話をさせていただきたいと思います。実際の事例などを踏まえて紹介させていただきます。その際に,どうしても詳細は限られた時間なので,なかなか細部にわたって御説明することが難しいので,皆様のお手持ちの24ページ以降,参考資料として付けております。また,URLなども記載してございますので,リンクで飛べるようになっていますので,もし御興味のある方は参考資料,もしくはURLを見ていただければと思います。
 では早速,それぞれの内容について御説明させていただきたいと思います。STEAM教育は最近,新聞などを含めていろいろなところで名前は聞いたことがあるかと思いますけれども,そもそもどうしてSTEAM教育というものが最近になって取り上げられているかということなんですけれども,背景としましては,まず,1つは,第5期科学技術基本計画でも挙げられているSociety5.0の実現を目指すということで,サイバー空間とフィジカル空間をどういう形で両立しながら,経済発展と社会的課題をどうやってしていくかというのが,1つ課題として挙げられています。
 一方でSDGs,これは国連で出されている2030年までの国際目標ということで,17のゴールと160のターゲットが挙げられています。これをどのように達成していくかというのが,国際的にも関心が強いことは皆様,御承知のことかと思います。このように,グローバル化であったりとかいわゆる多様性,こういうことが非常にいろいろな形で出てきて,社会実現をどうしていくかということは大きな課題として取り上げられています。
 一方で,今年からは学習指導要領が導入されていまして,その中では社会に開かれた教育課程,また,知識の量から知識の質・深みへと日本国内,そして世界的にも大きな変革が起こっているということが言えると思います。それに,最近はコロナがプラスされて,いろいろな形で日本の抱えている,あと,世界が抱えている課題があぶり出されて,また,デジタル化が加速するという状況かと思います。
 そういうことを踏まえますと,ウィズ/ポスト・コロナの社会を担う人材育成というのが1つ大きな観点かと言えるかと思います。今,ページ3に記載させていただいているのは,コロナ前でございますけれども,中央教育審議会の答申から抜粋させていただいています。ここでは,現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力と教科等の関係を明確にし,どの教科等におけるどのような内容に関する学びが資質・能力の育成につながるのかを可視化し,教育課程全体を見渡して確実に育んでいくこと,これが改めて必要になってきているのではないかと思っております。
 そういう意味で,社会に開かれた教育課程の実現に向けてということで,幾つか観点をまとめさせていただいています。育成すべき資質・能力としては,新たな発見や科学的な思考力の源泉となる創造性,そうした資質・能力をどのように育むかということです。アクティブ・ラーニングによる創造的な学習プロセスの実現ということで,いわゆる探究型の学習による学びの深化が1つ挙げられるんじゃないかと思っております。一方で,教科等の相互連携をいかに図るかということで,教科等横断的なカリキュラム・マネジメントの実現ということで,本日,挙げさせていただきます,STEAM教育というのが1つ基軸として挙げられるのではないかと思っています。一方で,大学では最近は文理融合ということで,トランスサイエンス的な問題の捉え方ということで,化学だけでは問題解決ができないと言われていますので,文理融合での問題の取組というものも大事になってきています。
 その観点で言いますと,誰が教えるのかであったりとか,何を教えるのか,どうやって教えるのか,これが実際にSTEAM教育を含めて行っていく際には課題として挙げられるかと思います。私たち自身も大学ではございますけれども,初等中等教育へのSTEAM教育ということで連携,こういうことも含めていろいろな取組もやっているということです。その観点で幾つか紹介させていただければと思います。
 その前に,今日は課題というかSTEAM教育についてお話をさせていただくんですけれども,そもそもSTEAM教育とはどういうものかということについて,スライドを使って簡単に御説明させていただきたいと思います。まず,STEAM教育はScience,Technology,Engineering,Arts,and Mathematicsの教育で,統合型STEM教育にArtsの要素を加えたものです。STEM教育については,参考資料にまとめさせていただいています。これは学術科目を総合的カリキュラムとして計画するためのフレームワークとして体系化するものであって,モデル化しています。これは2006年にヤークマンにより初めてSTEAM教育という言葉が用いられております。STEMにArtsが加わることで,多面的見方が促されて新しい解決策を見いだされるということで,STEAM教育が位置づけられています。
 これがSTEAMのピラミッドと言われていて,ちょうど下から上に行くに従って,統合されているということになっています。一番下は各教科・科目に個別に分かれていて,それが分離型STEMということで,ScienceであったりとかTechnology,Engineering,Mathematics,Artsというくくりになって,それがさらに関連型からいわゆる統合型的なSTEMにAが加わったという段階になって,それから完全統合型のSTEAMになることが言えるかと思います。完全統合型のSTEMは学際的な領域とも言えるかと思います。ヤークマンが提案している,よくアートなのかアーツなのかということです。これは英語では,アートですといわゆる芸術,音楽とか海外の芸術になりますけれども,複数形のアーツ,これはリベラルアーツも含んでいるということで,幅広い定義になっております。
 これを踏まえて,次世代育成オフィスのSTEAM教育に関連する活動について,簡単に御報告させていただきたいと思います。このような産業界と教育界の様々な連携を通して行っております。様々な機関や企業との産学官民の連携により,教科・科目横断型のSTEAM教育のプログラムを開発して,イノベーションを創出できるような人材育成に向けた教育活動をデザインしております。
 現在の学習指導要領に対して,どういう活動が位置づけられているかというのをページにまとめてございます。横軸が知識・技能になっていて,主体性の興味・関心で,このような形でまとめさせていただいています。タイプ1はいわゆる萌芽的なレベルで,それから成長レベルと発展的レベルということで,例えばSSHであったりすると,これが発展的レベルになっていって,高校生がさらにこのように伸びていくということで,よく私たちがやっている取組というのは,予備軍を発展レベルまでに上げることを主眼にして置いております。
 そういう中で,ある意味,限られた人数でこういう教育をやっていかないといけないということで,タイプ3とタイプ1,2に分けて,活動レベルもこのような形で分けております。まず,タイプ3の発展レベルに関しましては,研究者であったり技術者が直接参加型ということで行っています。御紹介が遅れましたけれども,東京大学の生産技術研究所は,大学に附属している研究所としては日本で一番大きい研究所になっております。大体100名ぐらいのprinciple independent scholarとして,独立した研究者の方がいらっしゃいます。このような研究者であったりとか産業界の技術者が直接参加することによって発展させていくということで,出張授業であったりとかオープンキャンパス,ワークショップなどをやっております。
 どうしてもこういう規模ですと40名であったりとか規模が限られていますので,また1回きりであったりとか,そういう短期的な取組になりますので,そこをさらに波及効果及びいろいろな方に経験していただくということで,ICTを利用して,例えばワークショップでも行った内容を映像教材とかにして,教材としてインターネットで発信するということをやっております。
 私たちはONGというんですけれども,Office for the Next Generationということで,教育外活動の概要については,このページにまとめてございます。様々なことをやっております。詳細は,できましたらぜひホームページを見ていただけたらと思います。本日は,その中でもワークショップ,企業との連携のワークショップとグローバルサイエンスキャンパスというものをSTEAM教育の枠組みとして今は力を入れていますので,この2つについて,特に時間をいただいて御説明させていただければと思っております。
 まず,ワークショップも含めてどういう観点でやっているかというと,STEAMということで,産業界と私たち東京大学のいわゆる大学,あと教育界の3つがこのような形で,皆さんで相互に乗り合いをしながら,教育コンテンツの開発を行っています。まず,研究者,技術者,直接参加型ということで,科学技術と社会のつながりを,実際に本物体験を含めて,高校生,中学生の皆様に体験していただくのは非常に重要な経験になりますので,例えば工場見学,これはJALなんですけど,ここの後ろに飛行機が見えるかと思いますけれども,こういうJALに協力いただいて,皆さん乗ったことはあるかと思うんですけれども,機体がどれだけ大きいかとか見たことないと思いますので,こういう本物を体験しながらグループワークをするということをやっております。
 ここから,今度は科学技術と教科のつながりということで,例えば飛行機の翼に対してはいろいろな物理が入ってきますので,物理を私たちの東京大学の生産技術研究所に来ていただいて実験をするということで,この後ろは実際の風洞実験をやっています。あとシミュレーションをしたりとかして,実際の研究者が使っているようなツールも使いながら,教科のつながりを理解していただくということをやっております。
 これを教育コンテンツ化するということで,例えば実験教材であったりとか映像教材化して,これをDVDであったりとかウェブ配信をすることをやっております。このようなワークショップを通して,アクティブ・ラーニングであったりとか教科横断型,探究型の学習をしていただくことによって,社会に開かれた教育課程としての3つの資質・能力を養っていただくということをやっております。
 ほかのいろいろな取組に関しましても,このような形で実際の教育課程とどういう関係で結び付いているかというのも整理して,いろいろな展開を行っております。先ほどのワークショップに関しましては,取り上げさせていただいたのはJALとの飛行機ワークショップでございますけれども,例えば鉄道ワークショップの東京メトロとも同じような形で展開してございます。企業との連携により気づきを与えて本物体験をするということと,あと,大学や企業の研究者,技術者とじかに接することで将来,いわゆるキャリア教育も含めて行っています。
 先ほど申し上げましたように,ワークショップを通しまして実験であったりとかシミュレーション教材,これはホームページを通して申込みいただければ使えるようになっております。あと映像教材も今はYouTubeで見れるようになっていて,これも参考資料に付けてございますけれども,今年の新しい指導要領との対応も付けておりますので,学校の授業の中でも取組ができるようになっています。1つの50分の授業としても使えますし,一つ一つのものに関しましては,約5分程度の授業に枠組みとしてまとめてございますので,それを中で使っていただくこともできます。今はONG STEAM STREAMということで,ウェブからの閲覧であったりとかスマホ対応,連携企業の動画なども配信しておりますので,もしお時間がありましたらぜひ見ていただけたらと思います。
 最後に,STEAM教育に根差した探究活動,これはJSTのグローバルサイエンスキャンパスに私たち東京大学が昨年度,採択をされました。そこでは,大学には来ていただいて,大学での研究活動を通していろいろな資質・能力を養っていただくということになっております。このプログラム自体はJSTのプログラムになっていますので,第一次選抜で大体40名の受講生を選びまして,ここで創造性を育むということで,科目ごとであったりとかSTEAM型ということで学んでいただいて,ここから第二選抜を行って約15名の受講生に絞って各研究室,今年は東大全学にわたって,様々な研究室で研究できるということで,研究室で経験をすることによって探究活動を行っていただくということをやっています。このようなプログラムを通して5つの能力ということで,知識俯瞰能力であったりとか情報分析能力,あと,課題解決能力であったりとか研究を検証する能力,そして最後にマネージメント,限られた時間の中である程度,課題を見つけてやっていただくと,そういうことをやっております。
 全体像としてはこのような形で,基礎の学習は,例えば大学の教養教育でやるような統計学も含めて勉強していただいて,一方で今,研究とはどういうことが行われているかと,今度はボトムアップだけではなくて,実際の研究も見ていただくということをやっております。このような形で,実際に研究室に入ってからは研究を行っていただくと,このような形になってございます。
 最後,今後に向けてということで,今,経済産業省が未来の教室をEdTech研究会ということで,中間報告を取りまとめております。学びのSTEAM化ということで,このような創ると知るということがサイクルになりながら,その中心にはワクワクがあるということでこのような取組を行っておりまして,現在,STEAMライブラリーということで構築をしております。
 あと,STEAM教育を実際に学校の現場でどのように導入するかということで,2つ考えられるのではないかと思っています。1つは総合的な学習の時間です。あとは理数探究であったりとか基礎であったりとかということで,このような中に入れることによって,3つの能力とともに想像であったりとか共創,共存,こういうチームワークも含めて養うことができるのではないかと思っております。
 最後のまとめです。今後のSTEAM教育ということで,わくわくであったりとか,あとは荒瀬先生もおっしゃっていたような自己肯定感の達成,こういうことをしながら,あとは次のステップとしてチャレンジをするということ,オンラインだけではなくオフラインということと,あと教科・科目のつながりも認識することは大事なのではないかと思っております。
 これが最後になります。COVID-19,コロナによってオンライン教育が普及されて,利点としては本当に多様な学び方が可能になったと思います。今までは小学校,中学校,高校では時間割が決められて,対面の授業でございました。それがコロナによってオンライン教育で,いわゆるリアルタイムであったりオンデマンド,これから1人1台の端末,あとネットワークも5G,これから6Gということもありますので,高速で大量な容量になっていくことで,自宅でどこでもいつでも学習ができるということで,STEAM教育の土壌は整いつつあるのではないかなと思っています。
 一方で,STEAM教育を行うためには,学校だけでは今の学校の先生は非常にお忙しいので,そこにはネットワークでいろいろな方々が加わっていくことによって,多様な視点も必要になるのではないかと思っています。今後,こちらに挙げさせていただいたことが課題として出てくるのではないかと思っております。
 駆け足ではございましたけれども,御清聴ありがとうございました。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは,引き続き,議題の2を取り上げます。資料4-2,これまでの教育課程部会におけるこれまでの審議のまとめ,たたき台についてです。こちらについては,9月11日の新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会で報告させていただきましたが,前回の教育課程部会での御意見を踏まえて,修正させていただいております。前回からの修正箇所を中心に事務局より説明をお願いします。よろしくお願いします。
【板倉教育課程企画室長】 ありがとうございます。資料4-2,修正履歴付きのものに基づきまして説明いたします。
 まず,1ページ目の「はじめに」でございますが,特別部会の議論等を踏まえまして一部記載を修正したところでございます。
 続いて,2ページ目でございます。2ページ目の下のほうでございますが,前回の教育課程部会での御議論を踏まえまして,指導の個別化,学習の個性化の説明を修正しております。子供たちの特性を踏まえること,自ら学習を調整しながら粘り強く取り組む態度の育成等々を指導の個別化に追記したところでございます。また,学習の個性化に関しては,子供自身による情報の収集等について追記したところでございます。また,個別最適な学びを進めるため,教師がスタディ・ログや生徒指導上のデータ,健康診断情報等をICTの活用により蓄積・分析・利活用しつつ,児童生徒の状況を見取り,それを踏まえて指導するとともに,児童生徒が自ら学習を最適化できるように促していくことが期待されることを記載したところでございます。
 また,3ページ目の4ポツ,あるいは7ページ目の1ポツでございますが,「多様の子供たちを誰一人取り残さず」という表現を「全ての子供たちに」,あるいは「全ての子供たちの可能性を引き出す」という前向きな表現に修正しているところでございます。
 3ページ目の「協働的な学びについて」でございますが,協働的な学びに関する記載を充実しております。
 4ページ目でございますが,前回の教育課程部会での御議論を踏まえまして,学校における特別活動を含めた様々な活動の中で,異学年の交流の機会を充実することの意義を記載したところでございます。
 また,5ページ目でございますが,協働的な学びについては社会につながるという修飾を削除したところでございます。
 続いて,7ページ目でございます。7ページ目の「学力の確実な定着等の資質・能力の育成に向けた方策について」でございますが,こちらに関しましては大幅に記載を充実したところでございます。まず,8ページ目の3ポツ目に幼児教育について追記したところでございます。また,4ポツ目から5ポツ目の小学校低・中学年において,安心して学べる居場所としての学級集団の中で,基礎的・基本的な知識及び技能を確実に定着させる必要性や指導の個別化の重要性について記載したところでございます。
 9ページ目の1ポツ目でございますが,特に小学校低学年における語彙の獲得などの言語能力や,数学的な見方,考え方等の育成の重要性を記載したところでございます。
 また,続いて9ページ目でございますが,小学校中・高学年以上の指導について,徐々に教科等の見方,考え方の理解に向けて,中核的な概念による指導を進めることを記載しております。また,小学校高学年以降において教科等の学習内容の理解を深めることや,そのために指導の専門性を強化することが課題であり,小学校高学年への教科担任制の導入や学校段階間の連携の強化等が必要である旨を記載しております。
 また,9ページ目最後のポツでございますが,児童生徒が社会に出た後の未来の姿から逆算して指導を長期的な視点で行う重要性を記載したところでございます。
 続いて,10ページ目でございます。「学びに向かう力等を育成する教育の充実」という項目を新たに立てたところでございます。5ポツ目になりますが,下のほうになりますが,学びに向かう力の育成につきましては,発達の段階に応じて児童生徒が学習の進め方を自ら調整していくことができるよう指導すること等を記載しております。また,6ポツ目,キャリア教育については,学校教育全体で実践を行いつつ,総合的な学習,探究の時間や特別活動を通じ,指導活動を充実していくことや教師との相互作用の中でキャリアを作り上げていくことを記載したところでございます。
 続いて,11ページ目でございますが,まず,3ポツ目のSTEAMの定義でございますが,STEAMのAを広い範囲で定義することを明確化したところでございます。12ページ目の1つ目のポツでございますけれども,情報モラル等も含めた学習の基盤となる資質・能力や,新たな価値を生み出す豊かな創造性等の現代的諸課題に対応して求められる資質・能力について,教科等横断的な視点で育成を図ることの重要性を追記したところでございます。
 また,12ページ目の2ポツ目になりますが,生徒や産業界,地域や産業界などと多様な接点を持ち,社会的な課題等について学べるよう,社会全体で取組を進める必要性を記載したところでございます。(4)の指導と評価の一体化の考え方に立った学習評価の改善」につきまして,新たに項目を立てまして,個別最適な学びや協働的な学びを進めていくに当たっての学習評価の在り方について検討する必要がある旨を記載したところでございます。
 続いて,13ページ目でございますが,補充的・発展的な学習指導についてでございますが,補充的発展的な学習を行う際の必要性につきまして具体的な記述を追記したところでございます。また,補充的な学習を取り入れた指導を行う際,児童生徒が学習の進め方を自ら調整できるよう指導することについて記載したところでございます。
 また,14ページの「特定分野に特異な才能を持つ児童生徒に対する指導」でございますが,実証的な研究開発を行い,さらなる検討・分析を実施する旨を記載したところでございます。
 5ポツ目の「カリキュラム・マネジメントの充実に向けた取組について」でございます。(1)丸2の教科等横断的な視点からの教育課程の編成・実施に向けた授業時数の在り方に関連しまして,余剰時数につきまして記載場所を動かしまして,また,児童生徒の負担を踏まえる必要性がある旨を追記したところでございます。
 また,「人的,物的体制の確保,改善」でございます。組織的な取組の推進についてでございますが,社会に開かれた教育課程の観点から,児童生徒に求められる資質・能力について,学校と社会とが認識を共有する重要性を記載したところでございます。
 以上でございます。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは,委員の皆さんから,先ほどの荒瀬副部会長,大島委員の発表及び事務局からの説明について,御質問,御意見をお願いしたいと思います。いかがでありましょうか。多くの質問,御意見等々をお願いしたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 よろしいでしょうか。それでは,今,髙木委員から手が挙がっておりますけども,まず,髙木委員お願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【髙木委員】 髙木でございます。2点ございます。荒瀬委員の御報告に関して意見でございます。
 1点目が,各高等学校におけるスクール・ミッションの再定義,さらにはスクール・ポリシーを策定することが,各学校におけるカリキュラム・マネジメントとして,今後,大変大事になってくるということで,この御報告が全国の高等学校に広まることを期待しております。一方,現在なんですが,各高等学校では新学習指導要領の実施に向けて,必履修科目と選択科目をどのように教育課程として組立て,位置づけるかという教科・科目の内容の扱いに非常に関心が高くありまして,それぞれの学校の生徒を3年間でどのように資質・能力を育成すべきかという,カリキュラム・マネジメント全体を通しての考え方になかなか至っていないという傾向があります。ここをどのように各高等学校で行うかという意識改革を図れるようなことを今後考えませんと,これまでと同様な教育課程と,要するに何時間授業をやって,どの科目をやるみたいなことでとどまってしまうことが現在,起こっているように感じておりますので,その辺をひとつ気にしているところであります。
 2点目ですが,高等学校の入試に関してです。先ほどの荒瀬委員からも発表がございましたけど,入学を許可するに当たってどういう選抜方式を取るか,特に公立学校における入学者選抜試験は,現在も県レベルで多くの県が統一問題で行われています。10年ぐらい前に岐阜県が各学校ごとの入学者選抜を公立学校で行っていますが,スクール・ポリシーということがこれから出てくるのに即して,既にもう私学では各学校で入学者選抜試験を行っておりますので,スクール・ポリシーに即して各学校独自の問題で,公立学校でもそろそろ検討する時期に入ってきているのではないかということで,高等学校部会のほうから御提案されているスクール・ポリシーを定着させるためには,高校入試の在り方が今後,大変重要になってくると考えております。
 以上です。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。続きまして,杉江委員にお願いしたいと思いますけども,私のほうには,その後,戸ヶ﨑委員,喜名委員,それから,萩原委員の御意思が私のほうに伝わっております。それでは,杉江委員,お願いいたします。
【杉江委員】 杉江和男です。専門高校のこれからについて,意見を申し上げたいと思います。
 まず,学習指導要領の改定で,目指す教育が学ぶ科目を通して基礎学力の下で個性を伸ばし,社会の中における人の在り方等を学び育てることが明確になったと思っております。これから普通高校は大学入試の予備校であってはもちろんいけないですし,社会では専門高校を出て就職した生徒の専門知識能力よりは,むしろその人の思考力ですとか人間性等のほうが,仕事ができて本人の生きる力になっていると思います。
 そういう考え方の中で,普通高校,専門高校という部分は今後も適正な区分かということをぜひ御検討いただきたいと思います。今回,普通高校がスクール・ミッションを明確にして,専門高校との境界がプロフェッショナル寄りに移動,拡大するとともに,専門高校も今までの農業,工業,商業という産業区分ではなくて,SDGsのように,例えばおいしい食事ですとか健康に生きる快適な生活,環境保護など価値区分にしたほうが,よほど生徒の目標設定ですとか思考力,判断能力を高め,また,仕事においても持続性を高めると思います。
 もう一つは,専門高校の場合に,15歳の高校入学で自分の進路を決めるわけですけども,固定化するというのは無理がありますので,転学が可能なカリキュラム・ポリシーですとか,大学を含めて入学の間口を広く取るアドミッション・ポリシー,そして,卒業時のグラデュエーション・ポリシーで卒業を厳格にするなどの必要があるかと思います。
 以上でございます。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。なお,それぞれの委員の方からの御意見,御質問等々を終えまして,最後になりますけれども,荒瀬副部会長,大島委員,そして事務局から,それぞれについての御質問,御意見に対して応答をお願いしたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 では,続いて,さらに進めさせていただきます。戸ヶ﨑委員,お願いいたします。
【戸ヶ﨑委員】 前回欠席しましたので,「審議のまとめのたたき台」についての意見を述べさせていただきます。
 先ほどの見え消し版ですと,17ページの2つ目の丸になります。
 「さらに,新学習指導要領のねらいとする資質・能力の育成と,一定の総授業時数の確保による教育の機会均等の観点を踏まえ,総枠としての授業時数(学年ごとの年間の標準授業時数の総授業時数)は引き続き確保しつつ,カリキュラム・マネジメントに係る学校裁量の幅の拡大の一環として,教科等の特質を踏まえつつ,教科等ごとの授業時数の配分について一定の弾力化を認める仕組みを設けることも考えられる。」との記載があります。この記載は大変重要であると思います。
 私はこれまで,授業の量と質の確保の両立について何度か申し上げてきました。質の確保が重要であることは誰もが認めるところですが,それは容易でなくて定量化できず曖昧なものでしかない以上,まずは量の確保により教育の質を支えるよう努め,説明責任を果たす必要があると考えています。
 また,学習活動の重点化についても以前に意見させていただきましたが,オンライン学習などで「機会あっても学びなし」とならないよう,「何ができるようになるか」「何を学ぶか」などが子供たちにしっかり理解できるよう,子供たちや地域の実態等を鑑み,育むべき資質・能力を明確にして,家庭学習を含めたカリキュラムを全教職員が参画して,デザインしていく必要があります。
 今後は,子供や地域の実態に応じて,教育の目標を明確化し,教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成や,教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習や探究的な学習などを推進することも重要であると考えます。特に中学校にその必要性を感じます。
 そのためには,文案にあるように「総枠としての授業時数は引き続き確保しつつ,教科等の特質を踏まえつつ,教科等ごとの授業時数の配分について一定の弾力化」を進める必要があります。ここからが強調したいことですが,その際に,標準授業時数が学習指導要領に示す各教科等の内容の指導の質を担保するための量的な枠組みとしての性格を有していることを踏まえれば,創意工夫の余地は現状でもかなりあるわけです,より多様で高度なカリキュラム・マネジメントに向けても学校が自走できる特例的な取組を推奨していく必要があると考えます。
 併せて,特例を活用する学校は,カリキュラム・マネジメント推進強化のロールモデルやフラッグシップとしてだけでなく,全国の自治体や学校へ勇気や元気を与えるメッセージ性を高めるために,申請と承認に止まらず,その教育課程等を公表する仕組みを作ってはどうかと思います。
 以上です。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。萩原委員の後,三田村委員にお願いしたいと思いますけども,続きまして,次は喜名委員,お願いいたします。
【喜名委員】 全国連合小学校長会の喜名でございます。よろしくお願いいたします。2つございまして,1点目は大島先生の御発表のSTEAM教育についてでございます。もう1点は審議のまとめの10ページにある,学びに向かう力の部分でございます。
 最初に,大島先生の御発表の中の参考資料にもございました,それから,資料4-2の審議のまとめの中にも書かれておりますけれども,STEAM教育を推進するには,小学校,中学校の総合的な学習の時間の充実ですとか教科等の充実が必要であるということが書かれています。全くそのとおりだと思いますし,今,議論されている高学年における教科担任制はまさにここにも対応できるものだとも思います。一方で,総合的な学習の時間の形骸化というのか,かなり当初の目的を果たせないような状況になってきていることもございます。この辺について,大島先生から高校につながる総合的な学習の時間や教科等の学習の充実について,また御教示いただければと思います。
 もう1点は,今回,大幅に加えられた10ページにあります,「学びに向かう力を育成する教育の充実」というところであります。コロナの臨時休業の3か月間,小学校は子供たちにいかに勉強をさせるか,家庭学習を充実させるかということで,課題を与えることに懸命になってまいりました。ただ,ふと時々振り返ると,こんなことばかりをやっていていいのだろうかと,本当に子供たちが自ら学ぶ力を付けていくとはどういうことなのかということを考えさせられたわけであります。そういう意味でも,これからの授業改善の柱になるのがまさに学びに向かう力,特に自己調整力,自己調整学習だと思っています。
 その中で,これからの授業改善として,学習方略をしっかりと身につけさせることや基礎・基本の徹底ですとか,それから学習への動機づけをいかに授業の中で図っていくかということ,さらに子供たちのメタ認知,自分を客観的に,学習状況を見られる力をどう付けていくかというのが研究の視点になっていくのだろうと思っているところであります。
 以上でございます。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。それでは,次に萩原委員にお願いしたいと思いますけども,三田村委員の次に奈須委員にお願いしたいと思いますけども,萩原委員,どうぞよろしくお願いいたします。
【萩原委員】 私からは,今日,荒瀬先生のほうから出ました資料に,高等学校における基礎についてはどうかというお話で,「高校生のための学びの基礎診断」についての先生の御見識を伺いましたが,私もまさしくそのとおりと思います。「学びの基礎診断」は高等学校でどう本人が学んできたのか,それを各学校で確認をして指導に役立てるという意味合いと思っています。これを大学入試で使ったらどうかという話も出てきておりましたけれども,そうではなくて荒瀬先生のお話のとおりだと思います。
 これに関連してということになるんですが,本日,ワーキンググループによる審議状況ということで,スクール・ミッションのお話が出てきたかと思いますが,高等学校の立場で言いますと,グラデュエーション・ポリシーを「卒業の認定に関する方針」という訳では定着しにくいのではないか,ほかのものについては,カリキュラム・ポリシーについては「教育課程の編成及び実施に関する方針」とか,それからアドミッション・ポリシーは「入学者の受入れに関する方針」というのは分かりやすいですか,高等学校側がグラデュエーション・ポリシーといったときに「卒業の認定に関する方針」となると,卒業の単位数だとか,どういう科目の履修とか修得というところに走ってしまう可能性があるのではないかと思います。
 ですので,例えば卒業時の生徒像とか,こういう生徒として卒業させていくんだという意味合いが分かる日本語にしていただけるとありがたい。これは今度,ワーキングで検討していただけるとありがたいと思っております。
 それからあと,もう1点,普通科に関しての今日,お話が出てきたかと思うんですが,普通科の中に新たな学科を作っていくということについては,私も,意味はあるかと思うんですが,ただ,今日のお話ですと,高等学校に在学中の話であって,卒業時において,例えば,今回で言うと,学際科学的な学びに重点的に取り組む学科の卒業生であるとか,地域社会が抱える課題の解決に向けた学びに重点的に取り組む学科の卒業生が,卒業後の進路を具体的にイメージできるのか,例えば大学を受験ということになったときに,大学側がそういう生徒を受け入れる,何らかの特別な入試制度とかを作ってもらえるのかどうか,その辺りが高等学校でも,こういう学科を作っていくかどうかという観点の一つになるのではないかと思います。
 以上です。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。では,続きまして,三田村委員お願いいたします。
【三田村委員】 まず,荒瀬先生のお話は大変感銘を受けました。自信を持って選択できる,本当にそういう子を中学校としては送り出したいと思いましたし,また,中学校における基礎の上,これはしっかり責任感を感じたところです。その視点に立って見たときに,新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループにおける審議状況についてなんですけれども,高等学校の教育の在り方という単体で見ると,本当におっしゃるとおりだと思います。ただ,中高の接続,それから,今,萩原委員からもお話がありましたように,高大の接続という視点に立った時に幾つか疑問が生じます。高大については,今,萩原委員が御指摘されたのと全く同じですので,省略します。
 中高というところで,2つございます。1つは,普通科の拡大というんでしょうか,これについては,方向性としてはいいと思うんですが,現状の多くの中学3年生の子たちが自信を持って選択できる,用意されたバリエーションを選択できるようになるかというと,現状,そこにはギャップがあると思っています。多くの子が,特に何をしたいが明確ではないから普通科を選択しているというのが現在の中学校の状況ですので,ですから,もし高等学校の普通科の多様化というものが進むのであれば,接続において何らかの手立てを打たなければならない。それを中学校側が打つのか,高等学校側なのか,あるいは両方なのか,これが大きな課題としてあると感じました。
 それから,もう一つの点で思っていることですが,基礎にそもそも差が出てしまうのではないのかというところでございます。ですから,当然,私たち中学校がしっかりと中学校で身に付けるべき力を付ければいいんでしょうけれども,現実的にはそれがなかなかできていない。そうなったときに高等学校の「中学校における基礎」というのは一体何なんだろうと感じた次第です。
 以上でございます。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。それでは,次に奈須委員,その後,堀田委員,秋田委員,お願いしたいと思います。奈須委員,お願いいたします。
【奈須委員】 奈須でございます。よろしくお願いします。
 まとめのほうの見え消し版で言うと3ページのところをお願いいたします。個別的な学びを進めるためにということですが,上から2つ目の丸ですけれども,教師が学習履歴(スタディ・ログ)や生徒指導上のデータ,健康診断情報等をICTの活用により蓄積・分析・利活用しつつということがあって,これは以前からGIGAスクール構想の中で議論されていることだとは思いますけれども,これはとても望ましいことがあると同時に,とても危険なことというか,危惧されることもたくさんあると思うんですけど,どこまできちんといろいろなところで議論したかということが気になります。
 先般ですが,今度の政権でデジタル庁というのが創設されるという話もあり,また,文部科学大臣御自身も閣議後会見で,9月18日でしたか,この利活用にマイナンバーカードの利用ということを考えてはどうかとおっしゃっていて,その中で進学した先に,前の学校の履歴を進学先でも情報を引き継ぐということをおっしゃっていて,これはとても過去の学びの状況とか暮らしの状況をしっかりと引き受けて,進学先でもその子を上手に伸ばしていくということもありますけれども,一方で,その子の過去の様子をいつまでも引きずってその子を見てしまうという危険性もあるわけで,この辺のデータの取扱い,これまで紙のデータであった限りは,そんなにいつまでもとか,正確にとか大量にということがなかったわけで,いい面も悪い面も両方あったと思いますけど,デジタル化していく,さらにマイナンバーカードでずっとひもづけていくということをすると,いつまでも大量なデータが残存して蓄積されて,また,それがどう利用されていくかということです。
 この辺について,教育課程部会というか文教行政の中でしっかりとした議論を,専門的なお立場の方,さっきの現場の声も含めてやっておく必要があるのではないかと,このまとめを出す前にです。これは見え消し,追加になっている部分ですから,集中的にここは御専門の方も含めて意見を伺う必要があるのではないかと思いました。
 以上でございます。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。それでは,続きまして,堀田委員お願いいたします。
【堀田委員】 堀田でございます。私は審議のまとめの見え消しでいう11ページについて,意見を述べます。STEAM教育の件です。
 今日,大島先生のお話も伺い,STEAM教育が我が国の子供たちにおいて非常に重要であり,とりわけ高等学校の教育において,これが非常にダイナミックな教育課程を実施することにつながることの確信をいただいたところなんですけども,一方で,審議のまとめの表現においては,例えば11ページの一番下のポツでいうと,STEAM教育は高等学校の総合的な探究の時間や理数探究と多くの共通点があると書かれていて,これはこれでそのとおりだと思います。
 それに向けて,12ページに3つ目の丸,その前提として小学校,中学校の各教科等の学習も重要であると,そういう言い回しになっているので,これは小学校や中学校は,とりわけプログラミング教育とかが入ってきたプロセスから言うと,今の書き方だと高校になったらそういうことをやるから,小学校や中学校でもちゃんとやっとかないといけないぐらいの感じに読めないかと,私はそれが,小学校や中学校でこれからSTEAM教育を頑張ろうと思っている先生の火を決してしまわないかという心配があります。特に今,最後に御指摘した3つ目の丸のところは各教科等の学習が重要と,つまり基礎・基本をちゃんと各教科でやっておきなさいと。高校になったらSTEAMをやるからみたいに読めてしまうので,ここは多分,各教科等においてSTEAM教育を小学校や中学校でもちゃんとやっておくことが重要だと,そういうことを言いたいんだと思うのですけれど,何か書きぶりをもう少し慎重にしていただいて,STEAM教育においては小学校のプログラミング教育が導入されたと,科学技術を実体験するというプロセスから,中学校の少し専門的なこと,広い視野,そして高等学校ではそのような教科等でしっかりと学ぶのだと。そういう一連の流れをもう少し明確にしたほうが,教育課程としてはよろしいのではないかと思います。
 以上でございます。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。それでは,続きまして,秋田委員お願いいたします。
【秋田委員】 秋田です。荒瀬先生,大島先生,御発表ありがとうございました。高校の学びが新たに変わっていく姿を伺うことができて感銘を受けました。
 まず,大島先生のお話にありました,STEAMの教育でございますけれども,今日,大島先生のお話は各教科の特質だけではなくて,もう少し学際的になっていくことで創造性を,先生のスライドの12ページで,ONGの活動の位置づけというところでも,創造性に触れる教育,創造性を育む教育,創造性を形にする教育というところが明確にされています。
 それに対して,今回の審議のまとめのほうですと,12ページ等でもSTEAM教育等で創造性というのは芸術的な感性とか新たな価値を生み出すという形の表現になっているんです。けれども,むしろ大島先生が言っていらっしゃる創造性というものは,こういう書きぶりのものとは少し違う質の創造性のような気もしたので,大島先生にこの辺りをどう考えておられるのかということを伺ってみたいというのが,まず1点目でございます。
 また,今回,荒瀬先生のほうが,探究について話をしてくださったときに,試行錯誤することの重要性のご指摘があり,そうしたプロセスそのものを記録すること,そして,それが評価となり指導とつながっていく視点を資料の5ページ目でお話をいただきました。また,大島先生のところでも,自尊心を高めるのに本物の活動であり,いわゆる教師1人の評価ではなくて,荒瀬先生の資料でも複数と書かれていますし,大島先生の場合は本物の学校外の人の目も含めて,いろいろな形での評価をすることが子供たちの自尊心を育てていくという方向付けを示されています。社会に開かれた教育課程と同時に,その評価の在り方として今回のお二人のご発表は御提示いただけたのではないかと考えます。
 しかし,実際にこうした形を今後,教師が身に付けていくにはどうしたらいいのだろうかというところについて,ぜひ荒瀬先生にも伺ってみたいところです。高校等で,探究での記録やスタディ・ログなどドキュメンテーションを取っていたり生徒は書いているんですが,教師がそれをどう評価するのか,どう読み取るのかというところの教師の資質が,特に探究の記録をどう教師が支えるのか,そこが評価につながると思うんですが,そこの難しさを個人的には感じたりもしているところなので,何か御意見があれば伺ってみたいと思います。
 以上です。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。次は市川伸一委員に御発言をお願いしたいと思いますけども,ほかの委員の方,御発言をという方はいらっしゃいますでしょうか。そろそろ時間的な関係等からいきますと,この辺りで発言等々は区切らせていただきたいと思いますけども,委員の方でもし御発言の御趣旨がありましたら,手を挙げていただければと思いますけども,委員の皆さんよろしいでしょうか。
 それでは,市川伸一委員お願いいたします。
【市川(伸)副部会長】 私のほうからは2点ですけれども,今日,荒瀬先生,大島先生のお話を伺っていて,高校の教育をどうやってもっと豊かなものにしたらいいかという試みとして,大変興味深く伺いました。これまでもずっと言われていたことではあるんですけれども,探究とか創造ということが,どうしても高校の中に入りにくい。あるいは現代社会の問題ということも,なかなか高校だけでは扱い切れない面もありますから,そこで大学とか企業も応援する形で,連携し合って,そういうことを高校の中に取り入れていこうという試みだろうと思います。
 ただ,非常にすばらしいことではあるんですけれども,ネックがあるというお話が出たと思います。一つは入試の問題,もう一つはこれを入れることによって世知辛いようですが,例えば総合の単位に変えることもできるとか。入試の問題と単位の問題と,細かいような問題でありながら,実際にはこれがものすごく大きくて,せっかくの試みがなかなか高校生たちに届かないことがあると。例えば東大の研究室に入って,非常にいい体験をして,ぜひここでこういう研究活動をしたいと思った高校生が,結局は東大入試では落ちてしまうと,予備校で一生懸命勉強した子に負けてしまうということになってしまうと非常にもったいないわけです。だからといって,研究室に配属になった子供たちは入試のときに加点しますということもしにくい。この辺りがすごく悩ましいところで,恐らく数十年にわたって豊かな学びをしてほしいんだけれども,実際には入試の場になると,豊かな学びというのが評価されないということで,どうしても高校教育が硬いものになってしまったということの歴史だった気がしています。
 今回,指導要領も変わった時点で,こういう学び方,こういう学びをした生徒たちにぜひ大学にも入ってほしいというルート,東大も推薦入試の枠はできましたけれども,非常に人数は小さいし,限られているので,今度はどうするのかということです。ということをぜひ,むしろ東大にもアイデアを出していただきたいと思います。
 もう一つの点は評価のことなんですが,髙木先生ももう少し評価のことを書き込んだほうがいいんじゃないかという御意見を出されていて,私も同感だったんですが,今度,実際に評価のことも大分書き込まれているようには見えます。「審議のまとめ」のほうですが。ただ,私が少し気になるのは教科の話,特に今回出てきている,「主体的に学習に取り組む態度」,この意味が,私もワーキンググループの主査をやっていましたけれども,この報告に出てきたときのイメージが次第に変わっていっている気がするんです。どこで変わったのかというと,文科省もいろいろな解説を出しています。評価規準のようなものも出しています。それから,それを受けて教育委員会とか研究者とか民間の会社からいろいろなものが出ている間に,どうも「主体的に学習に取り組む態度」というのが,意味合いが変わってきている気がするんです。今日も喜名先生ですか,お話があったように,私たちとしては学習の自己調整とかメタ認知,学習方略とか,こういうことを結構盛り込んだつもりだったんですけれども,そういうことはすごく小さくなるか消えてしまっていて,むしろ学んだことを生活に生かすとか,そちらのほうが随分具体的な評価規準などでは強調されているような気がします。
 学んだことを活用するのももちろんいいんですけれども,それも確かに学びに向かう力の1つであるとは思いますが,自分の学びを見つめ直して,いろいろな工夫を入れて学習改善を図っていく,そのことの意味合いが非常に大きかったんだということは,ここで審議のまとめの中でも少しベクトル合わせをしておく必要があると思いますし,ぜひあまり意味が変わってしまわないように,書き込んであるとは思うんですけれども,強調しておいたほうがいい気がいたしました。
 以上です。
【天笠部会長】 それでは,市川副部会長の御発言をもちまして,皆さん方からの発言はここまでということにさせていただきたいと思います。
 それでは,荒瀬副部会長,それから大島委員,そして事務局から,それぞれの委員の方からの御意見等々を踏まえて御発言いただければと思いますけども,まず,荒瀬副部会長,いかがでしょうか。
【荒瀬副部会長】 ありがとうございます。大変たくさん御意見をいただきまして,ありがとうございました。
 髙木先生が最初におっしゃった,これからの高等学校の入試改革をどうしていくのかと,とても大事な話だと思っています。いろいろな形でやっていくしかないと思いますけれども,それをどうしていくのかという中で,ほかの方からも出ました,例えば高等学校進学の際の中学生の進路選択の力をどう付けていくのか,要は進路選択を支える中学生の先生方の進路指導をどうよりよくしていくのかということもあるでしょうし,その辺りも含めて考えていく必要があると思いました。
 それから,断片的で申し訳ないんですけれども,秋田先生がおっしゃっていました評価について,どうのように評価できるようになっていくのかは大変難しい問題で,多分SSHの取組の中で実際にやっている学校というのがたくさん出てきているんです。これをどう広げていくのかが今後の課題であるのではないかということを思っています。
 ただ,そんな取組をしていく中でも,これは萩原先生もおっしゃいましたし,三田村先生もおっしゃいましたけれども,中高の接続ということを高等学校が考えていくことは重要ですし,高大の接続ということを考えていくと,大学入試をどうしているのかというのを考えていただいているわけですので,ぜひ検討していただければと思っています。
 1つ申し上げておきたいのが,高等学校の普通科の新しい学科というのは,全ての普通科をそうするというわけでは決してないわけでありまして,それをどうしていくのかというのは,これはそれこそ地域の中学生の状況を見ながら,設置者と学校とが考えていく,とりわけ中学校とも一緒になって考えていくことが非常に大事なことだと思います。
 全てお答えできたかどうか分かりませんが,以上でございます。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。続きまして,大島委員お願いいたします。
【大島委員】 ありがとうございます。たくさんの御意見をいただきまして,ありがとうございます。かいつまんでお答えになるか自信がないんですけれども,回答できればと思います。
 まず,喜名委員からの御指摘がありました小学校,あと中学校に関連してなんですけど,私たち自体が高校を中心に行っているケースが多いです。喜名委員からの御指摘があった,総合的な学習の時間というのは非常に大事なんですけれども中では形骸化しているということで,これは非常に重要な御指摘かと思っています。ひとつ参考になるかと思うのは,よく小学校では社会科見学などをされていますので,何かそういう形と一緒にカップリングされると,小学校の中での取組も総合的な学習としてさらに奥行きが出てくるのではないかと思っています。
 あと,高校につながるようにどうしたらよいかというのは,今後の大きな課題なのかと思っております。堀田委員が取りまとめのP12の御指摘にあったこととも関連しているかと思いますけれども,一連の流れとして小中高とどうしていくかというのは,今後,引き続き検討していきたいと思っています。
 あと,秋田委員から御指摘のあった創造性についてなんですけれども,ページ12,こちらに書いてある創造性というのは,ある意味,STEAMの関連として,創造性というのが社会的な価値をどうやって見いだすかということがひとつ大きな観点かと思っています。私自身のバックグラウンドが工学系ということがありますけれども,社会がどう受け止めていくかということを考えながら,自分の持っているアイデアというものを,それが例えば小説という言葉でもいいですし,それがプログラミングという何らかの形のアプリでもいいですし,今いろいろな多様なメソッドがありますので,それを何らかの形で形にして,それが最終的に社会的な価値にいけばいいということを考えて,そういう意味での創造性ということで定義しております。
 あと,教師についてということは御指摘ありがとうございました。なかなか教師について,どういうスタディ・ログも含めてというのは,まだ道半ばかと思っていますので,これも引き続き検討していく必要があるかと思っています。あと,最後に市川委員から御指摘がありました入試と単位の問題です。入試の問題なんですけれども,これも参考になるかなんですけれども,UTokyoGSCに来ている受講生の中では,AO入試を比較的視野に入れている生徒さんがいらっしゃいます。あともう一つ,もう日本の入試を飛び越えて,外国のハーバードであったりとか,そういう入試も含めて考えている生徒さんもいらっしゃいます。なので,ある意味,入試というのは非常に大事で,それが制約条件になっている一方で,今,教育もグローバル化しているんじゃないかということと感じております。なので,多分ここら辺を柔軟に対応していくことも大事かと思っていると同時に,差し迫った入試ということも大事なんですけれども,これから人生100年なので,そういうリカレント教育も含めて,全体的に柔軟的な対応というのも結構大事なんじゃないかと思っています。
 あと,単位の問題に関しましては,授業時数の弾力化が必要だと戸ヶ﨑委員がおっしゃっていましたけれども,今はどうしても数学,理科,1つずつの科目の中の単位を消化していかないといけないということがありますけれども,いろいろな先生が協力しながら,それを同時に1つのテーマの中で,例えば数学の先生は,この単位の中で同じテーマに対して取り組むとか,そういう横断的なことを学校の先生の中でやっていく取組も面白いんじゃないかと思っています。
 最後に,こういういろいろなプラクティスがあると思います。今,試行錯誤の段階でございますので,グッドプラクティスを何らかの形でお互いに共有していくと,そういうプラットフォームというのもこれから大事になってくるのではないかと思っています。
 以上です。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。事務局のほうから,まず,高等学校のワーキンググループ,そして室長のほうからということで,高等学校のワーキングのほうからいかがでしょうか。
【酒井参事官補佐】 失礼します。高校ワーキングについての御指摘ありがとうございました。
 高校ワーキングにつきましては,まだこれからさらに具体的な制度設計について議論を進めていただく予定でございます。本日いただきました御意見を高校ワーキングのほうにお伝えさせていただいて,さらに御議論を進めていただきたいと考えております。ありがとうございました。
【天笠部会長】 では,続きましてお願いいたします。
【板倉教育課程企画室長】 教育課程課の板倉でございます。
 今日の御議論を踏まえまして,審議のまとめのたたき台のほうは反映していきたいと思います。また,特別部会等にも関係する部分に関しましては,事務局ともよく連携いたしまして,対応を考えていきたいと思います。ありがとうございます。
【天笠部会長】 それでは,本日の議事は以上とさせていただきたいと思います。事務局におかれましては,本日の意見を受け止めていただき,今後の審議に生かしていただければと思います。
 なお,本日御発言いただけなかった意見や補足意見があれば,メール等で事務局までお寄せいただければと思います。メールでお寄せいただいた御意見は,他の委員に共有し,ホームページにも公表することを予定しておりますので,御承知おきいただければと思います。
 最後に,次回の予定につきまして,事務局からお願いいたします。
【板倉教育課程企画室長】 長時間の御議論ありがとうございました。
 次回の教育課程部会は,10月23日金曜日,16時から18時で開催予定しているところでございます。
【天笠部会長】 それでは,本日予定していました議事は全て終了いたしましたので,これで閉会したいと思います。どうもありがとうございました。

―― 了 ――