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教育課程部会(第115回) 議事録

1.日時

令和2年2月5日(水曜日) 10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省 13階 13F1~3

3.議題

  1. 先端技術の活用等を踏まえた標準授業時数の在り方や補充的な学習・発展的な学習の在り方について
  2. その他

4.議事録

【天笠部会長】 それでは,定刻になりましたので,よろしくお願いいたします。ただいまから第115回中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会を開催いたします。
 本日は御多忙の中,第115回の教育課程部会に御参加いただき,誠にありがとうございます。
 本部会につきまして,報道関係者より会場の撮影及び録音の申出があり,それを許可しておりますので,御承知おきください。なお,撮影につきましては冒頭のみ許可しております。
 それでは,本日の配付資料について事務局から説明をお願いいたします。
【板倉教育課程企画室長】 ありがとうございます。おはようございます。教育課程企画室長の板倉です。
 本日はペーパーレスにて進めさせていただきますので,資料は端末に全て御用意しております。端末上に本日の資料を既に開いておるかと思いますが,画面左側の表示のとおり,議事次第,資料の1-1から1-8,資料2,資料3,資料4,資料5がございますので,確認をお願いいたします。不明な点等ございましたら,お近くの事務局職員までお申しつけください。
【天笠部会長】 よろしいでしょうか。
 それでは,御案内のとおり,まずは議題の1に入りたいと思います。
 昨年12月の初等中等教育分科会において,これまでの議論が,資料1-2のとおり,「新しい時代の初等中等教育の在り方 論点取りまとめ」としてまとめられました。その中には,各関係部会において検討すべき論点がまとめられております。よろしいでしょうか。資料1-2になりますけれどもその中で,本日は,「これからの学びを支えるICTや先端技術の効果的な活用について」の論点のうち,資料1-2ですけれども,8ページ目の6の「今後の検討事項について」の「(2)また,先端技術の活用等を踏まえた年間授業時数や標準的な授業時間等の在り方や,個別に最適で効果的な学びや支援を進めることによって学年を超えた学びを行うことについてどう考えるか,評価を含めた留意事項について,早急に検討する必要がある」ということにつきましてということと,次に,「教育課程の在り方」の論点のうち,「1 学力について」12ページの8にあります「(1)全ての児童生徒にこれからの時代に求められる資質・能力を育むため,児童生徒一人一人を見ていくきめ細やかな対応策」,それから「(2)小学校高学年以降の専門性の高い教育を見据え,小学校中学年までに育成を目指す資質・能力全体の中でも,特に基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させるための方策」について,これらを本議題で審議したいと考えております。
 つきましては,この議題につきまして,まず事務局から説明をこれからお願いしたいと思います。その後,私を含めまして3名に発表をという,そのような予定をしております。まず,私から,「標準授業時数の在り方について」,標準授業時数に関わる歴史的経過と私の考えるところを申し上げさせていただきたいと思います。それから,続きまして市川副部会長にお願いしまして,「補充的な学習・発展的な学習の在り方」についてということで,児童生徒一人一人を見ていくきめ細かな対応策,学年を超えた学び,小学校中学年まで基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させるための方策について発表をお願いしたいと思います。続きまして,その後,鹿児島県総合教育センターの木田主事に,「資質・能力の育成につながるICTを活用した効果的・効率的教育活動」について,ICTを活用した場合に授業時間短縮の効果がどの程度あるのか,補充的・発展的な学習がどの程度可能になるか等々につきまして,事例ベースで御発表をお願いしたいと思っております。
 それでは,申し上げたとおりですけれども,まずは事務局から説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【板倉教育課程企画室長】 ありがとうございます。まず,私の方から,今回の検討の経緯について御説明したいと思っております。
 まず,資料1-1でございますが,こちらが昨年4月の大臣諮問でございまして,そちらの中で,4ページになりますが,年間授業時数や標準的な授業時間等の在り方を含む教育課程の在り方について,あるいは児童生徒一人一人の能力,適性等に応じた指導の在り方について,諮問事項としてなされているところでございます。
 そして,今,天笠部会長からも御説明がありました資料1-2というのが論点取りまとめになっておりまして,ここで正に本日御議論いただくお話があるわけでございます。
 その8ページ目でございますが,先ほど天笠部会長からもお話がありましたとおり,「先端技術の活用等を踏まえた年間授業時数や標準的な授業時間等の在り方や,個別に最適で効果的な学びや支援を進めることによって学年を超えた学びを行うことについてどう考えるか,評価を含めた留意事項について,早急に検討する必要がある」ということがございます。
 また,12ページには,「各学校において児童生徒の資質・能力を育成するための取組を充実させるために,以下の検討を行うべきである」となっておりまして,「全ての児童生徒にこれからの時代に求められる資質・能力を育むため,児童生徒一人一人を見ていくきめ細やかな対応策」あるいは「小学校高学年以降の専門性の高い教育を見据え,小学校中学年までに育成を目指す資質・能力全体の中でも,特に基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させるための方策」というのが載せられているところでございます。
 こちらに関しまして,まず,文科省の外でどういった議論がされていたかというところでございますが,資料1-3でございますが,まず,昨年の5月に教育再生実行会議の第十一次提言に載っておりますけれども,「多様な実態に応じた教育課程編成を可能とする観点から,標準的な授業時間の在り方を含む教育課程の在り方について,中央教育審議会の検討を踏まえ,見直す」ということがございます。
 あるいは,自由民主党の教育再生実行本部でも「各学校において思い切った教育課程の重点化・特色化が可能となるよう,年間授業時数や標準的な授業時間等を含む学習指導要領の在り方を見直す」,新時代に対応した教育提言部会の方でも「年間授業時数や標準的な授業時間等の在り方を検討する」ということが書いてございます。
 また,経済産業省の第2次提言の方でも,標準授業時数の在り方については記述があるところでございまして,めくっていただいて2ページの経済同友会の方でも,総授業時数の標準ということに関して言及があるところでございます。
 これの経緯でございますけれども,資料1-4でございます。資料1-4というのは,平成15年の中央教育審議会の答申の抜粋でございます。
 当時,教育課程編成・実施状況調査を公立小中学校にしたところ,小学校に関しては9割以上の学校が,中学校では5割以上の学校が,国の定める「標準」時数を上回っている一方で,中学校においては,第1・2学年の約2割の学校が,第3学年で3割以上の学校は「標準」時数を下回っている状況にあるということで,一番下の線を引いてあるところでございますが,「特に,中学校第3学年では,約2割の学校が『標準』時数を30単位時間以上下回っている状況にあることを踏まえれば,各教科等の指導に必要な時間の確保がなされていない事例もあるのではないかと推測される」と,こういった現状分析がなされていたところでございます。
 そして,そういったことを受けまして学習指導要領の一部改正がなされたところでございますが,そちらが教育課程部会の本日の資料の1-5になるわけなのでございますけれども,その2ページを御覧いただくと,「学習指導要領の基準性を踏まえた指導の一層の充実」という項目がございまして,「学習指導要領に示しているすべての児童生徒に指導する内容等を確実に指導した上で,児童生徒の実態を踏まえ,学習指導要領に示していない内容を加えて指導することができることを明確にしたこと」ということがまず趣旨で載っておりまして,また,3ページ目には,「個に応じた指導の一層の充実」という項目があるわけですが,ここで例示の一つとして,「補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り入れた指導を加えたこと」というのが書いてございます。
 また,時数に関しましては4ページ目でございますが,「教育課程を適切に実施するために必要な指導時間の確保」となっておりまして,そこに,「指導内容の確実な定着を図るため必要がある場合には,指導方法・指導体制の工夫改善を図りながら,学校教育法施行規則に定める各教科等の年間授業時数の標準を上回る適切な指導時間を確保するよう配慮すること」という記述がございます。
 この後,現行制度の御説明として資料1-6でございますけれども,資料1-6は現行の施行規則の第51条及び別表第一が載っているわけでございまして,その別表第一の方が今の現状の標準授業時数の時間割ということになってございます。
 その解釈でございますけれども,その資料の2ページ目になりますが,学習指導要領の解説の総則編の方に載っておりまして,その抜粋を付けておりますが,そこを少し読み上げさせていただきますと,「授業時数は,学習指導要領で示している各教科等の内容を指導するのに要する時数を基礎とし,学校運営の実態などの条件も十分考慮しながら定めたものであり,各学校において年度当初の計画段階から別表第一に定めている授業時数を下回って教育課程を編成することは,上記のような学習指導要領の基準性の観点から適当とは考えられない」となっております。
 また,下の方には,「なお,」となっておりますが,「学校教育法施行規則第51条において,別表第一に定めている授業時数が標準授業時数と規定されているのは,丸1,指導に必要な時間を実質的に確保するという考え方を踏まえ,各学校においては,児童や地域の実態を十分に考慮して,児童の負担過重にならない限度で別表第一に定めている授業時数を上回って教育課程を編成し,実際に上回った授業時数で指導することが可能であること,丸2,別表第一に定めている授業時数を踏まえて教育課程を編成したものの災害や流行性疾患による学級閉鎖等の不測の事態により当該授業時数を下回った場合,その確保に努力することは当然であるが,下回ったことのみをもって学校教育法施行規則第51条及び別表第一に反するものとはしないといった趣旨を制度上明確にしたもの」という解釈が書いてございます。
 そして最近の動きとしましては,資料1-7になるわけでございますが,昨年の3月29日に,教育課程編成・実施状況調査結果を受けた通知が出されておりまして,その通知の中で2ページ目でございますけれども,その編成・実施状況調査の中で,(3)番のところで,「今般の調査結果では,例えば,学校における働き方改革に関する答申において標準授業時数を大きく上回った授業時数と指摘された,小学校第5学年において1086単位時間以上の授業時数を確保する小学校が,平成30年度の計画段階で全体の25.7%見られた。特に小学校においては,2020年度から全面実施される新小学校学習指導要領の下で小学校第3~6学年の標準授業時数が増加する。各学校においては,これらのことも踏まえて,教育課程の編成・実施に当たって学校における働き方改革に配慮した対応を検討することが重要である」ということで書いてございまして,その後に,「平成31年度以降の教育課程の編成に当たって標準授業時数を大きく上回る授業時数を確保している学校においては,丸1,児童生徒の学習状況や教職員の勤務状況,丸2,当該校における近年の休校や学級閉鎖等の状況を考慮しつつ,平成31年度以降の年間授業計画等を今一度精査し,必要な場合には,授業時数の見直しなどの措置をできるだけ早い段階で講じること。設置者においては,各学校における教育課程の編成・実施に当たっても学校における働き方改革に十分配慮がなされるよう各学校を指導するとともに,必要に応じ学校における働き方改革の実現に向けた条件整備等を検討すること」となっているところでございます。
 そして,その通知の補足説明というのが資料1-8としてなっておりまして,ここは,学力の定着と学校における働き方改革が両立するような具体的な手だてを御検討いただきたいという趣旨ですということが書いてございます。
 以上でございます。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。
 今,資料1に関わって何点かの資料を基にしながら御説明いただいたわけですけれども,続きまして,これから,私を含めまして,先ほど御案内申し上げましたように,3人のそれぞれがそれぞれの立場から関連したことについてのプレゼンテーションをさせていただきたいと思います。
 まず,私からでありますけれども,恐れ入りますが,次の資料2を開いていただければと思います。
 これから申し上げることでありますけれども,「標準授業時数」,「授業時数」ということについて申し上げたいと思いますが,まず,1ページ目のところと,それから次の2ページ目のところでありますけれども,このところに別表第一という,「別表」という言葉,別表に定める授業時数と,こういうことで,御覧のとおり,これが現行というか,そこに説明があるような形でそれがありますけれども,ここにありますように,授業時数というのが各教科の年間にわたる授業の正に時数ということが定められていると。こういうことと,その後,備考の欄に書かれているんですけれども,授業時数の1単位時間は,小学校の場合ですと45分とすると,そういうことが備考に記されているわけでありますが,授業時数といった場合にはこの別表一その全体像をまず授業時数という捉え方をするということと,その中に,申し上げたように,各教科の年間にわたる授業時数ということと,それからもう一つは1単位時間というものについてのそれがどの程度のものなのかというような,これらを含めまして授業時数という捉え方をしているということを,まずはそれらの資料等々から御確認いただければということであります。
 さらに,そこに「標準授業時数」という,「標準」という言葉が一つのまたキーワードになるわけでありますけれども,それにつきましては次の3ページ目のところになりますが,「年間授業時数に係る規定及び解釈の変遷」ということで,それぞれの試案の時代から現在の時代までのそれぞれの関連する文章を抜き出したものをそこで記させていただいております。時間の関係から細かなことについては省略させていただいて,後でまた何かありましたら確認等々含めながら進めていければと思っておりますけれども,そのところで,試案の時代を経て,昭和33年(1958年)に告示という段階に入っていく,今日に至るまでそれがあるわけですが,そこのところを追っていきますと,そこでは「最低授業時数」という文言が目に入ってまいります。
 そして,その次の改訂の機において,年間授業時数を「最低」から「標準」に改めると,こういうことがそこのところに記されております。どうぞ確認していただければと思います。
 それからまた,このところでは,1968年(昭和43年)の改訂のところの文言の中には,「学校において適切な授業時数を定める」云々という,こんな文言もそこに加えられていることでありますけれども,どうぞ御覧いただければと思います。続きまして,1977年(昭和52年)についても同様に,「各学校が定める」云々というような,こういうことがそのページに記されております。
 引き続きまして,4ページのところになりますけれども,4ページのところは平成の時代ということになりますが,先ほども御説明の中にあったかと思うんですけれども,平成15年(2003年)の一部改正ということでありますが,このときは,先ほどの御説明もありましたように,いわゆる標準授業時数を下回っているというふうなこと等がとりわけ中学校の段階でいろいろ指摘されるわけですけれども,そこにおいて対応ということで,学習指導要領の最低基準ということで示された基準以上のというふうな,下回らないというんでしょうか,以上を確保することの配慮というんでしょうか,下回って配慮することは通常考えられないというような,こういうことの考え方ということで,それを引き継ぐ形で2008年(平成20年)の改訂において「実際に上回った授業時数で指導することが可能」とする云々と,こういうことがそこのところで記されているということであります。
 あらあら,標準授業時数ということが,こんな時間的な経過,時代の経過を経ながら現在に至っているということを御確認いただければと思うんですけれども,続きましてもう一つの点でありますが,それは1単位時間ということについてでありますけれども,これは小学校ということで見ていきたいと思うんですが,小学校における1単位の授業時数の変遷ということであるわけですけれども,基本的には,試案の時代,告示の時代以後のところについて,学習指導要領に関連してどんなふうにそのことが盛り込まれているかということを追っていきたい,御説明をさせていただきたいと思うんですが,戦前のものを見たときに,そこのところには,ある学校の場合には45分とするということで,ただ,1時間目は60分とする云々とか,それから,例えば45分,それから5分とか10分休憩の時間と,授業の時間と休憩の時間とを比較的はっきりめりはりを付けるというようなのが今の示し方だと思うんですけれども,この時代は休憩時間も含めて例えば時間をとると,そういうとり方というのもありまして,その辺りのところが,試案の1947年(昭和22年)のところにもその一端が記されていると捉えることができるのではないかと思います。御覧のとおり,そこのところには,9時から午後3時過ぎまでの各教科等の時間のある種の日課表のモデルというんでしょうか,そういうことが記されているわけですけれども,この前提として,一つ一つの教科の授業時数,1単位時間というものが,御覧のとおり,比較的それぞれ内容に沿ったような形で長くなったり短くなったりと,こういうことがそこのところに記されているわけですが,引き続きその捉え方というのが,昭和26年(1951年)の改訂においても同様のことが引き継がれていくわけであります。
 そういう時代を経ながら,次の6ページのところになりますけれども,告示の時代からということで,先ほど御覧いただきましたいわゆる別表第一あるいは別表第二という示し方というのが,1958年(昭和33年)の告示の時代に入ってからこういう明記の仕方,示し方になって,そして,そこのところでは授業時数の1単位時間というのが小学校の場合45分ということで,以後,この示し方,記し方は大きな変更なく今日まで至っているということでありますし,小学校の場合に1単位時間を45分とするということについては,ある種の慣行として,慣習としてそれがあり,そしてそれが維持され,そしてそれぞれ歴史的な経過を経ながら現在があるというふうな,こんな捉え方,理解もできるんじゃないかと思うんですけれども,それがある時期には条例としてという述べ方というんでしょうか,示し方をしているということでありますが,その中で,1968年(昭和43年)のそれでありますけれども,そこのときには「45分を常例とするが,40分とするということも考慮」云々というような,こういう記し方をしているわけですが,以後,40分を云々というようなことというのは文言化されることはなく,繰り返しますけれども,45分をというふうな形で今日に至るということであります。
 なお,その45分,40分云々というふうな,その辺りのところについての当時の考え方というんでしょうか,当時文部省の立場についての説明というのが,当時の指導書あるいは通達という形で記してあるというのが7ページのところであります。
 こんな経過を経ながらということで,標準授業時数についての解釈というんでしょうか,考え方についての経過と,それから,1単位時間についての流れというんでしょうか,そんなことをお示しさせていただいたわけですけれども,詳しくは,また後でそれぞれまとめさせていただきました資料等を御確認いただければと思います。
 以上を踏まえまして,最後のところになりますけれども,4のところで,標準授業時数という,この在り方ということをどういうふうに捉えていったらいいのかどうなのかということでありますが,1つは,こういう示し方を通して教育水準の維持あるいは確保ということについてやはり大きな歴史的な役割を果たしてきたということは,これは認めていいことではないかと思っております。それがまず1つであります。
 それからまた,御説明させていただきましたように,それぞれの時代を背景にして,この授業時数についての捉え方,考え方ということが,一つの筋を通しながらも折々の考え方ということがそこで議論され,そして形を整えて示されてきたと,こういうことがそこで言えるのではないかと思います。しかも,1単位時間の在り方というのは,学校の日課表との関わりということがそこに示されたりですとか,あるいは,学校の裁量という在り方ということと常につながりながら,関わりながら,そのことが提起されたり進められたということではないかと思います。
 これらを踏まえながら,このたびの取組というんでしょうか,テーマとなったときに,改めて問われてきたことでもあるんですけれども,もう一度ここで――もう一度というか,改めて問われたのは授業の質的な改善と授業時数の在り方ということが私どものまたテーマになっているのではないかと思うんですが,御承知のとおり,今回の場合に,社会に開かれた教育課程という,この理念の実現ということであり,その中で授業の質的な改善ということが問われているわけであって,授業の質的な改善に授業時数の在り方というのがどう絡んでいくのかどうなのかというふうなこと。さらに,働き方改革という観点からしたとき,そして,そこでは教科担任制とか学級担任制ということが検討の対象になっているわけですけれども,そこにおける授業担当者の授業を担当する持ちコマの在り方というんでしょうか,こういうこともそれらとのつながりの中から検討すべき事項ではないかと思いますけれども,私の方からはまずは以上ということにさせていただきまして,また詳しくはそれらのことの確認をお願いできればと思うんですが,あと,私の方で参考資料という形で付けさせていただいたものがあります。それは,平成15年の一部改正のときに授業時数等々が取り上げられた際に事務方の方で作成された資料であります。どうぞこれを御確認いただければと思うんですけれども,なお,当時の議論の背景になったのは,週5日制に入っていこうとするときということと,それから先ほど来出ています中学校における授業時数の確保ということ辺りが大きな課題意識としてあって,それを議論するということに当たって御覧いただいた参考資料等々がまとめられたと,そういう歴史的経緯がありますけれども,改めて先ほど来の御説明のときと併せて御覧いただければということで,参考資料を加えさせていただきました。
 私の説明は以上ということにさせていただきたいと思います。
 続きまして,市川副部会長の方から次にお願いしたいと思います。
【市川副部会長】 市川でございます。私に与えられましたテーマは,「補充的な学習・発展的な学習の在り方」ということでした。副題として「実施における視点と配慮」ということを私の方で付けさせていただきました。テーマとしてはこういうことなんですけれども,実際には問題というのは,教育とは一体何かということ,大きな問題にもつながってくることなのだと思うようになりました。
 それでは,始めさせていただきます。
 まず,学力差にどう対処するかというのが根本的なテーマになります。授業内容が十分習得できない子がいる。こういう子には補充的な学習をと。そして,授業内容が物足りないという子もいるので,そこには発展的な学習をという話によくなるわけですが,学力差への対処の仕方というのは実はいろいろ考えられるということは,一方で押さえておかなくてはいけないと思います。いきなり補充的な学習・発展的な学習という個別的なことに入る前に,まず,制度とか環境の改善があります。経済的・文化環境的な支援をする,あるいはクラス編成を考えるというようなことです。また,もともとの学力差を吸収できるような,そういう授業設計を考えていく必要もあります。教育方法についても同様です。そういうことをやった上で,さらに,差が出てしまうので,そこには補充や発展の場の提供ということになるのではないかと思います。学校では,グループ別あるいは個別の学習環境を設ける,学習支援をするということがあります。これが本日の話のメーンになります。校外でも,自治体あるいは地域の教育プログラムあるいは民間教育によって補っていくということも考えられます。
 補充的な学習における視点と配慮ということなんですが,実際には,今,いろいろなことがされています。放課後の個別指導として,特に最近,学習支援のボランティアが入るというようなことがあります。また,少人数の補習をする。これは教員とか外部人材によってということになります。また,ICTを利用していくと。これが授業だけではなくて,放課後でありますとか,あるいは図書室にそういうICTの環境がある,教材を置いておくとか,あるいは家庭にも持ち帰ってそういうICT教材を利用するということが考えられます。しかし,このとき,私が考えておく必要があると思うのはこの2つの側面です。
 1つは,内容を指導するという側面があります。理解度に応じて分かりやすい説明をするとか,あるいはドリル,つまり反復習熟によって定着を図るという支援があります。もちろん,学習内容を指導するということは個に応じた指導ということの基本ではあるんですけれども,より学習者の自立を促すというためには次のようなことも考える必要があると思います。つまり,学習の自己調整ですね,特にメタ認知とか学習観への着目。学習サイクル,予習-授業-復習というような学習のサイクルそのものを確立していくこととか,あるいは学力とか発達段階に応じた学習観・学習方略の促進を図るというようなことです。うちの研究室でもこの30年くらい,地域の子供たち,下は小学校3年生くらい,上は高校2年くらいまで,いろんな子供たちの個別学習相談というのを夏休み中心にやっております。そのときに,最初の2年くらいは内容を教えるという,家庭教師のようなことをやっていたわけですが,次第に大きな問題としては,どうやってスライドの下にある学習者の自立を図るような自己調整を促すかということが大きなテーマにもなっています。この両方を併せていく必要があるだろうということになります。
 ここで「学習観」という言葉が出てきますが,学習の仕組みとか方法,学習はこんな仕組みで起こる,だからこういう方法で勉強するといいというような,子供一人一人が持っている考え方です。一方では,学習というのは練習量に比例すると。それによって学力がつく。だから量が大事。きょうは何時間やったとか,何問解いたとかいうことばかり気にしてしまう子もいますが,方略,つまり学習方法が大事だという考え方もある。同じ2時間勉強するにしても,どんな方法で勉強するのか,これを重視する子供もいます。答えを求める手続を丸暗記するとか,断片的な知識をどんどん丸暗記していくのが学習だと思う子もいれば,なぜそのやり方で答えが出るのかとか,習ったこと同士の関連をつかむという意味理解を重視する子もいます。結果重視と過程重視ですが,答えが合っていたか間違っていたか,あるいはテストで何点だったかという結果ばかり気にしてしまう子もいれば,一体自分は何で間違えたのか,どこで間違えたのか,考え方はよかったのか,最後に計算間違いだったのかというような,考えるプロセスを重視する子もいます。学習には失敗がつきもので,間違えることとかテストで悪い点を取るということは必ずあるのですが,そのときにも,がっかりしてやる気をなくしてしまうという子もいれば,むしろ,自分はなぜ失敗したのかと,それを自分なりに考えてふだんの学習に生かせば次にはできるようになるということで,むしろ失敗を活用していくという考え方の子もいます。
 どちらかといいますと,発達的初期あるいは学力がまだ余りついていないというときには,スライドの左のような考え方で,反復練習していくことで学習するということでもかなり適応的にやっていけるのです。思春期以降,たくさんのこと,しかも難しいことを習うようになります。すると,右のような考え方を次第にうまく入れていった方が効果的になるはずなんですが,どうもそうなっていないと。そのために,やっても,やっても成果が上がらないというようなことがよく見られます。
 例を挙げますと,例えば英単語というのは,これはよく子供たちから相談を受けます。やっても,やっても覚えられませんと。やはり英単語の学習でも,よく覚えられる人はいろんな工夫をしています。これ,もう詳しくはお話しいたしません。ただ,学年が上がるにつれて,中3,高1,高2くらいになりますと,相当いろんなやり方を使った上で新たなステージに入って,それまでのやり方ももちろんうまく使いながら,いろんなやり方を使いこなして英単語を覚えるというようなことをやるようになっていきます。ところが,どうもいつまでたっても下の方の段階にとどまったままでやっていて,時間を掛けてもなかなか覚えられないというようなことが起こります。
 私たちは認知科学的な立場から,理解を重視した学習方略,思春期以降は特にこれが大事かと思っています。これも詳しくは申し上げませんが,事実をただ暗記するだけではなくて,なぜそうなっているのかという原因・理由をつかむこと。これ,1つ出しましたが,夕方に出る半月というのがありますが,これは,右側が明るいでしょうか,左側が明るいでしょうかと。理科の先生にとっては当たり前だと思うかもしれませんが,中3,高1くらいに聞いてみましても,自信を持って答えられる生徒は1割,自信を持って間違える生徒が1割,あとは分からないというようなことになります。「月は何で光っているのかな」と言うと,これはみんな「太陽に照らされているから」って言うんですね。すると,夕方ですから,太陽は今どっちにあるかというと,西に沈んだばかりですから,それは西にあるので右側が明るいということになります。ただ事実を丸暗記するのではなくて,なぜそうなっているのかという理由を考えると,いつまでたっても忘れないということです。
 社会科でも,「歴史の流れ」というのを自分でノートを作って,どんな原因・理由でどんな事件が起きたのか,それがまたどんな影響を与えたのかということを自分で整理するというような生徒は,よく内容も覚えています。
 人に説明するということを私たちの学習指導では重視しています。例えばいろんな用語の意味ですね,最大公約数とか,逆数とか,反比例とか,教科書には必ず出ています。ノートに自分の手でも書いていると。でも,半年もたって「意味を説明してください」と言うと,もうきれいに忘れている子が多いものです。反比例の問題,私たちが作っているとしても出していますが,習っているはずの生徒に「反比例とはどういうことか,その意味と,何は何に反比例するという文を作ってください」と言うと,正答率は1割以下です。こういうことがテストにずばりと出ない限り,余り子供たちは注意を払わない。でも,やっぱり知らないと困るんですね。先生の話が分からなくなる,問題の解答を読んでもよく分からないというようなことで,非常に学習にとってはマイナスになります。問題の意味を説明する。いきなり立式するのではなくて,どんな問題なのかちゃんと自分で図を描いて説明するとか,あと文章とか答えを見た後の解法を自分の言葉で説明するとか,できる子はこういうことを自然にやっています。しかし,多くの子は見ただけで分かったような気になってしまうと。間違えるということは当然あるわけですが,そのときには間違いっ放しにせずに,あるいは,ただ正しい解答を書き込むというだけではなくて,なぜ間違えたのかという教訓を引き出して次に生かす。自分のしがちなミスとか,こんな誤解をしていたとか,あるいは,この問題の解き方のポイントはこうだったというようなことをちょっとメモしておく。これもできる子は自然にやっていますが,私たちの見た感じでは1割ぐらい。高校生でも1,2割くらいの生徒しかやっていないということです。
 一方では,発展的な学習というのがあります。この発展的な学習にも2つのやり方があり得ると思います。1つは,もう今の学年のことは分かっているというので,じゃあ教育課程上,先の学年のこと,つまり「学年を超えた学び」を促すというのが一つの方向です。上の学年の内容,しかし,これも習得なわけです。中1の内容は習得したので,じゃあ中2の内容の習得へと行くわけです。これも一つの在り方ではあるんですが,やっぱり基礎的・基本的な知識・技能の習得という学習が中心になってしまって,思考力・判断力・表現力を育成するとかいう方向がむしろ見逃されてしまうということは注意する必要はあるだろうと。これだけではまずいだろうということです。
 もう一つの方向ですが,もっと内容を深く豊かにしていく学習というのがあります。深い理解とか,あるいは知識の活用,思考,創造とか表現を目指すというような活動です。
 ここでは,この後者の例として,Researcher-Like ActivityというのとThinkQuestを取り上げたいと思います。
 これは,どちらも例をお見せしますが,もう20年もたっています。そんなに最新の話ということではないんですが,やっていることは私はかなり新規性のあることだと思います。ただ,ここでの注意は,これはこういう環境だからできるんだろうとか,あるいは生徒の学力が高いからできるんだろうと,そういうふうに表面的な特徴だけでこれはうちの学校では無理だと見てしまうのではなくて,ここにある本質的な特徴とか狙いとか課題設定に着目していただければと思います。
 これも余り詳しくはお話しできません。Researcher-Like Activityというのは,研究者がやっているような活動の縮図的な活動を生徒にもやってもらうと,そういう学習です。大学や大学院でも,私どもはこういうことを幾つかやってきました。学生自身が論文の査読者になるとか,あるいは講演者になるとか,それからパネルディスカッションのディスカッサントになるとか,こういうことをあえて学生にやってもらうということです。これを中学校の数学の授業でなさった先生がいます。狩俣先生。当時,琉球大附属中にいらっしゃったんですが,1つは,学会にあるようなポスターセッションですね,自分で問題を作ると。ある制約の下で自分の問題を作って,それをポスターにして答えと一緒に張り出して,教室の中を学会のポスター会場のようにしてみんなで議論し合うというような授業です。もう一つ,狩俣先生は,生徒論文集作りという授業もやっています。これは選択数学の授業で,かなり数学の好きな子供たちなんですが,ある性質を持った整数というのを自分で定義して,それをプログラムでどんどんどんどん生成していくという,そういうアルゴリズムを考えて出てきた結果についても考察するというような授業です。
 これも本当に時間がありませんので,例えばこれ,ポスターセッション用の一つの最初の見本です。長方形の封筒から台形をxセンチ取り出したというような状況です。見本の問題では,あそこの三角形,これをxの関数として表すと。「あなたもこれに倣って,補助線を入れてもいいですから,何かこの図形の中で量yというのを定義して,それをxの関数として表しましょう」というのが課題です。すると,これは割と素直な問題,中3らしい問題なんですが,生徒たちは何日も苦労して,「簡単なのじゃ面白くないので」と言っていろんな問題を作ってきます。こういう問題,一見,式の形は複雑そうですが,中学3年生の知識でも答えは出るという問題です。実際に答えを出して,ポスターにして,議論をしていました。
 生徒論文集というのは,先ほど目次を出しましたけれども,自分でこういう数を定義して,どんどんどんどん出していくと。その中では,こういう出た結果についてこんな規則性があるというようなことで,まだ数列というのは中学で習っていませんが,一般項としてnの関数としてaとbを表すというような考察までやってきた子もいました。こういう活動がResearcher-Like Activityの一つということになります。
 ThinkQuestですが,これは国際ホームページ・コンテストです。現在は国内版もありまして,私も一時,その審査員というのをやっていました。中学・高校生が参加する。ただ,何を作るかといいますと,チームを作って,教材ホームページを子供たち自身が作るのです。自分たちのテーマに沿って何かリサーチしてまとめたものです。それを世界中の子供たちに使ってもらえるような教材にすると,こういうコンテストです。実際に世界中でこの優秀作品が使われます。98年以降,日本からも参加しています。
 その参加した当時のビデオというのを最後見ていただいて終わりにしたいと思います。
(動画上映)
【天笠部会長】 市川先生,そろそろおまとめいただければと思います。
【市川副部会長】 はい。あとは,博物館などに行って取材した場面と,子供たちの最後の一言です。
 これが出来上がったホームページということになります。
 長引いてしまいましてすみませんでした。単線的に先へ先へという学習というのも一方ではありますが,やはり豊かにそのときの自分たちの関心を持ったことを広げていくという学習もまた発展的な学習の一つであろうということで,ビデオも出させていただきました。
 私の発表は以上です。どうも失礼いたしました。
【天笠部会長】 ありがとうございました。
 それでは,続きまして,木田博研究主事,お願いいたします。
【木田研究主事】 よろしくお願いいたします。鹿児島県総合教育センター,木田でございます。本日は,「資質・能力の育成につながるICTを活用した効果的・効率的教育活動」につきまして,3つの事例を基にお話をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 まず,ICTを活用した授業作りの基本的な考え方といたしましては,関心や意欲の喚起や,思考の深化あるいは表現力の向上などといいましたICT活用の効果と目的を明確にした上で,知識・理解を習得する土台作りの場としてICTで分かりやすい授業,また,知識・技能を活用する学び合い活動の場として深め合う授業を実現することを通しまして,資質・能力の育成を目指します。
 授業作りの視点といたしましては,漠然と,あるいは行き当たりばったりにICTを活用するというのではなく,その特性や効果を考えながら,どんな目的で,何を,どの場面で,どのように活用していくかということを,指導目標や学習目標等に照らして考えていくことが大切だと考えております。
 これは,教育の情報化の実態等に関する調査結果におけるICT活用指導力の推移でございます。このグラフが示しておりますのは,教師自身がICTを活用して指導する能力は,この10年間で24ポイントも高まっております。これに対しまして,児童生徒の活用を指導する能力はその半分にも満たないという事実がございます。ここには,先般のOECDの調査結果にも表れておりますように,先生方は,自分たちはICTを使うけれども,児童生徒には余り使わせていないという現状があるようです。
 その理由は何かについて先生方に聞き取りを行ったことがございます。そうしますと,その理由としましては,先生方はきちんとICT活用について理解してから子供たちに使わせようとする傾向が強いようです。また,機器操作等の方法について子供たちがもし質問したときに,答えられないといった状況に陥ることが多少なりとも不安に思うというところがあるようです。しかしながら,1人1台端末の実現に向けて今整備が進んでいるこれからにおきましては,ICTは鉛筆やノートと同じような文房具として日常的に使っていくことが期待されます。ですから,特に操作技能などについては先生も児童生徒も共に学びながら活用していくというように,ICT活用に関する考え方を少し変えていく必要があると考えております。
 それでは,3つの事例について紹介をしてまいります。
 まず1つ目でございます。授業支援システムを利用した意見・考えの共有・整理の事例でございます。これによって,話し合い活動をより充実させることを目的としております。
 今回利用した支援システムの機能は,このように,子供たちがタブレットで撮影したワークシートの画像を先生に送信いたします。先生は,それらを教師用のタブレット上で集約・整理した上で一つのデータにまとめ,子供たちのタブレットに再度送信するというような機能でございます。実際にその様子を御覧いただきたいと思います。
(動画上映)
【木田研究主事】 この場面では,子供たちが連立方程式の解き方をワークシートにまとめまして,そのワークシートの画像を子供たちがタブレットで撮影いたしまして,先生のタブレットに送っております。先生は,送られたタブレットの画像を,いろんな解き方を集約・整理して一つにまとめて,今からちょうど映像では子供たちの端末に送り返すというようなところでございます。
 今,一つにつなげて,先生が子供たちの端末に送りました。送られたデータは子供たちの端末に即座に出てきて,あのように一覧できるようになっております。
 この授業では,ほかのグループの考えた解き方を式や図だけを見てリーダーを中心に解釈するところに,話し合い活動を充実させるポイントがあります。一方的にほかの班の考え方を聞くのではなく,主体的に読み解き,それをほかの友達に分かるように説明するといった活動が行われています。そして,これらを限られた時間の中で実現するために,今回の授業支援システムを活用しております。
 これを御覧いただきたいと思います。上段の方は,これまで子供たちがそれぞれの考えを出し合い,比較しながら考える際によく使われている,ホワイトボードを使った実践での時間経過です。下は授業支援システムを使った場合のものです。
 授業支援システムでは,ワークシートに書いたことを再度書き直したりですとか,ホワイトボードを前に張りに行ったりといった手間が必要ありません。また,ホワイトボードの場合,後ろの方からですとなかなか見えにくいということがほとんどでございます。ですが,タブレットならば手元で拡大して見ることも可能です。これらの結果,対話的な学びに必要な話し合いの時間をこのように13分も多く生み出すことができておりますとともに,話し合い活動の活性化につながった事例でございます。
 次に,学習者用デジタルドリルの活用です。ここでは,子供一人一人に個別化された課題に取り組ませ,その学習状況をつぶさに把握すること,それによって,補充的・発展的な学習の時間を確保することを目的としております。
 今回のデジタルドリル活用の基本的な考え方として,このように,通常の授業においては,終末段階において学習の習熟度を測る練習問題を解く場面,この場面で活用しております。また,単元末,学期末,学年末のまとめの時間等においては,個別に取り組む時間を多く設定します。このように,知識・技能の習得やその定着の場面において今回活用しております。
 今回のデジタルドリルの仕組みですが,まず,教師がその時間において達成の目安とする「おおむね満足」の基準の問題を子供たちの端末に配信します。子供たちは,その問題に正解すると,次は「十分満足」の基準となる問題や,もっと難易度の高い「発展的内容」の問題に取り組んでいくことになります。一方,間違ってしまった子供には,その内容に即して「補充的な問題」が出されます。間違いを重ねることでシステムがつまずきの原因を特定し,それを解決するための新たな問題や解説が表示される仕組みになっています。
 また,それぞれの子供たちの達成状況やシステムが分析した「つまずき」の原因は,このようにリアルタイムに教師の手元のタブレット端末で見ることができますので,今,どの子供に支援が必要なのか,あるいは全体的に理解度はどのくらいなのかといったことが瞬時に判断できるようになっております。
 これは,6年生の算数のまとめにおける実践です。左から右に進んでいる数字が時間経過でございます。導入の段階で既習事項の確認を行った後,それぞれが本時におけるデジタルドリルによる学習課題に取り組んでいます。水色の部分が「おおむね満足」に到達した子供の数でございます。時間経過とともに徐々に増えていきますが,ここでは全て個別学習とせずに,「おおむね満足」に到達した子供は一旦デジタルドリルをやめて,まだ到達していない友達に教えるという活動を取り入れております。そして,全体の3分の2が「おおむね満足」に到達した時点,今回の授業の場合は30分経過した時点で再度個別学習に戻し,次の「十分満足」や「発展的内容」に進みました。この間,教師は,手元のタブレットで到達状況を確認しながら,補充的内容の問題に取り組んでいる子供たちに個別指導をじっくりと行うことができました。
 デジタルドリル活用上の課題といたしましては,知識・技能の習得には一定の効果が期待できるものの,作図の技能ですとか数学的な考え方,これらを身に付けることには,どうしてもシステムで評価することが現状では難しく,不向きだということが分かりました。また,補充的問題の出題アルゴリズムは,年々その精度は上がってきておりますけれども,まだ領域や問題によっては大きな差があるということも分かりました。加えて,補充的問題に取り組む子供たちは,デジタルドリルだけではどうしても限界がありまして,教師による個別的な指導や支援,声掛け等が不可欠であるということも分かってまいりました。加えて,発展的課題については,どこまで子供たちのニーズに対応できているかという点において,その質と量の確保が必要であると考えております。
 逆に利点といたしましては,1単位時間において取り組むことができる問題,この問題数に大きな差があります。通常,教科書ベースですと10問程度であるのに対し,子供によっては,この時間の場合50問以上も解くことになり,知識・理解の習熟ですとか定着を図る上では非常に効果的だということが言えます。また,その習熟状況がこのように個別に見える化されることによって,教師も子供自身も細かな把握が可能になり,自己評価ですとか先生の授業改善に役立てることができるという面がございます。
 また,問題に正解するたびにキャラクターが成長していくといったようなゲーム的要素もございまして,学習の喚起や持続につながること。それから,子供自身が,自分はどこが得意で,あるいはどこが苦手で,どんなにミスを犯しやすいかということが明確になります。加えまして,学習ログを基に個別指導が必要な子供を適切に把握するとともに,それに必要な時間を十分に確保することができます。
 今回の単元終了後のアンケートにおいて,「難しい問題や自分に合った問題を解くのが楽しい」と答えた割合がこのように大きく増えております。反面,一部に,「難しい問題や多くの問題を解くのは楽しくない」と答えた割合も若干増えていることにも着目すべきだと考えております。
 以上,このようなことを踏まえながら,デジタルドリルの位置付け方を工夫していく必要があると考えております。
 最後の例でございます。最後は,複式学級のデメリットをなくすことを目的に行う遠隔合同学習についてです。
 そのデメリットといいますのは,複式学級におきましては児童数が少ない,このことにより,学び合いの機会が少なくなるということや,2学年を1人の先生が一度に教えなくてはならないということから,教師は交互に2学年を行き来しながら指導することになり,直接的に教える時間が少なくなるといった課題が生じております。
 そこで,このように,2つの学校をテレビ会議システムでつなぎ,それぞれの学校の教員が1学年ずつを担当して授業を行う遠隔授業を行っております。その様子を御覧いただきたいと思います。
(動画上映)
【木田研究主事】 これが遠隔合同授業による効果・効率です。教師が児童に直接対面して指導を行う時間は,このようにほぼ2倍になりました。また,課題解決ですとか練り合いの時間等の時間についてもそれぞれ増えております。徳之島の小学校におきましては,このような授業を年間50時間から60時間ほど行っております。
 以上,これらの3つの事例に共通するのは,ICTを活用するだけで指導上・学習上の課題が一挙に解決するというわけでは決してなく,その活用の方法を工夫し,適切に指導に入れていく,取り入れていくことによって,これまで十分に対応できていなかった課題に対し,効果的・効率的な指導や学習活動が可能になるということだと考えております。
 以上,つたない発表でございましたが,御不明な点等ございましたら何なりとお尋ねいただければと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは,委員の皆さんから,ここまでありましたことにつきまして,それぞれのお立場から御意見をお願いできればと思います。またいつものように名札を立てていただきまして順次御発言をお願いしたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。どなたからでも結構ですので,よろしくお願いいたします。
 それでは,今,戸ヶ﨑委員から名札が立っておりますけれども,それでは,戸ヶ﨑委員,お願いいたします。
【戸ヶ﨑委員】 標準的な授業時間の在り方というものを見直す必要性を様々な提言等を読んで私なりにまとめると,子供の多様な実態,個に応じた学びの充実,履修主義から習得主義へ,ギフテッド教育の対応などが考えられます。これらを総括すると,履修主義と習得主義の二者択一を超え,一人一人の学力を伸ばし活かす教育への転換ということになります。つまり,文科省が現在目指している「誰一人取り残すことのない,公正で個別最適化された学び」に収れんされるのではないかと思います。その際に,先ほど天笠先生が言われていた「授業の質的な改善」と「働き方改革」が重要な視点となるのではないかと考えます。
 また,今後の授業時数を考える上での重要な要素は3つあるのではないかと思います。1つ目は,日本のお家芸である教科指導のさらなる充実です。これは,まさに授業の質的改善となります。従来から言われ続けている個人差に応じた指導で,個人差というと,達成度とか理解度にばかり目が行きがちですが,学習速度,学習意欲や態度,学習スタイル,興味・関心などいろいろあります。また,教科の本質やよさを生かした深い学びが重要なのですが,最近は型に関心が行きがちになってしまっています。さらに,先ほど市川先生からあった補充的な学習や発展的な学習の充実についても,まだまだ課題があると思います。また,先ほど鹿児島の教育センターの方のお話にあったICTの有効活用も考えていかなくてはいけませんが,その際に,一斉授業のよさを生かしたICTの有効活用の在り方も考えていかなくてはいけないと思います。
 2つ目は,知識・技能など,いわゆる基礎的なスキルの習得の効率化です。これは授業時数の削減に関係します。効率的に学ぶには,EdTechの活用で学習を個別化・デジタル化していくという必要性は避けて通れないのだろうと思います。さらに,先程効率的に学ぶことができることで,浮いた時間で話し合いの時間が増えたという発表がありましたが,それ以外に今後は社会課題に応じた学習,いわゆるPBL型の学びやSTEAM教育にも充てられる可能性が出てきます。教科横断的な学びや学年を超えた学びなども生まれてくる可能性もあるだろうと思います。
 では,その実現に向けて今後検討が必要と思われることは,1つは,新たな学びや授業の質的向上へ向けた教師力の向上です。そのために,フラッグシップ大学などでの養成段階からのスキルアップということも欠かせません。併せて,ビッグデータやデータサイエンスの活用やスタディログの活用などがあります。ある提言によると,このスタディログを生かして云々と書いてありますが,実際はその部分は緒についたばかりだろうと思います。その推進のためにも各種テストのCBT化はマストとなります。さらには,学習者のセンシングや多様な学習ログのトラッキング,教員の匠の技の可視化なども考えていく必要があると思います。また,学びは学校の中だけでは完結しません。教育を行う場所は学校だけではなく,家庭や地域でも可能となりますので,産業界との連携や地域との連携などを幅広く考えていかなくてはいけないと思います。
 以上です。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。
 それでは,続きまして,髙木委員,お願いいたします。
【髙木委員】 お願いいたします。3人の先生,御発表ありがとうございました。それぞれ大変意義があって,参考になりました。
 私は,標準授業時数のことについて話をして意見を申し上げたいと思っています。日本の学校制度,天笠先生がずっと整理してくださいましたけれども,この標準時数の確保ということは日本の学校教育の基盤をずっと支え続けてきたものだと思っています。特に教育の機会均等,一人一人の子供たちにどの子にも教育を与えてくる,これは戦後日本の教育のよさであったと思っております。もしその標準時数を変えていくならば,今,制度的にも教育課程の特例校の制度もありますので,そういうところでも形を変えてできますので,現行の標準時数というのはやはり公教育としての立場から維持していくということが大変必要だろうと思っています。それは,一人一人の子供たちに対して効率的な教育を行うということだけではなくて,教育というのは,かなり無駄があったり時間が掛かったりするということがあるということで,一律に教育をそういった面だけで捉えるということではなくて,子供たちの成長の中でやっぱり時間を掛けながら見ていくということが必要かと思っています。
 そういった面からいいますと,先ほど戸ヶ﨑委員が言われました修得制と履修制の問題を含めてそうなんですが,特に履修性の場合,いろんな子供たちが学校の中で同年齢の子が関わることのよさ,これは日本の学校教育の特徴だと思っています。今,海外ではかなり修得制が行われていて,そういうところから修得制への移行という意見が強く出ていますが,果たして海外の国の教育がうまくいっているかどうかということの検証は行っていかなければいけないと思います。
 一方,履修制の場合,今,担任の先生が目の前の一人一人の子供たちを,特に小学校では学級担任,最近では教科担当制も出ていますが,そういったときの授業準備が非常に丁寧に行われているということです。これがもし修得制になった場合,これはなかなか無理だと思います。ずっと前からも言い続けていることですが,教員の人数をかなり増やしていかないと,修得制ということの授業準備ということからも難しい面が私はあると思っています。
 分からないことを教室の友達と一緒に関わる,先ほどの木田先生のICTを使った授業の中にもありました。同年齢の子供たちが共に学び合っていく姿というのが,私は日本のこれまでの学校教育のよさであり,それを維持してきたのが授業時数をきちんと学年ごとに決めながらやってきたこれまでの制度であって,その制度,確かに見直さなければいけませんが,そのよさもきちんと踏まえていかないといけないかなと考えています。
 以上です。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。
 続きまして,喜名委員,その後,今野委員,それから吉田委員,山中委員という順でお願いしたいと思います。
 喜名委員,お願いいたします。
【喜名委員】 ありがとうございます。
 それでは,授業時数について少しお話し申し上げたいと思いますが,平成15年だったでしょうか,遠山文部科学大臣の頃の「学びのすすめ」の話があって,授業時数を増やしたと。教育委員会も,いや,もっと授業をやれということ,かなり指導がありました。授業時数を増やすことが学力が上がることだと考えていたところもあったのかもしれませんけれども,その後でいろんな改革もありましたけれども,具体的に今度,授業をやり過ぎだから減らした方がいいんじゃないか,無理しない方がいいんじゃないかというような話にどうもなっていないかというところがあります。そもそも学校6日間でやっていた時数を5日間で今やるという,かなりこの教育課程自体に無理があるということは御案内のとおりだと思います。今,来年度に向けて教育課程を編成しているところですけれども,授業の日数が決まっています。今年度よりは休みが減っているので,かなりぎりぎりではありますけれども,授業時数,授業日数も確保できることになります。
 今までの1,015時間の話,ここに別表の話が出ていますけれども,これ以外に学校は,いわゆる学級活動以外の特別活動の時間やその準備に充てる時間,それからいわゆる○○教育と呼ばれる教育課題に充てる時間がたくさんあって,トータル1,015ではないということはもう御案内のとおりだと思います。一方で,夏休みを短縮する学校・地域が増えてきている中,この暑さの中,それもやるべきではないという声も聞こえてきたりして,教育課程の編成は本当にぎりぎりの状況になっている。
 前回からの話にもありますけれども,例えば学級閉鎖・学年閉鎖等をしたときの不測の事態に備えて,学校は何十時間か確保するというのも当たり前に行われてきました。このことについても,いまだに来年度の教育課程編成に向けても地方の教育委員会はそのことの特段の指示はありませんし,今までどおりこの時間は確保してくださいというのが現状であります。この授業時数の在り方について限界であるということが一つありますけれども,ただ,今までのお話のように,これを減らせば何かいいことがあるのかということでもないことも確かであります。ただ,うまく効率的に何かやっていかなければいけないということはもちろんでありまして,授業の質を下げないように,教育の質を下げないようにという意味では,本日御発表があったようなICTの活用というのもとても意味のあることだと思います。ただ,このICTの活用については,いわゆる汎用性の高いソフトを使って,思考力とか表現力とか判断力の部分での活用がもっとできるようになるといいと思うんですけれども,最後に御発表があったような知識・技能とかというところについては得意分野だと思います。そればっかりをやっているわけにもいかないし,逆に言うと,この部分は家庭学習でもいいのではないかというふうにも思うところであります。
 もう一度繰り返しますけど,この教育課程,かなり厳しい状況にあるということで,市川先生のお話にあったような1,2年生,低学年と中学年はこういうことに重点を置いて,高学年はこんなふうに重点を置いてとかという教科の再編まではいかなくても,何か重点の掛け方を変えていった方がいいのではないかなと思います。
 もう一つ危惧されるのは,「総合的な学習の時間」であります。高校で今度「探求の時間」につながっていくかなり大事な時間でありますし,今回の教育課程・学習指導要領の改訂では実はこれこそが一番脚光を浴びなければいけない部分ですけれども,どうも,時間的にも減ったこともありますし,更に何か形骸化してきてしまった。これは学校の責任ではありますけれども,余裕がなくなった,教育課程に余裕がないので,「総合的な学習の時間」がどうも形骸化してしまって,本来の趣旨から外れてきていないかということも思っています。
 併せて,「特別活動」もそうでありまして,35時間という時数以外にかなり重要な時間があったはずなんですけれども,このことを教育課程の見直し,授業時数を減らすということで,暗に学校行事を減らしていったりとかということが行われていないかどうかということも,我々は反省しなきゃいけないなと思っています。
 以上です。
【天笠部会長】 続きまして,今野委員,お願いいたします。
【今野委員】 授業の質的な改善のために,市川先生から,学力差に応じて,一人一人に応じた発展的な学習や補充的な学習の具体的な方法についてお示しいただきました。今,現場でも,一斉授業の中で補充的な学習を取り入れたり発展的な学習を取り入れたりということで,一人一人に応じた授業に迫るために頑張っていると思います。そのために,ICT機器が,今,この環境が整っていない中で――私の学校では整っておりませんので,そのようなソフトやハードのところに活用してというところにはいっておりません。
 ですので,どのようにしているかといえば,少人数指導や習熟度別指導を取り入れようとしております。実は,来年度の人事の会議がありまして,こちらの要望をしています。その中で,そのような少人数指導や習熟度別指導をしたいということでしていますが,その指導は定数外ということで,「それは定数外ですので,指導支援が付くかどうかは分かりません」というような話があります。どうぞこのような発展的な学習や補充的な学習,一人一人に応じた,学力差に応じた指導のために,この定数について考えていただくことはできないのかなと考えました。
 以上です。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。
 続きまして,山中委員,お願いいたします。
【山中委員】 3つの発表を頂きまして,3点それぞれ関連しているかなと思うんですけれども,私は特別支援学級や通級指導,配慮を要する子供の方を設置している学校の校長の会長をしているところですけれども,まず,市川委員からの補充・発展的な授業というところで,もちろん,どうしても配慮が必要な子というと補充的なというところに視点を置かれがちですが,自閉症の子や発達障害の子には逆にすごくできることがあって,どんどんどんどん進んでいくような子がいるんですね。今まで発展的な学習というと,どうしても単線的な,上の学年だったり先を追い掛けていくというふうに思っていたんですけれども,深く広くというような考え方があれば,特別な学び方をする子供にもこれって対応していけるなと,本日のお話を伺って,補充的なというところではなくて,発展的なという考え方を個別最適化という方に合わせ,すごくある部分が得意な面ということを生かせていけるなと思いました。
 それからもう一つは,木田先生からも発表があったところですけれども,ICTが今後活用されていけば,かなりいろんなことが変わるというのは皆さん御承知のとおりだと思うのですが,細かく言うと,今まで教員というのはすごく板書ですとか授業作りというのを黒板と一斉授業ということでやって,多くの子供にいかに分かりやすくというような視点で来たんですけれども,ICTが入ってくると,やっぱり板書の在り方とか授業作りというものがそもそも変わっていくなと感じていますので,ここのところの研究ですとか実践というのがもっともっとあってということかなと思います。
 20代の先生は,自分が子供の頃にもうタブレット触っている方が増えているので,そういう方がこれから教員になっていくと,もう全然ICTの使い方というのは変わってくると思いますので,ここの2つ目が,ICTで授業作りとか,従来から言われていた授業作りの在り方なんかも変わってくるのではないかというのが2つ目です。
 最後ですけれども,標準授業時数のお話がありまして,標準授業時数を基にそれぞれ学校は進めているわけなのですが,特に1単位時間の在り方については,小学校だったら45分,中学校だったら50分ということでやっていますけれども,そもそもやっぱりこの45分が難しくて,30分ぐらいで考えていたり,それから逆に実技などですと45分ではなかなか難しくて,もう少し長い時間を考えていたりというのが,結局,現場の学校としてはそういうような1単位時間の運用というんですか,考え方も変えてきているところがあると思います。この1単位の45分,50分という考え方も,先ほどのICTがどう活用されていくかで,多分この45分という考え方も大分変わっていくのかなと思いました。
 以上です。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。
 続きまして,吉田委員,お願いいたします。
【吉田委員】 ありがとうございます。
 私は,今回,非常にいろんな問題が含まれているなと思っていたのですが,まず,私の個人的なことで先に言わせていただくと,パソコンで今,紙媒体をなくすようになりました。実は本日最初から御説明いただいても,突然本日見せられて,今その場でどんどんどんどん進められて,全然内容を知らないで話を流して聞いているだけ。かといって,このデータを先に私どもが頂けたとして,そこに我々がパソコンを持ってきて,そこで我々がそこに書き込みをしたりしていいものなのかどうなのか。ここのデータであれば,ただ見るだけであって,ここにメモを入れることも何にもできません。そうすると,そのとき,そのときのその場だけの一種の道具,本当に単なる本代わりにあるだけになってしまう。
 そこで,今回,政府の方で,生徒のICTの環境整備で1人1台という話が起きてきたわけですけど,ここにおいて,本日お話のあったようなことが,いろんなものがどんどん解決されていくんじゃないかと。例えば標準時間数の問題一つとっても,これ,実は年間通してキープするのは非常にきつい状況があります。大学等はまた別でしょうけど,例えば我々で言えば,インフルエンザで学級閉鎖したとき,どうなるのか。それから,今,コロナウイルスの問題がすごく言われているわけですけど,これ,例えば学校閉鎖命令というのが出ないとは限らないと思うんですね。そうなったときに,じゃあ授業どうするのかと。私は,本来,この1人1台ICTというものがもし本当に本来の意味での1人1台ICT,つまり,生徒が学校に来るときに自分のICTというか,パソコンを持ってきて,自分で持って帰って,家でもそれで勉強してやれるという形になるんだったら,テレワークと同じように自宅で授業が受けられるという,いい意味での効果はあると思うのです。
 ただ,その一方で,特に初等中等教育というのは,先ほど髙木先生が,同年齢の者が学び合うためのものであるという表現がありましたけど,やはり私は,個と個が会うこと,先生と生徒が会うことによって行われる教育であって,よく個別最適化の教育というものを言われますけど,その個別最適化の教育というのは集団の中での個別最適化であって,ただ個の学力さえ上がればそれでいいというのが個別最適化というわけではないわけですから,そういう意味では,個人差を個別最適化できるこういうICTによって埋めることとか,そういういい部分もあるし,それから,例えば先ほどお話があった英単語の覚え方なんかだって,実はパソコンで英単語をやるソフトなんていうのは非常に覚えやすい。それから,エクステンシブ・リーディングといって英語を速読する勉強なんかもパソコンなんかはやりやすい。そうすると,そういう自宅学習に使える部分と,学校の学習で使える部分というものも大きく違ってくると思うので,このICTの使い方が変われば,私はこの辺の話というのは随分変わってくるんじゃないかなと。
 そして,それとともに本来の正しい使い方をして,そして学校では,私,授業時間では特にお願いしたいのは,これからやっぱりSTEM教育だ,STEAM教育だって言われている中で,合教科というものがもっと必要になってくると思うんです。例えば高等学校で言えば,「探究の時間」というお話が出ていましたけど,これ,実は「探究の時間」が週に1時間,2時間あっても,それだけでは済みません。そうすると,放課後等にやはり「探究の時間」のための特別の授業をやったりする学校もどんどん出てくる。それをやっていくと,今度,今,働き方改革の関係もあるので,部活動の時間がなくなるんです。部活動というのも,子供たちにとっては非常に大きな教育の活動の場になるわけですから,これは学年を超えた上下のいい意味でのつながりもあるわけだし,そういう意味ではいろんなものが余り一遍になり過ぎているので,是非いい機会なので,このICTというものを基本にしたら,こういうことができる,こういうことが減らせる,こういうことが逆に増やせる,そういったようなことを考えていけるといいんじゃないかと思って,あえて発言させていただきました。
 以上です。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。
 奈須委員,お願いいたします。
【奈須委員】 お願いします。本日の議論は,ある種,教育とか授業における効率性ということの主題だろうと思います。効率性というと,何かとっても教育的ではないようなイメージがこの国には長らくあったと思いますけど,そうではなくて,子供たちがしっかり学んで,全ての子供に着実に学力を付けるということを目指す,あるいは学力の質ということをしっかりと担保するという上で,効率性を維持していくということはとても大事なことだろうと思います。
 そのことで言うと,まず,授業の1単位時間ですが,本日天笠先生がまとめてくださったとおり,45分を常例とするというのが長らくあったわけですけど,それが10年改訂から取れているわけで,この国にはだから,法令上,1単位時間が45分だという法令根拠は私はないと思っています。別表第一はあくまでも全体の時間を示すだけのものですから。そのことがまだ現場に浸透してない。「45分じゃなくてもいいんですか」って聞いてくる校長先生がたくさんいるということに対して,まずどういうふうにやっていくか。
 ただ,厄介なのは,教科書が45分ベースでよくできた教材になっていて,45分を崩した授業を構想していくと,独自にいろんなことをやっていかなきゃいけなくなる。それ自体は望ましいことで,教師の自立性にもなっていく。教科書に使われるのではなくて,教科書を使いこなすということ。だから,今回でいうと単元という概念はとても大事ですが,時間を,こちら側が子供に合ったものを教師の創意と工夫で生み出していくということが,今後どうなっていくかということだろうと思います。
 逆に言えば,現状では,45分を前提に,すべてが動いているようなところがあって,だから,30分で終わるものを45分に水増ししているようなこともあるだろうし,60分掛かるものを45分に詰めてしまって,最後一番いいところで「もう時間がないから」と言って,「実はこうです」って先生が教えちゃうような授業になってしまうとか,とても残念なことになっている。むしろ,学習活動を教師が構想して,それに必要な時数を1コマとして確保していくというような,ある種の世論の誘導が必要なんだろうと思います。
 それから,個別ということも同じで,個別化というと孤立化というふうなことにならないかという御批判は,1970年代,アメリカでもありました。アイソレーテッドという言い方がありましたけれども,そうではなくて,先ほど吉田先生からもあったように,個と集団ということが両立するような学びということは幾らでも作れると思います。これも1970年代ぐらいから,インディビジュアライズド・インストラクションとかパーソナライズド・ラーニングという形で英米圏を中心に研究が進んできました。日本でも80年代にオープンスクール運動という形でいろんな個別化のプログラムが進行しましたし,その中では時間割の弾力的な運用ということももう既に試みられていた。この国には実は膨大な資産があるんですけど,それがちょっと今忘れられているということをどうするかということかなと思います。
 個別最適化はEdtechということが最近言われていますけど,紙と鉛筆でも幾らでもできます。1980年代,我々は紙と鉛筆で個別最適化を全校体制でやってきました。コンピューターがなければできないということでは全くないだろうと。そういった現場の実践資産をもう一度どうやって取り戻して今日的に復刻させるかということは課題だろうなと思っています。
 でも,PCの利用というのも,とても大事で,鹿児島の最初の実践,時数,時間がこれだけ効率化されるというのはとても印象的だったと思います。つまり,同じ学習の質を,ICTを使ったりいろいろ工夫をすることで効率化できる。無駄な時間とは言いませんけれども,やはり子供の実学習時間を上げるということは非常に重要なことで,もっと素朴に汎用的なソフトでも幾らでもできると思います。例えば国語の作文教育で,どうして今でも手書きでやっているんだろうかと私は不思議に思うんですけど,清書なんかした人はいないですよね,ここにも。私は卒業論文を手書きでやった最後の世代ですが,つまり,子供たち何で紙で清書させているんだろうと思うわけですね。できるだけ早くコンピューターで最初から入力して,清書はプリンターにやっていただければいいと思っています。例えば3つの段落をどの順番でやるのがいいかといった学習活動のときに,昔よく短冊でやりましたけど,あれはパソコンでやって,順番を変えたものを複数印刷して並べればとってもよく分かる。実際これを試してみていますけど,ほぼ半分の指導時間で倍の長さの作文が書けるようになります。つまり,まだまだ,すごく素朴な汎用的なソフトを使って時数の効率化を図ったりすることは,できることは一杯あるんじゃないかと。そういうことを,本日の鹿児島もそうですけど,いろんな地域でやっていただいて共有化していくということが大事かなと思っています。
 PCのことで言うと,今,1人1台ということが進んでいますけれども,文房具だというお話がありましたが,文房具であるのであれば,一人一人違うものを持ってきてもいい。ヨーロッパでよくありますけど,スマートフォンとかタブレットを家から持ってきて,もちろん持ってこられない子とか学校のを使いたいという子もいるわけで,そういう子にはもちろん学校で渡せばいいわけで,40人の子供が同じ机に同じタブレットが上がってなきゃ気が済まないという風土を何とかしなければいけないんだろうと思っています。自分が家から持ってきたり,自分用のタブレットを使っていれば,そのまま家でも使えるわけで,すると,操作性なんていう問題もなくなってくるのかなと思います。
 最後に効率ということで言うと,効率化を目指す一方で,学力の質ということはしっかり考えなければいけなくて,市川先生が紹介されたResearcher-Like Activityはとても時間が掛かりますけれども,今後目指すべき学力の質からいけば,あれこそがむしろ効率のいい学習だと思います。いわゆるLess is moreですね。少ない内容を深くしっかりと学ぶことによって,しっかりとした力が付き,汎用性のある学力が付くということですね。だから,あるときには,少ない内容をしっかりやることによってむしろ効率性が上がる。つまり,学力の効率性についても,今回,資質・能力と言っているわけですから,学力論をそちらにしっかりと移行していくということが大事だろうと思います。
 もっと言えば,Less is moreですね,あの原理をどこまで入れていけるか。ただ,現状ではやっぱりコンテンツが多過ぎるので,それがうまくやれない。だから,ある種のめり張りを付けて時間を使うということを考えないと,効率化という議論が実質的なものになってこないかなと。でも,本日,とてもいい議論なので,これをどういうふうに制度・政策にしていくかということをまた進めていただければと思います。
 以上です。
【天笠部会長】 それでは,今,お三方が札が立っております。ということですけれども,もう一つ,本日はあと令和2年度の予算についての説明ということが予定されておりますので,この議題についての御発言については,今,名札を立てられている3名の方ということでよろしいでしょうか。もしあれでしたらまた名札を立てていただければと思うんですけれども,萩原委員,秋田委員,若江委員という,この三方ということで閉めさせていただきたいと思いますけれども,よろしいでしょうか。
 それでは,萩原委員,お願いいたします。
【萩原委員】 私からは,市川先生からお話がありました学習者の自立ということがやはり必要な部分だろうと思います。特に,学習者の意欲をいかに引き出していくのかという部分が必要と思います。それとともに,学習者の自立という点でいうと,例えば反転授業とかと言われるような自宅で学んできて,学校ではやってきたものをお互いに協議したり話し合ったりして一つの形にまとめていく。それが終わった後,また自宅へ戻って演習をしたりというような一つのサイクルを作っていくことが,学習者の自立にもつながってくると思います。
 ICTを活用する学習形態に変わってくれば,例えば,今は学校で全部教えて,演習も何もかも入れて標準授業時数を考えていたと思いますが,反転学習みたいに自宅で学習してくる部分が標準時数外に当然なってくるわけですから,そうすると,学校自身がもう少し全体も余裕が出てくるとは思います。ただ,それを実際にやっていくためには,学習者の自立であったり,家庭での協力であったり,地域のという部分がかなり重要視されてくると思います。
 以上です。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。
 続きまして,秋田委員,お願いいたします。
【秋田委員】 ありがとうございます。本日は,学習の効率化ということが,ポイントになっていると思います。先ほど奈須委員がLess is moreと言われた,そのLess is deeperであって,そして,それぞれの授業,木田委員がお話しされましたように,いかに深く,限られた時間の中でもいかに深い学びの時間の部分を保障していくのか,課題に子供が集中できる時間の保障ということで考えていく。そのときに,やはりICTを使うことによって,例えば家庭と学校がつながるとか,それから従来であれば十分には思い出せなかったようなことを,単元などでもいろんな学校で,子供が,全部ICTに入っているので,振り返りを全部していくようなことも容易になるとか,それから,先ほどありましたように学校間をつなぐこともできる。それから,市川先生が数学の生徒論文集というお話をなさいましたけれども,こうした論文集のようなものもICTに入ると学年を超えて先達の先輩の学びを見ることができるというような形で,そのつながりをより濃くしていくということができる。標準授業時数であったとしても,そこにおいてつながりを密接化していくことによっていかに深めていくことができるのかという一つの挑戦や,我々が問うべき課題というものを本日お出しいただいているのではないかと思いました。
 今後,生徒の数が減ってきたときに,鹿児島の複式学級の例などは非常に重要だと私は思いました。実際に複式学級の先生の調査をうちの大学の学生がやったことがあるのですが,やっぱり教材準備も2学年分同時にしなければならないなどの負担があるが,このような形で先生の方もシェアをすることによってより深く探究ができる。
 そしてまた,教師の見える化についても,本日の市川先生のお話や,それから木田先生のお話にもありましたが,個人のつまずきが「見える化」され,それが教師が一望に把握することができるというようなところで,やはりICTの力やソフトの力をかりるというところと,個人の強みを生かすところで探究学習などで活用できるようにしていくというようなところが,これから求められてくるのではないかと思っております。
 ただし,一方で,高校の探究学習等,時間も限られていることと,それから,私どものところで学生で調査していると,探究学習で常に出てくるのは既によく出来上がったモデル校の事例なんですけれど,多くの学校が今着手し始める段階にあります。何からどうやっていったらいいのかということより,立派に完成された事例が示されることが多いわけなのですが,一番最初に,じゃあどういうふうにして探究をやっていったらいいのかというようなところや,ICTもそうかもしれませんけれど,どうやったら初めての先生方がうまく効率的に,教師だけではなくて外部からの支援も受けることによってより効率的に深い学びを支援していけるのかというようなことを,教師だけが抱えるのではなく,ソフトの会社であったり,地域やいろんな専門家のリソースを使いながら,限られた資源の中でより効率化を図るというような方向がこれから求められるのではないかと思います。
 以上です。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。
 続きまして,若江委員,お願いいたします。
【若江委員】 ありがとうございます。本日のいろんなお話は,学校での学びが,何が重要なのかということをやっぱりもう一回きちっと考え直さなきゃいけないんじゃないかなと思いました。
 ICTを活用するということはSociety5.0社会においても必要不可欠なことですので,これはもうやらねばならないことだと思います。一方で,先ほど奈須先生から少し話がありましたように,学校PCというのは私は全くナンセンスだと思っていますので,本当に個別,一人一人が自分のものを使って,吉田委員が言われたようなもっと広い学びが展開されなきゃいけないと思っています。
 いろんな発表の中にありましたように,やっぱり学校の中で今やるべきことというのは,先生が使えると同時に,子供たちがPCを活用し,将来にわたってICTを活用できるような,そういう資質・能力を育成することということですので,やはり系統立てた学びが大切で,教科の中でいろんないい事例があったとしても,やはりそれはおできになる一部の先生が一部の学年の一部の単元でということになると思いますので,今,「総合的な学習」を使って,小学校9年間の系統立てた学びの中で,重点育成能力の一つとしてICTを利活用した学びの質の向上というようなところに焦点を当てていくべきだと思うのです。
 ちょうど20年前に,やはり本日御発表いただいたようなことがアメリカのいろんな学校では既に展開をされていて,そのことを実現するための教員がオリジナルな授業を作れるような教育研修プログラムというのをアメリカの企業なんかは学校に向けて無償で提供していたんですね。もう既に20年前です。周回遅れと言ってしまっては元も子もないですので,今,いろんな機会,PBLで,PBSLですね,プロジェクトベースでサブジェクトをどのように学んでいくかというような発想も持ちながら考えていくと,ICTの利活用,そして標準時数の問題,市川先生からお話があったようなすべての問題が統合して考えられる,今,いい機会ではないかなと思いました。
 以上です。
【天笠部会長】 この件についてはここまでということでさせていただきたいと思います。振り返りますと,学校の日課表については,いろんな創意工夫というんでしょうか,そういう蓄積と歴史をこの国は持っているというのが私の捉え方であります。ですから,そういう点からすれば,その豊かな実践の蓄積を,この際,もう一度見つめてみるというのもこの取組の中の一つとしてあるといいかなと個人的には思っております。
 ということで,それぞれ御意見ありましたら事務局の方にもまた寄せていただければと思いますけれども,この件についてはここまでということにさせていただきたいと思います。
 続きまして,議題2として令和2年度の予算(案)について説明をお願いしたいと思いますけれども,大体10分前後と捉えたいと思いますので,ちょっと12時をオーバーするということについてはお許しいただければと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
【村尾初等中等教育局企画官】 初中局企画官の村尾でございます。
 資料5「令和2年度予算(案)主要事項」に基づいて説明をいたしますけれども,ちょっと時間の関係でポイントだけ絞って御説明をさせていただければと思います。
 全体のページで申しますと107ページ,通しで言えば107ページでお願いいたします。本体の資料としては11ページなんですけれども。
 まず,働き方改革の関係で,昨年の12月に法律改正,給特法の改正が成立いたしました。この働き方改革と,それと学校の指導・運営体制の効果的な強化・充実ということで,まず定数の改善についてですけれども,全体で改善の数としては,その振替分を除けば1,726人ということになっております。これは,ここ8年では一番よい数字ということでございます。もちろん,これが十分かどうかという議論はあろうかと思っておりますけれども。
 内容としましては,まず,小学校の英語の専科指導について1,000人増加ということに,改善ということになっております。これは,昨年度(令和元年度),それと平成30年度を合わせますと合計で3,000人の改善ということでございます。それから,義務教育9年間を見通した指導体制の改善ということで,この部分についても一定の増加が認められているということでございますし,それから,下の方にちょっとございますけれども,平成29年の義務標準法の改正に基づく通級指導ですとか日本語指導ですとか,そういった部分の基礎定数化に基づきまして315人の増加ということになっているところでございます。合わせまして,教員以外の専門スタッフということで,スクールカウンセラーですとかスクールソーシャルワーカーについても,それぞれ1.3億円あるいは1億円ということで増ということになっております。スクール・サポート・スタッフ,そして中学校における部活動指導員,あるいは学習指導要領を踏まえて指導をサポートするということで学校教育活動支援について,それぞれ増員をしているところでございます。
 こういった形で,働き方改革を進める上でも指導がしやすいような環境の整備ということで,予算についても充実を引き続き図っていきたいと考えております。
 ちょっとページが飛んで恐縮でございますけれども,全体で申し上げますと126ページでございます。通しのページで言うと126ページ,30ページでございますけれども,新時代の学びにおける先端技術導入実証研究事業ということですが,何度かお話も出ておりますように,補正予算の方で2,300億円,GIGAスクール構想ということで,1人1台端末,それから高速大容量のネットワーク環境の整備ということで予算が付いているわけでございますけれども,これを踏まえまして,Society5.0の時代に求められる資質・能力を育成するということで,さらに,先端技術の効果的な活用に関する実証,そして遠隔教育システムの効果的な活用に関する実証,多様な通信環境に関する実証,「ICT活用教育アドバイザー」の活用という,この4つについて新たな実証研究事業として来年度の予算(案)に計上しているところでございます。
 それから,更にちょっと飛ばさせていただきまして,資料107ページ,全体の通しで申し上げますと203ページでございます。203ページで,私立高等学校授業料の実質無償化ということで書かせていただいておりますけれども,私立高等学校等に通う年収590万円未満世帯の生徒を対象にいたしまして,就学支援金の支給上限額について年額で言いますと39万6,000円まで引き上げるということでございます。必要な経費をここで計上しているところでございます。
 そしてその次のページ,108ページでございます。全体の通しで言えば204ページでございますけれども,これについては,高等学校,それから特別支援学校の専攻科につきまして,高等学校の本科を卒業した者が引き続き国家資格取得などで必要な職業専門教育を受けるために入学をするものであるということで,同世代の大学生,こちらについては高等教育の就学支援制度の対象になりますので,そことの公平性という観点で,低所得者の真に支援が必要な世帯を対象にして,専攻科に通う生徒について新たな支援制度を創設することにしたということでございます。具体的には,都道府県が授業料に関するその支援を行う場合に,その2分の1を国が都道府県に対して補助することといたしまして,所要額を計上しているということでございます。これ以外にも,高校生等奨学給付金の内数として,授業料以外の教育費に係る支援を行う場合に,その3分の1を国が都道府県に補助するということにしているところでございます。
 ちょっと時間の関係でポイントだけに絞らせていただきましたけれども,以上でございます。
【天笠部会長】 どうもありがとうございました。
 もう時間も予定した時間より過ぎつつありますけれども,今の件について何か御質問,御意見,これはということ,ありますでしょうか。またそれぞれおありかと思いますけれども,事務局の方にお伝えいただければと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 それにしましても,大きな流れとして,こういう審議におけるデジタル化というのは時の流れだなと思っているんですけれども,紙媒体との融合という,こういう視点もやっぱり併せて,先ほども御意見もあったかと思うんですが,その辺りのところもまた少し御検討いただいてもよろしいんじゃないかなと思いました。
 ということで,時間が参りましたので,本日の議題は以上ということにさせていただきたいと思います。
 事務局におかれましては,本日のそれぞれの委員の方からの意見を受け止めていただきまして,今後の審議に生かしていただければと思います。
 最後に,次回以降の予定について事務局からお願いいたします。
【板倉教育課程企画室長】 本日はありがとうございました。
 次回は3月12日(木曜日)13時から,旧庁舎第2講堂で開催する予定でございます。
 以上でございます。
【天笠部会長】 それでは,本日の議題は全て終了いたしました。これで終わりにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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