教育課程部会(第126回) 議事録

1.日時

令和3年9月30日(木曜日)9時30分~11時30分

2.場所

WEB会議と対面による会議を組み合わせた方式 ※傍聴は,Webex Eventsでの参加のみとなります。

3.議題

  1. 社会に開かれた教育課程について
  2. その他

4.議事録

【荒瀬部会長】 皆さん、おはようございます。荒瀬でございます。
少し時間が過ぎてしまいまして申し訳ありません。ただいまから第126回中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会を開催いたします。
本日は、大変御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日は、報道関係者から撮影及び録音の申出がありまして、許可しておりますので、御承知おきいただきたいと思います。
では、本日の会議資料の説明を、事務局、石田教育課程企画室長からお願いいたします。
【石田教育課程企画室長】 おはようございます。私から本日の資料につきまして、議事次第に基づきまして御説明をいたします。本日の会議資料は、議事次第にございますとおり、資料1から資料3-4まで及び参考資料1から4-2までがございます。
本日は、部会長と御相談申し上げまして、「社会に開かれた教育課程」ということを議題として御議論いただきたいと考えてございます。まずはこちらに関連する資料ということで、資料1-1から資料3-4までお配りしてございます。
資料1-1として、中央教育審議会で答申を頂戴した「社会に開かれた教育課程」、この考え方を整理した資料をお配りしております。新しい学習指導要領ではその前文におきまして、「社会に開かれた教育課程」、「よりよい学校教育を通してよりよい社会を創る」、こういう理念を学校と社会が共有した上で、子供たちに対して、どのような資質・能力を身につけられるようにするのかを教育課程において明確にしながら、社会との連携及び協働によりその実現を図っていく、こういう「社会に開かれた教育課程」の実現の重要性を盛り込ませていただいたところでございます。
本日の全体会では、教育課程を軸に学校と社会との連携・協働を進めていく、こういう「社会に開かれた教育課程」というコンセプトと深く関わってまいります制度でございますコミュニティ・スクールについての国の会議における検討状況に関する御報告と、山口県教育委員会様からの取組の御発表をいただいた後、分科会に分かれまして、梶谷委員、若江委員、清水委員、今村委員からの御提案を軸にしながら、さらに議論を深めていただきたいと考えてございます。そうした形で資料をお配りしてございます。また、参考資料1は参考資料3-2の関連資料としてお配りしてございます。
続きまして、その他の参考資料につきまして御説明申し上げます。
まず、参考資料2の束でございますけれども、こちらは荒瀬部会長、秋田委員、今村委員、戸ヶ﨑委員、中島委員にも御参画をいただいております総合科学技術・イノベーション会議教育・人材育成ワーキンググループに関わる資料でございます。先日、9月16日に、その会議で示されました論点整理ということ、こちらも参考資料2-3ということでお配りをしてございます。教育課程に関わる議論もございましたので、参考資料として配付させていただいているところでございます。
続きまして、参考資料3の束でございますけれども、こちらは新型コロナウイルス感染症への対応として、新学期に向けた関連の資料でございます。
まず、参考資料3-1でございますけれども、特に新学期に向けて、感染症の影響により、やむを得ず学校に登校できない児童生徒さんが、オンラインによる学習指導を受けた場合には欠席扱いとはしないということ、その取扱いについて改めて周知しているところでございます。
また、参考資料3-2でございますけれども、高校入試等においても、調査書の出席日数、こういったものの記載によりまして不利益を被ることがないよう、実施者に対して改めて依頼をしているという関連資料をお配りしております。
また、参考資料4の束でございますけれども、これは令和3年度全国学力・学習状況調査の結果等に関わる資料でございます。先月末に公表されたものでございますけれども、あわせて参考資料4-2のとおり、今年度実施している経年変化分析調査、あるいは保護者調査等を活用いたしまして、特に新型コロナウイルス感染症の影響、あるいは児童生徒の家庭状況、例えば社会経済的背景、SESに係るものと学力との関係について、今後詳細に分析を行う予定としております。分析結果が出ました折には、改めて御報告を申し上げたいと考えてございます。
なお、この場をお借りしまして、9月21日付の人事異動の御紹介を申し上げます。人事異動によりまして、伯井初等中等教育局長、茂里学習基盤審議官、淵上大臣官房審議官が着任しております。また、27日付で滝波教育課程課長も異動となってございまして、淵上審議官が当面の教育課程課長事務取扱となっておりますので、事務局から御報告を申し上げます。
以上でございます。
【荒瀬部会長】 ありがとうございました。
参考資料2-3の科学技術・イノベーション会議教育・人材育成ワーキンググループ関連の資料でありますけれども、このことにつきましては、後のほうでまたお願いしたいと思っております。戸ヶ﨑委員から資料の御提出もいただいておりますので、その場面で戸ヶ﨑委員からの御発言もよろしくお願いしたいと思います。
では、議事に入りたいと思います。
今期の教育課程部会では、新学習指導要領の着実な実施に向けて議論を行っていきたい旨を、繰り返し申し上げてきたところでございます。新しい学習指導要領におきましては、「社会に開かれた教育課程」、この点につきましても、今日資料1として改めてまとめていただいておりますけれども、学校と社会のさらなる連携・協働が求められておりますし、初回の会議におきましても、複数の委員の皆さんから、学校と地域や企業との連携について問題意識をお示しいただいておりましたので、これも先ほど御紹介がありましたけれども、本日の議題として「社会に開かれた教育課程」を設定させていただいたところでございます。
「社会に開かれた教育課程」の実現につきましては、子供たちにどのような資質・能力を身につけてもらいたいのか、何のために学校と連携するのかといった基本的なところをしっかりと関係者間で共有した上で、学校と地域の連携を教育課程の中に組み込んでいくということが非常に重要であると考えております。
現在、そのための制度的枠組みであるコミュニティ・スクールの在り方について検討が行われておりますので、まず事務局から、その検討状況を中心に御説明をいただきたいと思っております。
その後、やまぐち型地域連携教育の一環として、県内全ての公立小学校、中学校、高等学校等においてコミュニティ・スクールを設置なさるなど、積極的にコミュニティ・スクールの活用に取り組んでおられる山口県教育委員会から、具体的な学校での取組事例もお示しいただきながら、「社会に開かれた教育課程」がもたらす効果について、御苦労なさったお話も含めて御発表いただきたいなと思っております。
委員の皆様にはこうした発表を踏まえて、「社会に開かれた教育課程」について、その後意見交換をお願いしたいと思っております。具体的にはまた後ほど申しますが、本日は委員の皆様同士の意見交換の時間を確保するために、少し試験的な取組ということでありますけれども、グループ別の協議を実施したいと思っております。グループにつきましては既にお知らせをしているところでございます。
教育課程部会における議論を有意義なものとするため、教育課程部会の役割をいま一度再確認したいと思いますけれども、私としましては、教育課程部会は学習指導要領を中心として、初等中等教育において、子供たちがどのように、何を学んで、どのようなことができるようになればよいのか、あるいはなることが必要なのかということを議論していくものであると考えております。こうした教育課程部会の役割も意識しながら、初等中等教育を受ける子供たちにとって、本当に有意義な議論となるよう運営してまいりたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。ちょっと前置きが長くかかってしまいました。
ではまず、コミュニティ・スクールの在り方に関する検討の状況につきまして、担当課である地域学校協働活動推進室から御説明をいただきたいと思います。郷家室長、よろしくお願いいたします。
【郷家地域学校協働活動推進室長】 郷家と申します。よろしくお願いします。資料1-2を御覧いただければと思います。
コミュニティ・スクールにつきましては、平成16年の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正によりまして制度化されました。コミュニティ・スクールは、保護者や地域住民等が学校運営に参画することができる学校運営協議会を置く学校のことでありまして、平成29年の法改正によりまして、その設置が各教育委員会の努力義務というふうになっているところでございます。現在コミュニティ・スクールは、全公立学校のうち9,788の学校、導入率で言いますと27.2%となっておるところでございます。
この29年の法改正の附則におきまして、法施行後5年を目途として、学校運営協議会の在り方について検討を加えることとされておりますので、本年の4月より、ここにありますコミュニティ・スクールの在り方等に関する検討会議――座長は東京学芸大学の松田副学長にお願いしております――設置しまして、先月の25日に、コミュニティ・スクール推進のための支援方策を中心としました中間まとめを公表いたしました。本日はこのような機会をつくっていただきましたので、その概要を簡単に説明させていただきます。
まず、資料の1番のところでございます。コミュニティ・スクール推進の必要性というところでございまして、まず「社会に開かれた教育課程」の実現に向けた新学習指導要領の着実な実施というのを必要性に挙げております。そのほか働き方改革の推進、GIGAスクール構想の実現、防災など、学校や地域が抱える様々な課題にも対応しつつ、子供たちの成長を支えていくためには、これまで以上に学校・家庭・地域の連携・協働が必要となるということ、またさらに、このコロナ禍により改めて浮き彫りになりました学校・家庭・地域の役割分担、そして連携・協働の重要性、安定した学校経営体制の必要性の観点から、校長や教職員だけではなくて、保護者や地域住民が当事者として参画して、学校運営を支え、強化する仕組みでありますコミュニティ・スクールは、全ての学校に求められる機能であるということを必要性としております。
これを受けまして、具体的にこのコミュニティ・スクールを一層推進するための方策としまして、以下に4つ方策を挙げております。
1つ目の方策、(1)のところでございます。コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進でございます。学校運営協議会と、地域と学校が目標を共有し、連携・協働して学校支援や子供たちの学習支援、体験活動を行う地域学校協働活動が連携しまして、その取組の効果を示しつつ、これからはどちらか単体というわけではなくて、常に一体として取り組んでいくという基本姿勢を示しているところでございます。
2つ目の方策、円滑な導入のための都道府県教育委員会による伴走支援でございます。学校運営協議会の円滑な導入のためには、各教育委員会、学校の管理職が、コミュニティ・スクールの必要性や有効性を正しく理解することが必要でございます。広域自治体である都道府県教育委員会の積極的な働きかけやアドバイザーの配置など、伴走型の支援が重要としております。
3つ目でございます。コミュニティ・スクールと地域学校協働本部の総合調整・事務局機能を持つ人材の配置・機能強化であります。コミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に取り組むためには、両者を通じての総合調整、企画立案、事務局機能を担う人材の確保が重要であり、これらの役割を担う地域学校協働活動推進員等が、年間を通じた継続的な活動を可能とするための人材の配置、促進・機能強化を図ることが必要であるというふうにしております。
最後に4番目でございますけれども、地域学校協働活動推進員等の資質向上ということで、地域学校協働活動推進員等は、地域と学校の連携・協働に関わる幅広い知識や技能を身につけることが求められていることから、段階的・体系的なスキルアップ研修や実践者同士の交流等の機会充実を図ることが必要であり、同時に学校運営協議会委員の資質向上も図ることが必要としております。
これらの大きな4つの方策のほかに、導入促進のための財政的、人的な支援、地域運営組織や関係部署との連携促進、首長の理解促進、成果・効果の事例の横展開等も必要になってくるということにしております。
そして3番目、今後の検討事項(案)としまして、本日の(2)番、「社会に開かれた教育課程」の実現において担う役割については、今後議論されていく予定であります。それも含めまして、(1)から(6)が課題として今残されておりまして、今後、年度内の最終取りまとめに向けて検討を進めていただく予定でございます。
本体についてはホームページ等に掲載しておりますので、御関心がありましたらそちらも御覧いただければと思います。
私からの報告は以上でございます。
【荒瀬部会長】 ありがとうございました。今の話を、我々の今日これから山口県教育委員会の御発表を聞き、後から議論する上での共通点としたいと思います。
では、山口県教育委員会の御発表に移りたいと思います。本日はお忙しい中ありがとうございます。まず、山口県教育委員会の大田指導主事、よろしくお願いいたします。
【山口県教育委員会(大田)】 失礼します。義務教育課の大田です。よろしくお願いします。声は聞こえていますでしょうか。それでは画面共有をさせていただきます。今日は朝から何か接続で苦戦しておりまして、ちょっと緊張して何度もこけている感じなんですけど、ここではこけないように、山口県のありのままを伝えられるように頑張りたいと思いますので、短い時間ではありますが、よろしくお願いいたします。
【荒瀬部会長】 よろしくお願いします。
【山口県教育委員会(大田)】 画面に映しておりますのは、昨年度、カリキュラム・マネジメントの調査研究を受けておりまして、そのときに作ったカリキュラム・マネジメントの手引きであります。「社会に開かれた教育課程の実現に向けて」ということで、これを作って全県で共有しておるものです。QRコードがありますけれども、非常にコンパクトに16ページで作っておって、カリキュラム・マネジメントのビギナーの方にも読みやすい配慮をしておるところです。今日はこれを使って説明させていただきたいと思います。
本日の内容は、ちょっと簡単に言うと2つほどあります。1つ目は、山口県の全ての公立小・中学校、高等学校、特別支援学校がコミュニティ・スクール化していることです。それからもう一つは、その社会に開かれた教育課程の実現のためのツール、全ての学校が一歩ずつ進んでいくためのツールとしての「学校・地域連携カリキュラム」というものと、児童生徒が学校運営協議会に参画する「熟議」、この2つを中心に話させていただけたらなと思っております。
まず、背景というところになりますけれども、10年以上前のことになります。山口県では画面にありますように、これは地方のほうはどこでもそうだと思うんですけれども、人口減少。それから、これは学力調査等で学力の現状の位置が分かってきたということもありますけれども、学力不振。それから学校が荒れるということ。いろんな問題が起こって、学校だけでは解決が難しい課題が増えてきた。中には授業が成立しないといった学級崩壊も起こる、そういうところもありました。
そしてよくありがちなのは、力のある先生をその学校に一気に集めて立て直しを図るみたいなこともあるんですけど、人は異動していきますので、再び荒れを迎える、こういうこともこれまでも少なくなかったんではないかと思います。人事異動のたびに学校が不安定になって、そして特定の先生に頼る、マンパワーに頼る。
そういうものではなくて、人事異動ではびくともしない、地域に根づいた学校。ここに書いてあるのは、個から地域に根づいた、こういう学校にしていこうというところが背景にあります。その視点として、コミュニティ・スクールに向けた第一歩が始まるわけですが、そのときには、学校支援、それから学校運営、そして地域貢献という、この3つの視点で学校の機能を見直していくということで、平成28年には全ての公立小・中学校、それから令和2年には県立学校もコミュニティ・スクールとなりました。
しかし、コミュニティ・スクールのことが会議で話し合われるようなので、今日の話にも大きく関係するかと思うんですけど、コミュニティ・スクールにすれば何でもうまくいくかということであります。それは、実際はうまく進められていない学校もあります。学校は作成した方針を、委員や地域や家庭、そして児童生徒に考えさせることなく、方針の承認を得るだけの学校もあります。それはやっぱりなんちゃって学校運営協議会といいますか、ちょっと悪口みたいになってしまいますけれども、形だけということです。それではあまり意味がないです。
委員も地域も家庭も児童生徒も、地域の課題等を自分事として捉えられる、そこが重要なわけで、それでなかったら、コミュニティ・スクール化した意味はあまりないのではないかなというふうに考えております。
こちらは手引きの中にあるものでありますが、学習指導要領に示されているとおり、育成を目指す資質・能力、学校の教育目標等を家庭や地域と共有するということが書かれております。上段のほうです。これを実現するためにつくったのが学校・地域連携カリキュラムでありまして、地域を含めた全体で組織を見直したり、そしてカリキュラムを見直していくということを大切にしています。
その学校・地域連携カリキュラムは、こちらのグランドデザインに当たる、学校の基本方針を示すグランドデザイン側、それと総合的な学習の時間を核とした9年間の単元配列表、要は小・中学校の中学校区の単元配列表で構成されており、教育活動の質の向上を目指しています。
まずグランドデザイン側の話を少し説明しますと、これは家庭や地域とビジョンを共有するということが大きな目的にあります。これは詳しくは手引きのほうを見ていただけるといいんですが、ビジョンを共有する上では、育てたい資質・能力や重点取組事項等を明確にするところがポイントになるわけですけれども、やはり教育というのは言葉が専門的になり過ぎるようなところがあって、地域の方が聞いてもよく分からなかったり、また話しにくかったり、先生にはちょっと何か言いにくいなみたいなところもあるんです。
あくまで誰が見ても分かる、分かりやすい言葉で示しましょうというところが、一つのポイントになります。これが協議する上でも重要ですし、先ほどの写真等でも熟議している様子が少しあったかと思いますけれども、ここにもありますね。この熟議の中で話す際にも非常に重要になってくるというところであります。そうすることでこのグランドデザインが、教職員のものではなく、地域、そして子供たちのものとなっていくということです。という意味では、このグランドデザインがまさにビジョン、そして単元配列表が設計図ということになってくるかと思います。
では1つちょっと紹介します。これは新聞記事になるんですけれども、ちょっと拡大しますと、山口市内の大殿中学校というところで、生徒会が参加して熟議を行っているところです。10年前から大殿の地域に貢献したいみたいなものはあったということなんですけれども、子供たちが熟議の会合に参加したわけです。そこで参加するメンバーの固定化、活動が地域に浸透していないという、ちょっと耳の痛い話を子供たちも出してくれるというところであります。こういうふうに子供たちが実際に地域のことについても話し出したり、学校のことについても話すということで、自分の課題として解決したくなってくるというところが一つ特徴として挙げられます。
これは私、ちょっと見に行ったんですけれども、美祢市立大嶺中学校。ここもやはり人口減少の地域でもありまして、子供たちが資質・能力について話し合った後に、地域の魅力について熟議しておるところでございます。このときには結構いいことも話すんですけれども、この女の子は、参加していた市長部局の人に、私たちは発信してうまく取り上げられていないんだけどみたいな話をして、笑いもあったり、ではどうやって解決していこうかという次のステップの話になったりということもありました。そういう地域のことって、どうしてもなかなか自分事としてなりにくいと思うんです。そこをやっていくということです。そして生徒会活動も活性化していくようになっていきます。
この学校・地域連携カリキュラムは、完成を目指すことが目的でありません。あくまでビジョンを共有するためのツールです。熟議の過程で教育活動の質の向上の視点が見え始めて、学校・地域のよさ、こだわりが明確になってきます。
それから9年間の単元配列表のことになります。総合的な学習、それから特別活動等との関連を明確化していくというところになりますけれども、やはり児童生徒や学校・地域の実態に応じた探究課題を設定する必要があります。
ポイントとしては、身につけさせたい資質・能力が明示されていること、それから9年間、見たら分かるとおり、小1から中3まで書いておりますけれども、この中で、発達段階を考慮して学びの連続性を意識した単元を配列する。したがって当然、小・中の合同の研修等も必要になってきます。
これまでももちろん取り組んできたことであると思うんですけれども、それを再整理して、こだわりを見える化していくということが、一つ重要なポイントではあるかなと思います。初めて来られた、勤務年数が少ない先生方も、こういうのを見て、あっ、この学校はこういうのに力を入れていく学校なんだと意識して取り組むのか、それとも何も考えず授業をやっていくのかでは全然違うということです。
これは手引きの中にも入っておるので、また見ていただけたらと思うんですけれども、やはり総合的な学習の時間ということで、探究課題を設定する必要があります。これはやはり地域課題を解決するというところが非常に重要かなというふうに思いますし、山口県では多くの学校が地域課題を設定するようになっております。
ちょっと例を挙げますとこちらです。これは岩国市の東小中学校というところなんですけれども、このように、全国でこの10年間で災害を受けていない地域って、大小あるんですけど、何か3%ぐらいというふうに聞いたことがあるんです。どこにも関係ある話でありますけれども、その防災という視点でまちづくりを考えていく。社会科の学びと地域の人との交流をしながらやっていくということです。
この地域ではまた米軍基地もあって、いろんな子がおりますので、イワクニエレメンタリースクールとの交流等、地域の特色も生かしたカリキュラムを編成しているようになっております。
先ほどの防災を例に挙げると、学校・地域連携カリキュラムについては、学校行事としての避難訓練は多分全国どこの地域でも行われているかと思います。しかし地域の方を含めた熟議となると、そうはやっていないと思います。これを熟議の材として扱うことで、地域課題としての防災、これが捉えられて、防災マップの必要性を見直し、確認に加えて、特に田舎のほうでは高齢化も進んでおりますので、おじいちゃん大丈夫かなとか、気がかりなことも大小いろいろありますけれども、出てきます。そこが地域ならではの防災教育の始まりになります。
子供たちはもちろん当事者意識を持ちますし、自分事として考え、地域の担い手というふうになってきます。中学生ぐらいになるとやはりもう助けられる側というよりは、地域のことを考えて助けていくというか、そういう側にもなっていきますので、非常に重要になります。中には地域の防災アドバイザーみたいなことをやっている方もいらっしゃいますので、その方を教材として中に入れてやっていくということも可能になります。
これは実際に行われている様子ですけれども、防府市立富海小中学校というところの例になります。ここも人口減少、地元産業の活性化が非常に課題になっておりますけれども、企業のプロモーション動画を手がけた経験を持つ市地域おこし協力隊員から動画作成や表現のコツ等を習って、教科横断的な学びを発揮する場となっておりますし、見たら分かるとおり、GIGA端末、iPadを使っておりますけれども、ここで情報活用能力も存分に発揮されていくということです。
この探究的な学びを核としたカリキュラム・マネジメントを行うことで、教育活動の資質を向上させて、コミュニティ・スクールの仕組みを生かしたという事例が県内ではたくさんあります。
ちょっと成果のほうをまとめたいと思います。学校・地域連携カリキュラムについてですが、これはやはり教育課程の方針を共有し、ビジョンの共有のところです、それから特色のあるカリキュラム(学校のこだわり)を見える化することになります。コミュニティ・スクールではつながりをつくるわけですけれども、学校・地域連携カリキュラムでは、今度こだわりを見える化していくということであります。
それから熟議についてです。熟議は子供に当事者意識を持たせることになって、子供主体の活動につなげ、地域を愛する子供を育てることができるようになります。
一方課題もあります。これは、ほぼ全ての学校で学校・地域連携カリキュラムは作成されております。ただ行事一覧のようにとどまっているものもあったり、つくっただけで、ただの紙、カミキュラムのようになっていることも少なくありません。
また生徒主体となって熟議している学校もありますが、マンネリ化して活性化していない学校、主にこれはファシリテーター役、ファシリテーターの実力がなかなか方向性も見いだせなかったり、コーディネートできなかったりということもあります。
さらには地域人材を見いだせていないケースもあって、キャリア教育等に生かし切れていないということもあります。
特に中学校では、地域課題を踏まえた探究課題が自分事になるような探究課題がうまく設定されていない学校もあります。
まだまだ道半ばではあるんですけれども、中には、高校生になっても地域のために貢献したいというふうに学運協の中で話してくれた子供たちも出てきたり、そういう子供たちの声に励まされながら、今一歩一歩進めているところです。これからも「社会に開かれた教育課程」の実現に向けて、オール山口で取り組んでいきたいと思っております。
簡単ではありますが以上でございます。
【荒瀬部会長】 ありがとうございました。大田指導主事、大変地道なお取組について、詳細に御説明をいただきました。本当にありがとうございました。
では、今御発表いただきましたことにつきまして御質問をいただきたいと思うんですが、時間がもうあまりなくて、お二人ぐらいになろうかと思います。大田先生、後からまた改めてメール等で事務局のほうからまとめて御質問をするということで、お答えいただくといったようなこともお願いするかと思いますが、よろしくお願いいたしたいと思います。
では、末冨委員、お願いいたします。
【末冨委員】 ありがとうございました。私も山口の出身でして、今御紹介いただいた事例の幾つかは、自治体のほうでお話を聞いたり、子供の貧困対策を通じて学校の状況を把握したりしているんですけれども、1点お教えいただきたいのが、子供たちのカリキュラムに対する意見ですとか、もっとこうしたいですとか、あるいは山口の場合、やはり地域を出て活躍したいという願いを持つ子供、若者もいる場合に、どのように県教委として、もしくはコミュニティ・スクールとして判断しておられるのかということです。
地域との協働が叫ばれるのは大変よろしいことなんですが、それはともすれば子供たちが、本当は地域じゃなくて、もっとほかの場所で活躍したいなというように、自由に言えるような環境とは少し離れてしまう場合もあるかと心配はしています。もちろんそのようなことがないように御配慮はされていると思うんですが、ルールづけなり、あるいは子供の意見、伸びやかな意見を持つことも含めて、どのようにお考えなのかをお聞かせいただきたいと思います。
【荒瀬部会長】 ありがとうございます。じゃ、ちょっと今の御質問にまずお答えをいただきたいと思いますが、大田先生、お願いいたします。
【山口県教育委員会(大田)】 なかなか結構意見が答えにくい内容もあるかなとは思うんですが。周りの目も多少ありまして。しかし今の話で私が思い出すのは、あるとき、私の授業ではないんですけど、授業で、私はこの地域を離れてはいけないのかと言って、涙ながらに話した子がいるというのを聞いたことがあります。
そこは、そういうことではないんですけれども、その先の学びも含めて考えておりまして、山口県では、先ほど県立高校のコミュニティ・スクール化の話もあったかと思います。県立高校ではテーマ型の地域連携教育というのを進めておりまして、テーマを設定して、そのテーマというのは地域課題も含むわけですけれども、もちろん、さらに学校から飛び出た、県から飛び出た内容も含んでおります。
それは地元も考えつつ、地域も考えつつ、さらに羽ばたいていこうというところも支援している方向でございますので、必ずしも地域に帰らないと県民にあらずみたいな、そんな感じでもないし、私も実は長崎県民でして、飛び出してきて、山口に骨を埋める覚悟で働いております。子供たちが決してその地にとどまるというよりは、地域の担い手、それから未来のつくり手として羽ばたいていってほしいというふうに思っております。先生方もそのような気持ちで、キャリア教育も連動して進めています。よろしいでしょうか。
【末冨委員】 ありがとうございます。この地域にとどまらず、将来生きる、どの地域でもという前提をもう少し強調されないと、子供を泣かせるカリキュラムというのが、地域に根差したカリキュラムとして、いいカリキュラムかどうかと言われれば、私自身は少し疑問に思いました。大勢の大人に対して少数派である子供たちという図式が、コミュニティ・スクールでは基本的に成り立ってしまいやすいことに、十分お気をつけいただければと思います。
【山口県教育委員会(大田)】 ありがとうございます。さっきのはちょっとした例なので、みんながみんなそう泣いているわけではないので。すみません、私の説明がよくなかったです。
【荒瀬部会長】 大田先生、ありがとうございました。なかなかお答えいただきづらいこともあるということですけれども、そういったことをオープンにお話合いができて、その中で我が国の子供たちの将来が明るいものになっていけるように、私たちも努力いたしますので、ぜひまた御発信をよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
もう一人で、すみません、とどめたいと思いますが、田村委員、お願いいたします。
【田村委員】 ありがとうございます。大田先生、カリキュラム・マネジメントの調査研究でお世話になりました。2点質問させてください。
1点目は、熟議に生徒さんたちが参加しているということなんですけれども、これはカリキュラム内での熟議、つまり、あくまで学びの一環として参加しているのか、あるいはガバナンス、学校の運営のほうにも生徒が意見を言うような、そういうチャンスを設けている学校もあるのかということが1点目です。
それから2点目は、県としてコミュニティ・スクールを推進されているということなんですけれども、ではその場合、市町村の教育委員会の役割、それから県と市町村との連携、そういったことについてどのようになっているのか教えてください。
【山口県教育委員会(大田)】 まず、主に資質・能力も含めたカリキュラム側を話し合うのが熟議の場として多いわけですけれども、もう一つは時間帯等もありますので、これは学校にもよるんですけど、学運協が開きやすい夕方あたりになる場合もありますし、昼間に実施しているところもあります。小規模ほど昼間に実施しやすいですし、たくさんの子が参加しやすくはなるわけですけれども、現実的には大規模校もたくさんありますので、結構夕方に行ったりするというところもあります。だから承認とかそういう機能は、子供たちは特にしているわけではないということです。
それからもう一つの質問は、市町村教委さんも連携して行っていることではあるんですけれども、実は県内に28人ほど、教頭職の学力向上推進リーダーというのを配置しております。その方々が、どうしても単独だけでなかなか進めにくいところもあったり、もうちょっと県としても推し進めたいという気持ちがありまして、研修会をやってみたり、コーディネーター役になってみたり、域内のいろんな学校を回って、学力向上、それからカリキュラム・マネジメントの推進という役割を担ったリーダーを配置しております。
私のほうで、月一ほど情報交換会を、オンラインで今やれますので、それでやっておって、どの地域もなるべくいろんな情報を得ながら、一歩ずつ、あの地域はよく進んでいるとか、あの地域は進んでいないということにならないように、市町村教委と連携しながら進めているところでございます。役割としては、推進に向けたこちらの情報提案であったり、配置したリーダーを通して研修会等を進めたりということが挙げられます。よろしいでしょうか。
【田村委員】 ありがとうございます。そうしましたら、そういう連絡会に市町村の担当者も入られているんですね。
【山口県教育委員会(大田)】 もちろんです。ペース的には月に1回ぐらいです。
【田村委員】 ありがとうございました。
【荒瀬部会長】 ありがとうございました。
大変申し訳ありません、市川副部会長、中島委員、ほかの方も手を挙げておられるかも分かりませんが、ちょっと時間の関係で、先ほど申しましたように、また事務局のほうに御質問いただきまして、後ほど大田指導主事にお尋ねするということでよろしくお願いいたします。
大田指導主事におかれましては、本当にお忙しいところ御出席いただきましてありがとうございました。これで御退席いただいて結構でございます。大変貴重な御発表ありがとうございました。
【山口県教育委員会(大田)】 ありがとうございました。
【荒瀬部会長】 それでは最初に申し上げましたように、グループ別の協議に移りたいと思います。グループは2つで、Aグループ、Bグループと仮に呼んでおりますが、Aグループのほうは「学校と企業との連携・協働」、Bグループのほうは「学校と家庭、地域との連携・協働」をテーマとしています。グループ別の協議は、Aグループのほうで市川副部会長、Bグループのほうで貞広副部会長が進行役をしてくださることになっております。
Bグループの方は大変恐れ入りますけれども、一旦御退出いただきまして、接続マニュアルに従って、グループ別協議用のミーティングのほうに御入室いただきたいと思います。Aグループに御参加いただく委員の皆様はこのままお待ちください。大変申し訳ありませんが、できるだけ早くBグループの委員の皆様は移っていただきまして、お集まりいただき次第、再開するということでお願いしたいと思います。では、お手数をかけますがよろしくお願いいたします。


Aグループ「学校と企業の連携・協働について」

【市川(伸)副部会長】 それでは、Aグループのグループ別の協議を開始いたします。Bグループに参加されるという予定の方がもしいらっしゃいましたら、接続マニュアルに沿ってBグループのほうに御参加ください。
本グループの司会を務めます市川と申します。よろしくお願いいたします。本グループのテーマは、「学校と企業の連携・協働について」ということになっております。意見交換に先立ちまして、梶谷委員、若江委員より、それぞれ5分程度で話題提供をお願いしたいと思っております。時間の目安ですが、5分、5分の御発表、それから意見交換を30分くらいということで、このAグループの協議を、既に時間が押していますので、11時頃までにはもう終了したいということになっております。
それでは、梶谷委員からお願いいたします。
【梶谷委員】 中小企業家同友会の梶谷でございます。学校と企業の連携について、経済界の立場から提案させていただきます。
まず、学校と企業が連携するには、企業側に「社会に開かれた教育課程」の理念、概要を理解してもらう、そして積極的に関わってもらうことが重要になります。個々の企業に理解してもらう活動は大変でありますので、まず、橋渡し役として経済団体への理解活動が有効ではないかと思います。
各地の経済団体は地域の発展に向けて様々な活動をしており、教育行政が経済団体と定期的に意見交換を行い、「社会に開かれた教育課程」の実現が地域の発展にとっても欠かせないものであり、学校と連携することは企業にとっても重要であることを認識してもらうことがスタートだと思います。中小企業家同友会では、文科省の皆さんと定期的に意見交換をさせていただいております。
また、「社会に開かれた教育課程」は学校内だけでできるものではなく、地域との連携が不可欠ですけれども、地域の要素として企業は欠かせないと思います。企業に関わることによって子供たちの学びの幅が広がること、企業が学校に関わる際には、子供たちの学びにいかにつなげるかという視点が欠かせませんので、学校と企業が共に、子供たちの将来、地域の将来のために何が必要かを考えて協働することが大切です。その土壌をつくっていく必要性があります。
中小企業家同友会では、全国総会の分科会において文科省の合田課長をお招きして、新学習指導要領の趣旨をお聞きして、中小企業としてどんな役割が果たせるかというようなことも議論いたしました。また、私の地元の岡山においては、岡山経済同友会が主催している教育フォーラムで、県教育長から新学習指導要領について説明をいただいて、地域での探究学習等について一緒に学びました。このようなことを通じて、それぞれの会員企業が開かれた教育課程の理念を伝え、企業が学校と連携するための土壌をつくっていきたいと思っております。
また、経済団体が会員に発信する広報紙などにおいて、「社会に開かれた教育課程」について事例を広報していくことも大切だと思います。
次に、教育行政と経済団体が連携することによって、個々の企業と学校の橋渡しを担うことが必要だと思っております。学校からの要請を、経済団体が窓口となって適切な企業を選んで学校とつなぐことが、学校に関わる企業を広げていくことになると思います。徳島県では初任者研修を中小企業家同友会の会員企業で受け入れたりとか、岡山県においても、まずは教職員研修に企業が協力したりということを、県教委からの要請によって行っております。
学校への出前授業や職場体験・インターンシップ等の受入れも、経済団体が窓口になることによって、趣旨を理解した上で企業が参加することができるのではないかというふうに思います。
岡山県においては、今、経済同友会と県教委が一緒になって、SDGsに取り組む企業の紹介冊子を作って、県内の全高校に配布して、それを使って学校が企業と連携を取れるような仕組みをつくろうとしております。
また、単一の学校と企業が連携することに限らず、学校や校種をまたがっての探究学習に企業が参画することも、これからは重要になってくると思います。場合によっては、企業が主催する探究学習の場に生徒や教師が参画することも意義があると思います。児童生徒や教職員、コーディネーターと企業人が関わることで、相互に様々な学びの可能性が広がります。私もそういったところに参加して、様々な学校の先生とつながることで、先生からの直接的な依頼も増えてきております。
最後に、学校と企業が連携する上での課題ですけれども、人材育成というテーマは学校の大きなテーマでございますが、企業にとりましても非常に大きなテーマでございます。そういった意味では、人材育成というのは学校と企業の共通事項であるという認識で、改めて相互に学校と企業が学び合う、そういった意識で取り組むことが必要だろうというふうに思います。
その上で、教育関係者と企業関係者が共に語り合う場を重ねていくこと、そのことによって相互理解と目的共有を行い、参画する企業を増やしていくことが求められます。そのためにも、この間を取り持つコーディネーターの存在が鍵を握ると思います。
職場体験や出前授業については、やはり事前に目的や課題を共有して、プログラムについても事前の率直な意見交換で詰めた上で実施し、授業の振り返りを行い、保護者にもフィードバックしていく、そういったことで好循環をつくり出すことが重要だと思います。
「社会に開かれた教育課程」の実現は地域づくりでもありますので、よりよい地域づくりの観点から、立場の違いを乗り越えて、学校と企業と家庭と地域が連携していくことが求められ、それぞれが個人としても地域と関わる姿勢を持っていることが問われます。その中でそれぞれの目的を共有し、取り組んでいくことだろうと思います。
そして根本は、人間の本質を追求して、環境がいかに激変しようとも、一人一人の子供たちが充実した人生を全うできる主体的な人間に育っていけるような、そういった場をつくっていきたいと思っております。
以上でございます。ありがとうございます。
【市川(伸)副部会長】 どうもありがとうございました。
続いて、若江委員、お願いいたします。
【若江委員】 若江でございます。私は、まさに今、梶谷委員からお話がありましたように、学校と企業、教育機関と企業をつなぐ橋渡しの役割のコーディネーターの役割をしている会社でございます。
じゃ、次のページをお願いいたします。私からは、既に創業30年間取り組んでまいりました企業と学校とのつなぎの部分で、企業側がどんなふうに変わってきたかということを主にお話ししたいと思っております。
この表で見ていただいたら分かりますように、最初やはり2000年前ぐらいまでは、環境教育とかというようなテーマで、企業が持っている得意な分野を学校につなぐという社会貢献、それがCSR(Corporate Social Responsibility)の域で拡大し、さらに2015年ぐらいからは、社会的責任ではなく、社会に必要な価値を共に創造しようということで、Creating Shared Value(CRV)の視点に移ってきていて、さらに近年では、ESGのさらなる浸透で、企業としては人材戦略、つまりHR(Human Resource)というような視点で取り組まなきゃいけない、そんな次元に来ております。
次、お願いいたします。どのように企業が学校支援に取り組んできたかといいますと、もともとは企業が伝えたいことを伝えるというのが多かったんです。でもそうではなくて今大事なことは、新学習指導要領のことをきちっと理解するということ、そして様々な学習支援・授業支援スタイルが必要です。要するに学校の現場に、ニーズに合わせての対応が必要で、したがって学校からは、CSで学校経営方針なんかをはっきりとしていただいて、それを企業側にクリアに伝えていただくということが必要になるでしょうし、企業側にとっては、現場の状況を理解するという意味では、担当レベルではなくて経営レベルでの取組が不可欠だということになっております。
次、お願いいたします。このような教育支援がどのように展開されているかといいますと、今までは教科を中心に、様々な企業さん、ここで事例を出しておりますのは、出張授業型、教材提供型、さらに最近では教員研修型と、様々な事例が増えております。
次、お願いいたします。この資料が、本来今日は参考資料として配付されるはずだったんですが、私ども企業が30社ぐらい集まって、このように、縦には校種、横には教科を置いて、それぞれの企業が企業の独自性を生かしながら、どのようなところでどんな教材を提供しているかということを一覧表にして、学校に提供し、学校はこれをもって年間指導計画を年度末までに立てていただいて、来年度の企業の活動に連携するというような、そんなことをさせていただいております。
次、お願いいたします。要は、今企業が取り組むべきSDGsの課題は、教育現場にとって非常に親和性がいいといえます。先ほど山口県の資料にもございましたように、学習指導要領にも書かれておりますし、教科書にも小学校段階からSDGsが取り上げられています。
次、お願いいたします。ですので、まさに「社会に開かれた教育課程」を実現するためには、企業が学校の実態をきちんと理解し、その上でどのような連携をしていくか、その取組が重要で、この一つの事例が、過去ですと企業さんはどうしても、ある学習教科単元の前後に、自分たちの学んでいることが世の中とこうつながっているんですよということを紹介するために、企業のプログラムを御用意いただくことが多かったのですけれども、最近は、こういったSDGsのテーマ、企業がまさに社会に参画する存在として、こんなことを取り組んでいて、これはあなたたちにも大きく関係してくることなので、一緒に考えてほしいというような、そんなテーマの投げ方が多くなってきております。
次、お願いいたします。先ほどのサントリーさんの場合でしたら、水というテーマですが、こちらのUCCさんの場合ですと、サステナブルビジョンで、要するに生産農業国のフェアトレードの問題ですとかそういったところを扱いながら、学校の地理の教科学習等を合わせた授業を展開している事例でございます。
じゃ、次、お願いいたします。駆け足ですが、教育支援はやらなきゃいけないこととではなく、これからは支援から連携に進化しなければならないということ、そして社会が一緒に学ぶという時代が来ているので、学校での学習にはとどまらないのではないでしょうか。でも単にパラダイムシフト、転換ではなくて、今ここで大きくもう変容しなければいけないという、そんな時代が来ていると思います。ですので、効果的な連携を実現していくためにも、やはり企業の意識変革が物すごく重要です。今それをリードしていただいている、先ほどの梶谷委員からのお話もありましたが、企業側の正しい理解と体制整備とともに学校側もやはり、コミュニティースクールの普及がまさにそこのつなぎになっていくことだと思いますので、これからの新しい展開をますます期待しているところでございます。
私からは以上です。
【市川(伸)副部会長】 どうもありがとうございました。
それでは、今の梶谷委員、若江委員の御発表も踏まえながら、意見交換を進めていきたいと思います。意見交換の時間は約30分弱になってしまったんですが、できる限り簡潔に御発言いただきますようお願いいたします。それでは、御発言希望される方は、手を挙げるボタンを押してください。
それでは、鎌田先生、お手を挙げていらっしゃいますのでよろしくお願いいたします。
【鎌田委員】 鎌田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
お二人の御発表ありがとうございました。基本的には本当に梶谷さんがおっしゃること、そのとおりだなというふうに聞いていたところなのですが、私も今まで学校と企業との連携に少し関わったことがあるので、その経験からもちょっとお話しさせていただければと思います。
企業と学校の連携・協働という考え方は昔からあり、それなりに実践されてきましたが、最近非常に深まっているという認識を持っています。その連携の在り方はまだまだ不十分な点が多く特に企業側の理解を得ることが非常に難しいという現状があると、思っております。そもそも企業側はメリットがないと考え協力的になってくれていない現状があり、消極的な傾向があるような気がしています。地方の小さい企業では、特にその傾向が大きいような感じがします。
また学校側にとっても、今までの地域の連携よりも企業連携というのは、一つハードルが高い、そういうような認識があるのではないかなと思っております。企業から教えをいただきたいというふうに思っているのだけれども、そもそも学校の先生自身も、地域企業のことを十分に知らないというような現状も実はあるのではないかと思っています。また、学校側は企業との接点がなく、連絡も取りにくい状況にあります。
学校と企業をつなぐことができる、そういう間に立つ、いわゆる梶谷さんが言うようなコーディネーター機能、そういう人も必要ですが、私はそれに加えやはり当面の間は教育行政または商工会議所等が間に入っていただいて紹介をしていただいて、そこにお互いがアクセスしながら、そこを仲介としてつながりを持っていければスムーズに連携できるのではないかなと思っております。
特に最近は、小学校ではプログラミング教育とか英語の必修化も含めて、デジタル教育が盛んになっていることやまた、専門高校で言えば、先端技術の知識や技能は、もう教員が必死に対応していこうと思っていても限界があって、対応できないという状況にあります。これからは企業との連携は地域連携と同じく必須になってくるものと思っておりますので、こういう課題をいかにしてクリアしていくかということを考えていかなければならないものと思っております。
しかし、将来の地域の人材育成につながるという意識や企業側の社内人材の研修の場としての認識をしていただくなど、いかに企業側に持ってもらえるかというところが課題なのでしょうね。やはり企業側にとっては直接的に実益につながらないところがありますの、そこの意識の改革が必要なものと思います。
【市川(伸)副部会長】 どうもありがとうございます。
それでは、ちょっと一問一答でやっていますと御発言の機会が行き届かない可能性がありますので、まず手を挙げていただいている方、戸ヶ﨑委員、末冨委員、大島委員に続けて御発言いただきたいと思います。
【戸ヶ﨑委員】 まずは、「社会に開かれた教育課程」の言葉の意味が、教育委員会や各学校に正しく周知理解されているのかという疑問があります。いま改めて、平成28年12月の中教審答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」で提言された「社会に開かれた教育課程」で、特に資料1-1にある重要な3点について、教育関係者が正しく自分の言葉で語れる必要があると思います。
本市でもキャリアリンクをはじめ、非常に多くの企業等と連携しています。その連携のプロセスを通して、課題となっていた教育委員会や学校の諸課題についていくつか申し上げます。
1つ目は、教育村、学校村とも揶揄されることもある学校の学びが社会と繋がっておらず、学校で習っていない問題になると途端に解けなくなってしまう傾向にあることです。
2つ目は、学校だけでなく教育委員会も、地域や企業など外部人材に口出しをされることをあまり歓迎しない文化が定着していることです。
3つ目は、学びは学校の中だけでは完結しない、社会に出てからも学び続けていく力をつけることが重要であること、それと関連して、学校での学びを実生活や実社会と繋げていくこと、変化する社会の動きを教室の中に入れること、などの意義の理解や実践が極めて弱いということです。
このことは、今回の学習指導要領は、「社会のあらゆる層に、『これからの教育は、これを目指す。これからの社会には、こういう力が必要だ』ということが示され、共有されるものでなければいけない。」という考え方にも通底することでもあります。
今後は、ICTを積極的に活用するなどして社会の現実を知ること、産官学と連携しつつPBL型の学びやSTEAM教育の基盤づくりを推進していくなどの取組が必要です。また、外部リソースの活用により最先端の質の高い教育の実現や「教師の働き方改革」にも繋がっていくはずです。そのためには、学校任せではなく、教育委員会こそ、子供たちが活躍する社会を展望し、変化する社会の動きを教室の中に入れるために、外部人材や産業界とも積極的に連携して、まさに「社会に開かれた教育行政施策」の実現に努めるべきであると考えます。
【市川(伸)副部会長】 それでは続いて、末冨委員、お願いいたします。
【末冨委員】 私からは質問2点でして、まず、お二方の大変大事な御発表ありがとうございました。学校と企業が、もう支援ではなくて、連携、共につながり合いながら、お互いに組織としても人材を育て合っていくという、パートナーシップも新しい段階に来ているなということを改めて感じました。
その上で、こういった仕組みが持続可能であるために、2つ質問させていただきたいのですけれども、1つは、企業の側にとって、これがある程度営利部門の活動として成り立ち得るものなのかどうかということは、端的に聞いておかなければいけないことです。それは非営利部門ではない営利部門という企業が学校に関わる際に、その辺りのロジックをないがしろにして、企業の内部統制をおよそ通過できるものではない、その中で生き残れるものではないと思っています。
もう一つが、やはり営利部門の学校に対する連携というものが、非営利部門と比べてどう違うのかといった、戦略性ですとか強みの面というのを明らかにしていただきたいなと思います。私自身はどちらかというと、非営利団体の方たちと学校との連携をブリッジングすることが多いんですけれども、逆に営利部門である企業の連携というものの強みが分かれば、学校の側も、あっ、そうなんだということで、より関心が高まり、つながっていただく人も増えるだろうというふうに考えています。
以上です。
【市川(伸)副部会長】 ありがとうございます。
大島委員、お願いします。
【大島委員】 ありがとうございます。お二方の御説明、非常に興味深く拝聴いたしました。私としては、大学の立場で今STEAM教育ということで、研究成果をどのように教育の場に還元できるかということもしておりますので、その際に、企業であったりとか地域参加というのも促進していこうということをやっておりますので、非常に参考になりました。
その上で2つ御質問があります。実を言うと1点目は、先ほどの質問のいわゆるコストです。どうしてもやはり企業が、あとは地域も同じなんですけれども、連携していこうとなった場合に、総論は賛成なんですけど、やっぱり各論になるとなかなかそれがうまくいかない。その一つは先ほど出ましたコストの関係です。なので、このことについては同じような形で御質問に対応いただけるとありがたく思います。
あともう一つは人です。例えば先ほどいろいろと御説明していただいた中には、もしかして企業としてお金も持ち出しているかもしれないんですけれども、多分企業自体が人材を出しているということもあると思うんです。そうすると、企業が人材を出すということ、比較的それは企業にとってのコストにも関わってくると思うんです。なので、それをどうやって。もちろんお金だけでない、双方が先ほど出ました目的を共有したりするというのは、人を通してでじゃないとできないと思いますので、その観点って非常に大事だと思います。なので、企業内の人がどういう形で関わっているのか。それはもしかして新たに教育しているのかということです。その点について教えていただきたいと思います。
それと関連して、あとは企業と学校現場だけではない、別のやはりファシリテーターという役割も非常に大事だと思うんです。そのファシリテーターを学校の中で育成していくのか、それとも企業なのか、はたまたそれは別の形でファシリテーターとして教育していくのか。その点もやはりつなげる橋渡しの役割として非常に大事だと思うんです。その人に関連して、企業内での人であるとか、ファシリテーターである企業、もしくは学校なのか、それとも全然違う、別の第三者としてのファシリテーターなのか、それについて御経験から御意見をいただけるとありがたく思います。
以上です。
【市川(伸)副部会長】 ありがとうございました。
続いて、中島委員、堀田委員、宮澤委員からお手が挙がっているようですので、その順にお願いいたします。中島委員、どうぞ。
【中島委員】 ありがとうございます。非常に興味深い御発表でありがとうございました。こちらの場でも必ずしも質問だけではなくて議論の場ということと、あと少しだけ事例紹介とか、今後の議論について参考になるかもしれないような視点ということで、少しお話しさせていただければと思います。
何か個別の事例で恐縮なんですけれども、昨日ちょっと大和ハウスさんが、今、奈良女子大学附属中等教育学校と一緒にされている探究事例の発表を、ちょうど見せていただいてきました。探究の一環ということで、大和ハウスさんの社員の方々とか、ちょっと何か参画して、先生方と連携しながら、進めていました。この学校はもう研究開発校として非常に歴史のある学校なので、そうした探究的な学びは慣れている学校だとは思うんですけれども、このように企業の専門家が明確に入って、知の刺激を与えながら、生徒たちが自分たちで未来の住まいを考える。それから次は未来のまちを考える。その途中で光の流れをどういうふうに建築をつくるときに考えているかとか、計算の仕方とか、素材のこととか、いろんな話をしながら、知のインプットをしながら、子供たち自身がつくる。で、つくるお手伝いをする。探究のお手伝いをするという流れでした。社員の方々も生き生きとされていました。
非常に面白いなと思いまして、ちょっと個別事例ではあったんですけれども、そういうある意味で大企業、余裕のある企業にとって、新しい人材育成の形として、社員の方々をそういうふうに地域の学校に送り込んで、探究のサポートをさせて、それを通して、もちろんブランディングにもなるとは思いますけれども、何か人として、子供たちだけでなく逆に実は社員の方々も育っていると思うので、そういう人材育成の新しい在り方として非常に面白いと思ったこと。
学校側としても、やはり新しいリテラシーの教育というのはまた別途、本当に必要だと思うんですけれど、企業というものを営利目的とかじゃなくて捉えると、研究者と同じように何か価値を生み出している存在だと考えたときに、そういう企業が持っている技術だったり、考え方であったり、やり方というものには、本当にSTEAMがいっぱい、学校で学ぶような、ちょっと連携するようなこともたくさんあるわけですね。そういうものがあると、この「創る」ということ、子供たちにとって、何か例えばその未来の住まいを考える、まちを考えるというざっくりした、ちょっと抽象的な、最初のテーマで、自分たちでも絵は描けたりすることはできるかもしれないけど、自分ではちょっと限界があるようなところを、その企業がお手伝いすることで、かなり建築家に近いような、あるいは本当に何か実現できそうな、いろんな素材のこととか、模型を作るとか、実際結構皆さんかなり本格的な模型も作られていたので、そういうことができるなと思いました。
なので、大企業については、こういう新しい人材育成のやり方があるんだと。中小企業でもある程度うまくいっているところだと、もしかしたらそういう考え方での関与があり得る。なので、企業は多分2つに分かれると思っていまして、ある意味でお金を投資してでもそういうふうに地域に貢献し企業内人材をも育てていく。その際は、やはり、企業と学校のつながりがある学校と企業はいいけれども、やっぱり企業側も学校側もそうした良いつながりを持つのは難しいと言っている。なので、ここをつなげる人や組織というのは本当に確かに大事だと思います。ここで力を使ってしまって疲れてしまうことが往々にしてあるので、ここはすごく大事だと思うんですけれど、ただこのような企業の関与の仕方もあり得る。とにかくお金を投資してでもこういうことをやっていきたいという企業の一方で、どちらかというとそこがちゃんと何か回っていく、それがその企業にとって、ある意味でちゃんとお金としても回っていくような仕組みを考えざる得ない小さな企業たち。でもそれは両者にとって何かしら本当の意味での、今の文科省さんの掲げる方向性に適した形があり得るのではないかと思っていて、ただ、先ほどから何度も出ているように、やっぱりつなげるというところが大事になってくる。そこ全般でどういう可能性があるかということを、皆さんとちょっと議論できればいいなと思いました。すみません。ありがとうございます。
【市川(伸)副部会長】 ありがとうございます。
時間も大分押していますので、今お手を挙げている、あと堀田委員、宮澤委員で、一応御発言は打ち切らせていただきます。その後、梶谷委員、若江委員にまたマイクをお回ししますので、最後に、今出てきたような御意見、御質問などに、まとめとしてお答えいただければと思います。それでは、堀田委員、お願いします。
【堀田委員】 東北大学の堀田です。
若江委員のところのプログラム等を拝見しますと、やっぱりこれだけのレパートリーや前例を並べていただくと、学校としても検討しやすいように思うんです。そういう意味では個々の企業の御努力だけでなく、こういうふうに仲介していただける会社なり団体なりのお仕事というのが非常に重要かなと思います。
私は企業等との連携についての学校側の声を聞くことが多いんですけれども、打合せ等の時間の捻出にやっぱり悩んでいると聞きます。それは、時間を取ることは可能でも、そもそも打合せにどのぐらいの時間がかかるのかが分からないとか、終了後に企業側に対して学校から何らかの情報提供が必要なのかどうか――例えば子供の感想とかです――というのも、何か後になって言われてもちょっと、そこにまた時間がかかるから見積もれないとか。
何かそういう学校が決めやすいような事前の情報提供、多分若江さんのところはいろいろ御努力されていると思うんですけど、そういうことを企業側にあらかじめ明示していただくことができれば、もっと進むのかなというふうに思っております。
以上です。
【市川(伸)副部会長】 ありがとうございます。
それでは、宮澤委員、お願いいたします。
【宮澤委員】 よろしくお願いします。中学校の現場からというところで少し述べさせていただきます。
まず、企業とかこのキャリアリンクさんの発表を受けまして、学校としては非常にうれしい気持ちでした。学校と企業が連携することは非常に重要なことであるという認識です。今まで学校というのは、企業との連携をいろいろなところで進めていきたい、でも企業側に迷惑をかけてはいけないというようなことで、やはり敷居が高いなというところがあったんです。受け入れていただくに際しては、学校としてはありがたいんですけど、果たして企業にとってプラスになるのかなというところが危惧されていたと。ですから学校現場としては、企業と連携する、もうお互いがウィン・ウィンの関係になるというのがベストかなと思うんです。
私は板橋区の中学校の校長なんですが、区内にはお菓子の会社がありまして、中学生にどんな味のお菓子、どういうお菓子がいいかを考えさせて、実際にそれを販売するなんていう試みもありました。ですから、そういう互いがウィン・ウィンの関係になるような連携、これができていければいいのかなと思います。そのためにも、先ほどからあります、この企業と学校現場をつなぐコーディネーター、マッチングがスムーズにできる、こういったものがあると非常にいいのかなと思いました。
それともう一つは学校現場って、あまり金銭的なものは触れてはいけないようなイメージがあるんですが、アントレプレナーシップというところもこれからは進めなければいけないと思います。ぜひ子供たちにもそういった金銭感覚、どれだけの利益を上げて、どうやって収入を得ているのか、現実的なところも、ぜひ中学生とか子供たちにも伝えていっていただきたいなと思っております。
以上でございます。
【市川(伸)副部会長】 ありがとうございます。
それでは、残りが5分くらいなのですけれども、改めて今のいろいろな御意見、御質問に答える形で、全ては無理だと思いますので、少し質問をより分けていただいて、梶谷委員、若江委員におまとめいただければと思います。梶谷委員、お願いします。
【梶谷委員】 たくさん質問いただきましたけれども、まず企業側として、営利部門として成り立つのかという話とか、内部統制を通過できるのかという話がありましたけれども、私は大企業ではなくて中小企業でございますので、ある意味で言うとまさに企業としまして、いかに人材を確保するかというか、人材育成というものが企業存続にとりましては一番重要な課題になってこようかと思います。利益を生み出してくるのも、いかに人が育っているかということでございますので、学校とつながることは企業にとりましても、その人材育成部門のプロとつながれるということが非常にメリットがあると考えております。
また子供たちと接する中で子供たちからいろんなものを学ばせていただける、そんなチャンスをいただいているというふうに思っておりますし、うちの社員もそういったところに出ていって、学校とどんどんつながろうとしてきておりますので、まさに学校の、例えば生徒たちが出してきたアイデアを自社のお店で展開したりとかということも、現実には起こってきております。
そして非営利部門との違いということですけれども、やはり企業というのは、非常に営利営利と言われますが、一番はいかに持続可能であるかということで、そのための資金として利益が必要ということでございます。ただ非営利部分と違うのは、営利部門ですから稼いだお金を株主とかに配分はできるということですが、逆に言うと、再投資にもかなり使っております。いかに連続した、継続できるような仕組みづくりをという意味で言うと、それを自前でやっていく、しかも利益を出すためには、社会に受け入れられなければ、お客様から認められなければ利益が出ないわけですから、そういった意味では、社会の課題をいかに解決するかという視点も常に持っているんだろうと思っております。
それから、まさに特に中小企業の場合、いかにその地域全体が元気にならないと自社も発展できないということからすると、この地域課題を解決するというところで、企業と学校が一緒にやっていくことは、非常に重要な課題であろうというふうに思っております。
ファシリテーターの役割ですけれども、これは恐らく学校でも企業と連携する中で育ってくると思いますし、また企業もそういった先生方とか子供たちといろいろなやり取りの中で、ファシリテーター能力は育ってくるんだろうというふうに思っています。ただそれをどう育てていくかということですけれども、実は企業の中でも、このファシリテーター役というのは必要なので、そういった意味では、企業は企業としてファシリテーターを育成するというようなことをやっている企業もたくさんあるので、そういった方に手伝ってもらうことは有効ではないかなというふうに思います。
学校が決めやすい事前の情報提供については、これも学校がどのような情報が必要なのかというのが企業側にも分からないので、今学校と企業の担当者が一緒になりながら、どのような情報が必要かというようなことを、少し探る活動を岡山においてはやりかけているのが現状でございます。いずれにしてもウィン・ウィンの関係になれる、そういう素地が広がっていると思いますのでよろしくお願いいたします。
以上です。
【市川(伸)副部会長】 どうもありがとうございました。
それでは、若江委員、お願いします。
【若江委員】 ありがとうございます。詳細については、今、梶谷委員のほうからいろいろとお話がありましたので、私からは少しまとめみたいな形でお話をしたいと思いますが、まさに持続可能な社会をつくっていくために、企業もそうですし、教育ももう今変わっていかなきゃいけない状況に来ています。ですので、新しい新学習指導要領、「社会に開かれた教育課程」を、教育DXも含めて実現するということ自体が、教育界、産業界双方にとっていいことなんです。ですので、私どものキャリアリンクは、手前みそですが、それぞれのキャリアをリンクするという意味で30年前にこの名前をつけて、株式会社でスタートしました。
一部末冨先生からも御指摘がありましたように、NPOさんなんかも今までいろんな支援をしてくださっているのですが、先ほど堀田先生からもお話がありましたように、皆さん、NPOの場合はテーマを決めて、講師を決めて、専門性をすごく特化しておられて、それを学校側にばらばらで持っていくと、やっぱり学校って大変な状況なので、私どもが考えましたのは、全てそれをまとめながら、まず最初の第一歩だけは丁寧に、やり方なんかを伴走して、それから以降は地域協働本部だとか、先生方ですとか、企業人の方ですとかに、OJTでノウハウをお伝えしながら、そういう下支えができる状況や環境を整えていくという、そんなことがとても大事だと思います。
結論を言うと、大企業はもちろんですけれども、地域の企業さんほどやっぱり教育に対して物すごく危機感を感じておられ、熱い思いを持っておられます。ですので、冒頭のところで御説明しましたように、企業は社会的責任とかという軽い気持ちでやっているのではなくて、本当に自分たちがやらねばならない、中島さんもおっしゃっていましたけれども、コストではなくて投資だという認識をトップが持てるかどうかが、やはり日本の企業の分かれ道になるでしょうし、ですので同様に教育現場のほうも、宮澤先生がおっしゃったように、遠慮ではなく、これはもう一緒につくっていくんだという、そんな思いを皆さん方がクリアに理解できるように、私たちも努めていきたいなと思っております。
また、戸ヶ﨑委員から御指摘がありましたように、不可欠なのはばらばらではなく、9年間のカリキュラム・マネジメントです。山口県教委さんからお話がありましたように、9年間の中にどのようにその地域の子供たちの資質・能力をつけていくか。そんなときに、教科の学習以外に社会とのつながりをどうやって入れていけばいいかというのを、これはもう学校単位だけではなく、先生が替われば変わる、校長が替われば変わるではなく、ある程度、70時間ほどある総合的な学習の時間のうちの10時間だけでも、コアカリキュラムとして企業との連携をしていく、そんな取組がこれから少しずつ広がっていけばよいのではないかなと思っております。
以上です。
【市川(伸)副部会長】 どうもありがとうございました。Bグループのほうが少し長引いているということで、終了時間を延ばしても多少は大丈夫という話を伺ったところです。
【若江委員】 時間はないと思い必死で巻きましたので、私は早口の3倍速でお話をいたしました。時間に終わらないかと思いまして。
【市川(伸)副部会長】 いえ、お話の流れは分かりやすかったので、早くてもよく分かったという印象は持っております。ありがとうございます。
1つちょっと梶谷委員に、今のお答えで質問なんですけどよろしいでしょうか。最初に挙げられたことが、企業としても人材育成上のメリットはあるんだということを今伺ったんですけれども、この人材育成上のメリットというのは、企業の方、例えば若い社員とかが学校に行って、いろいろ子供たちを相手にいろんなプログラムをやったりする、そういう今の社員に対する人材育成のことでしょうか。それとも、むしろそれを受ける子供たちが将来的に社会に出て活躍してもらうという、子供たちが人材育成の対象になるということなのか、これはどちらでしょうか。
【梶谷委員】 両方あります。特に今の若い子供たちに、いかに将来実際に入ってもらうか、そういった思いもありますし、自社じゃなくても、先ほどの地域に縛りつけてはいけないという面もありますけれども、やはり地域できちっと活躍していただかないと、地域そのものが持続可能でなくなりますので、そういった意味では、その地域で活躍したいと思う子供たちも育てていかなきゃいけないですから、そこの地域で活躍できる子供、それがひいては世界でも活躍できる子供につながると思いますので、企業も、地域密着であっても、実は商売は海外とつながっていたりいろいろしますので、そのような子供たちをどう育てるかというのは、地域全体としての人材育成にも企業としては関わる。
そしてそういったことをやることによって、今いる社員そのものも地域と関わらなきゃいけないですとか、その地域の中で自分たちがどんなことができるとか、場合によっては新たなビジネスってこんなことが必要だよねというものも見つかるヒントが、一緒にやる中から見つかってくるという意味で、両方の意味での人材育成になると思います。
【市川(伸)副部会長】 どうもありがとうございました。
それではそろそろということになりましたので、短い時間でしたけれども、たくさんの御質問、御意見、また梶谷委員と若江委員からは、御発表と今のお答えありがとうございました。それでは、こちらのA分科会のほうの議論を終わりたいと思います。
少し間に5分くらいですか。
【事務局】 はい。
【市川(伸)副部会長】 その間にBグループの方が戻ってきますので、5分位少し休憩ということになります。ありがとうございました。

(接続休憩)

【末冨委員】 すみません、梶谷先生、休憩時間中に教えていただきたいんですけど、高校との連携がお話を聞いていると多いかなというように伺ったんですが、今の企業というのは本当にどんな小さな企業でも、世界との広がりの中でお仕事されなきゃいけないと思うんですが、やっぱり実際にプログラムの中で、例えばグローバルな視野の広がりですとか、あるいは連携している企業が求めるような専門的能力だとか、企業人、組織人としての考え方みたいなもので生徒さん自身が伸びているなというようなケースは、御存じでいらっしゃったりしますか。高校の先生の指導が伸びるケースもあるかもしれませんが。
【梶谷委員】 やっぱり私もマイプロとかにも参加させてもらうんですけれども、高校生のあれも参加させてもらいましたが、やはり企業と関わることによってとか、地域課題をどう解決するかというのは、まさに企業そのものがやっていることなので、そういった意味で言うと、一緒にやることによっていろんな気づきがあるのかなというふうに思っています。
この間も私は少しRESASの絡みの探究学習を、学校の先生が主催してやっているときに参加してもらいましたけれども、私は車屋なんですが、今、車のカーボンニュートラルの話で、少し車の走るところだけ見ちゃ駄目だよ、造るところから全体まで見なきゃいけないよと話をしたら、そういったところにも非常に、そうなんだ、もっと全体的に見なきゃいけないんだという感想があったりしましたので、やはり視野を広げるという意味では非常に有効になってくるんじゃないのかなというふうに思います。
それから以前うちの会社で、車、モビリティーという視点から地域を見てみようというような教育プログラムを、これはトヨタ自動車が開発していたやつを岡山でやらせてもらったんです。そのときは中・高生が参加していましたけれども、やはり基本的な座学をやった後、まちに出ていってフィールドワークをやって、そのグループ討議の中に大人と大学生、中・高生が一緒になってグループワークとかをやりましたけれども、そんな中でもやっぱり非常にお互いに学び合うことができたかなと思います。
それから、以前ワークショップで子供たちから大人への提言みたいなことをやってもらったときには、子供たちから出てきたのが、大人はもっと本音を言ってほしいですとか、私たちはもっと大人としっかり話をしたい、そのために私たちもしっかり学ぶ、だから大人はそういう環境をつくってくれみたいな提言が出てきたりしまして、そういった中で自分たちももっと主体的に地域に関わりたいというような、こんな声が中・高生のワークショップから出てきていますので、要するにNPOも非常に重要だと思いますけれども、企業というところも一緒に関わることによって、より子供たちの視野が広がっていくんではないのかな。
そのことによって、逆に言うと企業側も、今の若い人はこんな考えをしているんだとか、こういうことを認識しているんだということを随分教えられましたし、私は高校生から教えてもらったことで、高校生に、小学生の発想って面白いんですよ、でも小学生はそれを実現できないから、それを手伝って実現するのが私たちですと言われたときに、あっ、これは世代間の役割なんだなと、私は高校生からすごい気づきを得ました。
双方に気づきがあるというのがいいことではないかな。そのことがやっぱり学校の先生にとりましても、企業というのは、どうしても利益をもうけるのが最大の目的であるという認識の方が多いんですけれども、必ずしもそうではないということを、我々からすると認識してほしいなと。どう地域の暮らしを守るとか、そういった社会課題を解決しながら、それを持続可能にするためにはどうしても利益が要るというようなニュアンス。そうすると一緒の立場に立てるんじゃないかなというふうに思っています。
【末冨委員】 ありがとうございます。やっぱり大人が本音を言う言い方も、企業も学校もいろんなスタイルがあると思うので、その辺りも大人の学びにつなげられるといいかなと思いました。休憩時間中にありがとうございます。
【梶谷委員】 ありがとうございます。


Bグループ「学校と家庭、地域の連携・協働について」

【貞広副部会長】 それでは、本グループに御参加いただく委員の皆様、おおむね御参加されましたので、グループ別協議を開始いたします。
本グループの司会を務めさせていただきます貞広でございます。よろしくお願いいたします。
本グループのテーマは改めまして、「学校と家庭、地域の連携・協働について」となっておりますので、意見交換に先立ちまして、まず、清水委員と今村委員より、それぞれ5分程度で話題の御提供をいただきたいと思っております。
それでは、まず清水委員、お願いいたします。
【清水委員】 ありがとうございます。では、まず私のほうから発表させていただきたいと思います。資料のほうをよろしくお願いいたします。
次、お願いします。では、私ども日本PTAで目指す家庭と学校の連携の在り方ということで、まずは話をさせていただきます。
次、お願いいたします。3枚目、お願いします。私どもが目指す家庭と学校の連携の在り方ということで、現状教育現場では、学校・保護者・地域が三位一体となって連携し、子供の健全育成を目指す「共育」というのが大変必要であるということで、この共通の目的意識が当然なければ、保護者や地域はただのお手伝いという形になってしまうことになりますので、あくまでも、この共通の目的意識というのを大切にしていくところが大事ではないかと思っております。
4枚目、お願いいたします。この3番目の不審者の対策、また気軽に学校や職員室に行けない風潮であったところに加えまして、昨今のコロナ禍で、学校行事や研修会、また懇親会などの共同での事業がもう本当になくなってしまったということで、非常にこういったことがコミュニケーション不足になって、ますます学校の先生方の姿が非常にもう見えにくくなってきているというところが現状あるかと思っております。
5枚目をお願いいたします。その対策として、教育の方針であったり学校の考え方というところを、紙ベースで配布だけではなくて、校長先生なり学校の先生方等、我々保護者に向けて、リアルに対面で話をすることが当然大事だとは思うんですけれども、今のこのコロナ禍においては、オンラインツールを使って、保護者会であったりだとか、御担任の先生との懇親を図るような活動をするのも必要ではないかということを考えています。
6枚目、お願いいたします。その対策の2番目といたしまして、システムとして、学校と保護者が当然連携する形を構築するのが大切だと思います。先ほどの全体会での御報告にもありましたように、我々地域にいる保護者も含め、学校経営に参画するコミュニティ・スクールみたいな形で、我々PTA、また保護者、地域の方も含めて、そのようなシステムとして参画できるような形が、よりいいなというふうには考えております。
7枚目、お願いいたします。まとめといたしまして、学校が今何をしているのかというところを、きちんと我々保護者というか、我々はPTAの役員をしていますと、それなりには当然理解できる部分はあるんですけれども、なかなかしっかりとPTA活動に御参画できない保護者の方も含めて、しっかりとお伝えすることが必要であると同時に、教職員の方々の人間性が分かる場をつくる必要も当然必要だと思っております。
大変多くの問題というのは、全てやっぱりコミュニケーション不足が非常に起因しているんではないかなというふうに思いますし、そういった解消をすることで、恐らく半分以上の学校での問題というのは解決できるのではないかと考えております。
では次、お願いいたします。2つ目といたしまして、保護者の視点での日頃学校に寄せる思いというところです。
次、お願いいたします。これは役員をやっているPTAのメンバーだけじゃなくて、当然いろんな立場の保護者の方々がお見えです。全ての方々が全員一致ということではないんですけれども、ほとんどの方々がいろいろと話をしますと、いろんな形で学校のために何か協力できるんだけどなとか、何がしか自分が今やれることを協力したいなと思っている方が非常にお見えだというところでございます。
あとは、先生、学校側と本音で何でも話し合う機会であったりだとか、そういうような話もしっかりと取ってみたいと思っているところもあります。
あとは子供たちについて言いますと、非常にそつなくこなす子供が増えているんではないかなと思うところもありますし、これは現状、子供たちにおける学びのスピードがとても速い、また量も多いんではないかなというところもございます。
話がいろいろとこれは交じっておりますけれども、私どもの役員からもいろいろと御意見をいただいて、それをちょっと加味して入れておりますので、話に連続性がないのかもしれませんけれども、学校の校長先生も当然定期的に替わるんですけれども、もう校長先生が替わると、一気に学校の雰囲気も変わるということがよくあるかと思います。いい意味も悪いもという部分もありますけれども、ここの雰囲気が変わるというのはそんな意味合いで取っていただければ結構かと思います。
次、よろしくお願いします。これは特に中学校においてなんですけれども、生徒数、当然小・中含めて年々生徒が減っていく中ではありますけれども、この部活動の維持というところです。ここの意味合いというところが、昨今非常に部活の数も含めて減ってきている。御熱心にやっている中学校もあれば、なかなか思うように部活動がやれていないところもあったりだとか、なかなかそういったことで、ある、ないというところが非常に差があって、また中学校においていきますと、その部活動を一生懸命やることによって成績に関わるところにつながったりだとかで、中学生においては、部活という意味合いが本当に非常に難しい面もあったり、できれば一律に同じような部活動があるといいなと思います。
続きます。自己表現する場が減少。端末での表現が増え、リアルでの表現ができなくなるのではというところ、これは当然GIGAスクール構想で、児童1人に1台の端末が今配付され、スタートはしておりますけれども、そこの兼ね合いで、それだけに頼るような流れになりますと、子供たちの部分で、親としては非常にいろんな意味で心配になる部分があるところでございます。
そして8番目のところです。教職員の役割の再確認ということで、教職員の役割の細分化で全体が把握できなくならないようにというところになりますが、これはしっかり先生方のやっていただく範囲と、あとは我々保護者、PTAとしても、何がしか御協力できるところがないのかなと。これは先生方の多忙化というところにもつながる部分ではありますけれども、何がしかPTAという立場、保護者という立場で、先生方の御負担を少しでも軽くすることができないのかなとも思っているところでございます。
次、よろしくお願いします。個別最適な学び、協働的な学びのバランスが重要。個人の人権を広く認めることと、個人・自己主義とは異なるが、線引きが非常に曖昧。指導者の資質に大きく委ねられることになるということで、協働的な学びの必要性を加味しながら、とにかくバランスよく指導していただくことが重要だというふうに考えております。という形で、私ども保護者という立場で、PTAとしてこのように考えているところでございます。
以上、ちょっと足早になりましたが、私の報告とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
【貞広副部会長】 ありがとうございます。保護者の側面から貴重な御提案をいただきました。ありがとうございました。
では続きまして、今村委員から御提案をお願いいたします。
【今村委員】 では、こちらのほうで資料を投影させていただきます。こちらは投影されていますでしょうか。ありがとうございます。
私からは、今回家庭との連携というところでお題をいただいたんですけれども、家庭も含めて様々な課題を抱える子供たちが個別的にいるという状況等を踏まえた上で、どうしたら本当に個別最適な探究を実現していけるのか、学習指導要領で掲げたことを着実に実施するためには、どういう協働体制が必要なのかという点について、外部人材がコーディネーターとして学校に入っていくということでやってきた事例についてお話をさせていただきたいと思います。
今日たくさんの枚数の資料を送ったんですけれども、全ては使わずに、どちらかというと事務局の方から、何が困難だったのかという、成功事例ではなくて、困難さについて包括して話してほしいということだったので、やってきたことについてお話ししつつも、困難さの部分を具体的にお話しするために、今日現場のメンバーが1人一緒に入っていますので、現場のメンバーと共に進めていきたいと思います。
まず、学習指導要領で掲げた、2022年から特に高校で始まる探究という取組、これは小・中学校も含めてですけれども、とにかく個別最適な課題に寄り添うということは、教員だけでは膨大なコストがかかり、とても大変だという大前提があります。その上で、どうすれば外部人材をちゃんと学びのリソースにしながら、生徒の真の探究を支えていけるのかということについて、ずっと私たちも取り組んできました。
その上で一つの事例なんですけれども、私は東日本大震災が起きたときに、岩手県の大槌町に引っ越しました。そこで震災で様々な状況になった子供たちの支援の仕事を始めて、そのまま今もずっと地域の高校の中で、カタリバのチームが仕事をさせていただいている状況なんですけれども、この学校がどういう学校だったのかというと、ちょっと学力の高い子は電車に乗って隣の高校に行くけれど、それ以外の地域の子供たちが全員行く、端的に言うとそういう学校です。
震災後に入学者が、もともとの人口減少の問題もあったんですけれども、減少し続けて、統廃合もしようがないんじゃないかというところまで来ている状況がありました。ここは資料にないところなんですけれども、岩手県内の先生方が、もう真っ先に手を挙げてここに配属されたい学校かというと、そうとは言い切れない感じの学校でして、ちょっと課題を抱えた家庭も多いという前提で捉えられている沿岸部の学校です。
この学校の中で、どうしたら本当の意味で学校の魅力を取り戻していくのかということをやっていくために、先ほどコミュニティ・スクールのところでもあったんですけれども、私たちもサポートさせていただきながら、コーディネーターを3人配置しています。ディレクションできるシニアメンバーと、大学を卒業したばかりのメンバー2人がコーディネーターをしながら、個別的な生徒の課題と探究的な推進をやっているんですけれども、まずは学校の先生方、生徒と全員で、どうすれば学校をよりよく楽しい場所にしていけるのかというワークショップを行い、地域の方々とも全部で50回以上のワークショップを繰り広げながら、この地域にとって学校が、高校がどういう意味があるのか、どういう意味にしていきたい場所なのかというところをみんなで話し合っていきました。
学校の目標なんかのキーワードを変えていきながら、この学校をどういう学校にしていくのかを、本当に地域の方々、親御さんも含めてみんなで話していきました。ルーブリックも設定して、さんざん中学校の先生方からも、できれば進学できる子はこの学校には入れたくないなんていうことも言われていた学校だったんですけれども、今は、ぜひ入学させたい学校だと言っていただけるようになっている状況があります。
その中で何をしてきたのかというと、1つはやっぱり生徒たちの個別的な探究のフィールドを、地域に開いていったということです。
例えばなんですけれども、地域の中には東京大学の海洋研究所があります。これは、私たちが入る前は全く高校との連携はなかったんですけれども、海の調査をしている研究室なんです。岩手県の中の大学に行こうとしたら、大槌町から車で3時間行かなきゃいけなかったはずなんですけど、地域に研究所があった、じゃ、これを資源にするべきなんじゃないかということで、生徒の探究の取組の伴走に、東京大学の海洋研の研究者の方に入っていただいたりしました。そうしているうちに、マニアックなことが好きな子とかがすごく輝くようになったりなんていうこともありました。
その中で1人、震災で親御さんを亡くしてしまって、本当に暗い影を落としてしまった子がいました。彼も地域の中で探究のフィールドを伸ばしていったときに、学校の先生ではなかなか声かけができない、親御さんを失ってしまったということにアンタッチャブルな状態になっていたんですけれども、地域の方々で、あんた、大変だったねと声をかけてくれる人がたくさんいて、そういった関係性の中で自分に起きたことを言葉にできるようになっていくということも見られました。
そうこうしているうちに、大槌高校に入学させたいという地域の雰囲気もできてきて、これが一つの地域づくりとしては目的だったんですけれども、1度は40人まで落ちた入学者数が、昨年は60人まで伸びたということが起きました。
ということが起きたことなんですけれども、ちょっとここからは、三浦さん、顔を出していただいてもいいですか。ちょっとあと2分ぐらいお話しさせていただきます。うまくいきましたという話は今させていただいたんですけれども、とはいえなかなか地域の中に外部人材である我々のような立場が入っていくことは、実際はそうそう簡単なことではありませんでした。例えばどんなことが起きたのか、ちょっと三浦さん、お話ししていただいてもいいでしょうか。
【カタリバ三浦】 はじめまして。三浦奈々美と申します。今、岩手県立大槌高等学校でコーディネーターとして、毎日職員室の中に席をいただいて仕事をさせていただいています。3年前に初めて大槌高校の中に入らせていただいたんですけれども、その中で、入っていく中で難しかったことが大きく3つあります。
1つ目は、例えばコーディネーターとして地域との連携を求められるということで入っていったところではあるんですけれども、先生方から、なぜ生徒指導をしないのかとか、もっと生徒に厳しく接しなさいということで、生徒指導をするように言われることがあったりというところがありました。
2つ目は、例えば生徒と一緒に生徒を育てていこうというところは先生方と協力していく中で、いや、でもこの生徒の情報は見せられないよねと情報を遮断されたりすることがあったりもしました。
3つ目は、私たちも開かれた地域に生徒を出していきたいという思いで、例えば福祉系の大学に進学している子に、社協が開いているイベントを例えば提案したりしたときとかに、そういう余計なことはしないでくれというようなことを言われたりとか、やはりなかなか協働していくのが難しいという側面がありました。
【今村委員】 ということで、今学校は、よくも悪くも教職免許を持った方々が、教員として働いているのがほとんどという場ですので、そこでの前提、常識、生徒指導の方針なんかというものがある中に、別のロジックの観点を持った人が入っていき、地域とつなぐといっても、なかなかそれをリソースにしていくには、理屈が違うので、そういう意味では潰れるというケースもありました。
カタリバが別の学校に配置したコーディネーターも、あんた、学習支援ぐらいはできるんでしょうとかと言われて、学習支援のために来たんじゃなくて、地域とつなぐコーディネーターで来たんですけどと言ったら、じゃ、取りあえずそこのリンゴむいておいてもらってもいいみたいな感じで、リスペクトされないといいますか、外部の人が入ってきても、できることは基本ないんだよみたいな扱いを受けたりする。すごく強い心と渡り歩く能力があって、やっと三、四年いると認められてコーディネーターみたいな仕事がやっていけるという、この厳しい職域の市場に若者が入っていくのかというところが、現状非常に難しいと思っていまして、「社会に開かれた教育課程」というものを実現する上で、外部人材が参加していくことは現状非常に難しいけど、やっていくべきことだということを投げかけさせてさせていただいて、終わらせていただきます。
以上です。
【貞広副部会長】 ありがとうございました。熱の籠もった御提案をいただきましてありがとうございます。
それでは、今いただきました清水委員、今村委員の御提案も踏まえながら、意見交換を進めさせていただきたいと思います。おおむね20分弱ぐらいお時間を取れるかと思います。できるだけ簡潔に御発言いただけますようお願いいたします。それでは、御発言を御希望される方は、手を挙げるボタンを押してください。
では、最初に小林委員、そして次に石井委員の順番でお願いいたします。
【小林委員】 福井市の至民中学校というところの校長をしております小林です。お二方とものお話聞かせていただいて、誠に学校側としてどんなふうに受け止めているかということを、ちょっとお伝えしたいなと思いました。
最初、昔は開かれた学校と言われまして、学校をとにかく地域にも世の中にも開きなさいということで、その時代はすごく学校としては負担だったんです。例えば土日にもお仕事をしなければいけない、あるいは学校内だけでも大変なのに、地域に出ていけと言うのかと、もう先生方は負担しか感じられなかった。
ところが、やっぱりこうやって何年も進んでいくと、今言われたような外部の方のお力に非常によるところが大きくて、今本校でも、キャリア教育コーディネーターという専門の資格を持った方が入ってくださっていて、企業と学校をつないでくれたり、あるいは本校では公民館の方が非常にいいつなぎになってくださって、PTAの方とかもいろいろ御協力いただけるんですけど、ほかにお仕事があるのでなかなか難しいところが、公民館の方は地域活性化ということ自体がそのお仕事なので、すごくその地域の活性化に対して、子供たちに直接働きかけてくれるようになりました。
地域コーディネーターの方も、あるいはキャリア教育コーディネーターの方も、皆さん最近変わってきたことは、先生を通さず直接に生徒に関わってくださる。そうしたら随分学校は楽になって、今、公民館の方はうちの学校で言うと、直接生徒会の子たちに地域行事の役員になってほしいという依頼が来て、子供たちは先生を通さずに、公民館の方と一緒にいろいろその地域行事を運営しています。
それから先日は避難所で、もし避難所が開設されたときに、中学生としてそこの避難に来られた方にボランティアをしてほしい、その練習をしてほしいという授業を、学校で公民館の方がしてくださいました。先生は全くノータッチで、1時間だけ授業としてやらせてくださいと言われて、そこの学校の体育館を使って、避難所をモデル化して、それをやってみるというような取組もしました。
それからもう一つ、今、地域の語り部を育てる取組というのも公民館の方が持ってきてくださって、おじいさん世代は地域を語れるんだけど、お父さん、お母さん世代はもう今語れないと。おじいさん世代から中学生に直接地域のよさを語る取組というのをやってくださって、生徒たちは今度、中学生から小学校へ出向いていって、その地域のよさを語り部として伝えると。その指導も全部公民館の方がやってくださいます。
なので、外部の方が入ってくださることは最近はとてもありがたくて、外部の方々も子供たちと実際に接することが非常に上手になられて、授業一つを取っても、非常に子供たちの心に響くようなやり方、あるいは活動を取り入れた、本当にすばらしい、先生顔負けの授業をしてくださるので、そういうことが上手に連携されて、もっともっと日本全体で子供たちを育てていこうという雰囲気が出来上がるといいなと思いまして、PTAの方のお話も聞かせていただくと、PTAと子供を直接つなぐってなかなか難しいなと思って、それはどうしたらいいのかなと、また皆様方のアイデアがあったら教えていただきたいと思います。
すみません、以上です。
【貞広副部会長】 ありがとうございます。
では、石井委員、お願いいたします。
【石井委員】 御発表ありがとうございました。それぞれ非常に興味深く聞かせていただきました。この前の最初の全体会のところでのコミュニティ・スクールの話もありましたけれども、このビジョンの共有というか、これはやはり大事なんだけれども、分かったつもりでなかなかできていないということかなと思うんです。まずビジョンを共有してから動き出すじゃなくて、実は動きながらずっとビジョンを共有し続けていくことが大事なんだろうなということを思いました。
だから、そのときのビジョンの共有というのはつまるところ、子供たちをめぐっての、先生もそうだし、いろんな地域の人とか保護者とか、それ以外の外部の人とかといったものが、共同責任の関係というか、それをどういうふうにつくっていくのかということだと思うんです。常にこういった取組をしながらビジョンをずっと共有し続けていく。段階論ではなくて、それをし続けていくものなんだなということを改めて思ったところでもあります。
その場合の連携関係とか協働関係をどう構築していくのかということで、様々な形での風景の擦れ違いみたいなものもあると思いますし、やはりそこでの文化の違いとかそういったもので、なかなかそこがうまい具合に進んでいけば、もっとみんなで本当に子供たちを育てて見守っていくという形になっていくんじゃないかと思うんです。そのヒントは、先ほど小林先生のほうからのお話もなるほどなと思って聞いていました。子供を直接やっぱり見て、そこに関わっていくというところです。ややこしかったら、もう先生を通さずにというのは本当にそのとおりだなと思って。
でも多分、先ほどの大槌高校のほうでも、先生を介さずにというか、そういうオプションとか、その辺りのこういう形でやっていくのがいいんじゃないかということもお伺いしたいところでありますし、冒頭のPTAの清水委員からのお話のところでも、保護者からの参画というか、いろいろ協力したいという声もあるんだというあたりです。そこでの参画の在り方はどうあればいいのかというところ、少しこの辺をお伺いしたいなと思いました。
それこそ学校の側から保護者への発信とか共有が大事ということは、本当にそのとおりだと思います。やっぱりこれから学校改革するときに、私もいろんな学校に関わっていますけれども、広報ってすごく大事。それでやっぱり巻き込んでいくということはすごく大事だと思うんです。
ただそのときに、学校と保護者がそれぞれ別にある感じがして、保護者の中でも、横で共有していくじゃないですけれども、逆に保護者の側がもう、学校でこういうことをやっているよということをほかの保護者に伝えていくじゃないですけど。だからそういう展開とか、保護者が学校に関わって参画していくということのイメージ、そこをどう捉えていくのかということが大事かなと思います。
それとちょっと関連して言いますと、特に高校とかの改革、主体的・対話的で深い学びに向けた授業改善とかというふうに言ったときに、実はこれは、子供自身あるいは保護者が、やってくれるなということもちょいちょいあるんです、進学を考えたときに、やめてくれと。そこをどう考えるか。
だから実は主体的・対話的で深い学びというのは、先生方自身のバリアもあるんですが、実はそのときに学校で目指している学習観と、その学校外側で進学準備とかということで単純化されている学習観との間に、結構ずれが出てきているような気がするんです。多分そういうことも含めてのビジョンの共有かなという気がします。ただその保護者の側のある種の声が、逆に授業改善をストップさせてしまうところもあったりするので、そういうあたりも、どういう形で保護者からの関わりがあるのかなということをお聞かせいただけたらと思います。
あとは大槌高校、今村委員からの御発表に関しては、まさに特に探究とかをやっていくときに、やっぱり地域のリソースを発見するとか課題とかを自分たちが立てていくのは、本当に大変だと思うんです。それを面で展開していくときに、その地域のリソースの発見をするような、そこをつないでいくようなコーディネーターって、私はすごく大事だと思うんです。そのときにやっぱりコーディネーターの役割とか、ある種の専門性というんですか、こういう部分が大事ですよということを教えてもらったらいいなと思いますし、あとは学びを支援するときに、やっぱり先生との協働というのは出てくるわけです。その場合の教員の役割というんですか。
そこで、本当に確かに外部に冷たいというのは、私もいろんな形で見ていてちょっと感じるところもありますけれども、そういう部分に対して、しかし一方で日常的に子供たちの学びを支援していくときに、その支援コーディネーターの方がずっと住み込んで入っているんだったら、見ていくことはできますけれども、そうでない場合に多くの学校では、教員がある程度伴走していくところも結構多いと思うんです。ほかの人との伴走を見守っていくというか。だからそういう部分での教員の役割みたいなものをどう考えたらいいのかという辺りを教えていただけたらと思います。
すみません長くなりました。以上です。
【貞広副部会長】 石井先生、ありがとうございます。今幾つか御質問をいただいていますけれども、ほかの委員の方の御意見もいただいて、まとめて最後に清水委員と今村委員にお答えいただければと存じます。
それでは次に、市川委員、お願いいたします。
【市川(裕)委員】 全国特別支援学校長会の市川でございます。
まず、清水委員のPTA活動のことについてなんですが、本校でもPTAの方とお話をして、なかなかPTAの役員をやってくれる方がいないということを聞いています。そんな悩みも相談に乗ったりなんかしていますけれども、私の方針とすれば、先ほど話があった、PTAの方に運動会とか文化祭の窓口受付の手伝いしてくれなくていいですよと。PTAの方はPTAの方が望む活動をしてほしいというお願いをしていて、その中で、特別支援学校の世界なんでしょうけど、地域の福祉避難所の設営とか、もしくは学校卒業後の地域の受入れとか、インクルーシブ教育を進めるための理解啓発みたいなものを、PTAの方が担ってくれている部分もあると思っています。ですから、学校が担う役割と保護者の担ってくれる役割、そこら辺を分けていくことが大切かなと思っています。
また、全ての保護者の方とお話をすることはなかなか難しい。私も年3回は全校の保護者会をして、保護者の方を招いて、学校の経営方針等をお話ししますが、全ての方が来ていただくことというのはなかなか難しい。そのときに、変な言い方になりますけど、私はPTAの役員の方と結構よく話す機会を持っています。PTAの保護者控室もありますので、そこにたまに顔を出して、今の学校の課題はこんなのですけどとか、もしくはコロナのことでこんなことをやらなくちゃいけないんですけど、保護者の方、どう思いますかねみたいな、非常にざっくばらんに話をします。そうしますと役員の方が、保護者の気持ちは、校長、そうじゃないよと教えてくれることもあります。
またPTAの会長のほうから、保護者の意見や何かを私のほうで聞くからというふうに言ってくれることもあります。学校運営連絡協議会等にPTA会長も入っていますので、会の中で役員の方等がPTAの代表として出てくれて、私と意見交換する機会というのも有効なのかなと思っています。
2番目に今村委員のお話なんですが、特別支援学校もしくは特別支援教育の世界においては、専門家の方の御協力が非常に不可欠になります。児童生徒の障害の状態とか、また一人一人のニーズを把握して、地域と連携していくためには、PT、OT、心理士、もしくはケースワーカー、もしくは図書館司書の方等、非常に多くの専門家の方と特別支援学校が連携をしています。
そのときに2つありまして、この頃、外部専門家という言葉は使わないほうがいいんじゃないという意見が私のところに来ています。もう外部じゃないよ、学校の中身だよということを言われていて、専門家という言葉を使っていこうかと思っています。
2点目、私の学校もそうですけど、いろんな機会でそういう方とお話をするときに、臨床発達心理士の方等が学校に御支援いただくときに、どういう教育課程なのか分からないということをよく言われます。要するに、特別支援学校の場合には自立活動という教育課程があって、そのことを御理解した上で御支援していただきたいんですが、学校の求める支援がどういうものかというのは、我々は教育課程もしくは学習指導要領に基づいて指導しているわけで、そのことを御理解した上でいろんな支援をしていただきたい。
そう思っているんですが、専門家の方はそこが少し分かりにくいので、どうやってやっていったらいいのか、悩むときがあるんですよと言われています。ですから、連携においてはお互いが分かりやすいということがありますが、学校は学校の立場がある。その立場というのは何かというと、学習指導要領であり教育課程であるということが大切なのかなと思っています。
すみません、以上です。
【貞広副部会長】 どうもありがとうございます。
ではこの後、大字委員、山中委員の順番で御意見をいただきます。ほかにも御意見を頂戴したいところなんですけれども、大変申し訳ありません、時間の関係で山中委員までとさせていただきたいと思います。では、大字委員、お願いいたします。
【大字委員】 ありがとうございます。全国連合小学校長会、小学校の校長として、今お話をいただいて、また今の学校の現状などをも少しお話ができればなと思います。
まず清水会長から、校長が替わると学校の雰囲気が変わると、PTAのお立場でこういうことをまた明確に言っていただきまして、いや、校長が替わって学校が変わらないと、校長のやりがいがないなと思っていますので、今回もこういう形で言っていただいて大変ありがたいです。
校長はオーケストラで言えば指揮者だと思いますので、指揮者が替わればオーケストラの音は当然変わるわけで、演奏者の力量が上がらなくても、指揮者が替わるだけで、いい音が出たり違う音になったり様々するので、校長のこの役割の重さというのを改めて感じたところです。これからも頑張っていきたいなというのを感じさせていただきました。ありがとうございます。
私自身は、家庭と学校は子育てのパートナー、とにかくパートナーシップが一番大切だから、どちらもオープンマインドで、思ったことを何でも言い合える、そういう雰囲気を校長がつくっていって、教職員や保護者の方一人一人に浸透していくことが大事だなと思っています。簡単なところから言えば、例えば校長室の廊下のドアを全開にしておくとか、もう常にカーテンを開けて、いつでも校長室が見えるようにしておくとか、いつでも来てねというような空気感を出して、あっ、何を話してもいいんだ、どんなことでも学校は相談に乗ってくれるんだというあたりから、一歩一歩進めていきたいなと思っています。
また地域の方とは、とにかく学校は地域と共にある学校なので、地域と一緒でなければ、それは公立の学校ではありませんので、もうこれは土台です。本校もコミュニティ・スクールですので、当然様々な方が学校に参画をしていただいて、いろんな御協力を得ています。常に思っていることは、ウィン・ウィンの関係でやりたいなと思っています。学校の主張だけを言うのではなくて、やはり地域にとっても学校と共に活動することでプラスがある。学校もウィン、地域もウィン、保護者もウィンというような、ウィン・ウィンの関係を常に中心に置いて教育課程を組み立てていきたいですし、接していきたいなと、そんなふうに思っています。
また、このコロナ禍でコミュニケーションが不足しているというのは全くそのとおりで、とにかく健康と安全最優先で、これを最優先にしないと学校は成り立ちませんので、コミュニケーションに難があるなと。そこで今一生懸命やらなきゃいけないのは、オンラインを最大限活用するということです。例えば校長の方針はホームページに動画で貼りつけて、いつでも見てもらえるようにしてあります。これは本校の話です。
ただリアルのところも大切で、保護者会や個人面談は、もう感染対策を最大限にしてやる。リアルにやる。個人面談はこういう状況なので、ふだんよりも時間を長く設定して、担任と保護者の方がゆっくりしゃべれるようにする。そんなこともしていますし、子供の様子をなかなか見ていただけないので、学校のホームページの充実をとにかく進めて、学校のホームページに、子供の活動の様子が日々リアルタイムでたくさん更新されていくというようなことも必要かなと思っています。
コロナの状況でできないことはたくさんあるんですけれども、次の学校教育の在り方のアイデアはたくさん生まれているので、また保護者の方や地域の方と一緒に前に進んでいきたいなと、そんなふうに思っています。いろいろありがとうございました。
【貞広副部会長】 ありがとうございます。
では、山中委員、お願いいたします。
【山中委員】 全国特別支援学級設置学校長協会の監事をしております山中です。
小学校の校長の立場からということで、外部といいますか、要するに教員以外の方の活用と、まず学校経営という視点なんですけれども、これからの学校って、ポストコロナということで考えた場合に、もちろん学校の働き方改革のこともあるんですけれども、たくさんのいろんな方の力を借りていく、それから学校にもいろんな人が入ってくるというのが、多分当然の世の中になってくると思うんです。本当に言うと、数年前を考えても、学校の中を見たときに、いろいろな方が入ってきているのが現状だと思います。
そのときにやっぱり学校の管理職として求められる力の一つとして、そのいろいろな方をどういうふうに使っていくかということがすごくあると思うんです。いろんな方が来ていただいていても、管理職のほうがうまくそれを使い分けていないと、結局教育課程のこととかと関連してくるので、今後管理職の力の一つに、外部の方、それから多分行く行くはコミュニティ・スクールということにつながっていくと思いますけれども、それをどういうふうにつくっていくかということと大きく関係してくると思います。
校長が替わると、というお話があったんですけれども、校長が替わっても、いいほうに学校が変わっていけばいいんですけれども、あれっ、去年と全然違うとかということでは困るんであって、校長が変わってもやっぱり変わらない部分というのもつくっていかなきゃいけないのかなということで、外部の力を使うということと管理職の学校経営ということ、それが1つと、あともう一つ、そうするといろんなことがこれから変化していくと思うんです。
タブレットが入って、今回どこの学校もオンラインに挑戦していると思うんです。ただオンラインの授業の在り方が、どういう在り方がいいのか、とにかく今やれるところからやりましょうというところに来ているので、どんな形がベストなのかというところに、今向かっているところなんです。そう言って、いろいろなものがもう変化していくときに、変化していくことと、外部の方がどんどん来ていただいて、学校の教育課程というものが何を軸にしていたのか、中心というものが見えなくなってしまうようでも困ると思うんです。
だからその辺の変化と、昔から言われている不易と流行というところにも関わってきますけれども、その学校としてきちっとしていかなきゃいけないものと、変化していかなきゃいけないもの、たくさんのものを活用していくというところですか、その辺も、今後何でもどんどん取り入れていけばいいということではないことも、学校としてはあるかなと思います。
以上です。
【貞広副部会長】 ありがとうございます。
それでは、特に石井委員の御発言のところに、清水委員、今村委員に対する御質問もございました。それも含めまして最後に、清水委員と今村委員に、大変恐縮ですが、お一方2分程度でコメントをいただければと思います。まず清水委員、お願いいたします。
【清水委員】 皆さん、ありがとうございます。まず、私たちはPTAという立場で、遡ること、去年ちょうどコロナが蔓延し始めた頃に、各学校の先生方が、授業が終わった後に、それぞれ皆さんアルコール消毒を、一つ一つの机であったり、椅子であったり、教室の中を御熱心に消毒されているという姿を、見たり聞いたりしていました。
そこの中で、本当にいろんなPTAの皆さんが思ったのが、そういったところを例えば先生方がやるんじゃなくて、PTAに声をかけてもらったりだとか、PTAが保護者に声をかけて、ボランティアを募って、そういった時間に入らせてもらって、消毒とかをやりますよという話をいろいろさせていただくという、そんな動きもしました。
ただ、当時は先生方も本当にそこまで保護者に入ってもらっていいのかどうかと、非常にその判断基準も悩まれたとは思うんですけれども、なかなかそういうふうにうまくいかなかったこともあったんですが、要は何が言いたいかというと、我々PTAの立場というのは、先生方にはとにかく、1分でも1秒でもたくさん生徒たちに向けて教鞭を取ってもらう、そういう時間を取ってほしいんです。
いわゆる、よく多忙化、多忙化と言われています。先生方の御負担、長時間の超過する時間というのは、相変わらず変わらないようなことも聞いておりますけれども、少しでもその時間の中に、本来ならこれは先生方がやるべきことじゃないんじゃないかなと思うところがたくさんあるような気がするし、そういった困ったことを、担任の先生方から直接なかなか言いづらいところがあれば、そこは例えば副校長先生であったり、教頭先生であったり、場合によっては校長先生から、ちょっとこういったところが困っているので助けてもらえないかなみたいな、そういうざっくばらんなやり方をもっともっと広く言えるようになると、いろんな意味でそこから協働が始まって、いろいろと協調して、よりよい関係がもっと高くなるんじゃないかなと思っているところでございます。
すみません、ちょっと答えになっているかどうか分かりませんけれども、そんな思いでPTAのメンバーは頑張っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【貞広副部会長】 ありがとうございます。
では今村委員、お願いいたします。
【今村委員】 ありがとうございます。今、先生方からのお話にもあったんですけれども、この資料のほうにも最後のページに書かせていただいたんですが、やっぱり生徒たちの特に高校段階の探究とか、または中学校、小学校の不登校の子たちの中にはギフテッド傾向の子がいたりとか、もっと伸ばせるところがあるというような、個別的なところに対応していくためのリソースというのは、本当に社会の中にたくさん転がっていると。校長先生にはとにかくそれをつないで、教員と外部の人材を指揮者として位置づけていただきながら、仕事、役割を与えていただくということが、よりこれから校長先生の重要なミッションになってくるんだと思います。
先ほどお話ししたとおり、コーディネーターとか外部の人材は、位置づけてもらい切らないと、つらい思いをするということになりがちです。やっぱり先生は尊敬されたいし、いい仕事していると思いながらモチベーションを保ちたいものは、人間全てそうですので、こういう役割を果たしてほしいということを明確にしていただいて、その上でちゃんと位置づけていただく。で、できればフルタイムでというような学校も出てきている中で、これはこの部会ではないところですけれども、ちゃんと待遇も改善していけば、コーディネーターという職域もきちっと整備されていくように思っています。
やっぱり最終的には学校に、学校の先生だけじゃなくていろんな専門性を持った人たちがたくさんいる、職員室が聖域ではなくて、いろんな人が出入りするコミュニティースペースみたいになっていきながら、いろんな目で生徒たちの個別的な事情を見守る、そういう体制にしていけるといいなと思っています。大変難しいことかと思いますけれども、そんな日本の教育をつくっていけるように私も頑張りたいと思います。
以上です。
【貞広副部会長】 ありがとうございます。まだ御意見いただきたいところですけれども、時間の制約がございまして、意見交換は以上とさせていただきます。
この後、委員の皆様方には全体会に戻っていただくことになりますので、まず一度御退出いただきまして、接続マニュアルに従い、再度全体会のほうに御入室いただけますようお願いいたします。
では、以上でございます。ありがとうございました。



【荒瀬部会長】 再び一緒に進めたいと思います。よろしくお願いいたします。Aグループ、Bグループ、どちらのグループにおかれましても積極的に御議論があったと思います。時間の関係でお話しになれなかったら委員の方もいらっしゃるかもしれません。申し訳ありませんでした。また御意見は事務局のほうにメール等でお知らせいただければと思います。
では両グループそれぞれに、市川副部会長、貞広副部会長から、どういう内容を御議論いただいたかということを交流していただきたいと思います。では、初めに市川副部会長、よろしくお願いいたします。
【市川(伸)副部会長】 Aグループのほうの議論ですが、まず最初に御発表がありました。
梶谷委員のほうからは、タイトルは「学校と企業の連携・協働について」ということです。この中でかなり梶谷委員が強調されたことというのは、学校と連携することが企業にとっても非常に重要だし、大きなメリットがあるんだと。お立場として、地域を基盤とする中小企業なのだと。
そこでは、地域にある学校に対して企業というものを知ってもらうこと。それから特に職場体験とかインターンシップを受け入れるとか、またSDGsなどをテーマにした探究活動などで、企業の社員の方もその中に入っていって、何か指導する立場になったりするということ。これは企業側の社員の人材育成という意味でも非常に意味があるのだということ。そういう学習プログラムを学校でも活用していただけるといいと。そこではコーディネーターの存在がやはり大事になるだろう。どちらにしても、学校と企業がウィン・ウィンの関係になるような連携ということをこれからも考えていきたい。そういうお話でした。
若江委員のほうですけれども、キーワードというのは持続可能な社会だったかなと思います。これは学校でも企業でも共通して、今考えなくてはいけない非常に大切なテーマです。それに向かって連携していくということです。企業の中でも随分その考え方が、この20年くらいの間に変わってきているというお話が最初にありました。
最初は社会貢献とかそういうところから出てきたわけですが、それがCSRとかCSVになってきて、共通の価値観をどうやって社会で共有していくか、そのときに学校と企業の連携というのも必要になる。その中で、学校のニーズに応じた支援をやっていくということで、いろいろな例も出していただきました。出張授業のようなものもあるし、教材提供のようなものもあると。それから、教員研修に企業が参画するというようなことも具体的にお話がありました。
それに対してほかの委員からの御質問がいろいろありました。御質問は多岐にわたるんですけれども、特に私のほうも、こういうことが大きな疑問としてもあるのかなということをまとめますと、確かに両方で連携して、この持続可能な社会を実現していくとか、あるいは子供たちにとっては、社会に出て、企業で働く方が多い中で、企業側からも情報提供する。実際にいろんな経験をしてもらって、企業の活動というものを知ってもらう。その中から選択してもらうというようなことがメリットとしてあるんですけれども、コストもかかるのではないかと。
コストとしては、まず企業のほうですけれども、それだけ学校教育に入っていくということが、費用の面でも、それからそこに人を投入する、社員に仕事をしてもらうという意味でもコストがかかる。ここら辺がやはり企業の中でも営利ということは考えなくてはいけないので、本当にそれに見合うと判断してやっていただけるのかどうか、このコストの問題はどうなのかということです。
それから学校側のコストなんですけれども、企業が関係して支援してくださるのは非常にありがたいことなんですが、学校のほうでもかなり先生方も多忙化していて、どうやって企業と連携していくのかとか、時間をどうやってそこでつくっていくのか、打合せをするにも時間がかかる。その中で、学校側のコストがかかるんだけれどもというような御意見がありました。どちらもメリットもあるけれどもコストもかかる。この辺りをどうやって解決していったらいいだろうかということでした。
また最後に梶谷委員と若江委員からも御意見をいただいたんですけれども、長い目で見れば、やはりこういう学校との連携ということはメリットがあるんだと。企業からの言い方にすると、長い目で見たときの投資ということになるのかもしれませんが、投資と言われると学校側は少し抵抗があるかもしれませんけれども、でもこれからの社会をつくる、それからこれからの企業を発展させるという意味で、やはり長い目で見れば、目先の利益にとらわれず、これは大事な活動なのだという認識を持っていきたいということでした。
それからやはりこのファシリテーターの役割が必要と。ファシリテーターは企業の中で育てるということも必要ですし、学校の中で先生にファシリテーターになってもらうということも大事。あるいはその他、教育委員会であるとか、どこかでコーディネートをするような人材を育てることがやはり大事なことであると、それは両方から出てきた問題。学校側からも企業側からにしても、コーディネーターをどう育てていくかということの重要性が指摘されたと思っています。
私からは以上です。
【荒瀬部会長】 ありがとうございました。
では続いて、貞広副部会長、よろしくお願いいたします。
【貞広副部会長】 B部会のほうでも多様な御意見をいただきました。
まず、清水委員、今村委員から御提案をいただいた後、皆さんから御意見をいただきましたが、時間がかなり押しているようですので、それぞれの御提案についてはお手元の資料を御確認いただければと存じます。その上で、私のほうからその要点を少し申し上げたいと思います。
まずキーワードとして、エデュケーションではなくて共に育てる、「共育」というキーワードを出していただいております。これは学校だけではなく、保護者、地域、または地域とつなぐ外部人材が一体となって、子供たちの健やかな学びを保障していくということであろうかと思いますけれども、今般のコロナ禍で、こうした連携の土台となるコミュニケーションがなかなかうまくいかない、または社会の変化に連動して教育の姿も変わっていく。その中で子供の育ちについては、地域にとっても、特に保護者の方々から見てもいろいろな気がかりがある中で、ぜひ連携して子供の育ちを保障していきたいと強く考えているというところの問題意識を共有させていただいています。
そのときに保護者や地域、または地域とつないでくださる外部人材の活用によって、新しい教育を考えていくということになるんですけれども、今までこういう経験がなかった学校にとっては、ただただ連携のための負担が増えるであるとか、または学校の当たり前や地域や保護者の当たり前、これをリテラシーと言うのかもしれませんけれども、その当たり前が必ずしも最初から一致しているわけではないので、この負担感であるとか、リテラシーの違いをどう超えていくかということに、少し工夫をして、それぞれをどう理解して役割分担していくかという視点が非常に重要であろうということも示されまして、委員の方々からは、いくつかの方法の御提案もいただきました。
例えば外部人材の方に、教員を介して子供に関わってもらうのではなく、信頼を醸成した後であることになるんですけれども、直接子供と関わってもらって、そこで教員を介さない関係性をつくっていってもらうということも一つ、負担増を超えて、またはリテラシーの違いを、むしろいいものとして活用していく方策として御提案いただいたところでもあります。
また、そうしたリテラシーの違いや負担増を超えるためには、質的にコミュニケーションを高めるというだけではなくて、何らかのシステム、誰がやっても、どういう方が来ても同じように機能できるようなシステム構築やそういうものを、積極的に横展開して活用していくことも必要であろうということになります。
その先には、今や外部人材や連携というものが、新しいものとか特別なもののような言われ方をしているわけですけれども、そうしたリテラシーの違いを超えたりシステム構築がなされたりする先には、連携とか外部人材の活用といったものも、もうこれは学校にはなくてはならないもの、当たり前のものになっていくであろうという未来予想図なども御提示いただきまして、さらにはそういった先には、外部人材という言い方自体があまり適切ではなく、むしろ外部人材の方々も、学校教育の本丸で子供たちの教育を支えていく人たちになるであろうということも示されました。
さらには、そうした方々も学校の本丸になっていくということになりますと、今、職員だけが学校管理職にとっては人材マネジメントの対象になっているわけですけれども、地域の方や、外部人材、専門職の方々も含めて、どのようにそうした人材リソースを子供たちの学びと育ちに活用していくかという校長のマネジメント能力が、今後さらに重要になってくるであろうというような御提案もいただいております。
雑駁になりましたが以上でございます。
【荒瀬部会長】 ありがとうございました。両方のグループとも非常に活発な御意見があったということでありますが、私はちょっと1人だけ役得で、前半はAグループ、後半はBグループに参加させていただきまして、御議論のほうはBグループの御議論を聞いておりました。非常に学びの多かった時間だと思います。これは何人の方がそれぞれ御発言なさったかというのを考えますと、通常の教育課程部会ではなかなかできないことができたのではないかと思います。もう少し時間を延ばすとかも含めて今後また、両副部会長と事務局の皆さんと相談しながら進めてまいりたいと思います。
ちょっと1つだけ申し上げたいと思いますが、私はやっぱり自分自身が学校におりました関係で、それこそBグループで至民中学校の小林先生がおっしゃっていましたけれども、開かれた学校という言葉が出たときに、何を開くのか、何のために開くのか、基本的にそういう面倒なことはしたくないという思いが、私は非常に心の狭い人間でありますので、特に強く思ったわけです。
中でやっていく、我々は専門家であると。ただこの専門家であるということ、しかも学校教育の主体であるということ、これは間違いないわけですけれども、ただ子供を育てるという意味で、共にどういう力を子供たちにつけていって、幸せな個人を育てるのか、そしてその個人が集合する形での幸せな社会をつくっていくのかという、そこのところで一致できるのは何かというと、結局もう今日いろんな方がおっしゃっていました話の中にあったことですけれども、要は教育課程であるということですよね。どういう教育課程をつくるのかということだと思います。
言葉としては、今も貞広先生がおっしゃいましたけど、外部という言葉はもう使わないほうがいいじゃないかというようなお話、これは市川裕二先生もおっしゃっていまして、使わないんだということですが、これは使ってしまうことも当然あると思うんです。でも、実は外部という言い方の中身は何なのかというと、様々な異なる多様な視点をそこに入れていくということの重要性だと思うので、外部という言葉を使うか、使わないかということではなくて、様々な異なる多様な視点を子供たちの育ちに向けて置いていくということで考えていく。
その際に、共通の我々の集まれる場所といいますか、それは教育課程、カリキュラムであって、それをどうマネジメントしていくかということが非常に重要になってくる。すなわちそれは、基本的な軸としては新学習指導要領の着実な実施でありますし、それに向けて具体的に取り組んでおられる学校の先生はもちろんですけれども、学校に属していらっしゃらないけど学校教育に関わっていらっしゃる多くの方の御意見を重ね合わせながら、子供たちの成長を願っていくということが非常に重要かなということを思った次第です。
今日は本当にありがとうございました。とりわけ話題提供していただきました梶谷委員、若江委員、そして清水委員、今村委員、本当にありがとうございました。
すみません、進行が毎度まずくて、話が長くなって申し訳ありません。事務局のほうから、あらかじめ皆さんには少し延びる可能性があるということで連絡をいただいておりますが、冒頭申し上げました科学技術・イノベーション会議の教育・人材ワーキンググループについて、少しここで押さえておきたいというふうに思っています。事務局から、このワーキンググループの概略につきまして、まず簡単に御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
【石田教育課程企画室長】 ありがとうございます。資料を共有したいと思います。参考資料2-1ということでお配りしておりますものを中心に、少し概略を簡潔に御説明したいと思います。
こちらの趣旨というところにございますように、総合科学技術・イノベーション会議の下に教育・人材育成ワーキンググループというものが設置されてございます。
調査・検討事項といたしまして、科学技術・イノベーション政策と教育・人材育成政策の連携を戦略的に図りながら、初等中等教育段階からSociety5.0時代の学びを実現し、好奇心に基づいた探究力の強化に向け、STEAM教育など問題発見・課題解決的な学びの充実を図るための具体策について、調査・検討等を行うという趣旨で設置されているものでございます。
参考資料2-2にございますように、そうした趣旨から、総合科学技術・イノベーション会議の委員の先生方、そして中央教育審議会、産業構造審議会の委員の先生方にも参画を賜りながら検討を進めておられるということでございます。秋田先生、荒瀬先生、今村先生、戸ヶ﨑先生、中島先生に教育課程部会からも御参画をいただいているところでございます。
このワーキンググループは、8月18日にキックオフミーティング、9月16日に第1回会議が開催されまして、本日は参考資料2-3として、第1回会議の事務局の資料をお配りしているところでございます。
簡単ではございますが、本ワーキンググループの概略でございます。
【荒瀬部会長】 ありがとうございました。今御紹介いただきましたように、この教育課程部会からも委員が参加しているわけですけれども、今日資料も御提出いただいております戸ヶ﨑委員から、大変恐縮ですが、簡潔にこの会議に御参加なさってのいろんな思いでありますとか、考えでありますとか、お聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【戸ヶ﨑委員】 荒瀬部会長、秋田委員、今村委員、中島委員の皆様を前に、大変僣越ではございますが、大きく2つの意見を述べさせていただきます。やや長くなりますので、読み原稿を提出させていただきました。
まず一つ目は、総合科学技術・イノベーション会議 教育・人材ワーキンググループの議論に関連して、教育課程部会として共通認識を持っておきたい事項について、8月18日の「総合科学技術・イノベーション会議 教育・人材ワーキンググループに向けたキックオフミーティング」に出席した際に発言した内容と一部重複する内容もありますが、発言させていただきます。
本日の教育課程部会でも、「社会に開かれた教育課程」の議論がありましたが、変化が激しい時代の中、社会の変化をしっかりと教室の中に入れていくことが必要だと考えております。そのためには地域や民間企業との積極的連携も重要になってきます。このような話題について、広い視点から省庁連携で議論を深めることができる機会として、総合科学技術・イノベーション会議、産業構造審議会、中央教育審議会の委員がそれぞれ参画する教育・人材育成ワーキンググループは大変よい機会であると捉えております。
一方で、いくら熱い議論が行われても、それが都道府県から区市町村の教育委員会へ、そして学校の校門から入り、職員室、教室へと降りていくに従って、趣旨や魂が抜けていってしまっては意味がありません。学校の教師一人一人が、納得感を持って進む方向を理解し、一人一人の意識改革が行われ、その結果として行動変容が起こるような仕掛けを作っていかねばなりません。
そのためには、会議の在り方が、一部の先進事例のみを基に一からあるべき姿を創り出すという、言ってみれば「筋肉ムキムキ集団によるプロの試合の戦略会議」になってしまわないよう、注意しなければなりません。このような「演繹的思考」によって生み出される政策は、理想としては素晴らしいものかもしれませんが、それをトップダウンで現場に下ろしても、学校現場からは画餅に等しいと受け止められかねません。その代わりに、教育現場の既存の実践から「帰納的思考」によって、アメーバのように地道に政策を広げていくことも大切だと考えます。これまでも、日本の優れた教師たちは、意欲的に授業改善を行うとともに、子供たちに寄り添って一つ一つの問題に対応してきました。このような多くの現場の実践の蓄積を拾い上げ、着実に広げてアップデートしていくことが大切だと思います。一時の刺激的な尖った取組ならいざ知らず、今後、横展開しつつ継続的な取組とするためには、重視したい発想であると考えます。
他方で、今後の教育DXの時代にあっては、一人一人が自らゴールを設定し、自分の学びを調整するとともに、他者と対話し協働する力を育む学校教育が社会や産業をリードすることが求められると考えられます。そんな中にあって、いわゆるダイバーシティ&インクルージョンという範囲をどのように踏まえ、多様なニーズのある子供たちを学校教育の中で個別最適な学びをどう実現し、学校外とどのようにリンケージするのか。また、そのプロセスにおいて多様な教職員集団を形成しながら、スタディーログ等の教育データを利活用してEBPMやEIPPを一層推進することなども当面の課題となってくると考えられます。さらには、眼前にあるカリキュラムオーバーロードの問題など真剣に議論する必要もあると思います。
今般の「令和の日本型学校教育」答申でも、多様化する子供たちへの対応など、今日の学校が抱える課題を指摘しており、これを正面から受け止め、国の会議として対応を考えていくことが必要だと思います。なお、その際には、学校にとって過度な負担とならないよう、理念を提示するだけではなく、人的体制、物的体制の議論も表裏一体のものとして必要になるのは言うまでもありません。
第11期教育課程部会の大きなテーマとして、4月の会議で、荒瀬部会長からは「新学習指導要領の着実な実施に向けて、フォローアップをどう図っていくのか、それをどう私たちが見守っていくのかが大変重要」との御発言がありました。教育の専門家が集い、学校現場との距離も近い中央教育審議会としても、CSTI教育・人材育成ワーキンググループの議論の状況を共有する場を設けるなどしていく必要もあるのではないでしょうか。
【荒瀬部会長】 ありがとうございました。今最後におっしゃっていただきましたように、この会議の具体的な話を全て御紹介できるかどうか分からないですけれども、事務局のほうでもまたあちらの事務局とも連携を取っていただいて、教育に関する話ですので、中教審で議論をやっぱりしっかりしていくというのが非常に大事ですので、お願いしたいと思っています。
特に前段のほうでおっしゃいました、一部の先進事例のみに傾斜したといいますか、こういったことになってしまったら駄目だというお話なんですけれども、実はこのキックオフミーティングで一部の先進事例というのは、2つの高等学校の中身が紹介されました。
1つは、実は私がおりました京都市立堀川高等学校で、私がしゃべったわけでありますけれども、一応評価をいただいているわけですけれども、その取組自体、これは決してこういうことが突然降って湧いたわけではなく、ボトムアップで議論をしていった結果、一つの言わば仮説を立ててやっていた結果、こういうふうになったということで、その取組を凝縮してしまって結果だけを御紹介してしまうと、何かそれをみんなでまねすればいいんだみたいになってしまうと、これは本当に大きな間違いですので、中教審の渡邉会長が常におっしゃっていることですけれども、中教審はボトムアップ型の議論をしていくことに大変重要な意味があるということは私も全くそう思っておりまして、前のめりになった形で議論が展開しないように、今、戸ヶ﨑委員のおっしゃったことを十分考慮しながら、今後も教育課程部会としてもこちらのほうの議論を見ていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
今日は、今申しましたように今後もこのワーキンググループの話は我々も共有していくということで、ほかの委員の方も御意見があるかもしれませんが、ちょっと時間の関係で、次に進めさせていただきたいと思うのですが、特に何かございましたら御発言を。たくさんからはいただけないですが。
すみません、じゃ、手を挙げていらっしゃる中島委員、どうぞお願いします。
【中島委員】 ごめんなさい、多分手を下げ忘れていました。大丈夫です。ありがとうございます。
【荒瀬部会長】 すみません。申し訳ありません。
じゃ、末冨委員、お願いいたします。
【末冨委員】 先ほどの戸ヶ﨑先生の御発言に関わって1点と、それからあわせまして、事前に配付されておりました参考資料3-1と3-2に関わって、もう一点発言がございます。
まず、総合科学技術・イノベーション会議の動向というものをお知らせいただいてありがとうございました。私自身は事前に頂いた資料を拝見しておりますと、今ある学校の形を確実に変えていかなければならない課題があるということについて、向き合おうとされておられる趣旨もあろうと思いましたし、最も意義が大きいのは、圧倒的に学校現場に不足している資金や人員のリソース、それから時間というリソースの問題に正面から立ち向かっておられるということだと思います。
総合科学技術・イノベーション会議が省庁をまたいだ会議であるならば、日本の教育に対して十分な水準の投資が幾らであり、何人の人員が必要か、それが現在の政府投資でどれぐらい満たされているのかといったKPI評価を、政府・財務省に対して突きつけるほどの覚悟をお持ちになってなさるべきではないでしょうか。
あわせまして、中教審の機能がボトムアップ型である総合科学技術・イノベーション会議がおっしゃられていることはよく分かりましたが、どんな現場も子供も置き去りにしない議論というものを中教審でしなければならないはずです。それについてはぜひ今後時間をいただいて、私もプレゼンをさせていただきたく存じます。
あわせまして、参考資料3-1と3-2なんですけれども、第5波が今収束しつつありますが、地域によって感染状況は全く異なります。特に現在高校受験を控えている中学生、中2ぐらいの学年の保護者・生徒を通信に心配されておられるんですが、出席停止の運用が自治体によって必ずしも一致していない。それからオンライン授業の保障の仕方も違う。あわせて入試については、公立高校、私立高校ともに、一体この出席停止がどのように不利になり、かつ感染症予防、もしくは濃厚接触等による出席停止が、観点別評価に対して大きくマイナスにならないかということが全体として明確ではありません。入試や観点別評価にマイナスになってしまうのであれば無理をしてでも学校に行くという相談が、私のところにも非常に多く寄せられております。
このような状況に対して文部科学省が通知を出されたことの意義というのは大変大きいわけですが、この場を借りて申し上げたいのは、公立高校のみならず、私立高校も含めて、まず入試において出席停止、あるいは今年度の観点別評価の取扱いを大幅に柔軟化すべきであるということです。これは第6波の予防に対しても必須のことであり、感染症予防に対して正しく学校が対処できているかの試金石となることでもあろうかと思います。各設置者に改めて強くこのことをお願いされるべきであるし、文部科学大臣からも重ねての発信は必要だと考えています。
あわせまして、出席停止の運用と関連しまして、オンライン授業の出席をどうするかという問題がありますが、そもそもオンラインも含めて授業の質保証というものは、自治体責任において行われるべきものです。現在も国に何らかの基準の導入を求める動きもあるやに聞いておりますが、学校現場の努力なしには、あるいは教育委員会の支援をもってオンライン授業を認め、質を上げていくという努力なしには、国はいかようにも動きようがないはずです。
地方自治の趣旨を特に設置者たる自治体・教育委員会が正しく理解し、まず御自身たちで質の保障というもの、あるいは目の前の子供たち、保護者が感染症を正しく恐れ、行動していることに対して理解をし、学びの保障をするということに対して、真摯な取組が必要であるというふうに思います。地方の発言や動きを見ておりますと、どうも順序を取り違えておられるのではないかというふうに懸念もいたします。もちろんそのような学校や教育委員会ばかりではなく、子供たちの学びの保障に、もう全力で今この瞬間も取り組んでおられる学校、自治体に改めて感謝の念を表します。
以上です。
【荒瀬部会長】 ありがとうございました。後段のお話、大変重要な御指摘かと思います。今、文部科学省への御要望ということもありました。事務局のほうでしっかりと受け止めていただきまして、内部的にもちゃんと進めていただきたいというふうに思います。事務局何か御発言なさいますか。ではよろしくお願いいたします。
それでは、すみません、戸ヶ﨑委員、先ほどのお話でどうぞ。
【戸ヶ﨑委員】 冒頭に事務局より、オンラインを活用した学習の指導を受けた場合の出席の取扱い等について説明がありました。本市でも各学校でオンラインを活用した学習に以前から積極的に取り組んでおり、教師の努力でコロナ禍での対応だけでなく日常的な様々な授業モデルの実践が蓄積されています。これまでの既存の仕組みにとらわれず、新たな学びのモデルを構築するイノベーションのチャンスであり、また、特に習得型の学びを中心に、多様なニーズのある子供たちに、手を差し伸べられる可能性が生まれています。今後も大いに活用していくべきであると考えています。
一方で、実践を通して様々な課題も明らかになってきました。例えば、対面での学習に比べて、オンラインでは、非言語のコミュニケーションやグループワーク等が難しくなるため、質が十分に担保されない、視野が限られるため、「一覧性」と「俯瞰性」に弱点がある、学習者の感情や学びのプロセス、また、五感をフル活用したり、学びの手元を確認したりしながら定着につなげていくことが困難であり、教師が学習者のサポートをタイムリーにできない、などです。
対面による授業は、人間社会を体験する場でもあり、教師と子供の、また、子供同士の働きかけの機会だからこそ、協働的な学びなどを通じて生きる力を育むことができます。彩りのある授業にも、人としての成長にも、絡み合ったり休み時間のたわいもない会話など「密」は本来大切な要素であるとも考えています。また、150年の長い歴史を持つ対面の授業に比べ、義務教育でのオンラインでの学びは、僅か1年程度の浅い実績しかありません。その学習の質は様々であり、授業として認めるにはいかがと思われる単なる配信もあるようです。先ほど申し上げたとおり、対面の授業で日常的に行っている教師による様々な支援等が、オンラインでは難しくなっています。まだまだ課題山積のオンラインですが、とは言っても対面にはないよさもあり、質の向上に向けて日常的に努力していく必要もあります。
なお、出席の取扱いに関しては、先生方や保護者の方々の心情等も理解できます。資料にもありますが、国としては、「欠席にはならない」ということを、これまで以上に周知徹底するとともに、都道府県教育委員会においても、高校入試等の調査書において、例えば、欠席のみを記載することとするなど、不利益にならないための対応の徹底が必要であると考えます。
【荒瀬部会長】 ありがとうございます。手を挙げていらっしゃる方がいらっしゃるんですけど、大変申し訳ありません、時間の関係で最後に市川副部会長から御発言いただいて、今日はそれでとどめたいと思います。よろしくお願いいたします。
では、市川副部会長、どうぞ。
【市川(伸)副部会長】 それでは私のほうから、今日のグループでのお話を聞いていまして、1つだけちょっと申し上げようかなと思いました。
教育というのが、ここは教育課程部会ですから、学校教育、その中でのカリキュラムということを中心にもちろん考えているわけですけれども、若江委員の9枚目のスライドにありますように、教育支援から教育連携へと、学校での学習から社会でも学習というのは、私は非常に大事なことだと思っています。学校教育だけが教育ではありません。教育課程でやることだけが子供の学びでもありません。むしろ学校教育を超えた教育環境、子供を主語にするならば学習環境ということになると思いますけれども、これをどうやって社会全体でつくっていくかというのが最終的な目標になるはずです。
すると、今日は企業と学校との連携ということがテーマではありましたけれども、これは教育課程部会だからそうなっているわけで、むしろ企業も地域のリソースの一つとして、地域教育、社会教育と言われているようなところで、どんどん子供たちに対するプログラムとか、そこでは指導要領の制約というのもありません。あるいは学校にコストをかけることもありません。学校というのが、新しい学習指導要領でいろんなことが入ってきている中で、かなりもう目いっぱいの状態の中に、新たに地域の企業との関係をと。これは大事なことではある、またありがたいことでもありながら、やはりそれをしていくのがすごく大変なわけです。
それでしたらむしろ地域の中でのプログラムとして、企業からもどんどんそういう活動をやっていただいて、そこで子供たちに対してキャリア教育的なこととか、企業の社員の方もそこで、企業内での人材育成の一環として子供たちと直接関わっていく。そういうような方向をぜひ考えていただけるといいと思いました。授業の中に入るだけが教育ではありません。むしろ授業外での活動も含めて教育なんだと。今、学校と地域というのは、一緒に教育をつくっていくパートナー、こういう位置づけになっています。
先ほど、学校が何も教育の本丸という考え方では今なくなってきているという話がありました。ぜひ地域教育の中にも企業の方がどんどん入っていただいて、そこで有用なプログラムをどんどんつくっていただいて、それが本当に有用であれば、学校から逆に声がかかってくるはずです。今地域でこういうことをなさっていますけれども、ぜひうちの学校に来てやってくださいと。こうなれば話も早いわけで、ぜひそういう方面にも、今回の企業と学校の連携という話が広がっていくといいと思いました。
以上です。
【荒瀬部会長】 ありがとうございました。
それでは、御意見がおありで御発言いただけなかった委員の皆様は、大変申し訳ありませんが、文書でメール等で事務局までお寄せいただければと思います。御参加いただかなかったグループの資料を御覧になっての御意見や御質問も含めてお書きいただいてももちろん結構です。お寄せいただきました御意見は他の委員全体で共有させていただいて、ホームページにも公表させていただきたいと思っています。よろしくお願いします。
では最後に、次回以降の予定につきまして事務局からお願いいたします。
【石田教育課程企画室長】 本日は精力的な御議論をいただきまして、誠にありがとうございました。また、参考資料3につきまして、末冨先生、戸ヶ﨑先生からも御意見を賜りましてありがとうございました。国の考え方をしっかりと周知してまいりたいと考えてございます。
次回以降の会議の予定でございますけれども、後日事務局より御連絡をいたします。
事務局からは以上でございます。
【荒瀬部会長】 ありがとうございました。
では、相当長時間延長をしてしまいました。御迷惑をおかけいたしましたが、本日はこれで終了したいと思います。ありがとうございました。

── 了 ──

(委員からの追加提出意見)