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平成13年度 教育課程実施状況調査結果の分析の途中経過

中学校・数学


1.今回の調査結果の特色
1記述式の問題、2複数の段階を踏んで考えを進め、解答しなければならない問題、3長い文章の問題等の通過率が、設定通過率に比べ全体的に低い傾向がある。
同一問題の比較において、第1、2学年では過半数、第3学年でも半数近くの問題の通過率が前回を下回っている。特に「表現・処理」についての観点の問題(とりわけ計算問題)、「数学的な考え方」の観点についての問題において、前回を下回るものが多い)。また、「無解答率」が高くなる傾向がある。
数学の質問紙調査における、「問題の解き方が分からないとき、あきらめずにいろいろ考えようとしていますか」、「自分がなぜ解けなかった振り返って考えようとしていますか」といった質問に対して肯定的な回答が多いことから、生徒が予想以上に前向きな姿勢を持っていることが窺える。
学習内容の理解に関する生徒と教師の意識にずれが見られる。例えば、三平方の定理に関しては、教師の6割は「生徒が興味を持ちやすい」と考えているが、「好き」と答えている生徒は3割に過ぎない。

   なお、同一問題について、前回を下回る問題が過半数を占めた原因について、生徒の変容、教師の指導法、教育課程編成上の問題等の観点から検討を行ったが、現段階では、明確な結論は見出せていない。

2.今回の調査結果を踏まえた指導上の改善点
記述式の問題等に関する状況を改善するためには、生徒の実現状況をみとりながら、徐々に問題の記述量や、生徒に記述させる量を増やしていくといった取組が必要である。
「表現・処理」の観点の問題(特に計算問題)に関する状況を改善するためには、計算指導が大切であるが、その際の学習効果を高め、以後の学習への発展性を持たせる観点から、反復指導と併せ、種々の公式等がどのような性質に基づいて成立しているかといった意味指導を充実させることが重要である。
「数学的な考え方」の観点の問題に関する状況を改善するためには、単純に正答を得るだけでなく、何を根拠にどのような手順でその結論を導いたか、その過程で、既習知識をどのように生かしたかを、自分なりの考えを筋道を立てて説明する学習活動の充実が求められる。
質問紙調査の結果に見られる生徒の前向きな態度を、問題解決に結びつけることができるように、例えば、図形における3次元から2次元への置き換えといった、問題解決に有効な共通的な考え方を意識付けながら身につけることができるよう指導の改善を図る必要がある。



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