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平成13年度 教育課程実施状況調査結果の分析の途中経過

小学校・国語

1.今回の調査結果の特色
漢字力については、同一問題で前回の通過率を上回るものもあり、一般に憂慮されているような低下傾向は見られないものと考えられる。また、漢字の読み書きに対する関心・意欲も、質問紙調査の結果からは、高いと考えられる。
記述式の問題については、前回との同一問題9題中4題で前回の通過率を下回り、このうち、前回51.9%→今回39.3%と通過率が大きく低下したものがある。相手や目的に応じ、条件を踏まえながら書くことに課題があると考えられる。
質問紙調査の結果からは、指導内容について、教師と児童の意識にずれが見られる。例えば、「文学的な文章を読むこと」について、多くの教師は、児童にとって理解しやすく興味を持ちやすいと考えているが、児童は、必ずしもよく理解できないとの意識を持っており、「すきだった」と答える者より「きらいだった」と答える者の方が多い。


2.今回の調査結果を踏まえた指導上の改善点
表現力、特に、目的や相手、場面に応じて書く力を定着させるため、「書くこと」の領域の指導を充実させる必要がある。この点については、新学習指導要領において、目的や場面を明確にして書くことの指導の充実を図るなどの改善を行っているので、その趣旨を生かした取組が必要である。
なお、質問紙調査で明らかとなった教師と児童の意識のずれを踏まえ、今後は、児童の実態を十分に見据えて、例えば、文学的な文章を扱う場合には、導入の学習活動に工夫を凝らして、興味関心を高める、あるいは読解に偏重することなく、今改訂で示した言語活動例を参考に、多様な言語活動を行うといった指導の改善が求められる。



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