(2)教員に求められる資質能力

  • 教員に求められる資質能力については、平成9年の教育職員養成審議会(以下「教養審」という。)第一次答申等において、いつの時代にも求められる資質能力と、変化の激しい時代にあって、子どもたちに〔生きる力〕を育む観点から、今後特に求められる資質能力について、以下のように示されている。
    1. いつの時代にも求められる資質能力
       教育者としての使命感、人間の成長・発達についての深い理解、幼児・児童・生徒に対する教育的愛情、教科等に関する専門的知識、広く豊かな教養、これらを基盤とした実践的指導力等
    2. 今後特に求められる資質能力
       地球的視野に立って行動するための資質能力(地球、国家、人間等に関する適切な理解、豊かな人間性、国際社会で必要とされる基本的資質能力)、変化の時代を生きる社会人に求められる資質能力(課題探求能力等に関わるもの、人間関係に関わるもの、社会の変化に適応するための知識及び技術)、教員の職務から必然的に求められる資質能力(幼児・児童・生徒や教育の在り方に関する適切な理解、教職に対する愛着、誇り、一体感、教科指導、生徒指導等のための知識、技能及び態度)
  • また、本年7月の中央教育審議会(以下「中教審」という。)義務教育特別部会の審議経過報告においては、優れた教師の条件について、大きく集約すると以下の3つの要素が重要であるとされている。
    1. 教職に対する強い情熱
       教師の仕事に対する使命感や誇り、子どもに対する愛情や責任感など
    2. 教育の専門家としての確かな力量
       子ども理解力、児童・生徒指導力、集団指導の力、学級作りの力、学習指導・授業作りの力、教材解釈の力など
    3. 総合的な人間力
       豊かな人間性や社会性、常識と教養、礼儀作法をはじめ対人関係能力、コミュニケーション能力などの人格的資質、教職員全体と同僚として協力していくこと
  • 教員を取り巻く状況や、これからの社会の進展、国民の学校教育に対する期待等を考慮すると、これらの答申等で示された基本的な考え方は、今後とも尊重していくことが適当である。むしろ、変化の激しい時代だからこそ、変化に適切に対応した教育活動を行っていく上で、これらの資質能力を確実に身に付けることが重要となっている。
  • また、教職は、日々変化する子どもの教育に携わり、子どもの可能性を開く創造的な職業であり、このため、教員には、常に研究と修養に努め、専門性の向上を図ることが求められている。教員を取り巻く社会状況が変化し、学校教育が抱える課題も複雑・多様化する現在、教員には、不断に最新の専門的知識や指導技術等を身に付けていくことが重要となっており、「学びの精神」がこれまで以上に強く求められているものと考える。

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