令和8年8月25日(火曜日)10時00分~12時00分
3F2特別会議室(WEB会議)
【秋田部会長】 おはようございます。それでは、定刻になりましたので、ただいまから中央教育審議会第162回初等中等教育分科会教員養成部会を開催いたします。
それでは、まず事務局から、会議の開催方法につきまして説明と事務の御連絡をお願いいたします。
【岸良教育職員政策課課長補佐】 事務局でございます。まず、会議の進め方等について確認させていただきます。
本日の会議も、ウェブ会議と対面を組み合わせたハイブリッド形式にて開催させていただきます。御発言時は、画面下部のリアクションボタンにある挙手ボタンを押していただき、併せてマイクをオンにし、御発言が終わりましたらマイクをオフにしていただきますようお願いいたします。
次に、事務局に人事異動がございましたので、御紹介をさせていただきます。
まず、初等中等教育局長に茂里が着任しております。
【茂里初等中等教育局長】 茂里でございます。よろしくお願いいたします。
【岸良教育職員政策課課長補佐】 また、審議官に黄地が着任しております。
【黄地学習基盤審議官】 黄地です。よろしくお願いします。
【岸良教育職員政策課課長補佐】 以上でございます。
【秋田部会長】 どうもありがとうございました。
それでは、これから本日の議事について申し上げます。議事は、議事次第にお示ししている3点でございます。
それでは、まず、議事1に入りたいと思います。議事1は、高校生段階からの教師志望者の掘り起こしについてでございます。まず、事務局から説明をお願いいたします。
【若林教員養成企画室長】 失礼します。議事1の高校生段階からの教師志望者の掘り起こしにつきまして、説明をさせていただきます。資料1を御覧ください。
次のページ、お願いします。教師の質と量を確保するために、各大学における様々な取組がございますが、その進学前の高校生の段階から教師を志望する者を増やすなど、教師を志望する者がキャリアの具体的なイメージを持てるようにする等々の取組が重要だと考えております。こちらの論点整理においても、そのようなことが指摘されておるというところです。実際にこういった高校生の多様なニーズへの対応ですとか、あとは教師の成り手の確保の観点から、既に多くの自治体や高校において、例えば普通科の中に教員養成コースのようなものを置かれることや、学校設定科目で、教育探究のようなものを置くというような取組がもう既に独自に進んでおるところではありますが、今回、2つ目のポツで、文部科学省におきましても、地域教員希望枠を活用した教員養成大学・学部の機能強化の事業というものを令和6年度より実施をしております。こちらの事業につきましては、また後ほど説明させていただきますが、高校段階から採用までを大学が中心となって、一貫した教員確保のための取組を行うようなものです。こういった取組、この事業自体は実は今年度の新規採択までで、これ以上の拡大というのは今、予定はしていないのですが、こういった取組自体は、より多くの大学や地域に広げていくということが必要ではないかと考えておるところです。
次のページが事業の概要になります。少し重なりますが、左側の背景や課題というところで、地域において様々なニーズがあると。子供たちの質の高い教育のためには、志のある優れた教員の確保が大事だということ。ただ一方で、教員採用倍率が低下をしていると。こういった中で、少し繰り返しになりますが、大学の現場任せでもなく、大学と教育委員会が共同した取組が重要だと考えております。事業内容を具体的に見ますと、2つ目の丸でございますが、大学入学者選抜における地域教員希望枠というものを導入していただくということが一つの要件になっております。この入試に加えて、地域課題に対応したコースやカリキュラムを構築していただいたり、高校生に対する特別プログラムを構築していただいたりということがこの事業の肝になっております。教育委員会との関係によっては、こういった選抜枠で入って、こういったカリキュラムを履修した学生に対して、教員採用選考時でも、例えば特別な選考だとか一部の免除というような形で措置が取られておるというような状況もございます。とにかく教員採用試験の倍率に頼るのではなく、志のある高校生をしっかりと確保して、教育委員会と大学が一体となってしっかりと養成をすると。そういった学生が確実に採用され、学校現場の核になっていくということを目指した事業になります。
次のスライドお願いします。こちらは令和6年、初年度に採択をした大学が21機関ございまして、21を分母として見ていただいたときに、マル1の入学前の高校生に対する特別プログラムの取組を行っている、既に行っているというのが14というような形の見方になります。特別な入試を行っているのが12、カリキュラムを設けているのが11、そして教育委員会における採用選考、特別な採用選考を行っているのが5というような見方になっております。令和6年にスタートした大学の状況です。
次のスライドが令和7年に取組をスタートした大学の状況です。少し時間差があるような形になっています。
次のスライドをお願いいたします。この後、3つの大学の具体例を紹介させていただきたいと思いますが、主に高校段階の取組について御紹介させていただきます。1つ目が千葉大学になりまして、一番下の赤枠を囲ったところなのですが、左側の上が青くなっているところが教育委員会の取組、右側の上が赤くなっているところが大学の取組というような形になっておりまして、一番左下を見ていただくと、例えば高校生に対して、教育委員会としては、県立高校に教員基礎コースというものを置いて、それを充実させていくと。セミナーやインターンシップなど、高校生への広報やボランティア活動を推進していくと。一番下の右側を見ていただきますと、そういったコースに対して、千葉大学の教育学部がしっかりと支援をして、セミナーやインターンシップにも大学の教員から関わると。この後は少し割愛しますが、そうしたセミナー等を受けた学生が地域教育貢献選抜を受けて、大学に実際に入って地域課題に対応したカリキュラムを学んでいくというような形になっております。
次のスライド、お願いします。こちらは兵庫教育大学の取組で、左側の赤枠を囲っているところが高校段階の取組です。こちらも千葉大学と似たような形で、高校生を対象とした特別プログラムというものを既に大学と協定を結んだ、この時点で21の高等学校に対して提供しておるというところで、コーディネーターや連携推進教員、元高校の校長による希望枠の設定、3地域、特に兵庫県内の僻地の地域なんかにも重点的に航行訪問を行いながら広報活動を行っておるというような、そのような取組になります。全体像はポンチ絵を御覧いただければと思います。
次が上越教育大学の取組になります。こちら、一番上のほうに県の教育委員会、市の教育委員会、大学の3者が新潟次世代教員養成プログラム推進委員会というものを設置いたしまして、そのプログラムの一環として、左側に前期プログラム、高大接続ということになりまして、大学入学前の2年間を、要は高校2年生、3年生を対象とした、各種講習を行っておるというところです。資料だけだと分かりにくいと思いますので、上越教育大学のホームページに、実際にプログラムのショート動画があります。そちらを1分程度ですので、御覧いただければと思います。お願いします。
(動画再生)
【若林教員養成企画室長】 ありがとうございます。またスライドに戻って、今度9ページを御覧いただければと思います。こちらが、本事業が始まる前から類似の取組を行っている大学も事業の対象になっておりまして、少し先行する大学の地域定着ですとか教員就職の状況……、次のスライド、お願いします。調査をとった段階で、各大学には大学個別の数字は公表する前提では聞いておりませんので、A大学、B大学のような形にしておりますが、先行する大学の取組、結果の紹介としまして、左側が教員就職率でございますが、例えば大学全体では75%、地域枠だと67、A大学は低いんですけど、8大学全体で見ていただきますと、全体が66%、教員就職率が66%だったところが、地域枠で入った学生に限定をすれば88%ということで、8大学の全体で見ると22ポイント高いと。右側が地域定着率ということで、分母を教員就職者に置き、分子を連携先の自治体と、広い場合は都道府県ということになりますが、地域への就職定着率ということで、8大学全体で見ますと全体が59%、つまり40%ぐらいが他の都道府県の教員になっているというところ、地域枠で入った学生については94%ということで、こちらも35%ほど高いというような形になっております。各大学において、確実に教員を養成すると、そして、地域と連携をして地域で活躍する教員を定着させていくというような形が今後も求められると考えておりまして、先行実施をしている大学からはこのような数値が出ております。
次のページ以降は採択した大学になります。一番最後のページが今年度の採択の大学になりまして、こちらがつい先日、公表した新規採択の大学でございます。
文科省の説明は以上でございます。ありがとうございます。
【秋田部会長】 若林室長、御説明をどうもありがとうございました。
それでは、ただいま議題1としてありました、高校生につきまして、高校生段階からの教師志望者の掘り起こしについてということで、委員の皆様から御意見をいただきたいと思います。多くの委員の皆様に御発言いただけるよう、御発言はお一人3分以内でお願いをしたいと思います。また、今日、複数議題ございますので、時間で切らせていただきたいと思いますが、どうぞよろしくお願いをいたします。早速、お手を挙げていただきありがとうございます。それでは、荒瀬委員、小原委員と順にお願いしたいと思います。荒瀬委員、お願いをいたします。
【荒瀬委員】 ありがとうございます。学校の教員というのは、子供たちにとって身近な専門職で、小さい頃から先生がどんなことをしているかというのは、もちろん全てではないにしても見ているわけです。ですから、そういう意味では、教員になりたいという希望を持つ高校生も少なからずいるわけで、現に大学で教員養成の科目を担当していたときに、多くの受講がありました。ただし、1年生のときには。その学生たちにアンケートを取ると、先生に憧れたとか、とても重要な仕事だからやりたいと、具体的に見ている部分も多かったです。ところが3年、4年と進んでいくに従って、例えば教科教育方法などを取る学生はどんどん減っていってしまう。これもまたどうしてかと聞いてみると、結局大学で取らないといけない単位があまりにも多くて相当負担が大きいということと、もう一つは、教職員を取り巻く環境の厳しさを上げる、例えば保護者対応も含めてです。これらについてしっかりと考えていく必要があるのではないかと思います。
御紹介いただいた高大連携の取組、とてもすばらしいし、重要だと思うのですけども、こういった取組が本当に生きるために、現在、部会で検討しているこの審議をどう具体的に進めていくかということと、働き方改革を含めて教職員を取り巻く環境の整備というのが、まさしく焦眉の急であるということを思った次第でございます。
以上です。
【秋田部会長】 荒瀬委員、ありがとうございます。それでは、小原委員、お願いをいたします。
【小原委員】 ありがとうございます。2点だけ、これ大学への補助金になっているのですが、高大連携ということになれば、高校生にもお金が回るような仕組みができないのかどうか。大学に出した補助金をそれ以外の人間に使ってはいけないというルールがあるのですが、この場合、高校生にも何かメリットがあれば、より多くの、生徒が参加するのではないかなと思います。単なる大学だけではなく、高等学校への補助金も含むことができるような仕組みを考えていただければと思います。
それからもう一つ、いろんな大学で高校生対象に科目提供していますが、上越教育大学のケースを見ても、学ぶだけで終わっています。学ぶならば、大学の教員による授業ですから、大学の単位として認定してもらえれば、大学に入ってからの免許課程の負担も軽減されるのではないかなと思います。単位認定のところまでできるような仕組みがここに組み込まれていると、高校生にとってのメリットが出てくると思うんですよね。早くに学べるというだけでは、それなりの見返りのものがあるというようにしてもらえるといいのかなという気もいたします。
以上です。
【秋田部会長】 小原委員、2点の御要望、御意見をありがとうございます。それでは、続きまして、和嶋委員、お願いします。なお、今、手を挙げておられる方までと、時間の関係で、この議題についてはさせていただきたいと思います。それでは、和嶋委員、お願いいたします。
【和嶋委員】 ありがとうございます。教職員支援機構の和嶋でございます。かつて高校教員だった立場からお話したいと思います。
高校では、生徒の社会的、職業的自立を目指してキャリア教育に取り組んでいます。その一つに位置づけられるインターンシップは、生徒の自己の将来について考えさせるとともに、社会や職業に対する認識を深め、学ぶことの意義を考えさせる上で極めて有効であり、多くの高校で取り組んでいます。私は、高校生段階からの教員志望者の掘り起こしについても、インターンシップが有効であると考えます。一つ事例を申し上げますと、青森県教育委員会では、高校生による小学校教員、魅力1日体験を実施していますが、体験した高校生からは、「子供たちの元気いっぱいの姿に刺激され、先生の楽しさ、魅力を十分感じられた」や別の生徒からは、「子供に教えるということは伝わらないことも多くて大変かと思うが、工夫して一つ一つ丁寧にやっていく先生の姿はとても格好いいと思った」などの感想が寄せられています。これまで児童生徒の立場で見ていた教員を実際に仕事として体験することで新たな教員の魅力に気づいてもらい、その後の進路選択にも影響を与えるのではと思っています。
教職課程に学ぶ大学生のインターンシップについて以前話題となりましたが、さらにその前の段階の進路選択に資する一つの体験として、高校生による学校現場でのインターンシップも意味があるのではないかと思います。多くの高校生が教員の魅力に気づき、教員を志望するようになってもらえるような取組が進めばと期待しております。
以上でございます。
【秋田部会長】 和嶋委員、どうもありがとうございます。それでは、続きまして、古沢委員、お願いいたします。
【古沢委員】 ありがとうございます。地域枠入試による教員就職率、地域定着率、いずれもかなり高いなという印象を受けました。その上で、大学ごとに結構割合のばらつきがあるなという印象も受けまして、こちら、アルファベットで大学名が記されているところではありますが、各大学の取組内容でどんなことが効果があったのかというのを、ほかの大学が参考にする上でも、国の事業としてされているので各大学名を公表することを検討していただきたいと思いました。
あと、小原委員からも御指摘がありましたけれども、今回の事業とは別になるのかもしれませんが、自治体の判断等で授業料の減免などをしているケースがあれば教えていただきたいと思います。
以上です。
【秋田部会長】 古沢委員、ありがとうございます。御質問はまとめて、後で事務局から回答をお願いしたいと思います。それでは、続きまして、松田委員、お願いをいたします。
【松田委員】 ありがとうございます。高校生段階からの教職への進路選択を後押しするという方向性には賛同いたします。その上で、施策の担い手について意見を申し上げたいと思っております。
1点目が、取組の主体が大学と教育委員会に限定されているという点です。申請要件は大学単独ではなくて、教育委員会と協議体を形成するということが書かれていて、高大接続の観点からもこの枠組みの中で設計されているかなと思っております。地域の教員確保という目的からは自然な設計だと思いますが、高校生に届く教職の姿が、大学と教育委員会という2者の視野の中で収まってしまうということはちょっと危惧をしております。教職の魅力を伝える主体が限られれば、伝わる教師像も限定されてしまうのではないかなと思っております。高校生に対する働きかけにおいて何を学ぶかというよりは、どのような体験をさせるかということが決定的に大事だと思っております。率直に申し上げて、大学が高校生の進路指導や進路支援について専門性を有しているとは限りません。加えて、国立大学の教員養成学部の教員就職率も7割であって、教職課程で体系的に学んだ大学生ですら、その学びを得た上で教職以外の道を選ぶという人が3割ぐらいいるわけです。まして、高校生の段階では、講義や説明会で得られる情報よりも、実際にどのような体験をしたかが進路選択に大きく左右すると思います。
私自身も教育に関心の高い高校生の支援に関わっています。彼らの多くは課外活動の一環として、教育課題の解決に取り組むNPOですとか、もしくは子供食堂の現場に入っているわけです。こうした活動を通じて子供と向き合うことの手応えを自ら実感して、モチベーションが目に見えて高まっていっているなと感じております。こうした経験こそが教職への志望を本物にしてくれるのではないかと思っております。
高校生段階からの掘り起こしについても、最初から大学と教育委員会に限定するのではなくて、多様なプレーヤーが関わることを通じて、次世代の教師を育てていく設計にしていってほしいと思っております。先ほどお見せいただいた中でも、もちろん学校ボランティアとか、学習支援員など幅広い単位認定を可能にする方向性というのを示されておりましたけれども、2次請けのような形ではなくて、教育活動を行っている、教育課題の解決に取り組んでいる主体の団体というのはいろいろあるわけですから、そういったプレーヤーがどう本取組に関わっていき、そして、次世代のこういった教育人材の発掘と育成に関わっていけるのかというところもぜひ今後を検討していければなと思っております。
以上でございます。
【秋田部会長】 松田委員、どうもありがとうございます。それでは、続きまして、吉田委員、お願いをいたします。
【吉田委員】 ありがとうございます。私、このところ欠席させていただいていて、何も言っていないで申し訳なかったのですが、今回のこれを見せていただいて私が今一番感じているのは、高校生の立場になって、高校生が、ある意味、先取り教育というと言い方が変ですけども、教育に対しての、教職に対しての勉強を高校でしたとしても、先ほど小原先生のお話にもありましたけども、実際に単位というものが大学に行って認定されるのかどうなのか。今の日本の制度でいくと、例えば今、SSHとかSGHとかWWLで高大連携の授業をやったりしている学校があって、そういうところは大学から単位はいただけます。だけど、いただいた単位ってそこの大学に入れば活きてきますけど、他の大学では活きないわけです。そういう意味で言うと、こういうこともやっても、そこの大学に入れてくれるとか入るとかということをもう高校時代から決定してできるのか。それから地域教員枠の拡大とか云々という話ありますけど、これって高校時代に思っていたことが4年後にそれが実践できるのかどうか。
子供の気持ちというのもいろいろ変わっていくし、そして、何といっても大学、何十校って今出ていますけど、基本的には国立がすごく多いと思います。それプラス、ほとんどの学校が教育系の学部等を持っていらっしゃると思いますけども、私立の開放型の大学で、それを取ろうとしたときに今、単位がすごく多い。負担だけ増えていく。例えば英語科の教員採用しようとしたときに、英語のすごくできる、4技能、5技能が優れたいい子で、先生になりたいと思っていても、学校の先生になるというところの前に企業からお話が来れば、今、企業では初任給40万だとか物すごいところがたくさん出てきちゃっているので、そうするとみんな取られていってしまう。ですから、教員のそういった待遇面から何から含めて、先生って楽しくてすばらしい仕事であるということを、それを教えることはできるかもしれないけど、もっと具体的に現実問題がどういうことがあるかというのをしっかりと見て、こういうことを進めていかなきゃいけないのではないかなという気がするので、余計なことを申し上げましたけど、私の意見とさせていただきます。
【秋田部会長】 吉田委員、どうもありがとうございます。それでは、続きまして、永島委員、お願いいたします。
【永島委員】 全特長の永島でございます。私からは2点申し上げたいと思います。
高校生段階からの教師志望者の掘り起こしについては、今年度で事業が最後と伺いまして、この事業が終わってしまうと、それぞれの大学等に任せられるということになるのですが、ほかの委員の方からも御指摘があったように、担い手であるとか多様な活動内容について尻すぼみになってしまうのではないかという懸念が1点あります。
また、今、校長として現場をお預かりする立場としては、この枠、志望者の中で学んできた方々が教員として就職されて定着していくというのをどこまで追いかけるかという仕組みを入れて検証する必要があるのではないかなと考えました。
以上です。
【秋田部会長】 永島委員、どうもありがとうございます。それでは、先ほど御質問もございましたので、事務局のほうから、これまでの御意見も踏まえて応答いただければと思います。
【若林教員養成企画室長】 ありがとうございます。様々な御意見、御質問いただきまして、ありがとうございました。幾つかお答えさせていただきたいと思います。
小原委員からありました、高校生のメリットという部分で、お金を直接高校で使うことはなかなか難しいのですが、実際に高校生が参加するセミナーだとかイベントだとかを行うために、大学が使って高校生が参加するというような形であれば使えているのかなと思います。
そして、入学後の単位認定、これは当然いろいろな大学で使えるわけではもちろんないのですが、例えば鳥取大学ですとか金沢大学、今ぱっと確認できた中では、幾つかの大学で、それもセミナーの時間数がある程度あった場合に1単位とか、少ない単位ではありますが、単位認定ということを入学後に行うというようなケースがございます。
古沢委員からありました御指摘の中で、授業料の減免のような例があるかということで、一般的に、まずは教員志望者の奨学金免除みたいなものを自治体が様々な取組について今もされております。実は民間団体の一つというか、ある民間団体では、地域教員希望枠事業で入った学生を対象として、給付型の奨学金というのを既に行っているような例もありますので、そのような形で一部そういった例はございます。大学自体の授業料の減免というよりは、奨学金免除というような形での支援があるのかなと。
吉田委員からの御指摘で、そもそもセミナーを受けても大学に入れるのかというのは、それは大学入試ですので全員が入れるわけでは残念ながらありません。その中でも特別な選抜を行う場合は、推薦入試だとか総合型選抜のようなものを行いますので、こういったセミナーを受講していることが、例えば特別選抜の受験の要件のような形になり、その中でほかの学生の一般入試よりも早く入学するチャンスがあると。残念ながら、特別選抜に漏れた学生については、当然一般入試でまた入ってくるというようなケースもあると伺っているところです。
最後、永島委員からありました、今後、尻すぼみになるのではないかということにつきまして、我々もそうならないように、今年度までが新規採択ということで、支援の期間は再来年度までというようにはなっているのですが、この事業自体が、実は少しずつ採択後、補助額が減っていくような仕組みになっておりまして、そこは財政当局とのやり取りの中でそのような設計になるケースが多いのですけれども、要は自走できるように、最初はかなり手厚めに補助をさせていただきながら、2年目、3年目で、少しずつほかのところからもうまくお金を取りながら、支援するというような形が取れればなと考えております。
あと、松田委員からも御意見ありまして、今、確認しきれていないのですが、当然教育委員会と大学だけでは見られる世界というのは限りがあると思います。支援を行っている取組の中でも、様々な団体と連携しながらこういったプログラムをブラッシュアップしていくというようなケースがありますので、そういった例はこの事業に関わらず、非常に重要だと考えております。
様々な御意見いただきまして、ありがとうございました。
【秋田部会長】 若林室長、ありがとうございました。また、皆様からもいろいろな御意見をいただきまして、誠にありがとうございます。
教師の質と量を確保していくというためには、高校生段階からの教師志願者の掘り起こしの仕組みとか取組について、より多くの大学に取り組んでいただくとか、今後、プレーヤーも増やしていくというようなことが重要になっていくかと考えます。ぜひ事務局におかれましては、この後の議論いたします審議のまとめのほうにも、何らかの形でこちらの内容も取りまとめていただいて、入れていただくような御検討をお願いできればと考えているところでございます。ありがとうございます。
それでは、続きまして、議題の議事2に入りたいと思います。議題2は多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について、審議のまとめ(案)でございます。前回の会議におきまして、審議のまとめ(たたき台)を御審議いただき、おおむね方向性については、御了承をいただいていると考えております。今回は、前回いただきました議論を審議のまとめ、たたき台に、さらに加筆する形で、事務局においてまとめていただきました審議のまとめ(案)について、御審議をいただきたいと考えております。それでは、まず、事務局のほうから御説明をお願いいたします。大根田室長、お願いいたします。
【大根田教員免許・研修企画室長】 ありがとうございます。事務局でございます。今御紹介いただきましたとおり、前回審議のまとめのたたき台について御審議をいただきました。その中でいただきました御意見を加筆させていただく形で、今回審議のまとめ(案)ということで御提示をしているところでございます。網羅的にはかないませんけれども、可能な限り追記、加筆させていただいたところの御説明をさせてだきたいと考えております。資料の2-1を御覧いただきながらと思います。
まず、1ページ目からでございますけれども、大きな1、概要と位置づけのところ、1段落目の4行目の部分、「改革の実行に当たっては、制度の趣旨・目的に立ち返り、その趣旨・目的の実現の観点から制度の再設計を行う」という点、また、その下の段落、3段落目、「改革の実行に当たっては」というところですけれども、「最初に設定した完成形を目指すのではなく、設計・実行に当たって常に問い直し、よりよい制度になるように改善を図っていく」という点を追記しております。また、その下、2の改革の方向性の部分でございます。2つ目の段落のところ、「多様な人材」というところを「多様な専門性を有する」ということで、専門性を有するというところの追記をしているところでございます。
また、2ページ目でございますけれども、「質の確保については」と書いてあるところでございますけれども、(1)から(3)の部分、(1)のところ、「大学における養成の実質化」と前に書いてありましたところを、趣旨をクリアにするために、「大学における教員養成の趣旨の実質化」と書かせていただいているところがございます。
次、3ページでございます。2ページ目以降、主な改革事項ということで、まず、大きな柱が教職課程の質と量の担保・向上ということで、6つ柱がございますけれども、1つ目が多様な学部、学科の学生の教職課程を履修し、免許を取得できる環境を整備していくということが書いてあるわけでございますけども、次のページ、3ページのところ、次期学習指導要領との密接な連動の部分でございます。上から3つ目の丸の部分、こういった新しい内容の追加によって学習がスタンプラリー化しないように留意をするという点について、追記をさせていただいているところ。また、その下でございますけれども、前のほうで66条の6科目の内在化のお話がございますが、体育との関係も含めて、レジリエンスの関係は今後検討が必要である点を改めて明記をしているところもございます。
下でございますけれども、3ページ目の一番下の部分、いわゆる二階建て部分の学習指導についての部分でございますが、よりクリアにする観点でございますけども、2行目以降、「相当免許状主義に基づく免許法の趣旨を踏まえ、特別の教育課程であっても免許状を有する教員や相談支援体制など適切な指導体制の整備は重要」であり、その上でという次のページでございますが、教育課程部会等における様々なこういった議論を踏まえ、「必要な指導体制の検討を進めつつ」ということを追記して、その後は、「まずは」ということで前に書いてある文章につながっていくということで追求しているところでございます。
次、4ページ目の真ん中のあたり、情報・技術科の関係でございます。情報・技術科を指導できる環境を整備することが必要であるということで、前、御意見として頂戴していた内容を踏まえて追記をしているところ、「その際は以下の選択肢も含めて検討」と書いてある7つのポイントで記させていただいております。情報・技術科について、情報領域のみを対象とするような免許の在り方でしたり、それを踏まえた教員資格、認定試験の在り方、また、こういった免許を持っている方が小学校での指導が情報領域の部分でできるようにする措置等々、書かせていただいているところがございます。7つございます。
その下でございますけれども、今度は教職課程の確実な実現を担保する措置という部分でございますが、まず、上から2つ目のところ、教職課程の実施側だけでなく、教員を採用する教育委員会や教員を受け入れる学校側からの視点からの質保証が必要ではないかといただいている御意見を追記しているところでございます。また、次でございますけれども、教職に関する科目についてでございます。少しいただいた意見を踏まえて、修正をしているところでございますが、「その学修は、『大学における教員養成』の趣旨を十分に踏まえ、学生がもともと持つ『観』の転換が図られる、学問に裏づけられたものとして実施されるととともに、教育委員会・学校や保護者が児童生徒を安心して任せられるよう、教師として職務に当たれる能力が、学習を経た免許授与時に置いて確実に身についていることが必要である」というように、御意見を踏まえて修正をしているところでございます。
その下の丸、5ページ目の丸でございますけれども、1つ目の丸の3行目、「強み専門性の前提として」というところ、ジェネラリストとしての教員としての能力が身についていることが重要であるという点を追記するとともに、2つ目の丸、括弧のところ、これまでの教職課程の認定において、学位課程との関係で、強み専門性の関係でございますけれども、教職課程を位置づけてきたことを改めて明確化するという観点を追記していること、20単位の具体のイメージが必要であること。その2つ下でございますけれども、次は教育実習の関係でございますが、「検討に当たっては」と書いてあるところ。「その際」のところの後半、「検討に当たっては、質の担保と柔軟で多様な実習の実施の両立が必要である点」ということを追記しております。
次のページ、6ページでございますけれども、大学間連携等のところ、1つ目の丸の4行目のところ、「コンソーシアムを含む」ということの追記をしている点、また、上から4つ目の丸、FD/SDの関係のところ、教職課程を教える教員の質のさらなる向上の必要性についても記述しているところでございます。
次、その下でございます。CBTの関係でございます。ここは前回いただきました御意見を踏まえて修正をしているところでございます。後述と書いてあるところの下でございますが、CBTは、反転学習含め、授業の事前事後学習で利用する、コアカリキュラムに定める目標の達成状況の確認にも活用する、その後でございます。CBTで確認できる全体目標は資質能力の一部である前提であること、達成すべき必要条件であって十分条件ではないということ。大学における教員養成の趣旨を踏まえ、教職課程の目的がCBTの結果の確保とならない点に留意が必要であること。以上を、御意見を踏まえて追記をしているところでございます。また、その下、Plantに掲載されるデジタルコンテンツの活用をした教職課程の学習基盤の充実も併せて追記をしています。
6ページ目の下のほうでございます。対話と奨励のところ、対話のところにワン・オンワンの点について明記をしている点。次のページ、7ページ目、入職前の研修のあたり、上から3つ目の丸でございますけれども、入職前の研修に関しては、これらと初任研を一体的に捉えていく必要があるだろうという点等を追記しております。下から3つ目の丸でございますけれども、休業制度の関係でございますが、まず、学びたい教師を支えると、学び続けたい教師を支えるという点を明示した点、そして、その後の3行目以降、学習した履歴は、他の体系的に研修している履歴とともに把握されていくことが望ましいということも書いているところでございます。これを対話と奨励にも追加していくという点を追記しているところでございます。
8ページ目、専修免許状取得の関係で、上から2つ目の丸でございますけど、教育臨床研究的な学習、これが必修と書いてあるところ、こういった学習を含むものとするという形に御意見を踏まえて修正している点でございます。
9ページ目でございます。ここからは各幼稚園等、それぞれの改革事項を列挙しているところでございますけれども、9ページ目の上のところ、2行目でございますけれども、保育士養成課程も併修する短期大学の学生に対する強み専門性の位置づけについて要件等であるという点、御意見を踏まえて追記しているところでございます。また、その2行下、幼児教育センターの関係の教育委員会との連携、協力の必要性も明記しているところでございます。
10ページ目に参ります。ここまでが教職課程、質と量の確保、担保向上の関係でございましたが、9ページ以降は多様な専門性、背景等を有する社会人の入職に関する部分でございますけれども、10ページの(2)のところ、特別免許状について、これまでの指針の周知にとどまらない対応が必要であるというところを明示している点とともに、11ページでございますけれども、いわゆる大学院の新教育課程の関係でございますが、上から3つ目の丸のところ、学習指導員や特別常勤講師等の採用だけでなく、常勤の講師としての採用等についても選択肢の可能性として委員からの御指摘を踏まえて追記をしているところでございます。また、「プログラムの具体的な在り方については」という上から4つ目の丸のところの2つ目のポツ、マル1、マル2を含めてのところでございますが、以下の類型を念頭に引き続き検討するということで、異なる特別な免許状とする際に全国通用性を持たせることと書いてあったところについては、その検討については、現行の特別免許状の通用性の在り方も併せて検討するということとともに、既存の普通免許状を取得する特別な方法の一つとして整理するという御意見もいただいておりまして、その点も追記をしているところでございます。
11ページ目の下(7)のところでございます小学校における専科免許の関係でございます。この点、いただいた御意見を踏まえて追記をしているところでございますが、全科の指導を引き続き原則とするという上で、高校、大学等の改革を踏まえて、専科の普通免許状の新設をし、ジェネラリストである全科とスペシャリストである専科がチームとして学校教育の質を向上させるという方向で詳細な設計を検討するということ等について、いただいた御意見を追記しているところでございます。
次でございますけれども、今後さらに検討が必要な事項ということで、3のところ、12ページでございますけれども、まず、国と地方の役割分担の在り方のところでございます。特別免許状の授与を指定都市に拡大すること。また、都道府県が行っている免許事務を国に移管することの可否についてでございますが、この点について、その下でございます、各都道府県において一定の予算と人員を確保して実施していることを踏まえ、授与権限の在り方だけでなく、付随する免許事務の在り方や予算の確保、人員の体制の整備も含めて検討が必須であるという、これもいただいた御意見を追記しているところでございます。
併せて、13ページ、デジタル化への対応の促進についての御意見も追記しております。
あと2点ほど、下のほうでございます。(3)のところ、教職課程の質担保の在り方のところでございますけれども、もともと管理職の質向上方策と書いてあったところについてでございますが、こういった多様な教職員集団の組織としてパフォーマンスを最大化させるということを可能としていくという目的の中で、リーダーシップや組織マネジメント等、また、業務の精選、廃止等について、また、心理的な安全性を確保できる環境の確保、こういったいただいた御意見を追記しているところでございます。また、生成AI時代の教師と学校の役割、(4)のところも少し書き下しているところもございます。また、(5)の学部段階奨学金も、これまでいただいた御意見を踏まえて書き下しているところがございます。
長くなりましたけれども、今まで申し上げました2-1の関係をまとめたのが、2-2、概要でございまして、多様な人材を、前は教師と書いてあったところを全体との整合性の関係で教職と書いておりますけれども、導くとともにという大きなたてつけは変わっておりませんけれども、特に左側でございますが、今申し上げました内容に連動する形で若干、細かなところを追記しているところがございますので、適宜御参照いただけたらと思います。
最後に、全国公立短期大学協会から、また、日本私立短期大学協会からそれぞれ要望という形で、今回の議論に関していただいているところ、参考資料の2、また、参考資料の3という形で資料につけさせていただいております。御審議、御意見いただくに当たり、御参考としていただけたらということで紹介をさせていただいた次第でございます。
事務局からは以上でございます。
【秋田部会長】 大根田室長、御説明をどうもありがとうございます。
それでは、ただいま議題2として御説明をいただきました多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について、審議のまとめ(案)につきまして、委員の皆様から御意見をいただきたいと存じます。そして、先ほどの課題1に絞らず、前回までの議論の反映というような点も含めて、審議のまとめの書きぶりについて、全体として、御意見をいただければというところでございます。そして、今後検討となっている論点もまだまだ多く残されてございますので、その論点を今後議論するに当たってというようなことの観点での御議論も頂戴できればと考えてございます。
多くの委員の皆様に御発言いただけますよう、御発言は、お一人3分以内でお願いしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。早速にお手を挙げていただきまして、ありがとうございます。それでは、まず、松浦委員から順にお願いをしたいと思います。松浦委員お願いいたします。
【松浦委員】 おはようございます。まず、余談なのですが、先ほど夏休みの居場所づくりというのを地域がやってくださっていて、そこで私が8年ぐらい前に校長をしていたときに生徒さんが、その弟さんなのですけれども、教員を目指していますと、大学に今行っていますと、そういう話を聞くと本当にうれしいと思います。教員を目指すというところを思っていてくれる青年がいてくれること、これが本当にありがたいと思っています。
そういう余談は置いておいて、今回、示していただいた審議のまとめについて、教師の質の維持、それから向上、多様な人材が教職に参入しやすい仕組みづくりなど、これからの学校教育を考える上で重要な視点が本当によく整理されていると、そのように、まず、思いました。その上で、教師の専門性を本当に高めていくのであれば、研修を充実させるとか優れた人材を採用するという、これも大事なのですが、教師は何を専門とする職業なのかと、学校が担うべき教育とは何なのかというのを改めて整理する必要があるのではないかなと思って捉えさせていただきました。教師が教師にしかできない仕事に集中できる学校を、そのようなことを考えたときに、1ページ目のところに改革の方向性としてのその見出しはあるのですが、前提としてということも書いてあります、ここに。働き方改革、勤務環境の改善を含め云々、前提、この前提という改革について、文部科学省を挙げて取り組んでおられるということが分かるような、何かここにリンクを貼るとか参考資料がつくとか、これは文部科学省が一体となって取り組んでいるんです、この前提のことについてはというメッセージがここにあると、教職を目指そうという人にとって安心でもあるし、現場の職員にとっても、そういうことなんだな、安心だなということがメッセージとして伝わるのではないかなとそのように考えました。
以上です。
【秋田部会長】 ありがとうございます。文科省が全体として、総力で取り組んでいる部分をもっと見えるようにという御意見、ありがとうございます。
それでは、続きまして、荒瀬委員、お願いをいたします。
【荒瀬委員】 ありがとうございます。本当によくまとめていただいて部会長と事務局の皆さんにお礼を申し上げたいと思います。
それで4点申し上げたいことがあります。まず、1点目なのですが、子供たちに、11ページにありますように、例えば算数や理科などを、よりわくわく感じることができるような学習をもたらすために、全科を担うジェネラリストとともに、専科を担うスペシャリストがチームとして学校教育を行っていくことが必要ではないかという趣旨で、前回発言をさせていただきました。聞いてくださった方から幾つか御意見をいただきまして、その中に御心配になっていらっしゃる方がいらっしゃって、小学校の全科指導がなくなっていくことに対する危惧を示されておられました。私、前回申し上げたつもりでいるのですけれども、小学校の全科指導を否定しているとか、全科指導から専科へ移行するべきだと申し上げているわけではなくて、小学校においては全科指導が原則であるということを維持しつつ、スペシャリストもまた必要ではないかということを申し上げた次第です。次期学習指導要領については、現行学習指導要領の実質化を図るものと考えておりますけれども、その手段の一つとして、小学校の専科導入について、ぜひ前向きに検討していただきたいと思っております。これが1点目でございます。
2点目は文言の追加をお願いしたいと思っております。3ページでございます。多様な幼児児童生徒に対する理解と包摂について、(2)の3つ目の丸の5つ目のポツのところに書いていただいているのですが、これは令和3年答申以降の、多様な児童生徒一人一人を念頭に置いて、子供を主語にする学校をつくっていくんだという方向性に沿ったものであると感じておりますが、ただ、多様な児童生徒という中には、社会経済文化的な背景や特性等、様々なパターンがありますので、特性というところは、例えば「特性や背景」など、その多様性を表現できる文言にすると、よりよいのではないかと考えております。
3点目でございます。10ページ、11ページのところで特別免許状について書いていただいておりますが、多様な社会人の入職を加速するために、特別免許状の授業がよりしやすくなる環境をつくることが重要だと考えております。10ページで挙げられているような、様々な方法でその能力を担保する、そういったことが非常に有用で重要ではないかと思っています。特別免許状は普通免許状に劣るものでは決してありません。多様な免許状を持って多様な社会人が教育に当たることは、多様な児童生徒への対応において、非常に重要であると思います。とりわけ高校改革ということを考えますと、特別免許状がなくて、様々な専門の科目を担当できる教員を確保するということは非常に厳しくなっていくと思っております。
最後、すいません、長くなって申し訳ありません。4点目でありますが、13ページに生成AI時代における教師と学校の役割について書いていただいております。これは今後の検討課題ということでございますが、大いに現場を中心に考えていただきたいと思っています。その際、大人だけではなくて子供の考えや発想を大事にしていくことが重要ではないかと考えております。一方、AIはデータに基づいて精緻な評価ができるだろうと思うのですが、そこに体温があるかどうか。人間が人間の体温を持って子供たちに接していく、この部分をどう具体的に今後、学校教育の中で大切にしていくかという議論も併せてやっていくということが、生成AI時代の教師、学校の役割として大変重要だと考えます。
以上でございます。すいません、長くなってしまいました。
【秋田部会長】 ありがとうございます。いずれも重要な4点の御指摘をいただきました。ありがとうございます。
それでは、橋本委員、お願いをいたします。
【橋本委員】 ありがとうございます。橋本です。まず、取りまとめに御尽力いただきました事務局の皆様に感謝申し上げたいと思います。
今回のまとめに、一つの大きな特色として、強み専門性を持つという考え方が明確に打ち出されていると、これは大変重要な方向性だと思います。ただ、強みを持った個人を育てるということと、その強みを組織として生かすということについては、なかなか別の課題でありまして、簡単にはいかない。我々企業も、かつては金太郎あめのような職員を求めて、画一的能力を求めるというのが主流だったのですけれども、現在は多様な専門性、あるいは強みを持つ人材がそういう能力を発揮して、組織の中で対応するほうが複雑な課題に対応できるということが、もう常識になっているんですが、実際には、なかなかそうはいかなくて、協調性のある人とか組織に順応性の高い人を評価したり、重要視したりすることもよくあります。
したがって、専門性、あるいは多様性といったものに重きを置くというふうに言葉では言えるのですけれども、なかなか実効性としては難しい問題です。一つは組織の風土みたいなのを変えていかないといけないのと、もう一つは、管理職がそういう意識を持って臨まないとなかなか変わっていかないという面がありますので、13ページに、そういった面について触れられておりますけれども、ぜひその辺は今後留意していただいて、一つの大きな流れとしてつくっていくことが大事かなと思います。
そういう意味で、1ページの最初に完成形に固定しないという表現もございましたが、これもおっしゃるとおりで、これだけ生成AIが、先月と今月では全く違う機能を持つようになっているという、こんな時代ですので、完成形を固定してしまうと完成形が目的化してしまって、さらに遅れてしまうということが危惧されますので、1ページにあるような完成形を固定しないという考え方も堅持をしていただいた、実効性を保つことは大事かなと思います。
以上でございます。
【秋田部会長】 橋本委員、ありがとうございます。多様な専門性を育てることと、多様な専門性を生かす組織ということ、また、常に完成形ではなくて変動していく、そういうものについての重要性も御指摘いただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、佐々木委員、お願いをいたします。
【佐々木委員】 よろしくお願いします。審議のまとめのほうの様々な意見、取り入れていただいてありがとうございました。感謝したいと思います。私のほうから2点、お話をさせていただきたいと思います。
1点目は概要の資料2-2ですが、右下のところに全体を通底するような考え方の太字でまとめていただきまして、本当ありがとうございました。様々な施策があるわけですけれども、これは子供たちの学びの要である教師の質と量を持続的に担保して、子供一人一人の学びを最大限引き出すと。最終的にはこれが大きな目標だということを書いていただいたことはよかったと思います。ややもすると、一つ一つ仕組みをつくることにきゅうきゅうとしてしまって、そもそも何だったのかということが忘れられることもありますので、そういった意味で非常にいいまとめをしていただいたなと思っております。
その中で、一つはまとめのほうの、2ページの(5)のほうに学生の主体的、自律的な学びのデザインということを、この柱になるかと思いますけども、これは改革の方向性の柱として書いていただいたことは重要です。これは今回の教職課程改革の中で、全体は精選していただいていますけど、項目数が多くなってきて、これをどういうふうにまとめていくのかという課題もあったと思っております。また、単位を集めて資格を取るようなスタンプラリーの問題というのも指摘されておりましたので、こういったものを解消して、全体を学生にとって意味のあるまとまりとしてカリキュラムを組んでいくという意味で非常に重要だと思っておりますし、また、OECDのほうでも、教師のエージェンシーなどの考え方というのは、基本的にこのカリキュラムと考え方を同じにするものだと思っておりますので、新しい教職課程を国際的な水準で展開するという意味でも意味のあることだと思っております。
また、次期学習指導要領を展開する上での役割としても、2階建て部分をどのように展開するのかということで、個別最適なカリキュラムづくりを学生自身が体験的に学ぶという意味でも大きな意味を持っているのかなと思っております。そういった意味で、学生の自律的、主体的な学びのデザインというものを、全体を通底するモチーフとして設定していくことが必要かなと思っております。もう一つは、これをどこに書き込むのかということでございますけれども、様々な科目の各科目に含めることが必要な事項の中に書き込むのかなあと思ったのですが、これだと科目だけを拘束する内容になってしまいます。基本的にはこれは科目の内容というよりは、教職課程全体を構成する基盤OSに当たるものなので、できれば、省令等において、カリキュラム全体の基盤をなすものとして記載していただくのが適当だと思っているところでございます。
2点目でございますが、これは教育実習についてでございます。これについては、まとめの5ページのところに書いてございますが、働き方改革の現場の負担の軽減と質の担保を両立する観点から、ガイドラインに関する検討会を設置するということが書かれておりますので、私のほうからは大きく2つ述べさせていただきます。1つは次の時代を踏まえた教育実習が必要ではないかということです。参考資料として、参考資料の4を提供させていただいておりますが、1ページ目の下の部分に項目1、2、3と書いてございますが、これは実習指導者としての専門性基準がどうあればいいかということで、本学で先端教育人材育成推進機構の中で、量的な調査とインタビュー調査等を踏まえて3つにまとめたものです。細かいところは2ページ以降に書いてございますが、ここでは項目1、2、3についてだけ簡単に説明させていただきたいと思います。
1つ目は実践者としての資質能力が実習生を指導する上では、実践者としての力が必要だということです。この場合はプレーヤーとしての力です。2つ目は教育実習指導者としての資質能力が必要だと。これは言わばコーチとしての力。3つ目は実習指導者としての姿勢態度ということで、これはプレーヤーとしての力が必要だし、コーチとしての力が必要だが、それだけではなくて、学生は成人ですので、成人である学生が悩みながら教師としてのキャリアをつくっていくことをサポートしていくような、言わばメンターみたいな資質も必要なのだということです。ややもすると、今までは1つ目のプレーヤーとしての資質があるから学生を指導するという実態がありました。しかし、実際にはプレーヤーは必ずしもいいコーチではないわけで、コーチとして、さらにはメンターとしての資質というのを備えなければならないと思います。これは基本的に附属学校の教員には3つ求められるものだと思っておりますけども、公立学校では主に1つ目、プレーヤーとして力があるから学生をそのまま指導するということで、それが今まで実習におけるトラブルの元であったと考えております。これからは、3つの視点を踏まえながら、次の時代の新しい実習指導の在り方というのを考えていく必要がある考えます。
それから、現場では働き方改革が進んでいますので、その中で、実習指導を充実させるといっても、現場教員の負担というのはかなり重いものがあって、一般の公立学校では本務外の仕事というように一般的に受け取られているのではないかと思っておりますので、働き方改革を進めながら実習指導を進める、充実させるということの具体的な方策を検討していかなければならないと。一つの在り方としては、例えばAIをどう活用していくのかと。現在、本学でもAIのほうを研究しておりますけども、音声であるとか授業映像であるとか、そういったものの分析で、ある程度の一定水準のフィードバックが学生にできる段階に来ておりますので、そういったものも導入しながら、また、生きた指導ということで、実際の先生方が関わって、より効果を上げていくということもございますので、新しい専門性基準でありますとかAIの導入であるとか、そういった意味で、次の時代の新しい実習の在り方というのを検討していく必要があるのではないかということです。
それから、実習に関して2点目なのですけれども、5ページの記述を拝見して、書き出しのところは、現場の負担の軽減と質の担保を両立するという観点からということで書いてございますが、全体の私の受け取った印象だと、義務化とか制限とかということで、ややちょっとハードルを上げるような、そういった書きぶりになっているかなあと、そういった印象がしておりまして、実際に教育実習というのは、大学にとってかなりの負担でございますし、また、学生にとってもそうですし、教育委員会にとっても大きな負担になってきますので、できるだけ、そもそもこれはいかにして教師不足に対応するかということで、教職課程全体を柔軟なものにして、様々な私学も含めて実習にどう取り組めるのかということを検討するというのが一つの趣旨だったと思っておりますので、多くの大学が課程認定を受けて、教師の育成に参画できるような実習の在り方というのも長期的に考えていく必要があるのではないかと。この部分なのですが、検討会を設置するわけですので、細部の部分は書き込まなくてもいいのではないかと。検討会の中で考え方だけをここに記載して、具体的な次の時代の実習の在り方も含めて、具体的な内容については、検討会のほうにお任せしてもいいのではないかなと思ったところでございます。
以上でございます。
【秋田部会長】 佐々木委員、ありがとうございます。2本の柱について重要な点を御指摘いただきました。
それでは、続きまして、森田委員にお願いをしたいと思いますが、この後、ぜひお一人3分でも、全員数えてみるとどきどきでございますので、どうぞ皆様御協力をお願いいたします。それでは、森田委員、お願いいたします。
【森田委員】 森田でございます。よろしくお願いいたします。4つの意見と1つの質問を用意していたのですが、時間がないということで端的に発言したいと思います。
最初の2点は先ほどの佐々木委員とほぼ同じなりますけども、まず、1つ目が自立的、主体的に学びをデザインすることについて、学生自身が学びをデザインしていくということが今回のキーワードになっていると思います。それは当然重視していく必要があると思う一方で、現時点での予定ですと、新しく学ぶ事項が増えていくことになりますので、うまくやっていかないとさらなるスタンプラリー化が進んでしまう危険性もあると思います。そこで、自分がどういった教師を目指すかということを常に学生自身が振り返り、リフレクションしていくような機会を、教職課程の中でどう位置づけていくのかが非常に重要なポイントになると思っています。もちろん、これをまた新たな事項として入れたりすると、それもまたスタンプラリー化になっていくわけですので、そういった形ではなくて、各大学でいろいろなやり方があると思いますので、大学の実情に応じて教職課程全体の中でそのような機会を充実させ、現在使われている履修カルテをさらに充実させることも含めて、教職課程の中に明確に位置づけていく必要があるのではないかと思っているというのが1つ目です。
それから、2つ目は、これも佐々木委員と重なる実習の在り方についてですけれども、実習につきましては、誤解を恐れずに言えば、大学だけではコントロールできない部分にもなってきますので、設置が提案されている検討会においては、今後実施されていく介護等体験を代替する特別支援クラスでの実習ですとか、学校体験活動も強化されていきますので、果たしてどういった形であれば、無理なく教職課程を設置する全大学で実施できるのかという視点から検討していくことが必要ではないかと思っています。
それから、3点目になりますが、これは5ページ目にあります強み専門性の関係でございますけれども、今後は、教科の専門的事項について、一定、強み専門性の中でも学んでいくということになるのだろうと思います。この強み専門性の部分は、大学の学位課程との関係で設定されていくことになっていますが、学位課程の内容によっては複数の教科や複数の学校種に重なってくる強み専門性が設定されるということもあり得るのだろうと思っています。そういったことを強み専門性として学ぶ場合には、複数の教科や学校種の免許が取りやすい形にしていくということも必要ではないかと思っています。
それから、教科に関連してですが、情報・技術科という、新しい教科にどう対応していくのかという視点で考えれば、免許取得を促進していくということが大事だと思います。現在でも特定の教科について、中学校や高校あれば教職に関する科目の履修の一部を、教科に関する専門的事項に関する科目の履修で代替できるというしくみがあります。要するに、教職に関する科目の半数ぐらい取得すれば免許が取得できるという仕組みですが、教科によっては全てを教科に関する専門的事項に関する科目の履修に代替できるとなっています。現行のしくみで、このような教職に関する科目を受講しなくても免許取得ができるという教科もありますから、今後、一部の履修が免除されている教科の在り方についても検討することが必要ではないかと思います。新設される情報・技術科との関係で、対象教科をどう広げていくのか、また、現状の対象教科はそのままでよいのか、全てを代替できてしまう教科についても、本当にそういった在り方がよいのかということについても併せて検討いただく必要があるのではないかと考えています。
それから、4点目は、大学院の新課程について、11ページあたりの部分についてです。大学院新課程のワーキングにおいては、新しい形の特別免許状を検討してはどうかという議論があったと記憶しております。その際、いわゆる免許の機能としては、普通免許状と同じような形にした方がよいということだったと思います。ただ、普通免許状と同じような機能を持ちながらも、免許としては特別な免許状であるということについて、こういったことが法制的に可能なのかどうかについては、引き続き事務局で検討いただきたいと思っています。
通常の大学における養成ですと、免許法の5条や別表1などに基づいて行われますが、現行規定でも、それとは別のルートで免許状を授与できるという仕組みがあります。このしくみと、ワーキングで議論された特別な免許状ということの関連性についても改めて整理をしていくことが必要であると考えています。例えば、第16条にあるように、第5条の特例という形で、社会人等に対して免許状を授与することも可能であるように考えますし、また、ワーキングの中では教職特別課程の在り方も見直すという議論もあったと思いますので、その点も併せて検討していくということも必要ではないかと思います。
それから勤務しながら学ぶなど、実践的な学びをしながら免許を取得するという議論もありましたが、その場合、例えば、勤務としてフルに働いていた場合、大学院の単位としても認定することが可能なのかということと、単位の質保証と勤務との関係を整理することも必要であると思います。
最後に1点、質問になりますが、66条の6について、必要に応じて教職課程に内在化するという方針については、私は賛同いたします。その上での確認でありますが、日本国憲法については教育法規の中に入れていく。それからデータ活用・AIについては、教育データ・AI活用という新しい事項にする。外国語コミュニケーションと体育は、特段教職課程としては位置づけることはしないが、体育については、教師としての適応力・回復力・自己管理・調整能力という新しい事項の中において、教師の健康の観点が含まれているので、その内容について引き続き検討していくとなっていたと理解をしていまして、具体的な内容については、今後、コアカリキュラム等の検討の中で詰めていくという理解でよいのかどうかについて、お伺いしたいと思います。
少し長くなりましたが、以上でございます。
【秋田部会長】 森田委員ありがとうございます。御質問につきましては、事務局のほうから最後にまとめて御回答いただければと思います。
それでは、続きまして、青海委員、お願いをいたします。
【青海委員】 ありがとうございます。私からは審議のまとめを見まして、今後、実装に向けて期待することを3点お話しします。
1つ目は、改革の方向性についてですけども、位置づけ、方向性については、おおむね賛同いたします。そこで、社会人を教職に呼び込むこと自体が量、質の担保・向上に資する側面を有するとしていますが、社会人については、制度はできた、改善はしたが簡単には増加しない、制度が活用されないことも懸念されます。社会への広報活動の工夫とともに、改革の実行に当たっては、状況を把握し、常に課題を問い直し、修正するなど柔軟性のある改善を期待しています。
2つ目は、中学校の情報技術科創設に向けた条件整備についてですけれども、情報活用能力の抜本的向上に向けた内容の充実は、我が国の未来を支える極めて重要な改革だと私は思っております。しつこいようで恐縮ですけれども、条件整備が重要です。具体化された施策の実現が成否を分ける肝ですから、国策として条件整備に取り組み、学校現場が安心、納得できる状況改善に期待しています。
次、3点目ですけども、教職員の資質能力の向上的な向上、時間講師への対策についてなのですが、時間講師には正規教員と同じ業務、例えば授業、評価、試験の作成、採点ですとか、そのことから生じる保護者への対応なども担っていただいています。しかし、研修などの時間が制度上、保障されていません。多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成の加速を考えたときに、時間講師の指導力向上は必須条件です。今後さらに検討が必要な事項にこのことも加えていただき、現場での多くの時間講師の方々の指導力向上を直視し、学びたい、学んでほしい時間講師を支える具体的な方策の検討についても期待しています。
私から以上です。
【秋田部会長】 青海委員、3点のポイントをありがとうございます。
それでは、続きまして、小原委員、お願いをいたします。
【小原委員】 ありがとうございます。まず、3ページにあります特別の支援を必要とする関連なのですが、最近、幾つかの地域では外国籍の子供の取扱いで苦慮していると聞いています。したがいまして、外国語としての日本語指導できる、ある程度免許のようなものがあれば、そういう人たちをそこへ配置することによって、日本語がよく分からない子の対応ができるようになるのではないかなと思います。植民地を持っていた国は、英語なりフランス語を母語としない子供の指導法というのができているように、日本もそろそろ日本語を母語としない児童に対する指導の在り方、そういうものを免許制度できちっと取り組んでいく必要があると思います。
次に、5ページですけれども、大学側が質保障に責任を持つことと書いてありますが、誰に対する責任なのか、ここをしっかりと明記する必要があると思います。
それとの関連で6ページになりますが、現在、私立学校、私立大学の教職課程を持っているところでは、自己点検、自己評価を行っていますけれども、これをぜひ単なる質向上の必要性というところで終わるのではなくて、現在進められている大学の評価の中に、部門の一つとして教職課程を入れていく方向で進めてはいかがかなと思います。というのは、大学が今、全体で金銀銅、くず鉄という中で、場合によっては、もう一つの政策である240大学を潰せということと合わせて、もしかしたら教員養成をやっている大学まで潰されてしまうと、結局困るのは地方自治体、教育委員会ではないかなと思います。東京23区の規制との関連で、今いろいろ攻防がなされていますけども、そのあおりで地方から減っていくということも考えると、きちっとそこで教職課程の金銀銅の評価もさせる必要があると思います。
それと、今、先ほど言いましたけども、幾つかの大学が撤退に追い込まれるとなると、そこで行っていた教職課程がなくなる可能性もあります。自ら開設に従って、なかなか中学校免許しか出していない大学で小学校の免許が出せません。一方で、通信教育で教員養成をやっているところもあります。それを活用するということも今後考えていくことによって、課程に必要な教員を3名用意しなくても、小学校の2種免が出せるようなことが可能になってくると思います。通信教育課程による教員養成、免許課程の質保障もこの中に入れておくと、併用して教員養成が進めていくことができるのではないかなと思います。
特に小学校の免許を出している大学、250校と非常に少ない。現実、比例して小学校教員不足が一番著しいのですから、そういった地域での教員養成に通信遠隔教育手法が使えるといいのではないかなと思います。通信制と通学生の教職課程の組合せの可能性、これを「可能性」で止めるのではなくて、実施の方向で進めていけるような制度を考えていってはいかがかなと思っております。
以上です。
【秋田部会長】 小原委員、ありがとうございます。それでは、続きまして、真島委員、お願いします。
【和嶋委員】 ありがとうございます。
【秋田部会長】 あ、真島委員が先です。すいません、その後、和嶋委員でお願いしていいですか。
【和嶋委員】 失礼いたしました。
【秋田部会長】 ごめんなさい。私の発音がはっきりしなかったですね。すいません。
【真島委員】 ありがとうございます。私からは、国立大学の教員養成の使命の件と、能力測定、学力保障、教員の授業改善、指導力向上の件と、学習指導要領との密接な連動について発言させていただきたいと思います。
まず、5ページの教育実習の件です。先ほども佐々木委員や森田委員のほうからも教育実習の在り方についての御発言がございましたが、バランスの取れた持続可能な教育実習の在り方を検討することは必要でございますし、そのためのガイドラインの作成は不可欠であると考えます。その上で、国立の教員養成大学がこの議論をリードしていくことが非常に重要ではないかと考えております。教育実習の在り方、働き方改革の負担軽減と質の保証という両方の観点と、さらに、学校体験活動の分散や私大も含めて、コンソーシアムを設置・運営し、国立大学が広域拠点型として、私大も含めて地域の標準化を進めていく。そして、それを全国的に持続可能な形で実施するために、ルールをしっかりと定めていくことが、教育実習について非常に重要な質の保障につながってきます。本学を含めて、国立の教員養成大学がしっかりと議論をリードしていくことが重要ではないかと考えております。
それから、6ページです。これは本学も含めた単科の教員養成大学が果たすべき使命と役割について書かれています。教員養成の質と量の確保に責任を持つ観点から、これまでの一大学で実施する教育課程の体制から転換を図り、地域の教員養成のハブとして、第5期に向けて国立の教員養成単科大学がきちんとした形で存在意義と価値を果たせるかといった点は非常に重要だと思います。その際は、大学と教育委員会等が一体となって教員研修を実施するとともに、国立大学が有している附属学校の改革も含めて、大学と一体となって、価値ある国立としての役割とは何なのかということを問い直していかなければいけないと考えております。
教員養成は何もしなくても重要なので残していくべき存在として位置づけられるわけではなく、きちんと広域拠点型の教員養成として、単科の教育大学が、私立大学も含めて、質の保障と量の確保についてビジョンを明確に示しながら、大学と教育委員会等が一体となって教員研修の実施、附属学校と一体化した改革の姿勢を鮮明に打ち出していく必要があります。そのことによって、さらなる教員養成と教員研修の質を向上させていく。そのために新たな自己点検、評価、FD/SDといった点も重要になってきますし、大学教員のさらなるグレードアップも大変重要になってくると思います。
また、1ページには、教師の質の確保の3本柱の1つとして、「(3)専修免許状を目標に設定」と書かれております。さらに7ページ、8ページには、大学院の専修免許について大きく打ち出されています。大学と教育委員会との連携で、教師の質保障、さらなる専修免許の上進といったところでも、国立の教員養成単科大学が、しっかりと責任を果たし、リーダーシップを発揮していかなければなりません。本学も含めて非常に主体的に、かつ積極的にやるべきことではないかと考えております。そのためには、「専修免許状取得の努力義務化については、今後慎重に検討」というところから、さらに一歩踏み込んで、「専修免許状取得の努力義務化を進める」という文言に修正していただきたいです。
2点目です。能力測定の件ですが、7ページにコアカリキュラム、CBT問題と、令和9年から始まる一次試験の共同実施の件が書かれています。そして、さらに7ページに、学習評価を支える基盤としての能力測定の充実が書かれています。能力測定に関わる先進的な自治体の取組をベースとした国による全国的なコーディネート機能の強化という文言が入っているかと思います。これがなぜ重要なのかという、児童生徒に対して能力測定をすること自体にも意味がありますが、能力測定をした後に教師の授業改善をどのように見直していくのか、指導の在り方を問い直して、よりよい指導にどうつなげていくのかといった観点がとても重要です。教員養成段階のコアカリキュラム、CBT、そして採用段階の共同試験の実施、子供たちの成長を見とっていく能力測定、さらに教師の指導力の改善にどのように結びつけていくか、こういった観点が非常に重要なところとして書かれています。
さらに、それと連動した形で、今回小学校の全科と専科についても荒瀬委員のほうからお話がございましたが、11ページにありますように、基本的に全科が原則と言った点は私もそのとおりだと思っています。専科も含めてチーム学校として質を向上させるという意味では、それも大変重要だと思っています。ただ、大学入試の問題がございますので、小学校の全科の免許を取っていく学生さんには、ぜひ5教科の学力を大学入試で問うことをお願いしたいと考えています。小学校教育の質担保は、大学入試における5教科試験の実施、CBTの導入など含めて、総合的に検討が必要です。小学校全科の免許を取得させる大学は、「大学入試における5教科試験の実施」によって、小学校教育の質担保をぜひお願いしたいです。なぜならば、1ページに学び続ける高度専門職業人、学びに関する高度専門職というものが質の担保、向上には必須だということが明確に書かれております。小学校、中学校、高校、大学と連続して学び続けていることが保障されていないと、学び続ける高度専門職業人にはなれないというのが私の見解です。そのため、小学校、中学校でとどまっている学力で、それで本当に高校、大学の学力がないまま、小学校の全科を教えられるのですかといったところは、しっかりと入試段階でも問うていただいて、小中高大と学び続けている人を対象に小学校の全科免許を出していく。そこにきちんとした学力保障としてのCBTとかコアカリキュラムとか採用試験、さらにそれを子供たちの成長の伸びを測る能力測定とうまく連動させていくことによって、本来的な質を高めていく。小学校の専科の算数、理科については、短期的には必要になってくる部分もあるかと思いますので、そこはバランスを取っていただきながら、実施していただきたいなということが意見でございます。
最後に、学習指導要領の密接な連動のところですが、3ページに学級経営が文言として入っていまして、ここに教師と子供の信頼関係、子供同士の人間関係の構築という文言があります。これは非常に重要でして、なぜ重要かというと、学力を向上させる要因として、主体的、対話的で深い学びの観点の授業改善とともに、学級経営という教室環境の中での人間関係というものが相互作用によって、非認知能力や学習方略を向上させて学力を向上させているという、埼玉県の学力・学習状況調査の研究成果が前提となっています。5ページの強み専門性の20単位の中でも、特に探究的な学びを実現という文言があります。それは何を意味しているかというと、20単位をただ取るという意味ではなくて、先ほど佐々木委員からも自立的な、自分で学びをデザインしていくというような要素とか、あるいは、自分の特性、強みは何かということを問いながら、大学の教員と学生が信頼関係を築き、学生同士も人間関係を築きながら、その中で20単位というものをきちんと構成していき、授業も構成していく。それはまさにここで言われている探究的な学びを実現という意味合いではないかなと考えております。そういった学習指導要領で求められている資質能力というものは、まさに大学の教育の中でも実施されるべきではないかという意味で、意見を述べさせていただきました。
以上です。
【秋田部会長】 真島委員、ありがとうございます。ぜひお一人3分を平等に守りたいと思いますので、残りの方、申し訳ありません。12時、若干もう既に計算上過ぎますが、御協力をお願いいたします。
和嶋委員、先ほど失礼いたしました。お願いいたします。
【和嶋委員】 先ほどは失礼いたしました。和嶋でございます。私からは審議のまとめ(案)の3、今後さらに検討、議論が必要な事項について、2点お話ししたいと思います。
まず、13ページの(2)のNITSの在り方についてです。以前、この部会で私から発言させていただきました当機構の強みである、多様な主体をつなぐネットワークのハブ機能を生かした役割の強化や、これまでの取組で得られたノウハウを生かした新たな役割などをまとめていただいています。詳細は今後の検討を経てのこととなろうかと思いますが、私どもとしましては、教職員の総合的な支援を行う拠点としての役割を、また、皆様から期待されている役割をしっかりと果たしていきたいと考えており、そのためにも、最後の丸に示されておりますが、役割の抜本的強化を実現するための体制整備の在り方についても併せて検討いただければと思っております。
もう1点は、14ページの(5)若手教師の経済的不安の解消についてです。この部分は今回の審議のまとめ(案)で、奨学金の返還支援に関して、前回より踏み込んだ記載になっており、とても期待しております。奨学金の返還支援は、学校の教員や教員を目指す学生の方々にとって、自分たちが社会から必要とされている、応援されていると感じていただけるものと思います。その意味では、経済的なメリット以上に重要なメッセージを伝えることができるのではと期待しているところです。奨学金の返還支援の取組は、一部自治体において既に取り組まれていると伺っておりますが、一方で、必要となる金額は少なくないことから趣旨に賛同できても、結果として、自治体の財政事情によって実施の可否が分かれてしまいます。教員を応援するというメッセージをという観点からも、ぜひ文部科学省において、全国一斉に取り組んでいただくことについて検討を進めていただければと思います。
私からは以上です。
【秋田部会長】 和嶋委員、どうもありがとうございました。それでは、続きまして、松原委員、お願いいたします。
【松原委員】 ありがとうございます。奨学金の返還支援については私も同じ意見ですが、時間もありませんので、11ページ、2の(7)小学校の関連について意見を申し上げます。この項目は大変注目しておりますけれども、多様な要素が1か所に盛り込まれており、論点が少し分かりにくい印象を受けました。今後の議論に向けて幾つかの要素を整理する必要があると感じています。
具体的には3つの論点があると思います。第1に、多様な専門性や背景を持つ社会人等が小学校の教員になりやすくするための制度設計、第2に、そうは言っても、全科指導を引き続き原則としたほうがいいのではないかという点とのバランスについて、第3に、特定の教科を指導する教員を採用した場合の配置や、その後の異動といった人事面での課題、それを克服するための制度設計についてです。この中に含まれているとは思いますけれども、改めて小学校作業部会の資料を確認したところ、小学校免許の門戸を広げられないかということや、現在、特別免許状でのみ認められている仕組みを改善できないかといった内容も資料に書かれておりました。
今回のまとめで直ちに結論を出す性質のものではなく、今後さらに詳細の検討を進めていくことになると承知はしておりますが、今後の議論の土台として、これらの論点を主に質の向上のために必要なこと、あるいは量の担保のために必要なこと、目的を明確にしつつ、より分かりやすく整理していただきますようお願いいたします。
私からは以上でございます。
【秋田部会長】 松原委員、ありがとうございます。御協力に感謝申し上げます。それでは、続きまして、佐古委員、お願いいたします。
【佐古委員】 ありがとうございます。私から3点申し上げたいと思います。
1点目は、先ほどの佐々木委員、それから森田委員の意見と重複するのですが、今回の教員免許の制度の改革のキートーンとして、自律的、主体的な学びを教員養成課程で重視すること、このことをはっきりと打ち出していただきたいと思います。自らの学びをデザインする経験や、あるいはその基本的な能力を形成することが今後、学び続ける教師の育成につながるということですので、その点は、教職課程の改定のどこかに明記していただくことが必要だと思っています。
2点目は教職大学院の活用に関することです。これは申し上げるまでもないですが、教員の高度化、並びに専修免許状取得の主要なルートとして、教職大学院が大きな役割を担っているのですが、なかでも現職の先生が実践的な課題をもって学び直すということの意義は大きいと思います。そのことから言いますと、現行の教職大学院制度は教育委員会派遣による就学が主になっておりまして、自発的に学ぶということの道が非常に限定されているということでございます。したがいまして、今後、教職大学院を活用する方法といたしましては、職を持ちながら学ぶ、自発的に学ぼうとする教師の支援を行うような制度的、あるいは、就学支援の方策等をぜひ図るべきだと思っております。そのことにつきましては、まとめの6ページ以降に、教員の資質能力の恒常的な向上というところで項目が出ておりますが、その中にこういうものを加えるべきではないかと思っております。
それから、最後、3点目は実習に関することです。これも様々御意見ありましたが、私はここに書かれているように、実習のガイドラインを検討するということについては、賛成なのですが、大切なことは、実習の目的を大学と実習校が共有することだと思います。これはどうしても抽象的なことにならざるを得ないのですが、実習が将来教壇に立つ学生の基礎的で最低限の能力を育てるためのものだということの共通認識がないと、教員によって実習の方法や、あるいは学生に求める水準が変わると思います。教師としての教壇に立つ最低限の実践的能力を「育てる」ことであって、見極めることはないということを基本に置いたような実習の目的をはっきりさせた上で、様々な条件を付すということが必要だと思っております。
以上でございます。
【秋田部会長】 佐古委員、ありがとうございます。それでは、甲斐委員、お願いいたします。
【甲斐委員】 ありがとうございます。佐賀県教育委員会の甲斐です。14ページにあります奨学金返還支援が独立した検討事項になったことはとても重要なことだと受け止めています。先ほどお話がありましたように、自治体だけでは制度設計に難しさがあります。支援額が小さいと効果が薄いですし、対象を絞ると志望者が増えません。広げると財源に限界が生じて自治体間で差が出てきます。教師は子供の学びと成長を支える人材育成の基盤であり、自治体間での奪い合いではなく、国全体で教師を志す学生が増えるように、ぜひ全国的な取組にしていただけることを期待したいと思います。
同時に、若手教師を応援していくという取組、非常に大事でして、佐賀県においても若手教師が1人で問題を抱え込まず、安心して業務に当たれるよう力を入れております。また、教師を目指す学生が希望を持ち続けられるよう、働き方改革や教育DXの推進、研修においても、明日から使える、やってみたくなる、そんな研修になるよう工夫していきたいと思っています。今、佐賀県ではこれからの学校づくりについて、若手もベテランも一緒になって対話、協働するワークショップを小中高で展開中です。子供主体の学びの実現と、そのための余白づくりを同時に追いかけ、そこで出たアイデアはまずやってみるという取組を進めているところです。
文科省におかれましては、これからも自治体における多様な取組を後押ししていただければと思います。よろしくお願いいたします。
【秋田部会長】 甲斐委員、ありがとうございます。それでは、続きまして、岡本潤子委員、お願いをいたします。
【岡本(潤)委員】 ありがとうございます。私は幼稚園の立場から1点だけ、多様な社会人等が教職へ参入しやすくなる制度の在り方について意見を述べさせていただきます。
幼稚園という教科学習とは異なって、生活が教育に、遊びが学びとなる幼稚園においては、現在、特別免許制度がない状況ではあります。一方で、教職員支援機構さんが実施している幼稚園教員資格認定資格はございますけれども、そこでは幼稚園教諭2種免許状が取得できる制度になっています。全国的に保育士不足は深刻ですけれども、多くの園には、幼稚園教諭の免許は持たずとも、子供たちとともに生活することに喜びを感じながら、預かり保育の中でお手伝いをしてくださる方、また、一緒に遊んでくださったり、バスの添乗をしてくださったりしている方など、園運営においては、補助スタッフとしてお働きいただいて、その方々の存在というのは大変重要な状況です。その方々には教員免許はないのですけれども、園長の目から見ても大変よい働きをしてくださいますので、今後、教職員支援機構さんが実施していらっしゃる認定試験の取組は、さらに充実するような、何か幼稚園団体としても協力ができないのか。また、研修等を受講することによって、特別免許のような資格を授与して、お働きいただくことができないのかという、そのような検討が必要な時期ではないかと思っております。
以上でございます。
【秋田部会長】 岡本委員、どうもありがとうございます。それでは、続きまして、戸ヶ﨑委員、お願いをいたします。
【戸ヶ﨑委員】 これまでの委員の意見と重複するところもありますが、教育委員会、現場の立場から、ページを追って何点か申し上げます。
5ページ、「強み専門性」の20単位の一つとして、発達障害など特別支援学級における対応を専門的に学ぶことが可能となります。これは従来の特別支援学校の免許ではなかった類型であり、ある意味、これまで私がこだわってきた「特別支援学級免許」とも言えるのではないでしょうか。強み専門性の一つとして、ぜひそのような教職課程が生まれてほしいと思います。
同じく5ページ「学校体験活動」を努力義務化し、教育実習を分散化して、1、2年生のうちから学校現場に出るのであれば、次の2点をお願いします。
それに伴う業務負担が学校現場に増えるのではなく、学習支援員等、むしろ学校の教育活動の助けとなる設計となること。
意欲ある学生だけでない学生もそれに参加することになる危険性を踏まえ、今まで以上に事前事後学習の充実や実習中の支援など大学の関与を確保すること。
続いて、7ページ、今回「専修免許状」を目指す方向性が示されましたが、一方で「主務教諭」は法制化されたものの、導入が進まない実態があります。例えば、優秀な教員には「専修免許状」へとつなげ、その中で「主務教諭」につなげていくという流れが考えられるのではないかと思います。積極的に「主務教諭」が発令されるよう、うまい組合せを考えていくべきと考えます。
次に、10ページ、特別免許状は積極的に出す県と、そうでない県の格差が広がっています。幾ら基準・目安ができても、正直期待できないので、少ない県に出させる方策を考えるか、あるいは国による授与の検討も必要なのではないかと思います。
次に、11ページ、小学校専科についてです。小学校は全科が原則です。これまでも私から小学校教師の総合診療医・ジェネラリスト的な役割の重要性を述べてきました。それを原則としつつも、小学校では「専門と得意で教科を魅せる」ことも大切と考えます。このことは、小学校教育の質担保にもつながり、CBT導入等、様々な手段とともに導入するワン・オブ・ゼムにすぎず、これらは背反するものではありません。ぜひこれらをパッケージで行う中で質担保を図っていただきたいと思います。
次に、13ページ、生成AI時代の教師・学校の役割について、もっと掘り下げるべきであると思います。学習指導要領改訂を踏まえ、まず、教員養成において足元でやるべきことは今回まとまっていますが、それで済む話ではなくなることは自明だと思います。年末までに答えが出なくても、せめて方向性だけでも、この部会で議論すべきと考えます。
最後に、14ページ、学部段階の奨学金返還支援について、今後の検討事項として独立して示されたことは大いに評価させていただきます。以前から申し上げてきたが、志ある優れた人材に教職を目指してもらうには、教職の魅力を高めるため、働き方改革の更なる加速化や処遇改善、指導・運営体制の充実等とセットで推進していくことが必要です。しかし、財政状況や首長の意向により、その取組状況はかなりの自治体間格差があるのが現実です。全国どこでも質の高い教師が確保できるよう、文科省の自治体支援を引き続きよろしくお願いしたいと思います。
【秋田部会長】 戸ヶ﨑委員、ありがとうございます。それでは、続きまして、松田委員、お願いをいたします。
【松田委員】 ありがとうございます。資料2-1の12ページ、特別免許状の授与権限を都道府県から政令指定種都市に拡大する件について申し上げます。
方向性については、もちろん賛同いたしますけれども、政令市都市というのが、指定都市という線引きが適切かどうか、検討の余地があるのではないかなと思っております。先般、ある地方都市の市長と教育長と懇談する機会をいただきまして、特別免許状を積極的に授与したいという明確な意思をお持ちでしたが、県との協議の壁が高いという趣旨のお話がございました。人口数十万人規模の市で、指定都市ではありません。先ほどの戸ヶ﨑教育長のコメントなんかをお伺いしていると、戸田市なども積極的に活用されていきたいという思いをお持ちなのかなとも感じましたけれども、積極的に取り組もうとしているのは必ずしも規模の大きい自治体ではなくて、むしろ機動力があって明確なビジョンを持った自治体にその意欲が見られるのではないかなと思っております。
参考資料1の111ページの自治体ヒアリングでも、申請はほとんど私立で、県としても積極的な周知は行っていないとの回答がございまして、都道府県側に必ずしも推進の動機が働いていない実態がうかがえます。
12ページ、先ほどの資料2-1の12ページですけど、権限の在り方だけではなくて、免許事務や予算、人員などの体制整備を含めた検討が必要とされておりますけれども、この条件自体は妥当だと思いますけれども、体制の規模のみを基準とすれば、意欲と機動力を持つ中小の自治体は制度的に排除されることになってしまいます。そこで、提案なのですけれども、認証と授与の機能を国、あるいはNITSが担い、全国通用性のある特別免許状を授与する設計はいかがでしょうか。申請は都道府県や指定都市に限らず、市区町村ですとか学校法人からも行えるようにすると。規模による線引きは不要となって、意欲のある自治体が規模に関わらず活用できるようになりますので、申請件数は一気に増えるのではないかなと思います。
この考え方の要素は、既に本まとめ案にございます11ページに新たな免許状については国が授与することも含めて検討し、全国通用性を持たせること。そして、12ページには大学院におけるプログラム修了者などに対する国による免許授与の可能性について。そして、13ページ目には、NITSの役割の抜本的強化が示されているわけでございます。これらを別々の論点として扱うのではなくて、一つの設計として接続していただきたいと思っております。
加えて、授与判断の質を高める効果もございます。先ほどの111ページでは、特別免許状審議会の実施に半年ほど準備を要して負担が大きいと。そして、判断基準がなくて属人的になりやすいと課題として挙げられておりました。対応として、手続の簡素化、国での集約を含むことが求められておりまして、自治体側からも集約を求む声が上げられているわけでございます。なので、授与主体を分散させるほどの判断のばらつきは拡大いたしますけれども、集約すれば基準の統一と負担軽減を同一に実現できると思っておりますので、政令指定都市への拡大の可否という枠にとどめず、国による授与と全国通用性という選択肢を検討の射程に入れていきたいと思っております。
以上でございます。
【秋田部会長】 松田委員、どうもありがとうございます。それでは、続きまして、古沢委員、お願いをいたします。
【古沢委員】 ありがとうございます。6ページ目のCBTについて申し上げたいと思ったのですが、教師としての資質能力を確保、向上をさせることが必要だというのは理解できますし、ここにあるように授業の事前事後に学習として生かすのは有効であると思います。ただ、文書の中で、必要条件であって十分条件でないという記述もあって、それはつまり、国の示す一定基準などをクリアしないと教職課程を先に進めないようなものをイメージされているのか、それとも各大学で柔軟に取り扱えるのか分からないなと思いました。もし前者のような形で進めていくのであれば、大きな変更になりますので、結果的に教師を目指す学生の減少とか、免許取得者の減少ということにならないような制度設計上の留意が必要であると。もちろん資質能力向上は必要ですが、十分な配慮が必要であると考えます。
あと、もう1点ですが、教育実習については、確かに実践的な教育力を育む場であるということは大きな目的であると思うのですけど、学生の立場から見ると、最終的に教員採用試験を受けるかどうかという判断材料としても大変重要ではないかと思います。それだけに、より実践的な内容で教職の魅力を適切に伝わる質の確保が必要ですし、同時に学校体験活動とか特別支援などに関わることも有効かもしれませんが、幅広く多様な学校現場の在り方に触れる機会にしてほしいと思いました。
以上です。
【秋田部会長】 古沢委員、ありがとうございます。それでは、麻生委員、そして白水委員とお願いしたいと思います。麻生委員、お願いいたします。
【麻生委員】 ありがとうございます。簡単に申し上げます。今回、部会におきまして、参考資料2、参考資料3として、公立短期大学協会、並びに私立短期大学協会の要望を入れていただきまして、感謝申し上げます。
そこで、私たちの要望の中で、公立短期大学のほうは、栄養士と栄養教諭の関係、並びに、認定専攻科で学士が取れる課程についての記述がございます。共通しているところが幼稚園教諭と保育士の関係で、今回の資料の9ページのところの最初のポツで保育士養成も併修する短期大学の学生に対する強み専門性の位置づけについて要検討というところにつながっていくと思います。強み専門性の内容をより柔軟にということと、保育士養成課程との整理、統合をしていただきたいと考えております。保育士養成に関しましては、所轄庁がこども家庭庁になります。また、私たちの卒業生が就職する就職先は認定こども園が多く、幼保の両方の資格免許を持ってなければならないという場合もあります。これについては、今回の教育職員免許法における改正の中で、ぜひこのことの議論の深掘りをしていただきたいということで、9ページの要検討というところを具体的な話として進めていただきたいと思いますし、省庁間の壁もあるでしょうから、事務局には、その調整をよろしくお願いしたいと思います。
私からは以上でございます。
【秋田部会長】 麻生委員、ありがとうございます。それでは、白水委員、お願いいたします。
【白水委員】 3ページの(2)でございます。教員養成フラッグシップ大学も今年で最終年度になり、その中で、どの大学も省察、リフレクションの重要性ということを指摘しておりますけれども、それに一番近いのが(2)の一番上かなと思います。ほかには記述が全くございませんので、学び続ける力を学ぶことを教職課程上位置づける、例えば省察の重要性の強調と履修カルテの活用などというようになりますと、履修カルテの活用等、もう少し具体的な方法だけではなくて、何のためにやるかというのが伝わりやすくなるかなと思いました。
もう一つ、ここで学習指導要領との密接な連動とあるのですが、大きな柱の一つの深い学びというのが、記述のどこにもなかったもので、それも含めて、例えば深い学びの実現に向けて、2点目の指導法と専門的事項を一体化していくというような記述があるといいかなと思いました。そう考えますと、資料の2-2に移りまして、資料2-2の指導要領改訂と密接に連動した抜本的アップデートのところも若干情報職が目指す感じがありますので、今みたいに深い学びというような項目も入れておかれるといいかなと思いました。
最後一つ、全体を通してなんですけれども、先生方の学びというのが何のためにあるかと考えたときに、子供の学びをデザインして主体的、対話的で深い学びを実現し、その資質能力の育成につなげていくんだというところに一番の先生の仕事の、どなたかの言葉で、楽しくてすばらしい仕事というのがありましたけれども、あるというように考えると、そんな魅力というのを端的に伝えていきたい。そう考えたときに、何のために先生の、今回の改革があるのかという鍵が、右下の子供たちの学びの要である教師の質と量と書かれている、子供たちの学びの要という表現はすごくいいと思いますので、これを審議のまとめのほうにも一貫して反映するようなことができるといいのかなと思いました。
以上でございます。
【秋田部会長】 白水委員、ありがとうございます。事務局のほう、御質問がございましたので、その点だけ御回答をお願いできますでしょうか。
【大根田教員免許・研修企画室長】 事務局でございます。2点いただいていたかと思います。
1点目、まず、66条の6の扱いについては、御認識のとおりかと事務局としても考えております。また、CBTの扱いについては、少なくともそれが一定達成できてないと次に進めないといったような御意見はなかったと感じております。今日いただいた御意見も含めて、しっかりと設計を考えていきたいと考えております。
以上でございます。
【秋田部会長】 皆様、多様な、より生産的な御意見をいただきまして、誠にありがとうございます。皆様の御意見をさらに深めて整理などをするべき点はまだあるなということも今日感じましたけれども、本日の審議を踏まえまして、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について、審議のまとめ(案)につきましては、この段階で部会長に一任をさせていただければと存じます。その中で、今日の皆様の御意見を踏まえて書き込めるところは、よりまた整理が必要という御意見があった部分なども整理させていただければと思いますが、いかがでございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございます。
皆様、うなずいていただきましたので、そのような形にさせていただければと思います。取りまとめた審議のまとめにつきましては、これまでの審議の報告として、初中分科会、そして総会へと順次、報告をさせていただきたいと考えてございます。
最後のほう、時間が押して、圧迫面接のようにお一人3分と失礼を申し上げましたけれども、無事、皆様の御協力で5分ほどの超過で過ごすことができました。
本日の議事は以上でございます。最後に、事務局より御報告をお願いいたします。
【岸良教育職員政策課課長補佐】 事務局でございます。
次回の教員養成部会の日程ですが、こちらについては、追って事務局より御連絡をさせていただきます。
以上でございます。
【秋田部会長】 皆様、本日はどうもありがとうございました。実は、貞広委員も手を挙げてくださっていたのですけど、お時間で私のほうの配慮が落ちておりまして、退室されたので、後日ということですので、部会長代理なので一緒に相談させていただいてまとめに入れてまいりたいと思います。
それでは、本日は以上とさせていただきます。お疲れさまでございました。ありがとうございます。
―― 了 ――
■会議終了後に頂戴した御意見
貞広委員
三点、意見を申し上げる。
一点目は、多様な社会人の入職経路についてである。多様な社会人の入職経路は、現行でも、普通免許状、臨時免許状、特別免許状と三つの免許状が併存しており、このうち、普通免許状の取得ルートにおいても、教職特別課程や通信制、教員資格認定試験など様々ある。これらは、バラバラに存在するのではなく、大学院新課程含めて、全体において一貫した設計が必要である。
これらの全体を貫く大前提としては、P1にあるとおり「入職時点で求められる資質能力が担保」されることで、免許を授与するということが重要である。P9にある「資質能力の担保が図られ教員免許が授与されるルートは、大学における教職課程を原則としつつも、より多く認められるべき」という考え方は、この隊前提が担保された上で成立すると考える。
大学院新課程については、1.大学院新課程を利用して現行の特別免許状を授与する仕組みと、2.大学院における35単位程度の学修によって、全国通用性のある免許状を授与するという仕組みが想定されるが、制度の実装にあたっては、両者の関係性が矛盾しない様に整理されることは必要である。特に後者は、普通免許状との関係や特別教職課程との関係も法制的に整理して対応する必要がある。更に、仮に勤務しながら単位を取っていく場合には、勤務と学修の峻別も含めて、大学の単位の実質化との関係の整理も重要である。
二点目は、CBTの考え方についてである。CBTの導入には賛同するが、いくつか留意しなければいけない事項があると考える。例えば、CBTで確認できる全体目標は、資質能力の一部であり、必要条件であって十分条件でないこと、更に、大学における教員養成の趣旨を踏まえ、教職課程の目的がCBTの結果の確保、いわゆるCBT対策の予備校化しないことに十分な留意が必要である。
三点目は、生成AI時代の教師・学校の役割についてである。現行の教育用AI開発は、学習支援を想定したAI開発・普及の段階であるが、近日中にはこれらに加えて、教師のファシリテーション等のデータをAIの教師データとしたAI開発が現実的になることが想定され、教師の役割、子どもの学びのスタイル、更に学校という場に集って対面で学ぶことの意味など、あらゆることの問い直しが起こると考える。教員養成の制度自体も、これまでの改革・改善のスピード感や方向性とは異なってくることが想定される。今回のまとめ(案)では、AIに関わる記述が、文書の最後に追加的に加えられた様な印象があるが、今後の検討事項の主戦場になることも想定される。しっかりと目配りして、進めて欲しい。
高橋委員
1. 「生成AI時代の教師・学校の役割」(13ページ)について
「教師と児童生徒との人格的な触れ合い」「子どもの学びを設計し、成長を支える」という記述は、方向性として適切と考えます。その上で、今後この論点を検討する際の視点として、次の2点のご検討をお願いしたいと思います。
第一に、本文の他の箇所との接続です。3ページに「代替にとどまらない補完・拡張」、4ページに「『観』の転換」という考え方が明記されておりますので、この(4)の検討においては、この2つを柱として参照することを一文添えていただきたいと思います。その際、両者の関係は一方向ではないことが重要かと思います。学習観・指導観・授業観の転換がAIの適切な活用を可能にすると同時に、AIを実際に活用する経験を通じて「観」の転換が促される。この双方向・循環的な関係によって「拡張」がなされていく。これらが養成・研修を通じて設計されていけばと考えます。
第二に、議論の前提の置き方です。単にAIそのものを学ぶ、あるいは現在の教育の姿を前提にAIを効果的に活用するという議論にとどめるべきではないと考えます。「拡張」とは、これまでできなかったことができるようになることを意味します。したがって、AI時代には教育で目指しうる姿そのものが高くなり、さらには別次元のものともなりうることを前提に、教師・学校の役割を議論すべきです。これは、本まとめの1ページに示された「最初に設定した完成形を目指すのではなく、設計・実行に当たって常に問い直す」という改革の基本姿勢とも整合するものと考えます。
当日、荒瀬委員から「人間の体温」の御指摘、戸ヶ﨑委員から「方向性だけでも部会で議論を」との御指摘があったと伺いました。いずれもこの節の掘り下げを求めるものであり、私の意見もこれらと同じ方向のものです。
2. 情報基盤の記述(7ページ)について
「小規模校を含めて、学校間が連携した研修の実施のために、情報基盤が整備される必要性」と明記いただいたことに感謝申し上げます。その上で、情報基盤が支えるのは研修に限られず、教材研究や校務、教師同士の日常的な学び合いにも及ぶことから、「学校間が連携した研修をはじめ、教師の日常的な学びと協働のために」といった表現に広げていただけると、趣旨がより明確になると考えます。
3. 高校生段階からの教師志望者の掘り起こしについて(審議のまとめへの反映に際して)
当日、部会長より本件を審議のまとめに反映することを御検討いただきたい旨の御発言があったと伺いました。その際、次の観点を含めていただければ幸いです。高校生の教職志望を最も左右するのは、彼らが12年間の学校生活で日常的に見ている教師の働く姿であると思います。したがって、セミナーや科目の先取りといった施策とあわせて、学校のDXや働き方改革が進んだ新しい学びの姿を高校生自身が経験していることこそが、最も有効な「掘り起こし」であり「広報戦略」であるという視点を、ぜひ記述に含めていただきたいと考えます。