中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会(第158回)議事録

1.日時

令和8年2月16日(月曜日)10時00分~12時00分

2.場所

15F特別会議室(WEB会議)

3.議題

  1. 多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策について
  2. その他

4.議事録

【秋田部会長】 皆様、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから、中央教育審議会第158回初等中等教育分科会教員養成部会を開催いたします。
それでは、まず事務局から、会議の開催方法についての説明と事務連絡がございますので、お願いいたします。
【柴田教育職員政策課課長補佐】 部会長、ありがとうございます。事務局でございます。
まず初めに、会議の進め方等について確認をさせていただきます。本日の会議も、ウェブ会議と対面を組み合わせましたハイブリッド形式にて開催させていただいております。御発言時ですけれども、画面の下部のリアクションボタンにございます挙手ボタンを押していただき、併せてマイクをオンにしていただいて、発言が終わりましたらマイクをオフにしていただくようにお願いいたします。
また、教員養成部会を担当している我々教育職員政策課でございますけれども、省内の組織再編がございまして、昨年10月より総合教育政策局から初等中等教育局に移管されておりますので、併せてお知らせさせていただきます。
以上でございます。
【秋田部会長】 柴田補佐、御説明をどうもありがとうございました。
それでは、本日の議事について申し上げます。議事は、議事次第にお示ししている2つでございます。
それでは、まず議事1に入ります。前回9月に開催された教員養成部会においては、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策に関する論点をおまとめいただきました。その後、新たに設置しましたワーキンググループ及び作業部会において、より詳細な議論をいたしてきたところでございます。本日の部会では、その教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループにおいて1月に取りまとめた「今後の教職課程や教員免許制度の在り方について(中間まとめ)」について御報告をし、そして、今後の更なる議論について御検討いただきたいと考えております。
それでは、まず事務局から御説明をお願いいたします。
【大根田教員免許・研修企画室長】 ありがとうございます。教員免許・研修企画室長の大根田でございます。
それでは、資料1に沿いまして説明をさせていただきたいと思います。
今、部会長からお話がございましたとおり、一昨年末の諮問に基づきまして、教員養成部会で御議論いただき、昨年10月に論点整理としてまとまった内容を踏まえて、教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループで御議論をいただいてきたもの、その内容の中間まとめの御報告ということでございます。昨年10月から4回、御議論をいただいたものでございます。
まず、おめくりいただきまして、1ページ目でございますけれども、もともとの養成部会におきましても、教師人材の質の向上と入職経路の拡幅というものを推進し、質の高い多様な専門性を有する教職員集団の形成を加速するということが必要であるという方向性をお示しいただいているところでございますけれども、それを踏まえまして、1ページ目の上の部分でございますが、養成・採用・研修の各段階において、それぞれの強み専門性を伸ばせるような仕組みとしていくことが必要であるというところが、大きな方向性としてお示しをいただいているところでございます。
具体的には、その下でございますけれども、まず、養成段階においては、共通で学ぶべき内容を再構造化・体系化した上で、専門的な学修に基づく強み専門性も含めた教員養成を行っていくということ。また、採用段階では、必要な基礎能力が身についているかを測定していくということ。そして、研修では、身につけた強み専門性をさらに伸ばせる機会を提供していくということが必要であるという方向性が示されているところでございます。
質の担保・向上という観点で、それぞれ養成、採用、研修段階での取組として御指摘をいただいているところでございますけれども、丸2のところでございますが、3つ目のポツのところでございますけれども、例えば、コアカリキュラムもその観点から見直していく必要があることや、デジタル・CBTも活用した事前事後学習の充実等による単位の実質化が必要である点が御指摘をいただいているところです。
また、採用段階においては、これらのコアカリキュラムやCBTと連動した内容による採用試験(一次試験の共同実施等)を実施していく必要性についてコメントをいただいているところでございます。
さらに、研修段階においても、1つ目のポツでございますが、初任者研修と養成段階における学びのデジタルコンテンツの共有や併用を可能としていく必要があるだろうということが示されているところでございます。
またあわせて、強み専門性を伸ばしていくという観点でございますけれども、養成段階のところ、4つ目のポツでございますけれども、学部等での専門的な学修や、学生が身につけたいと思う専門分野の学修や他資格等の併有等に取り組みやすいようにするとともに、研修段階において、中堅研においては、個人の強み専門性を伸ばしつつ、修士レベルの学修にも位置づけることで、教師の資質能力を抜本的に向上させていく必要があるということが示されているところでございます。
これら個人に着目した場合の資質能力の向上に関してが、1ページでございますけれども、それをチームとして見たものが次のページ、2ページでございます。
これまでの、どちらかといえば多少異なるとしても学ぶ内容が同じであり、同質性の高い状態であったというところを前提としつつ、これからというところで、右側の枠囲みのところですが、様々な強みや専門性を持った教師がチームとなることで、学校教育全体の質を向上させていくということを大きく掲げているところでございます。
中心には、真ん中のところでございますけれども、学び続ける教師としての基礎能力というものを身につけつつ、強み専門性を深めていくということを想定しており、左側でございますが、学部段階でその強み専門性を身につけつつ、さらにそれを専門性の修士レベル化を図っていくということが、左側に書かせていただいているところでございます。
また、これらを実現する上で、下のところでございますが、大学と教育委員会・学校現場との連携をさらに強化していく必要があるということについても御指摘をいただいているところです。
これらが養成から採用、研修全体を通じての方向性でございますけれども、これらをさらに養成段階に着目してまとめたものが3ページからでございます。
大きなイメージとしては、まず上のところでございますけれども、「学び続ける教師」ということを目指していくという大きな方向性が示されております。
これまでの教員養成・免許制度の原則や、先ほど申し上げました昨年10月の論点整理も踏まえまして、御議論いただいた主な意見がその右側のところでございますけれども、1つ目、理論と実践を結合していく中でカリキュラム全体の再構造化が必要であるということ。あわせて、要素間の関係性を考えながら、大括り化して資質能力を展望する発想が重要であるということが示されております。
2つ飛ばしていただいて5点目でございますけれども、次期指導要領に対応していくという観点で言えば、次期指導要領の基本的方向性の一つとして、主体的・対話的で深い学びの実装をしていくという点があるわけでございますけれども、これらを踏まえて、教職課程においても学生の深い学びの実装が必要であるという御指摘をいただいております。
加えて、その下でございますけれども、教職課程を学ぶ学生自身がこの学び続ける教師ということを目指すのであれば、自律的にカリキュラムをデザインしていくという発想が必要であるという点も、併せて示されているところでございます。
また、教職課程で新たに学んでいく必要がある内容といたしまして、3番目、4番目でございますけれども、学び続ける教師ということであれば、学び続ける力自体も学ぶ必要があるであろうし、他の教師と協働する力や省察のトレーニングなども重要であるということ、またあわせて、教師自身が強み・弱みと向き合い、自らのメンタルや健康状態とも向き合える、そういった能力も身につけていく必要があるであろうという御指摘をいただいているところでございます。
これらを踏まえて、下のところでございますけれども、大きく3つ方向性を示させていただいておりますが、免許状取得に必要な事項・科目区分の大きな再構成については、2点、教科(領域)等の指導法と、教育及び幼児、児童・生徒の理解という大きな2つの括りで考えていく必要があるだろうということ。
また、新たに教育課題に対応する事項として追加すべき内容として、先ほど御意見としていただいている部分とも重複いたしますが、次期学習指導要領の基盤となる考え方、例えば、多様性の包摂などが基本的な考え方の一つとして示されておりますが、こういった内容を踏まえていく必要があるであろうということ、重複する内容もございますけれども、教員養成フラッグシップ指定大学で先導的に行われている内容、これも踏まえて追加をしていく必要があるであろうということが示されております。
これらを踏まえた全ての教職課程で学ぶべき内容と、各大学で独自に多様性として学んでいく、そして、学生が自律的なカリキュラムデザインの中で強み専門性を身につけていく、その2つの柱で考えていく必要があるであろうということが示されております。
関連で、4ページでございますけれども、カリキュラムのデザイン原理ということで、大きな方向性3つ相互に関連するものとして、単なる「量」ではなくて「質」を重視していく必要があるだろうということ。そして、「理論」と「実践」を子供の学びの過程を中核にして統合していく必要があるであろうということ。そして、学生が自ら深い学修に取り組んでいくということが必要であるといったことが示されております。
これらのカリキュラムデザイン原理や先ほどの見直しの考え方を踏まえて、2本の柱として再構造化を図っていく中での、幼稚園から特別支援学校まで全体を共通しての免許状の学校種共通の考え方というのが、1から6で示されているところでございます。
まず、丸1でございますけれども、教職課程だけでなく、その外側にある施行規則のいわゆる66条の6科目や介護等体験も含め、既存の事項を再整理し、体系化・最適化を図っていく必要があるであろうというのが大きな方向性として示されているものでございます。
具体的には、66条の6科目や介護等体系についても、教職課程の中で位置づけていく必要があるものについては中で位置づけていくべきであるという大きな方向性が示され、例えば、介護等体験については、介護等ということで、現状でも特別支援学校や学級での体験が行われているということを踏まえた場合に、教育実習の中で特別支援学校や学級での実施を行うという形で行うことのほうがより効果があるのではないかということで、中で位置づけていく必要があるであろうという御指摘をいただいております。
あわせて、66条の6科目でございますけれども、例えば、教育データの活用等であれば、これらは教職課程の中で位置づけていく必要があるであろうということ、日本国憲法についても、子供の権利、また、教育基本法との関係で併せて学習することが、学生として身につく要素がより高いであろうという観点で、中で位置づけていく必要があるだろうという御指摘をいただいております。
一方、外国語コミュニケーションについては、より多くの大学で既に実施をされているということから、あえて教職課程の中に位置づけるということは必要ないであろうという御指摘の中で、現状、位置づけないという判断になっております。
そして、体育については、学校種ごと、免許状ごとに状況が異なるであろうということで、この後、申し上げますけれども、このワーキンググループの下に設置されております作業部会で、学校種ごと、免許状ごとの状況を踏まえた議論をいただく必要があるだろうということで、作業部会での議論を行うことになっている状況でございます。
具体的なところを申し上げましたけれども、こういった方向性が示されているというのが丸1の関係でございます。
丸2の関係は、先ほど申し上げました2種類に再編をしていくという大きな方向性について、丸3が、先ほどまで申し上げました新たに追加すべき内容について記載しているところでございます。
また、丸4、丸5については、先ほど申し上げました介護等体験等の関係での変更等を書かせていただいているところでございます。
そして、丸6は、重ねてになりますけれども、これらを支えるべく、デジタル・CBTも活用して事前事後学習を充実させていくということによって単位を実質化していく必要があるであろうということが示されております。
これらを踏まえた上でございますけれども、事項の名称や単位数の詳細は学校種ごとの作業部会でさらに議論を進めていただく必要があるであろうということの御指摘をいただくとともに、現行の一種免許状と二種免許状については、基礎的な免許状として統合を図るということで御意見をいただいているところでございます。
これらの内容を免許種ごとの現行の制度に当てはめたものが、次のページからということになります。5ページから11ページまでがそういった内容になってございますけれども、中学校を例に説明させていただきたいと思いますが、7ページを御覧いただければと思います。
左側が現行の制度設計でございまして、教科と各科目において含めることが必要な事項ということで書いている部分でございます。それを見直した場合にということでございますけれども、まず、強み専門性ということをきちんと立てていくということで、一種、二種免許状の差である20単位程度ではないかという御意見をいただいているところから、ここに20単位程度ということを書かせていただいているということでございます。
また、共通で学ぶべき事項に関しては、フラッグシップ大学での取組を踏まえて単位を割り振ってみてはどうかという御意見をいただいているところから、フラッグシップ大学の制度をベースに単位数を割り振っているというものでございます。そうすることによって、全体としては、強み専門性も含めて教職課程として認定をしていくということを想定するべきであるという御指摘をいただいており、あわせて、例えば、中学校であれば51単位程度を取得するということが4年制の大学では想定されるということでございます。
右下のところにございますとおり、この単位数や事項の詳細については、今後、下位の作業部会での御議論をいただくということになっており、その中では、先ほどの介護等体験、また、66条の6科目に定める科目に関しても御議論をいただくという設計になっているところでございます。
最後に、強み専門性の関係でございますけれども、12ページでございます。4年制大学の場合ということで例として大きく2パターン書かせていただいておりますが、上の図でございますが、その間に書かせていただいているとおり、この2パターンのみということではなくて様々なグラデーション、間があるということを前提として、分かりやすいものとして2パターンここではお示しをしているものでございますが、教員養成を主たる目的とする学部学科等においては、青色の共通で学ぶべき事項と強み専門性ともに、学位課程中で位置づけられて学修をしているという状況でございます。
また、いわゆる開放制の一般の学部学科等においては、規則で定められている学ぶべき事項については、学位課程の外側に一定程度存在することが多い状況ということになってございます。その中で、いずれにしても共通で学ぶべき事項と強み専門性というものを併せて教職課程として認定をして、免許取得へ向けて学修をいただくということを想定するという設計になっております。
強み専門性の具体的な在り方に関しては、今後また教職課程のワーキンググループ、本ワーキンググループで議論をさらに深めていただくということになっておりますけれども、これまでに御議論いただいた内容として御紹介をさせていただきますと、まず、強み専門性のパターンとしては非常に多くの例があり得るであろうという御指摘をいただいております。下のところの丸1から丸4にもございますとおり、教育学を筆頭に様々な学問分野、学位課程全体を通じて修得する学問分野が各教科の専門的な事項を裏づける内容として学修をしてくる、これを学位課程と教員の免許というものをブリッジするものとして強み専門性として学修をしてくるということが一つあり得るであろうしということで、丸1に書かせていただいておりますが、それ以外にも、例えば、生徒指導等、指導法や児童生徒理解等をさらに伸ばす科目を学修してくるというパターンや、特別支援学校等、他の校種、他の教科、他の免許の科目、また、その一部を修得してくるということもパターンとしてはあり得るのではないかということ。また、既存でも心理・福祉の場合にはそういった立てつけになっておりますけれども、親和性の高い他の資格科目の一部を修得するということも想定されるのではないかというふうな御意見を頂戴しているところでございます。
この在り方に関しては、今後、教職課程のワーキングでさらにどういった設計があり得るのかということを御議論いただくということになっているところでございます。
最後に、資料2、3について簡単に説明をさせていただきたいと思いますけれども、今申し上げましたとおり、このワーキングでは中間まとめとしてこのようにまとまったわけでございまして、さらに、今日のこの養成部会での御議論を踏まえて議論を深めていただくわけでございますけれども、小学校や中・高、それぞれ免許種ごとの学ぶべき事項や単位数等については、本ワーキングの下に設置されております部会において詳細を御議論いただくということになっております。具体的には、この丸2から丸6まで作業部会が設置されておりまして、現在それぞれで御議論をいただいている状況ということでございます。
そして、資料3でございますけれども、このワーキングの内容の関連でございますが、教職課程の現状に関して大学側にアンケートをさせていただきまして、その御回答結果についても、簡単ではございますけれども、御紹介させていただきたいと思います。
まず、2ページでございますけれども、教員免許状を取得した上で卒業する際に必要な取得単位数としてというところでございますが、教員養成を主たる目的とする学部学科等においては、大体4割ぐらいが160単位程度及びそれ以上という設計でございます。それに対して、開放制の場合には、50%強が60単位及びそれ以上という単位数が必要となっているという状況でございます。
また、開放制の学部学科等において、いわゆる教職科目が卒業の要件の単位として参入できる割合はどの程度かというところについては、全く参入されないところが4割弱、また、5割弱のところがやはり4割というふうな状況ということになっており、それ以外のものは卒業要件の外側にあるという設計になっているというのが現状であるということでございます。
3ページでございますけれども、教職課程とともに体験するということになっている介護等体験についてでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、社会福祉施設とともに特別支援学校での体験も許容されているわけでございますが、その教育効果や負担感について5段階で聞いているものでございます。
特別支援学校、社会福祉施設、それぞれ教育効果でございますけれども、5及び4が高い教育効果があると回答した割合でございますが、特別支援学校が6割、社会福祉施設が約4割という状況でございます。
それに対して、負担感でございますけれども、高い負担感というふうなところが5や4ということになりますが、特別支援学校が6割強、そして社会福祉施設が7割強という状況でございました。
1ページ飛ばしまして、5ページでございますけれども、66条の6科目に関してでございますが、それぞれ4科目の位置づけに関してまとめているものでございます。例えば、先ほど申し上げました外国語コミュニケーションに関しては、教職課程の履修にかかわらず卒業の必修科目として位置づけられている学校が7割強という状況ということでございます。
また、6ページでございますけれども、教員養成フラッグシップ大学で重点課題となっている内容の取扱い状況、それぞれどういう状況かということで言えば、例えば、児童生徒等、多様な子供への理解・対応力等を学修するというものが2割強ということで、この中では最も多い状況でございます。それに続く中で、上から2番目の省察的な実践を通じて学び続ける教師としての意識・態度の育成が、2割弱取り扱われているという状況だといったようなデータが出ているところでございます。
また、8ページでございますけれども、教員養成でより充実が必要と思う内容はということで、上位3つをお答えいただく中で、教科の指導力とともに、児童生徒理解に関する内容が必要であると、先ほど申し上げた大きな2つの括りに関連する部分、ここが必要な内容として上位に来ているという状況でございます。
雑駁ではございますけれども、報告をさせていただきました。
以上でございます。
【秋田部会長】 大根田室長、御説明をどうもありがとうございました。
それでは、ただいま議題1として事務局より御説明のございました教職課程・免許・大学院課程ワーキンググループにおける今後の教職課程や教員免許制度の在り方についての中間まとめにつきまして、委員の皆様から御意見を頂戴したいと思います。多くの委員の皆様に御発言いただけますよう、お一人の御発言時間は3分以内ということで、恐縮でございますが、お願いできたらと思います。
それでは、よろしくお願いいたします。
早速手を挙げていただきまして、ありがとうございます。それでは、まず、小原委員、戸ヶ﨑委員、橋本委員とお手が挙がってございますので、順にお願いいたします。
【小原委員】 ありがとうございます。
資料1の1ページのところに、今までこの協議の中に入っていなかった高校段階というのが入ってきています。これは、(先日、新聞にも出ていましたが、)高等学校で教職科目を先取りするというプログラムを走らせてもいいという意味なのか、これをさらに詰めていっていただければと思います。
次に、養成段階で、身につけたいという専門分野の学修というのが挙げられています。同時に今後の審議で取り上げていただきたいのは、実際に現場が求める内容を一つ挙げておいていただければと思います。例えば、今、教員の疲弊の原因の一つが父母対応ですので、カリキュラムの中に、父母対応をどうするべきかということも取り上げておいていただければと思います。
もう一つ、35単位だとか30単位と指定されていますけど、この名称は何になるんですか。基礎免許という名称になるんですか。この基礎免許さえあれば採用試験に進めるということなのか。その辺がいま一つはっきりしていないので、ここをはっきりさせていただければと思います。
以上です。ありがとうございました。
【秋田部会長】 ありがとうございます。
御意見3点をいただいたうち、2点は御質問だったかと思いますが、今、事務局からお答えいただけますでしょうか。それとも、後にしますか。
【大根田教員免許・研修企画室長】 今お答えします。
【秋田部会長】 お願いいたします。
【大根田教員免許・研修企画室長】 ありがとうございます。
まず、1点目でございますけれども、1ページ、高校段階のお話でございますが、ここで書かせていただいているのは、いわゆる地域枠事業等で、まさに体験をしていくということを想定して、高校生が教師の業務の体験をするということを想定しておりますけれども、高校段階で大学における単位を入学前に学修して、それを入学後に単位としてどうカウントしていくかというところは、制度上も現状ではあるところでございますので、そういったことを組み合わせていくということはあり得るところかなというふうに考えております。それがまず制度的なところの御説明でございます。
名称のお話でございますけれども、教職課程のワーキングにおきましては、例えば、先ほどの7ページの中学校で言いますと、こういった単位数をフラッグシップベースで振った場合において、一種と二種の免許状というものが統合されていくということでもよいのではないかという御指摘をいただいたところでございます。それが基礎的な免許状としてというふうな御指摘であったと記憶しております。免許状が明示的に今決まっているというものではないというふうには考えておりますが、そのときには、基礎的な免許状というふうな御意見が出ていたという状況でございました。
免許としては、まさに4年制の大学においては、強み専門性とともにパッケージで単位数を取得してくるということが想定されるわけでございますが、免許状として申請をする際に、今の御指摘がこの共通部分のみでも可能かという点については、この共通部分の単位数をもって免許状を申請するということは可能であるという制度設計であるというふうに認識しております。
事務局からは以上でございます。
【秋田部会長】 よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございます。
それでは、続きまして、戸ヶ﨑委員、どうぞよろしくお願いいたします。
【戸ヶ﨑委員】 今回のまとめは、教師の質の担保・向上を図るうえで極めて重要な改革であると考えております。まずは、まとめていただいた事務局と委員の方々に御礼を申し上げます。
その上で、教育委員会と学校現場の視点で何点か申し上げます。
まず、1つ目に、教師の資質能力は、入職の時点で完全な即戦力を求めるわけではなく、長い目で見て育成を支えていくという視点が重要だと思っています。共通で学ぶ単位数が減ると質が下がるのではないかという意見が当然予想されますが、教師は様々な現場経験を踏まえながら成長していくため、単位数を増やしたから質が向上するというような単純な話ではないと思っています。
多様化・複雑化している学校現場で今求められるのは、学び続ける姿勢、つまり教師の学びの所作の修得です。そもそも教師に求める能力のハードルの上昇は、今多くの業種で人手不足が言われている中で、志望者減少の要因にもなってしまうと危惧しています。教師は教職人生において学び続けていることが、質の高い教師の条件なのではないかと思っています。
2つ目に、今回の目玉である「強み・専門性」も大変重要だと思っていますが、一方で、現場からすると、なんでも屋も一定の割合必要であって、特に教員養成大学等においては、例えば、医者で言うところの総合診療医のような、教育ジェネラリストが求められるのではないかと思っています。そのような教師を中心に、先ほど説明でありましたように「強み・専門性」のある教師同士が協力し合って仕事をすることで、学校のパフォーマンスも一層上がっていくと考えます。教職課程の中で「チームとして働くことを学ぶ」こともぜひ今後進めていただきたいと思っています。
3点目に、いずれにしても教職課程を経て教職の資質能力が確実に身につくことは当然必須であって、くれぐれも大学間での学びの格差が生じないように、これは現場の切実な願いとして強く申し上げたいと思います。
続いて、今回の改正は、特に中高の免許に関して、多様な専門分野を学ぶ学生が免許を取得して、専門性を生かして教科指導ができる点では大きな意義があり期待しています。一方で、小学校の免許のことで今後の教職課程ワーキンググループや各作業部会において議論いただきたいことを2点申し上げます。
1点目は、現在4年制大学で小学校の二種免許が取れるのは、心理や福祉などの強みや専門性と合わせる場合や、専科指導優先実施教科の中高免許と合わせる場合に例外的に認められています。今回の改正によって、この例外的措置が原則になるということかと思っています。したがって、教員養成を主たる目的とする学部学科のみ小学校の教員免許を設置できるという原則を見直して、開放制の大学においてもぜひ小学校免許を出す門戸を開いていくべきではないかと思っています。
最後に、小学校の教科の免許状は、現在、特別免許状でのみ認められていますが、専科指導の拡大を踏まえれば、いわゆる一種免許状で小学校の教科の免許状が取得できる形とすることが望まれるのではないかと思っています。これらによって、より教科の専門性を持った教師が小学校においても現場に当たれる状況になると考えています。
以上です。
【秋田部会長】 戸ヶ﨑委員、ありがとうございます。
特に免許状のこれからの在り方については、またワーキングのほうで検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、続きまして、橋本委員、お願いいたします。
【橋本委員】 橋本です。中間取りまとめに関しましては、ワーキング委員の方々と事務局にしっかりまとめていただいて、ありがとうございます。お礼を申し上げたいと思います。
免許取得に必要な単位数の見直しについて一言コメントしたいのですが、カリキュラムを柔軟化し必要単位数を見直せば、今よりは教員免許を取得することがやや容易になるものと思われます。これは質を担保すること、ならびに教職員が生涯をかけて学び続けるということを大前提として、人手不足という世の中の情勢を考えれば、量的な確保という面においては、ある程度有効ではないかと思います。
特に教員養成系学部以外の学生が免許を取得しやすくなるということは、今まで単位数のせいで免許取得を諦めていた人も少なからずいるでしょうから、そういう方たちにとって可能性が広がり、また多様な専門性や強みを持った人材の確保にもつながるという、両方の面で期待できると思います。
また、学生の立場からみると、教員免許がより取得しやすくなるということで、それぞれ将来を見据えた人生設計の選択肢を広げるという意味もあるのかなと思います。
御承知のとおり、民間企業においては、いわゆる新卒一括採用からジョブ型採用に移っており、私どもの会社もそうですが、中途採用や通年採用という形にどんどん移行していっています。それがすなわち人材の流動化につながっており、定年まで同じ会社で働くという考え方はもう新入社員にはほとんどなく、もう入ってきてすぐの研修のときから転職を考えているという人も大変多くいます。そういう時代ですので、学生時代に免許を取得して、一度民間企業で経験を積んだ後に、改めて教職を志す人も、これまでより増えるのではないかと思います。
企業での経験を持った人、社会人の経験を持った人が教職の世界に入るということは、多様な視点や経験を教職の現場にもたらすことにつながりますので、専門性の向上に寄与するということも期待されると思います。
実際に取得単位の負担が軽くなったから教職を目指す人が増えるかどうかは、ちょっとやってみなきゃ分からないという部分もあるかと思いますが、教職現場が置かれている現状や課題を考えれば、間口を広げるということは意味があると思いますので、取り組む価値はあるのではないかと思います。
また、免許を取得せずに卒業した社会人の方が改めて教職を目指すという場合においては、再度4年間の教職課程で必要な単位を取得するということは現実的にはほとんど不可能に近いと思います。そういうハードルを下げるために、取得に要する期間を短縮して、既存の学修経験あるいは社会人経験を適切に評価・認定する仕組みを整えることで、教職を目指す人はもう少し増える可能性もあると思いますので、大学院課程の在り方や教員資格認定試験の在り方などについても、ワーキングでのこれからの議論に期待したいと思います。
教育の質、あるいは教員の質が落ちるということがあってはならないということは大前提ですが、先ほど申し上げたように、人材の流動化がこれからも進んでいきますので、そういう社会情勢を踏まえて、これまでの枠組みにとらわれることなく、より柔軟な仕組みを設計するということが必要かなと思います。
私からは以上でございます。
【秋田部会長】 橋本委員、ありがとうございます。
取得しやすくなることのメリットを、多面的なところからまたお話をいただきました。ありがとうございます。
続きまして、内田委員、お願いいたします。
【内田委員】 詳細な御説明ありがとうございました。私から、幾つか質問と意見を述べさせていただきたいと思います。
教員免許については、受講する学生だけでなく、免許を出す大学側の体力も、かなり様々な影響であるとか状況があるかと思います。免許状を出しやすくなるという反面、なかなか多様な免許ということでは、学生のニーズや社会・教育委員会側のニーズと大学の状況が必ずしも一致しないというところがあるかと思います。
アライアンス関係を持つことによって、大学間の提携や連携により、より一層この専門性を生かした様々な免許が出せるような状況をつくっていくということも、今後考えていく必要があるのではないかなと思っております。これが一つ。
それから、先ほど戸ヶ﨑委員が教師はマルチタスクであるというふうなお話をされましたけれども、小学校、中学校、高校問わず、学校で実際に働く教員は、様々な専門性、あるいは、様々な分野に対応するというところがあるかと思います。
ここのところの新学習指導要領、現行の学習指導要領も含めてですが、小学校、中学校、高校で、一貫して探究というテーマが重要になっております。この探究を指導していくためには、学校としての多様性、それから、教師一人一人の専門性が担保されなければいけないという場面がありまして、大学時代にゼミ活動あるいは卒業論文などで専門を持ち、それを軸に児童や生徒を指導する教員には、非常に強みを持っているというところがあるかと思います。
強み専門性の維持、特に小学校では、全科ということで、一人の先生が複数の教科を教えるということになりますけれども、実際に行われている研修では、中核となる専門性を持った教員が、ほかの教員と協力しながら研修を主導するという場面もたくさん見られますし、中学校・高校では、研究会や、それぞれ自治体が設置する研修会などで、リーダーとなって取り組む姿が見られます。
大学におけるゼミ活動とか卒業論文について、教員免許のこのワーキング等で話題になったか、また、話題になっていないようであれば、今後こういったことも免許の取得条件、あるいは努力義務ということで盛り込む可能性はあるのかということについて御質問させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
【秋田部会長】 内田委員、ありがとうございます。
多様な大学間連携が必要になってくるので、そのアライアンスの重要性ということと、それから、今の御質問の点ですけれども、大学のゼミ活動等の話はこれまでには出ていないかと思いますが、事務局のほうで御質問に何か御回答ございますか。
【大根田教員免許・研修企画室長】 ありがとうございます。
部会長御指摘のとおり、ワーキンググループの中でゼミの扱い、状況等についての御議論はなかったと記憶しておりますけれども、今回いただいた御指摘も踏まえて、指導に当たる教員の能力を裏づけるものとして、例えば、今ある教職実践演習等も含めて、各作業部会でいただいた御意見を共有させていただいて、さらに教科、学ぶべき事項の在り方について御議論いただくということかなというふうに思っております。
【秋田部会長】 大根田室長、御回答をありがとうございます。
今後さらに 各校種間で検討はしてまいりたいと思います。ありがとうございます。
それでは、続きまして、荒瀬委員、お願いいたします。
【荒瀬委員】 ありがとうございます。教職員支援機構の荒瀬でございます。私、3つ申し上げたいと思います。
まず、資料の2ページに、教員免許状の見直しを通じた教師集団の育成イメージということで絵をつけていただいていて、非常に分かりやすく描いていただきました。免許というものを、教職という、高度専門職とも言われていますが、これは次に申し上げたいと思うんですけれども、その入職のための最低限の資格であるというふうに捉えるということが、とても大事なのではないかと思っています。それは、その後、学び続けていくということが当然のことであるということが、そこには織り込み済みになっているというふうに思います。
ただ、最低限でいいからといって、いいかげんなものでいいというわけではもちろんありませんので、単に単位数の数字の問題だけの話ではなくて、いかにその中身をしっかりとしたものにしていくかということが重要だということを思っています。それが1点目でございます。
2点目は、今申しました高度専門職ということなんですけれども、それを考えますと、2つの側面が私はあるのではないかと思っています。
一つは、教室の中にといいますか、子供たちとの関係の中で信頼関係を築けるかどうかということ、これ非常に大事な専門職性であるというふうに思っています。この間、幾つかの学校で、例えば、単元内自由進度学習の取組を見せていただいたりすることがあったんですけれども、こういったところで先生と子供の間の信頼関係というものがあるかないかというのが、子供たちの学びをどう支えていくかという点で非常に大きな役割を果たしているということを感じました。
もう一つは、先生になった人たち自身が、さっきも言いましたように、入職の際にはスタートにあたっての最低限でいいわけですけれども、その後、自ら学ぶことができるということが大変重要だと思います。これはかつてこの教員養成部会でも森田委員のほうから、研修観の転換という言葉がよく言われるけれども、養成観の転換が必要なのではないかということをおっしゃっていました。私も全く賛成でありますが、この研修観の転換ということをもう一度思い出してみると、これは令和4年答申に述べられているわけですけれども、学び続けることのできる時間と機会がちゃんと用意されているということが大事で、先生たちの多くは、いろんな方とお話ししてつくづく思うのは、みんな学びたがっていらっしゃるということですね。その学びたいという気持ちを大切にしていく。相似形という言葉を令和4年答申は使っていますけれども、大人も子供も学びたいと思っているんだ。学びたいと思っている人が学べるような場と機会をちゃんと用意していくことが大事なんだということで、とても重要な点だと思っています。
高度専門職制につきまして、2点申し上げました。
3つ目は、どうでもいいような話なんですけど、2ページのさっき見せていただいた絵の中に、これはこれでいいんだと思うんですが、「ABC」と書いてあるんですけれども、高等学校の探究をどうしていくのかということも含め、グランドデザインとかも出てきて、理系人材がどうのこうのとかいう話も出てきていますから、私たちも意識を少し変えて、例えば、「E=mc2」とか書いてあったりすると、何でこんなことが書いてあるんだろうと思ったりするので、そういったような見た目の面白さみたいなものも考えていただいたらどうかなと思った次第です。
以上です。ありがとうございました。
【秋田部会長】 荒瀬委員、貴重な3点の御指摘をありがとうございました。
それでは、続きまして、松田委員、お願いいたします。
【松田委員】 ありがとうございます。2点申し上げたいと思います。
1点目は、強み専門性についてなんですけれども、間口を広げて成り手を増やす方向性には賛同しますが、懸念もあります。
まず、強みの定義が曖昧という点ですね。これからクリアにするということは十分には理解していますが、これまでも教科の専門性を深める議論の中で、IT人材ですとか、英語科人材ですとか、社会人の活用という施策はありました。今回の強み専門性は、これらの専門性と何が違うのか、また、学部の4年間で学校現場で生かせる専門性のレベルまでどこまで引き上げることができるのか、精査していく必要がありそうだなと思いました。
加えて、重要なのが、仮に養成段階で専門性を身につけたとしても、それを学校現場で生かせるかどうか、つまりマッチングの仕組みが不可欠だということです。免許状に付記したとしても、教育委員会がそれを踏まえた採用・配置を実施できるのか、ここの運用設計が見えないので、運用を見据えた設計をぜひともお願いしたいなと思いました。
2点目ですけれども、AIの活用についてですけれども、AIを教職課程のコアに組み込むべきなのではないかなと考えております。AIの利活用を強み専門性の一選択肢にとどめるのではなく、教職課程全体のコアに組み込むべきだと考えております。文科省でも生成AIガイドラインバージョン(Ver.2.0)を出されたと思いますし、学校現場の活用を全面的に推進しているかと思います。パイロット校では、校務や雑務の作業時間が約8割削減されたという話も聞いております。
新任教師がこれから入る学校現場では、もうAI活用を前提にしていくべきではないでしょうか。にもかかわらず、現在の提案ですと、養成する側がこの変化を織り込んでいないように感じておりまして、これは養成と現場の乖離を生み出してしまうのではないかなと感じております。
具体的には、授業準備にもちろん活用していきますし、学校運営、保護者コミュニケーションですとか、通知表作成や生徒評価、あるとあらゆる局面でAIを活用しているわけですね。これらは既に動いている事実でございますので、養成段階を経た教師が、マインドセットやスキルをAI活用前提に整えた状態で学校現場に入れるよう、制度設計していくべきだと考えます。
AIのリテラシーというのは、もう国語の先生とか、体育の先生とか、養護教員にも全て必要だと思っています。一部の教師がAIに強いということではなくて、全ての教師がAIを使いこなせることを前提条件に考えていくべきではないでしょうか。66条の6でも、今までは情報機器の活用というのが定められていたところにAIの利活用というのは含めてはおるとは思いますけれども、ここの解像度を高めていくということも大事なのではないかなと思っています。
さらに言えば、次期指導要領でも生成AIが主要要点となっていると思います。教える内容が変わる、そうすると、教える側の養成も変わるべきでございます。
ここでお願いが2点あるんですが、1点は、AIの教育の専門家からヒアリングをもっともっと実施していただいたほうがいいようにも感じております。AI技術の進展速度を考えると、AI研究者ですとかEdTechの実践者、現場のAI活用を先導している先生方など、幅広い知見を取り入れるべきだと思っております。生成AIを前提とした教員養成の在り方、次期指導要領との接続について、専門家と議論を深める場が必要だと考えます。
2つ目は、今後先生たちがAI活用のプロになっていくという前提で制度全体の設計をし直していただくというか、そこを盛り込んでぜひともお考えいただきたいと思っております。AIを一つの項目として足すのではなくて、コアとして盛り込んでいく。2030年代の教育現場を見据えた変化を今からつくり出していくことが大事なのではないかなと考えております。
以上でございます。
【秋田部会長】 ありがとうございます。
強みのより明確化の必要性であり、また、マッチングの問題、そしてAIに関して、2点の御指摘を頂戴いたしました。ぜひまた検討していきたい内容だと思います。ありがとうございます。
それでは、高橋委員、お願いいたします。
【高橋委員】
ありがとうございます。
取りまとめ、ありがとうございます。私からは、大きく3つぐらいの話題でお話しさせていただきたいと思います。
まず、簡単なお話なんですけれども、このCBTに関してです。特に教師としての基礎的な知識の習得に関わって、CBTという言葉が特に1ページぐらいに出ているんだと思いますが、私も今期、秋に教職の科目でCBTを使って試しにやってみたところ、やればやるほど教員採用試験のペーパーテストの点数ぐらいはどんどん上がっていくということがはっきり分かりましたので、これはかなり使えるんじゃないかと感じています。
その一方で、実際にやってみると、やっぱりこつこつやらない学生はしっかり力がつかないという当たり前のことであるとか、用語の記憶みたいな部分と理解の初期あたりぐらいまでは非常に有効なんですけど、それを超えるとなかなか難しいのと、記憶と理解の初期みたいなことはちょっと区別して仕組みをつくっていって、テストというか、トレーニング的要素を非常に強くしたようなCBTだと非常にいいのではないのかということを感じています。これは学会で論文も投稿しましたので、またいずれというふうに思います。
養成段階のみならず、研修というか、現職の段階でも、新しいことが出た場合にはCBTというのは使えるかなと思いますので、今、研修段階でデジタルコンテンツと書いてありますが、これはCBTを含むということかなと思っています。
2つ目なんですが、これは松田委員と同じAIのことなんですけども、AIやデータに関しては、AIやデータを使って教師も教職を学ぶし、AIやデータを使って指導していくということがかなり当たり前になっていくということは、もう当たり前というか、やっていかないと、置き換えが進むというのがこのところのOECDとか世界経済フォーラムの報告とかにありますので、やっていくしかないんだというふうに思っています。
特に、今の研究成果を見ていくと、いろいろな分野の初学者が中程度の力をつけるときにすごく効果を発揮するということはかなりはっきりしていますので、養成段階とか、教員が新分野に取り組もうと思う場合に、AIについて積極的に取り組んでいくと良いのではないか。むしろ経験の高い先生は、AIを使っても、それをハルシネーションと言ったり、なかなか批判的だったりするところなんですが、初学者の力量向上の点で研究成果がすごく上がってきているということがあります。
特に子供へのフィードバックの部分に関しては、AIの支援を受けたフィードバックというのは大分研究や実践が進んできていると思いますので、これは私なんかも見ていても、経験の浅い学部学生が、例えば、保護者との面談のシミュレーションをするなんていうときに、なかなか有効ではないかなというふうに感じているところです。
最後、3つ目で、これはどう申し上げていいのか、大ざっぱな話なんですけども、これ全体を通して、これをやると教師として満たされた状態になるのかみたいなことを改めて点検していくことも要るのではないかと。これはもうちょっと、具体的でもないんですけど、具体的に言うと、例えば、OECDでティーチング・コンパスとかでいう用語で言うと、エージェンシーみたいな観点がやや、養成の段階では自分でカリキュラムをつくってみようみたいなところがあるんですけど、国や行政が決めたことをしっかりやるというのは、今の先生方の中にはすごく強いとは思うんですけれども、学び続けるためにも、そういったことを自分で決めて、自分で発揮していくような、そういうようなことが、それを強み専門性というのかもしれませんが、もう少しそういう余地を考えていくということが非常に重要ではないかなと。
なので、働き方も進むとは思うんですが、単に忙しくないというだけではなくて、先生として満たされているような状態か、そういうようなことを自分で決めて発揮できるような余地が、制度として決めていくということではないかもしれませんが、考え方として提供できるかということも大きいのではないかというふうに感じました。
以上です。
【秋田部会長】 高橋委員、ありがとうございます。
CBT、それからAIの在り方、そして、教師の満足の在り方というんでしょうか、余白というか、余地というか、そこのところをどう考えていくのかという御指摘を賜りました。
続きまして、白水委員、お願いいたします。
【白水委員】 中間取りまとめ、お疲れさまでございました。
今回のまとめは、先生方の成り手不足、それから、このブラック職という風評の根源に、先ほど父母対応というのもありましたけれども、マルチタスクを限られた給与で対応なければいけないしんどさがあるとみて、しかも、それを新卒22歳から学級を持ってやらなければいけないという、その負担にあると考えたと想定しています。本来は学校に様々な専門家がいて、マルチタスクを分かち合って手助けする形がよいと思いますが、過渡期においては、チーム学校として、それぞれの先生がコアな部分と強み専門性を持ち寄って対応していくという対応策をねらったものかなと考えました。
こう考えますと、先ほどのまとめの根拠として、教員養成フラッグシップ大学の制度が言及されましたけれども、この取組が今後一層大事になってくるだろうと思います。先ほどの生成AIも含めて社会のニーズが変化しますので、それも見据えて教職課程の見直しも不断に行っていく必要があるだろうと。
その中で、今回のフラッグシップも含めた教員養成大学が、一体何が、先生が学び続ける基礎になり得るのかをしっかり見定めて、この30単位程度のコアで何を教えるべきかということがはっきりしてくるといいのではないかという点が1点。
もう一つ、先ほど大学間格差を補うアライアンスの話がありましたけれども、このコアの部分を大学間でも支えていくために、教員免許状に関する改革だけではなくて、教職課程の認定基準の弾力化ですとか、他大学との連携に関わる各種規制の弾力化も今後大事になってくるかと思います。フラッグシップ大学には、その一つの模範として、先導的な取組を各種提案していっていただきたいです。
それが将来的には、大学だけではなくて、産官学民連携の形で、このコアな部分を支え続けていき、なおかつ、先生方が新卒で採用されて3年ぐらいはずっと学校でも学び続け育ててもらう環境に行けると思えるような機運を教育委員会等とも含めてつくっていくということも非常に大事なところかなと思いました。
以上でございます。
【秋田部会長】 白水委員、ありがとうございます。
フラッグシップ大学が今後も重要な役割を担うこと、また、大学間アライアンスや、それから、大学の免許だけではなくて、教職課程の認定を含め、いろいろな検討が今後さらに柔軟化されることの必要性についてもお話をいただきました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、貞広委員、お願いいたします。
【貞広部会長代理】 ありがとうございます。千葉大学の貞広でございます。
まずは、中間取りまとめを適切におまとめいただきまして、ありがとうございます。私からは3点申し上げたいと思います。
1点目は、この中間まとめを世の中にどのように言説として流布させていくかという点についてなんですけれども、簡単に申請できる、簡単に免許が取れるようになる、ハードルが下がるみたいな言説にならないように、細心の注意を払いたいということです。お示しいただいた中でも、ハードルを下げるなんていうことは一言も言っていなくて、カリキュラムの再構造化とか、構成を変えるということ、重点を変えたりとか、自分でグリップを持って学べるとか、そういうことですので、しっかりとそういう理論武装というか、なぜこれをやるのかというところが誤解をされないようにしていきたいなと思います。
というのは、日本はとりわけ入職のハードルの高さがその職の社会的威信の高さの代替指標になっているようなところがあります。簡単になれるということが教職という社会的な地位を下げることになりかねないと思いますので、ここは本当に細心の注意を払っていきたいと思います。
2つ目です。実は私、松田委員の後に発言しようと思って、松田委員が挙げてから手を挙げました。理由が2つありまして、これは橋本委員がおっしゃったこともあるんですけれども、社会人経験のある方が入職していただくということや、または特定の強みや専門性を持った学部卒の学生が入職するといったときに、とりわけこの社会人経験というものをどうやって認定していったらいいんだろうということについて、松田委員が何か御意見を下さるのではないか、それを受けて、コール・アンド・レスポンスで私が意見を言おうみたいなつもりだったんですけど。
ただ、先ほどやはり強みの定義や専門性の定義が曖昧ということをおっしゃっているのは、私も全く同じ意見を持つところです。これは社会人経験という認定の難しさというところもあると思いますし。
ちょっと私自身も今迷いがあって知恵がないんですけれども、皆さんの知恵を集めて、ぜひ社会人経験については、何年働いたかとかいうことではなくて、どんな能力を持ち、どんな能力を発揮して、どんな成果や行動を示したかということが認定できるような、それがたとえ1年であったとしても、たとえ15年であったとしても、かつ、それが教育現場のニーズとどのように合致しているかという点、この辺りも含めた認定の仕方というものをしっかりとつくっていくということが、今回のこの中間まとめでコアの部分をしっかり極めた上で、その周りに多くの学びを蓄積していくというデザインが生きてくるんだろうなと思っています。
3点目です。これは本当に蛇足です。荒瀬先生もおっしゃっているところですけれども、最低限入職できる免許を持った上で、ずっと学び続けていくということを考えると、先生方に余白がなければいけません。ですから、やはり連動する周辺の政策によってもそれが支えられないと、この中間まとめが生きてこないということは言うまでもありません。とりわけ、入職したばかりの先生方が一クラス一担任のモデルをそのまま強制されていいのかとか、マルチプロフェッショナルが今のような運用の在り方でいいのかというような、関連する政策への目配りというものも大事だと思います。
以上でございます。
【秋田部会長】 貞広委員、ありがとうございます。
今御指摘いただきましたように、中間まとめをどういうふうに誤解なく伝えて理解していただくのかという点、それから、その強みというものを、特に社会人の場合にどう規定していくのか、そして、3点目として、周辺への政策への目配りによって、実効性を持つものにしていく点の御意見を賜りました。ありがとうございます。
続きまして、佐古委員、お願いいたします。
【佐古委員】 ありがとうございます。
まず、この中間まとめ、ありがとうございました。教師は学び続けるということを前提に、これまでの教職課程を見直そうとする方向、よく分かりました。
ただ、ちょっと感想めいたお話になるんですが、ここでキーとなっている考え方、つまり、学び続ける教師としての基礎能力というものを、特に養成段階で培うという考え方は、私も賛成なんですけれども、その養成段階で教師として学び続ける基礎能力とは何かということについては、具体的なイメージになればなるほど現行の教職課程と同様に、事項を学ぶということに置き換えられてしまっていまして、何かしらそこに具体的なイメージが出てこないという印象を持ちました。これは大学側が努力すべきことなのかもしれないのですが、一体教師として学び続けるということの基礎を支えるものは何かということについては、もう少し踏み込んだ議論をしていただければ、私もありがたいと思っています。
そのことの関連ですけれども、学部教育で、学生がその気になるのは教育実習に行く前か行った後、つまり、せっぱ詰まって、明日から教壇に立たなければならないときに、さて、あの教科の指導法はどうだったかなとかという話があったり、あるいは、実習へ行きまして、こんなとんでもないことが起こりましたということで、このままではやっていけないということもあって学び直すことがあるように思います。
つまり、教職の具体と、大学での学びというものが結びつく機会があると思うんですが、言葉の中では理論と実践の融合とか補完という話は出てくるんですけれども、具体的には、実習と事項の学修をどう関連づけて配列していくべきか少し考慮いただければわかりやすくなると思っています。
具体的に言いますと、本日お示しいただいた中学校の見直し(ベース)のところで言うと、事項で、教師としての適応力とか回復力、自己管理能力というものは、もちろんこれはコアとなる事項であることは確かなんですが、これは授業でできることなのか、それとも実習の中に埋め込んで、実習としてきちんとそういうものを学修するようにしていくというようなことにしていくのかということは、まだ議論があると思いますので、学生が主体的な学びに向かう環境や場面と、自分で学んだものを身につけて成長していくということのこのダイナミクスを少し整理しておいた上で、それらをカリキュラムの形で実現する方向でお示ししていただければ、大学としてありがたいと思っております。
以上でございます。
【秋田部会長】 ありがとうございます。
その基礎能力の基礎というものをもうちょっと具体的にさらに深めていくことと、関連させて、その指導の事項と実習との関連を含め、今後さらに議論を深めていく必要性を御指摘いただきました。ありがとうございます。
続いて、真島委員、お願いいたします。
【真島委員】 お願いします。私のほうでちょっと質問があるんですけれども、私はこれまでこの中間まとめの教育職員免許法施行規則の見直しのイメージのところで出されている、例えば、幼稚園だと合計で49単位、小学校だと合計で55単位、中学校だと合計で51単位、高等学校49単位というところが、私は免許を取るために必要な、この単位を取って初めて免許として認定される、つまり、免許を出せるというふうに捉えて今まで議論してきたんですけれども、先ほどの最初の小原委員と大根田さんからのお話だと、共通部分でも免許を出せますよというお話だったんですけど、そこは私の理解との物すごく大きな乖離があるんですが、その辺りって、そうなってしまうと、別に強み専門性の議論をしている意味がなくなってしまうかなと思ったんですけど、これは強み専門性と共通事項を含めて免許として認定するというお話ではなかったんですかということをまず最初に確認させていただきたいのが1点目です。
あと、残りの意見としましては、教員の免許を取りやすくして拡幅していきますよという話の中に、先ほどの教員の学び続けるというところで、余白をつくっていきましょうとかというお話がずっと出ているかと思うんですけど、一方で、教育実習を、これは必修の科目になってくるわけですので、免許をより一層多く出していくということは、教育実習等の学校現場への協力というものも必要になってくるかと思うんですけれども。一方で、学び続ける教員のためには余白が必要ですよ、学校現場に余力を持たせて、先生方が自分で学びたいことをどんどん学んでいけるようにしましょうねと言っていることと、教育実習生がわんさかわんさかやって来ますよというところがどういうふうに整合性を取っていくのかなと思いまして。
学校と教師の業務の3分類というのが出されているかと思うんですけど、ここには教育実習が書いていないんですね。つまり、学校以外が担うべき業務でもなく、教師以外が積極的に参加すべき業務でもなく、教師の担う業務だが負担軽減を促進すべき業務でもない。じゃ、教育実習ってどういう業務として学校現場に位置づいているのかという点を明確にした上で、それが研修との関係性と位置づいているのか、どういうふうに位置づいているのかというところもしていかないと、今後、教育実習をもう受け入れられませんとなったときに、じゃ免許認定できませんとなっていくことも危惧されていくので、その点をどうするのかというところも教えていただきたい点です。
あと、子供の性暴力の防止法についてのことで、現段階では、事業者が採用に当たって行うべきことの点で、募集・選考・内定の点で、子供の性暴力防止に関係する事項に該当しないかどうかといったところを今厳格化していきましょうということで動いていると思うんですけど、それよりも一個手前の段階で、教員免許を出すという段階においても、こういう子供の性暴力に関係するようなことが危ぶまれるとか、そういったおそれがあるとか、あるいは事件性があるとか、様々あるかと思うんですけど、そういう免許を今まで以上に多く出していくということは、今まで以上にそういった点は厳格化していく必要があると思うんですね。そういった点も今どのようにお考えなのかといった点を確認させていただきたい。
最後に、チーム学校のお話があったかと思います。チームでよりよい専門性を担保しながら、教員がそれぞれの強みや専門性を持った教師がチームとなることで、学校教育全体の質を向上していこうというのは、まさしくそのとおりだと思うんですけれども、一方で、それぞれの専門性を持つということは、それぞれの専門性を生かせる教員というか、それはマネジメント力のある管理職もそうですし、あるいは同僚性もそうですし、それぞれの専門性というものを理解し合う関係性とか、そういった点も非常に重要になってくるかと思うんですけれども、そういったチーム、今までも教育支援職のようなスクールカウンセラーとかソーシャルワーカーとか学校事務の方も含めたチーム学校ということを今まで言われ続けてきていても、まだ十分にそういったことが養成段階で機能しているかどうかという点も含めて、それとまたさらに、それぞれのばらばらというか、それぞれの専門性といったところをどうやってチームとして生かしていくのか。先ほど松田委員のほうからも、その運用の部分をどういうふうに、採用とか運用とか、そういった点も含めて、このチームというものをどうやって機能させていくのかといった点も併せて、どういうお考えでいらっしゃるのかというのをお聞かせいただけたらなと思います。
以上です。
【秋田部会長】 真島委員、ありがとうございます。
御意見の部分と明確な質問の部分があろうかと思いますので、もし事務局のほうから、特に1点目、あと性暴力の点については、何か御回答があればいただけたらと思います。よろしくお願いします。
【大根田教員免許・研修企画室長】 ありがとうございます。
まず、1点目でございますけれども、中間まとめということで、今後またまさに教職課程のワーキングでもさらに詰めていただく点であるという前提で申し上げますと、4回の議論を通じて、教職課程としては、この強みとコアの部分と共通で認定をしていくということがまず前提となっております。したがって、4年制大学においては、この強み専門性も含めて教職課程として学んでくると、免許を取るためにはこれを取ってくるということが前提となっているという制度設計であるというふうに議論の内容を認識しております。
その上で、最終的に免許を出すという際に、各自の学びにおいてこの共通性の部分のみで学習してきている場合に、申請があった場合において、現状においてもこの二種免許状については、二種免許状の単位数において免許状というのが取得できるということになってございますけれども、この共通の部分の単位数を取得している方が免許状を申請した場合には認定ができるという設計というふうに事務局としては認識をしておりますけれども、あくまで4年制の大学においての学修においては、この強み専門性も含めて学んでくることが前提となっているという設計だというふうなのが事務局としての議論の認識でございます。
ただ、この点については、さらに今日いただいた御意見も踏まえて、教職課程のワーキングでの御議論をいただく必要があるのではないかというふうに感じているところでございます。
もう一点、性暴力の関係についてでございますけれども、いわゆる教員の性暴力の防止法の関係でございます。現行においても法に基づく指針に基づいて諸施策を進めさせていただいておりますが、御指摘をいただいた点、今年の年末にあるDBSの実施との関連も含めての御指摘であったかなというふうに認識をしております。そういった場合において、仮に実習に行く前、また入学前を含めて、適切なタイミングで確認等をしていただいて、教育実習に行けるかどうかというところについての御判断をいただく等に関しては、11月時点で通知をさせていただいているところでございます。
また、在学生に関しても、今後対応について通知を同様にさせていただくことも想定しているところでございますが、いずれにしても教員の性暴力防止法、そしてDBS法も踏まえて、しっかりとその点を教職課程の中で教えていくことも含めて、対応していかなければいけないというところが現状でございますので、そこをしっかりとやっていくということかというふうに認識をしております。
事務局からは以上でございます。
【秋田部会長】 ありがとうございます。
真島委員の最初の御意見については、私も最初に回答を伺ったときに、多分ここまで詳しく説明がなく、共通の部分だけの話を、免許として出すという話だけを伺ったので、あれっと真島委員と同じように思いました。今の御説明で恐らく正確に伝わったのではないかと思います。時間の関係で申し訳ありませんが、次に進ませていただきたいと思います。
山辺委員、お願いいたします。
【山辺委員】 ありがとうございます。
重なる部分もありますし、当たり前のことを言っているような部分もあると思うんですけど、2点だけ申し上げさせていただきます。
一つ目は、先ほどの真島委員の御意見とも関連するんですけど、度々この部会でも私は申し上げていると思うんですけど、ゲートキーピングというのが、やっぱり教員養成を担当する教員として結構大事な役割の一つだと私は思っておりまして、それがこの見直し(ベース)の資料を見たときに、誰が担えるだろうかというのがちょっと懸念点としてございます。
例えば、7ページの中学校の見直し(ベース)のほうを見てみますと、教育及び幼児、児童又は生徒の理解に関する科目というところは、ポチで11項目挙がっていて、それに対して12単位以上という形になっているかと思います。単純計算すると、それぞれが1単位ずつの半期ぐらいの授業で組合せということも想定されるのかなというふうに思うと、大学の教員としては、学生たちを長期的に見ている教員がいない。そうなってくると、恐らく非常勤とかも増えてくると思うと、学生との関わりというのがより一層、開放制のもともとの大学の中でも、さらに薄くなってくるのではないか。
そうなったときに、やっぱり教育実習に行くだけの子供の人権とか性加害に関する理解というのが十分足りているのかどうかとかということの確認もできないまま教育実習に送ることになり、さらには、実際の教員免許も出すということになってくるという可能性が危惧されて、それを、現状だと多分多くの大学で教職実践演習の担当の先生が見張ってくださっているとは思うんですけど、本当にその担当の先生たちだけで4年間の何百人といる学生たちの一人一人の子供の人権意識なんかを確認することができるのかという問題は結構あるなというふうに思っておりまして、各科目が小さくなればなるほど、そういう長期的に見れるかどうかという懸念が上がるということだけ今指摘しておきたいなと思いました。
あと、もう一つは、ほかの方々も指摘しているところでありますが、この資料の2ページのチームとして学校教育全体の質を向上するという、このビジョンですけれども、ビジョン自体は私もとてもいいとは思うんですが、やっぱり多様な強みを持った先生たちが入ったからといって、必ずしも学校の質がよくなるということは保証はされないので、そのためには、余白という言葉も使っていらっしゃる先生たちはいらっしゃいましたけど、やっぱり働き方が変わらなければならない。それは一般的に、特に民主主義的な議論をしようとすればするほど、同質性が低い集団になればなるほど手間と時間がかかるものなので、より一層様々な強みを持った先生たちが入ってくれば、会議などの時間というのも恐らくより一層必要になってくるだろうというふうに思われます。
そうすると、今の現場の状況で、そういう更なるコミュニケーションに時間を割くことに耐えられるのかという問題と、あと、先ほどのほかの委員も言っていましたけれども、それぞれの強みを生かすようなマネジメントができる管理職がいるのかという問題もありますので、先生たちの働き方と、あとマネジメントの問題、それがクリアできないと、このビジョンというのは結局実現できなくて、新しい強みを持っている、ちょっと特質な強みを持っている先生が、十分その強みを生かせなくて離職してしまうというようなことにつながっていくのではないかなというふうに懸念しますので、先生たちの強みを生かして学び続けられるような環境整備というところの議論と必ず両輪でしなければいけないなというふうに思っております。
以上です。
【秋田部会長】 山辺委員、ありがとうございます。2点の御指摘をいただきました。
それでは、続いて、青海委員、お願いします。大変恐縮でございますが、あと6人の方が挙手をしてくださっておられますので、それぞれお短めにお願いします。よろしくお願いします。
青海委員、お願いします。
【青海委員】 全日本中学校長会の青海でございます。
事務局、また、ワーキングの皆様、中間まとめでありがとうございます。できるだけ簡潔に感想をと思います。
1つ目ですけれども、科目区分を「教科等指導」と「教育及び生徒理解」に再編するとともに、今日における教育課題の解決につながる内容、早期から学校現場での体験など、実習を促進する考え方には賛同いたします。
共通で学ぶべき内容を再構造化した上で、専門的な学修に基づく強み専門性を含めた教員養成を目指し、学生と大学の双方に自由度を生み出し、学生が自らの得意分野を見つける契機となる学びを可能にする柔軟なカリキュラムへの改善を大いに期待しています。ですから、資料1の3、4ページの教職課程の見直しのイメージ、この内容や方向性については異議ありません。
次の段階として、コアと何なのか、また、強み専門性とは何なのかということのすり合わせ、確認が必要になるかと思います。
中学校現場では、中心となって活躍している教員の共通点を幾つか考えてみると、1つに、職務の進行管理や優先順位を誤らない、2つに、生徒や同僚、保護者、地域の方々との信頼関係づくりですとか、コミュニケーション能力に優れている、それから、3つ目に、ICTとかAI、こういった活用などをはじめ、新しいことに挑戦する姿勢や学ぶ意欲、これがあることです。
そこで、若い先生には、自分の得意分野、自分の売り・強み、例えば、教科指導ですとか生徒指導、学級経営、ICTなど、自信が持てる、この分野は負けないよという気概が持てるよう助言や支援をしています。強み専門性にもつながると思いますけれども、これが養成段階から見つけられれば、教職に就いてからも学び続けられる強みになるのではないかなと思います。
2つ目ですけれども、教員免許法施行規則の見直しのイメージについてですけれども、5ページ以降については、今後さらに検討されると思います。現在、学校現場の教員の様子を見ている限りでは、教員免許の種類による教員の違いは分かりません。本人に聞いて初めて分かるぐらいです。短大、大学、大学院など、この出身の違いも分かりません。
また、教育実習については、現場の使命ですから、毎年できる限り受入れを希望して、前・後期で実施しています。実習生同士も、また、受け入れて担当した教員にとっても、学びの機会、実りある研修になっていると感じます。
最後に、2ページの教員免許状の見直しを通じた教員集団の育成イメージのところの表現で、一般の方が御覧になったときに誤解がないようにという点からでございます。右側、青枠囲みの一番上の1つ目の青い丸、様々な強みや専門性を持った教師がチームとなることで、学校教育全体の質の向上、これは目指す今後の状態なのかと思いますけれども、中学校現場では、現在でも異なる教科を担当する教員、専門家集団が、おのおのの担任または副担任として、学年いわゆるチームを組んで、教科はもちろんですけども、道徳、総合的な学習、特別活動など、得意分野を生かしながら、相互を補って、学校全体の教育活動、パフォーマンスの向上を支えています。
全国の中学校の現状に誤解がないようにと思い、付け加えました。
以上です。
【秋田部会長】 青海委員、どうもありがとうございます。
それでは、続きまして、森田委員、お願いいたします。
【森田委員】 よろしくお願いいたします。短く発言させていただきたいと思います。
私は、この質の担保の問題というのは非常に大事であると思っています。それは、この部会でも議論があったように、例えば、教職課程で言うと、124単位の全体の学びをどう生かしていくのかという点でありますとか、それから、これも委員からの意見があったようなスタンプラリー的な学びというか、そういったものをどう克服していくのかという点などで、荒瀬先生から御紹介いただいたような養成観の転換を図りながら、個々の履修者なりが何をどう学んでいくのかということについて、発想を転換していくことが大切だと思います。その意味で、今回のまとめというのはすごく大事な提起をいただいたと感じています。
ただ、こういったものだけではなくて、例えば、教職課程で獲得した力を採用のときに何をどう測ればよいのか、これは採用試験の共同実施に関わってくるかもしれませんけれども。あとは、これも御意見あったように、養成機関の質をどう担保するのかなど、質と言っても、やはりいろいろな質があると思うのです。
こういった教師のいわゆる専門性ということになると、学習指導要領との関係は大きいとは思うのですけれども、養成機関との関係で言うと、それは大学教育といいますか、高等教育の大きな改革の流れの中に、どのように教員養成の仕組みを無理なく入れていけるのかということも考えていかないといけない時代になってきていると思います。そこでも、ある程度、当然柔軟化をしていくという方向性はやはり必要かなとは思いつつも、かといって、何でもよいというわけにはいかないと思いますので、課程認定の基準のあり方などを含めて、どういった形で何を認定していけば養成機関の質が担保できるのかということでありますとか、それから、個々の教職課程の担当教員や担当者だけがばらばらでやっているという状態ではなくて、まさにこういった新しい発想の教職課程では、大学全体として取り組んでいくということが必要になってきますので、この辺りもどうやって確認していくのかという、そういった議論が今後必要なのではないかと思っているところでございます。今後、コアカリキュラムや、課程認定基準の話なども議論に出てくると思いますので、そういったところでも、質をどう担保するのかという議論を継続していけばよいのではないかと考えています。
以上でございます。
【秋田部会長】 森田委員、どうもありがとうございます。
それでは、続きまして、石川委員、お願いいたします。
【石川委員】 石川です。おまとめをありがとうございました。
私は心理職の立場です。もう皆様からほとんど出ていることなので、重ならないところだけ、少しだけお話しさせてください。
この全体を考えるときに、幼児・児童・生徒理解に基づいてということで、このところはとてもいいと思いました。その中で、先ほどほかの委員からも出ていましたけれども、やはり保護者への対応とか理解ということがすごく大事で、教員としてやっていくときに、このところで、本当にもともとの専門性を生かす前に、そういった保護者対応のところでかなり疲弊してしまうというような方々を見てきましたので、そういった保護者への対応ということや、もう一つ、地域コミュニティを視野に入れた支援ということも、やはり少し具体的に文言として入れていただけるといいかなと思います。
やはり児童虐待の問題や、いじめの問題や、そのところで、本当に児童相談所とかいろんなところと連携しながらということが非常に具体的に求められますので、そういったことも養成課程の中に具体的に入れておくということが、科目が大括りになればなるほど入れておいたほうがいいのかななんていうふうに思っております。
それから、学び続ける環境づくりというところでは、本当にそのとおりだと思いますので、そこのところはやはりかなり意識していかないと、個人の努力によるとか、学校様の判断によるとかとなると、実際は難しいことが出てくるので、その環境づくりというところもというふうに思っております。
あと、もう一つ、先ほどから出ているチームワークのことなんですけれども、私もスクールカウンセラーとして20年以上学校様などに入ってやっていると、チームワークというのは本当になかなか難しいことで、つまり、目標を持って、どういう支援をするかとか、どういうそういう対応するかという、まず目標の統一と、情報共有と、あとは、非常に具体的に役割分担というのがないと、情報共有で終わってしまうことがあるんですよね。ですので、その辺りのチームで動くということも、もちろんコーディネートする方の存在が必要なんですけれども、チームで動くということはどういうことか、自分の強みを生かしながらそのチームで貢献するというのはどういうことかという、そういうところも少し具体的に、養成課程の中でも事例などを通して学んでいかないと、実際には、自分の専門性や強みは磨いたけれども、なかなかチームの中でどういう力を発揮していいかというのが分からなくてということもあるかと思いますので、そういうことも意識して養成していく必要があるかなと思っております。
以上です。ありがとうございます。
【秋田部会長】 石川委員、どうもありがとうございます。
それでは、続きまして、古沢委員、麻生委員、岡本委員と続けてご発言いただきたいと思います。お願いいたします。
【古沢委員】 古沢です。全体として、教育の質を確保しつつ、教員免許を、あえて言うんですが、取得しやすくするという方向性は、やはり幅広い人材、教員志望者を確保する上では有効だというふうに考えます。
その上で、社会に対してどうアピールするかということ、貞広先生からも指摘があったんですけれど、やはり今よりある程度教員免許が取りやすくなるんだと、結果として、それによって多くの多様な学生、あるいは、社会人に教員を志望してもらって、採用時・用後の質を上げていくんだということは、一定程度理解されるのではないかと私は考えます。そういうふうに広くアピールしていかないと、制度変更の趣旨が曖昧になってしまうのではないかというふうに思います。
免許のハードルがもし下がってしまえば懸念はあると思うんですけれど、やはり今よりも採用のハードルを上げることのほうが、教員の信頼性を確保するには大切ではないかと、現状を見るとそのように思います。
社会人の経験をどう評価するかというのは、以前から非常に難しいことだなと思っていたんですけど、ここでも、やっぱり働きながらということも考えた適切な配慮は必要だと思うんですが、社会人だからこそ新卒と異なる評価軸というのが必要であるというふうに思います。
それから、最後に、現場で経験の少ない先生をサポートしていくことがもちろん非常に重要で、特に小学校で専科教員の拡充を進めていくことも、全体として見ると、制度をうまく回していく上では有効だというふうに思います。
以上です。
【秋田部会長】 古沢委員、どうもありがとうございます。
それでは、続きまして、麻生委員、お願いします。
【麻生委員】 ありがとうございます。
今まで皆様方が言われたことで、特に「学び続ける教師としての基礎力」に関しては、それでよろしいと思います。
私は少しターゲットを絞ります。4ページの学校種ごとの考え方のところで、特殊性があるのは、私は短期大学に関係しておりますものですから、幼稚園教諭免許、二種免許です。あとは、その他の二種免許も取得できますが、幼免が一番養成校としての学科が多いのです。短期大学全体の大体4割弱ぐらいの幼稚園教員養成校、その中で、ここに書いてありますけれども、「保育士課程との更なる連携」というのは、作業部会等でも議論されていることは承知しておりますが、現実問題としましては、幼稚園の就学前の教育においては、幼稚園タイプ、それから、認定こども園という制度があり、幼稚園型、保育所型、幼保連携型となっており、幼保連携型には必ず保育士資格を取らなければいけません。
私がいつも考えるのは、幼稚園免許というのは教育職員免許法が根拠であり、保育士資格というのは児童福祉法からのものであります。省庁も違いますが、現実問題では幼保連携型がどんどん増えているという中において、この短い2年間で、ほぼ二十歳で卒業していく学生たちにこれらを身につけさせる、その一番効率的なものを、ぜひ作業部会においても活発に議論いただきたいと思います。また、短期大学の2年間の卒業単位は62単位です。大学は124単位です。この62単位の中では、収まりきれないと思います。教育を主とする学科においても難しい課題だと思います。ただし、現実的には、その両方を養成しなければいけません。この視点も含めて、今後、作業部会での御検討をいただきたいということを申し上げます。
以上です。
【秋田部会長】 麻生委員、どうもありがとうございます。
それでは、続きまして、岡本委員、お願いいたします。
【岡本(潤)委員】 千葉幼稚園の岡本でございます。
先生方のいろいろな御意見を聞きながら、まず、私も、1ページ目、資料1の1のところからずっと出ております、皆様方からも今お言葉が出ておりましたが、この強みということに関して、私の強みは何だろうというふうに自分自身に置き換えても、なかなか強みとは自分自身では言いづらいと思っていることと、それが他者と比較しての強みになってしまうということも考えられるので、やはりこれから御議論いただけるということで安心はしていますが、難しい言葉であるなというふうには思っております。
強みといいますと、小学校以上の教科がある場合には、やはり私は文学が好きとか、数の世界が好きとか、考えやすいのですが、幼稚園教員諭の場合にはやはり生活がベースになりますので、専門性と同時に教員が生き生きと保育している場合には、その学びの底にあるものは、本当に教員が好きなもの、彼女たちの持ち味が生かされているなという、その持ち味というものが教員にとってとても必要ではないかと考えました。その持ち味を生かしていく、それは必然的に教員になっていくという、その過程、免許だけではどうしても培うことができない、先生になっていくというその過程は、やはりその先生の持ち味とともに成長していきますし、その持ち味を教員間のチームとして認め合って補い合っていくというような流れが、教員をつくるチームをつくっていく場合には必要ではないか。
ですから、よく中学生や小学生が幼稚園に遊びに来たときに、どうしたら先生になれますかと聞かれたときには、免許があるんだよという難しい言葉ではなくて、幼稚園の先生という仕事というのは多くの人と一緒になって遊び学ぶところだから、いろんな人がいるということをよく分かることがとっても大切だということはお話ししています。いろんな人がいる、イコール、コミュニケーションが必要だということ、そして、おのずとそれが信頼につながっていく、保護者の皆様からも信頼されるというふうに、そういうプロセスが見える化できてくればうれしいなと思います。また、真っすぐに伸びる矢印が、教員の道筋ではなく、本当にそこの中に多くの人がいるということを何か見える化できればありがたいとも思いながら、皆様のお話を聞かせていただきました。
私からは以上です。
【秋田部会長】 岡本委員、どうもありがとうございました。
皆様、どうもありがとうございました。5か月ぶりということで、それぞれの委員から御発言いただきたかったので、後半部分、かなりラッシュしてしまいましてすみません。
本日の審議については、ワーキンググループや作業部会のほうに伝え、引き続き審議・、検討してまいりたいと思います。
それでは、本日議題が2つございましたので、続いて議事2に入ります。事務局から御説明をお願いいたします。
【柴田教育職員政策課課長補佐】 ありがとうございます。
本日でございますけれども、先週2月13日に取りまとまりました高校教育のグランドデザインにつきまして、初等中等教育局参事官の橋田より御説明させていただきます。その後、本グランドデザインを踏まえまして、今後の教員養成等に求められる事項につきまして、委員の皆様から少し御意見いただければと思ってございます。
それでは、橋田参事官、どうぞよろしくお願いいたします。
【橋田参事官】 それでは、資料4のほうを御覧ください。
まず、1ページ目でございますけれども、いわゆる高校無償化に伴いまして、公立高校への支援の拡充、また、高校教育改革が重要な課題になる中、政党間の合意の中でも、令和7年度中にこの高校教育改革のグランドデザインを示すということが盛り込まれていたというところでございます。昨年11月、このグランドデザインの骨子をお示ししまして、大臣の下でのタスクフォースの関係団体等ヒアリングを踏まえ、去る2月13日に、このグランドデザインを示したというところでございます。
まず、この概要をベースに、ポイントのみ説明させていただきます。
この1ポツの背景・必要性にございますように、2040年を見据えた場合、少子高齢化、生産年齢人口の減少が一層深刻化するという中で、労働力需給のギャップが発生すると。事務職は余剰、また、AI・ロボットを活用する理系人材が不足するという推計が経産省のデータの中でも見られているというところでございます。
そうした中、生徒それぞれの多様な個性、ニーズ、興味・関心に応じた学びを生かした自己実現を支えていく、生徒の可能性を広げ能力を伸ばしていくというところ、家庭の経済状況に左右されることなく、希望する大学への進学、就職をする、また、個人の幸福につなげ、さらに経済・社会の基盤を強いものにしていくというところでございます。
2ポツの高校改革の方向性、視点を3つ示しております。
視点1でございますけれども、AIに代替されない能力や個性の伸長ということで、「好き」を育み、「得意」を伸ばす機会を確保し、柔軟な教育課程の実現を図っていく。また、スクール・ポリシーを踏まえた教育活動の改善、公表、さらに、高校教育と一貫した大学教育改革とも一体的に取り組んでいくというところでございます。
視点2でございますけれども、我が国や地域の経済・社会の発展を支える人材育成という中で、探求・文理横断・実践的な学び、理系・文系の双方が重要であること、また、AIを使いこなす力、そういうものも身につけていくというところでの学科構成の見直し、専門高校の機能強化・高度化という内容を盛り込んでおります。
右側の視点3でございますけれども、多様な学習ニーズに対応した教育機会・アクセスの確保ということで、全国どこにいても多様で質の高い学びを保障できるようにということで、地理的アクセスの確保、学校配置・規模の適正化、遠隔授業等の推進、また、通信制高校の教育の質の向上等の内容を盛り込んでいるというところでございます。
次の2ページを御覧ください。この国のグランドデザインを踏まえまして、今後都道府県では実行計画を策定いただき、また、今後この安定財源を確保した上で、交付金等の新たな財政支援の仕組みの構築を検討することにしております。
こうした交付金の構築に先立ちまして、今回高校教育改革のための基金では、令和7年度補正予算で計上しておりますので、これを基に都道府県で基金を造成しまして、この構想実現のためのパイロットケースとしての先導的な学びの在り方を構築する高校改革先導拠点、これを創設していくというところでございます。
新しい学校のイメージや取組例、大きく3つ示しております。専門高校の機能強化・高度化、普通科改革を通じた高校の特色化・魅力化、また、地理的アクセス・多様な学びの確保ということで、イメージ・取組例を示しておりますけれども、これらの取組の一環として、グローバル人材育成、地域と連携・協働した学力向上・学習支援にも取り組むこととしております。
また、下のところにございますように、2040年までに達成を目指す目標といたしまして、職業教育の関係で申しますと、例えば、少子化傾向においても専門高校の生徒数を現在と同水準にするといったようなところ、真ん中の普通科の在り方の転換に関しますと、普通科でいわゆる文系と理系の生徒の割合を同程度としていくということ、右側の多様な学びの確保の関係、学びの状況に関する生徒の肯定的な評価の向上、今後調査もやってまいりますけれども、こういったものに取り組んでいくというところでございます。
続いて、3ページを御覧ください。これが今回の高校改革基金、令和7年度補正予算も約3,000億円の経費を確保したというところでございます。
このパイロットケース、大きく3つの類型、アドバンスト・エッセンシャルワーカー等の育成支援、理数系人材の育成支援、多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保ということで、このパイロットケースを創出し、取組・成果を域内の高校に普及するというところでございます。
取組内容のところに少し触れておりますけれども、域内の教育環境向上に貢献する取組として、教員研修拠点の対応に係る経費も支援できる内容になっております。
続いて、4ページを御覧ください。こちらのほうは本文の抜粋でございますけれども、今回の高校改革に関わりましては、高校教育を進めるに当たっての教師の役割、これが重要になるということで、教員免許制度をはじめとした養成、採用、研修の一体的な改革も踏まえ、教師の資質・能力の向上を図ることができる環境整備が必要であるといった内容も盛り込まれているというところでございます。
今後、教員養成・採用・研修の動向を踏まえながら、この取組を進めていきたいと思っております。
資料5の本体は、また後ほど皆様のほうで御参照いただければと思います。
私からは以上でございます。
【秋田部会長】 橋田様、御説明をありがとうございます。
それでは、今、橋田参事官から御説明がございましたが、グランドデザインを踏まえて、教員養成に求められる事項について、御質問、御意見がございましたらお願いいたします。
ありがとうございます。それでは、戸ヶ﨑委員、荒瀬委員とお願いしたいと思います。
戸ヶ﨑委員、お願いします。
【戸ヶ﨑委員】 できるだけ短く申し上げます。
今回の高校教育改革は、めったにない大変な好機だと思って、大いに期待をしているところでございます。今後そういう教育改革を考えるときに、やっぱり今御説明にもありましたように、その成否を分けるのは、言うまでもなく実際に教育を担う現場の教師であって、教師のスキルを上げていくということが高校教育の質を高めることにもなるんだろうなというふうに思います。
この高校教育の充実というのには、都道府県の教育委員会、任命権者の仕組みづくりですとか意欲にまさにかかっているというふうに思っています。したがって、国は、任せるべきことはちゅうちょなく任せていくということも必要だろうと思います。
その一方で、やっぱり質の担保ということについては、国の積極的な関与ということも必要なんだろうなというふうに思います。例えば、荒瀬先生を前に恐縮ですけれども、NITSがその研修のノウハウを生かしながら、探求的な学習の充実、定着等に向けて、学校現場等を積極的にサポートするなど、まさに国レベルでの積極的な関わりというものが、高校教育の成功の可否を決めるものというふうに考えているところであります。
したがって、こういった構想がぜひ実現されるように、国は、ただ単に地方からの様々な提案だとかアイデアを待つだけではなくて、積極的にアウトリーチをして、各自治体だとか、場合によっては、直接高校の取組にも伴走するような、そういう体制をぜひ構築してほしいなというふうに思っています。
このまたとないチャンスを十分に生かしていただいて、高校改革を前に進めていただきたいと思います。
以上です。
【秋田部会長】 戸ヶ﨑委員、ありがとうございます。
またとないチャンスの国の役割についても言っていただきました。ありがとうございます。
荒瀬委員、お願いいたします。
【荒瀬委員】 ありがとうございます。
戸ヶ﨑委員から、私がおります教職員支援機構、NITSへの期待を言っていただきました。ありがとうございます。我々としても本当に大事なことだと思っておりますが、ただ、それこそできるか、できないかと言うと、うちの組織もそんなに大きな組織ではございませんので、できる条件を整えるということがまず第一義的に必要なことかなと思っております。また今後考えていきたいと思っております。
それはそれとしまして、中身について少し申し上げたいと思うんですが、本当にこういった大きなお金が動く、大きな取組が行われるということについては、とてもありがたいと思っています。私も長らく高等学校におりました関係で、非常にありがたいと思っています。
ただ、そこで幾つかやはり懸念もございまして、積極的に賛成しているという立場を明確にした上で、ちょっと気になることを申し上げたいと思います。
まず、2ページなんですけれども、国の高校教育改革に関するグランドデザイン策定というのがあって、その次のところで、都道府県が実行計画を策定するとあります。これ、文字どおり都道府県なんです。公立学校を考えると、都道府県のみならず市町村立の公立高校がございます。こういったところに光が当たらないことにならないようにということを、これはもう既に申し上げてもいるんですけれども、文科省は大変気を遣ってくださっているんですが、あえてもう一度申し上げておきたいと思います。ぜひ全ての高等学校に所属する生徒たちに光が当たるように持っていっていただきたいと思います。
大きなお金が動きますので、当然ながら、どうしても目立った新しいことをやっていこうとなるんですけれども、一番大事なのは、4ページ目でございますけれども、この4ページに本文の抜粋が出ていますが、この本文の冒頭部分、「「生徒を主語にした」高校教育を進める中でと」あります。
高校教育については、これまでもいろいろなワーキンググループが設置されて、その中でも議論がなされました。これまで高等学校教育は共通性と多様性という言葉で語られてきましたけれども、今それを逆転して、多様性と共通性、多様な生徒がたくさんいる中で、その子たちにとって必要なそれぞれの学びの在り方、と同時に、共通して必要な学びの在り方はどうなんだろうということを考えていこうという方向で議論が進んできたところでございます。
生徒を主語にするというときには、今、卒業に必要な単位、現行でも74単位ということで、これが多いか、少ないかというところは議論のあるところかと思うんですけれども、生徒が自分の意思で選択ができるような、そういった柔軟な高等学校教育が展開していくということも、これもまた非常に大切な今後の方向性であるかと思います。
そういったことを現場がいろいろと考えてやっていくと思いますので、これも戸ヶ﨑先生もおっしゃっていましたけれども、現場が考えていく余地を残していただいて、進めることができるようにということをぜひお願いしたいと思います。
以上でございます。ありがとうございました。
【秋田部会長】 荒瀬委員、ありがとうございます。
あと、高橋委員、内田委員に短めに御発言をいただいてと思います。
高橋委員、お願いいたします。
【高橋委員】 ありがとうございます。
3年というお話ではないかもしれないんですが、多分、この高校というのは、統廃合みたいな話と一緒に動いていくんだというふうに思っています。そういった際に、校舎を新築するというか、改築するという話も多分同時に起こったりするケースや、専門高校を統合していくみたいな話があるんだなというふうに思っています。私、そういうときに、教育委員会だけが建物を造ったり、施設の人が建物を造るだけではなくて、建築家の皆さんとか地域の皆さんと学校を一緒に造っていくという、このプロセスが非常に先生方にとって、探究的な取組で、別の立場の方の意見をすごく聞くということで、非常に効果があるなというふうに感じています。各地の校舎の建築なんかが、本当に私、そういうふうに感じています。
先生方だけにお話を伺うと、工業高校、農業高校、それぞれの先生が、要は、話をまとめると自分の個室が欲しいみたいな御発言があるわけなんですけれども、そういういろんな方のお話を聞けば、もう農業もロボットがやる時代だよねみたいなことを聞けば、工業だ、農業だという専門性というのが従来と大きく異なってしまうことが分かりますし、校舎も50年使うんだから、50年使う校舎での教育活動ということで考えてみたらどうかという話になると、非常に具体的に現代的な課題への認識しやすいということで、そういったことと一緒に、研修になるのかというのとはちょっと枠が違うかもしれませんが、非常にこれもいい機会かなというふうに感じているところです。
以上です。
【秋田部会長】 高橋委員、ありがとうございます。
内田委員、お願いいたします。
【内田委員】 ありがとうございます。
高校に対しての非常に大きな応援がなされるということで、高校の教員の一人として、非常に期待をしております。
モチベーション高く生徒も教員も働くということが、これからの教育にとっては最も大切なことだと思います。こういった施策が、教員希望の学生、そして教員免許、教職課程に反映されることを大きく期待しております。
一昨日ですけれども、ある表彰式で、農業高校で学ぶ生徒とちょっと話をすることができました。自分が学んでいる農業の専門性に非常に目をきらきらさせて話をしてくれたことが印象ですし、その会が終わった後、話しかけてくれて、自分は教員になりたいんだということで、小学生、中学生にも農業の魅力を伝えていきたいということを聞いて、非常に期待をした次第であります。高校支援を通して、教職に魅力を感じる学生が増えることもぜひ期待しております。
どうぞよろしくお願いいたします。
【秋田部会長】 内田委員、どうもありがとうございます。
どうもありがとうございます。本日の議事は以上でございます。
最後に、事務局より御報告をお願いいたします。
【柴田教育職員政策課課長補佐】 ありがとうございます。
次回の教員養成部会の日程でございますけれども、こちらにつきましては、追って事務局より御連絡させていただきます。
以上でございます。
【秋田部会長】 皆様、本日も長時間ありがとうございます。皆様の御協力で、ほぼオンタイムに終了となりました。それぞれ、本日、以上とさせていただきます。お疲れさまでございました。どうもありがとうございました。

―― 了 ――


■会議終了後に頂戴した御意見 
【松原委員】
資料3の「教職課程の運営に係るアンケート調査結果」によれば、学校体験活動は学生のモチベーション向上に非常に高い教育効果がある一方で、実施における負担感も課題として示されています。
日頃耳にする情報では、学生が教育実習を経て教員になることを断念したというようなケースもあるようです。そのような状況がある中で、学校体験活動が教職を目指す学生にとって高い教育効果をもたらしているというのは、大変うれしく、また心強く思いました。
一方、実施における負担感については、令和6年度に全国連合小学校長会が全国の校長を対象に実施した調査において、「教育実習の課題」として、「指導に当たる教員が十分に確保できない」を約7割の校長が、「大学や教育委員会のサポートが不十分である」を約2割の校長が挙げています。
学校現場が多忙を極める中、教育実習や学校体験活動が受け入れ側のさらなる負担となることは避けなければなりません。学生が学校ボランティアや学習支援員として現場の力となりながら、同時に実践的な指導力を身に付けるという、「現場の支え」と「学生の学び」が両立する仕組みの構築が必要です。
大学と教育委員会がより緊密に連携し、学校との橋渡し役を担うことで、受け入れ側の学校と学生の双方がメリットを享受できる、持続可能な実習体制の構築を期待いたします。