中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会(第133回)

1.日時

令和4年11月25日(月曜日)15時00分~17時00分

2.場所

WEB会議(Webex使用)

3.議題

  1. 令和4年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定に関する審査について
  2. 大学設置基準等の改正に伴う教職課程認定基準等の改正(案)について
  3. 大学設置基準等による教育課程等の特例制度に関する教職課程の対応について
  4. 令和5年度における新型コロナウイルス感染症に係る教育実習特例及び介護等体験特例の適用等について
  5. 令和3年度教職課程認定大学等実地視察報告(案)について
  6. 「新たな教師の学び」を支える研修体制の構築について

4.議事録

【加治佐部会長】  どうも皆様、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会、133回教員養成部会を開催いたします。
 本日も、ウェブ会議システムを活用しての開催です。それでは、事務局から会議の開催方法と資料について説明をお願いいたします。
【平沢教育人材政策課長補佐】  文科省教育人材政策課の平沢と申します。会議の進め方等について、確認させていただきます。
 本日もウェブ会議システムを活用していることから、1、御発言に当たっては聞き取りやすいようはっきりお話しいただくこと。2、御発言の際には名前をおっしゃっていただくこと。3、発言時以外はマイクをオフ、ミュートにしていただくこと。4、御発言に当たっては「手を挙げる」ボタンを押していただくことについて御協力をお願いいたします。
 本会議の模様は、報道関係者と一般の方向けにライブ配信しております。Webexのチャット機能については傍聴者が閲覧することができませんので、マイクがうまく機能しない場合の緊急連絡手段としていただく等、補助的な使用としていただきますようお願いいたします。
 配付資料は、議事次第に記載のとおりです。
 事務局からは以上です。
【加治佐部会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議事について申し上げます。御案内のように、5つ議事があります。
 議事の1は、令和4年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定に関する審査について、大臣からの諮問に基づいて課程認定委員会で審議を行っていただきました。その結果について、審議を行いたいと思います。
 議事の2は、大学設置基準等の改正に伴う教職課程認定基準の改正(案)について御審議いただきます。
 議事の3は、同じく大学設置基準等の改正による教育課程等の特例制度に関する教職課程の対応についてです。前回の部会で、本年10月より施行された大学設置基準等の改正による教職課程等に関する特例制度について、事務局から説明がありました。本日は、事務局から、教職課程における対応について説明いただきたいと思います。
 議事の4は、令和5年度における新型ウイルス感染症に係る教育実習特例及び介護体験特例の適用等について、御審議いただきます。
 議員の5は、令和3年度、教職課程認定大学等実地視察報告(案)について、課程認定委員会から報告いただきます。
 議事の6は、今月8日に閣議決定されました補正予算案に関してです。教員研修の高度化について計上されておりますので、事務局から御報告いただきます。
 それでは、議事の1に入ります。こちらは、教員養成部会運営規則に基づいて、非公開の議事となっておりますので、ライブ配信は一旦停止させていただきます。
 
=非公開議事につきライブ配信停止中(議事1に係る審議)=
 
【平沢教育人材政策課長補佐】  事務局です。会議を公開いたしました。
【加治佐部会長】  それでは、審議が終了いたしましたので、答申文を読み上げます。
 「教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について。令和4年7月14日付、4文科教第580号をもって諮問のあった件について、資料別紙に掲げる課程について、認定可とする。」以上です。
 これで議事の1を終了いたします。
 それでは、議事の2に入ってまいります。
 大学設置基準等の改正に伴う、教職課程認定基準の改正(案)について、事務局より説明をお願いいたします。
【樫原教員免許企画室長】  教員免許企画室長の樫原でございます。資料の2、及び、資料2-1、資料2-2に沿って御説明をさせていただきます。
 今回、資料2-1が現在、映っておりますが、今回の改正の趣旨としましては、大学設置基準等の一部を改正する省令が、本年の10月1日から施行されたことを踏まえまして、教職課程認定基準等の所要の改正を行うというところが趣旨でございます。
 まず、具体的に申しますと、改正事項が3点ございます。
 1つは、教職専任教員に係る改正ということでございまして、これは、今回、大学設置基準において、「専任教員」という用語が「基幹教員」という名前に改正をされたため、それに伴って改正をするものでございます。
 2番目は、教育実習等の1単位当たりの授業に係る改正のところで、この部分も、従来は実習については、30から45時間というところだったものを、今回、実習とか授業形態に関わらず、おおむね15時間から45時間までの範囲で、大学が定める範囲の授業をもって1単位とするというのが大学設置基準の改正になりましたので、それを踏まえた修正でございます。
 それから3点目ですけれども、「教員組織」という名称が「教育研究実施組織」に改正されたことに伴い、課程認定基準等についても改正を行うこと、以上3点が、およその改正事項でございます。
 具体的な改正の中身につきましては、資料2-2を御覧ください。
 資料2-2の1ページ目ですけれども、1ページ目の一番最初のところは、条がずれているところになりまして、続きましては、教員組織が教育研究実施組織に修正をしたところでございます。
 今回、大きく変わる部分としましては、3の(7)のところでございます。これ、右側が現行規定になっておりますが、専任教員という部分の考え方を整理したものでございます。専任教員、従来の基準の専任教員という中には、いわゆる大学設置基準上の専任教員を示すものと、教職課程認定基準独自の基準としての専任教員というもので使っているものが混在をしており、特に今回、専任教員が基幹教員ということに変わったことに伴って修正が必要になりましたもので、その点を修正しております。
 今回、新たに定義をすることになった教職専任教員につきましては、丸1として、専ら当該課程を有する学科の教育研究に従事する者、丸2として、当該学科等の教職課程の授業を担当する者、3番として、当該学科の教職課程の編成に参画する者、4番としまして、当該学科等の学生の教職指導を担当する者、この4つの要件を満たす者を教職専任教員ということで、定義を新たにしております。
 それを踏まえた修正としましては、3ページのところでございます。3ページのところの下半分のところにございますが、米印4の「3(7)の規定に関わらず」というところなんですけれども、これは各大学においてのそれぞれの教職課程において、置くべき教員の人数を定めるところでございます。その中で、もともと専任教員というのを、基本的には教職専任教員としているんですけれども、もともとは、ある学科単位で、専任教員を一定、この程度置くという規定にしている一方で、今回の基幹教員という考え方では、1つの学部だけではなくて、複数の学部において基幹教員を務めることができる者が出てくるということになっております。
 これが、実は新たに申し上げる、ただし書教員ということなんですけれども、これは実は、大学設置基準のただし書に、このように書いてございます。この表に定める基幹教員数には、1の基幹教員は、同一大学ごとに1の学部についてのみ参入するものとする。ただし、複数の学部において、それぞれ1年につき8単位以上の当該学部の教育課程に係る授業科目を担当する基幹教員は、当該学部について、当該基幹教員数の4分の1の範囲内で参入することができるという規定が新たに追加をされたところでございます。
 この点を踏まえまして、今回のこちらのほうの認定基準においても、こうした複数の学部において基幹教員を務める者については、4分の1の範囲で、教職専任教員の中に含めることができるということを新たに規定したものでございます。残りの部分につきましては、各学校種ですとか、教科の単位に沿って同じことを繰り返し規定をさせていただいております。
 それから、大きく飛びますが、16ページになります。先ほど、大学設置基準においては、実習の授業の単位という1単位は、30から45時間という定めになっておったのを、今回は実習とかそういうことに限らず、全て15から45時間ということで設定をすることになりました。そうしますと、場合によっては、教育実習の1単位を15時間で換算してもいいのかというところについて、そのような大学が出てくる可能性もありますので、我々としましては、今回、1単位当たりの時間数は30時間を標準とすると。従来、30時間から45時間というところが、大学設置基準上、明記をされておりましたが、その中でも実態上は30時間を標準とする大学が多かったことを踏まえ、30時間を標準とするというのを、今回の認定基準の中に書き加えております。
 説明は以上になります。
【加治佐部会長】  いかがでしょうか。非常に重要なことだろうと思うんですけど、いかがですか。何か御質問等ございませんか。
 4分の1がただし書教員というんですか、そういうことです。それから、教育実習の1単位に要する標準時数が30時間としたということです。あとは用語の変更です。よろしいですか。新たな教職課程をまたつくっていこうとする大学が、現れてくるのではないかと思います。
 それでは、ないということですので、次に進みたいと思いますが、次も、またこれと関わりがあることになります。
 議事の3です。大学設置基準等における教育課程等の特例制度に関する教職課程の対応についてです。事務局から説明をお願いいたします。
【樫原教員免許企画室長】  続いて、説明をさせていただきます。資料3を御覧ください。
 大学設置基準等による教育課程等の特例制度に関する教職課程の対応についてということでございます。
 1ポツの背景ですが、前回の教員養成部会の合同部会におきまして、文部科学省の大学教育入試課の担当者より説明をしたところでございますが、本年10月より施行された大学設置基準等の改正により、大学の教育課程に関する事項について、文部科学大臣の認定を受けた場合には、大学設置基準の特例対象規定の全部、または一部によらない教育課程を編成することができる制度、略しまして、今回、設置基準特例というものを設けておりますが、それが新たに創設されることになりました。
 この点につきまして、教職課程の基準については、大学設置基準等のほか、教育職員免許法施行規則においても所要の規定が設けられているところ、設置基準特例により、教職課程についても制度的な取組を行うことを可能とするためには、文部科学大臣(教員養成部会)の認定に関し、免許法施行規則の一部の規定を適用しない特例を設ける必要がある。
 つまり、大学設置基準上の規定と教育職員免許法施行規則の規定がバッティングする部分については、新たな特例を、両方を調整するような規定を置く必要があるというところでございます。
 具体的な特例規定につきましては、2点目でございます。大学設置基準上の特例規定は、ここに書いているものに限らない。例えばインターネットでできる上限の緩和ですとか、そういったものも含まれるんですけれども、免許法施行規則との間でバッティングするものは主に3点でございます。
 1点目は、大学設置基準上の授業科目の自ら開設の原則というところでございます。2点目は、単位互換の60単位上限のところでございます。自ら開設については、教員免許法施行規則にも同じ条文があって、教員免許の単位に関して、自ら開設の原則というものがございます。一方で、単位互換につきましては、各科目の単位互換の3割上限ということが、免許法施行規則では設けられております。
 3点目は大学連携推進法人等による連携開設科目に係る30単位上限ですけれども、これは免許法施行規則の世界では、単位互換の上限は8割となっております。ですので、この部分が、申請の状況によっては抵触する可能性がありますので、この部分について調整を行った上で、具体的に教職課程としてふさわしいかどうかについては、教員養成部会において審査を行うこととするところになっております。
 今後のスケジュールですけれども、大学設置基準の新特例につきましては、現在、公募が行われているところでございまして、ここで教職課程に関するものが出てくるかどうかというのは、今のところ、私たちも分かりませんが、いずれしろ、これについては、1、2月に大学分科会での審査の上、3月までに認定が行われる予定でございます。
 特に、第1弾の審査、公募において、教職課程関係の申請があった場合には、特に速やかに改正、プロセスに進む必要がございますので、必要な改正を行ってまいりたいと思います。
 以上です。
【加治佐部会長】  ありがとうございました。いかがでしょうか。
 それでは、松木先生、お願いします。
【松木委員】  今回の教育課程等の特例制度は、学部教育が中心かなと思います。ぜひ、この特例制度を大学院のほうまで、特に専門職大学院まで拡大していっていただきたいなと思っています。
 その理由は、全国の教職大学院は、小さな教職大学院が非常に多いとにかかわってです。学生数も少なく、大学の教員数も少ない状況がございます。こういった中で、教師の高度化を進めていこうとしますと、様々な分野の大学教員の数を増やすことが必要になってきますが、現実的には不可能だと思います。こういった状況の中で、教育課程の特例制度を活用できれば、各大学が特色を活かして連携し、豊かな教育課程を準備することが可能になると思います。そういった意味で、ぜひ大学院での検討ということも早急に進めていただきたいなと思います。
 以上です。
【加治佐部会長】  ありがとうございました。樫原室長、どうなんですか。中教審の大学分科会ですか、そちらのほうでは大学院について、こういう特例を設けるとか、そういう議論があるんですか。
【樫原教員免許企画室長】  大学院のほうについて、どのような特例を設けるか、設けないかというところについては、私たちも把握は正直していないところがありまして、今回は、あくまで大学について特例を設けたときの教職課程の特例ですので、大学院のほうの特例を設けるか否かについては、まさに大学分科会のほうで御議論いただくことになるのかと思っております。
 また、大学分科会のほうで御議論をいただいて、そういう特例が設けられた折には、教職課程のほうにも同様の扱いを検討していきたいと思います。
【加治佐部会長】  ということです。いかがでしょうか。
 設置基準特例について、11月上旬から12月末のスケジュールで、第1弾の公募が行われているということです。その中に、教職課程関係のものがあるかどうか、あった場合には、免許法の施行規則の改正とか教員養成部会で審査するとか、そういうことが起こってくるということになります。
 よろしいですか。松木先生、もう一回、もうよろしいですか。
【松木委員】  すいません。ぜひ、教員養成部会からも大学部会に、教職における必要性を訴えていただければなと思います。
 以上です。
【加治佐部会長】 分かりました。よろしいですか。どういうものが出るのか分かりません。全然分かりませんが、結構チャレンジングな先進的なものが出される可能性も十分あるということになるんだと思います。大学間連携が、ひょっとするとかなり進むかもしれません。よろしいですか。
 それでは、議事の3は、ここまでにしたいと思います。
 議事の4に入ります。令和5年度における新型コロナウイルス感染症に係る教育実習特例及び介護等体験活動の適用等についてです。
 事務局より説明をお願いいたします。
【樫原教員免許企画室長】  再び事務局より説明をさせていただきます。資料4を御覧ください。令和5年度における新型コロナウイルス感染症に係る教育実習特例及び介護等体験特例の適用等についてでございます。
 1点目は教育実習特例の延長でございます。もともと、これは教育職員免許法施行規則の改正ということで、令和2年度から令和4年度の間、新型コロナウイルス感染症に起因するやむを得ない理由により、教育実習の全部、または一部を実施することができないときは、教育実習の科目を、課程認定を受けた教育実習以外の科目で代替することが可能とする特例が設けられております。
 この点につきましては、現下の新型コロナウイルスの感染症の状況を踏まえまして、令和4年度に引き続き、令和5年度についても同様の特例が適用されるよう、延長をしたいと考えております。
 なお、実際には、教育実習については、98.7%が通常どおり、教育実習を実施したということで、特例での置き換えにつきましては、約1.3%ぐらいが適用をされているということでございます。
 2点目は、介護等体験特例のほうの延長でございます。この点につきましては、介護等体験奨励及び文部科学大臣の改正が必要になります。こちらも令和2年度から令和4年度までの間、新型コロナウイルス感染症の影響により、介護等体験における受入れが困難な場合は、7日間の介護等体験を、介護等に関する大学科目や講習の受講等で代替可能とする特例が設けられたというところでございます。こちらについても、現下の状況を踏まえ、令和5年度についても適用期間とするという改正を行いたいと考えております。
 なお、こちらについては、大体80%ぐらいの方が、代替措置において、適用を受けているというところがございます。
 続きまして、介護等体験の対象施設の拡大でございますけれども、こちらにつきましては、資料4の中にある、別紙の3を御覧ください。現在、介護等体験を行うことができる施設というのは、従来は、いわゆる老人ホームですとか、学校で言えば、特別支援学校なんかが主たる対象施設となっておりましたが、かなり大幅に、現在、拡大がされておって、学校関係で言えば、特別支援学校だけではなくて、特別支援学級を設置する学校や通級指導の部分、それから、長期欠席児童等のための特別の教育課程を編成する学校、いわゆる病院での附属の特別支援学校や教育施設で実施するもの、それから、日本語に通じない児童生徒に対する特別の教育課程を編成する学校や、いわゆる不登校特例校、それから、その下にありますけど、不登校のための公立の教育施設なんかの体験も、実は介護等体験の対象になっております。
 この点につきまして、今回、赤字になっている部分の、小中高の日本語に通じない児童生徒に対する特別の教育課程、いわゆる外国人児童、生徒に対して、教科指導の一部を日本語指導に置き換えることができるという規定がございますが、これは、現在は小中学校のみが対象になっていますが、制度として、特例教育課程の特例制度が、高校にまで対象が広がるということを踏まえまして、令和5年の4月から、こういうことをやっている高校において行う体験というのを、この介護等体験の中に含めることができるという改正を行う予定でございます。
 いずれのものにつきましても、施行日、令和5年の4月1日を考えております。
 説明は以上になります。
【加治佐部会長】  令和5年度も、この特例措置を続けるということになります。よろしいでしょうか。じゃあ、根津委員、お願いします。
【根津委員】  すいません、大変細かいことで恐縮なんですが、今、御説明いただいた別紙3の上の別紙2です。そちらに、下のほうになりますが、米印の5番、免許更新制の解消に伴い、令和4年6月31日と、ちょっと6月31日はないかなということで、指摘をさせていただきます。以上です。
【加治佐部会長】  そうですね。6月30日ですね。
ありがとうございました。いかがでしょうか。分かりました。よろしいですか。それでは、じゃ、そういうことでお願いいたします。
 それでは、今度は議事の5になります。令和3年度教職課程認定大学等実地視察報告(案)について、坂越委員から御説明をお願いいたします。
【坂越委員】  坂越です。お願いします。
 令和3年度の実地視察報告、実は令和4年度も、今、既に進行しているのですが、令和3年度の分について、今日、この部会で御確認いただいて、確定のうえホームページ公表というような流れになると思います。
 まず、資料5を御覧いただきまして、1、2、3ページ辺り、この辺りが全体概要を説明していますので、それを見ていただきながら、口頭で御報告をいたします。
 そもそも実地視察というのは、こうやって、今日もそうなんですが、認定を受けた教職課程の水準の維持向上、質保証ということで、コロナで休止した年度もあるんですが、基本的に毎年度、実施しています。昨年、令和3年度は、3つの大学と1つの教員養成機関に対して実施をいたしました。その概要報告です。
 視察するときには、教職課程の実施指導体制、それから教育課程、履修方法、シラバスの状況、こういった観点別に、その状況を見させてもらっています。そして、教職課程が法令上の基準を満たして適切な水準にあるのかどうかということを確認するわけです。昨年は、今年も同じように、コロナウイルスの感染状況がありましたので、オンラインでつないで、実地の状況を見せてもらうというような試みも、やってみました。その結果です。
 全体として、教職課程の質向上ということで、いろいろな取組、積極的な取組を行っていらっしゃることも確認できました。ただ、認定基準の観点から、教育課程とか教員組織、これについて、是正すべき点のあるという大学、養成機関もあって、それについては改善を求めています。個別的な事項については、3ページから後の各大学等の資料に記載してございますので、また御覧いただければと思います。
 視察させてもらった大学には以下のような要請を行いました。1つ目として、教職を志す学生が体系的、計画的に教職課程を履修することができるような取組が求められていますということ。それから、全学的な連携や体制のさらなる充実を進めていくことが重要であること。それから、3つ目、本部会での実地視察における指摘事項等も十分に踏まえて自己点検評価をやってください。これらを通して教職課程の水準の維持向上に努めてくださいというようなことをお願いしています。
 基本的には、もう既に全学の教職センターといいますか、大学全体を取りまとめるような組織もちゃんとできていたというような状況が確認できたと思います。
 今日、こうやってお示ししている報告書を見ていただいて、本部会で了承していただいた上で、ホームページに公表します。また、教職課程を有する全国の大学、指定教員養成機関に周知することとなっています。やはり課程認定を受けた後の状況を確認するという大事な事業でございますので、こういうところで示しているような内容を再確認していただいて、教職課程の質的水準の維持向上ということを全国の教職課程で取り組んでいただきたいと思います。
 ちょっと触れましたが、今年、令和4年度も既に実地視察を行っていまして、10大学を予定しています。そのうち5つがオンラインで行う予定です。基本的に資料を整えてもらって、PDFなどで事前に確認させていただき、オンラインの場合には、その設備環境なんかも、こちらの要望をお伝えして全部それを映してもらって見せていただくというような、そういう取組も最近の状況の中でやっています。
 以上、実地視察の報告です。
【加治佐部会長】  ありがとうございました。御質問等、根津委員、お願いいたします。
【根津委員】  度々すいません。今の御報告の中で3つの大学というふうに、私、聞こえたんですけれども、4ページ以降の資料を拝見しますと、大学、短期部も含めて2つの大学ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
【坂越委員】  それは失礼をいたしました。すいません、短期大学部と大学と、あと学院といいますか専門学校が2つですね。ごめんなさい、訂正をさせていただきます。
【加治佐部会長】  そうですね。いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本案を了承したいと思います。本当にどうも実地視察、坂越委員、どうも御苦労さまでした。
 それでは、最後になります。議事の6、「新たな教師の学び」を支える研修体制の構築について、事務局より御説明をお願いいたします。
【小幡教育人材政策課長】  教育人材政策課長の小幡でございます。今、部会長からありましたが、今回、今月の初めに補正予算案が閣議決定されましたので、研修にかかる高度化予算がその中に計上されております。それについて、少し御説明をさせていただければと思います。
 この「新たな教師の学び」を支える研修体制の構築ということでございますが、教員免許更新制が発展的対象とされる中で、教師の研修をしっかり取り組んでいただくためにも、国としても、それをサポートしていくというものになります。内容については、中教審の特別部会、また、この教員養成部会との合同会議などでも、新たな教師の学び、主体的、個別最適、協働的な学びということをどう実現していくのかということで御議論いただいている中で、それをサポートしていくものというふうに御認識いただければと思います。
 今回の教育公務員特例法の改正で、各教師の研修の履歴を記録することが任命権者に義務づけられ、さらに、それを活用して、教師の研修の指導助言、つまり受講の奨励を校長が行っているということが制度化されたわけでございますが、当然、その履歴をすることが目的ではなく、それを活用して、教師の新たな学びを実現することが大事だということでございます。それを、デジタル技術、ICTを活用しながら、効率的、効果的に進めていくということでございますが、ここにございますように、大きく3つに分かれる予算でございます。
 1つが、(1)の教員研修の高度化支援ということで、研修の受講履歴記録システムと併せて、この研修プラットフォームを一体的に構築していくというものでございます。こちらが、それぞれ合わせて3億弱の予算になっております。丸2として、教育研修高度化推進支援事業ということで、オンライン研修コンテンツの開発、オンデマンドのコンテンツをより充実していくということで、12億ほどの予算となっています。また、下の丸にございますように、教育委員会・学校法人と大学等が共同して、研修の高度化、こういうモデルを開発していただくものとして10億円程度となっております。
 下にありますように、(2)として、教職員支援機構の機能強化も併せ進めていくということで、右上にありますように計27億円の予算案ということで計上しているところでございます。
 次のページを御覧いただければと思いますが、今回この履歴の記録システムとプラットフォームの一体的構築ということですが、事業内容のところにございますように、今回のこの記録システムについては、任命権者に履歴の義務づけをしているわけでございますが、基本的には、教育委員会や任命権者のほうで必ず履歴に記録しなきゃいけないのは、研修実施者がする研修ですとか、大学院の修学休業で履修したものとか、あとは、認定講習、これは必ず記録するものになっています。それ以外のものについては、それぞれの任命権者が判断して、どの程度どこまで広くするかということを考えていただくものにはなっておりますけども、このシステム上では、各教員の研修に加えて、校内研修や自主研修なども履歴が可能となっているものとしたいと思います。また、教育委員会や校長が自分のところの教師の履歴が当然見れますが、各教師自身も、その自分の履歴を閲覧できるようなものにしていくこととしております。これを活用して、学校で教師と管理職が対応して、適切な受講奨励を進めていくことが可能になるということでございます。
 この記録システムと一体的に構築するものとして、この研修プラットフォームの構築ということでございます。右のほうにイメージ図をつくらせていただいていますが、ここには、教職員支援機構、各教育委員会、大学等が作成するコンテンツが集約された形で掲載されるものになります。また、このオンライン上で、それぞれ教師が研修を検索し、申し込んだり、受講の承認や確認をしたりする、一貫したシステムになるということでございます。また、各教育委員会が自分のところの研修としてこのコンテンツを活用することもできますし、それぞれの教師が直接アクセスして、自主研修という形で活用することも可能になるということでございます。また、この研修が終わった後は、このプラットフォームに載っている研修を受けた後は、受講履歴記録システムのほうに自動的に記録されるような形で自動連携をすることとしております。
 また、教育委員会がそれぞれ自分のところのコンテンツが既にあったり、これから開発したりするものがございますが、それを自分のところの教育委員会の中だけで使用するものと制限をかけることもできますし、ほかの教育委員会と共有するということも可能にしたいと思います。今回、大学も、いろいろこのコンテンツ、開発して掲載していただきたいと思っておりますけども、そういった大学がいろいろ努力して、いろいろ経費もコストもかけてつくったようなものだと思いますので、有料で提供することも可能としたいと考えております。
 また、この右の図にありますように、教師が活用することに加えて、外部人材ということで、ペーパーティーチャーの方が教壇に立とうとするときとか、特別免許状を活用して教壇に立とうとするような方、そういった方も活用できますし、また、今、大学生の教職を目指している学生も、このプラットフォームにアクセスをすることも可能にしたいと考えております。
 また、それぞれの運営権者が育成指標を定めるわけでございますが、それぞれその育成指標に、こういった資質を備えるべきということがいろんな項目があるわけでございますが、それらと見比べて、この分野の研修はかなり進んでいるけど、この分野はもう少し足りないんじゃないかというようなことが見える化するような、レーダーチャートのような機能も備えていくことを考えているところでございます。
 これが、履歴記録システムとプラットフォームの構築ということになりますが、それを具体的中身として推進支援していくのが、この教員研修高度化推進支援事業でございます。
 1番として、研修コンテンツの開発ということになりますが、このコンテンツは基本的にはオンデマンドのコンテンツの開発を想定していますけども、大きく3つ、1つ目が組織的な学びのための研修コンテンツということで、基本的に全ての教員にしっかり学んでいただきたい喫緊の教育課題に対する研修コンテンツの開発ですとか、また、学校でのキャリアステージ、校務分掌に対応した、それぞれの職や役割につく際に、このコンテンツを見ると、大体のその役割が分かる、こういったことをすればいいんだということが理解できる、こういうコンテンツの開発も考えております。
 (2)として、様々な多様な研修ニーズがあるわけでございますが、それに対応したコンテンツの開発ということでございます。これ、具体的にもいろんなテーマがあるかと思いますけども、これまで免許更新講習でやってきていた選択分野のような形で、いろんな大学の専門性リソースを活用した形でのコンテンツ開発を想定しているところでございます。
 (3)としては、先ほどもちょっと入れましたが、外部人材ということで、ペーパーティーチャーとか特別免許状など、そういう教壇に立ったことない方が立つ際に基本的なことを学べるコンテンツですとか、それぞれの専門性をどう指導に生かすのかとか、そういったことが学べるコンテンツなどを想定しているところでございます。こちらの事業については、補助事業ということで補助率3分の2を想定しておりますが、上限が600万の3分の2の400万円の補助をする形で、これだけの計300余りのコンテンツの開発を進めていきたいと思っているところでございます。
 このコンテンツについては、基本的な要件としては、そこまで具体的にありませんが、必ず成果確認をしっかり行って、これを受講して正確に行われたら、研修の履歴システムのほうに自動的に記録されるものにしていくことが必要だと思っておりますし、講義中心というよりは、もう少し現場の様子だとか、そういう振り返りができるようなものだとか、受講者が受講したいと思うようなコンテンツに、ぜひ開発をしていただきたいと考えているところでございます。
 右側の2番目のほうは、この教員研修の高度化モデル開発ということになります。こちらについては、委託事業として、大学、教育委員会、学校法人などを考えているところでございます。テーマとしては、4つ、今のところ考えていますが、1つ目は、教員の研修の成果ということで、研修を受けたけど、どういう成果が実際あったのかというエビデンス、データみたいなものが、そんなに多く我々持ち合わせないという中、しっかりこういう研修を受けるとこういう成果が、教員の質が上がった、また、学校の授業がよくなった、こういう成果を、ぜひエビデンスとして、データを分析した形で示した上でモデルを開発していただきたいと思っております。研修のやり方もそうですし、オンデマンドとリアルの研修をしっかりいい形で組み合わせて、こういう形で成果が出たというようなことも考えていただければと思っております。
 また、2つ目は校内研修、授業研修でございますが、なかなか先生方も忙しい中で、こういう時間が取れないという声も聞いておりますが、デジタル技術等を活用して、効率的、効果的に行うやり方ですとか、やはり教師同士の学びが大事だということでもありますので、そういうネットワークをつくっていくとか、そういったことをぜひ開発いただきたいと思っております。
 3つ目は、今回の対話と奨励におけるプロセスということで、どういう形で教師と管理職が対応していく中で、それぞれの教師の個別最適な学びにつながるというような、このプロセスの最適化を開発していただければと考えています。
 最後は、学校へのサポート機能の充実ということで、各教育委員会が、指導主事が各学校に訪問していろいろ指導をされているわけでございますけども、指導主事の数も限りがありますし、時間も限りがある、こういう中で、こちらもデジタル技術を活用した形での新しい学校へのサポート機能というようなことを開発していただきたいということで考えております。こちらについては、委託ということで、10分の10の委託事業で、1件当たり2,900万円ほどの予算を計上させていただいているところでございます。
 予算については、以上でございます。よろしくお願いします。
【加治佐部会長】  どうもありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 それでは、松木委員、そして吉田委員、根津委員の順でお願いします。まず、松木委員、お願いします。
【松木委員】  松木です。今回の補正予算と、それと関連してこの教員研修プラットフォームの在り方について、もう一度確認をしたいなと思います。
 今後教員研修が充実していくためには、教員研修プラットフォームにたくさんのコンテンツが集まってきて、受講する教師も研修選択の余地が出てくるということが一番望ましいなと思います。そう思うと、コンテンツ開発等にこういった予算がつくということは非常にありがたいなと思います。しかし、その先のことを考えたときに、教員研修プラットフォームには受講料を取る研修もあれば無料の研修もあり、また、大学が出すような研修やら各教育委員会が全国に広げるような研修もあり、さらに、最先端の知識・技能の提供ということを考えると、企業が申請する研修といったことも、考えられると思います。この辺のお金を取るかどうか、あるいはその内容は妥当かどうか等について、一定の基準が必要になると思います。こういったことについてはプラットフォームの中で検討しておられるのか、1点伺いたいと思います。
 もう1点は、今回の研修の中で、教員研修の高度化モデル開発で、全国を9ブロックに分けるというお話がありました。オンデマンド型のものであれば、地域に関係なくいいものが集まればいいというようなふうにも思いますが、このブロックを設けていくことの意味についても、もう少しお聞かせいただければなと思います。
 以上、2点、お伺いしたいと思います。
【加治佐部会長】  分かりました。それでは、御回答よろしくお願いします。
【小幡教育人材政策課長】  1つ目でございますけども、今回いろんなプラットフォームに載せるコンテンツ、様々な開発する主体が登録をされるということを考えています。
 ただ一方で、私ども自身が、それは支援機構も含めて、内容のチェックというところまではなかなかやりきれないところもございますので、ある程度外形的なところで審査をさせていただくことになるのかなと。つまり、教育委員会、大学、あと独立行政法人、教職員支援機構を含めたそういったところに加えて、公益性のある法人まで、登録する主体としては考えているところでございます。
 ですので、民間が直接、このプラットフォームに登録することは今のところ考えていないということでございますが、ぜひ民間と連携協力して、大学とかがコンテンツの開発をしていただくようなことはどんどんやっていただきたいと思っているところでございます。
 なお、大学が自分のところで開発したコンテンツをこのプラットフォームに載せる際には、有料でやるのか無料でやるのか、どちらでも選択できるようにしたいと思っています。
 一方で、教育委員会とか教職員支援機構がつくるものは、やはり無償で提供することが前提かなというふうに考えているところでございます。その際、登録する際の手数料みたいなものを有料でやることが考える大学等から、一定程度頂く中で、このプラットフォームの運用に役立てていこうかとは思っています。教育委員会自体は、このプラットフォームのランニングコストを共同して分担していただくということで考えていますので、大学側からも登録する際の手数料というものは頂きたいというふうに思っているところでございます。
 あと、この2つ目の9ブロックのほうでございますけども、このモデル開発はオンデマンドというよりは、研修そのもののモデル開発でございます。例えば、先ほど言いましたけど、オンデマンドの研修と集合の研修を組み合わせて、どういう効果的な研修ができるのかというようなことを開発していただきたいと思っている中で、やはりモデル開発ということを考えると、地域性といったことも、あるいは積算上は考えていかなきゃいけないわけで、全国9ブロック掛ける4テーマという積算で今回計上させていただいているところでございます。地域ブロックなので、それぞれの大学が各教育委員会としっかり連携して、このモデルを開発していかなきゃいけないということもありますので、一応地域性も考えて、それぞれのブロックごとで積算をしているということでございます。
【加治佐部会長】  ちょっと1点確認ですけど、民間事業者は、プラットフォームには直接登録はできない。
【小幡教育人材政策課長】  今のところ、公益性がある法人に限定したいと思っていますが、例えば大学とか教育委員会が民間と連携してつくるということは、ぜひ積極的にやっていただきたいと思っています。
【加治佐部会長】  分かりました。松木委員、よろしいですか。
 それでは、吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】  ありがとうございます。今回の新たな教師の学びを支える研修体制というのは、基本的に言えば、公立学校の令和4年度から教育公務員特例法が改正になったことに伴うものだと思いますけれども、私立学校でも教員の研修というのは大切だということをご理解いただいた上で、今回開発するコンテンツ等に参加させていただけるということで、大変ありがたく思っております。
 特に、この教師の個別最適な学び、そして協働的な学びを実現するためのデジタル技術を活用した効果的な記録作成とか、そういったものというのは非常に意義があると思うのです。私立学校も、それぞれの学校で、それぞれの研修等をやっていくわけですけれども、そういう中にいいコンテンツがあれば利用させていただけるわけですし、特に今回の教育研修高度化推進支援事業の中の教員研修の高度化モデル開発の中にも、教育委員会、学校法人と大学等が共同してというふうに学校法人も入れていただきましたことに大変感謝しているところでございます。
 そういう意味では、国公私の区別なく、やはり教員がそれぞれが資質を高めて、子供たちによりよい教育を与えられるような、そのための基礎を文科省がこうやってつくっていただけることに改めて感謝したいということだけを言わせていただきます。ありがとうございました。
【加治佐部会長】  ありがとうございます。私立学校にも積極的に御参加いただければと思います。
 それでは、根津委員、お願いいたします。
【根津委員】  早稲田大学の根津です。資料6の2枚目について少しお尋ねをしたいのですが、ここの資料6の2枚目の背景・課題の2つ目です。前半部分の、「国が教師の研修履歴を記録するシステムを構築する」というところのくだりは、この間いろいろ議論されてきたと思うのですが、後半の「また、学校DXの一環として、マイナンバーの活用も見据えつつ、別途構築する教員免許管理システム等との連携を可能とする」、この辺りは具体的にはどこで詳細が議論されたのかということが1点。
 もう一つは、要望ですけれども、研修の履歴は公のものであると同時に、やはり非常にパーソナルな、個人的なものでもあるかと思いますので、この辺りは対象となる先生方、あるいは個人の同意というものが大前提になるのかなと思います。
 以上です。
【加治佐部会長】  それでは、2点、回答をお願いいたします。
【小幡教育人材政策課長】  1点目は、中教審で直接的な議論はなかったかもしれませんが、政府全体の中では、マイナンバーの活用というのは政府全体の大きなテーマになっているところでございます。まだ具体的にどういう形での活用というところまでは議論が進んでいませんけども、今後、教員免許管理システムのほうでは、マイナンバーとの連携ということも検討しているところでございますので、その中でどういう形での具体的なところの活用は、今後の検討の課題かと考えています。
 当然、根津委員おっしゃるとおり、これは個人情報でございますので、個人情報としての扱いは、その中でしっかり、管理もしっかりしたセキュリティー、また、活用も限定的なものというのは当然のことと考えております。
【加治佐部会長】  2点目はいかがでしょう。
【小幡教育人材政策課長】  2点目が、後半の。
【加治佐部会長】  履歴の。根津委員、よろしいですか。
【根津委員】  そうしますと、具体的に何か議論がなされてこういう文言が盛り込まれたというわけではないということで理解をいたしました。
【小幡教育人材政策課長】  具体的な活用はこれからの話かと思います。ただ、マイナンバー自体の活用というのは政府全体の大きなテーマでございます。ですけど、個人情報になりますので、そこの活用というのは、個人情報の保護という観点に基づいて、厳格に対応していく必要があるということになっております。
【根津委員】  そうしますと、必要に応じて、またこの件については、詳細具体的にどのようなひもづけの仕方を行っていくのかということについては、議論の余地があるということですね。
【小幡教育人材政策課長】  はい、そうでございます。
【加治佐部会長】  それでは、松田委員、お願いいたします。
【松田委員】  ありがとうございます。今回の事業は、教員の質の向上とともに教員の負担軽減というのも目的にあろうかと思います。本事業の成功は、良質なコンテンツがプラットフォーム上にあって、システムが、ユーザーフレンドリーで、先生が負担感なく直感的に活用できるものになるかどうかにかかっていると思います。しかし残念ながら、現場の先生方の話を聞くと、これまで、例えば行政が開発運用しているシステムが、使い勝手が悪かったり、負担感が非常にあるという声を聞くんです。こういった批判にも耳を傾ける必要があると思いますし、を軽減する施策が必要になってくるとは思います。特に今回、教員養成のデジタルトランスフォーメーションへの挑戦になるかと思いますけれども、デジタルトランスフォーメーションは、ある程度の失敗を許容していきながら、改修していきながら、中長期的に育て上げていく、完璧なシステムを最初から作り上げる考え方はなるべく持たない事が大事だと思います。御質問させていただきたいのは、今回のシステム開発そのものが、これまでのシステム開発と違うのか、今までの延長線上でやっていくのか、それとも新しい構築プロセスに挑戦するのか、現状のお考えをお聞かせください。今回の事業のもし何かキーサクセスファクターみたいなものを現在お考えのものがあるのであればお聞かせいただきたいと思いました。
【加治佐部会長】  小幡課長、どうですか。
【小幡教育人材政策課長】  システム、当然これは新しいシステムでございます。各教育委員会の中には、こういう履歴システムは既にあったり、こういうプラットフォームのようなものもつくっているところはあるということなので、そういったところも当然参考にしていきますが、松田委員がおっしゃったように、あまりつくり込んだがちがちのシステムにして、後々、なかなか身動きとれなくなる、そういうことがよくありがちでございますので、それだけは避けるということが大事かと思っています。今、調査研究ということで、専門のところといろいろ協議しながら、どういう形で公募を行うのかということは検討しているところでございますが、やはり100%のものがつくれればいいわけですが、こういう時代の流れが速く、また進歩もいろいろあるわけでございますので、ある程度柔軟な、後々、柔軟な対応ができるようなシステムにしていきたいということは大事なことだと考えております。
 以上です。
【加治佐部会長】  ありがとうございました。いかがですか。予算規模が27億円ということで、本当に初等中等教育関係予算としてはかなりの額じゃないかと思います。それだけ、この事業にかける意気込みとか伝わってまいり、それだけ教員の研修を大きく時代に即したものに変えていこうと、そういうことの国としての合意も得られているということだと思います。ぜひ、本当にいいのをつくっていきまして、何とかこれをうまく機能させるべきと思います。
臨時委員の、私のところの画面に名前が出ていないんですが、申し訳ないんですが、平井委員、どうぞよろしくお願いいたします。
【平井委員】  ありがとうございます。実際、このように他の県で作成された様々な資料などを活用しようとする場面というのは結構あります。東京都教育委員会にも教職員研修センターがございますので、そこの資料やコンテンツを活用することももちろんありますが、教職員支援機構が作成しているものを先生方に周知をして、夏休みなどの比較的時間に余裕のある時を利用して研修に取り組んでもらうということもしています。
 例えば、こちらは、仙台市教育委員会が作成している「教師のための生徒指導ハンドブック」というもので、PDF形式でサイトに掲載されているものです。これはとても分かりやすく、また、他にも「学級担任のための生徒指導ハンドブック」というものも見つけました。それらを自分でプリントアウトして冊子にし、新規採用の教員に渡したり、初めて生活指導の主任を担当する教員などに渡したりしているところです。
 今回のように、先生方が他の県などのサイトにアクセスすることで、本当に有益な資料などを簡単に入手することができたり、研修できたりする環境を作っていただけるというのは、とてもありがたいと思っているところです。ぜひとも、よい形で進めていただきたいと思います。
 以上です。
【加治佐部会長】  教職員支援機構とか大学とか、公益法人が提供するものはもちろん全国の教員にわたると思いますが、これまで、ある意味ちょっと制限があった他府県の、都道府県のセンター等がつくったものも、都道府県、自治体の垣根がある意味なくなっていくということになるわけです。そういう意味でも、利便性が高いと思います。
 小幡課長、自治体、教育委員会の参加というのは、恐らく自由なわけですけど、どうですか、見込みとしては、どれぐらいの参加が見込めそうですか。
【小幡教育人材政策課長】  研修記録システムとこのプラットフォームに参加されるかどうか今意向を聞いているところでございますが、やはりシステムのほうは、既にこの履歴システムを動かしているところが半分ぐらいあるという中で、国が新しいシステムをつくる際に、どっちにするか、移るとしてもどのように移行していくのかとかいうことは少し検討されていると聞いていますが、最終的には、ほぼ多くの教育委員会が、このシステムに参加され、プラットフォームを活用していただけるようになるというふうに考えているところでございます。
【加治佐部会長】  分かりました。
 それでは、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 教員研修の高度化につきましては、今期の審議会においても重要なテーマとして議論を重ねてきたところでございます。今年5月の法改正を踏まえた新たな教師の学びの姿が全国で実現されるよう、引き続きの取組をお願いしたいと思います。
 これで、議事の6を終了いたします。
 本日用意した議事は以上なんですけど、こういうことは初めての経験のような気がしますけど、まだ非常に時間残っているんですけども、せっかくの機会です。何か、この議事に関してでもよろしいですし、ほかの件でもいいですが、何か皆様のほうで御意見等ございませんか。
 小幡課長、どうぞ。
【小幡教育人材政策課長】  それでは、せっかくの機会なので、今の補正予算の関係も含めて、今我々も教育委員会や大学の関係者の方のお話を、直接会って話したり、また会議等でもいろいろ説明して意見も聞いているところでございますが、今回の教育公務員特例法の改正で履歴が記録されるということで、結構まだまだ多くの教育委員会は、そこをどうするかということが一番の課題になっているというふうな認識でおります。そこも大事ですが、その次の、それをどう新たな学びにつなげていくかということが最も大事なことでありますので、そこは繰り返しお話をしている中で理解をもらおうというふうに考えているところでございます。
 今回、この補正予算についても、そういう意味で、記録とかオンデマンドのほうをシステムとしてつくっていくわけでございますが、やはり最終的にこれを使って、うまく活用して、効率的、効果的な新たな学びにしていただきたいということを考えています。そういう意味で、このオンデマンドコンテンツとか、この高度化モデル開発、まさにこの研修を高度化する初期投資として、今回この補正予算がついているところでございますので、ぜひ、各委員の皆さん先生方におかれても、いろんな大学、また教育委員会の関係者の方にこのお話を広げて、ぜひいい取組が集まり、いいモデルが開発され、研修の高度化というのが、それぞれ広がっていければと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【加治佐部会長】  分かりました。
 それでは、よろしいでしょうか。今日は非常に、中身としては結構重要なことだったと思うんですけど、皆さんが理解されたということで早く終わるということになりました。
 それでは、本日の教員養成部会はここまでにしたいと思います。どうもありがとうございました。また次回、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
―― 了 ――

(総合教育政策局教育人材政策課)