教員養成部会(110回)議事録

1.日時

令和元年11月11日(月曜日)14時00分~16時00分

2.場所

三田共用会議所 大会議室
東京都港区三田2-1-8

3.議題

  1. 令和元年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について(答申案)【審議】
  2. 教員免許更新制も含めた体系的、効果的な研修の実施について【審議】
  3. 教職課程の基準に関するワーキンググループの審議状況について【報告】
  4. 新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会の審議状況について【報告】
  5. 台風19号に伴う2019年度小学校教員資格認定試験第2次試験の中止及びその後の対応について【報告】
  6. その他

4.議事録

【加治佐部会長】 それでは、どうも皆様、こんにちは。少し遅れておられる方もおられますが、定刻になりましたので、ただいまから第110回中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会を開催いたします。本日は御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

初めに、会議資料について、事務局の方から確認をお願いいたします。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 それでは、資料の確認をさせていただきます。お手元の端末に本日の配付資料、開いた状態で用意してございます。順に議事次第、座席表、次に議事次第に記載のとおり、資料1から6まで。それから、参考資料1から4までございます。それから、デスクトップには本日の会議資料を含めまして、104回からの会議資料を格納したホルダーを置いておりますので、適宜御参照ください。御不明な点、不具合等ございましたら、近くの事務局員までお申し付けください。

【加治佐部会長】 それでは、本日の会議の進め方について、御説明申し上げます。次第の方を御覧いただきたいと思いますが、まず、議事の1です。これにつきまして、事務局から説明をいただいた上で皆様方の了承が得られれば、答申することを予定しております。

議事の2につきましては、これが今日の本題といいますか、たくさんの時間をとると思いますが、事務局から教員免許更新制と研修の相互乗り入れについて御説明いただきます。その後、委員の皆様から自由に御意見を頂ければと思います。

また、議事の3において教職課程の基準に関するワーキンググループの現在の審議状況について、議事の4において新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会の審議状況について、事務局から御説明いただきます。そして、最後に台風19号に伴う2019年度小学校教員資格認定試験第2次試験の中止とその後の対応について、事務局から御説明をいただきます。

それでは、まず議事の1の平成30年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について、審議を行います。この議事については教員養成部会運営規則の規定に基づき非公開となっております。報道関係者を含む傍聴者の皆様におかれましては御退出をお願いしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

(傍聴者退室)

(傍聴者入室)

【加治佐部会長】 それでは、令和元年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について、答申を行います。

(答申文手交)

【平野大臣官房審議官】 どうもありがとうございます。委員の先生方、どうもありがとうございました。

【加治佐部会長】 それでは、議事の2に入ってまいります。事務局から説明をお願いいたします。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 それでは、教員免許更新制につきまして、お手元の資料2に基づきまして御説明申し上げます。

本日は教員免許更新制を含みます研修の在り方についてということで、特に前回は研修全般について御議論いただきましたけれども、本日は特に教員免許更新制につきまして資料を御用意いたしまして、御議論の題材としていただきたいというふうに考えてございます。

まず、教員免許更新制、趣旨としましては、資料2の一番最初のところにございますように、教員として必要な資質・能力が保持されるよう定期的に最新の知識技能を身に付けるということで、教員が自信と誇りを持って教壇に立っていただいて、社会の尊厳と信頼を得るということを目的としまして、平成21年4月から施行しております。これは30時間以上の更新講習を受講していただくことによりまして、免許を更新できるという仕組みになってございます。

次のスライドに入っていただきまして、検討の経緯としましては、もともとは平成18年の中教審の答申がございまして、教育再生実行会議の議論、それから、教育基本法の改正を受ける形で法律改正が行われ、21年から導入されたものでございます。

簡単に次のページのところで、事後評価結果、どういった御意見を頂いているかというところについて、毎年度、これは受講生の皆様方にアンケートをとっております。このアンケートを御覧いただきますと、いずれのグラフも棒グラフですけれども、左から二つ目が「よい」、「だいたいよい」という形になっておりまして、更新講習を受けていただいた方の感想としては比較的肯定的な評価をいただいているというところでございます。ただ、この更新講習につきましてはいろいろな御意見も頂いておりますので、これまでも幾つかの点につきまして見直しをしてきたところでございます。

次のスライドに入っていただきます。教員免許更新制度の改善について(報告)ということで、平成26年3月にこの更新制の導入後5年を目途として見直しをするということで、検討会議を設置しまして、報告を頂いているところでございます。この中で、大きく分けまして、三つの改善方策を御提言いただいておりまして、その最初のところが、免許状更新講習につきまして内容の改善が必要であるということで、必修領域の見直しと選択必修領域を導入したというところが書いてございます。

具体的には次のスライドに入っていただきたいと思います。平成28年4月から免許状更新講習規則の改正によりまして、選択必修領域というものが入りました。それまでは必修12時間、選択18時間ということで、必修がかなり多くを占めておりましたけれども、先生方のそれぞれのニーズに合った形で受講されたいというような御希望がございましたので、全員が共通で受講していただく必修につきましては6時間に縮減しまして、その代わりに選択必修領域を6時間ということで、これは左の下の中ほどのところにございます。選択必修領域ということで、カリキュラム・マネジメント、アクティブ・ラーニング、道徳、英語、情報化など、現代的な教育ニーズに対応した形での更新講習の内容というもの、この中から一つ選んで、講習を受けていただくという形に改善しております。

それから次のページ、6ページ目のところに入っていただきまして、もう一つ御提言を頂いておりますのが、現職研修と免許状更新講習の関係の整理という部分でございます。これは先生方、いろいろな研修を受けておられますので、それに加えて、更新講習を受講するというところについての負担感というところ、あるいは重複感というところが御指摘をされてございました。これに対応する形で、特に入職されてから10年後の10年経験者研修というものが10年を区切りとして受講いたします更新講習と時期的に非常に近いところに設定されておりますので、この関係の在り方というものが特に問題とされておりました。

それから、同じくローマ数字の2の中の(2)のところでございますが、更新講習の受講環境の充実というところで、なかなか先生方お忙しい中で受講していただきますので、例えばインターネットの利用などによりまして、より弾力的に更新講習を受けられるような環境を充実していくことでございますとか、あるいは免許状更新講習と認定講習、新しい免許状を追加で取得する場合の講習でございますけれども、これを相互に認定していくことで一つの講習を受けることによってまた別の役にも立つというようなことも御提言を頂いていたところでございます。

今申し上げた点につきましては、具体的には、次のページ、7ページ目のスライドに入っていただきますと、具体的な数字がございますけれども、まずインターネットの利用による講習につきましては、平成21年度の実績と比べますと倍以上の講習の数、それから、受講者も非常に大きな伸び、10倍以上の数の伸びを示しているところでございます。それから、免許状更新講習と認定講習の両方の認定を受けて、一つの講習を受ければ更新講習にも認定講習という形で免許状の取得にもつながるということをやっていただいている大学数も、徐々にではありますが、増えてきているというところでございます。

それから、これ以外にも次の8ページ目のところに入っていただきますと、見直しの報告の中には出ておりませんでしたが、よく御指摘をいただくところとしまして、更新講習の受付が従来は平日の昼間にスタートしておりまして、人気の高い講習になりますと、講習の受付開始と同時に埋まってしまうというところがございましたので、各大学の方にも御協力をお願いいたしまして、できるだけ先生方が勤務しておられない時間帯から更新の受付を開始していただくという取組をしていただいている大学も幾つか出ているところでございます。

それから、恐縮でございます。少し戻っていただきまして、6ページ目のスライドのところに、見直しの報告の中で出ておりましたローマ数字の3、三つ目の大きな提言としまして、免許状情報の把握の仕方についてもう少し簡便化を図るべきであるということが言われておりました。この当時は、例えば免許状というものを運転免許証のような形で、カードのような形の免許証でというようなことも提言を頂いておりましたけれども、なかなかここにつきましては事務的なところもございますので、今進めておりますところとしましては、簡単にそれぞれの先生方の更新期限が分かるようなプログラムを開発しまして、これを文部科学省のホームページで公開しております。先生方にこれを使っていただいて、御自身の免許状の情報を入力していただければ、すぐに免許の更新の期限が分かり、更新漏れを防ぐような取組をやっておりまして、運用でここはカバーしているところでございます。

それから、恐縮です。9ページ目のところに入っていただきますと、この後が特に本日、データとして御用意しているところに関わってまいりますけれども、先ほど見直しの報告の提言の中で10年経験者研修と更新講習との重なりが問題になっていたというところがございますので、これを受ける形で平成28年に教育公務員特例法等の一部を改正する法律によりまして、10年経験者研修を中堅教諭等資質向上研修というものに改めてございます。これは従来のように入職してから10年ではなくて、中堅クラスの先生方、それぞれ個々のニーズに応じまして、適切な時期に適切な内容で教育委員会の裁量で研修を行っていただくという形に改めてございます。このときに施行通知の中で、四角の囲みの中でございますけれども、特に下線部分のところ、免許状更新講習の科目と中堅教諭等資質向上研修等の科目の整理・合理化や相互認定の促進を図るということで、更新講習と中堅研につきましても相互に乗り入れをしていくことで、重複感、負担感の軽減を図っていくということをお願いしておりました。

この実施状況につきまして、10ページ目以下のところで、今回データを出させていただいております。9月から10月にかけまして、文部科学省から民間の会社に委託し、教育委員会にアンケートをとらせていただきました。先生方の更新講習に関する負担軽減のためにどういった取組をされているか、特に研修と更新講習との相互乗り入れについて取り組まれていること、あるいは課題が何かということについてアンケートをさせていただいております。この中で、今、研修と更新講習の相互乗り入れというふうに申し上げましたけれども、大きく分けますと、二つのパターンが調査の結果出ております。一つはパターンAということで、大学や教育委員会が開催している更新講習を先生方が受講された場合には、教育委員会が実施しております研修の方を免除するという形で相互乗り入れをしているというパターン。それから、大学又は教育委員会が開催しておられます研修の一部の部分を更新講習として認定を受けることで、そこで研修と更新講習を兼ねているというところがございます。

具体的にそれぞれの取組のデータを御覧いただきますと、11ページ目以下になります。ここの11ページ目のところは教育委員会が主体となって更新講習を開設していただいている35の自治体、都道府県、政令市、それから中核市の一部もここに入ってまいります。その取組を見ていきますと、大体74%ぐらい、かなり多くの自治体で研修と更新講習の相互乗り入れをやっていただいているというところでございます。

そのほかにも、更新講習の一部の無料化でありますとか、更新講習を職務として受講していただいていることでありますとか、実施時期を調整しているといったことも負担軽減策として挙げられているところでございます。

それから、次の12ページ目のところに入っていただきますと、こちらは更新講習を教育委員会としては開設していないところでございますけれども、この中で4割ぐらいの自治体では何らかの形で更新講習と研修との連携をやっていただいているというところでございます。

一方で、更新講習と認定講習の相互乗り入れ、相互活用というのもさらに進めていく上での課題ということも伺っておりまして、ここで挙がってきておりますのが下の丸のところに箇条書きしてございますけれども、例えば研修と更新講習の担当課が異なるため協議や調整が難しいといったような、組織内での連携がなかなか難しいといったところでありますとか、どの大学等と連携してよいのか分からないということで、ノウハウや大学の情報に関する不足というところもございます。

あるいは、大学で開催している更新講習の内容が教育委員会として求める研修の内容とはマッチしていないというところで、内容のミスマッチというところも幾つか御指摘を頂いております。

このほかにも研修、講習の受講履歴というものを管理していきませんと、相互の乗り入れということはなかなかできませんので、そこがまだできていないといったところも御指摘を頂いているところでございます。

この後は幾つかの具体的な例でございますけれども、先ほどパターンAということで申し上げました。更新講習を受講することで現職研修の一部を免除している部分の取組でございますけれども、これで見ていただきますと、大体26自治体ぐらいがパターンAでの取組をしていただいているところでございます。特に一番下のところ、大学又は研修担当課との連携をどのようにしているのかというところにつきましては、例えば定期的な情報交換を行っていることですとか、開催時期、回数の調整を相互に情報交換しながらやってきていただいているというところがございます。

具体例としまして、次の15ページ目のスライドのところに福岡市の例を掲げてございます。ここは下の箱のところを御覧いただきますと、中堅教諭等資質向上研修の内容のところで、真ん中のところに太字で選択研修というものがございまして、ここの選択研修(4日間)の部分につきまして、更新講習を受講した方は免除するという取組になってございます。下のところに更に実際に福岡市の教育委員会が開設している更新講習というのがございますけれども、5日間にわたって30時間分をカバーするような更新講習というものを開催しているところでございます。

それから次に16ページ目に入っていただきますと、パターンBということで、更新講習を現職研修の一部として組み込んでいると。つまり、現職研修として開催しているものの一部につきまして更新講習としての認定を受けているというようなパターンでございます。

これは次の具体例を御覧いただくのがよろしいかと思うのですが、17ページ目のところで福井県の例を出させていただいております。これは福井県教育委員会と福井大学とが共同で開催されておりまして、更新講習の30時間のうち18時間分につきまして更新講習を開催されておりまして、これを研修として位置付けていると。下の箱を御覧いただきますと、中堅研のうち、3日目、4日目、5日目の部分ですね。この中の18時間分を福井大学と教育委員会との共同で更新講習としても使えるものとしてプログラムされまして、ここの部分について文科大臣の認定を受けているという形になってございます。こういった形で現職研修と更新講習とを相互に活用していきながら、先生方の御負担を軽減していくというところが考えられるわけでございます。

概念図としましては、前回の会議のときに出させていただきました。参考1という資料を御覧いただければと思います。タブの右端の方に出ているかと思います。前回もこの図を出させていただきましたけれども、今、更新講習という形でそれだけの講習を受けていただいているという状況が非常に多いわけで、先生方はこのほかにもいろいろな形での研修を受けておられたり、認定講習を受けておられたりするわけでございます。こういったものをできるだけ更新講習と相互に利用していくことによりまして、あるいは免許更新というものをこれまでの学習履歴を評価して、次期の研修を更に計画していく機会として活用していくことができるのではないかというところを図として示しております。

それから、前回の養成部会のときに岡山大学に御説明いただきましたように、こういったいろいろな研修とか、講習をラーニングポイントという形で蓄積していくことによって、専修免許状でありますとか、教職大学院といった、更に高度な学びとも接続していくことが制度的には可能になってくるというところでございます。こういった継続的な教職生涯を通じた学びというものをどのように構築していけるかというところが一つの課題になろうかと考えております。

恐縮です。続きまして、先ほど資料2のところに戻っていただきたいと思います。このほかにも少しずつ運用の改善等しているところがございまして、資料2の18ページ目を御覧いただきたいと思います。これは昨年度の教員養成部会でもお諮りさせていただきましたけれども、免許状更新講習を修了しておられない方が、特に再任用の方ですとか、あるいは出産・育児等で離職してまた復帰される方が更新講習を受講できていないのですぐに教職への復帰が難しいといったような声があったことを受けまして、下の対応方針のところで赤字のところで書いておりますように、更新講習を受けていただくということは基本的に必要ではあるのですが、どうしても必要な場合、特に各自治体における人材の確保ということを考えまして、免許状の未更新者に対しまして、臨時免許状の授与が可能であることを周知しております。その際に臨時免許状の授与に当たって必要な留意点をお示しすることで、一部運用の改善を図っているというところがございます。

ということで、以上がこれまでに行ってまいりました免許更新制についての改善点、それから状況でございますが、更に御議論いただきたいところとしまして、20ページ目のところで、論点例というものを挙げさせていただいております。もちろんこの論点例に限らず、免許更新制全般について是非御議論いただければと思いますけれども、特に教員が最新の知識を身に付ける観点から更新講習をより効果的なものにしつつ、負担感を軽減していくためにどのような改善を行っていくかということで、幾つか例でお示しさせていただいております。一つは、先ほど御説明いたしました更新講習と認定講習、現職研修の相互活用を進めていく上で、現職研修として求められる内容と更新講習との間のミスマッチでありますとか、連携先の大学が分からないといったような御意見に対してどのように応えていくことが必要なのか。それから、現職研修以外にも更新講習や認定講習との効果的な相互活用が可能なもの。先生方の学びというものがあるのかと。ここで、例で教職大学院の単位ということに併せまして履修証明というものを出させていただいております。

次に、恐縮です、21ページ目を開いていただきますと、これは外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議で今まさに議論が行われているところでございます。外国人児童生徒に対する指導についての専門性を高めていくために、今先生方にいろいろな研修を用意して受けていただこうと文科省としても準備をしているわけでございますけれども、真ん中のオレンジ色の箱の中の一番下のところでございますが、先生方に受けていただいた研修成果を可視化するというために履修証明というものを活用しまして、一定の研修を受けていただき履修証明を持っていただいている先生方は一定程度の外国人児童生徒に対する指導の専門性があるということを示すような、そういった取組ができないかというところが提言されております。

これと同じようなことは特別支援教育の在り方に関する有識者会議の方でも発達障害の児童生徒などについての専門性を高めるために研修を受けたことを、例えば履修証明のような形でお示しをすることができないかということも言われておりまして、こういった履修証明制度、大学で出されるようなものを更新講習や認定講習にも活用していくことで、いろいろな学びを接続していけるのではないかと議論されているところでございます。

それから、恐縮ですが、20ページ目の方に戻っていただきまして、三つ目の丸のところでございますが、研修履歴の管理をどのように行うのか。これは先ほど課題のところで一つ声が出ていたところでございます。

それから、更新講習のより弾力的な受講を可能にするためにどのような環境整備が必要か。例えばインターネット講習の充実もしてまいりましたけれども、受講対象者、受講期間、講習の開設主体といった現状の制度が果たしてこれだけで足りるのかどうかといったこと。

これも例えばでございますけれども、何度も行ったり来たりで恐縮ですが、22ページ目のところをお開きいただきますと、更新講習の開設者の拡充につきましては、昨年度の教員養成部会で一度御議論いただいたことがございました。このときには特に幼保連携型認定こども園、幼稚園といったものを念頭に置きまして、保育士を対象にして都道府県の知事部局が開設しているような研修のうち、幼児教育が扱っているものとして内容が適切なものについても更新講習として活用ができるのではないかということで、知事部局も更新講習の開設主体として追加するような改正を今御議論いただきまして、少し時間が掛かっておりますけれども、この方向で制度改正の準備を進めているところでございます。こういったことも含めまして、制度の在り方、更新講習の在り方を御議論いただければと思います。

それから、恐縮です、20ページ目に戻っていただきますと、先ほど平成28年4月から更新講習の内容というものを現代的なニーズを踏まえた形で改正したというふうに申し上げましたけれども、さらにその後のニーズ等踏まえまして、内容を充実すべき点があるのかどうか。あるいは教職に就こうとする方の円滑な入職や再任用を促進するように更新講習の内容や仕組みに改善すべき点がないか。先ほど臨時免許状の授与という形で運用上、今対応しているところでございますけれども、これ以外にも制度的、あるいは運用上の改善というものがあるのかどうか。こういったことについて御議論いただければと考えております。

長くなりました。失礼いたしました。以上でございます。

【加治佐部会長】 ありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明についての質問を含めまして、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。1時間弱、掛けたいと思いますが、いかがでしょうか。また、こちらを立てていただければ。では、松木先生からお願いします。

【松木委員】 今、御報告の中で福井大学の例が出たりしていたと思いますので、そのことについて補足したいと思います。福井大学では、教職大学院が更新講習の必修と選択必修の部門をまとめて責任を請け負ってやっておりました。平成21年からそれを開始しました。その意図は何かというと、教職大学院という制度がこのままでは多くの方には知られないまま終わってしまう。出してくる学生の数もごく一部であるので、むしろ更新講習でミニ教職大学院を体感してもらおう。そうすれば、10年、教職大学院が頑張れば、全ての教員に教職大学院の効果なり、意味が分かるだろうということで、必修と選択必修の部門を併せて2日から3日間、集中で講習を実施しました。したがって、1人の教員が何時間担当するというような形ではなくて、十数名のスタッフで3日間担当しながら進めていくというような内容で行っていました。特に各領域で決められた内容に加えて、これまでの10年間の自己の歩みを整理し、まとめる。そして、これから10年先に向けて、どのような活動をしていったらいいのかという計画を立てるというようなことを含めての更新講習にいたしました。それが県にとっても比較的評価が高くて、だったら、共同開催にしよう。共同開催にすることで県としては悉皆研修にします。それに伴って3万円等のお金を受講者は払わなくてよくなったということでもあります。そして、履修の履歴を自分で整理して、次の10年のときには、自分が10年前に書いた計画がどうであったのかといったようなことについてまた検討を進めていくというような形で、多くの先生が教職生活の中で3回ぐらい、10年置きごとに自分のやっていることを見直していくというような形にいたしました。

ただ、これを進めていく上で、自分のやっていることをまとめて、そして、ほかの方々と一緒にディスカッションするというような場を設けていきたいと思っておりましたので、5、6人に1人のスタッフを付けました。そうしたら、最初は更新講習は儲かるというわけだったんですが、全然儲からないで、赤字になりまして、大学からお叱りを受けるというようなことがありました。ですが、内容から考えて、一斉の授業で、何百人も集めて儲かるような更新講習はやるべきではない。アクティブ・ラーニングと言いながら、そういった学習内容になっていないのはよくないのではないかということで、そこは貫き通しておりまして、どうするかというと、県の行う新任教頭研修も引き受ける。そして、新任教頭研修の中の一部に更新講習のグループディスカッションのファシリテーターをやる役割ということの重要性を説明し、参画していただくということ、ほかの研修ともドッキングさせることで、グループでのディスカッションが円滑に行えるようにしていくといったようなことも組み込みながら、現在では進めています。

以上です。

【加治佐部会長】 ありがとうございました。いかがでしょうか。

【高橋委員】 高橋でございます。少し手が挙がらないので、ずれているかもしれませんが、研修の履歴の管理であったり、免許状の管理であったり、インターネットで受講できるということを考えれば、必然的にコンピューターを使うしかない、ネットワークを使うしかないなというふうに感じております。私も先日、更新講習を担当しましたが、全員にコンピューターを配付してというか、貸し出して、本当は最初持ってきてもらう予定だったんですが、いろいろ大変なことになりましたので、こちらから貸し出しをしまして、やっていただきました。そうすると、最初の方はいろいろなことが起こったんですが、最終的なアンケートのところでは手書きのレポートで、最後試験を書くというのは本当につらくて、パソコンで書けるようになって、それだけでもすごくあり難いという人が出てきたり、55歳の方は、自分を褒めたいと。こんなに自分はコンピューターを使って学習が進むんだとか、あるいは1人1台、コンピューターを使って授業を考えるきっかけになる。自分もこれと似たことを授業でやりたいみたいなことをおっしゃってくれたりして、そこそこ感じたのは、教員研修や養成の中で普通に情報教育としての研修ではなくて、指導法の研修とか、授業研とか、あらゆる研修のところに教師がコンピューターを持ち込んで研修を受けるんだということが前提になっていくんだろうなというふうに思っています。

免許を管理するシステムがあり、履修登録、履修研修履歴を管理するシステムがあり、別途のシステムでe-ラーニングのシステムがありというのは、多分活用度も低くなりがちだと思いますので、そういうものを一括して管理するような仕組みとともに、皆がコンピューターを持ち、研修するというのは、いろいろなことがプラスになるのではないかなと思っています。

少しだけ付け加えますと、今日、今回から今年は文部科学省もこういうふうにペーパーレスで進んでいますが、今こういうところにコメントが書けるようになっておりまして、コメントを書くと、全員にそのコメントが見えるんですね。そうすると、私どもゼミでもそういうふうにしているのですが、資料を読んでいる間にどんどん皆さんがコメントを付けていくので、すごくディスカッションが早くなったのです。読み上げの必要もなくなってくるみたいなことが起こって、ゼミも前日までに全員コメントを付けてこいみたいな感じで、結構短縮化も図れるようになってきていますので、それは随分先の話だと思っていますし、まずは皆さん、感覚を持つのが大事だと思うのですが、この後の議題にもあるかもしれませんが、先端技術の活用みたいなことがどんどん始まる中で、まずは教師が全員コンピューターを持って研修を受けて、その一環で免許の管理とか、履修管理とか、進んでいくんじゃないのかななんていうふうに思っています。

済みません。長くなりました。

【加治佐部会長】 分かりました。ありがとうございます。きょうは事例が挙がっていませんけど、各教員の研修や講習の履歴の把握、管理、そういうすぐれた事例みたいなものはあるのですか。例えば教育委員会がやっているとか。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 研修管理の仕組みについて、教育委員会でやっておられるところというのは、私も余り承知していないのですけれども、田中先生が以前おっしゃられたように、私立幼稚園の方でこういった研修管理の仕組みを設けておられるというふうに伺っておりますけれども。

【加治佐部会長】 では、田中委員、よろしくお願いします。

【田中委員】 私立幼稚園の幼児教育研究機構というところが実は文部科学省からの補助金も得まして、私立幼稚園の全園と全職員の研修履歴をネット管理するというシステムを作っております。まだ100%の加入状況ではない。私立幼稚園の場合にそれぞれの園の事情がありますので、ネットが十分使い切れない管理者、園長先生もおられますので、100%ではありませんけれども、今50%ぐらいまではほぼ管理ができています。機構が行っております免許更新も、基本的にはそこで全部申し込みを行う。研修履歴も全部蓄積されていくという状況になっています。組織的にはそれをもう少しうまく活用できないかなと。一定の要件を満たした研修を受けている場合に、それを免許更新としてこちらのやられているような10年研修のようなもの、これは幼稚園連合会の場合には各都道府県単位で研修を行っている例が現実には多いわけですので、都道府県単位で行っている研修自体も一定の要求を満たせば機構として認定していけるような仕組み。当然、講師の要件であるとか、そういうようなものを機構が審査いたしまして、それを基に文科の中に機構を通して申請していくというところがネットの中で完結していけば、日常の研修が免許更新に位置付いていくというシステムはほぼ作り得る状況になってきているという状況でございます。

ですから、もう少し要件を満たした場合の更新講習としての取り扱いということに関して柔軟な対応ができれば。一つ言いますと、普通の研修の場合に全員が免許更新を受講しているわけではない場合があるわけですね。例えばおとついですね。地方等の私立幼稚園の研修大会。しおみ先生に来ていただきまして、1時間半の講義をしてもらいました。その内容については当然免許更新の内容として該当するものではあるわけですけれど、多くの教員、ほとんどの教員が参加していますので、その中で免許更新の年代になっている人となっていない人が混ざっている状況もあるのも事実ですけれども、そういうような部分の研修履歴も、入場する場合で、スマホでぽっと入れると、入場退場まで記録できますので、何時間の研修を受けたということは可能です。例えば、それをネットで試験をするということもできない話ではないだろうなというふうに思っています。ただ、組織的には6時間をまとめて、別のところで30分時間をとって、それを免許更新として新設する場合にはそういうような対応をしておりますけれども、こういう工夫ということをできるような状況になっていってほしい。

これは実は認定こども園と保育所の方が処遇改善で研修履歴の蓄積という形の方が、研修体制が整う前にお金が先に付いたんですね。何十時間研修すると処遇をこれだけアップするというふうなものが付いてしまいましたので、私立幼稚園から認定こども園になった園に関して言うと、その履歴を残すということに非常に大きな意味を持ったということです。この流れでもう少し免許更新が柔軟な対応ができたらいいなというふうに思っています。

個人的な意見で、この制度を導入したとき、私は中教審に呼ばれまして、反対意見を言わせていただきました。免許更新という形、そのときは教員免許を持っていれば、その先生がそれで優秀かというような問題で、様々な問題教員をどう解決していくのかというのが一つの提案だったと思うのですが、私立幼稚園の場合には、不適格な先生を抱えていると、その園自体の存続が危うい。だから、そういうようなことを免許更新にしていただく必要はないというような意見を述べさせてもらって、反対意見は言わせていただいています。ただ、実際にやってみると、35歳、45歳ぐらい、本当に中核になる人に、今の知識を持ってもらうということは非常に重要な要素だと思っています。ただ、実感的に言うと55歳はいいかなと。私、講習でいつも、先が長くない人にここまで要らぬだろうという言い方。これから65、70まで延びますから。だけど、その先生に最新の情報、必須の要綱的なものはいいとしても、選択できない要綱まで全部を求めるかどうか。ですから、10年ごとの講習はあったとしても、年数によって時間が柔軟な制度設計をするというような改革は視野に入れていいんじゃないかなというふうに思っています。

以上です。

【加治佐部会長】 ありがとうございました。それでば、本図委員、お願いします。

【本図委員】 今もお話があったように、制度の設計のときにも少し議論があったことと大分違ってきていて、現在のこの制度の目的は、学び続ける教員を支援するということにあると思いますので、今のような大学に通ってきて、大学などに来ていただいて、講習をかっちり受けていただくという部分ももちろんそこが中核であっていいのですが、実際、私たちというか、社会一般から現在の先生方に求めている力としては、カリキュラム・マネジメントだとか、組織マネジメントだとか、仲間や同僚と動態的に作っていくという力を求めているのだと思いまして、それで、そういう点で大学の方が先生たちのところに出掛けていって、学びをある程度認定していけるような、そういった仕組みも、もちろん大学に来ていただくところで、かっちり試験というところが主体でいいのですが、一部では先生方がどの学校でも共同研究というのをなさっていて、1年間掛けて一生懸命研究なさっていて、この過程に関して先生方の学びということも大変大きいように思うので、ここのところにもう少しこの制度が絡むことができるといいなというのを常に思っておりました。

先生方の学びの中では、特に授業研究というのはとても重きがあって、ここのところも一部レッスンスタディーということで、アフリカに輸出される福井大学のようなお話もあって、すごいなと思うのですが、こういったところも先生方のこういった自分たちの学びも免許更新で支援されている学び続ける教員の一部になるのだということになってくるといいなと思っておりますし、恐縮なんですが、本学の宣伝もさせていただくと、附属中の公開研究会と免許更新制を兼ねるようにして、そういったことも細々とは試みをしようとはしているんですけども、随分事務の方々と先生たちの授業研究やそういったものを持ってきてもらって、それを選択講習なんかでディスカッションなんかするということにして、認められないかということもいろいろ検討したんですけど、それでは持ち寄ってきたものでと、なかなか難しいですかねみたいなこともあって、ちょっと躊躇しているんですが、そういった大学から出掛けていく、先生方の動態的な動きを学びの一つとして支援していくというようなことができるといいなというふうに考えております。

【加治佐部会長】 なるほど。今のお話は授業研究とか、校内研修とか、あるいは附属での研究会ですね。授業研究なんかに大学教員が関わる。あるいは附属の研究会であれば一定のレベルもあるだろう。そういうことでの参加とか、企画とか、そういうことも例えば更新講習の代替になり得るのかということなのですけど、そういうのは全然入っていないですね、この資料の中には。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 現状ですと、更新講習が、更新のためにふさわしい講習、学びであるということを担保するために文部科学省の方であらかじめ認定するという形をとっております。ですので、学校に大学の先生が出掛けていって、そういう研究をやるといったところについて、何らかの形で更新講習として切り出して認定するような形がとれれば制度的には接続してくるのかなという感じはいたしますけれども、現状では恐らくそういった例はなかなかないのではないのかというふうに思います。

【加治佐部会長】 それが認定できるような形になると、また広がっていくというか、先生方にとっても非常に受けやすくなるというか、更新講習が負担のない身近なものにもなるかもしれないですね。ただ、制度的な担保をどうするかですね。

では、松田悠介委員ですね。立田委員、森山委員、朝日委員、安藤委員の順でお願いいたします。

【松田(悠)委員】 まず質問をさせていただきたいんですけれども、予算て全体で幾らぐらい使われているのかという話と、費用対効果みたいなものをどうやって検証していくのか。あとは追っているKPIとか達成目標みたいなものが今あるのかないのかというのを教えていただいてもよろしいでしょうか。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 予算につきましては基本的に更新講習というのが有料の形で先生方が30時間でトータル大体3万円というのが相場になっておりますけれども、それをお支払いいただいて、成り立っているというところがございます。あと、文部科学省の方で、一部離島、僻地でありますとか、更新講習の開設が難しい一部の科目でありますとか、障害者への支援といった形での補助金を出している部分がございますけれども、全体の更新講習の動いているお金からしますと、先生方が御自身で負担いただいているお金というのが一番大きいということになっております。継続的にとっているようなインディケ―ターとしましては、実はお示しをしましたような先生方の満足度です。そこが継続的にとっているデータでありまして、KPIのような形でそれを示しているというわけではございません。ここの満足度といいますか、先生方の御意見といったものをどうやって吸い上げられるのかというところは我々も検討していきたいなというふうに思っております。

【松田(悠)委員】 そうすると、予算は準備してなくて、3万円掛ける毎年の受講者分が各実施大学の予算となり、大学が授業開発であったりとか、コンテンツ開発を行っているという理解でよろしいでしょうか。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 はい、そのとおりでございます。

【松田(悠)委員】 それの作るおおもとの基準みたいなものを文部科学省の方で作成されているという。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 それほど詳細な基準というのは示されているわけではありませんけれども、内容としましては、先ほど省令のところでお示ししましたような必修でありますとか、選択必修といったものについてのメニューをお示ししておりますのと、あとは講師の基準でありますとか、そういったものをお示しして、基準を満たすものを認定しているという形になっております。

【松田(悠)委員】 そうすると、各大学の裁量というか、自由度がすごい高いように感じるんですけれども、その背景というのはどういう背景でそうされているんですか。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 背景といいますか、全体的な経緯というのは存じているわけではないのですが、もともとが免許状を更新していくということで、免許状を授与される場合の学習というのは、大学か、一部の教育委員会でとなっておりますので、免許状を授与される前につきましても、こういった内容を学んでくださいという幾つかの事項を示しておりますけれども、それぞれの中身についてまでは大学の授業でお示ししていないというところがございます。恐らくそれとパラレルな形で、更新講習についてもこういう内容は学んでくださいということをお示しして、中身についてまでは国が口を挟んでいないというところであるのかなとは考えております。

【松田(悠)委員】 済みません。勉強不足で。ありがとうございます。中身がとても重要なんじゃないかなというふうに思っていまして、制度としてやっているので、そうすると、どういう資質・能力であったりとか、更新する際に何をちゃんと押さえておかなければいけないのかというところの内容のクオリティーコントロールをどうするのかというところが、結局、大学によってクオリティーのばらつきがあるように感じました。

先ほどオンラインの話もありましたが、必須研修はオンラインやビデオ口座でできるように感じます。法令や学習指導要領のい変更に伴っておさえておかなければいけない内容や、世界や社会変化によって教職員が認識しておかなければ内容はビデオやオンラインで知識として提供する。ある一定、クオリティーを担保した内容で、オンラインでみんながアクセスできるようにしておくことで、コストも削減できますし、削減したコストで個別のニーズに対応した研修開発に投資することが可能となります。あと、追っていくKPIもはっきりしておかないと、なかなか迷走しちゃうというか、かなり大学の裁量に任せ──それはそれですばらしいコンテンツが開発されると思うんですけれども、何かしらきちっと目指していく指針があった方が統率はとれると思いますし、質の担保もなされるのかなと思いましたので、申し上げました。ありがとうございます。

【加治佐部会長】 おっしゃることは非常によく分かります。ちょっと極端な言い方になるかもしれませんけど、ひょっとすると、現状は市場原理的になっているのかもしれないですね。だから、それでもって質が保証されていないということではなくて、やはり受講者が3万円払う価値があるかどうか判断されていると思うんですよ。特に選択の部分について。だから、私自身はそんなに質的にどうこうないのではないか。先生方、みんな真面目なので、もちろん楽なところというか、そういうところを選ばない人がいないとは限りませんけれども、大方は皆ちゃんと、本当に忙しい中で受けるわけですので、お金3万円ということで。先生方はほとんど研修でお金を払うということはしていませんので。唯一これだけだと思うんですね。そうすると、相当考えてやっておられるのではないかと思いますので、おのずといいものには、受付を始めると夜中の12時でもすぐ満員になるとか、そういうのさえありますので。

それでは、立田委員、お願いします。

【立田委員】 今、主に中堅の教員が学び直す機会として、一つ目は免許更新の制度、二つ目は以前の10年経験者研修、今の中堅教諭等の資質向上研修、そして三つ目として教職大学院で学ぶことがあると思います。免許更新と中堅教員研修については、先ほど相互乗り入れのことでお話がありましたので、免許更新と教職大学院との重なりについて意見を申し上げたいと思います。今、免許更新の免除の対象になっているのは、校長、副校長、教頭や主幹教諭などと、教育委員会の指導主事、また、優秀教員の表彰者などに限定されていると思いますが、私は、教職大学院の修了者については、例えば直近の免許更新の免除ということも検討していいのではないかと考えています。教育に関する最新の知識、技能を身に付けるという点では、教職大学院と免許更新の制度には重なるところがあると思いますし。また一方で、教職大学院の数や定員が増えている中で、現在、各自治体の教育委員会で教員を教職大学院に派遣する制度がありますけれども、なかなか応募者が集まらないという話も聞いています。もちろん免許更新が免除になるから教職大学院へというのは、どうかなとは思いますけれども、ただ、そこで学んでみようというきっかけにはなると思います。

最後は感想ですけれども、現職の教員を教職大学院に送り出す立場の校長として言わせていただくと、1年ないし2年、教職大学院で学んでいろいろなものを身に付けて戻ってきたのに、また免許更新の講習に行くというのは、ちょっと違和感があるような気がしますので、ここは検討していく価値があるのではないかと考えています。

以上です。

【加治佐部会長】 非常におっしゃることはよく分かるんですが、今はただ、制度的に全然別物だという扱いになっておりますので。

【松木委員】 専修免許状になれば延びるのではないでしょうか。

【加治佐部会長】 どうぞ。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 新しい免許状を取得した場合には、取得してから10年に更新期限を延長するという仕組みになっておりますので、教職大学院に行きまして、専修免許状を取得された場合はそこから10年になるという形で、若干延びるというところはございます。ただ、今、免除対象というのは、確かに管理職であるとかで限定されていましたり、あとは優秀教員表彰というのが一部入っているわけですので、そういった学習成果を評価して免除の対象にするということも新しい考え方として御議論いただければと思います。

【加治佐部会長】 だから、今は免除対象者は国の法令で決まっているわけですね。自治体判断ではないということですね。ただ、おっしゃるように、専修免許状だとまた10年延びるということにはなりますね。是非また検討いただければと思います。

それでは、森山委員、お願いいたします。

【森山委員】 先ほど長谷室長からの説明の、平成26年3月の教員免許更新制度の改善については、私が委員を務め、この改善に関わった者の一人でございます。その観点も含めまして、意見を述べたいと思います。一つは、更新講習と認定講習や現職研修の相互活用を進める上では、やはり現職研修として求められる内容と論点例にもありましたけれども、更新講習とのミスマッチとか、そういったことをクリアしなければいけないという点です。ただ一方、余りローカルになってしまうことも問題です。例えば玉川大学ですと、神奈川県、埼玉県、東京都、いろいろなところから来るわけで、受講者の対象地域というのが非常に多いわけです。ですから、ある面では連携先の大学というものが、ローカル的なものになり過ぎると、これはまた課題が出てきはしないかということも考えられると思います。

そのため、内容が重要となり、免許更新講習で取り扱う内容というのが一番の論点になってくるだろうと思います。そうすると、結局は共通する内容と選択にする内容が問われることになります。対象になる方々は、校種も年齢も多岐にわたり、また私立学校の先生も当然受けるわけです。いろいろな方に対して免許更新講習は行っているわけですから、当然、共通の内容のものと選択の内容のものというのはおのずから生じるわけです。そこで、現在どういうことが必要かということを問えばいいのではないかと思います。これは一度に同じものにするということはまず不可能ですから、免許更新講習の内容については今後も議論を進める必要があると思います。

それから、玉川大学では課程認定を受けている学部学科の教員が免許更新講習の担当講師になっています。これは卒業させて、教員になったら大学の役割は終わりというのではなく、養成段階を担う大学教員が、現職教員の研修としての免許更新講習に関わるということが重要なのです。課程認定大学は、そういう役割も持っているわけです。これによって養成と研修の垣根が少しでもとれて、それぞれを理解することができますし、そういう機会にもなっております。最初は大学の教員の方は、担当するのは嫌だ、教育学部の教員がやればいい、そういうことでした。けれども、そうではなく、全学的に、農学部であれ、工学部であれ、講座は開講できるわけですし、ニーズもそれなりにあります。ですから、そういう意味では課程認定大学として、大学がこれに関わるということが重要ではないかと思います。

また、大学教員の教育課程のFDにもなっていると思います。そういう役割、そういう背景もあるのではないかと思います。

それからもう一点は、受講者はeラーニングがいいか、外部で講座を受ける方がいいか、ニーズは完全に二つに分かれています。便利だから、eラーニングにいっぱい行くかというと、なかなかそうではないわけです。実際に大学に来て、その中でいろいろな学校の先生方と一緒に体験型授業を受けたりすることが重要だと考えるニーズもあります。便利だからeラーニングに流れるという感じにはなっていない現状もあります。そういう意味では、現職教員の先生方は、ある程度ニーズとご自身の必要性を検討して選択しています。そのための質の担保も、ある程度自然と対応がなされているのではないかと思っています。

以上です。

【加治佐部会長】 ありがとうございました。なかなか最初の方に言われた、例えば校種ごとの対応とか、きめ細かな内容の基準作りというか、きついかもしれません。なかなか難しいでしょうかね。先ほど大学に任せるというお話もありましたので。分かりました。

それでは、この後、朝日委員、安藤委員、川越委員、喜名委員、松田恵示委員でお願いします。それでは、朝日委員、お願いします。

【朝日委員】 特別支援学校の朝日でございます。単純な質問としては、資料2の3枚目のスライドで、事後評価の結果で平成30年度ががくっと下がっている、この理由は何かあるのか、教えてください。

それから、意見でございますが、校長として更新講習、あるいは中堅教諭等資質向上講習の終わった教員たちが本当にレベルアップしたかという手応えを余り感じないのが実情でございます。恐らくいろいろな知識を学んで、学びを積み上げてはいるんですけども、この時期にやらなくてはいけない、とにかく終わったという、ほっと感はあるけれども、そこでどんな積み上げがあったのか、今の学校の目の前の子供たちにこんな新しい取組ができるかという、そういう本人たちの満足度はあるにしても、学校貢献度で大きく変わったかというと、なかなか見えにくい部分があります。

それで、やはり研修というのは、義務というよりも自分から進んでやっていくところにモチベーションが高まるということで、先ほどほかの委員の方々からおっしゃっていただいたように、教職大学院に行けば、これが一つクリアになるというような、そういうものがあるのであれば、それに代わる、もっと違うことにチャレンジしたときに、講習とか、中堅研修が免除されるというのがあってもいいかなというふうに思いました。例えばですが、特別支援学校の場合には盲学校や聾学校の教員が2年間だけ違う種別の学校にチャレンジして行ってみるとか、あるいは小学校の特別支援学級に2年間だけ行ってみるとか、免許制で分からないんですけれども、高等学校の先生が2年間、中学校に行って、高校の文化を伝えてくるであるとか、逆にあるとか、そういうチャレンジをやろうという教員がいるならば、そこは物すごく自分でも勉強するし、行った経験がその後の業績アップにもつながるのかなというような気がいたします。

それから、本図委員がおっしゃったような、大学の先生方が出てきてくださって、研修するというのが大変すばらしい御意見だと思っています。講義形式のものは大学の先生方も大変御負担も多いかと思うのですけれども、正直、現場の研究といいますか、要するに、運転免許の講習のために教習所に行って何か講義を聞いたら運転技術が上がるかというのではなくて、運転をしながら隣にいい方がいて運転技術を教えるとか、人を乗せるときのマナーを高めるという、そういうところで、学校は校内研究であるとか、校内研修に大学の先生方のことが入っていく。もちろんOJTは校長の役目ではありますけれども、そういう校内でプロジェクト研究をやるであるとか、他校の研究会であるとか、学会に行くとか、そういう意欲的な取組をする者が受け身のものから変わっていく。それを認めていただくような、そういうような検討というのはいかがかなというふうに思っておりました。夢の広がりのあるようなもので申し訳ありませんけれども、現場の校長の意見としてそういうことを言わせていただきました。

以上です。

【加治佐部会長】 ありがとうございました。いろいろな緩和をしていくというのは、時代の変化もありますし、あるいは先生方のニーズもあるのかもしれないですね。そのこと自体は非常に分かりますが、その一方で、今もお話がありましたように、義務を課しているわけですね。義務です。全員受ける。とにかく免許を保持し続けるためにはこれを受けなきゃいけないということになっているわけですね。別の言い方をすると、免許の質担保ということがあるわけです。質担保に欠かせないものだから、免許保持者には必ず義務を課しているということなんですね。結局は、最終的には質を免許保持者全員に担保するという部分と、様々なニーズに応える、あるいは時代の変化に応えるための緩和の部分との調整をどう図るかということだと思うんですけどね。そこの線引きを我々は議論しているということになるのかなと思いますね。御意見はよく分かりました。

それでは、安藤委員、お願いします。

【安藤委員】 今の会長のお話と重なるところがありますけれども、そもそも免許更新講習の制度目的が一つの義務として作られているのは間違いないですが、受講する先生方が果たして自分の職能成長に期すためのものとか、あるいは張り合いをもって、学び続けようという、そういう気概のあるような、そういう受け方ではなくて、どうしても受け身で受けざるを得ないというところが、制度の目的とか、実は合致してこない実態があると思います。制度の目的は、先生方が自分で学んでいくということをすごく大事にしていて、教職生涯を通じた学びの保障ということを免許更新講習でやっていこうという、そういう制度との乖離差というか、相反するところが実態としてあるのではないかとは思います。

ただ、実際、私も免許更新講習、ずっと予備講習から毎年、今年までやらせていただいていますが、先生方は初めにいらっしゃるときには非常に嫌な顔というか、負担感を持って、本学の場合、1週間そのまま連続でやりますので、月曜日から金曜日まで、30時間やるということの負担感を持っていらっしゃるのですが、終わったときの反応が二つありまして、来てよかった、新しいことを知ってよかったということと同時に、疲れて当分いいよという、この二つの色が明確に出るんですね。

私が何を申し上げたいかというと、一つは先生方が果たして免許更新講習の目的をちゃんと理解されているかということです。一方で、自分の職能成長につなげようということで、例えばかつて本学では沖縄の先生が夏休みを掛けてどうも北上されているようで、自分の受けたい講習だけを選んで北海道まで行くような感じでした。つまり免許更新講習が非常に張り合いになっていて、自分の受けたいものを選びながら受講されている方もいました。

先生方が自分で学びたいものを選びながら、自分で選んで伸びようという、あるいは意味楽しみもあったと思いますけれども、こうしたところでの学びの履歴というのはきちっと残してあげることは非常に大事かなと思います。今日の議論の委員会との連携とか、あるいは現職教員研修と免許更新講習との相互活用ということを考えたときに、先生方の学びたいという気持ちを悉皆のような形で縛り過ぎてしまうと、逆に伸びようというところの部分の芽を摘んでしまうことが懸念されます。

ですから、そういう意味で、福井大の先ほどの例で行くと、8日間のうちの3日間が悉皆的な部分で、その中でも選択必修、必修、そして選択科目領域と、それぞれ六十何ずつ置いてありますので、この程度の縛りで、あくまで先生方自分で学ぶという場面を保障してあげればいいかもしれませんが、余りにもがっちりやり過ぎてしまうと、むしろ私は、先生方の職能成長ということを考えたときに自分で学び続けるということの姿勢をどこまで免許更新講習で担保できるかということをやや懸念しているというところがあります。

最後に1点ですが、開設者の問題です。どうしても大学の方からしますと、申請して、うちの大学でやりますよということは、大学のアピールにもなります。特に私立の場合なんかそうなんですが、そのときに大学側の責任としてというか、大学の使命として、あるいは教員養成をしている大学としては当然やらなくてはいけないんだという、そういう使命感を持ってやってはいるんですけれども、そうすると、当然教育委員会は関与せず、そこはお願いしますよという、そういう姿勢になるわけですね。また本学の場合、免許更新講習を3地域で開催してきており、先生方がとにかく負担感のないように受講できるような状況を作ってきたのです。しかし、ある政令指令都市では、うちの地域でやりますからと免許更新講習を開設された政令指定都市もあります。いずれにしても、地域においてどんな形で開設していくかというところを協議しないままで、大学が独自に、持っている強みを生かして講習をやろうとしますので、どうしても限られた内容の講習しかできないし、先生方や地域のニーズに十分応えることができていないんじゃないかと思います。ですから、申請する方法をもう少し幅のある、あるいはもう少し自由度を高くできるような形にしたら、講習の実施の方法も変わってくるのかなと思います。大学でも既に来年度の申請に向けて今準備を始めていますが、申請書を作るだけですごく大変になってしまって、中身の検討までなかなか行かないというところに実は大きな課題が出ています。すごく長くなりましたけれども、先生方の学びたいという気持ちと私たちが提供できる研修と、教育委員会の方で考えている研修とのマッチングというのが、実は申請ということを含めていくとなかなか厳しいものがあって、その辺のハードルをうまく検討していかなければならないと思います。具体策はないんですが、そんな感想を持っております。

【加治佐部会長】 分かりました。それで、先ほど朝日委員だったですかね。これを聞いておかなきゃいけないと思うのですが、スライドの3枚目ですね。このグラフなんですが、グラフ、平成30年度が落ち込んでいるというのはどうしてかという質問があったような気がするんですけど、何か。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 これはよく検証しないといけないと思っているのですが、「よい」と「だいたいよい」を合わせますと例年どおりなんですけれども、「よい」のところが下がっていると。一つ推測されますのは、平成30年度は受講対象者の非常に多い年に当たっておりまして、例年の1.5倍から県によっては2倍以上の受講者がいた年になっております。ですので、先ほど加治佐先生、森山先生からお話がありましたように、人気の高い講座はすぐ埋まってしまいますので、受けたい講座が受けられなかったという状況があったのではないかなという感じがいたします。これは今年度の状況を踏まえて、もう少し分析したいと思います。

【加治佐部会長】 分かりました。それでは、川越委員、喜名委員、松田委員、古沢委員、三村委員ですね。40分ぐらいまでを予定しておりますので、時間の方の御協力をお願いいたします。それでは、川越委員、お願いします。

【川越委員】 制度の基本的なことの質問になるかと思うのですけど、ちょっと理解できていない部分があるので教えてください。あともう一つ、制度のメインの対象じゃない60歳とか、もうちょっと上の人についてなんですけれども、さっきの論点の整理のところに再任用等の促進についてということがございました。その再任用の促進と臨時免許状と免許更新制度の関係についてお尋ねしたいのですけれども、学校現場に再任用を終えて、それでもまだ元気で、なおかつ新しい様々な知識は有していないものの、学校文化といいますか、教科の指導技術ですとか、生徒指導に関して非常に力を持っている、まるで人間国宝のような教員というのが学校には何人もおります。再任用が終わっても是非学校の方で勤めてほしいということで、東京都の場合、非常勤の任用制度が変わって、65歳過ぎても勤めることができるようになりつつあるんですけれども、そういった先生が免許更新制度を当然受けなくちゃいけないんですね、この制度上。それから、臨時免許状というのがあったんですけれども、臨時免許状を授与するに当たっては二つの条件があって、一つ目の、どうしても免許を持っている人が採用できない場合には臨時免許状をあげてもいいよというふうになっていたので、臨時免許状をそういった先生に付与するということもできないんですね。やっぱり免許更新の講習を受けないと、65歳を過ぎても、そういった先生が働いていくというのは難しいという理解でいいんでしょうかというのが一つ。

あと、余り緩和してはいけないというお話なんですけれども、そういった年齢の先生にとってe-ラーニングもちょっと厳しいものがあるのかな。それから、実際、免許更新の講習を受けるために通うというところにもハードルが高いのかなということがあって、そこのところは考えることができないのかなという、そういう思いがあります。

若い教員がこれから増えていく中で、学校文化というものを伝えていくためには、繰り返しですが、人間国宝みたいな教員ってどうしても必要だと思うんですね。そこを何とか生かせるような何かできないのかな。そういうことを思いました。

以上でございます。

【加治佐部会長】 どうですか。事務局の方、何か今のことについて。緩和されたわけですね。臨時免許を取れるということになっていますが、だけど、基本は更新講習を受けてもらうことが前提だと言っていますね。それ以上の緩和が進むのかどうかという御意見だと思いますが。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 説明の中でも触れましたように、制度導入前に免許を取られた旧免許状の方の更新の期限というのが35歳、45歳、55歳という5歳ごとの刻みで来ることになっておりまして、65歳が次の更新期限になるということになっております。更新制が導入されるときの経過措置で、これまで65歳以上だった方というのは更新制の対象になっておられなかったのですけれども、これから65歳になる方というのが、実は65歳の節目で対象になってくる年になってまいります。まさに今御指摘いただきましたように、65歳以上の方でも非常勤等でお勤めいただきたいという方がおられると。なおかつ、今、人手不足感が非常に出ているというところがございますので、まず運用でできることとしまして、人手不足のところについて、臨時免許状を出すことによって、未更新の方でも働くことができるということは通知でお示しをさせていただいたところでございます。運用上での手当てを超えて何か必要という点について、まさにこの場でいろいろ御意見を頂きたいというふうに考えております。

【加治佐部会長】 どうぞ。簡潔にお願いします。

【川越委員】 臨時免許状のことですけども、授与の条件のマル1、マル2の、マル1のところにとり得る手段を尽くしてもほかに有効な普通免許状を有する者を採用することができないというのが一つあるんですけど、これは現状の教員採用選考の倍率とかいったら、採用できますよね。なので、実質、臨時免許状を与えることは難しいのかなというふうに勝手に思ったのですけど、それは解釈が違うんですか。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 まさにここは地域の実情に応じてというところになりますので、やはり教育委員会として教員の免許状を持っておられる方を探しても、なかなかすぐに人が見つからないという状況があるところがございますので、そういった地域の実情に応じて授与権者である都道府県の教育委員会の御判断でここは出していただくということになってまいります。

【加治佐部会長】 よろしいですか。東京都はまたちょっと。地方に行くといませんものね、本当に。

【川越委員】 地方は分かるんです。東京都って考えたときだめですよねという。

【加治佐部会長】 また聞いてください。

それでは、喜名委員、お願いします。

【喜名委員】 今お話があった教員免許更新制と人材不足については大きな問題だと思っています。改めて教員免許の更新制度の意義については、今までお話のように、新しいもの、新しい知識や技能を身に付けるという意味では大変意義深いものはあるのだと思います。ただ、今までもお話が出ていましたけれども、学校で免許更新を受けた者、更新講習を受けた者の話を聞くと、自分のニーズに合ったものはなかなかとれないというのが現状でありました。また、先ほど来のように、すぐにいっぱいになってしまうところがあって、時機を逸してしまうと、本当に遠いところまで行って、余り気の乗らないものも受けなければいけないというような状況があって、こうなると、本当に更新をするためだけのものになってしまっているという実態もあります。本当に免許更新制度を実質化するためには、内容と方法を考えなければいけないと思うのですが、内容については、本当に今必要なもの、教員も欲しているものがたくさんあるのですけれども、それに応えるだけのものがなかなか準備されていないというのが一つございます。

もう一つは、教員なので、授業に関わる、授業力の向上というのが最も必要だと思うのですけれども、これについては講習を受ければアップするかというものでもないので、何か実践と結び付けるような講習の在り方というのが先ほども出ておりましたけれども、そんなことも考えなければいけないのかなと思います。

そして、方法としては高橋先生からもあったe-ラーニングですとか、自宅でも研修ができる、又はビデオを見ながら研修ができるとか、そういうことも考えていかないといけないのかなと思っています。

あと、地方のお話を伺うと、もっと厳しくて、なかなか大学に行くまでの時間がないですとか、限られた開設しかないとかということもあります。先ほどお話がありましたけれども、それぞれ道府県の教職員研修センターのようなところで免許更新の講習を開設しています。また、国立青少年教育機構でも講習を始めていますが、こういうところは無料ですね。お金を出して受ける人たちとうまくそういうものを使いながら実質的なものを受けられる人たちがいるというところもちょっと課題になってくるのではないのかなと思っています。

更新は悪いことではないと思うのですけれども、何か形骸化してしまっているという現状を何とか打開する方法をもっと具体的に考えていかないといけないなと思っています。

以上です。

【加治佐部会長】 なかなか……。分かります。そういう現状があるということですね。

では、松田委員、お願いします。

【松田(恵)委員】 時間がありませんので、端的に二つだけ意見を言わせていただきます。

一つは、話のスタートになっている負担感の軽減ということなんですけど、これをあまり量の問題だけで考えたくないなという気持ちがありまして、むしろ研修はもっと増やすべきじゃないかという実感もあって、そういう時間がとれないというところは、むしろ業務改善とかそちらを優先すべきで、あまり単純な量の問題としてのみ、負担感の問題を取り上げ過ぎるのはどうなのだろうとちょっと思います。

それに関わって免許の更新講習というのは基本的に教育を司ることを許可することを担保するためというような趣旨だと思うのですけど、それに対して教育委員会がなさっている、あるいは大学もそうなのですが、広い意味での研修というのは教員の資質・能力を高めますね。そういう意味で免許更新の内容と研修の内容というのはもちろん重なるところも多いですけれども、異なっているところもあるのではないかと思っていて、むしろ異なっているところは何で、重なっているところは何かという整理が実はあまりうまくできていないのではないかと感じたりします。

これを考えれば整理できるという意味ではないのですけれども、一般に、今までの話を伺っていても、技術とか情報とか、新しい観点でのコンプライアンスなども含めて、しっかりと知識を取得しないといけないという、そういう意味合いでの研修と、教員ですので、例えば教える内容とか、教え方自体に問いを持つというような、そういう研究的な研修と、性質としては二つお話が出ていたように思って、後者の方はもちろん自由度がないとそういう研修ができませんし、一方、前者の方は共通性がないと意味のない研修になっていると思います。それを単純に大学と教育委員会が役割分担しているということでも、免許更新と他の研修が役割分担しているということではないと思うのですが、少なくとも受講者側に何のためにどのような内容を研修しているのかという目的が腑に落ちるような説明といいますか、そういうものももう少ししていく中で、質のレベルでの負担感の軽減というものが図られる可能性がないかなと思いました。

最後、もう1点だけ。社会に開かれた教育課程という言葉は、すごく言われていますので、教育ニーズからの観点ということで言うと、教育委員会や大学関係者等は、教育の中の人間なので、そうではない教育の外にいる人と接する研修ということはすごく大事な気がしていて、そういうものを仕組みとして取り入れる必要が少しあるかなと感じました。

以上です。

【加治佐部会長】 分かりました。後者について言うと、大学の更新講習でも、そこの大学の先生だけではなくて、外部の方、企業の方とか、結構入れている例も多いんじゃないでしょうかね。むしろ、そういうのに貢献したいというので、大学の方に積極的に言ってこられるところもありますね。こういうのを提供したいということですね。分かりました。2点、ありがとうございました。

古沢委員、お願いします。

【古沢委員】 今、松田先生のお話をお伺いして、私も全く同感だと思いながら、皆さんのお話をお聞きしていたんですけれど、保護者とか外部の者から見ますと、せっかくの研修が形骸化しているとか、非常に負担感が大きいというのは残念だなというふうに感じました。先生方にはせっかくの機会、有意義な研修を受けていただいて、最新の知識を是非身に付けていただきたいというふうに思います。ただ、学校では研修について、民間企業になどとは違い、非常に抵抗感というか、負担感が強いというのもよく聞くことです。その一方で、人気のある研修があって、すぐ埋まってしまうという現状をお聞きすると、もうちょっとニーズに合った中身に教育委員会なり、見直していく必要があるのではないかと思いました。

この論点例で言いますと、今後ますます必要になってくるものとしては外国人の児童生徒の指導などは非常に試行錯誤している学校が多いと思いますので、履修証明を付けることで、モチベーションとか、あるいは積極的に関わっていく教員が増えていくのではないかと思って、是非やっていただきたいと思います。

一番最後の教員免許を取得した人のリカレント教育に資するような更新講習というのは実際に具体例がもしあれば教えていただきたいと思います。これも今非常になり手が不足しているということで、やっていく必要があるかなというふうに思いました。

以上です。

【加治佐部会長】 ちょっとこの論点例の最後について簡単に、この例があるのかどうかということ。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 今、具体例というものを私も承知しているのはございませんけれども、実は資料2の一番最後の資料を御覧いただきますと、来年度の予算として要求しているものの中で、学校教育における外部人材の活用促進事業というものがございまして、赤枠で囲っている部分にまさにリカレント教育プログラムのための講習開発というものを予算措置しておりまして、この予算がもしつけば、これを活用してプログラム開発をしていきたいというふうに考えております。

【加治佐部会長】 ありがとうございました。

それでは最後でよろしいですかね。三村委員、お願いします。

【三村委員】 先ほど来、委員の皆様が言われておられるように、本図先生が言われた学校現場での研修を免許更新講習に組み込みというのはとてもいい案だなと思いました。もともとの職能成長に重要ということで言うと、様々な研修を受けることが重要かと思うのですが、そこで問題となるのが、更新講習は当然のことながら免許更新なので、時期が限られている。同じ研修を受けても、例えばこのときに受けたら、更新講習に当てはめることができるけど、時期が違うとそうではないというようなことがありますので、そういう意味で時期に関係なく、本日の議題名でもあるような、全体的、体系的な研修ということを考えていった方がいいのかなというように思いました。

前回、岡山大学から報告させていただいたラーニングポイント制というのは、いつ受けたかということは問わず、しかも大学側で認定できるという意味ではとてもやりやすい研修の履歴を作ることになるのかなと考えています。

更新講習の場合には、全国的に共通である必要があるので難しいかもしれませんが、履修を証明するようなものというのは将来専修免許を取得することに使えるような単位にもなるものですので、当然更新にも使ってもいいのではないかと思います。免許状という枠の中で厳しい条件はあるかと思いますが、検討していただけれと思います。

といいますのは、地域的なこともあるのかもしれないのですけれども、今後、大学の教員が減っていったときに、なかなか更新講習を開講することも難しくなってくるのではないかと思います。私の地域におきましては、課程認定大学が、県に十数校ありますけれども、ほぼ8割を岡山大学が担っています。というのは、一番問題は事務手続が難しくて、新たに免許更新講習を開講するという大学がおられなくて、場合によっては近隣の先生を岡山大学の更新講習に講師として来ていただいて開講しているようなこともありますので、そういう将来的なことも考えていくと、更新講習はもちろん受けなくてはいけないものではあると思うのですけれども、他でその資質が担保できるとか、その他の研修を受けている場合の免除ということも広げていくようなことを検討いただければと思います。

以上です。

【加治佐部会長】 ありがとうございます。ちょっと待ってください。一木さん、上がっています。どうぞ。

【一木委員】 1点です。更新講習の中身、特別支援に関して充実を図りたいというふうに思っています。しかし、一方で、本学の教員、特別支援担当の教員は、夏休み認定講習でほぼ出払っているという状況がありまして、科目を並べ切れない。その背景には何があるかといいますと、免許の附帯事項ですね。特別支援の学校の教員については免許を持っていなくても、一定期間の間に取ってくれれば、教員になれると。それへの対応に迫られるという現状にあります。ただ、特支の免許を出す大学も増えてきていますので、そろそろ附帯事項について検討し、更新講習の充実に切り換えていくというようなことも検討されていい時期かなと思う次第です。

以上です。

【加治佐部会長】 分かりました。

それでは、松田委員。

【松田(悠)委員】 手短に。先ほどのポイントに関わるんですけれども、20万人受けているということで、それが1人3万円なので、全体で65億円分ぐらいの事業だと思うんですね。現状、大学が独自にコンテンツ開発されているので、65億が分散しているということになります。しかも毎年65億円の事業ですから、それが経年的に積み上がっていくということを考えていくと、相当な事業予算です。ある程度、質の高いものを中央でしっかり作っていって、それをオンラインで幅広い人にアクセスしてもらえるようなものも、同時並行なのか分からないですけれども、検討するべきなのかなというふうに思って、改めて申し上げておきたいなと思います。

【加治佐部会長】 ひょっとすると、そういう流れになる可能性もありますね。いいものが簡単に手に入る、受けられるようになると。あるような気がしますね。分かりました。

たくさん本当に有意義な意見を頂きました。また、更新講習とほかの研修等との兼用ですね。あるいは教員の負担軽減、そういうことにつながるような提言になればいいかなと思っております。

それでは、次の議題に入ります。議事の3ですね。事務局から教職課程の基準に関するワーキンググループの審議状況について、報告をお願いいたします。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 それでは、お手元の資料3を御覧いただきたいと思います。教職課程の基準に関するワーキンググループの審議状況でございます。これは、今、年末に向けて取りまとめをしておりますので、報告ができました段階で改めて詳細は御報告申し上げたいと思います。今、途中経過ということで、ごく簡潔に。このワーキングですが、大きく分けまして、三つの論点を扱っております。1枚目の資料の検討事項の(1)のところで、複数の学科等間の複数の教職課程において授業科目を共通で開設する仕組み。つまり、一つの大学の中での学部等の間での協力。それから(2)の大学間の連携・協力により教職課程を設置する仕組みということで、大学間での教職課程に関する協力の取組。それから、(3)のところで、質を保証し、向上させるための仕組みということで検討しております。

まず一番最初の大学の中での連携・協力でありますけれども、一つページをめくっていただきまして、次のページのところ、複数の学科等間の複数の教職課程において授業科目を共通で開設する仕組みというふうにございます。時間の関係で、模式図だけ御説明申し上げますが、右側にございますように、現行の仕組みでは基本的に各学科がそれぞれ独立して教職課程に必要な授業科目と専任教員をそろえるということが原則になっております。この点について、教職課程により効率的・効果的な実施という観点から、まず、全学的な責任体制があるということを大前提とした上で、それぞれの学科の間での授業科目でありますとか、専任教員についてもう少し共有化を図る方向で、効果的な、より効率的な教職課程の運営ができないかという方向での議論が今行われているところでございます。

それから、次のページの方で、大学間の連携・協力により教職課程を設置する仕組みでございます。これにつきましては、基本的に課程認定を受けている大学というのが自ら必要な授業科目を開設する。自ら開設ルールというものが原則になっておりまして、それぞれの大学が自前で授業科目と専任教員をそろえるということが大前提となっております。現在でも単位互換ですとか、共同学部の設置といった形での連携は可能でありますけれども、さらにもう一つ、大学間の連携・協力を進めるための選択肢をオプションとして用意するということで、教職課程について、複数の大学で授業科目と専任教員を集めて設置するということについて検討されているところでございます。これは今、大学分科会の方で、大学等連携推進法人、それから、一つの法人で複数の大学を設置している場合について大学設置基準の特例として共同授業というものが今検討されておりまして、これを活用する形での教職課程の共同設置というものを今議論しているところでございます。ただ、これも複数の大学が一つの教職課程を設置しますので、責任体制が不明確になったり、質が低下するようなことがあってはならないというところがございますので、その点について必要な要件を今詳細に詰めて検討しているといったところでございます。

二つスライドを飛ばしていただきまして、最後のスライドになりますけれども、質の保証、向上のための仕組みということで、これは平成27年12月の中教審の答申の中でも既に提言していただいたところでございますけれども、全学的に教職課程を実施する体制を整備することでありますとか、教職課程の自己点検評価の内部質保証の取組というものを充実するといった方向での議論がなされているというところでございます。冒頭申し上げましたように、今一つ一つの論点を議論していっているところでございまして、年末に向けて取りまとめを行いまして、その後、年度末に向けまして、パブリックコメントでありますとか、必要な省令、規定類の改正を行っていきたいというふうに考えております。

それから、大学分科会と一緒に制度設計を検討している部分もございますので、大学分科会のスケジュールもにらみながら一緒に進めていきたいというふうに考えてございます。

詳細は参考資料という形で、参考資料2というところで詳しい論点、それから方向性についてはお示しをしておりますので、後ほど御参照いただければと思います。

以上でございます。

【加治佐部会長】 ありがとうございました。

ただいまの御説明について、何か御質問等ございませんか。よろしいでしょうか。

それではもう一つの報告ですね。議事4になります。事務局から新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会の審議状況について、報告をお願いいたします。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 それでは、資料4を御覧いただければと思います。今、新しい初等中等教育の在り方に関する特別部会の方で議論が進んでおりまして、論点整理の案が出ているところでございます。論点整理の中では、一つの柱として新しい時代を見据えた教育の将来像の方向性というイメージを掲げまして、これのイメージを実現していくために必要なそれぞれの論点というものを検討していっているところでございます。

イメージにつきましては、詳細は立ち入りませんけれども、ここの1ページ目の中ほどにゴシック体で書いてございますように、子供の学びという観点につきましては、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない個別最適化された学びが実現されているというような将来像の方向性というものをイメージとして一つ持っております。

それから、2ページ目の方に入っていただきますと、今度は子供の学びを支える環境の方でございますが、全国津々浦々の学校において、質の高い教育活動を実施可能とする環境が整備されているというところを目指しまして、例えば下の方にございますように、ICTを基盤とした先端技術の活用、ビッグデータの活用といったことが具体的に議論されているところでございます。

これを実現していくための個別の論点につきましては、次の3ページ目のところにございますように、それぞれの部会で議論されているというところでございまして、こちらの教員養成部会では教師の在り方について同時並行で議論が進んでいるというところでございます。

特別部会の方では特にということで、上の二つのところ、ICT環境や先端技術を効果的に活用した教育の在り方、それから、義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方というものについて議論がなされているところでございます。

この二つの論点の詳細につきましては、まず5ページ目を御覧いただきたいと思います。まずICT環境や先端技術を効果的に活用した教育の在り方についてということで、幾つかポイントが出てきてございます。詳細を御紹介する時間がございませんので、中身についてはまた後ほど御確認いただければと思いますけれども、ICT環境、それから先端技術、それから、教育のビッグデータといったものを効果的に活用しながら、公正に個別最適化された子供の学びを実現していくという方向での議論がなされているところでありまして、当然、それに必要な環境整備というものも国に求められているというところでございます。

それから、7ページ目の方に移っていただきますと、義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方についてというところで、ここは最初の箇条書きのところに出ておりますように、義務教育9年間を見通した指導体制の整備に向けて、小学校高学年の児童の発達の段階、外国語教育をはじめとした教育内容の専門性の向上なども踏まえると、小学校高学年からの教科担任制の本格的導入を検討すべきではないかという方向で、今議論が進められております。養成部会の最初の方でも部会長から整理をいただきましたように、特別部会の方でこういう教科担任制の本格的導入を検討すべきという方向で今議論されておりますので、これを受けた形で今後年明け以降になるかと思いますけれども、教科担任制を更に導入していく上で必要な免許を採用、研修、人事計画等の在り方についてこちらの養成部会でも御議論を深めていっていただきたいというふうに考えてございます。

それから、資料5の方を御覧いただきますと、前回の10月25日の第4回の特別部会の際に教員養成部会の審議状況につきまして加治佐部会長から御報告をいただいております。そのときに配付した資料でございます。これはこれまで教員養成部会で議論してまいりました免許状を持たない社会人の登用、社会人等による普通免許状の取得についてということと、本日と前回議論しておりました教員免許更新制を含めた効果的・体系的な研修の在り方、それから二つのワーキングで検討しております効果的・効率的な教職課程の在り方とフラッグシップ大学の在り方について現状を簡単に御紹介いただきました。これについては、また次回の特別部会でも報告をすることになっておりますので、もしこれに付加する点等ございましたら、メール等でも結構ですので、事務局の方にも御意見をお寄せいただければというふうに考えてございます。

以上でございます。

【加治佐部会長】 ありがとうございました。

ただいまの御報告について、御質問等ございませんか。松木委員、どうぞ。

【松木委員】 今報告された中身のところで、小学校の教科担任制の導入、9年間を見通した教育課程の在り方等を検討するということに併せて、ICTを活用した場合には遠隔授業といったようなことも、つまり、学校単位を超えた授業の在り方みたいなものも当然これからのことを考えますと出てくるかなと思うんですね。免許状の在り方を検討するときに、小中を併せた免許とどういうふうにそこを整理するのかということに加えて、遠隔授業等を含めた免許状の在り方、これらも併せて御検討いただけるといいなというふうに思いますので、よろしくお願いします。

【加治佐部会長】 ありがとうございました。いかがですか。よろしいですか。

それでは、最後、議事5になります。事務局から台風19号に伴う2019年度小学校教員資格認定試験第2次試験の中止及びその後の対応について、報告をお願いいたします。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 資料6を御覧いただきたいと思います。こちらもごく簡潔に御報告させていただきます。資料6の1枚目の一番上に概要という箱がございますように、2019年度小学校教員認定資格試験でございますが、2次試験を10月12日、13日に予定しておりましたが、台風19号の影響により、これを中止いたしました。もともとの認定試験の規定によりますと、災害で中止になった場合にも再試験を行わないということにしておりましたけれども、この試験が小学校の教員を確保するという上で非常に重要な試験であるということ、受験者への配慮ということを考えまして、2次試験については全員免除で、3次試験に相当するものを受けていただき、2次試験の部分につきましては、2次試験に代わる検定を行うという特例的な措置をとることといたしました。結果として最終的な合格発表の1月22日を変更することなく、今年度の試験は実施したいということで、今進めているところでございます。

それで、3ページ目の方に入っていただきますと、第2次試験に代わる措置の内容を記載してございます。第2次試験を受験予定であった方全員を対象にいたしまして、二つの方法で代替的な措置をとることとしております。一つは郵送によるレポート課題を課しておりまして、これは第2次試験で課す予定であった論述試験の内容を踏まえたレポート課題ということにしております。それから(2)の方で、更に教職員支援機構で検定というものを実施いたしまして、これに合格した方というのが最終的に合格するという形での措置について、準備を進めているところでございます。

3ページ目の最後のところに、今後の課題と書いてございます。今回、規定上、再試験を予定しておりませんでしたので、こういった特例的な措置を用意したわけでございますけれども、今後につきましては、今回の対応を踏まえまして、あらかじめ代替策を準備できるように検討してまいりたいと考えております。

この場合、参考の3を御覧いただければと思います。資料のタブの方で、一番右端の方に出てこようかと思いますけれども。実は、教員養成部会の7月の会のときにも、教職員支援機構の方から御報告をいただきましたように、教員資格認定試験、特に小学校の分については社会人の方の普通免許状の取得ということも念頭に置きまして、内容自体の見直しというものを検討してございます。これと併せまして、災害があった場合の措置についても検討したいというふうに考えておりまして、この内容について、またこちらの方でも御報告をさせていただきたいと考えております。

以上でございます。

【加治佐部会長】 ただいまの御報告について何か御質問等ございませんか。

2次試験が中止になって全員合格と聞いたときはびっくりしましたけど、ちゃんとこういう措置がとられたということで、よかったのではないかと思います。

それでは、時間となりますので、本日は終わりたいと思いますが、何か全体を通じてございませんか。よろしいですか。

それでは、今後の日程について事務局から説明をお願いいたします。

【長谷教育人材政策課教員免許企画室長】 今後の日程につきましては追って御連絡をさせていただきます。

【加治佐部会長】 それでは、本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。



―― 了 ――


(総合教育政策局教育人材政策課)