教員養成部会(第100回) 議事録

1.日時

平成30年6月5日(火曜日)14時00分~16時00分

2.場所

三田共用会議所 第四特別会議室

東京都港区三田二丁目1番8号

3.議題

  1. 「平成30年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定」について【諮問】
  2. 平成29年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定後に計画を変更した教職課程について【報告】
  3. 平成30年度教職課程認定及び再課程認定のスケジュールについて【報告】
  4. 在外教育施設における教育実習について【審議】
  5. 初任者研修の弾力的実施について【審議】
  6. 教育公務員特例法改正に伴う取組状況について【報告】
  7. 学校における働き方改革について【報告】
  8. その他

4.議事録

【無藤部会長】  それでは、定刻となりましたので、ただいまから第100回中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会を開催いたします。本日は、御多忙の中、御出席いただきましてまことにありがとうございました。
 それでは初めに、委員の交代及び文部科学省における人事異動がございましたので、事務局から御紹介をお願いいたします。
【渡邉教職員課長補佐】  このたび委員に交代がございましたので、御紹介をさせていただきます。
 まず、直田委員に代わりまして、豊島区立千登世橋中学校長、全日本中学校長会会長でいらっしゃいます山本委員でいらっしゃいます。
【山本委員】  山本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【渡邉教職員課長補佐】  また、宮本委員に代わりまして、東京都立三田高等学校長、全国高等学校長協会会長でいらっしゃいます笹委員でいらっしゃいます。
【笹委員】  笹でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【渡邉教職員課長補佐】  次に、事務局の異動がございましたので、紹介させていただきます。
 佐藤に代わりまして、初等中等教育局教職員課長の柳澤好治でございます。
【柳澤教職員課長】  4月より教職員課長となっております柳澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
【渡邉教職員課長補佐】  以上でございます。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 それでは、事務局より、本日の配付資料の御確認をお願いいたします。
【渡邉教職員課長補佐】  資料の確認をさせていただきます。
 お配りしております上から順に、議事次第、座席表、また、議事次第に記載がございますとおり、資料1-1から資料8-4まで、また、参考資料といたしまして、教員養成部会の委員名簿を配付してございます。過不足等ございましたら、お近くの事務局員までお申し付けいただければと思います。
【無藤部会長】  ありがとうございます。大丈夫ですね。
 本日でございますけれども、まず、議事の1につきまして諮問を受けた後に、議事の2及び3につきまして、事務局から御報告いただきます。議事の4及び5についての御審議を頂戴し、また、議事の6及び7については、事務局から御報告を頂くことになります。
 それでは、早速、議事の1に入りたいと思います。平成30年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定について、諮問を受けることといたします。
(諮問文手交)
【無藤部会長】  ということで、ただいま諮問を頂戴いたしましたので、その概要につきましては、事務局より御説明をお願いしたいと思います。
【長谷教職員課教員免許企画室長】  では、資料の1-1と及び資料1-2につきまして、御説明申し上げます。
 教育職員の免許状授与の所要資格を得させるための課程、すなわち大学の教職課程につきましては、教育職員免許法の規定に基づきまして、文部科学大臣の認定が必要とされております。
 また、文部科学大臣の教職課程の審査に当たりましては、中央教育審議会に諮問することとされておりまして、文部科学大臣は中央教育審議会の答申を踏まえて認定等を行うこととされております。
 平成30年度におきましては、大学の改組等による教職課程認定申請に加えまして、皆様御承知のように、教育職員免許法等の改正がございましたので、それに伴います再課程認定を行う予定としてございます。
 本日諮問をさせていただきましたのは、大学の改組等に伴う教職課程認定申請となります。再課程認定につきましては、次回の教員養成部会にて諮問を行うこととしております。
 平成30年度に申請のございました大学につきましては、資料1-1のとおりとなっておりますが、資料1-2にダイジェストがございますので、ごらんいただけますでしょうか。資料1-2の表にございますように、特にここの合計の箇所をごらんいただければと思いますが、平成30年度におきましては、91大学から129学科等、698課程の申請がございました。
 この後の手続の流れにつきましては、具体的には、中央教育審議会教員養成部会の下に設置されております課程認定委員会におきまして、認定を受けようとする学科等の目的・性格と免許状との相当関係、教育課程及びその履修方法、教員組織、設備、教育実習の実施計画等について審査が行われます。特に昨今、学際的な学科等の増加もございまして、認定を受けようとする学科等の目的・性格と免許状との相当関係が薄い申請が増えてきておるところでございまして、そのような申請に対しては、慎重に審査をお願いしているところでございます。
 以上、御報告させていただきます。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 ただいま事務局より御説明いただきましたけれども、御質問等があれば、多少受けたいと思いますが、いかがでしょうか。
 特段おありではないようでございますので、もし万一思い付いたら、後でお聞きいただいても構いません。
 それでは、以上のような諮問でございますので、課程認定委員会の委員の方々におかれましては、審査のほどよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、議事の1が終了いたしまして、議事の2でございます。平成29年度教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学の課程の認定後に計画を変更した教職課程につきまして、事務局から御報告をお願いいたします。
【尾白教職員課専門官】  資料の2をごらんください。本件につきましては、平成29年度の課程認定後、年度内に専任教員がやむを得ない事由により教職課程の内容を変更せざるを得ない状況が生じた大学につきまして、再度、課程認定委員会におきまして審査を行い、認定を行った件についての御報告でございます。
 なお、この手続につきましては、平成28年度の課程認定審査以降、実施しているものでございまして、導入に当たりまして、事前に教員養成部会に御説明させていただいた資料を2枚目以降に参考に添付させていただいております。そちらの方の説明は省略をさせていただきます。
 平成30年度開設する教職課程につきまして、平成29年度に課程認定委員会で審査を行い、平成29年12月4日に答申を得て課程認定を行いましたところ、その後、専任教員が変更となり、やむを得ない事由により教職課程の内容を変更せざるを得ない大学が、資料2のとおり16校ございました。
 これらの大学について、再度、課程認定委員会で審査を行いましたところ、これらの全ての大学について教職課程の変更が認められましたので、御報告いたします。
 以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 ただいまの件につきましての御質問は、次の議題と併せて行いたいと思います。
 それでは、次が議事の3でございます。平成30年度教職課程認定及び再課程認定のスケジュールについて、事務局から御報告をお願いいたします。
【尾白教職員課専門官】  資料3をごらんください。再課程認定の状況ということで、スケジュールについて説明をさせていただきます。
 ちょうど29年度の真ん中あたりのところをごらんいただければと思いますが、再課程認定につきましては、昨年の夏に全国8か所で説明会を実施させていただきまして、10月の下旬から3月の上旬ぐらいまでにかけて、各大学の個別の事前相談、そして、3月から4月にかけまして申請書を御提出いただき、現在は審査前の事務局による申請書の確認を行っているという状況でございます。
 事務局による確認が終了し、その後、課程認定委員会としましては、夏頃には諮問をさせていただき、課程認定委員会での審査を経て、来年の1月頃には答申を頂きたいというものであります。その後、答申を踏まえまして、文科省から各大学に認定通知を送付するという予定で考えております。
 1枚おめくりください。ちょうど資料の平成31年度開設関係というところで、再課程認定と通常の課程認定というふうに資料を作っております。今年度につきましては、再課程認定だけではなく、本日諮問させていただきました学科の改組等に伴う通常の課程認定もございます。通常の課程認定の方は、本日諮問させていただき、課程認定委員会としましては、10月に答申を頂きたいと。再課程の方につきましては、8月に諮問をさせていただいて、来年の1月には答申を頂きたいというものでございます。
 以上でございます。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 ということで、続けて2つ、議事の2及び3、課程の計画の変更についてと、スケジュールについてでございますけれども、お二つについて御質問などあれば、お受けしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 よろしゅうございますでしょうか。これもまた思い付いたら、後でも構いませんので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事の4でございますけれども、在外教育施設における教育実習について、事務局から御説明をお願いいたします。
【小幡国際教育課長】  国際教育課長の小幡と申します。私の方から、まず最初に、在外教育施設で教育実習を行う意義ということで、現状と課題と、その意義について説明させていただき、具体的な制度改正の内容については、後ほど教職員課から説明をさせていただきたいと思っております。
 まず、資料の4-1をごらんいただければと思います。改めて言うことではないわけでございますが、グローバル化が進んでいる中、グローバル人材の育成というのが非常に重要という中で、やはりそのためには、指導を行う教師がグローバルな視点を持った形で指導ができるような人材になっていただく必要があるということかと思っております。
 一方で、そういう中、教育学部の留学生数を見てみますと、大学全体、学生全体ですと、3.7%ぐらいが留学している中、教育学部の学生は0.77%ということで、かなりそういう機会も少ないということかもしれませんが、内向きになっているのではないかと懸念されております。
 御案内のとおり、2020年から学習指導要領の改訂が実施されまして、小学校で英語が早期化、また、教科化されるとともに、外国人児童生徒もかなり年々増えているという状況でございます。
 そうした中、我々といたしましては、「トビタテ!教師プロジェクト」を昨年の8月に立ち上げたところでございます。資料の4-2をごらんいただければと思います。これが、そのプロジェクトの全体像でございます。世界に89校の日本人学校があり、200校ちょっとの補習授業校があります。そこに、教育委員会からの推薦に基づき、教師を文科省として派遣をしているところでございます。これを活用して、戦略的なグローバル教師の育成につなげられないかということでございます。派遣する前、派遣したとき、さらには派遣されて戻ってきてから、この3つのフェーズでそれぞれグローバル教師の育成につながるような取組をしていきたいと思っているところでございます。
 その中で、一番左にございますように、派遣前ということで、我々が在外教育施設に派遣するときの話でございますが、現状とありますとおり、教育委員会からの推薦者数がかなり最近減ってきている中、教育委員会としてのメリットを持ってもらえるようなやり方にしていく必要があるのではないかと。そういうことで、小学校教師の英語力強化ですとか、外国人児童生徒の増加への対応など、そういった形のマッチングした派遣というのを進めているところでございます。
 また、シニア枠ということで、10年前に創設した、教師が退職された後に在外教育施設に派遣する制度でございます。現在、平成29年度の数字が出ていますが、1,255人中229人がシニアということになっておりますが、今年度ですと、更に増えまして、1,274人全体のうち、274名がシニアという状況でございます。もちろんシニアの方、経験豊富な人材でございます。活躍していただくということで、大変各日本人学校、補習授業校でも助かっているところでございますが、学校全体のバランスもございますので、やはり現職教員、特に若い人の派遣を我々としてはやっていく必要がありますし、また、今年から始めましたが、免許はあるけれども正式採用されていない方に行っていただいて、1年2年経験していただいた後、戻ってきて、正式な教員を目指してもらうというプレ派遣を今年から11名、派遣をしているところでございます。
 また、派遣した後も、向こうでは、高度グローバル人材育成拠点事業として、様々な先進的な取組を支援していくこと、また、戻ってからも、帰国した教師がネットワークを構築したり、表彰したり、そういう形で活躍できる機会を文科省としても作っていくことで、全体として、戦略的なグローバル教師の育成をしていきたいというのがプロジェクトの全体像でございます。その一環として、今回、教育実習先としての日本人学校への受け入れを可能とする制度の創設ということを検討させていただいたところでございます。
 資料4-1に戻っていただければと思いますけれども、ここに3番として、意義ということでございます。御案内のとおり、日本人学校というのは、各都道府県の教育委員会から派遣された教師でございます。それぞれの都道府県では、やり方や教育の方法も様々だと思いますけれども、そういった教師が集まっている。また、結構現地で採用しているケースも多いですが、中には国籍もいろいろな形、多様な国籍の教師が一緒に働くことになるかと思います。それぞれの教師、非常に海外への関心も高く、国際的な視野も広いと思いますので、こういった中で、学生がそういった教師と接触することは、グローバルかつ国内各地の教育情報も獲得できる、大変貴重な機会となるのではないかと思っております。
 また、先ほど少し触れましたけれども、結構多くの学校でもちろん日本の教育課程に即した授業が行われているわけですが、特色ある授業ということで、算数や理科等をイマージョンで授業している学校も結構ございます。また、現地の日本人、日系人等に日本語教育をしたり、日本式な教育・文化の発信をしている学校もございます。また、ICTの積極的な活用などにも取り組んでいる学校もあり、そういった形で、特色ある教育の指導法に触れる機会が得られるのではないかと思っております。
 また、日本人学校では、最近特に増えておりますけれども、海外での長期滞在、また、国際結婚家庭等の児童生徒が多くなっております。こういった生活環境の異なる児童生徒への指導実践は、国内で今増えております。外国籍児童生徒への対応にも役立つと考えておりますし、また、豊富な英語や現地語での授業、現地校との交流活動など、そういった様々な教育課程に触れることで、グローバル教育への関心も高まってくるのではないかと思っております。
 また、もちろん現地校での研修や、関連する現地での施設や大学での講義の受講など、プログラムを充実することで、国内と異なる教育環境に身を置き、グローバルな視点や考え方を身に付けることが可能となると思っております。
 また、当然ながら、この制度が実現した後、今現在ございます国内の教員養成系の大学に関心を持っていただいた後は、どこの日本人学校で受け入れるのかということもございます。そういう意味で、マッチングが非常に大事なところかと思っていますので、そういった点については、文科省としてもしっかり責任を持って、いろいろ御相談に乗らせていただいたり、調整をさせていただきたいと思っております。
 私からは以上でございます。
【長谷教職員課教員免許企画室長】  恐縮です。続きまして、改めまして、教員免許企画室長の長谷でございます。私の方から、在外教育施設における教育実習を可能とする制度改正の内容とその運用の方針につきまして、具体的に御説明を申し上げたいと思います。
 資料の4-3の、横のポンチ絵をごらんいただきたいと思います。4-3の2ページ目以降は、新旧対照表のイメージとなってございまして、条文のイメージをお示ししてございますので、後ほどごらんいただければと思います。私からの説明の中では、横のポンチ絵のみを使わせていただこうと思います。
 現在の教育職員免許法の施行規則では、教育実習の対象は国内の学校に限られております。しかしながら、先ほど国際教育課長から御説明申し上げましたように、グローバルな視点や考え方を育成するという観点から、在外教育施設においても教育実習を行うことが有益になっているという事情がございます。こうした背景に鑑みまして、このポンチ絵の中の赤字の部分にございますように、教育職員免許法施行規則の一部を改正をいたしまして、教育実習先としまして、文部科学大臣が小学校、中学校又は高等学校と同等の教育課程を有するものとして認定した在外教育施設を追加するという改正案をお諮りさせていただきたいと思います。
 今申し上げました、文部科学大臣が同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設ということにつきましては、このページの右下の部分、米印が、細かい文字で恐縮ですけれども、書かれてございます。こちらをごらんいただきたいと思いますが、こちらにございますように、在外教育施設の認定等に関する規程がございまして、これに基づきまして認定をされている在外教育施設を指しております。この認定を受けるためには、教育課程が原則として学習指導要領に定めるものであること、教諭は原則として普通免許状を有すること、学級編制は小学校等の設置基準に準ずること、施設・設備は学校教育法施行規則に準ずることなどの基準が定められてございますので、文部科学大臣が認定をしました在外教育施設は、日本の学校と同等の教育環境があるということは制度的に担保されていると考えられます。ですので、そこで教育実習を行うことにつきましては、日本の学校でこれを行うことと同じ目的を達成することが可能だろうと考えてございます。
 ただし、遠隔地に学生を派遣するということになってまいりますので、教育実習の指導・評価が確実に行われるようにするということと併せまして、また、学生の安全面、生活面等の課題も含めまして、責任体制を明確にしておく必要があろうかと思います。このため、実施に当たっての方策という、箱で囲った部分のところでございますが、運用の指針としまして、こういったことを求めてまいりたいと思っております。
 まず、1ポツの指導・評価体制の確保というところでございますが、まず、事前・事後指導、これは通常の国内での教育実習で行われているものに加えまして、特に事前指導におきましては、滞在先の国における生活、安全等の基本的な知識は身に付けて送り出していただくとともに、海外の環境での教育実習に関する学生の意欲ですとか、適性といったものをしっかり見極めて送り出していただくということが必要かと思います。
 それから、実習中の大学による指導につきましても、できれば訪問指導を行うということが望ましいわけでありますが、仮に訪問ができない場合でありましても、テレビ会議方式等によりまして、学生の状況の観察、学生との意見交換を行うなどの体制を取っていただくということをお願いしたいと思っております。
 それから、学生の指導・評価に関する大学と実習校との間の連携体制でございますが、実習校と大学との間であらかじめ実習期間中の活動内容ですとか、指導・評価の方法等について協議を行っていただくこと、それから、実習に責任を負う組織、担当者等を定めまして、円滑な連絡連携体制を取っていただくようにしていただくということが必要かと思います。
 それから、2ポツのところになりますが、大学と実習校との間であらかじめ協定を締結していただきまして、責任体制を明確にしておくということも必要になろうかと思います。例えば、協定の中では、目的、それから、対象になる学生、実習の時期・期間、学生に対する指導・評価の方法、連携体制の構築、それから、経費、滞在先、安全確保などのプラクティカルな面、あるいは教育実習の中止であるとか、協定の期間など、そういったことを定めていただくことが考えられると思います。
 さらに、この協定の内容ですとか、実習計画につきましては、3ポツのところでございますが、文部科学省に提出をしていただきまして、必要な助言を行うということで確認をしてまいりたいと思っております。
 以上の案につきまして、御審議をお願いしたいと思います。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 ただいまお二人より御説明を頂きました。この事項は審議ということでございますので、御質問とともに御意見を頂戴できればと思います。どなたからでも結構ですが、いかがでしょうか。
 お願いします。
【岸田委員】  ありがとうございます。これを実施したとして、どれだけの学生の希望があるかというところの懸念もないことはないんですけれど、しかし、いずれにしても、大きく言えば規制緩和ということで、今までできなかったことをできるようにするということですので、それはそれでいいんじゃないかと思います。
 それから、グローバル化の流れの中で、教員の世界というか、教員養成というか、この世界も、こうした流れと無関係ではおられないということで、それに一石を投じるというか、そうした意味においても、極めてインパクトの強い制度改正ですので、そういう大きな流れに沿うものであるということも理解できます。
 一方、幾つか気になる点はあるんですけど、一番私が懸念するのは、教育実習は、これまでずっと充実させようということで、いろいろな取組をしてきたんですね。事前指導、事後指導をしっかり行うことにもしましたし、それから、時間的なものも、単位数ですけれども増やしてきて、学校現場における実践的な力といいますか、現場の実情をきちっと学んでもらおうという形で進めてきた経緯があります。そういう、教員になるに当たっての基礎的な実践的な練習に当たるようなことが、極めて大事だという考え方に立ち、進めてきました。
 ここでこの資料を見ますと、この資料4-1の3番に4点ほど意義が書かれてあって、この意義も理解できます。理解できるんですが、ある意味、これは基礎問題を飛ばして一気に応用問題にいってしまっている。つまり、基礎的な部分、日本での教育実習で今実際にやっている基礎的な実習を飛ばして、応用問題を解きにいって、その意義が示されている。応用問題の意義としては当然分かるんだけれど、それでいいのかどうかというところが、一番気になるところです。
 したがって、これを制度化するとなると、当然、日本でやっている教育実習と同等の意義というか、それを担保する必要がある。つまり、応用だけじゃなくて、基礎的なものも身に付くよということがやっぱり担保されていくような、そういう制度設計も同時に必要になってくるんじゃないかということを思っています。その1点だけは指摘しておきたいと思います。
【無藤部会長】  ありがとうございます。要するに、日本における、普通に、日本の今まで学校で行ってきた実習と同等の中身が保証される仕組みをもう少ししっかりということですね。ありがとうございます。
 ほかには。どうぞ。
【松木委員】  今回のこの話ですが、日本の教育のグローバル化ということを考えると、在外の教育施設を利用して教育実習ができる可能性が出てきたということは、いいなと判断をしています。準備のできた大学から、こういったことにチャレンジをする大学が出てきてもいいなと考えているところでもあります。
 逆に、日本の教育のグローバル化ということを考えた場合に、例えば、海外の教師が日本で研修を受けていくことも、同じくグローバル化の意味では必要かなと思うのですが、現行を考えますと、例えば、教職大学院等には海外の先生方が入学できないといったような問題もございます。そういったことについても、同時にまた考えていただければとも思います。
 それから、在外教育施設にいる、教育実習を受け入れる教員の方のことです。現地採用の教員に関しては、研修の機会等が恵まれていないのではないかなというふうに思いますし、都道府県から派遣されている教員に関しては、派遣そのものが研修扱いになっているので、それ以上の研修ができないといったような状況もございます。あるいは各国ごとに、日本人学校に対しても研修等を求めているようなことも起きているかなとも思います。そういったことにも対応できていない状況も一方ではあるかという気もします。在外教育施設に既にいる先生方の研修の機会といったことも、教育実習等をこれから充実させていこうと思ったときには、同時に考えていかなければいけない問題ではないかなとも思っております。
 以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございます。そのあたり御検討をお願いしたいと思います。
 ほかに。どうぞ。
【竹原委員】  私は違う視点からお話したいと思います。3人の子供を約12年間海外で育て、2つの日本人学校に関わり、1校では役員をしました。先生方が日本各地からいらしていて、それぞれの良さを発揮されていて、すばらしい教員集団だと思いました。その中で学べるということは、実習先としても良いと思います。
 それから、生徒の多様性があげられましたが、まさに現地校で学んでいた児童・生徒が日本人学校に転校して来たり、日仏等ふたつの文化を持つこともあったり、日本人学校に通いながら、放課後のサッカー等は現地の子供たちと一緒に活動しているというようなことがあり、様々な文化が教室にあふれています。多様な文化を持つ子供たちを理解することだけでなく、保護者も多様性があります。海外転勤族もかなり多く、PTA活動も多彩に展開され、地域と学校のつながりも参考になりましたし、保護者もグローバル化に寄与できるのではないかと思います。
 もう一つ大事なことは、日本人学校はその地域社会に溶け込むために、校長先生以下、相当努力をされていました。地域の企業や行政、特に地域コミュニティーに対して積極的に情報を発信したり、ボランティア活動をしました。かつて文部科学省から国際交流ディレクターが配置され、第1号の方と私はPTAの代表として一緒にその地域に溶け込むために、地域とともにある学校であるためにボランティア活動をしたことがあります。このような環境で実習をすることは、日本ではできない貴重な経験で、帰国後役立つのではないかと思います。
 1つ懸念していますのは、そこで豊かな経験をした方が帰ってきたときに、マイノリティーにならないように、海外での経験を発信したり、それを生かせるような環境づくりが必要だと思います。この表にもありましたが、帰国後のフォローということでしょうが、実際はフォローされてないこともあるようで、是非帰ってきて、教育実習の体験や、「トビタテ!教師プロジェクト」の勤務経験を語ったり、教育現場で生かせる環境づくりこそ、国の役割だと思います。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 どうぞ。
【酒井委員】  ありがとうございます。非常に重要な課題だと思っていまして、先日も労働政策が変わって、より多くの外国人労働者を受け入れるという方向で変えていこうという方向になっております。今後ますます外国人の、外国系の子供たちが学校に増えてくる状態の中で、こうしたグローバルな経験を持っていらっしゃる方がたくさん教壇に立つということは非常に重要だと思うんですけれども、ただ一方で、今、コアカリキュラムが入っていく中で、比較的相当性の関係で、大学の方としては比較的オーソドックスな学部・学科が免許を出しやすい。どういうことかといいますと、グローバル人材を育成するグローバル何とか学部ですとか、国際何とか学部というところは、実は意外と今、免許が出しにくくなっておりまして、実はこのことと併せて考えますと、多様なそういうエリアスタディーズですとか、グローバル教養とか、そうした学部や学科の学生が広く教員に就けるような、そういうような仕組みが一方であれば、より多くのこうした関心の高い方が教壇に立てるのではないかというふうにも思います。
 以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございました。今後の日本社会における動向の中でということです。いずれおっしゃるような新たな免許の在り方の検討も必要かもしれません。
 じゃ、牛渡委員、どうぞ。
【牛渡委員】  私もこの方向は賛成したいと思います。やはり教師、若いうちに海外の経験をするということは、非常に大きな意味を持っていると思います。特にグローバル化社会で将来生きる子供たちの教育を担う先生が、こういう視野を広めて、かつ多様性に寛容な教師が生まれてくるのではないかというふうな期待を持っております。
 そういう意味では、ただ、その質の保証ということが、先ほど懸念もありましたけれども、実習先の枠組みといいましょうか、これもきっちりされていると思いますので、そこのところは大丈夫かと思います。
 更に言えば、こういった海外での実習を生かせるような、帰国後生かせるような、採用等に反映させることもできるような方向も併せて考えていただければと思います。
 以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございます。
 じゃ、順番に秋田委員、永田委員と、田中委員と松川委員ですね。順番に行きます。秋田委員、どうぞ。
【秋田委員】  ありがとうございます。大変革新的な試みと思っております。グローバル人材ということで、私は最近、現職の先生がグローバルへと、海外で現職の教員が研修を受けてくることの効果などを一部研究させていただいています。ほんの短い期間でも、かなり大きなインパクトを受けてこられる。それが中堅やベテランになってからではなく、非常に若いうちに国際経験をすることは、非常に大きな意味を持っていると考えられます。また、一方で、実習中の大学による指導がとても大事であろうし、大学と実習校がこれによって更に協働して、大学が教員養成においてグローバル化をする一つのきっかけにもなっていくと考えられます。また、先ほど松木委員からもお話がございましたが、日本人学校にいる先生方にとっても、実習に助言を大学の先生がしてくださるだけではなくて、日本人学校の先生方の研修を更に触発する契機ともなり得るのではないかと思っております。
 ただし、一方で、協定で明らかにしておくべきと考えられる事項もあります。教育実習の期間や時期について、全ての教育実習が日本人学校でなされるだけでよいのかどうかというところはお考えを頂く必要があるのではないかと若干危惧もするところです。多様性ということは非常に重要であります。けれども、実習で新任教師の最低限の資質育成を考えたときに、やはり日本の国内でも実習の経験があることが重要な意味を持つのではないかと考えます。このあたりのバランスにつきましては、今後制度改正をして、実施してから何年間かは、この件に関していろいろ調査研究などをしていただいて、実際にどういう日本人学校でどのような形の指導体制をしていくことが、より効果的なプロジェクトになるのかというところについて、是非ともこれを実施するというだけではなくて、事業を評価をすることでより効果のある在り方もあわせて探っていただきたいというふうに思っております。
 以上です。   
【無藤部会長】  ありがとうございます。
 では、永田委員、お願いします。
【永田委員】  私も教育実習機会を生かして、扉を開ける一つのきっかけになると感じています。効率性だけを考えれば、様々な課題があるかもしれませんけれど、それを超えたメリットや波及効果は大きいのではないかと感じています。
 私自身、本学の附属小学校に勤めていたときに、海外の教育施設や日本人学校で経験してきた教員が常に複数いました。そして、その人たちの勤務経験が学校教育活動に大きな影響を与えて、国際バカロレアに関する様々な準備を進める学校になっています。隣には国際中等学校もあります。これは勤務経験のある教員の例ですが、その経験を生かしていくということも考えられるのかなと思いました。
 その中で、3ポイント申し上げます。1つ目は、在外教育施設、日本人学校にとってのメリットをしっかり提供してあげることが必要だと思うことです。例えば、ある日本人学校から、道徳の特別の教科化が本年度から始まったので研修したいというリクエストが来ました。そのくらいに研修意欲も高く、日本とのいい意味でのパイプ作りのためにも、これが一つのよいきっかけにもなるのかなと思います。
 また、2つ目は、実習を行う学生についての課題を配慮していくということだと思います。この実習を受けた教員が先々どんなメリットを生み出しているかということのフォローとか調査研究のようなものも一定程度やっていく必要があるのだろうと感じます。
 そして、3つ目は、在外勤務経験のある教員や実習を受けた教員が、先ほど竹原委員がおっしゃいましたように、マイノリティーとして受け止められないようにしていくことです。附属学校のときには、そんな環境がありましたけれど、通常のところでは、在外勤務経験が逆に国内キャリアの形成のマイナスになっていることも感じられます。3年間ほど海外に出た後、国内と勤務がつながりにくいと、また在外施設に行くのに後ろ向きになってしまうという印象もあるのが一部感じられます。そのようにはならないような、いわばこの「トビタテ!」というのがキャリア形成の扉になる環境づくりが必要かなと感じたところです。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 松川委員。
【松川委員】  ありがとうございます。私も大きな方向性としては反対いたしませんけれども、1点、きょう御説明あった中で、量的にはどのような設計をしているのかということがよく分からないのです。例えば、年間に小学校の免許を取る方は1万人ぐらいいらっしゃるわけですよね。その中で、先ほどの最初の議題にもありましたように、教職課程を持っている大学というのも非常に多くあるわけです。その全てで希望すれば行けるように設計するのかどうか、これはなかなか大きなことではないかと思うのです。各県から海外の日本人学校に行っている先生の数というのも一定あるわけですけれども、それと比べてどのくらいの教員養成課程にいる学生を送ることができるのかということ、そして、それが1万人の中の、先ほどマイノリティーというお話がありましたけれども、私はしばらくの間は本当に微々たる人数ではないかと思うわけです。そのことによって、それを何年続けていくことによって、どういう効果が期待できるのか。漠然とグローバル化が進むというようなことではなくて、例えば、国内にいる外国籍の児童の問題というのは非常に大きな問題として各県が持っているわけで、それに対応するなら対応するで、行き先もありますし、送り方もあると思うのですけれども、漠とした設計ではなくて、どのような量を考えているのかということ、それから、仮にこれで実習をしたとしても、教員免許は取っても教員採用試験は受けないという学生さんはたくさんいるわけです。これはかなりコストを掛けてやることになるわけですので、こういうことで海外で実習を受けた学生が、免許は取ったとしても、教員にならないというケースもありうるわけでして、その点のことを考えると、私は教員養成課程の学生が行くよりも、現職の教員をもう少し海外に送るということの方が、全体の課題としては効果的ではないかと思うのですけれども、人的な量、どのくらいの人を育成し、現実に送り、そして、それをどのように活用するのかというところが、きょうのお話では見えてこないということです。
 それから、秋田委員もおっしゃいましたけれども、全ての実習をこれで代替できるのか、あるいは実習の中のごく一部をこういうものに代えることができるのか、あるいは一般的な国内での実習プラスアルファ、何かスペシャルなものとしてこれをやるのかという、幾つか設計が考えられると思うのですけれども、それについてはどのようなお考えなのか。それによっても随分違ってくるのではないかと思いますが、全体として、何となく方向性は悪くはないとは思うのですが、一つ一つ細かく考えていったときに、クリアしなければならない問題、それから、それによって各教員養成課程、それから、教育委員会等々が担わなければならない様々な課題というのは、多々あるのではないかと考えます。
 以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございます。
 御質問に対する御回答、コメント、最後にまとめてお願いしますね。
 森山さんも手を挙げていましたね。森山委員、どうぞ。
【森山委員】  私の方も、今後の教員養成がこのような形で視点を持って、また改革の一つもいい方向に進んでいると思っています。教職大学院の現職教員の派遣で、私どものところの院生で、やはり海外での経験をされた方が入学しております。そして、海外の日本人学校を経験した中での日本での学びというような、そういう流れも見てきました。
 この中で議論されているところで、特にプラクティカルな面で言いますと、教員志望の学生が既に留学していて、それで、その期間内で、例えば、現地の日本人学校で教育実習を行うとか、そういうケースも恐らく具体的に出てくるのではないかと思います。これは非常にお互いにメリットがあるということなんでしょうが、協定書等の準備とか、そういうことも課題にはなるかと思います。
 それと、本日の議論を聞いておりまして、教育実習をどのように捉えるのかという議論が恐らくこの前提になっているのではないかと思います。そういう意味では、教育実習の位置付けとか、あるいはプロセスとして教育実習をどのように捉えているのかというのが、恐らく大学の中でも多様化というか、いろいろな形での捉え方というのがありますし、それから、例えば、3年次、4年次という形で、2年間続けて教育実習をきちっと位置付けているところもあれば、4年次だけで教育実習を、いわゆる最終段階として完結するような教育実習の位置付けもあります。そういう意味では、今日説明をいただきましたけれども、実施に当たっての方策の3のところについて、文部科学省による支援・助言についてというところがありましたが、そこで秋田委員の方からもございましたけれども、教育実習の実施計画書をここで提出することになっていますので、そこである程度大学の状況というか、そのあたりのことの把握が必要なのではないかと思います。そうすれば、まさに教育実習のこの制度をどのように活用するのかということのいろいろなパターンが出てくるのではないかと。ですから、恐らく今ここで議論というよりも、むしろある程度の大学の動きの中で、どういうふうに位置付けをし、これを使ってやったというところの、ある程度の実績を検討して、その中で充実を図っていくということなのではないかと思います。そういう意味で、非常にいい方向だとは思うのですけれども、是非大学と実習校とのマッチング支援と書いてありますように、特に実際にこれを実施する大学についてのフォローといいますか、あるいは情報の集約をきちんとしていただいて、それを次のいろいろな大学に活用していただくという方向が望ましいのではないかと思います。
 以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございます。
 中西委員。
【中西委員】  ありがとうございます。メリットがたくさんあるということは、皆さんいろいろおっしゃっているので、ダブらない部分で1点だけ。ちょっと質問にもなろうかと思うんですけれど、資料4-3の、実施に当たっての方策の中の1のマル2ですね。要するに、訪問指導を行うことが望ましいが、訪問できない場合でもというくだりなんですけれども、先ほど松川委員がおっしゃったように、いろいろな設計の仕方があって、実習の一部であったり、プラスアルファであったり、あるいは量的に少なければ、訪問指導をしないというようなことはないとは思うんですけれど、今まで実習は訪問指導をやらなければいけない、やれということを言ってきた立場からすると、ベクトルが逆に受け取られる可能性もあると思うので、その辺は訪問ができない場合を、つまり、訪問できないまま実習とするということを想定としているのかどうかということ、ちょっとうがった見方かもしれませんけれど、全く方向の逆の話のような気もしないでもないので、その辺は伺っておきたいなと思いました。
【無藤部会長】  ありがとうございます。それは後ほどお願いします。
 出口委員、お願いします。
【出口委員】  多くの委員の方がおっしゃったことと重複しているところがありますので、そこは省略させていただきます。
 私の大学のことですが、1つだけお話をしておきます。グローバル教育演習という授業科目があり、これは15時間の授業の最初の4時間が座学で、あと10時間が海外の日本人学校と、現地の連携協定締結大学での演習、そして、帰国後の1時間が振り返りの授業という構成になっています。日本人学校では教育実習にやや似たようなこともやっています。この授業科目を進めていく課程においては、パスポートを持っていない学生も時にはいます。そうすると自分でパスポートを取らなきゃいけない。それから、原則、この授業は現地集合、現地解散です。そうすると、学生たちは自分たちで宿泊施設を予約し、その宿泊施設から学校あるいは大学に行くまでどういう交通機関を取ればいいかということも事前に調べなければならない。そういう海外での演習・実習に付随した学生の体験は、その影響は非常に大きいと思います。
 これは基本的には3年時に必修の基礎教育実習を終えてから行くシステムになっています。海外での教育実習そのものは、各委員の方々がおっしゃったように、ポジティブに捉えていいかなと思います。一方、渡航前の準備において自分たちでできる部分は主体的に計画し実行するという体験は、学生たちからは非常に好評です。また、現地では全て英語によるコミュニケーションですが、たどたどしいながらも、きちんとできたという教育実習以外の生活上の様々な行動や経験は、学生にとっては将来役に立つ、まさにグローバルな人材を育てているのではないかと思います。
 以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございます。
 田中委員、どうぞ。
【田中委員】  そもそも幼稚園は対象外ですけれど、現状からいうと、幼稚園年代の子供の親の方が必ず連れていって、現地では一番ニーズが高いんですね。私、私立幼稚園の幼児教育研究機構を立ち上げたときに、文科の国際課とも打ち合わせして、各現地の幼稚部といいますか、幼稚園部門の先生の現状というのも聞いたのですが、ほとんど免許を持っていない。単にちょっと関心がある人とか。我々が組織的に派遣しようと思ったのですが、JICAがかまなきゃだめなんですね、組織的なものがないわけで。JICAがかんだときに、どういう条件が来るかというと、現地の日本人学校の幼稚部から、給与とか条件は来るのですが、免許を持っている持っていないという、そこまで要求すると人が来ないという。ですから、そもそも実習をする前の、学校教育校でありながら、学校教育体系の中には位置付いていないのだということで、しかも、親としては一番ニーズが高いところをそろそろ文科省も真剣に考えてほしいなと思います。
 以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございます。
 安部委員、お願いします。
【安部委員】  ありがとうございます。教員志望の若い学生さんの、グローバルな視点を育てるという意味では、本当に皆様方おっしゃるように非常に斬新的な提案だと思います。ただ、現行の教育実習の必修単位の中で、国内での実習とどう組み合わせていくのかとか、あるいは恐らく在外教育施設での実習に要する期間というのは、事前準備も含めて、国内で行う4週間程度の短いものではなくて、かなり長くなると思います。そうすると、教員養成課程のカリキュラムについては、例えば、ギャップイヤー、ギャップタームを取り入れた教職課程を構築する等、国際的な視野を持つ教員を育てる目的のカリキュラムにする必要があります。在外教育施設での十分に事前・事後の指導を組み入れた実習を経ることで、本当に国際感覚を持った教員になっていくのではないかと思います。在外教育施設における教育実習を可能にするということは、大賛成でいいことだと思いますが、その方法論には、かなり工夫が必要です。もちろんそれぞれの教員養成課程の独自のアイデアというのがあるのでしょうが、ガイドライン等も必要になってくるのではないかなと思ってお聞きしておりました。
 以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 よろしゅうございますか。山本委員、どうぞ。
【山本委員】  失礼いたします。私自身が中学校の現場の校長をしていますので、少し現場の話も含めてお話しさせていただきます。在外教育施設というのは、見方を変えれば、非常に重要な教育資産であり、また、教育財産だというふうに捉えることができると思います。実は私自身も、日本人学校での3年間の勤務経験がございます。きょう頂いた説明、それから、委員の皆様から御指摘いただいたことというのは、なるほどそのとおりだなと思って、非常に活用するという観点では、期待される部分がございます。
 資料4-3の実施に当たっての方策、2番のところで、先ほど秋田委員からも御指摘がありましたけれども、協定で明らかにしておくべきと考えられる事項について、自分自身が現地で、例えば、実習生を迎えるということをイメージしたときに、ほとんどの課題はクリアできると思っています。特に実習の受け入れに当たっては、近年、シニア枠が増えているという報告がありました。シニアですので、豊富な教職経験があるということで、実習の受け入れそのものはそんなに心配されるところはありませんが、ここに列挙されている中で、期間はどういうふうに設定するのかなということと、それから、少なからず、国内で実施する実習よりも経費は掛かるだろうなということで、この2点がちょっと引っかかります。
 それから、効果ということで、実習と勤務では若干異なる部分もあると思いますが、実は私が校長として周囲を見渡したときに、日本人学校の勤務経験者が多いことが言えます。卑近な例で言うと、全日中の会長にも日本人学校を経験した方がいます。自分で言うのは口幅ったいですけれども、海外から日本を眺めてくると、いわゆるグローバルな視点を少しでも獲得してくると、将来の管理職養成の一端にもつながっていくという部分もあるかなと思います。
 以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。それでは、事務方から、多少の御質問めいたことがありましたので。
【長谷教職員課教員免許企画室長】  御質問、御意見、たくさん頂きまして、ありがとうございました。御質問いただいていた点について、まず、幾つか御回答させていただこうと思います。
 まず、中西委員から御指摘いただきました訪問指導についてのスタンスでございますが、これは御指摘のように、実習の評価、指導体制の実を上げるという観点からいきますと、訪問指導をやっていただくというのが、もちろん国内の実習はもとより、海外のこういう実習であっても、基本だろうと思っております。
 ただ、その際にどうしてもいろいろな事情でできない場合があるということもあろうかと思いますので、その場合でも、なるべく実際の訪問指導と同じような実を上げられるような形で、遠隔的な指導による方法をお願いしたいということで、このような体制を考えているところでございます。
 恐らく岸田委員から冒頭御指摘がありました、日本と同等の実習の体制が確保できるようにということも、問題意識としましては、実習の体制をしっかり確保するというところと通ずるものがあろうかと思いますけれども、これにつきましても、今回の実施に当たっての方策の方でお示しいたしましたように、事前・事後指導というのは、もちろん国内の教育実習と同等にやっていただいた上で、更にそれに加えまして、海外の実習に堪えられるような、基本的な知識であるとか、本人の意欲、適性といったものをしっかり見極めていただきたいということを期待しているところでございます。
 それから、松川委員から御指摘のありました、例えば、量的にどれぐらいにするのかといったこと、あるいは複数の委員から御指摘いただきました、松川委員も含めて、どの程度の期間、これで行うのかというところにつきましては、現状、これから制度を開くところですので、今、量的にどれぐらいになるというところは、にわかにはなかなか申し上げられないんですが、今、学校体験活動という形で幾つかの大学で在外教育施設に行っていただいている例もございますので、恐らくニーズですとか、御関心といったところはあるのではないかなと思います。ですので、最初のうちは、文科省による支援・助言のところにございますように、一つ一つの例につきまして、協定の内容であるとか、実習計画を確認させていただきまして、一つ一つについて御相談していきながら進めていきたいと思います。
 その上で、これも何人もの委員から御指摘いただきましたように、その後、どういった体制で教育実習が行われていたのか。例えば、期間であるとか、指導体制であるとか、その学生に対する効果、こういったものも検証させていただきまして、今後の在り方については不断に検討、見直しをさせていただきたいと考えております。
 あとは、何人かの委員から御指摘がありました、在外教育施設での教育実習の活動というのが、例えば、採用であるとか、今後のキャリアパスについても生かせるような機会をというところの御指摘も頂きました。これにつきましては、これからこれも制度を開いていくところでございますので、教育委員会をはじめとしまして、任用していただく方々も含めまして、この制度の意義というものについて我々の方からしっかり御説明申し上げていくというところで、是非こういった御経験を生かせるような機会を広げていくように努めてまいりたいと思っております。
 それから、田中委員から少し御指摘いただきました幼稚園のところでございますが、今回、在外教育施設の認定等に関する規程に基づく認定というところで1つ線を引かせていただいておりまして、そこは今のところ、小学校、中学校、高校と同等の課程というところで線を引いているところでございますので、少なくともそこのところにつきましては、日本と同等の教育実習の環境を確保できるだろうという考えで、今回、そういう線引きをさせていただいているところでございます。
 制度の方につきましては、以上でございます。
【小幡国際教育課長】  今、ほとんど長谷室長の方で答えていただいていますが、幾つか補足させていただきます。
 まず、全体的な方向性としては、皆さん、賛同いただいている中、やはり一方でということで、懸念や課題があるというところですので、そこはしっかり受け止めて、今後検討していきたいと思っております。
 幾つか頂いた中で、やはり日本人学校にいる現地採用の先生の研修が十分じゃないという御指摘がございました。これも先ほどのグローバル拠点事業の中でも、今、上海の日本人学校で、学校で採用された教師の指導力向上のプログラムなどを海外子女教育財団と一緒に開発して、それを世界中の日本人学校にも広げていきたいと思っております。
 また、松川委員からも、現職の教師がまずは在外教育施設に行くことがあるべきだろうというところでございます。先ほど説明させていただいたように、我々としては、もちろん日本人学校に派遣する教師としては、現職教員が基本という考えの中、シニア、プレとか、そういう制度も作り、また、今回のように、学生のうちから日本人学校で経験するという様々な取組の中で、日本国内の教師がグローバルな視点を持つような機会を、この在外教育施設を活用して作っていければと思っております。
 また、調査研究や事後、実施後のフォロー等々ございましたので、ここら辺は来年もしこれが制度改正させていただきましたら、これをやった後、どういう形でこの効果が上がっているのか、また、先ほど戻ってきた教師のフォローということもございました。実習した後、教師にならないのはちょっと不本意でございますので、しっかり教師になった上で学校で活躍している教師などを、我々としても追跡していき、そういうモデルケースを、すばらしい実習をした結果、こういう教師になりましたというような例も示していければと思っております。
 また、今既に例えば、出口学長のところですとか、幾つかの大学では、幾つかの日本人学校と強い結び付き、例えば、インターンシップに派遣したり、あと、そこで教育研究の指導などを行っていただいている大学もございますので、こういった今回の教育実習の受け入れを通じて、日本人学校と国内の養成大学との関係がより深くなっていくことなども期待できるのではないかと思っております。
 以上でございます。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 ということで、皆様方から積極的な御意見を頂戴しましたので、これからの改善、更なる検討を含めて、今日の方向で手続を事務局としてお進めいただければと思います。
 それでは、次に、議事の5に入りたいと思います。初任者研修の弾力的実施について、事務局から御説明をお願いいたします。
【渡邉教職員課長補佐】  資料の5を御覧いただければと思います。初任者研修を弾力的に運用すべきという方向性につきましては、平成27年12月の中央教育審議会答申において既に御提言いただいているところでございますけれども、本件はその具体的な在り方について御審議をお願いするというものでございます。
 資料5の2ページ目をお開きください。初任者研修につきましては、新任教員の実践的指導力等を養うことを目的といたしまして、昭和63年に法定研修としてその実施が定められたものでございます。
 その具体的な実施の在り方につきましては、従前、文部科学省より校内研修と校外研修それぞれにつきまして、校内研修につきましては、週10時間、年間300時間以上、また、校外研修につきましては、年間25日間以上という研修の実施量について目安を示すとともに、特に校内研修の実施方法につきましては、平成15年度より地域に初任者研修の拠点校を設けまして、その学校に初任者指導教員を配置し、当該教員が、拠点校を含む地域の複数の学校に分散して配置されております初任者の指導に当たるという拠点校方式を導入することとしているところでございます。
 3ページ目を御覧ください。こうした初任者研修の運用方針につきましては、先に述べましたように、先の中央教育審議会の答申におきまして、国においては、今後、都道府県等においてそれぞれの地域の状況等を踏まえた効果的な若手教員研修が行えるよう、初任者研修の弾力的な運用を可能にするよう見直すことが必要であるとの御提言を頂いているところでございます。
 4ページ目を御覧ください。まず、4ページ目以降におきまして、近年の初任者研修に関する動向につきまして整理をしてございます。まずは、若年期における教職経験者研修の拡大と、初任者研修の実施時間・日数の減少についてでございます。折れ線グラフにおいて示してございますように、近年、多くの教育委員会が、初任者研修に限らず、2年目、3年目の研修といった若手教員研修に取り組んでいただいているところでございます。
 5ページ目を御覧いただければと思います。そのような若年期における教職経験者研修の拡大に伴いまして、上の折れ線グラフにございますように、校内研修における平均実施時間数及び校外研修における平均実施日数ともに近年減少傾向にあるところでございます。
 その内訳といたしましては、まず、左側でございますけれども、校内研修実施時間数ごとの実施教育委員会数についてでございますが、全体としては、実施時間は減少傾向にございますけれども、従前、文部科学省から示しているとおりの10時間と設定をしている教育委員会が半数近くとなってございます。
 また、右側、校外研修実施日数ごとの実施教育委員会数についてでございますけれども、20日としている教育委員会が最も多い一方、従前、文部科学省から示しているとおり、25日以上としている教育委員会も一定数あるところでございます。
 次に、6ページ目をお願いいたします。次に、初任者研修に係る効果的な実践の普及についてでございます。先の答申におきましても触れられておりますとおり、校内研修の効果的な事例といたしまして、ベテランの教員やミドルリーダークラスの教員がメンターとして若手教員等の指導や助言を行ったり、授業研究などを行ったりしながら、チーム内で学び合う中で初任者等の若手教員を育成する、いわゆるメンター方式が行われているところでございまして、こうした実践も普及してきているところでございます。
 次に、7ページ目をお願いいたします。次に、初任者研修に係る教職員定数の基礎定数化についてでございます。初任者研修に関する指導教員につきましては、従前、教職員定数の加配により、各都道府県教育委員会等に措置をされていたところでございますけれども、平成29年にいわゆる義務標準法が一部改正となりまして、従前の加配定数を2026年度までの10年間で漸次、初任者6人に対しまして1人の指導教員という割合になりますように、基礎定数化を図っているところでございます。
 次に、8ページ目をお願いいたします。8ページ目以降におきましては、初任者研修を受ける側の初任者に関する動向につきまして整理をしてございます。まず、教職大学院からの一定数の輩出と今後の増加見込みについてでございます。教職大学院につきましては、平成20年度に制度化されてから後、一定数の教員を継続的に教員として輩出してきているところでございます。
 9ページ目をお願いいたします。また、その教職大学院の設置数と入学定員につきましては、高度専門職業人としての教員養成機能の充実を図るという観点から、近年、既存の教員養成系の修士課程から教職大学院への移行が図られていることを受けまして、大きく増加しているところでございまして、今後、更に多くの教職大学院修了者が教員として輩出されることが見込まれるというところでございます。
 次に、10ページ目をお願いいたします。次に、臨時的に任用されました講師等としての経験を有する者についてでございますが、これは最近始まったというわけではございませんけれども、以前よりそうした者が多くの教員として採用されているのが実態であり、平成28年度の初任者研修の対象者のうち、実に47.2%の者が常勤講師等経験者となってございます。
 次に、11ページ目をお願いいたします。次に、教師養成塾の取組の拡大についてでございます。新規採用の教員の円滑な入職や、学校における必要最低限の実践力獲得のために、教員志望の学生を対象にした、いわゆる教師養成塾などを実施する教育委員会が近年増えているところでございまして、当課の調査によりますと、平成29年中における状況といたしまして、全国の都道府県教育委員会等のうち、27の教育委員会等でこうした取組を行っているところでございまして、そのうち9つの教育委員会におきましては、教員採用試験におきまして、教師養成塾の修了者を対象として、特別な選考を実施しているというように把握をしてございます。
 次に、12ページ目をお願いいたします。12ページ目以降におきましては、以上の初任者研修や初任者に関する動向を踏まえまして、考えられる改善の方向性につきまして整理をしているところでございます。まず、初任者研修の実施時間・実施日数の弾力的設定についてでございます。冒頭に御説明申し上げましたとおり、従前初任者研修につきましては、文部科学省より、校内研修については週10時間、年間300時間以上、校外研修につきましては、年間25日間以上という目安を示しているところでございます。このことにつきまして、各地域の若年期における教職経験者研修の実施状況等を踏まえまして、弾力化していくことが考えられるのではないかということでございます。
 このことにつきましては、下に抜粋してございますとおり、先の答申におきましても、特に校外研修については、実施時間を短縮する方向で運用されることが望ましいとの御提言を頂いているところでございます。
 次に、13ページ目をお願いいたします。次に、初任者の背景に応じた個別的対応についてでございます。先に述べましたような教職大学院修了者につきましては、その学修の成果を踏まえ、また、臨時的に任用された講師等の経験者につきましては、その勤務した期間に受けた研修等の成果を踏まえ、また、教師養成塾出身者等につきましては、その学びの成果を踏まえ、一部の初任者研修を実施しないなどの個別的対応が考えられるのではないかということでございます。
 また、このことに関連しまして、特に臨時的に任用された講師等につきましては、研修の充実を促すということも考えられるというように考えてございます。
 一方、いわゆる教師養成塾等につきましては、こうした入職前の学びへの参加が義務的なものと受け取られることのないように留意を促すことも必要であるというように考えているところでございます。
 次に、14ページ目をお願いいたします。初任者の背景に応じた個別的対応ということにつきましては、さきの答申や先般の国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議報告書等におきましても、教職大学院修了者につきましては、初任者研修の免除等によるインセンティブの付与ということにつきまして御提言を頂いているという参考の資料でございます。
 また、15ページでございますけれども、こちらにつきましては、臨時的に任用された講師等の経験を有する初任者への個別的対応ということに関連いたしまして、臨時的任用教員に対する研修に関する状況でございますけれども、既に多くの教育委員会において取り組まれているところでございまして、個別的な対応を取るという一定の素地はあるものと考えられるところでございます。
 最後に16ページをお願いいたします。初任者研修に係る教員定数の基礎定数化による効果的な体制の工夫についてでございます。さきに述べましたように、従前の初任者研修に係る加配措置につきましては、拠点校指導教員が直接初任者を指導する拠点校方式を前提として行われていたところでございます。これにつきましては、平成29年の義務標準法の改正による基礎定数化に伴いまして、初任者に対する指導に加えまして、例えば、メンター方式における研修コーディネーター等としての活用が可能になるところであり、このことに伴いまして、各地域における効果的な体制の工夫を促すことが考えられるというように考えてございます。
 以上の初任者研修の改善の方向性につきましては、本日御意見を頂いた後に、御了承いただけましたならば、文部科学省から各都道府県教育委員会等に対する通知などの形で周知させていただくことを想定しているところでございます。以上、よろしく御審議のほどお願いいたします。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 ただいまから今の議事5、初任者研修の弾力的実施についての御意見、御質問を伺いたいと思いますが、多少時間が押してきましたので、なるべく2分程度と、簡潔にお願いしたいと思います。
 それから、恐縮ですけれども、名札を配付資料の分厚い冊子の上に、横でいいんですけど、置いてください。ちょっと遠くが見えないものですから。
 では、どなたからでも。いかがでしょうか。
 この措置は以前に出した報告にあったものを具体化するということですので、御存じの方も多いとは思いますけれども、いかがでしょうか。
 じゃ、お願いします、山本委員。
【山本委員】  かなり現場の実情、声を拾っていただいて、制度化していただいたものだなというふうに思います。感謝申し上げたいと思います。
 1つだけ、最後の部分で、拠点校方式、研修コーディネーター等となっていますが、恐らくここに、指導主事等の役割も関わってくる部分なのかなというふうに思います。私自身指導主事をしてきたものですから、恐らくここに直結して、チームを組みながら、より効果的に行っていくというような発想になっていくのかなと思います。そういう書き込みもどこかで、枠外でもいいですが、あると助かるなと感じております。
 以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。
【岸田委員】  ありがとうございます。私もこの初任者研修については、この場でもずっと発言してきたものですから、ちょっと一言だけお話ししたいと思います。
 これは極めて大事な問題だと思っているんですね。特にこの若い時に学び続ける教員になるための資質を、若い時期にきちっと身に付けるということが、教員としてのキャリアステージの中で極めて重要な要素を持っているので、この初任者研修の期間に、学び続ける教員としての資質をしっかり身に付けるというコンセプトをきちっと押さえ、これからの制度設計の中に落とし込んでいくということを、是非とも考えていただきたいというふうに思います。それが1点です。
 それから、きょう出していただいた具体的な方向の1つ目は、これはむしろ各教育委員会の実施体制の弾力化は既に進んでいますので、多少は後追い的なものかなと思いますが、それに合わせるような形の制度設計ということになるんじゃないかなと思います。
 それから、教職大学院修了者のインセンティブについては、これも従来から言われてきていることなので、これについても是非ともやはり実現することが、教職大学院の育成という意味からも大きな意味を持つと思いますので、これについても考えていただきたいと思います。
 それから、一番大事なのは、最後の、教職員定数の効果的活用と体制の工夫、ここだと思うんですね。この部分で、それぞれの教育委員会がどのような工夫を凝らした制度設計をして、私が冒頭申し上げましたように、初任者研修のコンセプトである学び続ける教員としての資質を身に付けるように取り組んでいけるかということですので、ここの制度設計をより緻密に考えていただいて、より充実したものにしていただきたいというふうに思っております。
 以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 ほかに。森山委員、お願いします。
【森山委員】  1点だけお話をさせていただきたいと思います。やはり初任者研修の弾力的実施における動向を十分に吟味をされて、進められるのだなということがよく分かります。
 1点、これまでの、御承知のとおり、都道府県教育委員会並びに政令指定都市で教員育成協議会がもう始まっていますよね。あの内容を見ますと、やはりそれぞれの教育委員会でも、初任研に関しての様々な工夫が見られます。それで、そういう意味では、これまでの教員育成指標とか、あるいは研修計画のところでの工夫の点も是非考慮いただいたり、あるいはこれからも恐らく進化していくものですので、そのあたりの御検討を頂ければありがたいと思います。
 以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございます。
 では、永田委員、お願いします。
【永田委員】  今までの答申などに示された方向が実際に具体化してくるということで、私もこれを心待ちにしています。今、教職大学院で教員をしておりますが、院生が専修免許をもって出ていく中では、新しい形での研修が必要なのではと感じております。
 なぜならば、教職大学院の学卒院生は、長い間、学校で実習をしているわけです。私どもの大学の場合は、毎週2日、実習に行っていますが、その中で様々な研修を実施していて、そして、多くの場合、本人はその同じ学校に赴任しますので、そこでの初任者研修には若干のそごがあるような感じがしておりましたので、これが現実的にクリアになっていくのかなと感じております。
 その中で1つ留意したいのは、軽減措置という感覚にしないことだと思います。また、優遇措置というものでもありません。せっかく教師力、実践力を付けてきているので、更なる教師力、実践力を磨いてほしいという趣旨で、圧縮した形などにしてやっていくことがよいのかなというのが1つ思っていることです。もう一つは、教職大学院修了生も一定の個人差がありまして、教職大学院を一つのモラトリアム的な場所にして経ていく一部の院生もいます。多くの院生はしっかりと実力を付けていくわけなんですが、そのような中で、アクティブな授業づくりになじみにくい院生もいたりしますので、それをフォローする措置などは制度としては難しいと思いますが、考えていかなくてはいけない部分もあるのかなと感じています。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
【一木委員】  失礼いたします。特別支援学校の立場から申し上げたいと思います。今回お示しいただきました校内研修の充実に伴い、校外研修については短縮する方向でということは大事な方向かなというふうに理解をしているところですが、一方で、特別支援学校の免許につきましては、コアカリがないというところで、出身大学によって初任者の学びの履歴というものが大きく異なるというのが現状としてございます。そうしますと、校内研修を充実させたくても、多くの先生方が戸惑っていて、校内研修が機能しないという学校もあるのが実情となっているところです。そういった場合、教育センターのようなところが地ならしをする役割を果たしているという現状もございます。
 ですので、こういった特別支援の免許に関わる現状につきまして、改めて検討いただければというふうに思っているところです。
 以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 よろしいでしょうか、ほかには。ありがとうございました。
 それでは、多少事務方から御回答なり、コメントなり頂ければと思います。
【渡邉教職員課長補佐】  本件に関わりまして様々御意見を頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。
 先ほども申し上げましたとおり、基本的にはこれを文章化いたしまして、都道府県教育委員会等にまずは周知し、それに基づいて更に我々もその趣旨を伝えていくことをする必要があると考えてございますけれども、本日頂戴いたしました御意見につきましては、そういった文章に可能な限り書き込みをさせていただいて、周知に努めてまいりたいというように考えてございます。
 以上です。
【無藤部会長】  ありがとうございます。
 ということで、この議題につきましては、事務局で更に手続を進めていただくようにお願いしたいと思います。
 それでは、議事の6でございますけれども、教育公務員特例法改正に伴う取組状況につきまして、事務局から御報告をお願いいたします。
【渡邉教職員課長補佐】  資料の6をごらんください。教育公務員特例法の改正につきましては、昨年の4月1日に施行され、その施行状況につきましては、前回の教員養成部会におきましても、その時点での状況について御報告申し上げたところでございますけれども、今回、施行から1年以上が経過し、本年3月31日時点での状況につきまして、教職員支援機構において調査を取りまとめてございますので、その結果について御報告をさせていただくものでございます。
 以下、そのうち主立った部分について御報告をさせていただきます。まず、1ページ目の1、本年度の協議会設置時期についてということでございますけれども、夏までに設置がなされた自治体が大半となってございますが、それ以降に設置をした自治体も一定数ございまして、当然のこととは思いますけれども、昨年度内に全ての自治体において協議会の設置はなされたという状況でございます。
 次に、飛びまして、5ページ目をお願いいたします。5、協議会開催数についてでございますが、これは協議会単体で設置されているものと、その下に部会を設置をしている協議会で分けて、開催状況を掲載してございます。多くが2回から3回という開催状況となってございますけれども、部会を設置している協議会の方が開催回数が少ないということはございませんで、むしろ部会を設置している協議会の方が3回開催をしたという回答が多くなっていると。そういった状況になってございます。
 次に、6ページ目をお願いいたします。8、指標の策定時期についてでございますが、昨年中に指標の策定を終えた自治体も多くございます一方で、3月に策定を終えたという自治体も多くなってございます。結果として、全ての自治体において、昨年度中に一度指標の策定を行ったというようになってございます。
 次に、7ページ、9番の指標策定対象職種についてでございます。教諭に関する指標については、全ての自治体において作成をされているというところでございますけれども、その他の職種につきましては、作成が済んでいないものも一定数あるところでございます。法令に照らしまして、任命権を有する全ての職種について指標は作成する必要がございますので、この点については、段階的にでも作成が進められるよう促してまいりたいと考えてございます。
 次に、8ページ目でございます。11、キャリアステージの区分の設定方法についてでございますが、既存の研修体系に対応という回答が多くなってございます。これは本来、指標が先にあって、それを踏まえて研修体系が作成されるべきものでございますので、逆であるとも考えられるところでありますけれども、既存の研修体系がそれぞれの地域の望ましい成長段階に既に対応していた結果とも考えられるところでございます。その他、成長段階を示せるようにという回答や、経験年数を用いてキャリアステージを設定したとの回答が多くなっているところでございます。
 9ページ目を御覧いただければと思いますけれども、ステージ区分に対応した指標の内容の違いということで、どのようにステージで違いを持たせたかということでございますけれども、各ステージで想定される職務内容に対応させて違いを持たせたでありますとか、個人の取組から段々学校全体でありますとか、全学年へと広げるように違いを持たせていったでありますとか、ステージを経るごとに、より質の高い内容、深い取組を行うように違いを持たせたといった回答が多くなってございます。
 次に、下の13から15についてでございますけれども、それぞれの職種の指標の作成状況について等でございますけれども、いずれの職種につきましても、校種共通で作成をしたとの回答が基本となってございます。
 次に、10ページ目の17番でありますけれども、研修計画の策定時期についてでございます。かなり多くの自治体が3月に作成をしたというようにしておりますけれども、年度内には、今回調査を行った全ての自治体において、研修計画の策定が行われたというように確認をしてございます。
 次に、11ページでございますが、18、指標に対応した従前の研修体系・研修内容の見直しということについてでございますが、一部、従前のもので対応できたとしている自治体もございますけれども、今回、一部見直しを行ったとしている自治体、また、更に多くの見直しを行ったという自治体も相当数あったということとなっております。
 その下の19、指標策定の成果についてでございますけれども、大学との連携が深まったでありますとか、採用時の教員の姿が明確化された、養成・採用・研修のつながりが明確化された、また、教員の成長プロセスが明確化されたといったような成果を上げた自治体が多くなってございます。
 次のページの20で、今後の課題についてということでございますけれども、各自治体からのアンケートの回答から類型化を行っておりますが、指標の活用といったこと、また、具体的な研修の事例を得るということなどについて、今後の課題というように考えている自治体が多いということがうかがえるところでございます。
 今回の調査結果は、教特法施行から1年の状況をまとめたものとなってございまして、前回の部会においても多く御指摘を頂きましたように、今後、こういった指標を中心として、しっかりとPDCAサイクルが回っていくということが最も重要なことと認識をしてございますので、本省と教職員支援機構とで連携をしつつ、こうした指標に関する各自治体の状況につきましては、引き続き各自治体の御協力を頂きながら情報収集をさせていただきますのとともに、その際、また前回御指摘いただきましたような就学前段階における状況など、これまでの調査で十分に把握できていない部分などにつきましても、検討を進めてまいりたいと考えてございます。
 私からの報告は以上でございます。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 ただいまの御報告につきまして、一、二、御質問を受けられると思いますけれども、いかがでしょうか。
 松木委員。
【松木委員】  アンケートの結果、御苦労さまでした。この内容とも関係するのですが、私自身としても、全国で公表されている指標等を眺めてみました。その中で、各キャリアステージに応じて、習得すべき知識や技能を求めているような項目のところもあれば、直接研修で習得することは難しいような、資質や能力に関わるような項目を掲げてあるところもあり、それらが混在した形で出来上がっているところが非常に多いなと思っております。具体的にそれを研修等々の関係で構造化していこうと思ったときに、更に研究しなくてはいけない部分が多々あるなと思っていました。
 したがって、研修と指標との関係が本当にサイクルになるような形でこれから進められていくことを期待したいのですが、このままお飾りになってしまわないように、是非ともこの後のケアを含めて御検討いただければとも思います。よろしくお願いします。
【無藤部会長】  大事なポイント、ありがとうございます。
 ほかにございますか。中西委員、どうぞ。
【中西委員】  中間報告のときもたしか質問したと思うんですが、協議会の構成メンバーとかの問題なんですけど、回答していないところがあるのは、回答していないところはどこで、回答してないのはなぜなのかというのを教えていただけますか。
【渡邉教職員課長補佐】  すみません、その点につきましては、前回も御指摘を頂いたところでございますが、67の自治体のうち、構成メンバーについて回答がなかったところが幾つかございます。個々に聞き取るようなことはしておりませんけれども、それぞれホームページ等を確認すると、確認ができるという状況でございますので、趣旨としては、機構の調査に対しては、こちらで回答すると、こういった形で関係の大学の公表を前提としますというような形で調査をしておりますので、ここの調査においては上げてほしくないという趣旨で、回答がなかったというように考えられるところでございます。
【無藤部会長】  よろしいですか、とりあえず。どうぞ。
【中西委員】  ホームページで公表していて、この回答は公表してほしくないから、回答しないということですか。推測ですか、それは。
【渡邉教職員課長補佐】  ええ。申し訳ございません。それは個々に聞き取っているわけではございませんので、ただ、ここに上がっていないところを幾つか見たところ、そちらの方では確認ができましたので、こちらの、自分のホームページではないほかのところで公表されることは避けているという、そういった趣旨かと思います。
【中西委員】  そうですか。いや、この程度のことをなぜ公表しないのかちょっと分からないので、やっぱりそれは資料を示す時点で、何らかの形で示すべきだと私は思いますけれども。
【無藤部会長】  その点、伝えていただいたらいいと思います。ありがとうございます。
 ほかにございますか。とりあえずはよろしいでしょうか。ありがとうございました。
 では、御報告ということで、これで終わりたいと思います。
 それでは、次がございまして、議事の7ですが、学校における働き方改革について、事務局から御報告をお願いいたします。
【佐藤初等中等教育局企画官】  初等中等教育局の企画官をしております佐藤でございます。私の方から、学校における働き方改革について、今現在、初等中等教育分科会の下に特別部会を設置して審議いただいておりますので、その審議の状況について御報告を申し上げます。
 働き方改革の特別部会でございますけれども、昨年の7月から精力的に議論いただいておりまして、本教員養成部会からも、無藤部会長に御参加いただいております。前回の本部会におきまして、12月の上旬の段階で、中間まとめの案ということで御報告をさせていただいております。資料の方、7-1が、実際に中教審の方で取りまとめられました中間まとめでございます。中身は前回報告させていただいたものとほぼ変わりませんので、ポイントだけ改めて確認をさせていただきたいと思います。
 まず、1ページ目でございますけれども、1番にございますように、学校における働き方改革を進める背景・意義について整理をさせていただいております。御存じのように、教員の勤務実態調査、約10年ぶりに行いましたけれども、10年前と比較して、非常に小学校、中学校の各職種について、校内の勤務時間が増えているという状況でございます。
 ただ、従来から我が国で行われてきております知・徳・体という日本型学校教育については今後も維持した上で、かつ新学習指導要領を確実に実施していくということが求められる中で、学校における働き方改革によりまして、教師の業務負担を軽減していくということが喫緊の課題だという問題認識に立っております。
 そして、学校における働き方改革を進めることによって何を目指すかというところでございますけれども、1ページ目の真ん中あたりにございますように、学校における働き方改革によって、教師が心身の健康を損なうことのないように、業務の質的転換を図り、限られた時間の中で児童生徒に接する時間を十分に確保し、教師の日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、教師の人間性を高め、これによって児童生徒に真に必要な総合的な指導を持続的に行うことのできる状況という好循環を目指すということを目標にして、検討がされているところでございます。
 中間まとめの中では、1ページめくっていただきまして、3番の、学校・教師が担う業務の明確化・適正化というところを中心に整理を頂いております。そのページの下のところに3つ区分していただいております。従来、学校の方で行われてきておりました業務につきまして、特別部会の方で3つに区分けをしていただいております。一番左のところが、基本的には今後は学校以外が中心となって担っていただくべきと考えられる業務ということで、例えば、登下校に関する対応であるとか、夜間などの見回りにつきましては、地域、家庭の協力を得ながら実施をする、また、学校徴収金の徴収・管理につきましては、教育委員会等の方で対応していただくということを基本にしながら、学校・教師の業務から外していくという方向性で考えるべきではないか。
 そして、真ん中のところでございますけれども、学校の業務であるが、必ずしも全てを教員が担う必要がないのではないかということでございまして、例えば、調査・統計の回答につきましては、事務職員を中心に対応いただく、また、休み時間、校内清掃につきましても、地域の実情に応じて、地域のボランティアの方の協力を得る、また、教師が行うにしても、輪番で行うということ、また、部活動につきましても、新たに部活動指導員というものを予算措置をしておりますので、そういった方々の協力を得ながら実施をしていただくということが考えられるのではないかということで整理をしていただいております。
 また、一番右でございますけれども、教師の業務ということですけれども、サポートスタッフ等の協力を得ることで、一定の負担軽減が可能ではないかということで、整理をしていただいております。例えば、授業準備や学習評価については、サポートスタッフの活用をしていただく、また、支援が必要な児童生徒・家庭への対応につきましては、従前に引き続き、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの協力を得ながら実施するということで、一定の負担軽減が図られるのではないかということで整理を頂いております。
 そして、その次のページでございますけれども、今申し上げました整理を実行化していくために、国、教育委員会、各学校のそれぞれの段階で、それを後押しするための取組を実施していくべきということが述べられております。国におきましては、各教育委員会の方で学校管理規則を作成していただく際のモデル等の提示、あるいは優良事例等の提供、また、一番下にございますけれども、従来、各学校、教員に対して、新たな課題が生じるたびに、業務の付加、新たな対応をお願いしていったと。ただ、それに対して十分な数の教職員定数を措置してこなかったというところを率直に反省すべきであると。文科省の中においても、そういった学校、教師の業務量、人員について俯瞰的にチェックをし、新規に何か学校、教員に負荷を掛けるような制度改正を行おうとするときには、そこのチェック部署の方できちんと管理して、適切な方策を講じるということを行うべきということが指摘されているところでございます。
 また、各教育委員会におきましても、同様に、そういったチェック部署を設置するであるとか、各学校の業務改善計画の策定、あるいは事務職員については、共同学校事務室の活用等、そういった方策を取っていただくべきということが述べられております。
 そして、こういった中間まとめにつきまして、こういう形で出していただいておりますけれども、これを受けまして、次の資料の7-2でございますけれども、文部科学省としても、こういった中間まとめを踏まえまして、学校における働き方改革に関する緊急対策ということで、年末に取りまとめをさせていただいております。中身につきましては、今の中間まとめの中で、国において果たすべき役割ということを整理していただいておりますけれども、資料7-2の一番最後のページになりますが、平成30年度の予算の中でも、学校における働き方改革を推進するための環境整備ということで、必要な予算について措置をさせていただいております。
 1番目のところが、前回の本部会でも御指摘いただきましたとおり、十分な数の教職員定数の措置ということでございます。小学校におきまして、新学習指導要領におきまして、外国語教育について早期化・教科化ということもありますので、そういったところの対応として、プラス1,000人ということを中心として、中学校における生徒指導体制の強化、あるいは共同学校事務室の体制整備ということも加えまして、全体で合計1,595人の改善ということをさせていただいております。
 また、2番のところで、教員以外の様々な専門スタッフ・外部人材の活用推進ということで、従前に続き、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の配置の一層の促進、そして、30年度新規といたしまして、スクール・サポート・スタッフの配置、中学校における部活動指導員の配置という事項についても、予算措置を新たにさせていただいております。
 また、3番のところで、人員の拡充以外の様々な業務の効率化、精選というところを後押しするための取組について、引き続き予算措置をさせていただいていると。こういった形で、引き続き国としても強力に働き方改革については支援をしていきたいと考えております。
 そして、次の資料7-3でございますけれども、こちらの資料7-3の方で、本年の2月でございますけれども、今申し上げました、文部科学省の方で打ち出しました緊急対策について周知をするとともに、各教育委員会においても、中教審の中間まとめの中でそれぞれ取り組むべきということにされた方策について徹底していただきたいということを、事務次官名で通知をして、周知をさせていただいているところでございます。
 本特別部会につきましては、昨年の12月の中間まとめ以降も、引き続き議論を続けていただいております。資料7-4が、中間まとめ以降に議論していただくべき論点ということで、2月に提示をさせていただいたものでございます。大きく3点ございます。1つ目が、学校の組織運営体制の在り方についてということでございまして、中間まとめの中では、一般の教員の負担軽減ということを念頭に置いて進めておりましたけれども、やはり学校の中で副校長、教頭という管理職の負担が非常に高まっているという指摘もございます。こういった方々の負担軽減を行うことで、より一層、学校として組織運営体制について、効果的に対応できるようにすべきという観点から、例えば、主幹教諭の配置の促進、あるいは、共同学校事務室等を活用した事務職員のより一層の活用ということについて議論が行われているところでございます。
 また、今後につきましてでございますけれども、そこの2番、3番にございますとおり、学校の労働安全衛生管理の在り方について、実際にこういった問題にお詳しい医師の方からもヒアリングをしながら検討する、そして、3番目の時間外勤務の抑制に向けた制度的措置の在り方についてでございますけれども、給特法の見直しの在り方についてどういうふうに考えるのか、また、ほかに制度的措置ということで、例えば、年間単位の変形労働時間制の導入ということなども含めまして、今後検討を行っていただく予定でございます。
 こういった論点につきまして引き続き議論を行っていただいた上で、目標としては、今年中に働き方改革について最終取りまとめを出していただくという方向性で、我々としても取り組んでいきたいと思っております。
 また、働き方改革の関係につきましては、次回以降の本部会の中でも、審議状況について御報告をさせていただければと考えております。
 事務局からは以上でございます。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 非常に重大な問題で、質疑とか御意見いろいろあろうと思いますが、時間の関係で、今日はそこは省かせていただきますので、いろいろおありの方は、事務局に直接御連絡ください。働き方改革の特別部会としては、今のスケジュールで議論が続きますし、特に制度改革に踏み込む可能性もありますので、是非御意見等、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事の8の追加がございまして、事務局から報告があるということでございますので、お願いいたします。
【渡邉教職員課長補佐】  それでは、資料の8-1をごらんください。まさに本日の朝の大臣の記者会見におきまして、資料8の一連のものとしてお配りしております、Society5.0に向けた人材育成に係る大臣懇談会及び新たな時代を豊かに生きる力の育成に関する省内タスクフォースの取りまとめが発表されてございますので、御報告をいたします。
 この取りまとめは、Society5.0という新たな時代に向けて今後講ずべき取組を検討するために、林文部科学大臣の下に設置されました、有識者から成る懇談会と、課長級職員を中心とした省内のタスクフォースの2つの会議において議論されたものをまとめたものとなってございまして、Society5.0における人材像や学びの在り方、今後の教育政策の方向性等をまとめたものとなってございます。
 1枚おめくりいただきまして、1ページ目でございますけれども、まず、AI技術の発達に代表されますSociety5.0の社会像を描いた上で、そこにおける学びの在り方、求められる人材像を示してございます。
 2ページ目を御覧いただきますと、そうしたSociety5.0に向けて取り組むべき政策の方向性といたしまして、1つには、公正に個別最適化された学びの実現、2つ目として、基盤的な学力や情報活用能力の習得、3つ目として、大学等における文理分断からの脱却という3つのものを掲げてございます。
 3ページ目以降でございますけれども、そうした方向性に関しまして、取り組むべきリーディング・プロジェクトとして、幾つかのものがそれぞれの方向性に沿って並んでいるところでございますけれども、このうち4ページ目の下に当たりますけれども、基盤的な学力を確実に定着させるための学校の指導体制等といたしまして、免許制度の在り方を見直す。例といたしましては、複数の校種、教科の免許状取得を弾力化すること、経験年数や専門分野などに応じ、特定教科の免許状を弾力的に取得できるようにすることといったようなことが挙げられてございます。
 こうしたリーディング・プロジェクトにつきましては、順次、具体化を図っていくこととされているところでございまして、ここで挙げられました免許制度の在り方ということに関しましても、現在、別途調査研究協力者会議を設けまして御議論いただいております免許外教科担任制度の在り方とも関連するところが多くあろうかと思いますので、そうしたことを整理した上で、また、今後の本部会において御審議を頂くことも想定されるところでございますので、唐突な話となりまして大変恐縮でございますけれども、その際にはなにとぞよろしくお願い申し上げます。
 なお、お配りしております資料の8-2は、今回の取りまとめの本体、資料の8-3は、その中で挙げられておりますSociety5.0における学校の姿をイメージしたもの、そして、資料8-4は、今回の取りまとめの土台ともなりました、文部科学省の新たな時代に対応するためのEdTechを活用した教育改革推進プロジェクトチームの議論をまとめたものとなってございます。
 私からの報告は以上でございます。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 それでは、時間でございますので、本日の審議、ここまでとさせていただきたいと思います。
 今後の日程について、事務局から御説明をお願いいたします。
【渡邉教職員課長補佐】  次回につきましては、平成30年8月2日14時から、一橋講堂にて開催を予定してございます。
 その後の予定につきましては、事務局から改めて連絡をさせていただきます。
 以上でございます。
【無藤部会長】  ありがとうございました。
 本日はこれで閉会とさせていただきます。皆様方、ありがとうございました。

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