生涯学習分科会(第133回) 議事録

1.日時

令和7年3月17日(月曜日) 13時00分から15時00分

2.場所

文部科学省会議室  ※WEB 会議併用

3.議題

  1. 分科会長の選任等について <非公開>
  2. 生涯学習分科会の運営について <非公開>
  3. 生涯学習分科会における部会の設置について
  4. 第12期生涯学習分科会における審議の状況について
  5. 日本の学位・称号等枠組み(案)について
  6. その他

4.出席者

委員

(委員)内田委員,清原委員,都竹委員,萩原委員,浜田委員
(臨時委員)熱田委員,大久保委員,大平委員,加藤委員,金子委員,古賀委員,関委員,田名部委員,塚本委員,戸田委員,野津委員,野田委員,東委員,牧野委員,松本委員,山内委員

文部科学省

(事務局)江﨑大臣官房審議官,平野社会教育振興総括官,中安生涯学習推進課長,高木地域学習推進課長,今村日本語教育課長,山川地域学習推進課課長補佐 他

5.議事録

中央教育審議会生涯学習分科会(第133回)

令和7年3月17日

・新しい分科会長について、中央教育審議会令に基づき、委員の互選により清原委員が選任された。
・副分科会長については、清原分科会長から萩原委員、牧野委員が指名された。

※事務局から説明の後、資料2のとおり、生涯学習分科会運営規則が了承された。
 

【清原分科会長】  ありがとうございます。それでは、準備が整いましたので、これより会議を公開いたします。

 初めに、事務的な連絡をさせていただきます。報道関係者から事前に録画・録音の希望をいただいておりました。先ほど決定いたしました生涯学習分科会の運営規則に基づき、報道関係者による録画・録音を許可いたしますので、お知らせいたします。

 それでは、改めまして、今期の生涯学習分科会の分科会長に就任いたしました清原でございます。私のほうから一言御挨拶させていただきます。着席のまま失礼いたします。

 このたび、第13期の中央教育審議会に設置されました生涯学習分科会の分科会長に選任されました、杏林大学客員教授、前東京都三鷹市長の清原慶子でございます。前期に引き続いて分科会長のお役をいただきました。中央教育審議会及び生涯学習分科会の使命を理解し、委員の皆様と御一緒に求められる審議、そして、私たちが創造していく問題提起についてしっかりと会議を進行させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、今期も前期に継続いたしまして、まずは「地域コミュニティの基盤を支える今後の社会教育の在り方と推進方策について」の諮問に関する適切な答申の取りまとめが課題となります。それに加えまして、前期から新たに設置された「日本語教育部会」、「社会教育の在り方特別部会」についてもしっかりと責任を果たしていきたいと思います。

 その上で、生涯学習分科会は、初等中等教育分科会、大学分科会と連携して取り組むべき教育の総合的な課題についても対応すべき責務があると受け止めています。その使命の実現のためには、委員の皆様お一人おひとりの積極的な参画が不可欠でございます。私は分科会長として、委員の皆様が和やかなうちにも率直に発言していただけますように、誠心誠意進行に努めていきたいと思います。

 皆様の引き続きの、また、新たな委員の皆様には、今後の積極的な御参画をどうぞよろしくお願いいたします。そして事務局の皆様にも、委員と思いを1つにしていただきまして、私たちを支え、強力に連携して、よりよい取組を進めていきたいと思いますので、くれぐれもよろしくお願いいたします。ありがとうございます。(拍手)

 ありがとうございます。思いがけず拍手をいただき、ちょっと当惑しておりますが、感謝感激でございます。

 それでは、引き続きまして、副分科会長にお願いをいたしました萩原委員、牧野委員からも御挨拶をお願いします。それでは、萩原副分科会長、お願いします。

【萩原副分科会長】  座ったままで失礼いたします。前期に引き続きまして、副分科会長を拝命いたしました萩原なつ子です。

 生涯学習分科会は、これからの社会教育、生涯学習、社会を形成していく上で非常に重要な分科会だというふうに思っております。皆様とともに有意義な議論ができますことを、清原会長をしっかりサポートしながら進めていければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 それでは、牧野副分科会長にも御挨拶をお願いします。

【牧野副分科会長】  牧野です。よろしくお願いします。私も、前期に引き続いて副分科会長を仰せつかりました。よろしくお願いします。

 清原会長が分科会長を担当されました11期から12期にかけて、社会教育が大きく動いているかと思います。特にコロナ禍を経て、日本社会がいろんな問題に直面しているわけですが、社会基盤である人と人との関わりをどうつくるかといったことが今、問われているのだろうと思います。その中で、今回この分科会に課せられた大きな仕事があるかと思います。それは例えば、諮問が出ていまして、地域コミュニティに根差した社会教育の在り方をどうするのか、特に人を中心にした社会教育の在り方について取りまとめよ、ということが出ておりますので、そんなことも議論をしながら、これからのあるべき社会教育、それから日本社会のいわゆる草の根の社会をどうしていくのかといったことについて、ここで議論を深められればと思います。どうぞよろしくお願いします。

 私も清原分科会長の手のひらの上でころころと転がされながら、分科会の運営に協力したいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

【清原分科会長】  とんでもございません。ありがとうございます。

 それでは、お二人の副分科会長と共に、委員の皆様の活発な御意見をいただきながら提言をしていきたいと思います。

 なお、総合教育政策局の茂里局長におかれましては、現在国会開会中でございまして、どうしても御参加できないということで、私に、委員の皆様にくれぐれもよろしくお伝えくださいということでしたので、お伝えいたします。

 それでは、事務局を代表いたしまして、江﨑大臣官房審議官に御挨拶をお願いいたします。

【江﨑大臣官房審議官】  江﨑です。着座にて失礼いたします。

 本日はお忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。それから、今期生涯学習分科会の委員をお引受けいただきまして、重ねて御礼申し上げたいと思います。本日は、第13期の生涯学習分科会の最初の会でありますので、一言御挨拶を申し上げたいと思います。

 第12期にお取りまとめいただきました議論の整理では、副題にありますとおり、リカレント教育と社会教育人材について中心的に御議論いただきまして、第4期の教育振興基本計画の議論も踏まえながら、今後の生涯学習社会、教育の振興に当たっての大きな方向性をいただきました。人生100年時代やSociety5.0時代に、生涯を通じて意欲的に楽しく学び続ける社会を築くことは非常に重要なことでございます。それが生きがいや心の豊かさを感じさせるというようなことにつながっていくんじゃないかと思います。文部科学省といたしましては、様々な関係機関や関係者がつながり、共同して一体となって、生涯学習、社会教育の振興に取り組んでいきたいと考えてございます。

 今期の分科会におきましても、様々な分野において活躍され、また、御知見を有する委員の皆様に御参画をいただいてございます。皆様それぞれにお忙しい中にもかかわらず、第13期において、これからの生涯学習や社会教育の在り方を御審議いただくためにも、委員としてお力添えをいただきますことは大変心強く思っております。

 今期は、昨年諮問されました地域コミュニティの基盤を支える今後の社会教育の在り方と推進方策に関して、さらに急増する外国人の増加に対応した日本語教育機関の認定制度に関してなど、生涯学習分科会及び部会における皆様の御審議を踏まえながら、生涯学習、それから社会教育の一層の振興を図っていきたいと考えておりますので、委員の皆様におかれましては積極的な御議論をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 以上でございます。

【清原分科会長】  江﨑大臣官房審議官、御挨拶ありがとうございます。ぜひ御期待に、皆様と御一緒に応えていきたいと思います。ありがとうございます。

 それでは、議題3、生涯学習分科会における部会の設置についての議事に移ります。今回は第13期の初回ということもございますので、第13期生涯学習分科会の審議体制及び部会の設置について、事務局から御提案があると聞いております。中安課長から御説明をお願いいたします。

【中安生涯学習推進課長】  お時間をいただきましてありがとうございます。生涯学習推進課長の中安でございます。

 資料3-1を御覧ください。こちらが第13期生涯学習分科会における検討体制のイメージ図になっております。部会を2つ置いていただくという内容になっております。

 具体的な御提案の内容については、資料3-2を御覧ください。生涯学習分科会ですけれども、所掌事務は改めまして5つあります。生涯学習、社会教育、それから昨年新たに加わった、外国人留学生などに対する日本語教育などでございます。ただ、これらの事項について、この分科会自体を頻回に開催いただくことはできません。このため、中央教育審議会令等の関係規定に基づき、生涯学習分科会に個別の事項を専門的に御議論いただくため、2つ部会を設置するということをお諮りするものでございます。

 1つ目は、社会教育の在り方に関する特別部会です。調査審議事項は、地域コミュニティの基盤を支える今後の社会教育の在り方と推進方策に関する専門的な調査審議を行うことでありまして、令和6年6月25日にこのタイトルで諮問が文部科学大臣から本審議会に対してなされており、これに関する御議論をいただくことになります。設置期間は、調査審議が終了するまでということにさせていただいております。

 2つ目は、日本語教育部会です。調査審議事項といたしましては、我が国における外国人に対する日本語教育の推進に関する専門的な調査審議を行うこと。日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律第15条の規定に基づき、日本語教育機関の認定など、中央教育審議会の権限に属させられた事項を処理することであります。設置期間は、今期の委員の方々の任期である令和9年3月9日までとするという内容となっております。


 説明は以上になります。

【清原分科会長】  中安課長、説明ありがとうございました。

 これらの部会につきましては、今御説明がありましたように、「社会教育の在り方に関する特別部会」は、中央教育審議会になされた諮問を受けて生涯学習分科会の中に設置されたものです。そして、「日本語教育部会」につきましては、前期改めて法律改正に基づきまして、中央教育審議会が所管する内容となり、生涯学習分科会が担当することになった日本語教育について、特別に部会として設置をしているものです。いずれも重要な部会と思いますが、具体的な内容については、次の議題以降、適宜説明がございます。

 もし、現時点で特段の御意見がないようでしたら、委員の皆様にお諮りしたいと思います。この2つの部会を生涯学習分科会に設置することについて御異議ございませんか。

(「異議なし」の声あり)

【清原分科会長】  ありがとうございます。異議なしというお言葉をいただきましたので、「社会教育の在り方に関する特別部会」と「日本語教育部会」を生涯学習分科会の中に設置して審議を進めていくとともに、適宜本分科会に報告していただき、皆様と御一緒に審議を深めたいと思います。

 なお、中央教育審議会令第6条第2項に基づきますと、部会に属すべき委員は、分科会長が指名することとなっております。生涯学習分科会に加えて、部会の審議にも参加していただくことにつきましては、多少なりとも御負担をおかけするわけでございますが、このテーマの重要性を踏まえまして、ぜひとも委員の皆様のうちから数名程度、それぞれの部会の委員も兼ねていただきたく思います。お願いをいたしますときにはぜひとも御快諾いただきますように、この場でお願いをいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議題の4に入ります。第12期生涯学習分科会における審議の状況についてです。まず、事務局より説明をお願いします。それでは、中安生涯学習推進課長、御説明お願いします。

【中安生涯学習推進課長】  お時間をいただきましてありがとうございます。私のほうから、全体的な状況を説明させていただきます。

 まずは、資料の4を御覧ください。1ページめくっていただきまして、(3)第12期における各分科会の審議の状況を御覧ください。1つ目の丸に書いてございます生涯学習分科会の審議状況でございますけれども、第12期生涯学習分科会、昨期におきましては、2行目終わりのほうにありますが、大体2.5か月に1回ぐらい開催をいただいて、計9回の審議をいただき、議論の整理の取りまとめをいただきました。

 その下のポツでございますけれども、第12期においては3つの部会、社会教育人材部会を令和6年5月まで、また、それをある意味受け取るような形で2でございますけれども、社会教育の在り方に関する特別部会を計6回、それから日本語教育部会を計5回置いて、集中的な議論を行ってきていただきました。

 その下の枠囲み、第12期中央教育審議会生涯学習分科会における議論の整理ということでおまとめいただいたものでございますけれども、大きなテーマとしては、1つ目のポツにあります、「全世代の一人ひとりが主体的に学び続ける生涯学習とそれを支える社会教育の未来への展開:リカレント教育の推進と社会教育人材の養成・活躍」といったところを大きなテーマとしていただきました。

 具体的には2つポツを飛んでいただいて下から2つ目のポツですけれども、以下の4点ということで、社会人のリカレント教育、障害者の生涯学習、外国人の日本語の学習、それから、社会教育人材の育成強化というテーマで御議論いただきました。

 次のページをおめくりください。それぞれの部会でどういった御議論をいただいたかという内容でございます。1つ目の枠囲い、社会教育人材部会の一段落目の下2行でございますけれども、令和6年6月に社会教育人材の養成及び活躍促進の在り方について一旦の最終まとめをいただいております。このまとめにおきましては、次のポツでございますけれども、社会教育人材の裾野拡大ということで、量的・質的な向上、拡大ということについて対応方策をまとめいただきました。

 その次の枠囲いでございますが、社会教育の在り方に関する特別部会ということで、2行目にございます。令和6年6月に文部科学大臣から諮問がありまして、1、2、3の3つの事項について御議論をいただくということになってございまして、現在進行中ということでございます。

 それから、その下の枠囲い、日本語教育部会におきましても、関係の法律に基づく認定等に関する事項の審議を行っていただいているという状況でございます。

 最後、4ページを御覧ください。第13期における審議事項(予定)という形で書かせていただいております。第12期の議論を踏まえまして、大きく3つのことを書いております。1つ目が、地域コミュニティの基盤を支える今後の社会教育の在り方と推進方策、それから2つ目が、日本語教育機関認定制度の着実な実施をはじめとする日本語教育の推進、3つ目については、リカレント教育などを中心とした第12期議論の整理のフォローアップを中心に御議論を行っていただければというふうに考えてございます。

【清原分科会長】  ありがとうございます。この議題4に関係しまして、生涯学習分科会の下に設置されております2つの部会における状況も併せて御説明をいただきたいと思います。その後に、意見交換に移りたいと思います。

 まず、資料5に基づきまして、社会教育の在り方に関する特別部会の検討状況について、高木地域学習推進課長、御説明をお願いします。

【高木地域学習推進課長】  地域学習推進課長でございます。資料5でございます。社会教育関係の審議状況について御説明させていただきます。

 1ページ目が、先ほど中安課長からも御説明ありましたけれども、前期に取りまとめていただきました社会教育人材部会の最終まとめの概要でございます。社会教育の裾野が拡大している中、社会教育人材の果たす役割は大きく、質的な向上、量的な拡大が重要ということをまとめていただきまして、社会教育主事につきましては、地域全体の学びのオーガナイザー、社会教育士は、各分野の専門性を様々な場に生かす学びのオーガナイザーとして整理をしていただいたところでございます。

 そのために、2ポツでございますけれども、社会教育人材の養成に関わりまして、社会教育人材に求められる能力・知見、社会教育人材の在り方といった大きな方向性を整理いただいています。

 2ページでございます。この人材部会で、具体的なまとめていただいた改善方策でございます。上段のほうが、養成に関わる具体的な改善方策でございますけれども、社会教育主事講習の定員を拡大していかなくてはいけないと、受講希望者が増加しているといったことで、定員の拡大が必要といったこと。2つ目が、多様で特色のある受講形態の促進等による受講者の選択肢の拡大といったことでございまして、オンライン・オンデマンドを含めて多様な受講形態で講習が提供されることが望まれると。社会教育主事になるために職務上受けるという方だけでなく、多様な方々が今、社会教育主事講習を受けられておりますので、それに対応できるようにしていかなくてはいけないといったことでございます。そのほかにも複数機関によるカリキュラムの策定でありましたりとか、あと、講習に関しては4科目あるんですけれども、1科目から開設を可能にしていくといったことでありますとか、複数年での開講、受講料の徴収を認めていくといったことでありましたりとか、あと講習の受講資格を明確化していきましょうといった話でありましたりとか、民間資格の取得者に対しまして、一部科目代替を認めていきましょうといったことなどをまとめていただいているところでございます。

 下段でございます。人材の活躍促進に関わる具体的な改善方策といったことでございまして、社会教育主事の配置促進に関しましては、好事例等を集めて周知していきましょうといったことでありましたりとか、あと社会教育人材のネットワーク化を進めていきましょうといったことでありましたりとか、修了証書の在り方としまして、社会教育士の称号が付与された旨を明確化していきましょうといったことについて取りまとめていただいているところでございます。

 3ページ目が、先ほどの人材部会の最終まとめが目指す方向性といったところでございまして、教育委員会におきまして、社会教育主事が、その地域の社会教育全体の取りまとめをすると。そして、社会教育士が、地域の様々な活動、地域コミュニティの間であったりとか、首長部局でありましたりとか、民間団体などにおきましても活躍していくと、そういったことをしまして、社会教育人材をハブにした人づくり、つながりづくり、地域づくりを進めていきましょうといったところでございます。

 4ページが人材部会の委員名簿でございます。5ページでございます。こういった流れを受けまして、昨年6月に当時の大臣から、地域コミュニティの基盤を支える今後の社会教育の在り方と推進方策につきまして、諮問をされたところでございます。社会教育法は昭和24年にできておりまして、それから昨年で75年が経過したところでございます。その当時は高校進学率、大学進学率も今とは全然違いますし、当然DX化も全然進んでいないといったところでございますので、そういった状況を踏まえて、社会教育に求められる役割やニーズが変化しているのではないかといったことから、新たな諮問をされたところでございます。

 下のほうに主な審議事項ということで、3つ掲げさせていただいているところでございます。1つ目が、社会教育の人材を中核とした社会教育の推進方策といったところでございまして、公民館、図書館、博物館といった社会教育施設が社会教育に果たしてきた役割は大きいところではございますけれども、さらに地域の様々な場面で社会教育を推進していくためには、社会教育主事、社会教育士を中心とした社会教育人材に御活躍いただく必要があるといったことから、まずは1つ目として、社会教育人材を中核とした社会教育の推進方策について御議論いただくと。

 2つ目としまして、その議論の方向性を踏まえながら、社会教育活動の推進方策と、公民館、図書館、博物館でありましたりとか、PTA、子供会といった社会教育団体なども含めて、社会教育活動の推進方策というのを御議論いただくと。

 3つ目、そういった1つ目、2つ目を受けまして、国・地方公共団体における社会教育の推進体制の在り方について御審議いただくといった形になっているところでございます。

 6ページ、7ページ、8ページ、9ページが具体的な諮問文でございまして、10ページが前期におきます社会教育の在り方に関する特別部会の委員名簿でございます。昨年8月に諮問を受けまして、こちらの部会を立ち上げてまして、清原部会長、萩原副部会長、牧野副部会長の下で御審議が進められているところでございます。

 11ページでございます。この特別部会の議論の状況について整理したところでございます。第6回まで開催しているところでございまして、審議事項1、社会教育の人材を中核とした社会教育の在り方に関する意見の整理といったものについて、今、部会長一任のところまで来ているところでございます。部会長の下で整理させていただいて、近々には意見の整理について公表できればと考えているところでございます。

 私からの説明は以上でございます。

【清原分科会長】  高木課長、ありがとうございます。

 続きまして、日本語教育機関認定法の施行状況について、今村日本語教育課長から御説明をお願いいたします。

【今村日本語教育課長】  失礼いたします。日本語教育課長です。お手元の資料6を御覧いただきながら、日本語教育部会における審議の状況について御報告させていただきます。

 日本語教育部会は、こちらの生涯学習分科会、昨年の2月の第129回の分科会におきまして日本語教育部会の設置が決定され、今、御覧いただいている資料のとおり、第1回を令和6年3月18日に開催し、以降5回開催し、御審議をしていただいたところでございます。

 部会長を浜田委員に、副部会長を加藤委員にお務めいただきまして、調査審議事項は大きく2つございまして、1つは日本語教育の推進に関する専門的な調査審議、もう一つは認定日本語教育機関法に基づき、この審議会の権限に属せられた事項としての審査等に関わる審議、この大きく2つの事項を御審議いただいたところでございます。

 1つ目の日本語教育の推進に関する専門的な調査審議につきましては、具体的には昨年7月の第2回、そして、本年3月の第5回に御審議をいただいたところでございます。これまで日本語教育の推進に関しましては、文化庁の文化審議会に設置をされておりました国語分科会日本語教育小委員会のほうで審議がなされてきたわけでございますけれども、そちらを引き継ぐ形で、また、今般の日本語教育を取り巻く社会の今後のテンポ、非常に目覚ましく変化が生じておりますので、そうした状況も踏まえて、今後の展望を整理していただきつつ、我が国における外国人に対する日本語教育の推進について議論を深めていただき、短期、中長期の時間軸も踏まえつつ、論点を整理していただくことを目指して議論を始めていただいているところでございます。

 先般3月の第5回の会議におきましては、福岡県から、福岡県における日本語教育推進の取組について、現状と課題等を御披露いただきながら議論を深めていただいたという状況でございます。

 また、もう一つの審議事項でございます、日本語教育機関認定法に基づく調査審議につきましては、まず、昨年10月の第3回の会議におきまして、認定日本語教育機関の認定審査について御審議をいただきました。また、第4回につきましては、登録実践研修機関、登録日本語教員養成機関の登録の審査について御審議をいただいたところでございます。この2つの審査につきましては、それぞれ部会決定に基づきまして、部会の下に審査会が設けられておりまして、具体的にはその審査会におきまして、個々の審査案件について調査審議をいただいて、全体を通して部会のほうで御審議いただいたという状況でございます。

 審査の状況を簡単に御報告させていただきます。お手元資料の3ページが、まず、認定日本語教育機関の認定審査の状況です。こちらの審査は年2回審査を行うというスケジュールで申請の受付をしているところでございます。初回に当たります令和6年度第1回につきましては、昨年10月30日に結果公表ということで進められておりまして、申請機関総数が72機関に対し、認定とした日本語教育機関が22機関となっております。現在、第2回目の審査の途中でございまして、申請機関総数が48件となっているところでございます。4月中には結果が公表できるようにということで、現在審査を進めていただいているところです。

 もう一つの登録実践研修機関・登録日本語教員養成機関については、次の4ページ目に概要をお示ししております。こちらも年に2回のスケジュールで進めておりまして、ちょっと見にくくて恐縮ですけれども、登録実践研修機関のほうが申請件数が38機関、そのうち登録可とされた機関が34機関でございます。登録日本語教員養成機関のほうにつきましては、申請が47機関中、登録可となったのが40機関でございます。こちらは11月29日に結果公表しているところです。

 第2回目の審査について、その下に記載しておりますけれども、実践研修機関が24機関、養成機関が27機関申請をいただいているところでございまして、5月末頃には結果公表できるように今審査を進めていただいております。なお、この実践研修機関、養成機関といいますのは、登録日本語教員や日本語教師の国家資格であります、登録日本語教員になるための養成課程と養成機関ということでございますけれども、これに関連しまして、新しく日本語教員試験が始まっておりまして、御参考に下に記載をさせていただいております。第1回の試験が昨年11月に実施されまして、1万7,000人強の方に受験をいただきまして、1万1,000人強の方が合格者というふうになっております。来年度につきましては、11月2日に試験を実施する予定でございます。

 御報告は以上です。

【清原分科会長】  今村課長、御説明ありがとうございます。

 今、御説明いただきましたように、日本の国際化の状況を踏まえて、国において日本語教育の質の向上というのが問題提起され、それを実行するために日本語教育機関認定法が定められ、そのための機関の認定という役割が中央教育審議会の役割として位置づけられることになり、主として生涯学習分科会の中に設置されました日本語教育部会でその責務を担っていただいていることになりますが、生涯学習分科会全体が責任感を持って中央教育審議会に提案していくということにもなりますので、今、この御説明を共有させていただいたところです。

 それでは、これまでの資料4、資料5、資料6に示されております議事の4、5、6につきまして、皆様から御質問等ございますか。いかがでしょうか。

 オンラインで御参加の方は挙手ボタンを押してください。そして、会場の方は名札を立てていただければ、私から指名をさせていただきます。それぞれの部会の取組等について共有をしていただけましたでしょうか。よろしいでしょうか。もし御意見がございましたら、また後ほど皆様全員から御発言をいただく時間を本日は設けておりますので、そのときに加えて御発言いただければと思います。それでは、次の議題に移らせていただいてよろしいでしょうか。ありがとうございます。

 それでは、議題の5に入ります。先ほど私は冒頭の御挨拶の中で、もちろん諮問に対してしっかりと生涯学習分科会として応えていきたいと申しましたが、あわせて生涯学習分科会として総合的な教育行政に関わることで、重要な案件については、ぜひ主体的に生涯学習分科会も議題にしていきたいというふうにお話ししたと思います。その趣旨に基づきまして、第13期初回の本日の会議でございますが、早速皆様に審議をしていただきたい議題を提案させていただきます。それは、「日本の学位・称号等枠組み(案)」についてです。本件は、前期の大学分科会におきまして、高等教育の人材流動を促進する視点から、先行して議論されています。そして、大学分科会の中で、学位・称号等というのは相対的に親和性があるテーマでございますので御審議が深まって、その内容はおおむね了承されていると報告がありました。

 ただその内容を見てみますと、小中学校や高校までを含めて、国民の学び全般に関わる内容でもございますので、私は国際動向を考えても、日本において早期に議論する意義があると認められるとともに、だからこそ生涯学習分科会の委員の皆様にその内容を報告していただき、確認を得ることが必要と考えて、議題とさせていただきました。生涯学習分科会において、本日、内容を把握し、議論していただき、一定の結論を得たいと考えておりますので、その方向性で御説明を聞いていただければと思います。

 それでは、担当の中安課長から御説明をお願いいたします。

【中安生涯学習推進課長】  お時間をいただきましてありがとうございます。日本の学位・称号等枠組みについて御説明をさせていただければというふうに思います。

 資料は7を御覧いただきまして、1ページを御覧いただけますでしょうか。こちらは今回の件の背景に当たるような事柄でございますけれども、世界の留学生はこの間、20年間で大きく増加をしております。20年間で160万人が640万人ということでございますので、約4倍ということでございます。これによって何が起こっているかということを申し上げますと、教育制度は各国独自のケースが多うございますので、各国教育制度の違う学生たちが、それぞれの国の制度の下で取得した資格ですとか学位ですとか、そういったものを留学等をすると持ち歩くということが起こるわけですけれども、持ち歩く際に、学生個人個人に不利益が生じないようにしていこうという動きが少し前からあったわけでございます。

 2ページを御覧ください。こちらはユネスコの高等教育の資格の承認に関する世界規約というものになりますけれども、左上の枠組みの背景というところに書かせていただいておりますとおり、学習経験の承認をほかの国においても公正に取り扱っていくということの重要性を認識していこうという動きでございます。もっと平たく言うと、日本でいうと高専とか専門学校とかいろんな学校種がある中で、大学ももちろん当然ありますけれども、そういった中で、ここを卒業した人はうちの国に留学生で来たときに、どの学校段階に入学させていいのかとか、そういったことがよく分からないねということが起こりかねませんので、そういったことを整理していこうと。かなり平たく言うと、そういうことであります。

 それで、現在世界規約として世界全体に係っていくもの、それから、それぞれの地域性を配慮して、例えば欧州、ヨーロッパ、北米ですとか、日本であればアジア太平洋という形で6つの地域に分かれた地域条約が発行しております。主な内容の2つ目のポツのところを御覧いただきますと、他の締約国が付与した入学資格や学位等の資格、これを承認し、または評定するということでございまして、先ほど少し申し上げましたが、個人にとって大学や大学院等への進学を希望する場合、教育制度の異なる他の締約国においても、入学試験を受験する機会を確保できるということになっていくものでございます。それぞれの制度が異なる場合であっても、基本的に大きな相違がないと認められる場合には、入学資格を付与していこうという動きが世界的にあるということでございます。

 3ページを御覧いただければというふうに思います。こちらはアジア太平洋地域、日本が参加しているものということになります。東京で締約会議が行われたので、東京規約、一般的に東京コンベンションというふうに言われているということでございますけれども、現在、締約国が11か国プラス1という状況でございまして、高等教育機関の範囲としては、大学、大学院、短大、高専、専門学校、省庁大学校といったところが含まれております。

 主な内容の一番下のところに「国内情報センターを設立し」というものがありますけれども、結局各国の制度が異なりますので、ほかの国から照会、問合せがあったときに窓口となって、日本の制度はこうですよと、ここの学校はしっかりしているところですと。例えばこういう教育制度の下、高専ですとか専門学校ですとかといったことを説明いただくということを、諸外国からの問合せを一元的に対応いただく国内情報センターというものを設立しようというのが、この条約に基づいて締約国に求められているということでございます。

 1ページ進んでいただきまして4ページでございますけれども、御覧いただきますと、日本では高等教育資格承認情報センターというものを、大学改革支援・学位授与機構(NIAD)の中に設置をいただいておりまして、ここがいろいろ世界とのネットワークの中で、様々ことを確認していくということが行われているということでございます。ここで大事になってきますのが、ちょっと繰り返しの部分ありますけれども、それぞれの個人の方が持っていらっしゃる資格が入学資格、次のステップにどう接続するのかし得ないのかということを一般的にしっかりと公表していく必要があるということでございまして、これは一番大きく言うとNational Qualification Framework(NQF)ということで、教育資格枠組みというものが世界中で今ほぼできているという状況ということでありまして、主な国でつくられていないのが日本とアメリカという状況であって、世界の主要国は既にこういったNQFというものを整備しているという状況ということでございます。

 繰り返しですけど、日本の高専の卒業生が外に留学したときに、結局これ何だか分からないで入学させないとか、入学をさせるまでの確認のためにすごく手続がかかってしまって入学時期が遅れてしまうと、そういった不利益が出ないようにということで、日本版のNQFというものを今般整理させていただきたいと、国際的な動向ですとかニーズを踏まえて対応を取らせていただきたいというのが今回の趣旨でございます。

 4ページの資料では、学位授与機構が既につくってくださっていて、こんなふうにレベル1からレベル8までと。レベル1のところを見ていただきますと小学校と書いてあって、レベル2のところでいうと中学校と書いてあります。ただ中学校のところを見ていただきますと、ちょっと細かいですけど、義務教育諸学校とか特別支援学校中等部はいいとして、中卒認定とか、3のところでいうと、高校が原則ですけど高卒認定とか、5ぐらいがちょっとややこしいわけですけれども、短大があって、高専があって、専門学校があってというような状況でございます。

 そういったものを試案を作ってということを既にしてきてくださっているわけでありますけれども、さらにそれを精緻にしようということで、ちょっとこの間議論をさせていただいてたことがございまして、それが5ページから8ページまでは英語バージョン、外国に対して示さないといけないので英語で書いていますけど、9ページに日本語訳のものを出させていただいておりまして、こちらを改めて学位授与機構(NIAD)のほうで御整理をいただくということになっています。

 若干繰り返しになりますけれども、大学、それに相当する学士が出ているもので、6で申し上げますと、大学の卒業というのは学士が出るということでございますけれども、短期大学、高専でも一定の認定専攻科というものであれば学士が出るということがありますので、そういったことでございますとか、レベル5というのが結構いろいろあって、短期大学者は短大の卒業生ということでございますけれども、準学士というのがいわゆる高専の卒業生、専門士がいわゆる専門学校の卒業生といったことになってきますけれども、そういった方々についてもレベル5ということで、日本の制度でいうと、大学学部への編入学を認めるとかそういったことになっているので、そういう形の進学を認める余地があるんじゃないかと、外国においても認めていただく余地があるんじゃないかというようなことで整理をいただいているものということになっております。

 英語版と日本語版を作りまして、世界に向けては英語版で発信をしたいというふうに思っておりますけれども、独立行政法人学位授与機構の名前で出していただいて、今日のこの会で中央教育審議会でも御確認いただけたということでありましたら、文科省としてもこれで問題ないということで、関係諸機関に通知の形で発出し、オーソライズをしていきたいというふうに考えております。

 説明は以上になります。

【清原分科会長】  中安課長、ありがとうございます。

 幸い委員には、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構研究開発部教授の野田さんがいらっしゃいますので、ただいまの報告について、さらに御説明、御意見いただければ幸いです。よろしくお願いします。

【野田委員】  野田でございます。中安課長、ありがとうございます。この学位資格枠組みを議題に上げていただき、大変感謝申し上げます。

 この資格枠組みがなぜ必要なのか、これについては大変分かりやすい御説明を先ほどしていただいたところです。こちらでご提示させていただいた内容は、課程修了要件や入学資格要件などに関する法令の根拠、学校教育法や設置基準などの法的根拠に基づいてマッピングをしております。

 そして、これがなぜ必要なのかということで、大きく3つの背景がありまして、先ほど御説明いただいたところと繰り返しになるのですが、まず一つ目に日本の教育制度や教育資格が外国から見たときに複雑で分かりにくいという指摘がございます。特に学位の中で、学士、修士、博士などはある程度世界標準化されている名称で分かりやすいのですが、日本独自の称号である専門士、高度専門士や、専攻科などの証明書などは、それが一歩外に出たときに接続条件が分かりにくいという問題があります。例えば日本に留学に来た外国人留学生、あるいは日本人が日本の教育資格を持って海を越えたときに、高等教育資格であるにもかかわらず、正確な位置づけが外国では分かりにくいということで、労働市場で高校卒業程度として扱われてしまったり、大学院受験資格が得られず泣き寝入りしてしまうなど、不当な評価を受けている若者の事例が幾つか報告されています。

 特にこういった若い人たちが、年齢は関係ありませんけれども、とにかく学びを継続できる機会と権利を保障するために、きちんと国として正式な枠組みを発信していく、そして更新していく、正しい情報を継続的にアップデートしていくことが重要になってきます。

 2つ目は、国際プレゼンスに関わる問題です。この資格枠組みは、世界の約8割を超える150か国以上で既に開発、導入が進められています。日本政府はユネスコ規約を締結したわけですが、国際ネットワークに入り込んだ今、この資格枠組みを持っていることが所与のものとして、共通通貨として議論が展開されている中で、日本がずっと資格枠組みを持っていません、議論していませんという状況が大変苦しくなってきた、待ったなしの状況であります。

 確かに今まで先進国の中で、アメリカ、日本だけがこういった枠組みを持っていないというふうに言われていたのですが、ついにアメリカでも非政府組織のコンソーシアムという形ではありますけれども、この枠組みの開発に向けて動いているという状況です。

 3つ目は、これは中長期的な話になりますが、必ずしも国際モビリティだけではなくて、国内のリカレント教育、生涯学習、リスキリングを進める上で、この資格枠組みが活用されているというのが今の国際的な動向になっています。つまり、海外では次のフェーズに進んでおり、日本でもこういった学校教育資格だけでなく、職業と教育のモビリティを円滑に進めることや、異なる教育セクター間の資格のポータビリティを高めることなどを通じて、生涯学び続けられる、学び直しができる環境を整えることが重要になっています。その観点から、この枠組みは支援ツールとして非常に重要なものとなるため、ぜひお認めいただければと思います。

【清原分科会長】  ありがとうございます。何よりも1点目、学びの継続性を保障していくこと、2点目に国際的なプレゼンスに関わること、3点目に国際的な視点だけではなくて国内的なリカレント、リスキリングにも非常に有用な制度であるということでした。

 専門学校の関係で、大平さん、この仕組みについて何か御意見ございますか。

【大平委員】  ありがとうございます。生涯学習分科会の前期12期のほうでも、まとめでNQFについては言及されておりまして、その中で全専各連としましても実現を目指しており、こうした教育レベルを可視化したフレームワークは必要だというふうに思っております。

 先ほど、海外から見ると複雑過ぎるという中で、専門士というお話もございましたけれども、まさしくそういったことじゃないかなというふうに思います。

 今回提示いただきました枠組み案につきましては、学位と併せて称号についても適切なレベルで整理されているというふうに思っており、我が国の教育の国内外の通用性、人材流動性に資するものだというふうに考えております。ぜひ整備を進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 野田委員、大平委員から、今回の御報告について、やはり適時適切に日本国として、国際的にも国内的にも示していくことの有用性があるとの御発言ありました。

 ほかの皆様、いかがですか。よろしいですか。大丈夫でしょうか。では、牧野副分科会長、どうぞ。

【牧野副分科会長】  ありがとうございます。私もとても大事なことなので、ぜひ進めいただきたいと思うのですけれども、ちょっとずれるかもしれませんが、こういういわゆる資格枠組みの問題と、それから、いわゆるデジタルバッジですとか、それからマイクロクレデンシャルなど、世界で標準化が進んでいると思うんですけれども、そんなものへの乗り入れというのか、または日本独自に発信しながら、世界的に通用するような仕組み、いわゆる資格や学位を持った方々が、自分で管理しつつ、自分が提出したいものを提示できるような仕組みというのはお考えになっているのかどうか、もし何かお考え等ありましたら少しお聞きしたいと思ったのですけれども、いかがでしょう。

【清原分科会長】  では、中安課長、どうぞ。

【中安生涯学習推進課長】  ちょっと直接の担当外でありますので、ただ関係で省内で議論して、あと野田さんからもし補足あればというふうに思いますけれども、デジタルバッジについては、特に学位については、ちょっとどこまで言っていいのかあれなんですが、取りあえず一部の大学という申し上げ方をさせていただきますけれども、一部の大学のコンソーシアムみたいなものが組まれまして、そこでどういった形で推進をしていけるかということが議論されて、具体化に向けて進めていこうという話だと思っています。ただ、デジタルバッジはどこから始めるのかみたいな、学位みたいなところから始めるほうがよろしいのか、それとももうちょっとよく言われる、先生もおっしゃったようなマイクロクレデンシャルみたいなところでやっていくほうがいいのか、どっちもプロコンというか、メリット・デメリットがあるよねという議論の中で、また、国際通用性どうするのかという議論もあって、ちょっとそこも見ながら、デジタル庁とか関係省庁とも相談しながら、現在議論をさせていただいているところだというふうに思っております。

【清原分科会長】  山内委員が国際的な高等教育の取組をされているので、もし何らかの情報があれば御発言いただければ心強いです。

【山内委員】  ありがとうございます。まず、本日の御提案は大変重要なもので、この計画は本当に進めていただければと思います。

 その上で、マイクロクレデンシャルとかオープンバッジは、高等教育そのものというよりも、そこから社会に開かれた生涯学習の仕組みから、MOOCが代表的ですけれども、出てきたということで、必ずしも同じルーツではないかなというふうに思います。

 ご提案のようにフォーマルエデュケーションのほうが互換性が高まってくると、インフォーマルの方も互換性の議論が進んでくると思います。マイクロクレデンシャルは質保証の問題があって、議論が進んでいますが、ここはとても重要な分科会で、つまりフォーマル・インフォーマルを両方見ることができるということが非常に重要ですので、今回の議論に引き続いて、できましたらマイクロクレデンシャルのほうもどのような状況になっているかについて、多分最終的には接合する部分が必ず出てきますので、議論ができると建設的かと思いました。

 以上です。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 野田委員、何かございますか。

【野田委員】  ありがとうございます。マイクロクレデンシャルについては、高等教育機関においても非常に関心が高まっていて、履修証明プログラムや数理・データサイエンス・AI教育プログラムなど、それらをオープンバッジ化したり、様々な形で在学生や社会人向けの短期のコースが展開されていると思います。先ほどおっしゃっていただいたとおり、そういったマイクロクレデンシャルが今後拡大、増えていったときに、乱立が問題となるわけですが、その質保証や通用性をどうするかが次のフェーズになるかと思います。その中で、例えばこういった資格枠組みや共通のプラットフォームと照らし合わせたときに、プロバイダーから見たものと受け取り側から見たものが共通に理解されるように、例えば「これはレベル6です」、「レベル7です」といった形で説明していくことが考えられます。まずはデジタル化される前にきちんと質保証を行い、それを表現としてデジタル化していくという形になっていくと思いますので、まずは表現のデジタル証明の前に、どういった形で共通理解が進められるのか、どのような基準でもってある程度質保証されていると言えるかについて、国として整理し、指針として出していければなと考えているところです。

【清原分科会長】  ありがとうございます。牧野委員、よろしいですか。

 ありがとうございます。ただいまの中安課長の御報告を受けて、まさに生涯学習分科会として、国際的にも国内的にも学位・称号の基準について明確化していくことが、学習者の学びの保障について不可欠であるということ、そして、高等教育や学校教育機関だけではなくて、幅広い民間も含めた学習機会の中において、それをどのように資格・称号、あるいは関連性をデジタルバッジというような形で進めていくかという課題が浮き彫りになり、それこそまさに生涯学習分科会が取り組むべき課題の1つだということも共有されましたことを心強く思います。貴重な御意見ありがとうございました。

 それでは、中安課長が御報告いただきましたように、国際規約の責任を日本が果たして、御報告いただいた「日本の学位・称号等の枠組み案」の精緻化と、そしてまた国際的な発信のことについて、皆様、御承認をいただいたということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【清原分科会長】  ありがとうございます。それでは、事務局におかれましては、ぜひ迅速にこの取組を進めていただければありがたいと思います。

 それでは、ほかに事務局から事務的な連絡はございますか。いかがですか。

【粟津生涯学習推進課課長補佐】  12期の生涯学習分科会で書面審議を行いました結果の報告ですけれども、説明は割愛させていただきまして、参考資料4を御確認いただければと思います。

 続いて、今後の審議スケジュールですけれども、本日部会の設置を決定いただきましたので、今後部会において議論、審議を進めていただきまして、適切な時期に生涯学習分科会にも報告審議をしていただければと思っております。

 次回の開催日程については、部会の審議状況を踏まえて、追って日程調整の上、委員の皆様に改めて御連絡させていただきます。

【清原分科会長】  ありがとうございます。第13期初回から、これまでの取組を踏まえるだけではなくて、今のような重要な課題も審議していただきありがとうございます。

 それでは、これから、今期の始まりに当たりますので、皆様お一人おひとりから一言ずつご発言をいただきたいと思っています。時間の都合で、早退される委員を優先してまず指名をさせていただきますので、基本的には名簿の順でお願いします。まず、内田委員、一言お願いします。

【内田委員】  皆様、改めまして、内田でございます。

 今期に、先ほど議論いただいたような重要な案件がまたこちらの生涯学習分科会のほうで持ち上がるということで、皆様と議論を続けていただければと思っております。

 冒頭申し上げましたとおり、教育振興基本計画において日本型のウェルビーイングをどのように実現をしていくのかということについての議論にコミットして務めさせていただきました。生涯学習は地域コミュニティと連携をしながら、いかに一人一人が社会に参加をする機会や枠組みをつくっていくものだと思っています。それに関連すると、多様性をどのように包摂をしていくのかというテーマもこの分科会の中では重要な論点となっていくのではないかと思います。

 その先にあるのは、やはり一人一人のウェルビーイングであり、また、そうした場づくりであり、地域や、あるいは様々な観点でのコミュニティを支えていくということが、この生涯学習分科会の基本的な観点になるのかなと考えております。
 
【清原分科会長】  内田委員、ありがとうございます。

 それでは、オンラインで御参加の塚本委員、御発言をお願いします。塚本委員、どうぞ。ごめんなさい、時間の都合で既に退席されたようです。ごめんなさい。早めに指名することができずにおわびします。

 それでは、名簿の順で、都竹委員、お願いいたします。

【都竹委員】  今期から委員を拝命いたしました、岐阜県飛騨市長の都竹でございます。直近まで社会教育の在り方に関する特別部会の委員もさせていただいております。

 今回、重要な議題についての分科会の議論ということになりますが、当市におきましては、平成30年から市内の保育園から県立高校までを1つの学園と見なしまして、共通の考え方の中で、幼児期から積み上げ方式で課題解決能力の育成を目指そうという、飛騨市学園という構想を打ち出して取り組んでおります。その中で、地域学校協働活動、コミュニティ・スクール、その中での探究学習ということを市内小中学校、高等学校で全面的に展開しておるんですが、その中で、子供たちの課題解決の学びというのは子供たちで止まることは当然なくて、そのまままちづくりに直結するという意識を非常に強く持つようになりました。

 やはり幼児期から高齢期まで、まさしく人生100年の中で学びの保障があるということが本当に重要である、これからの地域づくりの中で不可欠であるということを考えまして、様々な生涯学習講座、あるいは地域づくりの講座等と統合して飛騨市民カレッジという名前で、現在学びの場の提供という取組を進めております。

 これは12期の分科会の中でも大きな議論であったというふうに承知しておりますが、人生100年時代のウェルビーイングにつながる、まさしくそうであるというふうに考えておりまして、こうしたことを保障するのは我々のような基礎自治体の重要な役割だというように考えております。その担い手の社会教育人材、当然ながら社会教育主事、社会教育士という皆さんが担っていくわけでありますが、同時に様々な多様化が進んでいるというのが現実でございまして、コーチングですとかファシリテーションの教育を受けて、自ら活躍しているという者もたくさんいるわけでございます。それから、何といってもまちづくりの実践者、専門の教育を受けてなくても実践者という立場で、非常に優秀な能力を持っている方もある。やはり地域の中で今後拡大していくには、そうした多様な担い手というものがこの社会教育の中に関わっていくということを考えていく必要があるんじゃないか、そうした体制づくりが必要じゃないかと、こんなことを考えておりまして、社会教育という枠組みもできてから70年以上ということでございますので、時代に合わせたアップグレードも必要じゃないかなというようなことで、卒業のない学び、あるいはコミュニティづくりに直結する学びという観点の中で、様々な議論をさせていただければと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 以上です。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 次は萩原委員なんですが、公務で中途退席もされますし、先ほど副分科会長就任の御挨拶をされたので、今回はいいですよということですので、お申し出に甘えて時間の配慮から、続きまして、浜田委員、御発言お願いします。

【浜田委員】  失礼いたします。浜田でございます。前期から、日本語教育機関認定、それから、日本語教育認定機関で教える教員の養成、研修ということで、登録日本語教育・日本教員養成機関等の認定に関して、この分科会に日本教育部会を設置していただきまして、おかげさまで初年度は何とか滞りなく様々な作業を終えることができたというところでございます。

 それ以外にも、私、この生涯学習分科会に加えていただきまして、大変ありがたいと思っていることがございます。それはやはり、外国人の日本語の学習を、リカレントとかリスキリングということも含めた生涯学習の中に位置づけていただくことができたということ。そして、目的としてウェルビーイング、外国人の方についてもウェルビーイングという概念で位置づけることができたということ、これが非常にありがたいことだというふうに思っております。

 それを踏まえましてもう1点なんですけれども、先ほど牧野副分科会長のほうから、今新しいつながりを編み直すということが社会全体に求められているというふうなお話がございました。その中には従来の地縁・血縁と異なる、ニューカマーであります外国から移住をしてきた人々も当然含まれ得るだろうというふうに考えております。もちろん少子高齢化を背景として、外国人の受入れの数が非常に増えておりまして、そういった制度としては整ってきているんですけれども、午前中の総会でも、制度ができてもマインドが変わっていかないと駄目なんだというふうな御指摘もございました。残念ながら、もちろん非常に温かく受け入れてくださっている地域、前期も自治体の御報告ございましたけれども、そういう地域がある一方で、やはり無理解に基づくヘイトのようなものもなかなかなくならないというふうな現状がございます。ですので、ぜひとも今期、社会教育について、これからいろいろ御議論がなされるというふうに伺いましたけれども、その中に、受け入れる私たちも、新しい社会をつくっていくために、様々な学びをしていかなければいけない。その中に、言語や文化の背景の異なる人々とどうやって一緒になって社会をつくっていくかと、そういった観点も社会教育の構想の中にぜひ組み入れて議論をしていただければというふうに思います。

 以上です。

【清原分科会長】  ありがとうございます。内田委員、都竹委員、そして浜田委員、共通してウェルビーイング、そして地域コミュニティの重要性について、御指摘いただきました。

 それでは、これから臨時委員の皆様に順次御発言いただきます。まず、熱田委員、お願いいたします。

【熱田委員】  広島市戸坂公民館長の熱田です。今日、ネットの状況が安定していなくて     。

 12期に引き続きまして、今期も声をかけていただきましてありがとうございます。  あまりにも早く話すと聞き取れないからとよく言われるので、コミュニケーションを……。

【清原分科会長】  すみません、熱田委員、映像を切って御発言いただけますでしょうか。ごめんなさい、電波状況、通信状況の関係で。ありがとうございます。よろしくお続けください。

【熱田委員】  こちらのほうで聞き取れていらっしゃいますか、大丈夫ですかね。

【清原分科会長】  よくなりました。お願いします。

【熱田委員】  地域の方といつもお話をするときにはスローコミュニケーションを心がけていまして、話す速さということではなく、もっと違う意味もあるんですけれども、スローコミュニケーションに随分慣れていまして、私、前期の議論の皆様のお話が非常に深くて早くて少々付いていけなかったことを反省しております。今期は予習、復習をしっかりして皆さんの御議論についていけるように頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 私、日々現場にいて感じることを2点ほどお伝えしたいと思っています。私のいる戸坂公民館というのは、エリア内の人口が約2万6,000人で、1中学校区の中にあるんですけど、小学校が3校と私立の中高一貫校、あと県の特別支援学校、旧盲学校で、目の不自由な子たちが通っている学校があります。非常に学校が多いエリアですので、若者とつながるということができるように、いろいろな事業をしています。例えば、高校の将棋部の生徒さんとか、中学校の茶道部の生徒さんに小学生に体験会をしてもらったりとか、特別支援学校の先生や生徒さんに点字、打つ点字を教えてもらったりしています。若者が地域で活躍できる場づくりというものに力を入れてきたのですけれども、その中で公民館の一室を開放して、Zoomで学校からも様子が見られるようなまちの自習室を開設したんです。中高校生が自習できるようなスペースを公民館の中につくったのですけれども、この自習室を開放したのは、実は私は小中学校の運営協議会のメンバーでもあるのですが、中学校の不登校の生徒があまりにも多くて、特に目的とかなくても誰でも行って自習ができるような、そういったところがあればいいかなと思ったのがきっかけだったんです。

 不登校の子供たちの情報というのは、あまり学校のほうから共有していただくことができないのが現状で、この子たち、成人したとき果たして社会の中で自立していけるのかなというのが非常に気になっておりまして、学校だけではなくて、社会教育とか生涯学習の分野においても、不登校の子たちを受け入れられるような、そういったことができるような議論が少しできればいいなというふうに思いました。

 あともう1点は、12期の分科会でもいろいろお話があったかと思います。先ほどもお話が出ていたと思うんですけど、地域コミュニティの重要性というのは、今どこの行政部署も随分認識をしていて、共に手を取り合って連携していこうというような動きはあると思うんです。国ではそのような動きがすごくあるのではないかと思うんですけれども、私のいる地方のほうでは、まだまだ縦割りの行政の形になっていて、社会教育についての認識というのが、行政職員にはあまりないように思っています。昔は公民館も直営で運営されていたので、若い行政職員が社会教育の現場に多くいました。行政に帰ったとしてもそういう様々な場面で社会教育の現場でのことが活かされてたと思うんですけれども、今は私たちのように指定管理で社会教育施設を運営しているところも多くて、行政職員が社会教育を学ぶ機会というのがないというふうに感じています。それが連携をしたりとか、情報を共有したりできない要因じゃないのかなというふうに考えているところです。

 国民の社会教育について認識を深めるということとともに、行政職員に社会教育というものを浸透できるような具体的な方策について、お話、議論ができたらいいなというふうに思っています。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 皆様、今日実は15時までの予定になっておりまして、今後15名の方に一言ずつということになっており、単純計算でも1人2分程度でお願いしなければなりませんが、皆様の御高配よろしくお願いいたします。

 それでは、オンラインで御参加の大久保委員、お願いします。

【大久保委員】  ありがとうございます。大久保でございます。私は、一昨年、昨年から継続をして、今回も委員を務めさせていただくことになりました。

 私の専門領域は、職業能力、人材育成、キャリアといったことでございまして、この領域で長年研究を続けているわけでございますけれども、先ほど日本版NQFの整備のお話を聞きながらちょっと思い出しておったんですけれども、職業領域でも、職業能力評価の基準づくりというのを以前取り組んでいて、なかなか進まなくて苦労したという経験があるんですけれども、日本もいよいよ外国人の留学生も増え、国内の労働供給制約があって、外国人労働者の数、本当にこれから増えてきていると、ますます増えるだろうと言われている中でございますので、国をまたぐ教育の仕組み、ルールの整備、それからできれば、教育の領域からさらに職業のところへの接続も考えた仕組みづくり、こういったものが進めなければいけない、本当に取り組まなければいけない時期に来ているんだなと改めて実感をしたところでございます。

 日本語教育の問題も含めてでございますけど、様々な議論に貢献できればというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

【清原分科会長】  大久保委員、ありがとうございます。

 それでは、大平委員、お願いします。

【大平委員】  大平でございます。よろしくお願いします。

 日本語教育機関認定制度についてですが、審査コメントから考察すると、日本語を教えることもさることながら、日本人の倫理感や振る舞い、それからルールやマナーなど、日本というものを教える必要性もあるというふうに考えております。登録日本語教員にそれを求めるのか、それとも生活指導担当がそれを教えるのか、言語活動にはない項目を、指導内容ですとかカリキュラムに組み込む必要も今後出てくるのではないかということも思っております。

 日本語教育機関の認定制度の着実な実施のためのフォローアップ体制も重要で、認定機関の質の管理と、認定準備中の機関へのサポート体制についてもどう考えるべきかは審議の対象ではないかと考えております。
専門学校や大学への進学に必要な日本語能力は何かということはもちろん、外国人が日本で就職し、定着し、活躍していくためには、仕事上で必要な日本語能力とかスキルなどは何なのか、これについての議論も必要だと思っております。採用する企業側の視点からの審議も必要で、これがないと一方通行になってしまうのではないか思っております。

 外国人の日本語教育とは別に、学校側が生活指導担当を置くすように、企業側にも同様な人を置いて、受入れ側の日本企業の外国人労働者の育成、指導の在り方、活かし方についても審議していくことも必要だと考えています。

 それから、12期のまとめにありましたけれども、日本に住む外国人子弟への日本語教育問題については地域においても将来に大きな問題になるおそれもありますので、それと先ほどマインドの醸成というようなこともお話がありましたように保育士や小学校教諭などにも日本語教育や異文化への理解が求められますし、教えることも必要だと考えております。そういった中期的な視点に立つ日本語教育の在り方について議論していくのはいかがかなと思って提案させていただきます。

 以上です。

【清原分科会長】  ありがとうございます。日本語教育が言語教育にとどまらない広がりを発言していただきました。

 それでは、続いて加藤委員、お願いします。

【加藤委員】  加藤早苗でございます。よろしくお願いいたします。私も、続けて日本語教育に関する視点から御挨拶させていただきたいと思います。

 先ほどからお話がありましたように、去年の4月に日本語教育機関認定法というのができまして、そこで認定日本語教育機関、それから、養成に関しては登録日本語教員養成機関、そして、実践研修機関がスタートしたところです。これらの制度で期待されるのは、日本語教師が法的に位置づけられたということによって、その果たす役割や専門性、そういったものの認識がまず高まるであろうという期待、そして、ひいては日本語教師の社会的認知とか経済的自立とか、そういったところにつながるところにあるというふうに思っています。

 同じように日本語教育機関についても、社会的位置づけを確実なものにするために、今後本当に多方面と連携して、持続可能な関係性をどのように構築していくかということが重要な課題になるというふうに思っております。具体的には、例えば補助金制度であるとか、奨学金制度の充実というような直接的な財政支援、それから、企業との連携とか、自治体との協力といった間接的な支援が必要だということです。認定日本語教育機関への経済的支援というのは、単なる語学教育の充実だけではなくて、日本全体の労働力の確保、それから、地域の活性化とか国際化の促進につながる施策になると思っております。

 日本語教育機関は、留学生の未来を支える第一歩となる存在だというふうに思っておりますけれど、その未来というのは、留学生個人の未来だけではなくて、日本の未来も支えることが期待されております。そのためには、「日本語教育機関認定法」認定法が趣旨とする「日本語教育を適正かつ確実に実施する」機関と、それから、専門性を備えた日本語教師の質と量の確保が必須となります。現状の問題解決の道幾つもあるというふうに認識をしておりますけれども、それを日本語教育を超えた、国全体で切り開いていかなければ前に進めないにととても強く思っております。

 日本語教育部会がこの分科会の中に立ち上げていただいたことをとてもありがたいと思いながら、今期も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

【清原分科会長】  ありがとうございます。まさに日本語教育は生涯学習と密接なつながりがあることを再確認いたしました。

 それでは、金子委員、お願いいたします。

【金子委員】  金子でございます。前期からの引き続きということになります。

 私は労働組合の立場ですので、働く者、また、生活者の視点から、課題意識を持って取り組んでまいりたいと思いますし、今日の日本語教育でもそうなんですけれども、資源のない国で、やはり人の価値をいかに高めていくか、こういった視点が極めて重要だろうと思っております。

 前期、12期で取り組んできた観点で2つだけ少し簡単に申し上げたいと思うんですが、1点は、リカレント教育についてです。DXやGXといった視点はすごい分かりやすいんですけれども、やはり社会の環境の変化のスピード、また、その複雑さといったものが、今後ますます増していくということが想定されると思います。そういった中に対応するためにも、誰もが学びたいときに学べる環境づくりや、または働く場と学ぶ場を行き来できる環境づくりというのが今後重要になってくるんじゃないかなと思っております。こういった観点で、今後も意見申し上げていきたいと思います。

 もう1点は、社会教育についても、前期に論議があったと思いますが、やはりどうしてもここは地方を中心に、そうは言ってもなかなかそういった人材が採れないという声が多々あったんじゃないかなと、私個人もそういうふうな印象を持っております。そういったことを実現していくために、社会教育に関わることにいかにメリットを置いていくとか、人材をどう確保していくかといったことを、これは事務局のほうなのかもしれませんけど、予算の確保を確実に取っていただくということも含めて、しっかり進めていただければと思っております。

 いずれにしましても、引き続き、子供たちや大人たち、そして地域に関わる人たち、三方よし、こういったことが成り立つような議論に積極的に参加させていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

【清原分科会長】  ありがとうございます。働く人の視点、とても重要ですので、三方よしで頑張りましょう。

 それでは、古賀委員、お願いいたします。

【古賀委員】  古賀です。私も第12期から、こちらの分科会と特別部会に関わらせていただいております。

 四半世紀ほど中間支援のNPOとして、人材育成と協働、いわゆるコラボレーションのコーディネート役というところに重きを置いて活動してきました。人材育成については、昨年の春から大学のビジネススクールでも担当するようになっているんですが、中には社会教育主事講習をきっかけに開眼をされ、様々なところとのつなぎ手、ハブとならんというふうに活躍する人材も増えてきており、改めてプレーヤーは本当に各所に増えていることも実感をしております。

 つい先週、福岡県と2か年来取り組んでいる「農村RMO形成」という取組の報告会を行いました。50名ほど参加をされ、浮き彫りになったのが、それこそハブなりコーディネーターの必要性、それから先ほど熱田委員が強調されていたんですが、基礎自治体である市町村のコミットメントもどうしていくかが改めて論点になっていました。

 政策領域やフィールドは違っていても、つなぎ手、それから基礎自治体がパートナーシップをいかに組んでいくかというところは、何かやっぱり改めて共通の論点になっているなと思っていまして、この第13期においても、「社会教育」というタグがつく人材をいかに増幅させるかということと、いかに行政の関わりを民間から見い出していくかというところに重きを置いて参画をさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【清原分科会長】  こちらこそよろしくお願いします。

 それでは、関委員、お願いします。

【関委員】  関でございます。

 私からは、少し否定的になるかもしれませんけれども、地域コミュニティなるものは、今本当に厳しい状況にあると正直思っています。形骸化してしまった部分が多分にあって、それをどう今から取り戻していくか。昔、昭和の頃には共通感覚なるものが地域に間違いなくあったと思うのですが、平成を経て、いつの間にかそれが失われてしまっている気がしてなりません。それをどう取り戻していくか、まさに対話が大事ではないかなと思います。

 それと、先般の特別部会での東さんの発言の中にもありましたけれども、今の若者世代には、おそらく社会教育の概念そのものが理解されていないというか、持たれていないのではないかなと感じます。今だからこそ、社会教育というものを誰もが理解できるような形で翻訳する必要があるのではないかなと思っております。

 そしてもう一つ、社会教育の事業や活動が、昔はかなり沢山あった気がするのですが、いつの間にかそれが縮んできている、その現実も忘れてはならないと思っています。活動が減少していくことで人のつながりも薄れていると感じています。

 また、誰一人取り残されない学びと言いながら、先ほど外国人のお話もございましたが、障害者に対してのアプローチというものも、これまでの社会教育の中ではなかったような気がします。誰一人取り残すことのない包摂の学び、そういったものを理念で終わるのではなく、具体的にどう実践していくか、そういったものについても議論していいのかなと感じます。

 最後に、若者達が子どもも含めて、大人にコントロールされて動くのではなくて、自らが主体的に動いていけるような、自分の希望を高めていけるような、そういうふうな学びの場が増えればいいのかなとも思っております。

 以上です。よろしくお願いします。

【清原分科会長】  ありがとうございます。ちゃんと厳しく現実を見ながら、若者の未来を切り開く力を期待したいと思います。

 それでは、オンラインで田名部さん、いらっしゃいますか。

【田名部委員】  今期からお世話になります。全国高等学校PTA連合会会長の田名部と申します。

 今や義務教育修了後、多くの子供たちは高等学校進学ということで、選択的な生涯学習の第一歩に進まれているのではないのかなというふうに思っております。また、我々PTA、いわゆる先生と我々保護者の会でございますが、我々PTAなくして地域コミュニティ、また、文科省が進めるコミュニティ・スクールというのはあり得ないのではないのかなと我々は自負しておるわけですけれども、昨今、PTAの不要論だとか、任意なので入らなくていいんだみたいな、そういうような議論がたくさんあるわけですけれども、必要な組織なのに任意であるとか、入らなくていいとか、非難を受けるというのが、先ほど別の委員もおっしゃっていましたけれども、地域コミュニティの衰退する一方なのではないのかなというふうに思ってございます。

 これから保護者の立場、そして先生方の声をしっかりと皆様方にお話しさせていただきまして、よりよい生涯学習ということに進んでいけるようにお話しさせていただければいいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

【清原分科会長】  ありがとうございます。保護者の視点、地域住民の視点、大いに発揮していただければと思います。

 それでは、戸田委員、お願いします。

【戸田委員】  改めまして、今期、委員に加えさせていただきました、公益社団法人国際日本語普及協会の戸田でございます。よろしくお願いいたします。私どもの協会は、主に外国人を対象とした日本語教育を行っている機関でございまして、その視点から一言述べさせていただきます。

 浜田委員、また大平委員の御意見と多少重なることがあるかと思います。現在、多様な文化背景を持って、多様な目的を持つ日本語教育を必要とする人たちが全国に居住しています。日本語教育機関の認定法の下、学習者が安心して学べる、環境というのが整ってまいりました。ただ、都市部、外国人の集住都市に比べ、散在地域に住む人たちへの教育というのがまだまだ広がっておりませんで、具体的な施策が課題となっていると考えます。

 そこで、本日この場にて申し上げたいと思うことは2つでございます。1つは、学びを必要とする人たちに関わる企業、地域の人々に日本語教育の重要性というものを理解していただいて、また、その日本語教育を支えていただきたいということ思っております。

 もう一つは、やはり文化の違いというものも考えなくてはならず、文化背景の異なる人たち、そして受け入れる私たちにとっても、文化理解教育というものが非常に大切ではないかと思っております。学校、企業、地域において、文化背景の異なる人たちの当事者の声も交えて、ぜひこの教育を行うことが重要だというふうに考えております。

 双方学び合う社会の実現を願っております。そのためには、やはり先ほど来皆様がおっしゃっているように、各分野の連携というものが必要ではないかと感じております。以上でございます。

【清原分科会長】  ありがとうございます。文化の視点の重要性を改めて再確認いたしました。

 それでは、野津委員、お願いいたします。

【野津委員】  島根県の野津でございます。

 地方の行政として、多分お声がかかっているんだろうということでございます。決して政権批判をするわけではありませんけれども、東京一極集中が解消されない、例えば法人税に大なたを振るってまで企業を外へ出そうという気が、手法がない中で、地方というのは、今の人口構造が変わらないことがもう決まってしまっていると。出生率が2.07を超えない状況であると、さらに人が少なくなる。こういった中で地方のコミュニティをどうやって維持していくのかというと、誰一人、地域コミュニティから引退させないということが大事。みんなに参加していただく。そのためには、やはりお金で報酬払って出てきていただくことなんかできませんので、やっぱり人の心だろうと。向上心であるとか、使命感であるとか、達成感であるとか、そういった人の心のエネルギー、満足というエネルギーで、人々に地域コミュニティに常に関わっていただくことが必要だろうと。そういったことに、社会教育というのは大いに役に立つんだろうと、手法としてこれしかないんだろうなというふうに考えております。

 そして、そういった人々が地域社会維持するのに現代的な地域課題の解決、もう運転手さんがいないのでバスも来なくなった、足をどうするのかと。訪問介護の介護報酬が下げられて、地域は物すごく赤字になる、介護が受けられない状態が実際出てくると。こういったことをどう解消していくのかというところを、地域を挙げて相談していかなきゃいけない状況があります。それをやはり解決して現実的に行動に移す力というのが、社会教育の地方での求められる大きな役割だろうというふうに思っております。

 そして、そういった単なる最後使命感、暮らしだけでは、人の満足の永続性が薄れていく。やはり先ほど都竹委員が御紹介された飛騨市学園、子供の小さなときから大人になるまでの学びの一貫性というのは、地方では、我々のほうもやっておりますけれども、そういったことに地域の大人が関わることが世代を紡ぐ、こういったことが大きな大人のエネルギーになる、共通項としてエネルギーになるだろうと思っていまして、こういったところをしっかり今後の議論で掘り下げていければなというふうに思っております。

【清原分科会長】  ありがとうございます、野津委員。地域コミュニティから誰も引退させないような方向をということ、心のアンダーライン引きました。

 それでは、野田委員、お願いします。

【野田委員】  既に複数御意見いただいておりますけれども、リカレント教育を進めるということで、今、世界各国、欧州EU、アメリカ、オセアニア、中東、アジアなどで、国民が柔軟に学び続けられるシステムをいかに整備するかが重要なテーマになっています。これはスキル不足、スキルギャップを埋めるという雇用や経済の目的もありますけれども、個人が学び続けられる機会、権利を保障するということにも関わってきます。先ほどマイクロクレデンシャルの話がありましたが、提供するということだけではなくて、個人が正規教育外で得た職業経験や職業資格、過去に得た様々な学習経験を、例えば学び直しの際に単位に読み替えるとか、一部履修科目を免除するといった形で学習の重複を減らすといった仕組みづくりにより、教育と職業間の行き来に関する障壁を減らしていくということが求められていると思います。

 こういった世界の動向を踏まえましても、多様なセクター間を柔軟に移動しながら学び続けられる学習パスウェイを整備していくこと、システムや枠組みを検討していく必要があるのではないかと感じております。

 以上です。

【清原分科会長】  ありがとうございます。地域コミュニティと同時にグローバルな視点を持つことで、職業と教育の相互関連性を柔軟にしていくという方向性も重要と思います。

 それでは、東さん、どうぞお願いします。

【東委員】  喜入マナビバプロジェクトつわぶき代表、そして大学2年生の東琴乃です。私は、大学のほうではまちづくりと福祉を勉強しております。今年度からは社会教育主事、社会教育士養成課程も受講していて、養成課程を実際に今受講していたり、まちづくりを勉強しながら、今回の議論に臨みたいなと思っているところです。

 そして、高校1年生のときから地元のほうで地域活動を行っておりまして、若者、中高生が利用できる自習室の提供であったり、中高生と一緒にイベントを企画していたりしております。高校のときから地域活動に取り組んでいる中で、若者だからこそ活躍できた面も、若者だからこそ大変だったり、難しかったりする場面も多くございました。その場面の共有をしながら、皆様と一緒に、皆様から学びを吸収しながら、この議論に臨めたらなと思っております。よろしくお願いします。

【清原分科会長】  ありがとうございます。午前中、中央教育審議会の総会がございまして、私は、発言の中で、東さんが社会教育特別部会の中で、高等学校の探究学習と、そして社会教育、さらには地域活動が密接に関連しているという発言をしていただいたことを紹介しながら、子供、若者を含む学習者本位の取組について、当事者の意見を反映していくべきであるというようなことを申しましたら、ほかにも複数の委員の方が、子供、若者当事者本位という中教審の方向性を発言してくださいましたので、お伝えしておきます。

 それでは、まず、オンラインで御参加の松本委員、そして続いて山内委員の順でお願いします。

【松本委員】  松本でございます。本日はありがとうございます。

 まさに今、清原会長がおっしゃられたこと、それから、東委員がおっしゃられたことと私は共通するかなというふうに思ったんですけれども、地域コミュニティの基盤を支える今後の社会教育の在り方と推進方策の中で、やはり子供の声を反映する社会教育、生涯学習ということを私も大事にしてまいりたいというふうに思いました。やはり人を中心に社会教育を取りまとめるという観点でも、子供の目線であるとか、あるいは子供の声を、あるいは若者もそうですけれども、私としては大事にしてまいりたいということをやっぱり忘れずにおりたいなというところでございます。

 例えば図書館であるとか、あるいは青少年教育施設などにおいて、子供司書であるとか、あるいはジュニアボランティアなど、子供が活動づくりに関与する取組などを拡大していくというようなことであったりとか、あるいは子供の参加の、子供の興味、関心に沿った社会教育の内容であるとか、方向性を子供たちと共につくっていくということも大事ではないかなというふうに思うところもあったりいたします。

 あるいは、社会教育計画であるとかプログラムの立案過程においても、子供たちの意見を取り入れる仕組みも大事かなというふうに思いまして、例えば、各自治体における社会教育委員会であるとか、あるいは公民館の運営協議会等もございますけれども、子供たち、あるいは青少年の代表枠を設けるなどをするようなことをしながら、あるいは定期的に子供たちがニーズを聞き取るワークショップなどを開催することも考えられるかもしれませんが、そういったことを大事にしてまいれればというふうに思うところもございます。

 当分科会でも、これまでも指摘されてきましたように、子供が幼い頃から社会教育の楽しさを知っていき、将来の担い手として育っていくような、そんな道筋をつくることが大事なのではないか、そんな議論もあったかと思います。そのためにも子供の声を起点とした魅力的な社会教育、生涯学習の実現を、皆様との議論の中で今期も目指していければというふうに存じます。

 どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。

【清原分科会長】  ありがとうございます。いつも大事な子供の視点を提起していただき感謝します。実は、先週開かれた社会教育の在り方特別部会では、地域学習推進課にインターンシップで来ていた島根大学の学生さんが事務局を手伝ってくれたんですが、島根県の社会教育委員をしているということでございまして、松本委員が御提案されていることをもう実行している自治体もありますし、都竹市長が言われたように、飛騨市では保育園から飛騨コミュニティカレッジ、飛騨学園構想で取り組んでいらっしゃるので、ぜひぜひこのことは浸透させていければと私も共感いたします。

 それでは、山内委員、お願いします。

【山内委員】  山内でございます。第12期に引き続き、よろしくお願いいたします。
 
 私は大学院情報学環というところで、生涯学習領域も含めて、オンライン学習やハイブリッド学習について研究してまいりました。先ほどの発言の少し補足をさせていただきますと、私が会長を務めております日本教育工学会でも、最近マイクロクレデンシャル・オープンバッジ・スペシャル・インタレスト・グループができまして、今この領域に注目が集まっています。先行しているのはもちろんデジタル人材育成なんですが、グローバルMOOC等ですと、科学館や博物館、美術館など、社会教育施設が大学向けの履修証明プログラムを出していたり、あと大学が出している履修証明プログラムで、地域の課題解決をフィールドワークするというものも非常に多いので、今、ばらばらの領域で議論されているんですが、越境的に考えると生涯学習の領域に可能性のある仕組みですので、よろしければ、また何か議論の俎上に乗せていただけるとうれしく思います。
 
 以上です。

【清原分科会長】  ありがとうございます。分科会の委員の皆様に御報告をしていただくような運営も可能と思います
ので、また機会を持って、山内委員の最新の情報などを共有できればと思います。

 それでは、最後に牧野副分科会長から一言。

【牧野副分科会長】  すみません、牧野です。よろしくお願いいたします。どうもありがとうございます。

 私のほうは実は3日前に最終講義を行いまして、そこで今考えていることを少し申し上げたのですが、今考えているのは、社会の自由とは一体何かということなのですけれども、そこで少し御紹介させていただいたのが、許可を考えていますから自治体名を挙げていいと思いますが、根室市からいろいろ御相談があってかかわりを持ってきたのですが、実は根室市で高校が一時使えなくなって、高校生が学ぶ場がなくなったということで、公民館ですとか市役所が学ぶ場所を提供して子供たちを支えた結果、子供たちが将来帰ってきたいと言い始めた。進学実績も上がって、将来帰ってきたいし、根室の魅力をもっと世界に伝えたいと言い始めている。今日もメールが入っていまして、どんどんそういう高校生が増えてきている。地元の関係者は、今沸き立っていますというような御報告があったのです。

 これもある意味では社会教育の1つの魅力でもあるし、力だろうと思うのですけれども、ここに私自身は「自由」というものを見たいと思っています。どういうことかといいますと、第11期、第12期とずっと議論をしてきまして、先ほども御紹介がありましたが、第4期教育振興基本計画で、社会教育の概念の組替えが始まっていて、従来のように学校教育を中心とした日本の教育のシステムの中で、学校以外の社会において、青少年や成人に対して行われる組織的な学習や教育活動であるという定義ではなくて、むしろ人々の関わりやつながりをつくっていく、そのための土壌を耕すものなのだという表現に変わってきているのです。つまり、社会基盤全体をつくっていく、人と人との関わりの、さらに土壌を耕していく営みが社会教育であり、新たな社会の基盤をつくっていく、なくてはならないものだというような表現に変わってきているのだと思いますが、その具体的な在り方がこの根室市に見えるのではないか。そして、ほかの地域でも同じようなことが起こっているのだろうと思うのです。

 その意味では、やはりきっちりと、若者たちを地域で支えていく、もっと言えば地域の人間関係の中にきっちりと埋め込んでいくことによって、彼ら自身が自分の持っている力に気づいていくというか、また思いもよらない力が発揮されていく中で、自分が今後どう生きていくのかといったことが見えてくるような、そういうようなことが地元で起こっているのだろうと思うのです。そうなると、単に大学に進学して、ということだけではなくて、中には進学をやめて市役所に入りたいといって、市役所に受かった高校生たちが出始めているのです。つまり、やはり地元に自分の足場がある、また、ふるさとがちゃんとそこにあるのだということを感じながら、きっちりと社会の中で自分の力が発揮できるようになるということが見通せるようになっていく、それが自由ということではないかと思います。

 誰かや何かから逃れることが自由ではなくて、むしろ関わりの中で、いろんな関わりを持つ中で自分の力が引き出されていって、思いもよらない形で自分がどんどん新しいものになっていく、それが社会を変えていく力になるのだと思えることが、自由の第一歩ではないかと思ったりします。そんなことがやっぱり社会教育の魅力でもあるし、また、役割でもあるのではないかなと思ったりしています。

 そんなことを念頭に置きながら、この分科会で、皆さんと社会教育の新しい在り方について議論ができればと思っていますので、またぜひよろしくお願いします。

【清原分科会長】  ありがとうございます。

 ただいま第13期中央教育審議会生涯学習分科会の委員の皆様に一言ずつ発言をしていただきましたが、本当に全国から委員の皆様がお集まりいただいていること、そして、自治体の首長さん、教育長さん、そして大学生から保護者代表、さらには教育関係者、企業関係者、公民館、NPO、様々な分野から委員としてお集まりいただいていることを大変心強く思います。

 皆様から、ウェルビーイングを目指して、誰一人取り残さない社会的包摂の地域社会のためには、グローバルな視点から、外国の人たちとも共存しなければいけないし、また、日本の皆さんも国際的に旅立てということで、留学等も活性化する方向性を支援していきたいし、まさに生涯学習分科会が把握しなければいけない教育課題というのが幅広いということ、だからこそ改めて生涯学習、社会教育の未来を、私たちは現実と乖離することなく見据えて切り開いていかなければならないということを確認させていただきました。本当に初回から、皆様の思いあふれる御発言をいただき、大変に分科会長として心強く思います。

 それでは、事務局から特段の御連絡ございますか。よろしいですか。

 それでは、次回につきましては、また改めて調整の上、御連絡いたします。

 本日も本当に熱心な御審議をいただきまして、ありがとうございます。本日の第13期中央教育審議会第133回生涯学習分科会を閉会させていただきます。どうぞ引き続き、皆様よろしくお願いいたします。ありがとうございました。オンラインの皆様も、お元気でまたお会いします。よろしくお願いします。

―― 了 ――

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