生涯学習分科会(第119回) 議事録

1.日時

令和4年6月30日(木曜日)14時00分から16時00分

2.場所

霞が関ナレッジスクエア

3.議題

  1. 議論の整理(案)について
  2. その他

4.出席者

委員

(分科会長) 清原分科会長
(副分科会長) 牧野副分科会長
(委員) 今村委員,清水委員,内田委員,中野委員,萩原委員
(臨時委員) 大久保委員,澤野委員,関委員,薗田委員,千葉委員,辻委員,松本委員,宮城委員,山内委員,横尾委員

文部科学省

(事務局)藤原総合教育政策局長,出倉大臣官房審議官,安彦社会教育振興総括官(併)地域学習推進課長,神山生涯学習推進課長 他

 

5.議事録

【清原分科会長】
 皆様,こんにちは。定刻になりましたので,ただいまから第119回中央教育審議会生涯学習分科会を開催いたします。

 今,文部科学省近くの会場におりますが,気温37度ということで,部屋の中はエアコンがあって涼しいのですが,皆様の地域の気温はいかがでしょうか。本当に異例の6月の猛暑の中でございますが,皆様,今日,心は元気に会議を進めていきたいと思います。

 また,本会議は新型コロナウイルス感染症拡大を防止するため,ウェブ会議方式にて開催させていただきます。

 本日の議題でございますが,前回会議までの御意見を踏まえまして,事務局において議論の整理の案を作成していただきましたので,これについて事務局から説明した後,議論を行っていただきたいと思っています。

 なお,本日もユーチューブ上で,報道関係者及び一般の皆様の傍聴を受け入れております。報道関係者等より,会議の全体について録画を行いたい旨の申出がありまして,許可しておりますので,どうぞ御承知おきください。

 次に,事務局から,ウェブ会議運営に当たっての留意事項の説明及び配付資料の確認をお願いします。

 それでは中村補佐,お願います。

【中村生涯学習推進課課長補佐】 
 本日は,ウェブ会議方式にて開催をさせていただいております。御不便をおかけすることもあるかと存じますが,何とぞ御理解のほどよろしくお願いいたします。

 ウェブ会議を円滑に行う観点から,4点ほどお願いをさせていただきます。

 1点目,御発言に当たりましては,インターネットでも聞き取りやすいよう,はっきり御発言をいただけるようお願いいたします。

 2点目,御発言の際にはお名前をおっしゃっていただくようにお願いいたします。

 3点目,御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。

 4点目,発言に当たりましては,手を挙げるボタンを押していただき,御発言の後にはボタンを解除いただければと思います。

 お手数をおかけいたしますが,御協力のほどよろしくお願いいたします。

 続きまして,資料の確認をさせていただきます。

 議事次第及び資料1から資料3までの資料,さらに,参考資料として,参考資料1から参考資料5までを配付しております。

 事務局からは以上でございます。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。

 それでは,早速,議題1,議論の整理(案)について入らせていただきます。今回は前回の会議でお示しいたしました議論の整理の素案をベースにしまして,前回,委員の皆様から頂いた御意見を踏まえまして,事務局において追記し,あるいは修正等をしていただきました。これについて,委員の皆様からさらに御意見を頂きたいと思います。

 それでは,まず事務局から配付資料についてまとめて御説明を頂きます。その後,質疑応答,意見交換を行いたいと思います。

 では,事務局から御説明をお願いします。

 まず,安彦総括官から資料の2についての御説明をお願いします。

【安彦社会教育振興総括官】 
 それでは,私の方から資料2に基づきまして御説明をさせていただきます。

 これは前回,一次集計という形で数字だけのデータを御紹介させていただきましたが,記述式の方の回答についてもアンケート結果がまとまりましたので,御紹介させていただきます。

 改めてですが,回答者は781名ということなのですが,アンケートした対象は1,864名ということで,そういった回答率になってございます。

 まず,1ページ目の2のアンケート結果のところでございます。マル1としまして,社会教育士の称号を取得したことに対する評価についてでございます。「とてもよかった,よかった」と回答した方が75.3ということで4分の3の方が非常によかったと言っていただいております。特に社会教育の知識や必要性を再確認できた,受講者と新しいネットワークができた,こういった御意見を頂いております。

 あと「どちらでもない」という回答した方というのが23.9%いらっしゃるのですが,これは,現在もう既に社会教育主事として活動しているということであったり,社会教育主事・社会教育士の認知度が低いと,そういった観点でどちらでもないという回答だったということでございます。

 「あまりよくなかった,よくなかった」と回答した方が一部いらっしゃいますが,少し方向性と違うような活動を押しつけられるのではないか,そういったような意見があったということでございます。

 次,2ページでございます。

 こちらは,今後,資格をどのように活用したいかということでございますが,地域と学校,家庭との連携など,つながりづくりに生かしていきたいというような声が一番,この順番は回答が多かった順だというふうになっております。

 地域の課題解決やまちづくりに役立てたいというような形で活用したいという方が多かったということでございます。

 また,この資格等を活用していない要因は何かということでございますが,現在の職業となかなか併用することが困難だというような意見が一番多かったところでございます。また,資格の認知度が低いということが,挙げられております。

 講習修了者同士のネットワークに期待するものは何かということでございますが,このネットワークの希望者が75%ということで,新しい情報や活動した実績など情報共有ができるということであったり,社会教育士としての活動できる場所や職務等の情報提供,こういったところが期待したいということでございます。

 また,様々なことを相談できる交流の場が欲しいということで,ネットワークのつながりとともにそういったものを実際に交流できるような,そんな場が欲しいというような意見がございました。

 また,継続学習したい内容についてでございますけれども,これは継続学習の希望者75%ということですが,最新の情報を習得できるような講習会の参加,継続的な学びの場が欲しいという声が一番多かったところでございます。

 また,社会教育の実践事例,取組を紹介してほしいであったり,社会教育士の活用方策について,これから継続学習したい内容ということで意見がございました。

 3ページ目でございます。

 こちらは6として,その他,社会教育士等への意見についてということでございます。

 社会教育士について,地域や社会はもちろん,学校現場への認知度を上げてほしい,こういった声が一番多かったというところでございます。

 また,社会教育主事の配置を充実させてほしいであったり,活躍できる場を提供してほしい,こういった意見が続いております。

 また,キャリアパスがなかなか見だしにくいということで,そういったものを示してほしいであったり,社会教育士のメリットがなかなか分からないというような意見も頂いております。

 また,社会教育主事講習についてでございますけれども,修了した後に証明書であったりバッチ,こういった身分を証明するようなものが欲しいということで,そういった意見が一番多かったところでございます。

 また,オンライン講座,非常に学校現場とか職場から出にくいような環境があるということで,そういったオンライン講座は非常に有り難かったという声が続いております。

 その他でございますけれども,こちらの講習修了者に対する処遇改善をお願いしたいということであったり,実績に応じたポイント化というものを導入していただきたいということであったり,また,学校の管理職の方,結構受講していただいているわけですけれども,そういった講習への参加を努力義務化してほしいということで,そういった形で努力義務化していただけると参加しやすい,そういった声があったところでございます。

 また,今後制度がよりよくなるように,予算の獲得とか,いろいろな進捗状況をアウトプットすることが必要であると,こういった意見を頂いたところでございます。

 資料2に基づきましては以上でございます。

【清原分科会長】 
 ありがとうございました。

 社会教育主事資格,そして社会教育士称号の取得者に対するアンケート結果の二次集計の説明を頂きました。

 それでは,続きまして資料の1,議論の整理の案につきまして,神山課長から説明をお願いいたします。

【神山生涯学習推進課長】 
 それでは,資料1を御覧いただきたいと思います。修正した箇所につきまして御説明をさせていただきたいと思います。

 まず,タイトルのすぐ下に副題として,もともと別のところに書いていたものを副題の位置に持ってきまして,文言は,前回の御意見を踏まえながら若干修正をしたという形になってございます。

 それから,目次の中では35)のところで,「障害者等の生涯学習の推進」となっておったところ,御意見を踏まえまして,「多様な障害に対応した生涯学習の推進」という形に修正をしてございます。

 それから,本文の方に入りまして,2ページ目,「はじめに」のところに関しましては,3つ目の丸を追加してございます。前回の御意見を踏まえて,11期の社会的な状況を追記しておりまして,オミクロン株による感染の再拡大ですとか,ロシアによるウクライナ侵略など,国民の日常生活に影響を及ぼしていることについて触れた上で,国民一人一人が大きな社会の変化に無関心ではいられない状況となっている状況について追記をしてございます。

 それから,3ページ目のところでは,脚注のところに,女性の活躍・男女共同参画の重点方針2022というのを入れさせていただきまして,前回御意見のあったアンコンシャス・バイアスの解消などがその中で記載されていることについて言及をしてございます。

 それから,4ページ目に参りまして,真ん中のところでは,インターネットですとかソーシャルネットワークサービスの拡大によりまして,市民レベルでの情報の受発信が容易になっているということに触れた上で,真偽の疑わしい情報ですとか,凄惨な事件等の情報に市民一人一人が当事者として対応せざるを得ない状況が生じていると。そういった状況を踏まえて,学校教育以外の学びの中でも情報活用能力の育成が求められているといったことを前回の御意見を踏まえて追記してございます。

 また,「さらに」というところでサイバーセキュリティについて触れておりまして,利用者全てがセキュリティを意識して行動することが社会の安全性を高める,したがって,その正しい知識と対策を見つけることが重要とさせていただいてございます。

 その下のところでは,生涯学習と学校教育とのつながりについて,丸を3つほど追加してございます。

 1つ目の丸のところでは,学校側の新しい学習指導要領に触れておりまして,学習内容を人生や社会の在り方と結びつけて深く理解できるようにするといったことですとか,生涯にわたって能動的に学び続けたりすることができるように,どのように学ぶかという学びの質を重視しているということに触れてございます。

 その次の白丸では,そうした能動的に学び続けることのできる力の育成をするということは,大人になっても生涯にわたって様々な学びを積み重ねていくことにもつながるということを記述してございます。

 その次の白丸では,よりよい学校教育を通してよりよい社会をつくるという理念を学校と社会とが共有をしていく,そうした社会に開かれた教育課程の実現というのが重要だということを書いてございます。

 それから5ページ目に参りまして,下のところ,真ん中辺のところでは,デジタル技術を活用した学習の重要性に触れておりまして,そのデジタル技術を活用した例,例えば空間・時間に係る制限がなく教育を受けられるようになったり,あるいは対人コミュニケーションに課題を有する人にとっても学びやすい環境が提供できるといった具体例に触れたり,下の方の「さらに」というところではWeb3.0のお話ですとかメタバースについても触れて,大きな変化をもたらす可能性に言及しているという形になってございます。

 それから6ページ目の方に参りまして,「生涯学習・社会教育が果たしうる役割」でございますけれども,一番最初のところで,人生100年時代,Society5.0の到来によりまして,生涯学習や社会教育の役割も従来のものにとどまらず,時代や社会の変化に見合ったものに変化していくことが求められているのだという全体の方向性について記述するような形にしてございます。

 それから,「生涯学習について」の中では,生涯学習の重要性に触れている部分に追記をしておりまして,十分にその力をつけずに学校教育を終えた障害のある若者ですとか,長期にわたる欠席者,あるいは中途退学を経験した人など,困難な状況にある若者にとっても,新たな社会生活や職業生活を始めるためにも生涯学習が大事だと,重要な役割を果たしているということに触れてございます。

 その次の社会教育のところでは,2つ目の白丸のところで多様性を持ちながら調和が取れた社会を目指していくことが,現在の我が国が求められているということも追記をしてございます。

 それから,7ページ目で,「ウェルビーイングの実現」のところでは,先ほど副題でも御紹介したところですけれども,「人は本来,皆よりよく生きたいという思いや願いを持っている」という記述に修正して,前回の御意見を反映した形にさせていただいてございます。

 それから,8ページ目のところでは,リカレント教育の関係に触れておりますので,一番下のところ,脚注のところで,従来から書いておった,元来いつでも学び直しができるシステムという広い意味を持つという部分は残しながら,その書き方を見直しております。本議論の整理,この文章の中では,現在の職務を遂行するのに必要なアップスキリングですとか,あるいはリスキリング,そういった職業に関する両方を含むとともに,職業とは直接結びつかない技術や教養等に関する学び直しも含む,広義の意味でリカレント教育という言葉を使いますということを明らかにしてございます。その上で,一番広い意味で使わせていただきますので,何らかの目的のためのものに限定をする場合には,その旨を明示するような形で,リカレント教育という言葉を使わせていただきますということを脚注に書いてございます。

 それを踏まえまして,同じ8ページの上のところでは,リカレント教育に関する記述の部分の用語を見直してございます。

 続きまして,同じページの「地域コミュニティの基盤としての役割」のところでは最初の白丸のところで生きがいづくりにも触れています。その次の白丸のところでは,前回御意見がありましたものを反映しておりまして,社会教育が適切に機能することで地域コミュニティの基盤がより安定すると,そのことで,住民の生活の安定ですとか地域住民の自己実現に向けた活動のしやすさにつながるのだということ,そういったコミュニティの段階での役割を書いた上で,「さらに」ということで,そうしたそのコミュニティレベルのものが積み重なりますと,社会全体の安定にも寄与したり,あるいは市民の活動の活性化にもつながっていくというような形で記述させていただいてございます。

 その次の白丸では,公民館等の話の中で,社会教育関係団体の基盤自体が弱まっているということを踏まえて,社会教育関係団体だけではなくて,それに属していない個人やNPOにとって参加,利用しやすいものを目指す必要があるということにしてございます。

 それから,9ページ目の一番上のところではコミュニティ・スクールや地域学校協働活動に関する記述につなげて,学校教育の方でいわゆるアクティブラーニングといったものが進んでおるということを踏まえて,社会教育の方でも,主体性ですとか相互性を重んじた実践を進めることが重要ということを記述してございます。

 10ページ目に参りまして,「今後の生涯学習・社会教育の振興方策」のところでございます。この中の最初の公民館の機能強化ですとかデジタル社会の対応のところでは,1つ目の白丸のところに青字が幾つかありますが,これは,その2つ下のところから移動してきたものになってございます。

 その次の,「さらに」というパラグラフでは,公民館のデジタル基盤を強化することですとか,国民全体のデジタルリテラシーの向上を図ること,さらに,それらがデジタル田園都市構想の実現に貢献していくといったことが重要だということに触れてございます。

 その次のパラグラフでは,社会教育施設でのPCの導入などに加えて,デジタルリテラシーの向上ですとかサイバーセキュリティに対する知識の習得なども重要であるということを書き加えてございます。

 それから,11ページの方に参りまして,下から2つ目の白丸のところには,社会教育士の活用の関係で,学校教育における探究活動への支援などの活用について追記するとともに,その下のオンラインの講習の話は,もともと後ろの方に書いてあったのをここに持ってきた形になってございます。

 また,その一番下の白丸,「また」というパラグラフでは,社会教育人材の役割の重要性ですとか,社会教育人材の量的な拡大,それから,学校教育や社会教育などにおける多様な場面で社会教育士を配置したり登用していくということの促進ということに触れた上で,社会教育士の役割の明確化や社会教育士の称号の付与など,制度の在り方を含めた検討を進めていく必要があるのだと,前回,法令改正などの御意見も出ておりましたので,より制度的な在り方についての検討というような記述にさせていただいてございます。

 それから,同じ12ページの中で,地域と学校の連携や協働の推進というところでは,2つ目の白丸のところで地域学校協働活動推進委員の常駐化の話ですとか,学校運営協議会の運営に係る支援員の配置にも触れてございます。

 また,体験活動のところに関しても,地域学校協働活動推進員を中心として進めていく必要があるということに触れてございます。

 その2つ下,「さらに」というパラグラフを一つ追加してございまして,ここでは,子供たち自身がコミュニティ・スクールですとか地域学校協働活動に関わることを通じて,子供たちを主役にする教育活動を実践していくことも大事だということに触れております。特に中高生などでは,地域社会の課題を発見したり解決することを通じて地域の一員としての当事者意識を持って,これからの地域の担い手として活躍していくことが期待されるということで,より学校との関係を明確に書かせていただいてございます。

 それから,13ページのリカレント教育の部分は,先ほど申し上げた言葉の整理を踏まえて書き方をやや見直しております。

 同じく13ページの一番下からが,目次でも御紹介をしました「多様な障害に対応した生涯学習の推進」になります。

 具体的には14ページの方でございますけれども,最初の白丸で,そもそもの話,つまり,学ぶことや働くことなどは障害の有無に関わらず全ての人にその機会が開かれたものとなる必要があるといった考え方の明記をしてございます。

 その次の白丸では,コンソーシアムのことを従来も書いておりましたが,特別支援学校もその一員であることを明記した上で,好事例の横展開などにも触れてございます。

 その次の白丸の中では,③のところで,特別支援学校のことについて触れておりましたが,ここにも,個別の教育支援計画の進路先への円滑な引継ぎを個人情報保護の観点も踏まえながらやるといったことについて触れてございます。

 さらに,④では前回御意見がございました,事故等により後天的に障害を負った方々などのことについて記述をしてございます。

 さらに⑤では,農福連携についても記述を追加してございます。同じパラグラフの一番最後の2行では,「また,放送大学においても」ということで放送大学の記述として,「社会的包摂の観点から,障害者をはじめとした地域の学びを支える取組がより進められることが期待される。」といった記述を追加してございます。

 その次の白丸のところでは,障害者の生涯学習推進に当たって,障害者を単に支援される側として一方的に捉えるのではなくて,多様な個性などを持っていることを踏まえて,ICTも積極的に活用しつつ,多様な学びの場づくりに取り組むことが必要といった趣旨のことを書いてございます。また,併せて,本人の主体的な学びを重視することが重要だといったことも追記してございます。

 15ページの方に参りまして,「国・地方公共団体が果たすべき役割」のところでございます。

 こちらにつきましては,2つ目の白丸のところで前回,御意見があった内容を追記してございます。具体的には,インターネットの環境が普及をしてデジタル社会が進展しているということで,知識の共有が加速度的に進んでいるということ,さらには,学び合いとか教え合いといったこともできるようになり,それを通じて新たな価値が創出されたり,新たな学びにつながっていくというような連鎖が日常的になっているということに触れています。その上で,このような学びの進展や連鎖の実現というのは,正に生涯学習社会が目指すものなのであるから,その社会的基盤の整備として,国や地方公共団体が確実に講じていくことが望まれるといったことに触れてございます。

 その次の白丸のところでは,前回,御意見がございました社会教育法などの改正により,社会教育施設の運営の在り方が変わっている実態もあるので,その実態も踏まえつつ,社会教育施設の役割を明確にする必要があるという記述にしてございます。

 それに加えまして,社会教育主事や社会教育士などの人材に関しましても,先ほど話がございましたように,制度の在り方も含めた検討を進めていくことにも言及をしてございます。

 その次の白丸のところでは,各省庁との連携に関しまして,各省庁の御意見も踏まえて,書き方をより適切にしてございます。

 その2つ下のところでは,地方公共団体の部局におきまして,社会教育主事の配置ですとか,社会教育士の地域社会における活用を積極的に検討してほしいということも書いてございます。

 それから,一番下の白丸では,市町村のネットワーク化という言葉が少し分かりにくいという御意見がございましたので,「域内の複数市町村をまとめた広域での情報共有の支援や研修等」という形で修正をしてございます。

 それから,最終的な「おわりに」のところは,本日の意見などを踏まえた上で,また追記をさせていただこうと考えてございます。

 私の方からは以上でございます。

【清原分科会長】 
 神山課長,御説明ありがとうございます。

 以上,資料1の議論の整理の案についての説明をしていただきましたので,これから,資料1,議論の整理の案について,質疑応答,意見交換を行いたいと思います。

 便宜上,129ページまでについてまずご議論いただき,後半は,10ページ以降の3についての議論をと思っております。

 ただ,3の「今後の生涯学習社会教育の振興方策」の関連で,12をこのようにしたらどうかというようなこともあると思いますので,まずは焦点を,12に当てますけれども,皆様の御意見については,御自由に御発言いただければと思います。

 それでは,どなたからでも挙手ボタン,手を挙げるボタンを押してください。こちらから指名をさせていただきます。いかがでしょうか。

 それでは,横尾委員,辻委員,まずお願いいたします。

【横尾委員】 
 御指名いただきましてありがとうございます。9ページまでの意見ということなので,それでは述べたいと思います。

 まず2ページです。2行目にGIGAスクールのことが書いてあるのですが,実際の経過と状況としては,「学びを止めないためのGIGAスクール」ではなくて,「未来型の学びを可能とするためのGIGAスクール」ですので,そこら辺は表記を改めた方がいいと思います。

 そして,「全国的に進められるという状況であった」と3行目に書いてあるのですけれど,これについて,実際には「令和34月に全国一斉に始まった」というのが事実ですので,そのように正した方がいいと思います。

 続いて3ページです。「予測困難な」ということが書かれています。確かに予測困難な面はあるのですが,「新たな可能性を開いていく」という趣旨が,当然あると思うのですね。もっと前向きな記述で書いた方がいいのではないかなと思うところです。

 そして,4ページ目。前後の表記に「容易」というのが実は2回出ています。真ん中の青い記述のところの20行目から23行目です。これ,2つも同じ文章に隣接して重なっているので,前半は「活発」に変えて後半は「容易」のままでいいと思うのですが,その方がいいと思います。

 それと,この辺りの中段にインターネットのことが書かれています。前回,私がお話ししたのは,インターネットはもちろんですが,メールに添付されるハッカーメール的なもののリスクのことをお話しましたので,是非「インターネット,メール」とか「メールやインターネット」というふうに書いてもらった方が正確だと思いますので,よろしくお願いしたいと思います。

 続いて,5ページ目なのですが,「自治的・民主的な住民としての社会参画」というのが8行目,7行目に書かれていますが,この頭の部分に「前述の」というのがあるのですね。どこに書かれているか分からないのが一つと,いきなり自治的・民主的と書いていいのかなという疑問を持ちましたので,教えていただければと思っているところです。

 そして,同じく5ページ目の一番下,30行目ですけれども,「大きな変化をもたらす可能性がある」ということなのですが,ここはもう「新たな可能性をもたらす」というふうに,もっとポジティブに書いた方がいいのではないでしょうか。そんな気持ちが強くいたしました。

 そして,御指摘の9ページ目ですけれど,デジタルデバイドのことを書かれています。実は80代でプログラマーとして世界的に活躍をしている若宮さんという女性がいらっしゃいますが,ごく最近,デンマークに行かれて帰ってきておられます。なぜデンマークが幸福度満足で世界一になっているかということの調査をされたそうです。最新のフェイスブックの書き込みによると,デンマークでは,ほぼ100%に近い皆さんがデジタルに馴染みを持っていて,教育を受けて,利活用されているのです。このことから考えると,日本もデジタルについてしっかりとみんなが利活用できるような環境整備や条件整備をしていくというのが非常に重要だと思うのです。極端に言えば,デジタルデバイドを全てなくすぐらいの勢いで取り組むのです。「いや,そんなこと書けないよ」と文部科学省はお考えになるかもしれませんが,でも,是非,そういうことをしないと社会は変わっていかないので,高い目標を掲げてもいいのではないかと思います。

 それと相前後しますが,岸田総理が掲げられた「デジタル田園都市国家構想」,それを支える生涯学習という位置づけも,どこかに是非入れていただきたい。本来だったらそれをメインで書き直した方が,タイミング的にもいいのかもしれないということを,今強く感じ直しております。私自身も反省するところしきりでございますが,是非そういった政権の動き,政治の流れも俯瞰して,変化とも符号するような生涯学習分科会としてのメッセージ,あるいは提言ということを是非施行すべきではないかと感じました。

 細かいところから大きいところまですみません。以上です。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。

 1点,御質問いただきました5ページの7行目のところで,前述のようにという,前述はどこですかということで,大丈夫ですか。

 では,神山課長,お願いします。

【神山生涯学習推進課長】 
 5ページ目のところの「前述の自治的・民主的な住民としての」という話でしたけれども,4ページ目の上から2つ目の白丸のところに,前のところにも触れていたグローバル化やデジタル化の波の話,それが日常生活に押し寄せてくるという話の流れの中で,個人にも直接影響を及ぼしてくるような社会でございますので,行政による対応の客体ということだけではなくて,自主的・民主的な住民の一員として,社会参画と主体的な判断や行動が求められるようになっていると。その意味で,社会教育ですとか社会参画を通じて必要な資質を身につけていく必要性が増大しているといった,こちらの部分を意識して書かせていただいておりましたが,関係などについては,また今回の御議論も踏まえて検討させていただきたいと思っております。

【清原分科会長】 
 横尾委員,いかがでしょうか,前述のというところ。

【横尾委員】 
 記述については,メモを後で事務局に送ります。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。

【横尾委員】 
 ありがとうございます。

【清原分科会長】 
 私,横尾委員が言われました,いわゆるデジタルデバイドという面だけに注目するのではなくて,正に今,御指摘の自治的・民主的な住民として活動していくためにも,いわゆる「デジタルシチズンシップ」というのでしょうか,デジタル化社会の中で,市民としての自己を築いていくということも必要であり,社会教育,生涯学習において,そうした自ら主体的にデジタル的な技術を生かしつつ,もちろん,インターネットやメール等におけるセキュリティを確保し,あるいは自分が偽りや誤った情報に脅かされない,そうした「情報活用能力」を身につけていくということも必要だと私も共感しておりますので,そうした方向性も記述してはどうかなと受け止めたところでございます。

 それでは,辻委員,よろしくお願いいたします。

【辻委員】 
 辻です。いろいろ複雑なことを言ったのに,きれいにまとめていただいて,ありがとうございます。

 今日拝見して,4ページの31行目のところから,生涯学習につながる学校教育というところで,前回の御意見で,随分膨らんでいるので,今日,私,そこに触発されて,今から少しお話ししたいと思うのですけれども,学校から生涯学習につながらない一つの事象として,障害のある子供たちが就職するということだけに追い立てられているという特別支援学校の実態があって,それを何とかしなきゃと思っている人たちが多い。

 そんな中で,文科省さんの補助事業で,愛知県の春日井市の方で,特別支援学校の生徒が地域のスポーツクラブで体験活動をするという,サッカーとバドミントンをやったのですけれども,そういうようなことを学校教育の中で,卒業した後に生涯学習というところで,文化とかスポーツとかを楽しめるのだよということを生徒に教えていくというささやかな実践が生まれております。

 だからそういうことも書いていただきたいと思いますし,それから今,校内カフェ,学校の中でカフェをやるという動きがございます。これは,卒業に当たって大変不安定になるだろうな,就職も決まってないしという,そういう子が,卒業した後つまずいたときに,NPOなどがやっている居場所,あるいは若者支援,そういうところに行きやすくしていくために,学校の中で校内カフェというところで,そういうNPOの方と出会うというようなことをやっております。だから,こんなことも学校から生涯学習につながるということで御検討いただければと思っております。

 あと,技術的に大変難しいのかもしれませんが,今,夜間中学を各都道府県に1校つくるというふうになっているかと思うのですけれども,1校だけではとても追いつかなくて,一方で自主夜間中学というのが,ボランティアの方々がやっておられる。これはいろいろな条件があるのでしょうけれども,この自主夜間中学校が,例えば正規の夜間中学校の分校になるみたいな仕組みをもしつくることができれば,大変有効になってくると思いますので,そういうことも学校教育と生涯学習がつながるということで御検討いただければと思っております。

 それから,最初に御報告があった社会教育士のアンケートの方で,学校の方があまり理解がなくてということが自由記述にあったのですけれども,是非,コミュニティ・スクールだとか,学校支援地域本部事業などを採用している学校には,社会教育士を配置すべしという,この答申に書いていただく必要はないのですけれども,文科省の政策として,そんなことも考えていただければ有り難いなと,アンケートの方を聞いておりまして思いました。

 以上です。

【清原分科会長】 
 辻委員,ありがとうございます。

 「生涯学習につながる学校教育」ということで,具体的な事例について御紹介いただきました。そうした事例を踏まえて,提案していくということも重要だと思います。

 また,2点目におっしゃいました「社会教育士の活躍分野としてのコミュニティ・スクールの連携等」について,これは具体的に3の後半のところで提案できる内容だと思いますので,是非,遠慮しないで記述を補強していきたいと思います。

 それでは,続きまして宮城委員,千葉委員,澤野委員,牧野委員の順でお願いいたします。

 それでは宮城委員,お願いいたします。

【宮城委員】 
 今,沖縄から参加しております宮城です。

 那覇の現在の気温28度,本日の最高気温31度なので,全国の皆さんは,沖縄に避暑に来たらどうかなと思っているところです。

 今,沖縄のことで言うと,ちょうど1週間前,623日,慰霊の日でした。慰霊の日というのは沖縄戦の組織的な戦闘が終了した日と言われております。この議論の整理の中でロシアとウクライナの侵略などのことが少し盛り込まれたことと関連してなのですが,このような状況の中で,沖縄からいるということも含めて発信したいのですが,やはり,ポジティブピース,抑圧だとか疎外だとか差別,貧困など,あらゆる構造的な暴力がない状態をつくるために,社会教育が牽引していくべきだというような強いメッセージが,この中に盛り込めないかなということを少し思ったりしています。それが社会的包摂のところともつながってくるのじゃないかなと。社会的包摂がなぜ必要かというところで,やはりこういう積極的平和の概念とか,そういったものも必要になってくるのかなと思ったので,その辺りの何か強いメッセージがここに盛り込まれるといいなと思いました。

 以上です。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。

 今御指摘のところは,「誰一人として取り残さない,社会的包摂」というのをしっかりと現在の生涯学習・社会教育をめぐる現状と課題に位置づけているわけでございますので,是非,今本当に国際的には厳しい状況,生命が脅かされる状況にあるわけですので,そうした趣旨について反映をしていきたいと思います。

 それでは,千葉委員,お願いいたします。

【千葉委員】 
 ありがとうございます。千葉でございます。

 大変多様な意見をうまくまとめられていると思います。その点は大変感謝を申し上げます。

 その上で,3ページのところで14行目には貧困対策ということがあるのですけれども,全般に貧困のところの対応が弱いかなと思いまして,少しそういうことを強調する必要があるかなというふうに思っております。

 その上で,3ページの33行目から34行目,35行目というところに,「困難を抱える家庭や子供たち」ということで,家庭や子供たちのところだけが抽象になっておりまして,その後また,さらに「困難な立場に」という「困難」が2つダブっている状況にあります。現在は15%を超える家庭が貧困家庭と言われていますし,小学生の6人に1人,7人に1人が貧困家庭だということがございますので,この前段の部分の「困難を抱える家庭や子供たち」というところを「片親世帯や貧困な家庭や子供たち」という形に,少し具体にした方がよろしいかというふうに思いました。

 続きまして,4ページの,10行目,11行目のところでありますが,ここには,社会人にはその学び直しを積み重ねていく学習習慣がないということが書いてあるのですけれども,これは,社会人側に学習習慣がないということ,それから,社会,企業の方も学びの機会をなかなか与えていないという両面のことがあるのではないかと思います。このVUCAの時代は多くの人が学び続けるということが必要になってきますので,こういう調査結果が見られるから,なおさら学びやすい環境を整えることが重要であるというような形にした方がいいのではないかというふうに思いました。

 以上2点,申し上げます。よろしくお願いいたします。

【清原分科会長】 
 千葉委員,ありがとうございます。いずれも重要な御指摘だと思います。

 御指摘のとおり,現在,未曽有の物価高騰もあり,絶対的貧困だけが課題ではなくて相対的な貧困,とりわけ子供の貧困,一人親が直面する貧困というのは極めて重要な課題だと思いますので,その辺について具体的に記述するという御提案は望ましいと思います。

 また,おっしゃるとおり,学ぶ習慣がないだけではなくて,そのような条件整備ができていないということをしっかりと注目するということも適切だと思いますので,是非,そのように反映していきたいと思います。御提案ありがとうございます。

 それでは,澤野委員,お願いいたします。

【澤野委員】 
 全体として,とても良く皆さんの意見を反映してまとめられたと思います。少し細かいところで気になったのが,9ページ目の欄外の注の8番なのですけれども,本文の方で外国人などのことも言及されていますので,北欧のフォークハイスクールというのはそれぞれの地域で,最近では駅のそばとか行きやすいところに,田舎から引っ越してきたような学校が多いようで,ちょっと見学に行ったりもしたのですが,やはり難民や移民の方がかなり多くなっていまして,世界で紛争があると,特にスウェーデンは,人道的見地からたくさんの難民を受け入れているということが背景にあります。

 それで,書いていただきたいと思ったのが,対象が病気や障害のために学びを中断しなければならなかった人が進学すると書いてあるのですが,「難民・移民や」ということも入れていただきたいというのと,後期中等教育レベルだけではなくて,特に難民の方の場合は,スウェーデン社会で教育を受けていなかったり,紛争地域では初等教育すら受けられなかった人も多数いるということで,初等教育から後期中等教育レベルまでの基礎教育が対象とされているようですので,日本の夜間中学校などの参考にもなるようなこともあるかと思うので,進学や就職をするために初等教育や後期中等教育レベルの内容を学び直すというふうに,少し細か過ぎるかもしれないのですけれども,修正していただければと思います。後で,またメールで文案を事務局に送らせていただきたいと思います。

 以上です。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。是非文案を送っていただければ助かります。

 それでは,前半の12の最後の御発言,後にまた戻っていただいてもいいのですが,牧野委員,お願いいたします。

【牧野副分科会長】 
 お願いいたします。皆さんの議論と事前打合せの中身をうまくまとめてくださって,どうもありがとうございます。

 論点がはっきりしてきたので,またいろいろ言いたいことが出てきたということなのですが,最初に,冒頭に付け加えられた新しいサブタイトルのところなのですが,少し長い感じがするので,例えば,「よりよく生きるを支え励ます生涯学習,社会教育」という形で,少し標語的につけられないかなと思いました。いろいろな方々に分かっていただくためにも,少し文章を考えていただければと思いました。

 それから,皆さんがおっしゃったこととも関わってくるのですけれども,例えば4ページの学校との関わりで,生涯学習につながる学校教育が入ってきましたが,さきほど委員の方々がおっしゃったことに関わってきますが,この3つ目の丸の最後のところに「社会に開かれた教育課程」ということが出てくるのですけれども,少しやはり唐突なので,もし可能であれば,多分,これは8期だったか9期で議論をしたと思うのですが,2015年の中教審の教育課程企画特別部会の取りまとめというか,そこで「社会に開かれた教育課程」が提案され,提起されて,その年の12月の中教審から3つの答申が出されて,特にこの生涯学習分科会では,地域学校協働活動についての答申を出し,それらを受けて2017年の新しい学習指導要領の改訂につながっていると理解しているのですけれども,そこで言われたのが,この上の段で書かれてある人生100年時代とも関わるのですが,100年の,ある意味では初期の段階しか学校が関われないということです。

 学校を終えても70年,80年という人生があるということに対してどうするのかということと,それから,Society5.0のような,変化が激しい,先ほどVUCAの時代というふうにおっしゃっていましたけれども,ということの中で,学校で学んだことだけで一生涯生きられるような社会ではもうなくなってしまったということ。

 さらに,格差が広がってきていて,特に貧困が蔓延しているということも含めて,やはり子供たち自身が自ら生きる力をつけていく,学び直して,自らの人生を何度も何度も生きることができるというか,そういう社会にしなければいけないという議論になったのだと思います。

 また,それを受けて,私たちがつくってきた質の高いこの社会で,人々が生き生きと活躍しつつ,子供たちをきちんと育てていける社会にしましょうという議論の中で,地域学校協働活動ですとか,学校教育と地域,又は生涯学習との連携,協働ということが出てきたと思いますので,少しその辺りを軽く入れていただけるとよく分かるのではないかなというような印象を持ちました。

 それから,6ページで,細かなところかもしれませんが,書き加えていただいたところ,生涯学習についての2つ目の丸のところの,「特に,例えば,」というところで,「十分に力を付けられずに」というのが少し引っかかって,これはどういうことなのかということなのだと思うので,少し表現を変えたらどうかと思うのです。この「力」というのは,先ほど辻委員の方からもご指摘がありましたけれども,例えば障害を持った人や子供たちが,基本的には就職するための力をつけるということで考えられてしまうということに対して,いや違うのだという議論もあるということですので,その意味では,「十分に力をつけられず」というところがもう少し違う表現になると,私もうまく思いつかないのですけれども,いいかなというふうに思いました。

 それから,実は3の方に関わってくるのかもしれませんけれども,9ページ目のところに入るのかなとも思うのですが,社会的包摂ということもあるのですけれども,この前のところで,いわゆるコミュニティ基盤をつくっていくという役割があるのだというふうに書かれてあるのですが,そこでもう少し,例えば住民による自治基盤の強化というのか,また,住民参加を促して地方自治を一層発展させていくというか,さらにその民主主義の価値をもっと高めていくというか,何かそういうようなこと,そのために改めて,例えば公民教育ですとか市民性教育が大事なのだと,それを担うものとして生涯学習があるというような議論にできないか,それがもしかしたらこの3番目のところとも関わってきて,これからのあるべき,社会の姿と,この生涯学習といったものが関わるのだという議論につながるようになると思いますので,少しその辺りも少し検討いただければと思いました。

 以上です。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。特に最後に御指摘されましたところ,これは横尾委員が住民の自治,あるいは民主的な立場というところを御指摘いただいたとの関連がありますが,単に地域コミュニティの基盤としての役割や社会的包摂を目指すだけではなくて,少し表現は平たくなるのかもしれませんし,一般化するのかもしれませんが,「まちづくり」の主体である,あるいは,「地域の自治の主体」である,その意味での「公民」,あるいは「市民」としての学びを保証していくのが社会教育であり,具体的な生涯学習活動であるというようなまとめをしておくのがいいのかもしれませんね,3につながるところとして。そうでないと3は今後の生涯学習・社会教育の振興方策ということになって,何のために振興していくのか,何のために,より社会教育や生涯学習を持続可能なものにしていくべきなのかというところの中心に人間を置くというか,市民を置くというか,そういう結節の指摘をしておかなければいけないのではないかなと,私は牧野委員のお話を伺わせていただきました。御指摘ありがとうございます。

 なお,例えば私も皆様のお話を聞いていて気づいたのですけれども,この3ページから始まる1の「生涯学習・社会教育をめぐる現状・課題」のところには,何気なく冒頭,「人生100年時代,Society50の到来,DXの急速な進展」とありますけれど,人生100年時代はまだ分かるかもしれませんが,Society5.0って一体何なのかとか,DXってこれは何なのかとお読みになった方が思われるかもしれませんので,この辺りというのはもう少し,キーワードとして列挙していますが,最後の取りまとめのときには,それぞれ少し補足していった方が,一般的には分かりやすいのかなと思います。幾つかそういう部分があったので,それは気づきとしてお話しいたします。

 それでは,これからは10ページ以降の3,「今後の生涯学習・社会教育の振興方策」につきまして,また,皆様から,質疑あるいは御意見を頂戴したいと思います。

 また挙手ボタンをよろしくお願いします。

 早速挙がりましたので,山内委員,最初にお願いいたします。

【山内委員】 
 ありがとうございます。

 前回欠席をさせていただいたので,今回,デジタルのことに関して横尾委員から御指摘があったように,かなりセキュリティや情報安全に関することが書き加わったことを認識いたしました。

 当然ですが,情報の安全に関しては,ある種,正に心理的安全性もそうですけれど,ウェルビーイングの前提になる部分なのでとても大事で,それが書き加わったことはとてもよいことだというふうに認識しております。

 ただ,こうやって文面にしてみると,今回は10ページのところを代表として取り上げさせていただきますが,10ページの,丸で言うと下から3番目のところですか,デジタル社会の利点を云々のところで,後半に,「インターネットを利用するにあたってのデジタルリテラシーの向上や基本的なサイバーセキュリティ対策に関する知識の習得」が加わって,「多くの情報から正しい情報を適切取捨選択・活用し,社会の良き担い手として行動できる資質や規範意識の涵養などの側面にも配慮すべきである。」と書いてあって,要するに,前にサイバーセキュリティの話が入ってくると,何となく後ろ側もそういうことのように見えてしまうというところがあるので,分科会長がおっしゃったように,少し,情報安全という一番ベーシックなレイヤーの上にもう少し広がりのある部分があるのだよということを明示的に示すために,例えばですが,最後の文章を「多くの情報から正しい情報を適切に取捨選択・活用し,社会の良き担い手として行動できる資質や規範意識の涵養など,デジタルシチズンシップ教育の側面にも配慮すべきである。」のように表現すると,デジタルシチズンシップ教育というのが,もともと市民生活と関係しているので,社会教育との接続性とか広がりとか膨らみも出て,少しバランスがよくなるかなというふうに思いました。

 私からは以上です。

【清原分科会長】 
 山内委員,ありがとうございます。

 これで私もしっくり腑に落ちまして,前半と3以降のつながりの中で,キーワードとして「デジタルシチズンシップ」を適切な場所に位置づけることができたと思います。感謝いたします。

 それでは,続きまして薗田委員,そして関委員,よろしくお願いします。

【薗田委員】 
 ありがとうございます。ジェンダーギャップ解消についても入れていただき,ありがとうございます。

 今回は13ページのところのリカレント教育の推進,リスキリングについては,価値創造していくため,企業が非常に熱心に行っているところです。企業のコンサルティングの立場,サステナビリティなコンサルティングの立場から,少し発言させていただけばと思います。

 実際,世界経済フォーラム(ダボス会議)でもリスキル革命というキーワードが,2018年から過去3年間ずっと出てきています。2030年に全世界で10億人をリスキリングするというゴールも踏まえ,経団連も2020年に新成長戦略の中でDX人材育成を進めています。あるいはSociety5.0や,あるいは最近,DXがデジタルトランスフォーメーションだけでなく,サステナビリティトランスフォーメーションという文脈でSXが非常に重視されています。実際,SDGsやカーボンニュートラル,2050年のバックキャスティングという,そういったことが分かる人材,それから当然グローバル人財,そういった人財を育てていくためのリスキリングを重視しています。

 企業が進めていくリスキリングの中で,文科省はマナパスをつくられて,実際にいろいろな社会人の学びをサポートしていますが,今ちょうどコロナ禍で,長時間の残業がなくなった,あるいは交流会とかお食事会がなくなったりして,皆さんにも時間ができて,リスキリングするチャンスが増えてきていると思います。ただ,実際にはなかなか,やはり自分が何を求められているのかというところのリスキリングのステップアップのギャップが分からないという現状があるかとは思います。

 ちょうど先日,シンガポールに住んでいるAI専門家の私の友人からも,シンガポールは労働組合がリスキリングをするためのラーニングハブをつくって,その中にキャリア・アジリティハブというのがあるそうです。実際に個人のパーソナルデータを入れて,その人の実際の今までの経験やスキル,あるいはこれからどういうことをやりたいか,どのぐらい年収がもらいたいか等も含めて希望を出していくと,企業が求めているDX人材,SX人材,あるいは様々なこういった必要なスキルのギャップを埋めるために何が必要かをAIが判断して,実際にその人のプログラムをつくってくれます。あるいは企業側が提供しているいろいろなプログラムを紹介してくれると聞いています。

 実際,こうしたギャップ解消診断があると,経済的自立のステップにもつながっていくと思います。実際に企業側が今,リスキリングをすごく熱心にやり始めいます。海外では,グーグルやアマゾン,あるいはATTというところも推進しています。日本でも結構,日立製作所や,ヤフー,サイボウズといったところも推進しているので,そういった企業や経済産業省との連携も一つ考えられるでしょう。

【清原分科会長】 
 薗田委員,ありがとうございます。私たちは地域で社会教育として,もちろんリカレントということを考えていくことも大事ですが,今御提案のように,企業の活動,あるいは高等教育や高等専門学校の取組と学習する方をつないで,適切なリスキリング,あるいはリカレント教育をしていくということも提案できる分科会だと思っておりますので,是非また,今の御発言の根拠となる資料等を事務局までお寄せいただければ有り難いです。よろしくお願いいたします。

 それでは関委員,続けて大久保委員,お願いいたします。関委員からどうぞ。

【関委員】 
 関でございます。本当に,お取りまとめ御苦労さまでございます。ありがとうございます。

 10ページの8行目の部分,「公民館等の社会教育施設のコミュニティ拠点機能の強化」,デジタル社会への対応の1つ目の丸の部分で少し確認できたらと思うのですけれども,この中で書かれているのは,「コミュニティ拠点機能の強化を図る観点からは,生涯学習・社会教育の場としてだけでなく」という否定的な表現になっているのですけれども,ここはそういった学びがまず基盤にあって,その上に関係機関とのネットワークであったり,あるいは人材の配置が必要であるというふうな組み方の方がいいのではないかなという印象を受けました。

 その後に,公民館等の施設の複合化とか,そういったものが並んできて,その次に社会教育施設の地域の教育力の向上という論点で並べられておるのですけれども,もう少し,実際にどういったものを具体的に展開していくべきかということを記載してもいいのではないかなという印象を持ちます。どうしても公民館というと,都市部と地方でかなりイメージが変わって,施設の理念と市民の抱く概念がかなり遊離してきているようなところがあるのではないかと思っております。これから先の社会教育施設,とりわけ公民館等に求められるものは,やはりウェルビーイングの実現というか,住民一人一人が本当に何が幸せかをみんなで考えて,その実現に向かって取り組んでいく拠点であるべきかと思うので,むしろ公民館,公の民というよりは,これからは,幸せを求めるで幸民,幸せの民が集まる館と,そういったものがこれから先の方向性であるということを示してもいいのかなという感じを持っております。

 あともう1点なのですが,12ページの上から3つ目の丸の部分,先ほど辻委員さんのお話にもございましたけれども,コミュニティ・スクールの導入に合わせて地域学校協働活動推進員,あるいは学校運営協議会の支援員の配置等がこの中で書かれておられます。できれば,こういったところに是非社会教育士の称号付与者が活躍できるような場面に積極的に組み込んでいっていただけたら有り難いと思っております。

 以上でございます。

【清原分科会長】 
 関委員,ありがとうございます。2番目に御指摘のコミュニティ・スクール,地域学校協働本部などでの社会教育士の活躍については,アンケート調査でも活躍の場の一つとして示されているところでもありますので,是非具体的な例として,社会教育士の活躍の場としても触れることが適切かなと,辻委員,そして関委員の御提案から受け止めたところでございます。ありがとうございます。

 それでは,大久保委員,そして澤野委員,千葉委員の順でお願いします。

【大久保委員】 
 大久保です。ありがとうございます。私は前回2つ意見を言わせていただいて,1つはリスキリングとかリカレント教育等々,たくさんの言葉が出てくるところについては定義を補って書いていただいた方が,読んだときに理解しやすくなるのではないかということを申し上げたのですけれども,こちらに関しては本当に丁寧に書き込んでいただいて,改めて読みましたけれども,随分分かりやすくなったと思っております。ありがとうございました。これでいいのではないかと思っています。

 もう一つは,障害者の生涯学習というところについて少し意見を言わせていただいて,特に,以前は障害者の生涯学習を支援する人材のところにかなりウエートがあったのですけれども,もう少し幾つかの観点でということでお話をさせていただいて,こちらも随分記述を充実させていただいたところだなと思います。

 もう1回,改めてこの障害者のところ,多様な障害を持った人のというところなのですけれども,もう一つ御検討を頂いて追加で書けないかなと思ったところがあります。それは何かと言いますと,例えば,学習に関しての障害を持っている,ラーニングのディスアビリティーを持っているような方々については,読むことにすごく難しさを感じている状態だと,生涯学習の推進と言われても,苦手意識とか,ときには嫌悪感みたいなものが出てしまって,なかなか向き合えない人たちも多いのだろうというふうに思うのです。

 学習障害は,子供たちの中で二,三%の子たちがそういう状態にいるというデータもありますし,もともとこういう障害はスペクトラムですから,そこまでいかなくても,本を読んで理解をしたりすることについて抵抗感のある人たちも多いのだろうというふうに思います。そういう人向けに,生涯学習の環境を整えてあげるための支援ということが大変重要なテーマだと思いまして,例えば,図書館は学習障害を持った人向けの合理的配慮などもいろいろと検討されているところだと思います。図書館については10ページの終わりのところにも,著作権法の話とデジタルデバイドの教育の話の文脈で出てくるのですけれど,図書館は障害者向けの生涯学習の場としても大変重要なところだと思っていまして,例えば,デジタル録音図書とか,マルチメディアデイジー図書を進めていく取組も進んでいるのだろうと思うのです。

 何が言いたいかというと,この大きな変化,つまりSociety5.0とか,DXというデジタル化が進んできているときに,この流れは,今まで本とかで学習に抵抗感があったような人たちについても,今の技術を使えば様々な形で生涯学習に参加してもらえるのではないかと。そういう意味で新しい動きを創り出していく大きなチャンスなのではないかなというふうに感じまして,特に図書館等は重要な拠点でありますので,それらも踏まえながら,その取組の推進をさらに図っていくことについて,記述を足すことができるといいのではないかと感じたところであります。御検討いただければと思います。

 よろしくお願いいたします。

【清原分科会長】 
 大久保委員,ありがとうございます。

 皆様,各委員のところにも配付されたと思いますが,男女共同参画共生社会学習・安全課の障害者学習支援推進室で「共生社会のマナビ」という冊子をつくって,その中に9つの事例も紹介されておりますが,今,大久保委員が御指摘されましたように,学びの場としての図書館も含めて,また,障害といっても,学習障害の方も含めて,この取りまとめにおいては「多様な障害」ということにも着目しているわけですし,今御指摘のことなども含めて,今回,「障害者の生涯学習」について内容を充実することで,「誰一人として取り残さない,社会的包摂」を考えた生涯学習の次なる展開が示唆されることになると思います。今の御提案も含めて,さらに充実をしていければと思います。ありがとうございます。

 それでは,澤野議員,千葉委員,清水委員の順番で。では,澤野委員からお願いします。

【澤野委員】
 私からは,13ページのリカレント教育の推進に関してです。

 また細かいことで申し訳ないのですけれども,リスキリング,先ほど前半の部分ではアップスキリングという言葉が使われていたのですが,10行目のところではスキルアップが使われています。もともとは日本でスキルアップとかキャリアアップとかよく言っていたかと思うのですけれども,英語としてはリスキリングに並ぶ用語としてアップスキリングが,海外,ヨーロッパ,多様な言語圏で一般的になっているようなのですけれども,その辺りは文部科学省としてどういう用語を使っていくのか確認して,もしアップスキリングの方がよければ修正していただきたいと思ったところです。

 リスキリングとかアップスキリングに関しては,大学や専門学校と連携した社会教育施設など,身近なところで学ぶことができるようなイメージがいいのではないかなと私は思うのですけれども,その点で,専門学校という言葉が13行目には出てくるのですけれども,21行目以降は大学等となっていて,「等」に専門学校が入るのかどうかが少し気になったところです。「等」というのは短期大学とかそういうイメージだけなのかということです。

 そして,常にある議論として,やはり高等教育機関,特に大学はやはり批判的思考力とか,平和構築とかそういうことにもっとアカデミズムの役割があるのではないかというような議論があって,職業教育機関にしていいのだろうかということもあるかと思います。リテラシーレベルというと私のイメージでは初等中等教育までの内容になるので,大学等でリテラシーレベルって,そこまで落としていいのかなというのがあります。

 あと,リスキリングとアップスキリングに関して,さらに高度な内容という,「高度」が大学に当たるのだと思うのですけれども,その辺りの,職業に特化した専門学校と大学は違うという,そこでも高度な部分は大学の研究を生かして連携するような形が望ましいのではないかと思ったので,もう少し丁寧な書き方ができないかなと思ったところです。

 それから,34行目にオープンバッジのことが出てくるのですけれども,ヨーロッパではボローニャ・プロセスという,大学の学位や単位制度を共通化していくような動きが2000年以前から始まっているのですけれども,その中でもかなり議論されていることで,オープンバッジの基になるものして,マイクロクレデンシャルというものがあります。なるべく,特にリカレントの,成人の場合には通常の学生のようにずっと在学することが難しいような場合に,特にスキルに関しては従来の単位よりももっと細かく単位を分けて累積して認定できるようなマイクロクレデンシャルというのが,ヨーロッパでは20か国以上,ニュージーランドなどでも導入されているようですので,学位授与機構のようなところがその情報をフォローしていると思いますし,文部科学省の方でもそういった情報があれば,この学習履歴の可視化の文脈で,オープンバッジはその成果なのですけれど,マイクロクレデンシャルをオープンバッジとしてという形で可視化するということなので,そのプロセスのことも少し書き込むか,何か注記ができればいいのではないかと思いました。

 それから,今回片仮名用語が多いので,何かグロッサリーのような形で,注だけではなくて新しい概念が非常に多いので,まとめて見られるページがあったら便利ではないかと思いました。

 あと,それ以外には,法律の改定に関して15ページの18行目ぐらいだったかと思いますけれど,「令和元年度に行った社会教育法の改正等による」という,これも見た人はどういうふうに運用が変わったのかなということがすぐにはわからないと思うので,何らかの形で注記なりリンクなりを入れておいていただければと思いました。

 以上です。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。まず,リカレント教育の際の関係の表記で「大学等」とあるところは,この分科会にも千葉委員に入っていただいておりますようにもちろん専門学校も入っているわけですので,等という表現にしないで,最終的にはきちんと併記するようにしたいと思います
 アップスキリングについては。

【中村生涯学習推進課課長補佐】
 事務局の中村でございます。澤野委員から御指摘いただいたように,英語ではリスキリング・アンド・アップスキリングというふうに並べて表記されることが多いことを把握しておりまして,アップスキリングと純粋に片仮名にしても問題がないのではないかというのは悩みながら,今回こういった形で出させていただいたのが実際のところです。また表現の見直しについても検討いたします。ありがとうございます。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。

 それでは,続きまして千葉委員,清水委員,萩原委員,内田委員の順で。

 まず,千葉委員,お願いします。

【千葉委員】 
 ありがとうございます。千葉です。2点ございまして,1点は12ページの13行目のところです。いじめや不登校等の子供たちというのがございまして,これは先ほどのものとも少しつながるのですが,ここには貧困ということも文脈として入れておかしくないのであれば,それも入れていただけたらと思います。

 それから,13ページ目の21行目以降でございます。先ほど御指摘があったように「大学等」という形で記載がございますが,この21行目から28行目までのところの中身を,高等教育機関に関する記述をここにまとめたらいかがかと思います。

 清原分科会長からもお話がありましたが,高等教育機関として大学,短大,専門学校,高等専門学校ということを規定した上で,高等教育機関では教養的な内容のものやリテラシーレベルのもののほか,それぞれの高等教育機関の特性を生かしてというような形でまとめていただいて,「例えば」のところで1つ大学の例が出ていますけれども,専門学校につきましては,例えば,高度な実習を伴う職業教育であるとか,大学の場合には体系化された教育であるとか,そういうような記述を,この21行目から28行目にまとめていただいたらいかがかと。

 それから,この文書でいくと13ページ目の30行目からになりますけれども,これは薗田委員からもお話がありましたが,大学等ではなく,民間や,あるいはIPA,独立行政法人情報処理推進機構なども大変いい教材を出しておりますので,この後段のところは,そういう民間や他の団体が提供しているリソースを紹介するということで,幅広い学び直しのリソースがこの社会にはあるということを記述したらいかがかと思います。

 以上です。

【清原分科会長】 
 大変適切な御提案を頂いたと思います。そのようにさせていただくことで内容も充実しますし,読んでくださる方にも分かりやすくなると思いますので,是非そのようにさせていただきます。

 それでは清水委員,お願いいたします。

【清水委員】 
 このたびの資料,お取りまとめありがとうございます。私も先回の分科会を欠席だったものですから,すみません,改めて意見といいますか,お話をさせていただきます。

 以前から,私どもPTAがコミュニティ・スクールに関わるというところで非常に重要な部分ではないかというような話を都度させていただきました。そういった観点から,12ページの19行目と28行目,コミュニティ・スクールに関わるところで,いわゆるPTA活動という文言を入れていただいています。非常に有り難いところでございます。

 そういった意味でいきますと,遡ること9ページの1行目から5行目になりますが,ここもいわゆるコミュニティ・スクールのことが書いてあって,中段で「子供やその親」等々と書いてあります。是非,この1行目から6行目の間の中にPTAという文言を入れていただけると非常に有り難いと思いましたので,御検討いただけるなら是非お願いしたいところでございます。

 以上,意見です。よろしくお願いします。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。実態に即した御提案だと思いますので,反映する方向で事務局と検討してまいります。よろしくお願いいたします。

 それでは,萩原委員,内田委員,中野委員,横尾委員の順でお願いします。

 萩原委員,お願いします。

【萩原委員】 
 おまとめいただきましてありがとうございます。私からは2点ございます。

 まず1点目ですけれども,12ページの6行目,「また,社会教育主事・社会教育士が,ICTスキル等の時代の変化に対応した」というところですけれども,是非ここに,9ページにあります「共生社会とは,人権への配慮をはじめとして」と書かれておりますことと,それからせっかくジェンダー平等のことを入れていただいておりますので,ICTスキル等の「等」だけではなくて,その中にSDGsにある「誰一人として取り残さない」社会をつくっていくための,ジェンダー平等を含めた人権教育等も含めた資質,能力を身につけるというような形で,少し入れていただければというふうに思いました。

 もう1点はNPOに関するものですけれども,NPOについては8ページのところにも書かれているのですが,「地域で新たに活動を始めるNPOや」というよりも,既に活動を始めているNPOはたくさんあるので,例えば,同じく12ページの10行目の「3)地域と学校の連携・協働の推進」のところに,残念ながらNPOという言葉が全然出てこないのです。ですので,地域学校協働活動,PTA活動,あるいはNPOというふうな形で,しっかりとNPOをいろいろなところに入れておいていただければと思いました。

 それから,3点目というわけではないですが,先ほど千葉委員から,独立行政法人といったところがいろいろな教材を持っているよというお話がありましたので,うちのNWEC(ヌエック)もそういった社会教育施設でございますので,そういった様々な教材を持っていますので,活用するということもありますので,先ほどの千葉委員の御提案に賛同いたします。

 以上です。ありがとうございました。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。萩原委員,とても重要な御指摘を頂いて,いわゆるICTスキル等とICTスキルを代表して書いているのですが,今回は「誰一人として取り残さない,社会的包摂」ということをキーワードに取組をしているわけで,地域の現場でより充実した社会教育,生涯学習活動をしていくためには,障害者に対しては適切な合理的配慮が求められますし,高齢者や子供たち,それぞれの年齢に応じた配慮というのが当然必要なわけですし,何よりも基本的な人権を尊重するということが強調されなければいけない時代に直面していると思いますので,今の御指摘はごもっともで,是非充実したいと思います。

 なお,NPOにつきましても,全体を見通して,是非適切な箇所に,先ほどの清水委員のPTAの御提案と同様に,位置づけるべきところにしっかりと位置づけるように推敲したいと思いますが,どうぞお気づきの箇所がありましたら,ここは入れておかないと駄目ですよというところを,是非御提案いただけると心強いです。よろしくお願いいたします。

 それでは,内田委員,お願いいたします。

【内田委員】 
 内田です。お取りまとめ,ありがとうございました。前回少しお休みしてしまいましたので,全てきちんとフォローできているかどうか分からないのですけれども,資料の内容なども確認させていただきました。

 私からは1点だけですけれども,10ページの「3 今後の生涯学習・社会教育の振興方策」のあたりで,公民館や図書館等とありますので,全体的には包括されているという理解かなと思いながらも,やはり芸術文化施設というのを入れられないのかなというようなことも思いました。

 というのは,先般文化芸術活動とウェルビーイングの調査に携わらせていただいたのですけれども,やはり文化芸術に触れることはウェルビーイングの,特に生きがい感に関与しているのではないかという調査結果が出ていました。また,「誰一人として取り残さない,社会的包摂」という観点で言いますと,障害者の方などの文化芸術活動についても,文化芸術を鑑賞するということと同時に,芸術表現活動で社会参画をするとか発信をするということが,有効な形での社会とのつながりの形成や,生涯学習にもつながっているというようなことが,これまでの様々な活動から示されてきていると思います。

 他方で,文化芸術施設の中では,なかなか芸術活動とウェルビーイングや生涯学習の関連についての認識が持ちづらいということもあるようです。認識の共有やつながりを促進する意味でも,文化芸術活動に関することが文書の中でも反映されるとよいと思いました。

 以上です。ありがとうございました。

【清原分科会長】 
 内田委員,ありがとうございます。分科会長としておわびしなければいけないのは,実は前回,第3期教育振興基本計画の振り返りの中で,とりわけ生涯学習の分野で課題として位置づけられていたのが,「コロナ禍で特に停滞している芸術文化活動についてはその振興について重視すべきである」というふうに書かれておりましたのに,それが私たちの今期の振り返りの中では,受け止めつつ,具体的な表現が抜け落ちていたと思います。大変重要な分野でもございますので,どこにきちんと書いたらよいのかを,分科会長として引き取らせていただいて,牧野副分科会長,そして事務局と一緒に,必ず適切な箇所に記述すべきと受け止めております。ありがとうございます。

 それでは,横尾委員,中野委員,牧野委員の順でお願いします。

 横井委員,まだお時間大丈夫でしょうか。

【横尾委員】 
 大丈夫です。ありがとうございます。

【清原分科会長】 
 お願いします。

【横尾委員】 
 いろいろとありがとうございます。ひとつ気づきですけれども,前の段階,前のパートのところで,ウェルビーイングのことを非常に重視して,詳しく説明もしていただいているのですけれども,方策のところに来ると,何かあまりウェルビーイングという言葉自体が入っていないのがもったいないと感じております。是非,ウェルビーイングのことをもう少しキーワードとしても入れていただくとか,加味していただく,あるいはそれで少しメッセージ性を出していくということをした方がいいと思います。

 2つ目は,表記や表現のことです。先ほど他の委員からも出されましたけれど,例えばオープンバッジとかについても,やはり説明を付記しておかないとなかなか分かりにくいだろうなと思います。極端な話,リカレントといっても,これはまだ一般の方は完全に定着している部分でもないところはありますから,何か分かりやすさということをつくる,最後に用語解説集をつけるなどの提案もありましたが,是非そういった工夫をしていく必要があるのではないかと思います。

 あと加えて,細かいことで気になったのは,表現の中で,11ページに「けん引」という言葉が,「けん」は平仮名,「引」は漢字なのですけれど,もう漢字で「牽引」と書いてもらった方が,目で見ても分かりやすいのです。まあ,当用漢字その他のことがあるのは分かっていますが,子供たちも漢字は漢字で認識していくというのが科学的にも分析されているところがあるので,是非そういった表記,表現についても工夫していただきたいと思っているところです。

 それと,全体の3項目,大きなテーマである「今後の生涯学習・社会教育の振興方策」についてのところです。地方自治体等の担うべき役割も書かれていますが,これについても,思えば地域でそれぞれ創意工夫をしています。是非,創意工夫を歓迎されること,そういう工夫をどうぞやってください,そして良いものを,ベストプラクティスをお互いに探していきましょう,そういったことができるような環境を整えますよということも是非出していただければと思います。何か教科書を見ないとできないとか,参考書を見て考えないとできないということではなくて,今やっていることを少しバージョンアップしたらできるよというようなこともありますので,是非そういった含みは載せていただいて,包摂性と同時に包容力のあるビジョン,そして包容力のあるコミュニケーションと協働,連携ということにつながるような素地を是非つくっていただくことが大切かと思っています。

 以上です。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。最後の御指摘の,自治体の創意工夫というところは,当然,自治体というぐらいなのですから,当然のことなので,それを尊重しつつ,よりよくするためにというところを受け止めさせていただきました。ありがとうございます。

 それでは,中野委員,そして牧野委員の順でお願いいたします。

【中野委員】 
 浅口市の中野でございます。中国地方も早い梅雨明けで,猛暑で大変な状況でございます。

 議論の整理,皆さんの意見が反映されて,追記の部分がすごく充実したと感心しております。ほかの委員の方が言われたので,同感の部分は割愛いたしまして,感想になります。

 前半の4ページの31から45,学校教育の部分は表現が追記されて分かりやすくなったと思っています。これによって,学校教育が,学校教育を終えてからの学びにつなげることができるというふうに思いますし,学習指導要領の確実な実施によって,生涯にわたって能動的に学び続ける力が身についていくというふうに思います。そこに社会,それから地域との連携が特に必要になってくるというふうなことでまとめられていて,いいなと思いました。

 それを受けて,今後の振興方策において,12ページの32から36に追記された,子供たちを主役にする教育活動の実践や,それから,中高生が支えられるだけではなく地域の担い手として活躍が期待されるというあたり,この辺が表記されてよくなったと思いました。

 そこまでが感想になるのですけれども,あと,牧野委員が副題のことに少し触れられていたと思いますが,私も少しインパクトのある言葉が来たらいいなというふうに思いました。それは言葉が何かということでは,なかなかいい言葉が見つからないのですけれども,清原・牧野メモをいつも,分からなくなったら,迷ったら見せていただいているのですが,その中に,社会基盤となる社会教育,生涯学習というのがあると思うのですが,社会基盤となることが使命というか,そういった部分もあるのかなと思います。

 今回,各省庁の政策の共通点である地域コミュニティ,これについて注目されている中では,社会教育,生涯学習の社会基盤の位置づけというふうな部分があったと思うので,副題は,短い言葉が良いので,それが入るかどうか分かりませんが,もしそういった言葉も使えるといいかなと。どちらにしても少しインパクトのある副題になってくればいいなと期待しています。

 最後に,少し分からないところですが,13ページの21から23までの文章。少し議論をされていますが,その中の,「提供されているところ」となっているのですが,これはどこにつながるか分かりにくいですし,この文章のひとかたまりがすごく長いので,すごく読みづらいというか,分かりづらいので,今日は意見がたくさん出たと思いますが,そういったことを踏まえて,少し区切って表現していただけると分かりやすいと思いました。

 以上です。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。最後の文章については,原案をまとめ,私たちの意見を,とにかくできる限り委員の皆様の御意見を反映しようと思って,足して足してきたような傾向がありますので,確かに読みづらくなっている,主語と述語の関係などがなかなかすぐには理解できないところがありますので,中野委員の御提案だけでなく,ほかの方もそのようにお感じかもしれませんので,推敲をしていきたいと思います。ありがとうございます。

【中野委員】 
 よろしくお願いします。

【清原分科会長】 
 それでは,牧野委員,お願いいたします。

【牧野副分科会長】 
 よろしくお願いいたします。もう皆さんおっしゃったことに尽きると思うのですが,幾つか私の思うところをお伝えしたいと思います。

 一つは,11ページの「社会教育主事,社会教育士等の社会教育人材の一層の活用」とあるところなのですけれども,確かにそうかと思うのですが,書かれている内容はやはり育成をするというか,養成を進めていくということと,あと活躍機会の拡充ということになると思います。行政の文書ですから,行政が活用するという議論にはなるかもしれませんけれども,この方々が社会教育人材というか,専門職として活躍できるように条件をつくっていくという表現にした方がよいのかなという印象があります。

 あと,少し大きな話なのですけれども,これをどこに入れたらいいかは少し戸惑いがあって,「おわりに」に入った方がいいのか,少しいろいろ思うところがあるのですが,1つが,ここで議論をしてきました,いわゆるデジタルをどう活用するかということ。それから,住民自治を鍛えていくというか,住民自治をもっと活発にしていくということ。そして,社会基盤としての社会教育,生涯学習といったものをより一層展開させるということとの関わりで,例えば,先ほど横尾委員がおっしゃったデジタル田園特区のことなのですけれども,私も実は少し内々に裏で幾つかの自治体に関わっているのですが,どうしてもサービス提供という議論になっていってしまうと,実装がなかなか難しくなっていくというか,そういう意味ではやはりいわゆるオープンガバメントというもの,またオープンデモクラシーというか,住民の方々が平場で一緒になって関わるという関係をつくっていかないと,少しなかなか展開しにくいのかなという印象を持ち始めていまして,そのことも含めて,少しICTの活用等々の関わりで,又は住民自治というところの関わりで,どこかにオープンデモクラシーとかオープンガバメントのようなことを書き込めないかなというふうにも思っています。

 それからもう1つ言いますと,横浜の大規模団地の自治会で中学生の子が役員を担うということの報道がありましたけれども,18歳成人になるということも含めて,いわゆる子供たち自身がいろいろなツールを使って社会参画をしてくるといったこともありますので,そのことも含めて,住民自治の在り方といったことも少し考え直すような,何か文言が入るといいなというふうには思いました。

 さらに,それとの関わりで,これも最後のまとめになるのかもしれませんけれども,今回の全体の基調がウェルビーイングということであるので,例えば,当然なのですが,ウェルビーイングを基本的な人権として捉えていくような観点というか,もっと言えば,例えば尊厳の相互承認であったり,自己決定権の尊重であったり,先ほどの文化芸術権の保障というか,そうしたことも含めて,みんなやはりよりよく生きたいと思っている。それを保障するような社会教育の在り方なのだということを,どこかでもう一度確認し直しておくべきということも必要ではないかなと思いました。

 少し,いろいろ注文をつけて申し訳ありませんけれども,最後,やはりいいものにしたいと思いますので,少し御検討いただければと思います。

 以上です。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。

 それでは,私からも意見を申し上げたいと思います。皆様のお話を伺っていて,副題についてでございますが,「よりよく生きたいという思いや願い」というのは,「ウェルビーイング」を幸せと言い換えるだけではなくて,よりよく生きたいという思いや願いというふうに表現したのではないかなと受け止めています。ですから,もし「ウェルビーイング」という言葉の方が,逆に皆様の共通語になっているのであるならば,この副題などに「ウェルビーイング」を入れてもいいのかもしれないのですが,ただ,日本語として表現すると,「よりよく生きたいという思いや願い」になるのかなというふうに私自身は受け止めておりました。

 それから,12ページのところで,先ほど中野委員にも触れていただきました,追記した部分です。「子供たち自身がコミュニティ・スクールや地域学校協働活動に関わることなどを通じて,子供たちを主役にする教育活動を実践していくことも重要である」という,ここにあるのは615日に成立した『子ども基本法』の,正に「こどもまんなか」の理念そのものです。ですから,組織として,こども家庭庁に文部科学省は連携することになりますが,『子ども基本法』というのは国の基本法ですから,『子ども基本法』が成立したので,その理念にのっとった取組が,学校教育においても生涯学習,社会教育においても推進されていく中で,このコミュニティ・スクールや地域学校協働活動に関わる子供たちというのは大変重要な視点であり,ここの記述が重い意味を今後持ってくるのではないかと受け止めたところです。

 そして,先ほど牧野委員が指摘されたところは私も共感しておりまして,11ページのところです。「2)社会教育主事,社会教育士等の社会教育人材の一層の活用」とあるのですけれども,私はこの間も「活躍」という言葉で言い続けてきたと思うのですが,牧野委員がおっしゃったように「社会教育主事,社会教育士等,社会教育人材の養成と活躍機会の拡充」というか,そういう表現の方が内容とタイトルが一致するのではないかと思っています。誰が活用するのか,市民が活用するというのならまだいいのですが,何か人材を活用するという言い方よりも,活躍してもらう条件整備とした方がよいのではないかなと思って,発言をしました。

 その関連で,15ページでございます。「国・地方公共団体が果たすべき役割」というところでございますが,ここの3つ目の○の最後に,「社会教育主事及び社会教育士などの社会教育に関わる人材に関しても,前述のとおり制度の在り方を含めた検討を進めていく必要がある」と。この2行は大変重い意味があると思っています。今回,冒頭でも,この社会教育主事,社会教育士等の,「社会教育主事資格」,「社会教育士称号」と,法律に基づいて書いていただいているのですが,この取得者のアンケートをしていただいた調査結果も受けることができました。そして,その生の声を,数字だけではなくて聞く中で,私はやはり,「資格」と「称号」という分けた表記をしけければならない状況についても,是非,なるべく早く現状を踏まえた検討が必要ではないかなと思っております。この2行は委員の皆様の御意見を反映した,極めて前向きな2行の提案として文部科学省に受け止めていただくのではないかなと思っています。

 最後に,この「国・地方公共団体が果たすべき役割」というふうにまとめて書いている中で,先ほど横尾委員がおっしゃいましたように,私は,やはり地方公共団体の場合には自主的な創意工夫が不可欠だと思っています。ただ,その中で国の果たすべき役割とどうしても併記せざるを得ないので,何となく画一的なというふうに取られるかもしれませんが,「標準」といいましょうか,やはりある「一定の水準」というのは,全国津々浦々どこでも基盤として保障されていく方向性というのも大事だなと思っています。その上で各自治体の創意工夫が奨励され,そして……,市長経験者としては適切な補助事業などがあると助かるなと思ったり,インセンティブとしての何かきっかけづくりを,国あるいは広域自治体である都道府県がしていただくと,基礎自治体はそれを力に新しい試みなども進めていけるのかなと思ったりもしています。

 いずれにしましても,「国・地方公共団体が果たすべき役割」の内容については,この間,委員の皆様が御発言いただいたことを今後の適切な政策として具体化していく上で重要な方向性が列挙されていると思います。本日は特段の御意見はなかったのですが,皆様の思いが反映されているものと受け止めておりまして,この政策の部分での御意見でなくて,その前までの御意見で,今日頂いたものを,この6)にはさらに反映して,文章を充実したり補強できるのかなと思って聞いておりました。そのように思います。

 それでは,まだもう少し時間があるのですけれども,松本委員,御発言,何かありましたら御意見,感想でも,お聞かせいただくと有り難いです。

【松本委員】 
 ありがとうございます。最後の分科会長のお話,私も本当にそうだなと思いながら伺っております。

 すみません,ちなみに私,今,保育園におりますので,少し周りが子供の声で賑やかかもしれません。熱中症対策とか暑さ対策とかをしながら,今日は参加しております。

 私は,前回の議論も踏まえていろいろと盛り込んでいただき,丁寧にまとめていただいたことをまず感謝したいと思います。個人としては,すごく細かい点ですけれども,例の,正に多様な障害者の記載の部分で,セルフアドボカシーではないですけれども,障害者当人,当事者のということは結構触れているのですけれども,障害者の皆さんが参加して,実際に障害者の当事者としてどうあってほしいかという発言を伺っていくとか,正に当事者の皆さんからちゃんと実際に御意見を聞きながらやっていくような文言も,ニュアンスとしては含まれているかなと思ったのですけれども,そういった部分も盛り込んでいってもいいのではないかなと思ったぐらいでして,あとは本当に,皆さんが言っていただいた内容,非常に学びになりましたし,是非こういったことを一委員として進めていきたいと思いました。

 ありがとうございます。

【清原分科会長】 
 松本委員,ありがとうございます。

 先ほど紹介しました「共生社会のマナビ」においても,障害当事者が参加して学びをつくっていくという事例も紹介されておりますし,今おっしゃっていただいたことは常に「学習者本位として進めていく社会教育,生涯学習」において,重要な,基本的な視点だと思います。ありがとうございます。

 それでは,今日は総合政策局長の藤原様が最初から御参加いただいておりますので,私たちの意見交換を聞いて,一言いただきたいと思います。

 それでは,お願いいたします。

【藤原総合教育政策局長】 
 失礼いたします。文部科学省総合教育政策局長の藤原でございます。今日は大変中身の濃い議論を頂きまして,ありがとうございました。

 この議論も大分大詰めになってきているわけでございますが,私どもといたしましても,時代が変化していく中で社会教育,生涯学習の役割が大きく変わってきているというふうに認識しております。先ほどお話も出ましたデジタル田園都市国家構想,今年の67日にその基本方針を閣議決定したわけではございますけれども,その中でも地域コミュニティの機能の維持強化といった項目の中で,社会教育を基盤とした……。

 デジタル田園都市国家基本構想という閣議決定された文書の中でも,社会教育を基盤とした地域の活性化という項目がありまして,その中で公民館,図書館などの社会教育施設を活用していくのだということが明記をされております。また,併せまして,これを支える社会教育主事や社会教育士,その活躍を促進していくという項目も併せて明記をされているところでございます。

 こうした中で,様々な政府全体としての取組もしっかりと位置づけの中で活用しながら,私どもとして施策を進めていきたいと考えているわけでございますけれども,清原分科会長からもお話がありましたデジタルシチズンシップといったような取組であるとか,あるいは社会包摂や地域コミュニティの基盤づくりといった役割を,しっかりと今後,位置づけをしていくということが一つの大きな今後の方向性と思っておりますし,またそれと同時に,これを支える人材の在り方,これを制度的にどういうふうに見直していくのかということもしっかりと受け止めて,その検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

 いずれにいたしましても,大変中身の濃い議論を頂きましたことを改めて御礼を申し上げたいと存じます。どうもありがとうございました。

【清原分科会長】 
 藤原局長,ありがとうございます。私たちの意見を間近に聞いていただきまして,しっかりと受け止めていただけることを心強く思っております。

 それでは,本日の審議はこの辺りとしたいと思います。事務局におきまして,これから第11期生涯学習分科会として議論の整理をしていきますが,本日頂きました御意見をできる限り踏まえた加筆,修正,補強をしていただきたいと思っています。そして,次回分科会までに委員の皆様からの御意見を頂くことを含めまして,事務局に調整をお願いしたいと思います。

 もちろん,私と牧野副分科会長は,是非,案の取りまとめについても力を尽くしたいと思いますが,皆様,その進め方でよろしいでしょうか。

 うなずいていただきました。ありがとうございます。是非そのように,今日の御意見,これまでの御意見,そしてこの会議のあとにお気づきになった点など,本当にメモ書きで結構でございますので,事務局までお送りいただきましたら,それを反映しまして,次回の生涯学習分科会で議論の整理の取りまとめを最終的に行うことにしたいと思います。

 そして,次期教育振興基本計画の策定にも,私たちの取りまとめは影響を与えることができると考えておりますので,是非,今しばらくお付き合いいただきまして,次回の会議で一定の取りまとめとしたいと思っています。

 本日の議題は以上になります。事務局から連絡事項がありましたら,お願いいたします。

【中村生涯学習推進課課長補佐】 
 事務局より,今後の審議予定について御連絡をさせていただきます。

 資料3を御覧ください。次回の生涯学習分科会は,725日月曜日,10時から12時の時間帯で開催したいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

 以上でございます。

【清原分科会長】 
 ありがとうございます。

 沖縄県那覇市の方が,東京をはじめ,関東地方よりも気温が低いという異例の気象状況の6月も終わろうとしております。明日から7月でございます。皆様,どうぞくれぐれも御自愛を頂きまして,それぞれの場で御健勝に御活躍をいただければと思います。

 それでは,725日にまたお目にかかります。本日はありがとうございました。

 

―― 了 ――

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