生涯学習分科会(第112回) 議事録

1.日時

令和3年8月25日(水曜日)13時00分~15時00分

2.場所

文部科学省 東館13階13F3会議室 ※WEB会議

3.議題

  1. 第11期生涯学習分科会の検討課題について
  2. コミュニティ・スクールの在り方等に関する検討会議中間まとめについて
  3. その他

4.出席者

委員

(分科会長)   清原分科会長
(副分科会長) 牧野副分科会長
(委員)      今村委員,内田委員,清水委員,中野委員,萩原委員
(臨時委員)   大久保委員,澤野委員,関委員,薗田委員,髙倉委員,千葉委員,辻委員,松本委員,宮城委員,横尾委員

文部科学省

(事務局) 出倉大臣官房審議官,寺門社会教育振興総括官,山下生涯学習推進課長,根本地域学習推進課長,齊藤生涯学習推進課課長補佐,若林男女共同参画共生社会学習・安全課課長補佐 他

5.議事録

【清原分科会長】
皆様,こんにちは。定刻になりましたので,ただいまから第112回中央教育審議会生涯学習分科会を開催いたします。
このところの大雨で被害に遭われた方もいらっしゃるかもしれません。心からお見舞いを申し上げます。本日は,大変御多用のところお集まりいただきまして,誠にありがとうございます。本会議は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため,ウェブ会議方式で開催をさせていただきます。
また,本日は,ユーチューブ上で報道関係者及び一般の方々の傍聴を受け入れております。傍聴者は会場全体を映した映像を傍聴していただくことになります。委員におかれましては,御自宅や職場からの接続に際しては,背後やお手元の映り込みに御留意をお願いいたします。また,本日,報道関係者より会議の全体について録画・録音を行いたい旨申出がありまして,許可をしておりますので,御承知おきください。
次に,ウェブ会議運営に当たりましての留意事項の説明,そして,配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。

【齊藤生涯学習推進課課長補佐】
生涯学習推進課の齊藤でございます。
本日は,ウェブ会議方式にて開催させていただきます。御不便をお掛けすることもあるかと存じますが,何とぞ御理解のほどよろしくお願いいたします。ウェブ会議を円滑に行う観点から4点ほどお願いさせていただきます。
1点目,御発言に当たっては,インターネットでも聞き取りやすいようにはっきり御発言いただく。
2点目,御発言の都度,名前をおっしゃっていただく。
3点目,御発言時以外はマイクをミュートにしていただく。
4点目,発言に当たっては「手を挙げる」ボタンの押していただき,御発言後はボタンを解除いただければと思います。
お手数をお掛けいたしますが,御協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは,資料の確認をさせていただきます。議事次第及び資料1から資料5,参考資料1から3を配付しております。参考資料3として,先日公表された「令和2年度文部科学白書」の概要を配付しています。本文については,参考資料3の最初のページ記載の文科省ホームページから御覧ください。
以上です。

【清原分科会長】
どうもありがとうございます。
それでは,議事に入る前に,文部科学省で人事異動があったということでございます。事務局から御紹介をお願いいたします。

【齊藤生涯学習推進課課長補佐】
事務局に人事異動がございましたので,新たに参りました職員を御紹介いたします。
総合教育政策局担当大臣官房審議官の出倉功一でございます。

【出倉大臣官房審議官】
審議官の出倉でございます。
よろしくお願いいたします。

【清原分科会長】
よろしくお願いします。

【齊藤生涯学習推進課課長補佐】
生涯学習推進課課長の山下洋でございます。

【山下生涯学習推進課長】
生涯学習推進課長の山下でございます。よろしくお願いいたします。

【清原分科会長】
よろしくお願いします。

【齊藤生涯学習推進課課長補佐】
地域学習推進課課長の根本幸枝でございます。

【根本地域学習推進課長】
根本でございます。7月から地域学習推進課に移りました。今後ともよろしくお願いいたします。

【清原分科会長】
出倉大臣官房審議官,そして,山下課長,根本課長,どうぞよろしくお願いいたします。
それでは,ここで「議題1,第11期生涯学習分科会の検討課題」についての審議に入ります。
前回皆様から頂きました御意見,審議を踏まえまして,事務局において,私,分科会長の清原と牧野副分科会長の打合せも反映していただきまして,第11期生涯学習分科会の検討課題について資料を作成していただきました。
まずその説明を事務局にお願いいたします。

【山下生涯学習推進課長】
生涯学習推進課長の山下でございます。
資料1を御覧ください。第10期での議論及び前回の分科会にて委員の先生方から様々な御意見を頂きました。これを踏まえ,第11期における検討の方向性について,清原分科会長や牧野副分科会長と御相談の上,事務局からの提案という形で資料1を用意させていただいたところでございます。
資料の前半では,昨今の生涯学習・社会教育を取り巻く状況として,これまでの分科会での御議論で整理されてきたことや,現在どのような課題があるのかを整理してございます。
まず大前提として,生涯学習・社会教育は,個人の成長と地域社会の発展の双方に重要な意義と役割を持つものですが,前期第10期の議論の整理では,誰一人として取り残されることのない包摂的な社会の実現に向けて,命を守る生涯学習・社会教育という視点を打ち出していただきました。
前回の分科会でも,デジタル社会における社会的包摂に関して多くの御意見を頂きました。これに関しては政府の方でも方針を出しておりますし,あらゆる領域にデジタル化の波が押し寄せていることは実感されていることと存じます。
このような中で,デジタル社会における生涯学習・社会教育を考えていくことが今期の重要課題であると委員の先生方に共通の御認識が得られたものと考えてございます。
御承知のとおり,生涯学習・社会教育は,デジタル化への対応が必ずしも早い領域ではありませんでしたが,今般のコロナ禍において各地で様々な工夫や取組が行われ,従来の対面の学びと新しいオンラインの学びとのハイブリッドによる豊かな学びの実現が急速に進んでおります。一方,ICT機器を利用できる者と利用できない者の間に生じる格差,すなわち,デジタル・ディバイドの解消をはじめとしたデジタル化の負の側面への対応のため,必要なリテラシーを育むことの重要性も増しております。
これらの課題に対して,学びを通じて人々の生活や地域を豊かにしてきた生涯学習・社会教育は,これまでに培ってきた人と人との温かなつながりを生かし,新しい方法を模索しながら社会に貢献していく必要がございます。
以上を踏まえた論点でございますが,第11期分科会では,できますれば,課題解決策として,現実を後追いするにとどまらず,分科会としてどのような社会を目指すのかを明らかにする形でメッセージを出していただければと考えているところでございます。それに向けた当面の論点の例として3点を御提案させていただきます。
第1に,デジタル社会における急激な社会の変化の中で生涯学習・社会教育が重点的に果たすべき役割は何かでございます。GIGAスクールや大学のオンライン授業,職場でのテレワークが普及する中で,生涯学習・社会教育分野での適切なデジタル化は喫緊の課題です。取りこぼしのない社会を実現するために注目すべき人々に関しては,前回,デジタルに苦手意識のある方々,制度や施策のはざまに落ち込む人,多世代の人々,NPOなどの多くのキーワードを頂きました。支援する側,支援を受ける側双方に注目しながら,デジタル・ディバイドの解消のための取組,生涯学習・社会教育施設に期待されることについて推進方策をまとめていただければと考えております。
第2に,これからの生き方を豊かなものにしていくために,学校教育を終えた若者が自ら学ぶ必要があるリテラシー・スキルと有効な育成方策についてです。
激動する社会において,若者も含めて将来を見通してキャリアデザインを再考する必要に迫られています。前回,デジタルスキル・リテラシーのほか,メディアリテラシー,バックキャスティング教育,デザイン教育などの重要性や,人々をそれらの学びに向ける動機付けや仕組みといった課題を示していただきました。これらについて,社会を先導するような具体策を御提案いただければと考えております。
第3に,持続可能な地域社会を形成・維持していくために,生涯学習・社会教育が貢献できることは何かです。
関連して,第9期におまとめいただいた答申では,地域における社会教育の意義と果たすべき役割として,社会教育を基盤とした人づくり,つながりづくり,地域づくりをお示しいただきました。この答申から3年が経過し,前回の分科会でも持続可能な地域社会の形成に関する多くの御意見を頂いたことから,今期は,特に鍵となりそうな高齢化が進む市町村の中心部に焦点を当てて,持続可能な地域社会の形成・維持に必要な社会教育施設の役割や社会教育制度の活用など,社会の閉塞感を打破するような取組を示せればと事務局では考えてございます。
この3ポツについては,本日の議題2のコミュニティ・スクールの報告も踏まえて,次回以降議論を深めたいと考えておりますので,本日は,主に1ポツ,2ポツの観点から生涯学習と若者を取り巻く環境をテーマに御議論いただきたく,辻先生と松本先生に御発表をいただき,その後,忌たんない意見交換をしていただければと考えてございます。
なお,その前に,事務局の方から参考資料2について補足の説明をさせていただきます。

【齊藤生涯学習推進課課長補佐】
参考資料2でございます。
第11期生涯学習分科会の検討課題に関する参考資料でございます。今期の検討課題に資するものとして参考になりそうな資料を,政府の資料や民間の調査データなどから幾つか事務局の方で用意したものでございます。
一つ御紹介したいのが,4ページ目から7ページ目のデジタル環境変化に関する意識調査で,PwCが今年の2月に世界19か国3万人から回答を得た調査でございます。全体として日本は,残念ながら世界と比べて学習機会が少なくてスキルも持っていないという回答が多くなっています。
検討課題の2ポツに関連して注目したいのが5ページ目でございまして,保有するスキルの質問で8つのスキルや特性が例示されております。いずれもデジタルスキルに関連が深いものですが,これからの社会を生き抜く共通的なスキルもございます。これぐらいの粒度で具体的なスキルと育成方策を示すことができれば,分科会のメッセージとして伝わりやすいのではないかと考え,御紹介いたしました。
以上でございます。

【清原分科会長】
どうもありがとうございます。
以上,山下課長はじめ事務局から御説明いただきましたように,資料1の2ページに列挙されております三つの論点について,今期は議論を進めてはどうかということでございます。
今回生涯学習分科会にとりわけ諮問をいただいているわけではございませんけれども,私たち生涯学習分科会としては,資料1の2ページの4行目にまとめてありますように,以下のような論点について検討し,どのような社会を目指すのかを明らかにするとともに推進方策をまとめてはどうかと,このように考えております。
1点目の「デジタル社会における急激な社会の変化の中で生涯学習・社会教育が重点的に果たすべき役割は何か。」2点目,「これからの生き方を豊かなものにしていくために,学校教育を終えた若者が自ら学ぶ必要があるリテラシー・スキルと有効な育成方策について。」
本日はこの1番と2番について特に焦点を当てて皆様と意見交換をしていきたいと思います。その中でもちろん3点目の「持続可能な地域社会を形成・維持していくために,生涯学習・社会教育が貢献できることは何か」ということは,当然関連してくるとは思います。
そこで今回は,私たちが検討を深めるために,「生涯学習と若者を取り巻く環境」という視点から,辻委員と松本委員に発表をしていただくことに致しました。お二人の発表を続けてしていただいた後,皆様と意見交換をしたいと考えています。それでは初めに,辻委員から,「不登校や高校中退,障害を持つ学生,新卒無業といった困難を抱える子供・若者への支援」などにつきまして,「教育福祉としての生涯学習」という観点から20分程度で御発表をいただきます。それでは,辻委員,よろしくお願いいたします。

【辻委員】
名古屋大学の辻でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私がきょう提案をさせていただきますのは,前回自己紹介の中で,生涯学習の中でもいろいろな困難を抱えている人たちのことを私は考えているということで,御報告をさせていただけることになって大変有り難く思っております。
そのことも含めて,まず最初に,提案に当たっての二つの視点ということで,一つ目は,社会教育は歴史的には立場の弱い人や立場の低い階層の人たちへの学習機会を提供してきたという,そういうことが歴史的にはあったということを少し御紹介させていただいております。戦前であれば,貧困だとか,あるいは障害がある子供たちが子守学校だとか特別学級というようなものに通ったりしておりました。また,上級学校に進学できない若者は,青年団とか実業補習学校とか青年学校に通っておりまして,そういうものが社会教育だったということで,決して恵まれた階層の方が社会教育で学ぶという,そういうものではなかったというのが一つの特徴としてあるということでございます。
現在はほとんどの子供さんはもう高校に行っているし,大学にも行っている状況ですけれども,現在では,そういう恵まれた環境の中で,不登校だとか中途退学とかひきこもりとか,それから,高校を卒業するに当たって全く行き先が決まっていない,そんな若者もいるというようなことが,戦前とは様相が違いますけれども,社会教育が考えていっていいことなのかなと思っております。
それから,二つ目の視点は,この会議が総合政策教育局というところで担当いただいていて,かつては生涯学習局といっていて,それがなくなるときに私どもの学会でも,生涯学習局がなくなって大変寂しいよとかそんな意見があったんですけれども,私は,局名が総合教育政策局になって,むしろいろいろな,もう腹をくくって連携をしていくという,そういうことができるのではないかなというふうに思っているところです。
とりわけ局レベルでいえば,初等中等教育局とか,それから,高等教育局というところと連携をすることで何か新しいものができるのかもしれない。また,そこの連携が取れれば,例えば厚生労働省との連携も取れる。そのときに,とりわけ学校とも連携しているんだということを言うと,他の省庁も大変乗ってきやすいのではないかなと,そんなようなことを考えて,総合教育政策をどうつくっていくか,そこに生涯学習をどう入れていただけるかということに大変関心を持っているところでございます。
そういうことを前提と致しまして,具体的に困難を抱えた人たちの省内の連携ということでどういうことが考えられるだろうかということで幾つか挙げました。一つ目は,不登校や高校中退の人たちの学び直しということがやっぱり大きな課題になっていると思います。聞いた話ですけれども,高校卒業程度認定試験というのは自分で頑張ればそれなりに合格できるんだけれども,その後自分の進路に合わせた大学や学部に行きたいと思ったときに,その勉学というのが,高校を辞めてしまうととても難しいというふうに聞いたことがあります。
また,通信制の高校に通っている生徒さんの場合,通信制高校は普通の高校ですから授業料もそんな掛からないわけですけれども,勉強が続かないのでサポート校を利用する若者がいると聞いています。このサポート校の数が少ないし,利用料が結構高いというようなことなどもあって,こういう通信制教育のサポート校というのは学校教育ではございませんので,生涯学習の方で何か面倒を見られないのかなというふうに思ったりいたしています。
それから,自主夜間中学というものがございます。夜間中学というと,かつては貧しかったり,あるいは朝鮮半島から来た方々だとかそういう方々が学ぶところという感じで,映画も作られたりしてきましたけれども,今は中学校を形式的に卒業させられた若者が,自分は学力が全くないので困ったということで,夜間中学に通ってきている人が多いというふうに聞いております。
ちゃんとした夜間中学は今,都道府県に一つはつくろうということで動いていただいていると思うんですけれども,既に今,自主夜間中学という,ボランティアで運営されている夜間中学がかなりあります。
その中で,北九州市の青春学校というところが,北九州市立穴生中学校の夜間学級を修了したということに,そこの仕組みは私はよく分からないんですけれども,そういう自主夜間中学でちゃんと勉強すれば,正規の学校教育を受けたよというふうに認定するという,ある意味風穴が開いているというふうに聞いております。そういうものを広げていけばうんと,自主夜間中学をもって義務教育を何とか終えるという,それで,形式的に不登校でずっと学校に行ってなかった,それでも中卒という学歴を与えられている,そういう若者たちに学力を保証するということができるのかなと,そういうことでございまして,これがいわゆる学び直しということに関わる私の考えでございます。
2点目は,障害者のことであります。こちらは,学校から社会への移行ということが大きなテーマになっているかと思います。
これは既に文部科学省の方で補助事業という形でモデル事業が推進されていますので,文科省の方は十分御存じのことかなと思います。今,高等学校の上に専攻科というものを置けるという規定が学校教育法の52条だったと思うんですが,そういうものがあって,それを使って特別支援学校の高等部に専攻科を置くという,そういうことをしております。
残念ながら,都道府県立の特別支援学校は1校も置いていないのですけれども,私立の特別支援学校だとか,鳥取大学附属の特別支援学校などに置かれていて,そこでは,職業能力を高めるというよりも,仲間の中でじっくりと文化活動あるいは自治的な取組,そういうことで人格形成をゆったりとした時間の中でしていく。障害があるから,18歳以降は就職だよと。一般の障害のない人たちは,余り目的意識もなく大学に行って,その中で何かを見付けるということがあるんだけれども,障害のある子供たちはそれを許されていないというのはどうもおかしいではないかというような障害者の方々の運動があるということでございます。
2枚目の冒頭に移りますけれども,そこに先べんを付けているのが,愛知県にあります見晴台学園大学というところで,文部科学省の方は十分御存じのことかと思います。もちろんNPO立ですので,正規の学校とはみなされていない,無認可の学校ですけれども,でも,ここには,大学ということで4年間じっくり学ぶということをして,学歴にも何にもならないんだけれども,作業所等で働くというよりも,こういうところで学びの4年間を,青年期を過ごしたいという,そういう本人や御家族の希望があって運営されているというようなことであります。
私自身もこの見晴台学園に少し関わりを持ちながら,文科省の方から補助していただいたお金で生涯学習セミナーを開催してまいりまして,その中で,肯定的に自分を振り返る方法って何かないのかなとか,あるいは何かちょっと難しい講義を知的障害のある人たちがどうやったら聞けるんだろうかというようなそんな実験的なことだとか,そんなようなことをさせていただいています。申し上げたいことは,特別支援学校との連携で障害のある人の18歳以降の多様な進路をつくることができないかと,そんなようなことを考えております。
3点目は,子供・若者支援に関わることであります。
就職できない,あるいはひきこもりになっている若者たちに対して,今ドイツや北欧,ポーランドなどでは,総合社会活動あるいは社会空間指導という名目で,いわゆる社会福祉の事業と生涯学習の事業が一緒になったような,そんな取組が行われていると聞いています。それを研究している方々の中でも,奈良教育大学を昨年度定年されましたけれども,生田周二さんという方が,奈良県の方で子ども・若者支援専門職養成研究所をつくられて,既に本も出されていたり,文科省の科研費でも随分お金を頂きながら,そういうものを日本でどう広げようかというふうにしているというふうに思っております。
この若者支援のポイントは,学校でもない,福祉的支援でもない,第三の領域ということで,とりわけ福祉の場合はターゲット支援になりがちなんだけれども,生涯学習でユニバーサル支援とターゲット支援を組み合わせる。そのためにはどうしても,平たく言うと居場所のようなそういうところで若者たちが交流をしていく。そこに専門家が丁寧に関わっていくという,そんな方法を日本で普及できないかというふうに考えておられる人たちがいるということを御紹介させていただきたいと思います。
それから,最近また名前が変わって都立大学と戻ったと聞いていますけれども,首都大学東京の方で乾彰夫先生という方が定年の間際に大変大きな研究プロジェクトを立ち上げられて,高校を卒業した後5年間若者たちがどういう経験をするんだろうかということを,毎年1年に一回1時間半ほどの面接をするという,そんな研究をされました。
対象になった学校が,偏差値的には余り高くない学校二つの卒業生が5年間をどう経験していくかという,こういうことですね。
その本の冒頭で私,えっと思ったのは,こういう学校だと,卒業するときに進路が全く決まっていないという若者もいるそうで,でも,先生方は,心を痛めながらもどうすることもできないので,「頑張ってください」みたいに送る。そういうリスクが高い若者ですから,もちろんその中からちゃんと自立していく若者もいるんでしょうけれども,アルバイトを繰り返したり,そのうちに仕事もしなくなったりとか,ちょっと不安定な生活をされている人がいるわけです。そういうようなことをインタビューの中ではっきりさせながら,こういう若者が断片的に経験していることをつないで自己の物語を作っていくという,そういう支援をすることが必要だというふうに提案をされています。
その意味では,高校との連携でハイリスクな青年に関わり続ける,そんな仕組みができないものかというふうに考えておるんですけれども,3週間ほど前,毎日新聞で,校内居場所カフェというものをつくっている学校があるという記事が載っていました。具体的には,横浜市立横浜総合高校というところにあるそうですけれども,ほかにも幾つかあるというふうに記事には書かれていました。ここはいわゆる保健室登校のカフェ版みたいなもので,学校の授業が嫌だなとかそんなふうに思っている子が,NPOが運営しているこのカフェ,校内に設置されているカフェに行って,場合によっては悩みを打ち明けたり,相談もしたりする。もしこういうものを学校の中で経験して,卒業していくときに,そのNPOの方が,「卒業して困ったことがあったら,自分たちは学校以外でもここでもこういうことをやっているから,ここに来てくださいね」みたいにつなぐことができたら,こういうハイリスクな若者が結構救われるのではないかなと思ったりいたしました。
それから,4点目が,大学との連携ということです。今,大学に大変たくさんの障害の方が入学されているんですね。多くは発達障害と言われる方々あるいは精神障害の方々が多くて,入試と授業はクリアできるんだけれども,就職でつまずくという,こういうことが多くの大学で困っていることなんですね。大学によっては,もう校内だけではとても無理なので,ハローワークと連携してそういう人たちの就職を支援しているという話もあるんですけれども,どうもそれも私の見るところ,苦し紛れというか,学校の中でどうにもならないのでハローワークに応援を頼んでいるということで,これをもう少しちゃんとてこ入れをして,大学との連携でジョブコーチなどを付けたりしながらインターンシップをして,そういう若者が大学から就職ということにつないでいく,そんな生涯学習の可能性もあるのかなと,そんなように4つぐらいのことに考えました。
いわゆる中等学校との協力,大学との協力,それから,特別支援学校との協力,こういうことをしていくことで,総合教育政策として生涯学習が大変意義あるものになるのではないかなと,そんなふうに思ったということでございます。
それから,もう一つ項目を立てましたのが,私,今,名古屋大学教育学部の附属中学・高等学校の校長をしておりまして,そういうところは実験的な教育に取り組むということで,今力を入れているのは協同的探究学習という,そういうことです。単に暗記型の学習ではこれからの社会生きていけない。ICTに強いだけでも生きていけない。ほかの人と協力しながら新しいものを創る,そういうイノベーションの能力が必要だということで取り組んでいます。
そのためには,領域横断的に物を考えなければいけないわけですけれども,そのための課題というのがいかにも私から見ると,校長がこんなこと言って何ですけれども,ちょっと作り物的な感じがするんですね。本当の実生活だとか,あるいは職業生活,あるいは会社を維持させるというのは,ちょっとまたもっとシビアなものがあるんだろうなというふうに思っています。
その点で,多くの方が御存じだと思いますけれども,隠岐島前高校というところがその先べんを付けて,島にある資源をどういうふうに有効利用できるのかということを,島に移ってきたIターンの方々と高校生が協力しながらやっていく。それに似たようなものを私が調査に行っている長野県の阿智村の阿智高校というところでも,島前高校のようにはできませんけれども,そんなようなことの取組をしているということです。特に阿智村の場合は,全村博物館という,村の人たちが一生懸命取り組んでいる何かを高校生が学んでいくという,そんな取組をしているということで,こういう形でイノベーションの社会に対応できる人材ができればいいかなと思っております。
最後が,前回も申し上げましたけれども,今回もICTをどのように駆使していくかということなんですけれども,逆に携帯依存と言われるような形で,本来もっと伸びる力が伸びないという,あるいは携帯をずっといじっていて夜遅くまで時間を過ごして,学校に来られない,あるいは職場に行けないという,そういう問題も深刻になるだろうというふうに思っております。
これは学校で注意するということをしなければいけないんでしょうけれども,どうもそれだけでは済まなくて,大人が寸暇を惜しんで携帯をいじっている社会で,子供に学校で幾ら注意してもなかなかうまくいかない。これを学校教育と生涯学習の連携で,SNSや携帯との付き合い方のようなことを日本社会の文化として何か定着させられないものかなと,そんなようなことを考えましたけれども,これは具体的なアイデアは全くありませんけれども,そんなことを考えました。
以上,雑ぱくですけれども,よろしくいたします。

【清原分科会長】
辻委員,ありがとうございました。
不登校,高校中退と学び直しの支援や障害者の学校から社会への移行という,具体的な困難を抱えた人に向けての生涯学習を正に「総合教育政策」とする御提案をいただきましたし,最後には,協同的探究学習とデジタル変革の末端でスマホ依存にならずにむしろポジティブに活用していく方向性も御提案いただきました。これからの審議に大変多くのきっかけを頂いたと思います。ありがとうございます。

【辻委員】
ありがとうございました。

【清原分科会長】
それでは,質問,御意見等は,また松本委員の発表終了後に皆様から順次頂きたいと思います。
松本委員からは,「地域のまちづくり,ウェルビーイングの拠点としてのまちの保育園やまちのこども園における取組」について,これも時間を限らせていただいて恐縮ですが,20分以内でよろしくお願いします。それでは,松本委員,お願いいたします。

【松本委員】
皆さん,こんにちは,まちの保育園・こども園代表の松本でございます。
きょうはこのような機会を頂きまして,ありがとうございます。きょうも実は私,保育園におりますけれども,保育園からお届けしたいと思っております。
では,画面を共有させていただきながらお話しさせていただきます。
私たちは,まちの保育園・こども園という園を運営しております。私たちは,園・学校は,先ほど御紹介いただきました,地域のウェルビーイングの拠点になる,そのようなことを考えて運営しております。きょうはその点についてお話をさせていただきたいと思います。
まず私たちの園ですけれども,まちの保育園・こども園という名が示すとおり,まちぐるみの保育・教育を展開しております。地域の方がいつでも誰でもお越しいただけるようなコミュニティスペースがあるのが特徴でして,例えばカフェがあったりとか,地域の居場所になっていただくような場所を設けていたりとかするようなことが特徴になっています。小竹向原,六本木,吉祥寺,そして,代々木上原と,そして,今,私がおります代々木公園,都市公園の中に展開してございます。
理念として,「まちの」といったときに,まちぐるみの保育を実践しているわけですけれども,二つの視点でよく私たちはお話しします。子供たちの育ち・学びのために地域の皆さんに関わっていただくようなこと,又は保育園や学校等がまちづくりの拠点となっていけるんじゃないか,そのような考えを持って運営しております。そのことをきょうはちょっと詳しくお話ししてまいりたいと思います。
その特徴としましては,地域の皆さんと園・学校とをつなげるコミュニティコーディネーターという職員を置いているのが一つの特徴とも言えると思います。また,今,幼児教育・保育の改革期でもございますから,今,東京大学に発達保育実践政策学センターという幼児教育・保育を研究している部門がありますけれども,そちらと協定,共同研究を結びながら,今その研究を進めていること。又は,イタリアにレッジョ・エミリアという幼児教育の先進地域がございますが,そことパートナーシップの契約を結び,その学びを日本に届けているというような役割も担ってございます。出版等もやっております。
さて,まず一番初めは,皆さんに届けたいのは子供たちの姿でありまして,そのことも少し触れながら本題に移っていきたいと思います。私たちは一人一人の子供のすてきさを大切に育んでいきたいと思います。例えばこの子は色に対してとても興味関心のある子でした。ずっと正に0歳,1歳の頃から色に対しての関心が高かったわけですけれども,5歳ぐらいになってくると,私たちは知識として色の3原色を組み合わせるとあらゆる色が構成できるということは知っているわけですけれども,絵の具が3原色用意されて,具体的に色を再現してくださいというとなかなか難しいわけですね。この子は言葉を操るように色を操れるように既になっておりまして,カラーチャートを横に置きながら,朝の時間でどんどんスポイトなんかでも丁寧に調合しながら色を作っていくんです。本当に羨ましいなと思います。きっとこの子が見ている世界というのは,私たちがまた見ている世界とまた違う見方をしている。そういうふうに一人一人のすてきさが現れてくるのを喜びながら日々あるということを私たちは大事にしております。
そんな高尚なことだけじゃなくても,例えばこの子なんかは,誕生日にもらったショートケーキがうれしくて,紙一面に描き続ける姿,これもすてきだなと思いますし,この子の気ままな姿なんかもいいなと思うわけです。
また,そういった一人一人のすてきさが出てくると,クラスを盛り上げていくんですね。ある子が音楽に大変興味がある子でした。その子がほかのクラスの子に影響を与えながら,楽器作りから始める音楽会につながっていったりとか,若しくはピタゴラ装置に興味関心がある男の子が,ほかのクラスの子に呼びかけて,街にピタゴラ装置があるということを知って出掛けていったりとか,あるいは園庭にアルファベットの形をした小枝を見付けた子が,ほかのクラスに「ねえねえ,すごいよ」ということを伝えて,アルファベットの形をした小枝を探すことがはやり始めたりとか,そういう一人一人のすてきさは,ほかの子に影響を与えて,ほかの子のすてきさも引き出していくということを経験しています。
アイデアもどんどん生み出していきます。そういったことが重なっていきますと,園庭では毎日のように遊びが発明されていきますし,また,私,これ好きなんですけれども,例えば冬の寒い日に,保育園に入ったら何か置いてあるんですね。よく目を凝らして見ると,「くりすますつりい」と書いている。子供たちのイマジネーションの豊かさであるとか,想像性のすばらしさに私たちは感動するわけです。
そんな子供たちの姿が出てくると,出会いも生まれます。
子供たちが色染めに興味関心があるときに,地域の染物のプロの方との出会いを持ったりする。若しくは,例えば工作で街を作っていた子供たちが,何だか何かが足りないなと思ったときに,「そうか,私たちが作っている街には音がない」ということに気付いて,音ということの探究を始める。そのときに,地域のサウンドアーティストの方が音の波形なんかを見せていただいて,「そうだ,音に形があるんだ」ということに子供たちが驚き,自らの表現で音の形を示して見せる。そのような力を子供たちは持っている。本当にすばらしいなということを私たちは感じるわけです。
そんなふうな子供たちのすてきさが現れてくると,保育室はどんどん研究室のようになっていきます。また,私たちは芸術家にも出会います。これは木の根っこを表現しているようなんですけれども,そういった取組にもつながっていく。若しくは,色彩感覚もすばらしくて,これ,2歳,3歳の絵なんですけれども,そういったことにも感動していくことになります。
あるいは,哲学者にも出会います。菜の花は,種で殖える。菜の花の一番初めの1本はどうやって生まれたのということを問い掛けてくる。こういったことを例えば地域の方々と一緒に問うてみると,またそれも面白かったりする。そんな日々,日常とともにあります。
そしてまた,子供たちからは,プロセスが丸ごと価値がある。今,ここにとても重要な営みがあるということを私たちは気付かされます。
そして,違いが楽しい。ある子供がヒマワリを粘土で表現したとすれば,ほかの子供たちはコラージュで表現したり,絵で表現したり,物語にしたり,若しくは左下の写真なんかはスカートのモチーフにしているんですけれども,そういうように子供たちがあらゆる表現で多面的に物事を捉えていく。そんなこともすばらしいなと思います。
そんな子供たちの姿が現れてくると,どんどん発表したくなるんですね。そうすることによって,地域にどんどん子供の姿がはみ出ていって,地域で子供たちが展覧会を開催したり,地域の方々と関わっていく。そういうふうにしてくると,どんどんコミュニティーも楽しくなってきます。地域の皆さんも,子供たちのその姿を喜んで,例えば一緒に地域ぐるみでお祭りをつくろうよというような気運につながってくる。あるいは,子育て家庭なんかがつながり合って,まちにどんどんそれが参画していって,そういう点ではまちの若い世代がまちに参加していくようなことにつながってくる。そういうふうに,子供たちが私たちをつないでくれる,まちをつないでくれるということが大きいなと感じています。
もちろん先生たちも楽しいです。そんな子供たちの姿を見ながら,日々語り合っている。
そして,やっぱり一人一人のすてきさが子供たちのウェルビーイングに結ばれていくこと,それがやっぱり私たちの園や学校があるべき,まず第1のところであるということをまずお伝えしながら,きょうの話を展開していきたいと思います。
よく言うプロジェクトベーストラーニングということで私たちは展開しているんですが,きょうはこの詳細はお話ししませんけれども,私たちが大事にしております,まちづくりの拠点になるという本題を今からお話ししていきたいと思います。
先ほど申しました地域のウェルビーイング拠点へという可能性を私たちは感じているんですね。そのことに触れていきたいと思います。先ほど見ていただきました,やはり子供たちのウェルビーイングがあって,子供たちの環境をどのようにつくっていくかというところがやはりスタートになってきます。子供たちの興味・好奇心,それと,まずそれを保護者の方々と確認し合います。そして,保護者にも参画いただきながら,子供の環境をつくっていく。それを保育者,教職者と連携しながら子供の環境を考えていくわけですけれども,そのときに,私たちは学校や園の学びの資源を地域全体に見ていきます。地域の皆さんに関わっていただいたりしながら,まずは子供たちの育ち・学びのための連携を地域とともに充実させていくということをしていきます。ここがやっぱりスタート地点になってきます。
又は,保育園に常時通ってきている保護者じゃない,地域の子育て家庭にも手を差し伸べます。
地域の子育て家庭とともに正に共に育つということをやっていくわけですけれども,そういうことをしていきながら,地域の子育てセンター的役割を,正に保育園,こども園,幼稚園等が,あるいは学校も担っていけると信じております。共育てのコミュニティーですね。
こういった形で地域の子育て家庭をつないでいくわけですけれども,実はこれを地域的に見てみると,地域側から見てみるとどういうことかというと,子育て,共育てのコミュニティーというのは,正に地域の若い世代のネットワークとも言えるわけですね。この地域の若い世代のネットワークを私たちが育みながら,地域につないでいく。そうすることによって,多世代交流が進んでいったり,あるいは若い人たちがまちに参画することにつながったり,あるいはリタイア世代の方々がお得意なことで子供に関わっていただくような機会につながったり,あるいは高齢者の方々なんかは,例えばおしゃれをして街に出掛けるようになったなんていうことを言ってくださって,ウェルビーイングにつながっているなということも感じます。
又は,そういった顔なじみの関係ができてくると,防犯・防災面でも機能するということを町内会の中ではお話しし合ったりしています。そうして見ると,どうもやっぱり園や学校というのはまちづくりの拠点となれる可能性というのは多分に含んでいるんじゃないか,そこを改めて確認するわけです。
もう少しお話しします。
いわゆる地域交流の希薄化の観点で,この分科会でもよく話題になっていると思いますけれども,地域の様々な課題が地域交流の希薄化というところに結び付いているような話題が多いと思います。その中で,地域交流を活性化させるためのある種のネックとなっているのを,私たちが分析したところによりますと,やはり高齢者の世代と若い世代のコミュニケーションがどうもなかなかうまく図れていないというところがあるのではないか,そのように感じております。
高齢者世代は,比較的町内会や自治会がうまくつないでくださっていると思っております。一方で若い世代のネットワークを育む仕組みがまだ十分ではないのかなと思える地域が多かったりすると分析しています。その中で園や学校というのは,若い世代のネットワークを今見ていただきましたようにつないでいきやすいので,園や学校がそういった若い世代のネットワークを育み,それを高齢者世代とつないでいくことにより,地域全体の多世代交流が生まれてくる,そのようなことがかなうのではないかと信じているんですね。
そういった形でまちづくりの拠点になっていけるのではないか,そのように信じているんですが,また,別の視点で見ますと,例えば地域の方々と保育・教職者・学校がつながっていくことによると,次回の議論の中心となってくると思いますが,コミュニティ・スクールの理念であったり,社会に開かれた教育課程,あるいはチーム学校という形での に結び付いていくようなことがあるのではないかと思っております。
更に言いますと,実はもっと大きな可能性として,園や学校がもしかすると地域と,そして,広い社会あるいは世界,そして,あらゆる仕事領域をしている方々との橋渡し役になることによって,また地域の活性化あるいは地域に参画している様々な当事者のウェルビーイングにつながっていくんじゃないかという可能性すら感じております。
例えば子供たちにとっては,例えばロボットに興味関心がある子がいたとします。地域にそういったプロの方がいらっしゃらなくても,今は正にデジタル社会になってきまして,オンラインで様々なプロフェッショナルな方々とつながることができるわけです。そういった方々とワークショップを組み立てることも可能かもしれません。
あるいは,都会の子供たちが,ある探究テーマの中で,田舎町の漁師の皆さんとつながり合って,漁師の仕事の内容とか,あるいはその仕事の喜びなんかを聞くような機会なんかにもつなげられるかもしれません。
また,子供だけではなく,例えば保育・教職者にとっては,例えば世界のネットワークと築いて世界の実践者と新たな教育の地平を開いていくような取組につなげていったりとか,あるいは社会と,SDGsとかLGBTQなど,私たちがこれから大事にしていきたい価値観,理念について学び合うようなことなんかも可能かもしれません。
そして,今度,子育て世代から見てみますと,子育て世代はなかなか遠くに出掛けられないんですね。それで,地域で過ごすようなことが増えてくるわけですが,例えば園や学校が広い社会とネットワークを築いて,例えばアート思考やデザイン思考とか,そういったこと,最先端な知見を実は地域で学ぶことができるとか,あるいはもっと文化教室的に,ガーデニングを一緒にやったりとか,料理教室をやったりとか,プロのアーティストの方を招いて音楽イベントをやったりとか,そういったことも可能になってくるのではないかというように思ったりいたします。
更に言えば,地域にとっては地域の課題解決にもつながっていく。例えば地域の中で,若者にもっと知っていただくようなウェブサイトを作りたいなというような思いがあったときに,プロボノの仕組みを使っていくとか,あるいは姉妹商店街のような契約を結んでまちおこしにつなげていく。そういうように広く社会や世界とネットワークしていくことをつないでいくと,それが地域にとってもとても価値があることになっていくのではないか,そのように感じております。
まとめていきますと,地域の当事者一人一人にとっては,学びの充実やクオリティー・オブ・ライフに社会や世界とつながることによってつなげていくことができる。あるいは,まちの視点で見ますと,まちおこしとか文化創造の拠点として地域がなっていくことができると感じております。さらに,これから私たちが未来志向で大切にしていきたい価値観なんかの醸成なんかもかなってくるんじゃないか,それぐらいの可能性を秘めているというように私たちは信じております。
いろいろと申しましたけれども,様々なことが重なって,地域ぐるみであること,あるいは社会とのつながりを持つことによって,実は教育の高度化・多様化に加えて,社会のウェルビーイング拠点としての園や学校ということがかなうのではないかと思います。正に今この生涯学習分科会で深めていこうという,これからの社会のビジョンと通ずるようなところもあるかと思います。そういうようなところで私たちは考えを持っております。
では,それを具体的にどのようにするかというところでは,全てはきょうはお話ししませんけれども,七つのポイントを私たちは整理しております。例えばコミュニティーをつなげる役割を置く。これはちょっと詳しくお話しします。二つ目が,コミュニティーの居場所づくりを園や学校のみならず,地域のあらゆる場所に第三の居場所づくりをしていくようなことです。そして,地域のハブになっている方々とつながる。又は,地域の中でつながるマインドを醸成していく。それは高齢者の方も含めてです。また,学校や園が計画に地域を入れていくこと。そして,子育て世代を積極的に巻き込む意識を持つということ。そして,お祭りとか,あるいはガーデニングとか土いじりみたいなところで多様な共有体験をデザインしていくということ。そういった点を私たちは重点課題として挙げていたりします。
その中で,コミュニティーをつなげる役割を置くという点で,先ほど少しお話ししましたコミュニティコーディネーターという人物を配置しております。コミュニティコーディネーターは,正に今,東京大学と共同研究を進めているんですけれども,活動領域としましては五つあります。
まず一つは,園や学校をつないでいく。先ほど子供たちと地域をつないでいくところがスタートになるとお話ししました。子供たちの興味関心とか,保護者,そして,教師の思いをしっかり理解していること,それで初めて地域とのつなぎが充実した形になってくると思います。なので,まずは園や学校をつなぐ役割であります。
そして,地域を園につなぐというところでいいますと,子供たちの活動に地域の皆さんに参画いただくということであります。そして,さらに,園を地域につなぐ役割というところでいえば,先ほど言いましたが,子育て家庭が地域にどんどん出ていって,地域の様々な方々と交流したり,地域活動に関わっていくようなことのつなぎです。
そして,地域同士をつなぐという役割も出てきます。それは例えばオペラ歌手の方と出会ったときに,地域で場を営んでいる方がいれば,その方々とつなげていくようなことも致しますし,高齢者の方々と子育て家庭をつなぐこともありますし,学生をつないでいくこともありますし,そういう地域の方々同士をつなぎ合わせるような役割。常時そこの園・学校におるものですから,地域の方々とどんどん顔なじみの関係が出てきます。そこでそれぞれの思いをつなげていくということをやっていくわけです。
更に言えば,広い社会や世界とつないでいく。これは私たちがコミュニティコーディネーターということをそれこそオンラインでネットワークしてます。なので,様々な地域の知見とか社会の様々な方とつながるようなネットワークを持っているというのも一つの考えかなと思っております。
コミュニティコーディネーターについては,そういう点では,やはり常駐であるということが大事かなと思っています。子供,保育士,保護者との信頼関係を築く必要があるからです。又は,地域の皆さんに,ノックすれば彼がいるとか,彼女がいるというような状況をつくるということが大事かなと思っていたりもします。
又は,多様なバックグラウンドを持っている人がいいなと思います。必ずしも保育者や教師でなくてもいいと思います。むしろいわゆる越境者の方が様々なつなぎなんかが上手にできるなと思うところもあったりします。
又は,地域や学校のニーズや特性に合わせた人材を置くことが大事だと思っております。例えばそれこそSNSの発信が得意な方とか,あるいは空き家活用に知見をお持ちの方とか,あるいはダイバーシティー理解を進めたいからダイバーシティー理解がある方とか,そういうような方で地域のニーズ等に合わせて人材を配置していくということも可能かと思います。
そして,最後に,これはコミュニティコーディネーターというのは新たな職種ですし,先ほど言いました,広い社会や世界とのネットワークというところでは,私たちがオンライン上で組織しておりますコミュニティコーディネーター会というものに参加いただいて,様々な地域の課題を共有したり,あるいは社会とのつながりを持つ,あるいは世界とのつながりを持つということを工夫しております。
以上,駆け足になったところもありますけれども,そのような形で,私としましては,園や学校というのは地域のウェルビーイング拠点になっていけるのではないかという可能性を皆さんに本日は問いとして投げ掛けていきたいなと思いました。教育の高度化・多様化ということにつなげまして,子育てフレンドリーな社会の醸成又は高齢者のウェルネス,それから,コミュニティーの結束とかまちの魅力づくりにもつながっていきます。あるいは,これから未来志向のまちをつくっていく,社会をつくっていくという点では,私たちが大事にしていきたい価値観を学び合うということも可能になってくるのではないか。そのような可能性を私たちは信じておりまして,そのことをまた皆さんと分かち合い,きょうは議論させていただきたいなと思ってこのような話題を提供させていただきました。
駆け足のところもありましたけれども,以上で私の発表とさせていただきます。ありがとうございます。

【清原分科会長】
ありがとうございます。
松本委員からは,園・学校が「まちづくりの拠点」だけではなくて「ウェルビーイングの拠点」である。そのためにも「コミュニティコーディネーター」が重要であるという御提言もいただきました。これはコミュニティ・スクールについて後ほど御報告がありますが,学校活動の協働推進員の役割とも重なるのかなと思って聞かせていただきました。
さて,以上お二人の委員の御発表を踏まえ,事務局で用意していただいた資料1とともにこれから皆様から自由に御発言をいただきたいと思います。2時45分ぐらいをめどに,御意見をお一人二,三分程度で頂きたいと思います。松本委員のお言葉をお借りすれば,「一人一人の委員のすてきが100のアイデアを生む」と,こういう場がこれから分科会で展開されます。挙手ボタンを押していただきましたら,私から順次御指名をさせていただきますので,よろしくお願いします。
それでは,もう早速手が挙がっております。これから申し上げる順番で順次お願いします。
横尾委員,髙倉委員,大久保委員,萩原委員,そして,清水委員,今村委員の順番でまずはお願いします。それでは,横尾委員,まずお願いします。

【横尾委員】
皆さん,こんにちは。
また,御指名ありがとうございます。では早速,意見を述べさせていただきます。
今回大雨が降って,私のところも累計雨量1,100ミリぐらい降りました。大変でした。
実はそのことにも関連付けてお話をしたいと思います。個人としての自己防衛と役所としての防災のためにも,情報は極めて重要です。市役所では,SNSやインターネットを使って,最新の雨雲レーダーや危険を予知する様々な情報を集めて,災害対策本部として対策を打ちます。
これからは同様のことが個人にも有用だと感じます。個々の市民の皆さんも災害に関連する情報にアクセスできますので,そのリテラシーをより高めていくことがこれからものすごく大事になると思います。自分自身の安全確保につながるからです。
コロナにしろ,こういった天候による災害にしろ,情報を的確に捉えて対策を打つことが危機管理の基本だと思います。そういった意味でも,多様な情報入手が容易になり,通報も可能になるデジタル社会の進展ということが大きな期待があると思います。
そういった背景を踏まえながら,意見を述べさせていただきます。
今日は,特に「若者に関して」とおっしゃっておりますので,そのことからお話します。
まず若い人たちはSNSを多用されていますので,この活用をもっと考えなければいけなというのが基本にあります。簡単に言えば,いつでもどこでも自由にアクセスして学ぶ環境が可能なのですから,学ぶチャンスは増えますので,そういったことを考えてほしい。
例えばアメリカには,カーンアカデミーというオンラインの学習ネットワークがあります。いろいろなことを学べるようになっています。私も実際アクセスしましたが,本当に面白いことが学べます。動画による学習はリアル感満載の学習です。こういったことは,以前に開催されたこの生涯学習分科会でも申し上げたのですが,この有効性をもっと文部科学省あるいは政府としても,自治体を巻き込みながらやってほしいなと思っています。そのためには,ショートムービーでポイントを押さえてパッケージにして情報提供などをやっていけば,多くの方々はよく学ぶこともできると思います。
私は,SNSは老若男女を結ぶ,また,それを共有する一つの基本的なインフラになるだろうと思っています。また,今後のことを考えていくと,リテラシーについては,年配の皆さんも知っていただく必要がありますので,公民館を活用した情報リテラシーの学び,SNSあるいはICTのリテラシーに親しむ学び,これらを高めることも今後自治体もやらなければいけないだろうと思います。
そこで将来の一つのビジョンとして思うことは,学校とか公民館でそういう学びの機会があったら,できたら子供たちが大人たちに教えるというシーンもあっていいなと期待します。そういったことは子供たちにとってもワクワク感を持てるし,緊張はちょっとしますけれども,やりがいもあるんじゃないかと思います。また,大人の皆さんも,「若い者も頼もしいな」とか,「これからの子供たちは・・・」という意味でいいコミュニティーになると思っているところです。
また,その際のコンテンツに更に加えてほしいのは,今回多くは出ていませんが,「健康」に関することです。前の分科会ではそういったことが出ていました。命と健康を守るというのはこれからとても大切になると思います。たまたまコロナがあり,災害があります。人生100年時代ですので,健康でなければ活動もできないし,病んでいればいろいろなことにもアクセスできなくなりますから,健康の啓発も是非生涯学習のエリアの中でやっていただきたいなという思いを強く持っています。
また,頂いたペーパーの中でちょっと気になるところがありましたので,幾つか申し上げます。本当はメモがたくさんあるんですけれども,時間がないのでポイントだけ。まず3のところですけれども,「基礎自治体の中心部を想定」と書いてあるんですね。私は周辺部も巻き込んでいただかないと困るなと思います。特に過疎地域なんかでは後に残されてしまうと大変なことになってしまうので,そういった配慮も是非お願いできたらいいなと強く感じるところです。そうしていかなければいけない,そういう世の中に今なっているんだということを強く感じているところです。そのことが広く多くの皆さんにとって希望にもなるし,夢を持って頑張ることになるんじゃないかなと強く思っているところです。
また,1点目にあります「取りこぼしのない社会」という表現が書かれているのですが,前のページの資料1では,「誰一人取り残さない,人に優しいデジタル化」とあります。SDGsは「誰も取り残さない」なんです。ここはちょっと言葉の整理をするとか,コンセプトの整理をしていただいて,多くの方により受け入れやすい調整をしていただくと,よりよく効果の出る生涯学習の展開になっていくのではないかと,大いに期待をしているところです。是非よろしくお願いしたいと思います。
最先端機器であるSNSあるいはICTなどを使っていく時代ですが,そのことについて,お年寄りだから難しいという固定観念の発想ではなく,より分かりやすく,簡単に,そして,お互いに共有しながらやっていく。そのことで,個々人にとっては自己実現ができ,地域にとっては可能性を広げて,その地域の魅力を発信していける,そんな活性化につながることを心から期待しています。
以上です。

【清原分科会長】
どうもありがとうございました。水害お見舞い申し上げます。

【横尾委員】
ありがとうございます。

【清原分科会長】
それでは続きまして,髙倉委員,お願いします。

【髙倉委員】
髙倉です。皆さんお元気でしょうか。
今後検討いただきたい課題について意見させていただきます。
デジタルトランスフォーメーション,DXと言われる経済社会の急激なデジタル化に対応するため,各企業では様々な職業能力開発の取組が行われている。厚労省の能力開発基本調査によると,OJT/オフJTともに,正社員と非正規社員の実施率にはおおむね2倍程度の差がでている。併せて,そうした職業能力開発を行える企業と行えない企業が出てくることで,更なる格差の拡大が懸念される。
従って,公的な枠組みによる企業外での学び直しの機会を拡充すること,これが非常に重要と考える。実施に当たっては,有給教育休暇の制度化など就労形態や企業規模による格差が生じないような制度の充実が必要である。
併せて,高等教育や大学における実践的教育の支援や新たな技術習得などに向けた労働者の学び直しへの支援,教育機関と企業が連携できる仕組みの構築,さらには人材交流の場を設けるなど,産官学金労言の連携による地域連携プラットフォームを活用した施策の推進が極めて有効と考える。
また,リテラシー・スキルの有効な育成方策についても,地域連携プラットフォームの活用により,地域密着型の学習をサポートすることが大変有効である。例えば,主権者教育やメディアリテラシーなどのデジタルシチズンシップ,この教育は生涯にわたって非常に必要なものであることから,公民館などの場を通じて随時開催するなど,社会基盤としての整備を推進いただきたい。
【清原分科会長】 「地域連携プラットフォーム」というキーワードを頂きました。ありがとうございます。
それから,御発言終わられましたら,挙手ボタンを下ろしてください。
それでは続きまして,大久保委員,お願いいたします。

【大久保委員】
ありがとうございます。大久保でございます。辻委員と松本委員,お二人の御発言,大変興味深く聞かせていただきました。若者を取り巻く環境ということで,私自身は就職の問題に関わっておりますので,辻委員の御発言に関連して少しお話をさせていただきたいと思います。
一つは,不登校や高校中退,障害者というお話がございましたけれども,日本の就職の仕組みというのは,大卒の新卒者にとってはとても優しく,環境が整えられている状態だと思っていまして,世界の中でもこれほど未経験の大卒の新卒者が就職しやすい市場というのはないと思うんですが,逆にその分,それ以外の人たちにとって厳しい環境になっています。御指摘のあったような高校中退者,あるいは大学進学後も大学中退者もすごく多いんですね。そういう方々の就職というのは大変厳しく,仕事を転々としていくというケースが多くて,キャリア形成がなかなかできないという方がとても多くいらっしゃいます。高校新卒者に関しても, 3年で5割辞めるということはよく皆さん御存じだと思うんですけれども,3年にとどまらず,それ以降も離職傾向は続いていきまして,初職で入職した会社で続いている人の比率は非常に低いんです。
その辞めている人たちはなぜ辞めているのかということなんですが,もちろん一つの理由は,高校卒で就職するときに,自分で選んだ会社に就職しているわけでもなく,また,納得した就職先に行っているわけでもないということが一つあるんですけれども,もう一つ,分析してみるとはっきり出てくるのは,新人を育てる体制ができていない会社に入った人たちに早期離職傾向が強く出てくるんですね。それで, 1年もたたずに辞めてしまう人が結構いる。その後,キャリアで迷走してしまうわけです。早期離職した人たちにアンケートを取ってみると,もう一回学び直したいという人たちの比率が高いんですけれども,そういう人たちが戻る場所がないんですね。これが私の感じている一つの大きなポイントでございます。
それからもう一つは,これも御指摘がありましたけれども,障害を持つ方々の問題です。その中でも特に発達障害の方々については,これもまた社会に出ていくスクール・ツー・ワークに大きな課題を抱えていると思っております。例えばキャリアコンサルタントの人たちに聞くと,最近は,キャリアの相談でも,発達障害の知識がないと対応できないぐらい,それに関連した相談が多いということを聞いております。実際には,発達障害で障害者手帳を持っていなくても発達障害傾向の一部を持っている人たちがたくさんいますので,この人たちが就職して外に出ていくということに大変苦労をしておられるわけです。
ハローワークでそういった障害を持っている就職困難者について,官民で連携してその人たちの就業につなげていく仕組みを協力して整備していこうという議論がされているところなんですが,実際なかなかまだ進んでいない状況がありますし,あるいは発達障害の方々について,採用以降にどういうふうに会社側で配慮していいのかとか,支援していいのかということに関してはノウハウが集積しておりません。私も幾つかの会社に聞いて歩いたんですけれども,ほとんどそれについての知見とか,あるいは支援の施策みたいなものが取られていないという状態になっているということなので,ここについては知見を横につないで共有していくことが大変大事だなと思っているところであります。
ただ,そういう中で障害者の問題に関していくと,最近一つ光が当たってきているのは,障害者向けのテレワークでの就業環境がすごく整ってきて,これはかなり障害者の方々の就労機会を広げているんですね。私の所属しているリクルートのグループ会社や派遣会社では,テレワークによる障害者の就業機会づくりを積極的にやっているんですけれども,これができるとかなり障害者の人たちの機会が広がります。逆に言えば,障害者の人たちにとって,ICTを使ってオンラインで一緒に仕事をしていくというスキルがあると,かなり可能性が広がるということがありますので,そういうところに少し施策が盛り込めていけるといいなと感じました。
取りあえず以上2点,感想めいていますけれども,発言させていただきました。

【清原分科会長】
大久保委員,ありがとうございます。
髙倉委員からも,「職業能力の育成」についてキーワードを頂いておりまして,重なる部分がある御意見ありがとうございます。
それでは続きまして,萩原委員,そして,清水委員,今村委員,お願いします。では,萩原委員,お願いします。

【萩原委員】
こんにちは。ありがとうございます。
辻委員,松本委員,御発表大変ありがとうございました。大学もコミュニティーの拠点となっていけるようになるといいなということをお話を伺いながら思いました。
私の方からは,辻委員の方からありました,今も御発言ありましたけれども,御発表の中の2の(4)大学におけるキャリア教育と障害のある学生のところで少し,経験というか,私のところで学んだ大学院生の研究成果を共有させていただければなと思います。
うちは社会人大学院ですので,その方は大学で発達障害の学生の就労支援あるいは学習支援をしている方で,やっぱりこれは大学単独だけでは難しいということから,どうやったらその方たちが社会にきちっと入っていけるだろうかということで研究をなさいました。
その結果,結論といたしましては幾つかあるんですが,やっぱり何といっても発達障害学生支援部署のある大学は,学外の発達障害学生に対する支援の団体,例えばKaienさんとか,あるいはNPOさんと連携しているということが分かってまいりました。それともう一つは,大学の中で横の連携があるということですね。つまり,障害を持っている学生に対する支援の部署と,それから,キャリア支援のところ,いろいろなところが連携し合いながら情報共有しながらしているということが分かってまいりました。
発達障害は,今お話がありましたように種別というか非常に広いので,それぞれの学生の特性とか得意分野であるとか,そういったことを大学にいる間に双方が確認をしていくということが次のステップにつながっていくことも分かってきました。
それから,親御さんの協力もとても重要だということも分かりました。今も話がありましたけれども,自分は発達障害であるということを認知している学生とそうでない学生ではやはり就労について大きな差も出てしまうので,その辺りはやはり授業をされている先生とか友人とかそういった方たちとの連携も必要になってくるだろうということが分かってきました。
特に発達障害に関しては,株式会社Kaienさんという方が非常にしっかりやっておられるんですけれども,インターンとか,それから,それぞれの発達障害をお持ちの学生さんたちが自分の得意,強み,それを意識して,それを生かせるような社会をどう一緒につくっていくのかという発想も重要だというふうなことを結論としています。例えば都内の大学生たちなんですけれども,大学生や卒業した学生さんたち,発達障害をお持ちの当事者の方たちが実はNPOをつくっておられて,自分たちで当事者が当事者支援をする,あるいは企業との連携を進めていくとか,そういった動きも出ております。
これは東京都の若者チャレンジアシストプログラムというものでそういう啓発冊子を作るお手伝いもしたことがございます。
ですので,幾つかそういった動きが2015年以降から出ておりますので,そういった情報もお互い把握し合いながら,大学の中の連携,それから,大学同士の連携,企業と,それから,それをつなぐようなつなぎ手の方たちをどういうふうに発展してというか,開発していくのかというのがこれから非常に重要になってくるだろうなと思います。私としては,特に発達障害の方たちにとってみると,得意をどう生かしていくのか,彼らが生きづらいんじゃなくて,生きやすい社会をどうつくっていくのかということも,生涯学習ということを考えるときにとても重要なのではないかなと思いました。
辻さんの御発表から,ちょっと私の方の経験を共有させていただきました。ありがとうございました。

【清原分科会長】
ありがとうございます。
それでは,これから皆様の御意見を伺った上で,最後に,今日御発表いただいた辻委員と松本委員には一言ずつ,皆様の御意見を伺った上での御意見,御感想を伺いたいと思います。
それでは続きまして,清水委員,お願いします。

【清水委員】
日本PTAの清水です。
私の方からは,少し視点が違うかもしれませんけれども,私はPTAの代表という立場で委員もさせていただいておりますので。
私は小学校,中学校のPTAの方々を中心の会の代表をしております。
いわゆる保護者の目線でいろいろと見させていただく中で,昨今のコロナ禍において一気にICT化が進みました。学校現場においては,これから新学期を迎え,報道でもありますように,これから再開をすべきか,またオンラインに切り替えるべきかというところで各自治体が非常に苦労しているところでもあります。
そういった中で,非常に私たち保護者の中に,現状のいろいろなこういった,今,中教審の中でいろいろと審議なり議論している内容というところを少しでも一般のPTAの会員の皆様にも広くお伝えをすべきだというところの目線に立ちまして,実は先月,昨今の令和の日本型学校教育の在り方とかGIGAスクール構想について,一般の保護者の目線に立った形で実は動画を作りまして,全国の会員の皆様向けにその動画の配信をさせていただいています。私どものホームページにも今それをアップして,各地のPTAの皆さんに広域的に御活用していただいて,今,文科省を始めいろいろとこういったことを議論しているんだということを分かりやすく説明するようなことをいろいろと保護者の方々に広くお示ししようというような活動を今いろいろな角度からさせていただいているというところでございます。
きょう松本委員から御報告があった中で,キーワードでコミュニティコーディネーターという言葉がありました。正に我々PTAの立場からしますと,非常にそういった,PTAを経験した人であったり,正にPTAをやっている人たちがこういったようなメンバーにもなって活動ができるとよりいいなと改めて思ったというところでございます。
すみません,ちょっと視点が違う話で申し訳ありませんが,以上,意見とさせていただきます。

【清原分科会長】
清水委員,ありがとうございます。
正に清水委員がされていることは,PTAの皆様が,御自身が子供のときとは違う,激動する学校環境の中で子供たちをどう支えていくかということを考える上で,適切な情報提供と学び直しをしていただいている,正に「生涯学習の担い手」のお話を伺ったように思います。
それでは,これから今村委員,それから,澤野委員,関委員,牧野委員,内田委員と御発言をお願いします。
二,三分でよろしくお願いします。それでは,今村委員,お願いします。

【今村委員】 お二人のプレゼンテーション,非常にインスパイアされるものがありました。どうもありがとうございました。
私からは,二,三分でというのが厳しいんですけれども,4分ぐらい頂いて4点,一つにつき1分でお話ししたいと思います。
まず辻先生がおっしゃっていた,社会教育は歴史的に立場の弱い人を支援するためのものだったという考え方は,正にこの分断が広がる社会の社会教育や生涯学習の施策においてとても重要な観点で,第10期に出した命を守る生涯学習・社会教育という視点ともすごくつながる重要なコンセプトだということを改めて確認しました。
その中で私としては,前回も申し上げましたが,社会教育がどのように子供たちを救っていける可能性があるのかということをきちんと議論する必要があると思っていますので,不登校の子供たちという点だけをこの1回のミーティングを使って深めることも,とても重要だと思っています。特に生活困窮世帯や,民間のサービスを経済的な理由で活用できない子供たちに対する施策がとても欠けているという点があります。私が調べたところによると,フリースクール助成をしている自治体の奨学金のようなものは,2自治体しか見つかりませんでした。しかも草津はもうすぐ始まるという感じで,今現状,1自治体しかないので,困窮世帯の不登校の子たちが民間サービスを使うということがすごくしづらいということで,公的福祉,公共サービスの中でやっていくというところに社会教育施設の活用がとても重要だと思います。
二つ目です。二つ目の若者のリテラシー・スキル,動機付けの仕組みというところとも重なるんですけれども,テストがこれからどんどんCBT化していく中で,第10期のときにも申し上げたんですけれども,これから社会教育施設がデジタル化していくということのレギュレーションを国としてちゃんと下ろすときに,テストセンターとして機能するということを社会教育施設に求めていく必要があると思います。テストセンターは学校を使えばいいじゃないかと言われるかもしれないんですが,検定とかは学校の先生がその検定を運営すると公平性に欠けるということがあるので,やっぱりこれは社会教育施設の役割になってくるということも踏まえて,これは入試の改革が進むきっかけにもなると思います。
そこで,きちんと社会教育施設がCBT化するテストセンター機能を担えるということはリカレント教育においても全ての意味で必要だと思います。
三つ目は,これからの社会教育施設に求められるもう一つの視点なんですが,つくったはいいけれども,本来の社会教育の目的である,公的なサービスを必要な人に使ってもらうということができないという点には,社会教育施設が特定の人にしかなかなか響かないものになってしまっているという現状があるように思っています。
そういう意味で,先ほど松本さんがお話しになったこととも重なるんですけれども,やっぱり困難な人に対するアウトリーチをしていくという視点が社会教育施設に今後入ってくるといいんじゃないかと。例えばそのアウトリーチは,家庭アウトリーチもあるかもしれませんが,こんな楽しいところがあるよという学校アウトリーチということでもいいかもしれません。
特に10代の子供たちにとっては,ユーチューブとの時間争い。社会教育の敵はユーチューブだと思っています。子供たちがリアルな地域に出ていきたいと思う,その敵はユーチューブです。ユーチューブやソーシャルゲームよりも,ここにはこんなに新しい学びの可能性があるんだということを,社会教育の公共の方々がアウトリーチして伝えていくということもこれから必要になってくると思います。
四つ目はやめておきます。すみません,長く話しました。以上です。

【清原分科会長】
とても大切な視点をきちんと提案していただきまして,しっかり受け止めました。
それではまだ,これから申し上げますが,澤野委員,関委員,内田委員,そして,千葉委員,牧野委員でございますので,皆様,時間のことも配慮して御発言よろしくお願いします。それでは,澤野委員,お願いします。

【澤野委員】
ありがとうございます。
辻委員,松本委員のお話,大変刺激的で様々なことを考えさせられるものでした。私の方からは,では,2点,まず取りこぼしのない社会における支援の必要な若者の教育・生涯学習ということと,2番目のまちづくりとの関連でコメントさせていただきたいと思います。
1点目で,まずきょうの課題として,取りこぼしのないということと若者ということですと,一番最初に私が気になったのは,やはり令和元年度の不登校児童生徒数のことで,13万人ぐらいになったときにすごく多いなと思っていたのが,いつの間にか,子供の数は減っているのに,18万人が小中学生で,高校生7万人超を入れると,26万人も不登校の子がいるというようなデータも上がってきていたりします。
そういう子たちが本当に取り残されているという,もうSDGsの課題に日本が応えていないというような思いもあるのに加えまして,最近は,コロナでも小中高は学校に行っている子も多いですけれども,大学生などなかなか通常の大学生活を送れない中で,「ゆとり世代」みたいな感じで「コロナ世代」というのが出現し,何か身に付いていないものとか,教育の質がもう変わってしまっているわけですので,その辺りのフォローアップも必要だと思いますし,先ほど今村委員もおっしゃっていた貧困の問題もあるかと思いますので,そういう配慮が必要な若者が増大しているということをまず認識しないといけないのではないかということを一つ思いました。
その中で,デジタルツール,SNSとかは,そういう若者たちもつなぐことのできるツールにもなっているかと思いますが,その一方で,ワクチンに関しても,大学生もそうですけれども,その親,40代ぐらいの母親世代の人なども,結構フェイクニュースといいますか,うわさとか,SNSを通したそういったものを信じ込んでいる人も結構存在します。アメリカなどの例を見ると,陰謀説とか,それも日本にも入ってきているというようなこともありますので,正にリテラシーという面ではその辺りは本当に学校教育も含めて社会教育でも取り組まなければいけない課題ではないかと思います。
ですが,SNS,ユーチューバーとか,最近はライバーとか,ツールを用いてビジネスに発展させるような若者もいたりということで,非常にイノベーティブなツールでもありますので,資料1にも「リテラシー(創造性)」とありましたけれども,リテラシーというとかなり基本的なイメージなので,プログラミングとかも含めて考える必要があります。プログラミングも,生活体験を基盤にして自然体験などの中からプログラミング的発想やアルゴリズムなどが身に付くということもありますので,そういうこととの,正にレッジョ・エミリアのアートの実践なども参考にしながら,そういう総合的なリテラシーといいますか,デジタルリテラシーを育むというのが大事になっていくのではないかと思います。
それから,まちづくりの方とも関わりますけれども,コーディネーターだけではなくて,支援の必要な人たちに対する配慮,スウェーデンなんかの例ですと,ガイダンスカウンセラーという人たちの役割が非常に大事ではないかと思います。それは日本の社会教育士のような人がそういう担い方ができるのかもしれないですけれども,専門的な,相談に乗れる人,コーディネートするだけではなくて,一人一人の学びの筋道を見せてあげるような役割ができる人を配置することも大事ではないかと思います。
2点目のまちづくりの方ですけれども,きょうは,保育園を中心にした発想でしたけれども,そこに社会教育施設とか図書館や公民館などとも連携する筋道はないのかなと思いました。また子供がいない世帯をどういうふうに巻き込んでいくのかなという辺り,もし何かありましたら教えていただきたいと思います。
以上です。すみません。

【清原分科会長】
どうもありがとうございます。それでは,関委員,お願いします。

【関委員】
関でございます。辻委員,松本委員,本当に貴重なお話ありがとうございました。
私の方は,ちょっと時代錯誤になるかもしれませんけれど,そもそも公民館ができたときには社会教育の最重要の課題として,青年の養成というものがテーマとして挙げられていた気がします。しかしながら,現在はその分野に対して,社会教育が本当に関われているのかというと,非常に弱くなってしまった領域ではないかと感じています。
今,若者は確かにスマホでずっといろいろ人とつながることは多い気もするのですが,それで満足しているわけではなく,その一方では,やはり今でも,人とのリアルなつながりを求めている若者が多いのではないかということを感じます。会社に入ってもそこでなじめずに孤立していってしまうような若者を見るにつけ感じるのですが,昔であれば,青年学級という仕組みがあり,そこでは1年間100時間以上,みんなが集まっていろいろな学びをしたり,いろいろな活動を一緒に取り組んでいました。そこには青年学級主事という,活動に絡んでいる大人,専門職がいて,本当に多様な若者達が集まって,いろいろな価値観をぶつけ合う中でいろいろな学びができていたような気がするんですね。
それが今は失われてしまった。その頃と同じようなものをすることはもうできないと思うのですが,様々な現代のツール,SNSみたいなものも使いながら,新しい形の青年のつながりの場をあえてつくってもいい時代になっているのではないかということを感じます。その中に,社会教育士のような人が絡んでいくことによって,新しい地域のつながりが生まれ,そこで育った人が,また地域の担い手になっていく,そういう新しい動き,循環を今はつくってもいいような時代ではないかなというのを感じています。
あと今日のお話のにあった保育園というのはとても新鮮に感じました。今まで小学校,中学校から地域とつながっていくような前提で考えていたのですが,きょうの松本委員のお話を聞く中で,本当に新しい学びのスタイルを教えていただき感謝いたしております。ありがとうございました。

【清原分科会長】
どうもありがとうございます。
御指摘のとおり,社会教育の歴史の中には,青年団活動,青年学級という貴重な業績があるわけですが,それをいかに現代化していくかということも重要だと受け止めました。ありがとうございます。
それでは,内田委員,お願いいたします。

【内田委員】
ありがとうございます。内田です。
辻委員と松本委員,お二人のお話をお伺いして,大変いろいろな刺激を受けまして,その観点で改めて資料1の内容を拝見しております。
資料1について2点ございます。一つは,全体的にやはり個人がターゲットになった書き方がこの資料の中でなされているような気がしました。生涯学習と若者を取り巻く「環境」をテーマに議論するということで,環境や社会構造というのがターゲットになっているようでした。しかし個別の話を見ていくと,例えば「取りこぼしのない社会を実現するためにどういう人々に注目するべきなのか」とか,あるいは2点目におきましても,「学びの必要性を認識していない人々をどういうふうに動機付けるのか」というように,かなり「個人」がターゲットになっているなという感じが致しました。
私自身は社会心理学者ですので,心と社会の両方の関係性を考えるのですが,個別的なターゲットはもちろん観点としては必要だと思うんですけれども,そうすると一方で社会全体の取組としていろいろな人を巻き込んだ議論にはなりにくいと思います。例えば自分には関係がない人たちの話でしょう,というような線引きをつくってしまい,それがかえって新たな分断を生み出してしまうことも危惧しています。
そういった意味でいうと,実はこれは「社会課題的な取組」として必要なんだという視点が必要かと思います。多様な人が社会参加することというのが,これまで参加できなかった人たち個人にとってというだけではなく,社会全体にとってもメリットがあるし,よい循環関係を生み出していくのだというような視点が必要ではないのでしょうか。そうすると特定の人たちだけをターゲットにするのではなくて,学びの場をどういうふうに形成するのかとか,そのことによりどれだけ社会の中によい循環関係が生まれるのかを伝える努力が必要になります。松本委員がおっしゃったように,「子どもの学び」ではなるけれども,それを通して関わる地域全体に対してポジティブな影響があるということこそが重要かと思います。そうしたことを少し盛り込めないかなということを思いました。
以上です。

【清原分科会長】
ありがとうございます。
私たちはできる限り,「どのような社会の在り方,地域社会の在り方を目指すか」ということも考えていきたいと思っておりまして,今おっしゃったように,何か改めてディバイド,分けるのではなくて,「循環」とか「総合」とかが大切という視点を提起いただきました。ありがとうございます。
それでは,その後に手が挙がった方もいらっしゃるものですから,この後は,千葉委員,宮城委員,薗田委員,牧野委員の順番で,本日はそこまでとさせていただきますが,よろしくお願いいたします。では,千葉委員,お願いします。

【千葉委員】
私は,資料を拝見して,デジタル・ディバイドの問題だとか,あるいはお話の中で,画一的な,いい小学校からいい中学校へ入り,いい高校へ入り,いい大学へ入り,いい就職をしてというような,そういう画一的な社会では今,大分なくなってきているんじゃないのかなと思うんですね。社会は大変多様な人たちで構成されていて,その全ての人たちを取り残さないで教育していくためには,やはりそういう人たちが成長する仕組みを社会に組み込んでいくということで考えていかなければ解決できないんじゃないのかなという感じが致します。
今,ちょうど東京パラリンピックをやっておりまして,オリンピックでも金メダルをたくさん取っていただきましたけれども,こんなに努力ができる国民なんですよね,日本人というのは。パラの方もこれからたくさんメダルを取ってくれると思います。そういう意味では,やはり努力したことが報われるという,そういう社会をつくっていかなければいけない。
そして,そういう社会であること,強くなくてもいい,優しさでもいい,すてきでもいい,そういうような人たちが一人一人そういう個性を持って暮らしていける,そういう社会なんだということを,企業でいえばインターナル広報をきちんとやって,子供たちにそういう認識を描いてもらって,全ての人にチャンスがあって,そして,金メダルを取るためにみんなスポーツをしたくなるわけですよね。
そういうように,やっぱり学習がしたくなる,そういう社会を目指していく必要が私はあるんじゃないのかなと思うんですね。そういう意味では,パソコン渡せばとかタブレットを渡せばとかという短期の考え方じゃなくて,やはりある程度長期の考え方で進めていく必要があるのではないのかなと思います。
松本委員の話もそういうところに近かったのではないかと思いますけれども,そういう仕組みを変えて,それだけ不登校が出ているということは今の教育機関がやはりニーズに合わなくなってきているということも言えるんじゃないのかなと思いますので,そういうような社会の変革を割と大きな視点で生涯学習を考えていただくことを希望いたします。
以上です。

【清原分科会長】
ありがとうございます。
千葉委員からも,目指すべき社会の方向性について,御発言いただきました。
それでは,宮城委員,お願いいたします。

【宮城委員】
宮城です。こんにちは。今,感染拡大して大変な状況の沖縄から参加しています。
辻委員,松本委員の報告,発言,非常に興味深く伺いました。やはり辻委員のありましたように,社会的に弱い立場に置かれることの多い者に寄り添うというのはやっぱり社会教育の原点かなとも思っております。
また,松本委員の方からありましたけれども,やっぱりコミュニティー,つながりの在り方というのが大分変わってきている。そういった中で若い世代を,園だとか学校を拠点としたつながりづくりで,それを橋渡ししていくというのは非常にいいなと思ったところですが,先ほど御指摘ありましたけれども,特に弱い立場に置かれることの多い単身者,外国籍の方だとか,そういった方というのは,どこで地域とつながるのか,どういった学びを得るのかということがまた考えるべきことかなと思っております。
今後議論していくことの中で具体的にどのような社会を目指すべきかということがもちろんあって,そのとおりだと思うんですけれども,そこに少し加えていただきたいなというか,欲しいなというのが,社会教育行政に関わる者がどのように関わっていくのか,何を担うべきか。やはり,コミュニティコーディネーターという話もありましたけれども,社会教育士ができて,また,公民館だとかそういった現場で関わっている人たちがどういった気持ちで何を目指してということがより具体的に分かるような形で伝えられるといいなというのを思ったところです。
私からは以上です。ありがとうございます。

【清原分科会長】
ありがとうございます。
誰一人取り残さないということであれば,やっぱり単身者にもしっかりと目を向けるという問題提起をいただきました。ありがとうございます。
それでは,薗田委員,お願いいたします。

【薗田委員】 ありがとうございます。
きょうは本当にすごく勉強になることばかりです。
まず辻委員からお話がありました夜間学校の話を聞きながら,昔見た「学校」という,西田敏行が出ている,山田洋次監督の映画を思い出していました。1993年の映画ですが,まだまだこういう現状がやっぱり日本の中にあるんだということで非常にインスパイアされました。
今,私は企業のSDGsを推進している立場ですが,民間企業がこうした教育格差問題に関わっていくということが非常に重要になってくると思います。企業の社会的責任としてだけではなく,実際に企業に勤める方々の子供さんたちが,不登校であったりとか,あるいは本当に鬱になったり,いろいろな問題をたくさん抱えていて,それによって企業の社員のパフォーマンスが実際にすごく落ちているということもあるわけです。
そこも含めて,民間の企業等とどんなプラットフォームがあれば解決できるのかという大きなイメージで考えていくというのが一つありました。
それから,松本委員からのお話も非常にすばらしくて,本当にモデルになるようなまちの保育園というのがあるのだと感動しましたが,逆に私は経営の立場から考えて,これが横展開できるようなものなのかとお聞きしたいと思います。ビジネス的にきっとうまくいってらっしゃると思いますが,いろいろ御苦労があったかと思いますので,例えばこういったモデルが本当に各都道府県とかいろいろなところにできて,実際にまちづくりの拠点になったりできるのか,本当に関わる方々のQOLを上げていくことにつながるのか,その辺の可能性を,後のコメントでも教えていただければと思いました。
ありがとうございました。

【清原分科会長】
ありがとうございます。
担い手としての企業,そして,横展開,非常に重要な御指摘と思います。
それでは最後に,牧野委員から御発言お願いします。

【牧野副分科会長】
ありがとうございます。辻委員,松本委員,どうもありがとうございました。とても刺激的なお話でした。
特にその中で,社会教育というのは,又は生涯学習というのは,教育と福祉の境界領域にあって,その二つをつなぎながら,やはり命を守るという形で展開すべきものだということを改めて思いました。
その上で,きょうは副分科会長という立場で最後にお話をさせていただきたいと思っていたのですが,分科会長から今後のテーマについて提案があり,その中に幾つか,どのような社会を目指すのか明らかにするということや,社会の閉塞感が深まっている中で,私たちはどうすべきかということが入っています。そこで私たちが考えなければいけないと思いますのは,例えば今回のコロナ禍もそうですし,それから,気候変動の問題とか,格差,孤立という問題が全世界的な問題としてあるわけですけれども,私たちがそれらを日常生活で引き受けなければいけないような時代に,既に入ってしまったのだということです。
その中で,私がここのところ最も心が痛むものは,昨年の自殺者数が前の年に比べて突然1,000名増えたことです。
一時3万名を超えていて,リーマンショック以降下がってきていたのですが,昨年1,000名突然増えたのです。しかもその中で,小中高校生の自殺が,統計を取り始めて最多になってしまった,500名弱になってしまったということです。その意味では,命を守ることができなくなってしまっていたのではないか,という印象があります。
そういうことの中で,今までこちらの生涯学習分科会でもずっと議論をしてきて,社会教育,生涯学習,コミュニティーといったことが,今や総合行政的にもとても注目されてきていて,各省庁のターゲットにもなってきているのですが,そこで議論になってきますのが,総合行政として展開する場合に,中央官庁の間では連携が取れるのだけども,これが地方自治体に下りていくと,教育委員会が壁になって連携が取りにくいという話になってしまう面があるわけです。
その中で2018年の答申では,社会教育施設の一般行政ヘの特例的な移管を認めるという形でそれを何とか解決しようとしたのですが,どうも教育委員会と一般行政の間の問題が現場レベルで立ち上がってしまうと,うまく機能しなくなるという問題が出てくるのではないか。ただ,それを解決するために,社会教育や生涯学習を一般行政に移せばいいかというとそういう話でもなくて,そうなると,今度は学校と切れてしまいますので,次の世代の育成がうまくいかなくなってしまうという面があるのだろうと思うのです。その意味では,命を守るといったことと,さらに,社会をつなげていくとか,次の世代にきちんとこの社会を受け渡していくといったこととの間が,切れ始めているのではないかというような印象もあるわけです。
その中で,私たち自身がどういう社会を子供たちに受け渡していくのかといったことを,学びや教育という面から考えたらどうなるのか,ということをやはり考えなければいけなくなったのではないか。
その意味では,例えば古い話ですけれども,寺中構想をつくった寺中作雄が公民館をつくるときに何と言っているかというと,公民館で育つ個人というのは,「社会我」を持った人間なのだと言っていることが気になるのです。社会というのと,ガというのは自我の我,我という字なのですけれども,私が社会の中にいながら,自分の中に社会があるのだと思えるような人間を育てることが,次の世代の育成につながるのだという議論をしているのです。これこそが公民なのだと言っているわけですけれども,そうしたことも含めて,私たち自身が新しい社会を子供たちに託していくときに,何を価値としていくのかといったことも問わなければいけなくなってきたのではないか,と思います。
そういう意味では,例えば自由と平等といって,そのトレードオフな関係を博愛で埋めてきたのですが,今日,自由と平等を従来の自由と平等でいいのかという議論も含めて,共生という形でそこをつなげていくという議論をしなければいけなくなってきているように思います。その結果,命を守りながら,この社会を次につなげていくという議論がどうできるのか。
このことが問われているのではないかと思います。そのときに私自身が思うのは,やはり教育とか学びといったことがベースにならないと,そこはつなげられないのではないかということです。
その意味で,課題解決のための社会教育とか課題解決のための生涯学習は大事なのですけれども,それを超えて,希望を語れるような社会教育や生涯学習を,せっかく今回は答申を出さなくてもいいわけですから,諮問がないわけですから,答申を出さなくてもいい分科会なので,そこで皆さんと議論しながら,新しい社会像やイメージのようなものを,自分の生活レベルで何ができるのか,どういうことがイメージできるのかといったこともふくめて,議論したいと考えて,いろいろと今まで調整をさせていただいたということがあります。そういうことも含めて,きょう皆さんのお話を伺いながら,今後の新しい社会の在り方について,デジタルをベースにしながら考えられればと思ったということです。
すみません,長くなりました。以上です。

【清原分科会長】
ありがとうございます。冒頭,多久市の横尾市長が言われたように,前期からやはり「命を守る」ということを私たちは生涯学習・社会教育を考えていく上で重要なものとして位置付けてきました。改めてそのことを再確認させていただきました。
それでは,ちょっと時間が押していますが,少しの延長をお許しいただいて,これまでの各委員の御意見を伺って,きょう御発表いただきました辻委員と松本委員から,やはり一言ずつ御発言をいただければと思います。辻委員,いかがでしょうか。

【辻委員】
私の雑ぱくな話を前向きに受け止めていただき,いろいろ補強もしていただきまして,ありがとうございました。
誰一人取り残さない社会をつくるというときに,それはもう厚生労働省がやりますよ,落ちそうな人は厚生労働省でやりますよという話が出ないとも限らないわけですけれども,そういう場合に,こぼれないように適応させていく,既存の社会に適応させていくという社会の働き方というのがあると思うんですけれども,ここの審議会は文部科学省にあって,学びというのを大切にするというところですから,是非それを前面に立てて,これからの政策を立てていただければと思います。
きょうの松本委員のお話は,本当に子供が自由に活動するとこんなすばらしいことをするんだなという,そういう御報告をいただいたわけですけれども,そういうものに触れると,硬直化している大人社会というのか,自分が反省するわけですよね。子供の世界であればそうだなということなんだけれども,ちょっと社会から落ちこぼれそうな人たちが学びを通して,どうして自分はこういうふうに社会から取り残されそうになっているのかというような話を聞くと,それは甘えじゃないかみたいなことで,適応させようというようなそんな動きがやっぱりどうしても頭をもたげる。
そういうときに,学びを大切に,学びというのは自由ですから,自由に表現をすれば,それは当然社会の方が批判を受けるということもあり得ると思うんですけれども,そういうことも許容しながら,最終的にどんな社会をつくっていくのか。社会の方もちょっと譲らないといけないんじゃないかなというふうに思っているというところでございます。
きょうは大変いろいろなお話を聞かせていただいて,ありがとうございました。

【清原分科会長】
どうもありがとうございます。それでは,松本委員,お願いいたします。

【松本委員】
ありがとうございます。本当に皆さんからのお話,大変また学びになりまして,辻委員から今言っていただきましたことも,大変勇気につながります。
まず薗田委員の御質問に答えたいと思います。横展開,おっしゃるとおりで,これ,持続可能でないと責任が持てません。そういう意味では,私たち,認可保育園,認定こども園といういわゆる国の基準で運営しております。その範囲でできるような工夫があるんですね。そのことをシェアしながら,各自治体,各地域で展開できるようにしております。その工夫を届けるということをしているんですけれども。
私たちが運営していないまちの保育園もあるんですね。つまり,アライアンスという形の関係を築いていて,これはフランチャイズともまた違って,それぞれが自主的に運営しているものをお互いにシェアし合う。全国のアライアンスネットワークというようなものを結びながら,それぞれにコミュニティコーディネーターを置いています。そこで様々な知見を共有し合っているわけなんです。つまり,工夫をすれば配置ができます。
ただ,もちろんそれが例えば制度化されて,安心して雇用するというようなことにつながると一番いいわけでありまして,そういう意味での政策提言にもつなげていきたいというのは思いとしてはあるんですけれども,自助努力でやっていける範囲でもあります。
また,皆さんからお話しいただきましたように,おっしゃるように,保育園や学校等だけじゃなくて,社会教育施設あるいは公民館,そして,図書館でも展開可能だと思いますし,町内会でもそうです。私たち,現に各社会教育施設であったり,公民館,図書館との連携も正にコミュニティコーディネーターがつないでいっているところもございます。澤野委員御指摘あったように,そういったところの活用,転用も考えていけると思っています。
その中で,横尾委員あるいは今村委員からもお話ありましたけれども,正にその中で様々な方々の,誰一人取り残さない施策を打っていくことも可能かと思いますし,宮城委員がおっしゃっていた,単身者の方に対してもアプローチしていければと思っています。
今村委員がおっしゃっていた,ユーチューブに対抗するという,それが社会教育として大事なことなんじゃないかってこと,私も共感いたしました。子供たちが来るに足る面白い場や単身者の方も来ていただけるような魅力的な場,地域で出会って行けば,そういったことに対して,アイデアを持っている人は案外いる。私たちの経験では,事例が一つできると,大きく変わる。その後押しをできるといいと思う。それと関連して,目指すべき社会像をどういうふうに描いていくかというところかと思います。
正に循環関係のお話もありました。正にそういった形で相互的・互恵的関係をいかに地域で育んでいくか。
一つのいわゆる社会課題に対して何か解決策を打っていくのではなくて,あらゆる社会課題に対してマルチプルなソーシャルアクションというか,あらゆる社会課題を一つの取組がマルチプルに解決し得るようなアクションにつなげていくような施策を,正にこの生涯学習分科会は考えられるのではないかなというふうに感じてもおります。
その中で,ただ課題解決だけではなくて,牧野先生おっしゃったみたいに,それは希望を持てるというようなところも示しながら,この分科会の議論が展開されるといいなと思いまして,また今後の議論を皆さんとともにできるのを楽しみにしております。
きょうは本当に学ばせていただきまして,どうもありがとうございました。

【清原分科会長】
どうもありがとうございます。
皆様に延長をお許しいただきたいと思いますが,第1の議題につきましてはこの辺りとしたいと思います。
私といたしましても,今回資料1で事務局にまとめていただきました内容について,きょうは辻委員,松本委員,そして,各委員の御発言から,改めて社会教育・生涯学習は,閉じた取組ではなくて,総合的な教育の営みとして開かれた在り方を検討していくということが極めて重要だというふうに受け止めました。そして,皆様からはそれぞれのお言葉で,多様性のあるこの社会の中にあって,一人ひとりに丁寧に目を向け,また,一人ひとりが地域社会の主体として,自分の命を,そして,他者の命を大切にできる,そうした社会づくりを生涯学習・社会教育の視点から具体的に提案していくことの重要性を確認したところです。
まだまだきょうの議論を含めて,次回以降の検討に皆様と前向きに取り組んでいけたらと思いますので,よろしくお願いいたします。
それでは,もう予定の時間は来ているのですが,実は本日のこれまでの議論と密接な関係がございます,議題2の「コミュニティ・スクールの在り方等に関する検討会議中間まとめ」について,事務局から報告をしていただきます。
予定が3時でございましたので,お仕事の関係で早退される方いらっしゃるかもしれませんが,可能な限り,皆様,延長にお付き合いをお願いいたします。
それでは,事務局,御説明をよろしくお願いいたします。根本課長さんですかね,お願いいたします。

【根本地域学習推進課長】
地域学習推進課の根本です。資料4の19ページを御覧ください。地域と学校の協働体制の概要です。
社会に開かれた教育課程の実現とか,学校におけます働き方改革の推進,さらに,感染症対策や防災など,学校と地域が抱えます様々な課題に対応しつつ,未来を担う子供たちの成長を支えていくためには,これまで以上に学校,家庭,地域の連携・協働が必要です。
文部科学省では,校長先生が作成します学校運営の基本方針の承認や,教職員の任用に関して意見を述べることなどを役割とした「学校運営協議会」と,地域の様々な関係者の参画を得まして地域全体で子供の学びや体験活動を推進する「地域学校協働活動」を一体的に推進しているところでございます。
この取組は,全ての子供たちの健やかな成長を育むことにつながるとともに,参画いたします地域の住民の方々にとっての学びとか地域コミュニティーの再構築にもつながるなど,地域の社会教育の推進という観点からも重要であると考えております。こういう観点から,御報告をさせていただきます。
この図にございますコミュニティ・スクールとは,「学校運営協議会」を設置しております学校のことを指し,平成29年度の法律改正によって,「学校運営協議会」の設置は各教育委員会の努力義務となっております。
具体的な内容は,29ページを御覧ください。まずコミュニティ・スクールの必要性については,冒頭で説明いたしましたことに加えて,コロナ禍において改めて浮き彫りになった様々な課題の解決を図るためにも,学校だけではなくて,保護者と地域の住民の人たちが当事者として参画する。そして,学校運営を支え,また,強化する仕組みとして,その重要性を再認識しているところです。
しかしながら,令和2年7月時点で全国のコミュニティ・スクールの導入状況は,約1万校弱で,導入率で見ますと27.2%です。年々増加しているものの,引き続きその導入の必要性が求められているところです。このため,この中間まとめにおきましては,コミュニティ・スクールをより一層推進するために,その推進方策を中心にまとめていただいております。
方策の一つ目は,広報の充実を図ることにより一体的推進の効果を広く理解していただくことが指摘されています。
二つ目は,都道府県や市町村の教育委員会は,この取組を学校や地域任せにせずに,積極的・継続的な働き掛けやアドバイザーの配置等の伴奏支援体制の構築が必要であるとされています。
三つ目は,人材の配置ということでございます。
地域学校協働活動推進員を置いておりますが,両者の総合調整とか企画立案,また,事務局的な機能を担う者といたしまして,地域学校協働活動推進員を置いておりますが,この方々の継続的な活動を可能とするための人材の配置促進と機能強化の必要性が記載されております。さらに,コミュニティ・スクールの本来の役割でありますスクールガバナンスへの地域参画というようなことも踏まえて,そのコーディネート機能が重要であるとしています。
四つ目は,地域学校協働活動推進員の資質向上でございます。
推進員は,総合調整とか企画立案役としての役割を求められております。地域と学校の連携・協働に関わります幅広い知識と技能を習得するためのスキルアップ研修とか,実践者同士の交流などが必要であるということ,さらに,学校運営協議会の委員の方々の資質向上についても提案されています。
これら大きく四つの方策に加えまして,導入促進のための支援とか,関係部署との連携促進等についても盛り込まれています。例えばコミュニティ・スクールと地域学校協働活動を盛んにしていくためには,地域に豊かな社会教育活動があることが重要であり,社会教育主事や社会教育士との連携についても提案されております。
この中間まとめを受けまして,文部科学省では,必要な具体的支援の検討と概算要求への反映等を行うこととしています。また,今後の検討課題を幾つか挙げております。ここにつきましても御議論をいただきまして,最終まとめを行う予定ですので,その際は改めてご報告させていただきます。
報告は以上です。

【清原分科会長】
根本課長,ありがとうございました。
ただいま事務局から御報告がありました内容について,委員の皆様から御質問や御意見等はございますか。ございましたら,挙手ボタンを上げてください。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
横尾委員,手が挙がっていますでしょうか。

【横尾委員】
はい。内容の意見ではないんですけれども,よかったら発表者の方はスタンドマイクか何か使っていただいた方が,音声がきちんとフォローできるかなと思います。今後よろしくお願いします。希望です。

【清原分科会長】
ありがとうございます。ほかに,御報告内容について御質問のある方いらっしゃいますか。
御質問のある方,どうぞミュートを解除して御発言いただければと思いますが,よろしいですか。よろしいようですね。
私は,先ほどの松本委員の御発表と関連して,「コミュニティコーディネーター」に相当するものが「地域学校協働活動推進員」ではないかなと,コミュニティ・スクールの場合の役割として受け止めておりました。
三鷹市長在職中にコミュニティ・スクールを進めていく上で,この地域学校協働活動推進員の皆様の活動が極めて学校と地域を結び付ける上で有益でございましたし,その皆様の学びが大変不可欠でございました。
そんなことから,学校教育と生涯学習・社会教育の垣根を除いていく,そして,総合行政を担う一般の首長部局と,そして,教育委員会をつなげていく上でも,コミュニティ・スクールは大きな壁を取り除く風穴を開ける取組ではないかと受け止めておりまして,今回の中間取りまとめも注目したところでございます。最終取りまとめも大いに期待し,私たちの検討と重なり合う部分が少しでも多いことを願っております。
それでは,御質問もないようでございますので,本日の議題は以上になります。
事務局から連絡事項がありましたら,お願いいたします。

【齊藤生涯学習推進課課長補佐】
資料5を御覧ください。次回の第113回分科会は,10月19日火曜日13時から15時を予定しておりますので,委員の皆様におかれましては日程の確保をお願いできればと存じます。
以上でございます。

【清原分科会長】
ありがとうございます。本日は,辻委員,松本委員から貴重な御発表をいただき,また,ご発表に触発された委員の皆様から大変有益な御発言をいただくことができました。
そのために,恐縮ですが,10分の延長となりましたことをおわび申し上げますが,それも皆様の熱心な御発言ゆえと心から分科会長として感謝を申し上げます。
本日の審議を踏まえまして,また次回も皆様と是非建設的な,牧野委員の言葉をお借りしますと,「希望に向けた意見交換」ができることを願っております。
それでは,本日は大変にありがとうございました。これにて閉会いたします。
皆様,まだ残暑が残りますし,天候も本当に不順でございます。
お元気に御無事にお過ごしになり,また次回,笑顔でお目に掛かれればと思います。本当にありがとうございました。

―― 了 ――



 

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