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生涯学習分科会(第107回) 議事録

1.日時

令和2年2月17日(月曜日)14時00分~16時00分

2.場所

文部科学省旧庁舎6階 第2講堂

3.議題

  1. 「議論の整理」骨子案について
  2. その他

4.議事録

【明石分科会長】
 定刻となりましたので,ただいまから第107回中央教育審議会生涯学習分科会を開催いたします。
 本日は,お忙しいところをお集まりいただきまして,誠にありがとうございます。
 本日は,報道関係者より,会議の全体について撮影・録音を行いたい旨の申出があり,許可しておりますので御承知おきください。
 次に,配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。

【野口生涯学習推進課課長補佐】
 お手元の資料を御確認いただければと思います。議事次第,それから座席表,そして資料1として,今後の議論の進め方(案),資料2として,「議論の整理」骨子イメージ案,資料3として,本日の審議事項を机上に配付しております。過不足等ございましたら事務局にお申し付けください。
 以上でございます。

【明石分科会長】
 それでは,審議に移る前に,事務局から本日の審議事項等についての御説明をお願いいたします。

【根本生涯学習推進課長】
 本日の資料1から3を用いまして御説明をさせていただきたいと思います。
 最初に,資料1を御覧ください。第10期の生涯学習分科会の今後の議論の進め方(案)についてです。これまでこの第10期につきましては,6回にわたりまして本審議会でのヒアリング等を行ってきております。議論を重ねてまいりまして,今後更に議論を深めまして,今年6月頃を目途に議論の整理という形で全体を取りまとめていただくということを予定しております。その後,第10期につきましては,適宜,関連施策とか予算の要求状況,また,その査定状況等につきまして御報告させていただければと考えているところです。
 続きまして,資料2を御覧いただければと思います。この議論の整理の取りまとめに当たりまして,これまで委員の皆様方に頂いた御意見等につきまして,分科会長とも御相談をした上で,このような骨子のイメージ案をまとめているところです。
 大きく三つの柱がございます。一つ目,また二つ目につきましては,新しい時代の生涯学習について,学びをめぐる課題と社会教育の果たす意義・役割についてということで,生涯学習,社会教育の意義や役割について,全体的に整理をするということを考えています。
 一つ目の生涯学習につきましては,人生100年時代の到来に基づきまして,生涯を通じて学び続けることの重要性,更にSociety5.0の実現に伴うテクノロジーの進展などによりまして,生涯学習においても,学びの在り方や方法が変わること,さらに,時代の変化に対応した資質・能力を身に付けることが必要であることなどについて言及いただいているところです。
 二つ目の学びをめぐる課題と社会教育の果たす役割・意義についてですが,こちらにつきましては,第9期の答申において取りまとめいただきました,地域における社会教育の意義・役割に言及いたしますとともに,学びをめぐる課題や社会教育の果たす役割として,社会的包摂に向けた学び又は家庭・地域の教育力の向上,子供・若者の地域・社会への主体的な参画・行動を通じた,よりよい社会の創り手としての育成などの課題につきまして,それぞれ整理することを想定しています。
 三つ目の柱でございますが,新しい時代の生涯学習・社会教育の実現に向けてということで,上記の二つの柱を踏まえまして,新しい時代の生涯学習の実現,又は9期答申で言及されてきている多様な主体の連携・協働と幅広い人材の支援により行われます「開かれ,つながる社会教育」へと進化に向けた,基本的な考え方や課題を踏まえまして,今後の推進方策等について言及していただくことを予定しているところです。
 続きまして,資料3を御覧ください。本日の審議事項についてです。本日は,特に,議論の整理の骨子イメージ案の先ほど申し上げました三つ目の柱に関連いたしまして,生涯学習,社会教育の振興方策等について御議論を深めていただければと考えております。
 第10期の生涯学習分科会におけるこれまでの議論等を踏まえまして,新しい時代の生涯学習の実現や,9期答申に言及されました,多様な主体の連携・協働と幅広い人材の支援により行われる「開かれ,つながる社会教育」への進化に向けた課題,これの対応策と方向性について御審議をお願いしたいと思っております。
 論点につきまして,三つほど整理させていただいております。
 まず1点目でございます。新しい時代の生涯学習の実現のための方策については,社会の変化を踏まえたこれからの時代の学びをどのように促進するのかということ,もう一つは,ICTなど最新のテクノロジーを活用した学びをどのように促進するのかという,この2点などが考えられるかと思っております。
 二つ目の,開かれ,つながる社会教育の実現のための方策につきましては,自治体やNPO,企業,大学,また専門学校等の多様な主体の連携・協働どのように促進していくかということ,更に二つ目の視点といたしまして,社会教育主事や社会教育士の活躍をどのように促進していくのかということ,三つ目は,ボランティアなど多様な人材の教育現場への参画をどのように促していくかということです。
 3点目でございますが,上記の推進を図る上での方策といたしまして,生涯学習・社会教育施策を各自治体が推進していくことをどのように後押ししていくかという視点です。
 それぞれ課題の例として示させていただいております。例でございますので,この大きな三つの分野の中で,更にいろいろな御意見等を頂ければと思っております。
 なお,資料3の2ページ目以降でございますが,これまでの委員の皆様方の御意見等を添付させていただいているところです。
 1枚めくっていただきまして2ページ目でございますが,新しい時代の生涯学習の実現のための方策ということで,ICTスキルなど時代の流れに必要なスキルを身に付けることが必要であるという点,また,ICTを活用した学習履歴の蓄積の仕組みなどについて言及されていたことをまとめています。
 更に3ページ目につきましては,多様な主体の連携・協働という観点から,民間団体から様々なプレーヤーが生まれ,主体的にアイデアを前向きに実現させることができるような仕組み作りが重要ではないかという視点,又は,大学や学生がもっと地域と連携していくことが重要ではないかという御意見を頂いております。
 更に1ページめくっていただきまして4ページ目でございますが,こちらは多様な人材の幅広い活躍という観点から,1点目は,学びを地域課題解決に還元していくことが重要であるということ,これは古くからあるような課題でございますが,更に再認識をさせていただいているところでございます。また,あるべき論では人は動かず,楽しさなども加えた取組を企画していくことが重要であるという御意見も頂いております。さらに,社会教育主事や社会教育士の役割を踏まえまして,新たな制度である社会教育士の育成・定着を図っていくべきであるという御意見,企業がキャリア教育の一環としてボランティア活動を進めており,この動きを社会教育にもつなげていくべきだという御意見,さらに,人生100年時代において,退職等により職を離れた専門人材の経験を地域に生かすような仕組みを作るべきであるという御意見を頂いております。
 最後の5ページ目でございますが,上記を推進する上での方策という観点の中から,優れた事例につきまして普遍的な条件などを明らかにして,それを共有することが重要であるということ。また,近隣や遠方などの自治体間の連携を促進するということで,これまでの社会教育と首長部局の連携に加えまして,自治体間の連携の強化という御意見を頂いているところです。
 最後に,関連いたしまして,現在,文部科学省の中では,施策の企画立案の取組の一環で,所掌に関わらず,職員が幅広く政策のアイデアを提案する取組を行っているところでございます。本分科会の審議事項に関連いたしまして,ボランティアの活用促進についても提案がされているところでございます。この提案を踏まえまして,現在,私ども総合教育政策局では施策の検討を進めているところです。これにつきましても,地域学習推進課の西田補佐から,取組の状況を御報告させていただければと思っております。西田補佐,お願いします。

【西田地域学習推進課課長補佐】
 総合教育政策局地域学習推進課課長補佐の西田と申します。きょうは,一職員として,省内の政策提案で提案させていただいた政策について御紹介させていただく機会を頂きました。ありがとうございます。
 私からは,ボランティアポイントの創設を提案させていただきました。タブレットを御覧ください。1ページ目でございます。提案内容について御紹介させていただきます。
 ボランティア活動の必要性は言うまでもございませんけれども,特にこれからの時代ということで焦点を当てて示しております。個人の側面から言いますと,特にこれからは人生100年時代ということで,高齢者であれば定年後の40年をどう心豊かに生きるかということが大事になってくるであろうということ。一方で,ボランティア活動に参加している者ほど生活に満足しているという調査もございます。若者に関して言うと,リンダ・グラットン教授の『LIFE SHIFT』などでも著表されておりますように,人生が,左側の3ステージからマルチステージになるということで,仕事以外での経験やネットワークなどの無形資産が重要になると言われております。そこで示されているのが,下の図のようなエクスプローラーとかインディペンデント・プロデューサーとかポートフォリオ・ワーカー,こういったのをそれぞれに行き来しながら生きていくというようなところことが示されておりまして,特にポートフォリオ・ワーカーの典型例としましても,週に数日は有給の職に就くけれども,週に2日程度はボランティア的な活動に就くというのが,その本の中でも示されております。この点は,以前,大久保委員が企業のボランティア活動について御紹介されたときに,キャリア支援にもつながるとか,越境学習みたいな形で表現されているというようなことをおっしゃっておりまして,そういったものにも通じるのかなと考えております。
 続きまして,社会面での必要性,特に少子高齢化の中で,老若男女みんなで社会を支えることが必要ではないかと考えました。
 ボランティア活動の現状でございますけれども,関心がある人は6割,実際に活動経験がある人は23%,カナダやアメリカは日本の約5倍の活動時間ということで,日本における今後の拡大の余地は大きいと考えております。
 ボランティアの規模と価値につきまして,これは内閣府で推計している数値でございますけれども,フルタイム換算した人数というのが281万人分,全従業者数の約4.8%に相当すると。経済的価値は7.2兆円で,名目GDPの1%超に相当するという推計も出されております。
 ボランティア活動の阻害要因について,1位は時間がない,2位は経済的負担が大きいということでございまして,それぞれについて分析というか考えてみたことがその下にございます。時間については,過去,自由時間が増えてもボランティア活動時間は増えていないと。なので,必ずしも自由時間が増えても増えるわけではないのではないかと思いました。また,高齢化と働き方改革が今後進んでいけば,そういう阻害要因としては小さくなるのではないかと思いました。
 続きまして,経済的負担のところです。高齢者を対象とした実証研究でございますけれども,貯蓄とか非勤労所得が多いほどボランティア活動に参加しているという調査結果がありますし,経済的負担の伴う金銭寄附よりも,時間寄附を好む傾向が日本は強いという調査もあります。これまでに文科省では,そういったボランティアの経済的負担の軽減につながるような政策を行ってきていないということがございまして,先ほどのボランティアの規模のところでちょっと出ておりましたけれども,最も恩恵を受けるのは文化とか教育とか研究,子供,こういった分野が半分ぐらい活動分野を占めておりまして,活動が世界一のレベルに増えれば,約30兆円の経済価値が新たに創出されるということでもございます。金銭寄附では税額税制優遇のような措置がございますけれども,何らかの措置を設けるべきじゃないかというのが私の提案内容でございます。
 続きまして,軽減するその方策ですけれども,税額控除とか現金給付は,負担の軽減が直接的ではございますけれども,デメリットとしては,税額控除であれば非課税者は対象にならないとか時間が掛かる,あるいは,現金給付であれば,見返り,報酬と受け止められるといったようなデメリットがあるかと思います。ポイントを付与するというような形であれば,経済的負担の軽減というのは非常に間接的ではありますけれども,景品的なものとして,ボランティアが受け取りやすいといったメリットとか,活動履歴としても活用できるとか,既に一部の自治体で,ボランティアに限らないんですけれども,ポイント事業を実施している自治体が355団体あるという総務省の調査もございますので,そういった仕組みは可能だろうと思います。デメリットとしては,現金よりも使い勝手が悪いんですけれども,電子化により利便性の改善が可能になるのではないかと考えました。
 ポイント事業につきまして,国ではマイナンバーカードの普及と,そのカードを活用したポイント事業を今,強力に推進しているところです。御案内のとおり,マイナンバーカードを活用して,5000円相当のマイナポイントを付与するというのがオリンピックの後から令和3年3月末までとなっておりますけれども,マイナンバーカードの普及,あるいは活用したポイント事業を推進するという観点でいうと,その後も更なるカードの利活用方策が求められている状況にあるのではないかと考えました。
 事業のイメージとしまして,現在既に実証稼働しておりますマイナンバーカードを活用した自治体ポイントがございまして,その仕組みを活用してはどうかと思いました。マイナンバーカードを取得しまして,マイキーIDというマイナンバーとは別のIDを設定すれば,それを自治体に登録してボランティア活動を行えば,自治体からボランティアポイントとして自治体ポイント付与すると。それは自治体が定める使途で使用が可能になっております。そこで,当初5年間ぐらい,モデルとなる自治体を選定した上で,自治体が付与するボランティアポイントに国がプレミアムポイントを上乗せして強力に普及するとともに,効果を検証するという事業をしてはどうかというのが提案の内容でございます。
 参考として次のページに載せておりますのは,既に自治体ポイントの管理クラウドを使いました取組事例でございますけれども,相模原市では地域活動ポイントというものを作っておりまして,1活動,大体200ポイントで,青色のところに載っておりますような,防災訓練等で牽引するような人たちにポイントを付与しているという形です。
 もう一つの事例が,これは最近話を聞いてきたんですけれども,教育分野でボランティアポイントを導入している事例というのが加古川市でございます。1日1回の活動で50ポイントたまって,それを1ポイント1円で利用可能なんですけれども,ここの特徴としましては,特に学校ですとか公民館,子供向けの活動などに重点が置かれておりまして,緑色の枠の一番上のところなんのですが,学校園支援ボランティアとか放課後子供教室,こういったところでボランティア活動をしたときに,こういうカードがございまして,このカードに直接ピッとやるとポイントがたまると。使うときに,これもちょっと特徴的なんですけれども,学校園に寄附できるという仕組みがありまして,実は結果として,学校園への寄附がほとんど,96.5%,これまでの実績でいうと200万ポイントですから200万円ぐらい学校への寄附に回っているということで,そうすると子供が喜ぶ姿が見られて,ボールとか苗とか寄附されまして,それを成果としてもボランティアが実感して,更に参加を呼び掛けて活動するという好循環が生まれているということで,活動への登録者数自体も2倍程度増えているというような事例もございます。こういったものを参考にしながら検討を深めていきたいと思っております。
 以上でございます。

【明石分科会長】
 課長補佐,ありがとうございました。
 それでは,今の事務局の御説明について御質問,御意見がありましたらお願いいたします。
 なければ,これまでの事務局の御説明を踏まえまして,皆様方から自由な御発言を頂ければと思っております。どなたからでも自由に御発言をお願いいたします。例によって名札を立てていただければと。では,中野委員,お願いします。

【中野委員】
 先ほどのボランティアポイントの創設は面白いなと思いましたし,やる気が出てくるかなと思うのと,それから,加古川市の研究をしてみたいなと私も思いました。
 それはさておき,本論の新しい時代の生涯学習の実現のための方策のポイントの一つが,私は,ICTなどのテクノロジーを有効に活用した学びがあるのではないかと考えます。今,小中学校における1人1台タブレットの環境整備が国家プロジェクトとして急がれている現状がありますが,さらに,誰1人取り残すことのない個別最適化された学びの実現,こういったあたりも目指そうとしています。
 これは学校教育だけの問題ではなくて,社会教育においても重要ではないかと思うわけです。その理由としては,小中学生はもちろんですけど,高齢者においても,多様な世代が,世代というか,すなわち人がつながる一つのツールになるんじゃないかという点。それから,それぞれ離れた地域とか離れた国,そういったところとの環境をつないでいくイノベーションを起こすようなツールになるのではないかということ。それから,インターネットなどによって豊富な知識を活用することで,さらに,自ら調べ,自ら歩き解決しようとする,そういった意欲とかきっかけにつながるのではないかと。また,アクティブラーニングのような学び方を助けるようなツールにも研究主体でなっていくという中で,人生100年時代の豊かな学びにつながる多くの可能性を秘めているなと思います。
 そこで,社会教育におけるICTの効果的な活用事例とかを紹介することができないかなと思うのと,それから,地域の公民館などの環境が脆弱なんです。本当にこの環境整備が必要ではないかと思うのと,それから環境整備が整っている図書館だとか博物館だとかも,これから整ってくるであろう学校の施設を上手に使っていくのも一つの方策かなと思うので,そういったところを研究していく必要があると思います。それから最後に,専門人材を活用する仕組み作りとして,リタイアした後にその経験を生かしてといったあたりの方々が上手に入ってくださるとやりやすくなってくると思います。是非このシステム,こういう方々の経験を生かすようなシステムをつなげていくことで,新しい時代のICT活用による社会教育を推進していくことができるのかなということを考えてお話しさせていただきました。
 以上です。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。では,東川委員。

【東川委員】
 貴重な御説明ありがとうございます。
 私どもはPTAの団体ですので,正に社会教育というところで言いますと,社会教育関係団体というふうに多くの皆様に周知をしているところでありまして,資料3の3ページの一番上に,今後の方策ということで,「『社会教育』という分野に取り組むプレーヤーは増えておらず,団体を作っては潰れるという状況」,これは,一つは質問なんですけれども,過去にどんな団体があって,どれぐらいのペースで増えたり減ったりしているのかなというのが,ちょっと不勉強なもので分からないので,分かる範囲で後ほど教えていただければなと思っております。
 先ほどの西田補佐の御説明の中のパワーポイントの資料に,ボランティア活動の必要性については,今の社会的な背景の人生100年時代であるとか,リンダ・グラットン氏の提唱されている考え方に合わせていかないといけないんだろうなというところから,やりがいとか生きがいとかを持っていくという反面,そもそもじゃあ何のためのボランティアなのかというところで,先ほどあったポイントインセンティブというのはきっかけとしては非常に面白いなと思うんですけれども,全ての人がボランティアに対してやりがいとか生きがいを感じているというところに少し課題を感じるなと思います。
 理由は,PTAもそうなんですけれども,PTAは当然,ポイントとか現金給付とか,そんなインセンティブは一切ないんですが,子供たちのためにという,その将来を見据えた違った形のインセンティブがあって,それが大きな動機付けになって皆さん活動しているというところから,そうは言っても,先ほど阻害要因として,時間的な問題であるとか,働くことを一旦止めて何とか工夫して時間を創出しているという背景としては,やっぱり経済的な理由が様々あってというところもあると思いますので,何のためにというところを少し分かりやすく示していく必要が,各世代において必要になってくるのではないのかなと思います。
 それと,PTAというのが社会教育のデビューの場だと思っておりますし,子供たちが育った後に,じゃあその先に何があるのかということを,私ども団体としても,もう少し強めにお示しをしていく必要があるのではないのかなというところでございます。意見と質問でございます。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。事務局,先ほど東川委員の,団体を作っては潰れるという状況の,急でしょうけれども,数的にどのような流れがあるかというのが,もし分かる範囲でありましたら。

【根本生涯学習推進課長】
 まず一つは,NPOの状況につきましては,今ちょっと手元に資料がございましたので御報告いたします。NPOにつきましては,今のところ,5万1,000団体ほどございます。これは総数で,ただ,ここ近年は,5万団体ぐらいで推移をしているということで横ばいの状況にあります。これは飽くまでも総数の話でございますので,具体的には,その中に新しい団体が出てきて,またそこで廃止をされていく団体がいらっしゃるということになっております。今までの御議論の中でいろいろ話題として出てきていますのが,やはり団体自体の脆弱性がありまして,それで団体の数の減少等が生まれているということでございます。
 もう少し長い目で見ますと,我が国の中で社会教育関係団体というのが戦後多く生まれてまいりましたが,この団体におきましても,個別の方々がその団体を運営されているということがあったり,財政面での脆弱性等があったりということで,ここ近年は大きく減ってきているような形になっております。
 ただ,一方で,目的別の団体,NPOの団体のような方々が増えてきているということがございましたが,その団体におきましても,先ほどのような数字がございますような形で,全体的な話とすれば,目的の団体ができて消え,又は達成すると消えていくという形になっているような状況だと思っております。
 すみません,ちょっと数がなくて具体的な話がございませんが。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。では,髙倉委員,お願いします。

【髙倉委員】
 西田さんのボランティアの話,これは,非常に有効なシステムだと思うので,少し紹介させていただきたい。我々労働界には,退職された方の連合会等のネットワークがある。当然ボランティア活動も様々いろいろやっているので,需要と供給をどうマッチさせるかが非常に重要だと思うが,是非タイアップして有効的なものにしていただきたい。
 資料3に対して,具体的に方策を三つに分けて整理していただいているので,御意見を述べさせていただきます。
 「最新のテクノロジー活用」においては,第10期の初回の分科会においても発言させていただいたが,自動車産業においてもSociety 5.0やIndustry4.0などの大きな転換期にあり,社会が劇的に変化する中で,誰もが将来に希望を持ち自己実現が図れるよう生涯を通じて学び続けることができる社会にしていく必要があると申し上げさせていただきました。そういった意味で,新しい時代の生涯学習の方策として,ICTなど最新のテクノロジーを活用して,誰もが学びたいときに学べる環境を整えておくことが最も重要であると考える。
 具体的な事例として,小・中学校においてネットワーク環境を整備するとともに,全ての子供がPC端末を活用できる環境の実現に向けて,補正予算が計上されていると認識しています。担当局が異なることは十分承知した上で申し上げるが,子供の学びの質を確保するためには,ハード面のみならず教職員の定数の改善及びICT支援員の確保,こういったことを行うことで,学校の働き方改革を同時に進める必要があると考える。
 また,公民館などの社会教育施設においても,ネットワーク環境を整えるとともに,地域で学ぶ方がPC端末を活用できるようにすることは,誰もが躊躇なく学びに参加できるようにするためにも必要な手段だと考えている。
 続いて,「開かれ,つながる社会教育」の実現に関してだが,社会教育主事,社会教育士の活用をどのように促進していくかという観点で意見させていただく。第9期答申のキーワードである「人づくり・つながりづくり・地域づくり」のように,人と人とのつながり,その間にこそ学びが生まれるものというふうに考えます。
 しかし,地方では,人口減少が進んでおり,人口が100万人を下回る県が10県ある。そうした県では,中心街に行っても人通りが少なく,人と人とが出会う機会そのものが少なくなっているようなことも推察される。
 社会教育調査のデータを見ると,都道府県市町村の教育委員会に置かれている社会教育主事の人数は激減している。平成8年時点6,796人が平成27年の時点で2,048人。これは,約20年で3分の1以下に激減してしまっている。学びの機会を保障するためには,社会教育主事や社会教育士の皆さんに,人と人とをつないで,学びを生み出す人材として活躍していただかなければならない。まずは,どのように社会教育主事や社会教育士の人数を確保するのか。さらにはどういった役割を担っていただくのか。具体策を示していただかなければいけない。
 最後に,各自治体の推進体制についてだが,先ほど人口が100万人を下回る県が10県あると申し上げた。人口減少が進んでいる地域では,人材や財源を確保することが大変厳しくなってきている。他の地域の優れた事例を実行したくても,人がいない,お金がないというのが地方の生の声である。誰もがどこに生まれようとも学びたいときに学べる環境を整えるのが,国の重要な責務であると思うことから,厚生労働省の福祉の観点,そして総務省の地方創生の観点など,省庁を超えた横のつながりを深め縦割り行政の弊害が出ないようにしっかり連携をとることで,地域におけるプラットフォームを具体的に実現していく。いかに人とお金で学びを支えるシステムを整えていけるのか,しっかり連携をとり進める必要があると思う。

【明石分科会長】
 かなり具体的な提案をありがとうございました。
 では,今村委員,お願いします。

【今村委員】
 ボランティアの件について発言させていただきます。私自身は,これまで19年間ずっとボランティアの方々を集め,その方々と一緒に教育活動を社会教育の視点からしていくという活動をしてきていまして,ここ10年ぐらいはずっと年間4,000人以上の方々と年間関わっていただいている団体なのですけれども,たくさんの失敗をしてきました。その中の最も大きな失敗が報酬を与えた期間でした。
 ボランティアの方々にとって,私たちにとって,コントロールといいますか,マネジメントをする側にとっては,何人に何時から何時まで活動していただくということのコントロールが利く方がマネジメントしやすいので,そうすればたくさんの良い人が集まってくれるのではないかと思って,その策を講じて,今でもその策を講じている一定数のコミットメントの人たちはいるのですけれども,ただ,全員にそれをしてしまおうとしたときに,これまで好きでやっていたり,例えば,子供たちのためにとか,自分のために関わっていた人たちが,それが何か報酬がもらえるからということになると,マックのバイトより安いねということに気付いてしまう。そうすると,報酬が自分の承認欲求をベースにしていたものの何かを阻害してしまう,アンダーマイニング効果というらしいのですけれども,ものすごく組織力が低下した時期が正にそこだったのです。
 なので,この案は,もちろんやらないよりはやった方が良いし,東京マラソンとかオリンピックのボランティアの方々がこれからどういうふうにやっていくのかなと,数が必要になってくるので,そこに乗せて何か策は打った方が良いとは思うのですけれども,最も大切なのは,管理側というか,ボランティアコーディネーションをする側が,何らかの報酬設計の中に,それは労働ではなくて謝意であり,感謝であり,相手に対するリスペクトであり,そういったものをどう表すかというところがこの設計に入らないと,本当に労働に置き換えられてしまうので,そこの部分を,やることに水を差すつもりは全くないのですが,とても重要な点だと思いましたので発言しました。
 以上です。

【明石分科会長】
 いや,本当に貴重な意見をありがとうございました。
 では,篠原委員,お願いします。

【篠原委員】
 最初,先ほど質問しなくて申し訳なかったのですが,質問から入りたいのですけれども,僕もボランティアのことで。
 このボランティア活動の現状調査,若い人と高齢者の内訳は分かりますか。

【西田地域学習推進課課長補佐】
 すみません,今すぐには,分からないのですけれども。

【篠原委員】
 これ全体は,何歳から何歳ぐらいまでの人を対象にした調査ですか。

【西田地域学習推進課課長補佐】
 社会生活基本調査で言いますと,10歳以上だったかと思います。調査によって若干違うと思いますけれども。

【篠原委員】
 では,幅広い年齢層を対象に調査をしているわけですね。

【西田地域学習推進課課長補佐】
 そうですね。

【篠原委員】
 その内訳を僕は知りたいと思います。というのは,若い人のボランティアは,1995年の阪神淡路大震災,あれはボランティア元年と言われていますけれども,あれをスタートにかなり高まってきていると思うのですよ。今度の東京オリ・パラのボランティアの申込みも結構若い人が多いと聞いていますからね。そうすると,高齢者,あるいはリタイアされた方々のボランティア活動への参加を促すことと,若い人たちのボランティア活動の現状と,それから,今後若い人にもどんどんもっともっとやってもらおうと,このツートラックで僕は物を考えるべきだと思うのです。
 若い人は,恐らくまた年齢を経て,年配者になっていったら,若い頃の体験というものがあるから,ひとつ私も少し時間ができたからまたやろうかなと,こういう良いサイクルに入るのではないかと思うし,また,子供さんと年配の御両親あたりが家庭でいろいろこういう話をすることで,また高齢者の方にも,あるいはおじいちゃん,おばあちゃんにも,そういう刺激にもなるのではないかと思うのでね,だからその辺,若い人のボランティア活動と年配者のボランティア活動をどう結び付けて,全体のボランティア活動の流れ,渦と言っても良いかもしれませんけれども,大きくしていくかということも僕は少し考えていく必要があるのではないかなと思います。
 それから,これは余談ですけれども,先ほど髙倉委員から,ICT教育を強めるのは結構だけれども,教員を含めた体制の整備をしっかりしないといけないというお話があったけれども,きょうの衆議院の予算委員会でまさしくその問題が取り上げられておりました。エストニアの例が出されておりました。エストニアはICT強国で有名なのですけれども,最初に抵抗したのは教員だということです。御紹介しておきます。
 以上です。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。
 では,菊川委員,お願いします。

【菊川副分科会長】
 何点かアトランダムですが,申し上げます。
 日頃,資格や,学位の取得に関わる放送大学で働いていますので,余計に感じるのかもしれませんけれども,提案されている社会教育というものが,公益を求める人を前提にした制度設計になっているように思うのですけれども,現在,公益と私事というのをつなぐリアルな社会教育が求められているのではないかと思っております。
 その観点から,平成一桁の時代に,学習成果を生かすということを審議したときに,学んだことを仕事に生かす,地域活動に生かす,ボランティアに生かすという,そういうタイトルだったのですね。今必要なのは,そういう学んだ成果をそういう公的,私的なことをクロスさせながらやっていくような提案が要るのではないかというのが1点です。
 具体的に申しますと,先日の総会で,社会人に再度教員免許を取ってもらって働いてもらおうというような提案があったかと思いますけれども,教育人材を考えるときに,例えばお母さん方がもう一度教員として就職をしていくような人も含めて,ボランティアを更に次のステップにつなげていって仕事に生かすような,そういう制度設計が要るのではないかと思います。
 それから,2点目としては,社会教育主事の関連です。放送大学は30代,40代,50代が多いのですけれども,30代,40代,50代の学生の男女比が,男性1に対して女性2なのですね。それはなぜかというと,女性たちの学び直しなのですね。ですから,そういう資格系を求めている人が多いということで,社会教育主事等も,たしか今度の4月から制度が始まると思うのですが,今たくさんいらっしゃる有資格者の人を,社会教育士として再活用していくような制度設計を具体的に進めていただけたらと思います。
 それから,3点目なのですけれども,先ほどボランティアの謝金の話が出ましたけれども,確かに報償費的なものはあれだと思うのですけれども,例えば,高齢者をボランティア活動に引き込もうとすると,最低限の交通費程度は要るのではないかと。交通費がないからなかなかそこまで行けないという方々もおられるので,そういうところは是非目配りをお願いしたいと思っております。
 最後に,ここは社会教育行政の話ですけれども,社会教育行政とリカレントをどんな位置関係で整理していくかというのは,今後の課題かなというふうに,まだはっきりしてないと思います。そのことが,先ほど公的,私益と公益と申し上げましたけれども,リカレントはどちらかというと私益的なものであり,社会教育というのはどちらかというと公益なものとして今現状あるわけですけれども,それを,リカレントをもっと進めることで,もっとダイナミックに私益と公益を交ぜながら活動を促進していくというような,何かそういうことが今後求められてくるのではなかろうかと思っております。
 少し長くなって失礼しました。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。私的と公益のバランスといいましょうか,そのダイナミズムをどう制度設計していくかという,人生100年時代に,20年,30年,40年のところに,どういう形でうまくマッチングさせるかというのは,非常に大事な御指摘をありがとうございました。
 では,萩原委員,お願いします。

【萩原委員】
 ありがとうございます。幾つがございますけれども,まず,先ほどのNPOの数なのですけれども,5万1,000ぐらいで足踏みしているのは,一つは,一般社団法人という新たな法人制度ができたということが非常に大きくて,NPO法人格を取るよりは,一般社団の方がはるかに楽というふうなこともございまして,そちらでいろいろな活動が展開されているので,両方を見ていただくと良いかなと思います。
 それからNPO法人は分野がございますので,社会教育という分野だと,皆さん複数でされておられますので,細かくチェックをしていくと,もしかしたらそんなに減ってないかも分からないのですけれども。ただ,NPOそのものの基盤が非常に脆弱になっているということは,人材も含めて,経済的にも含めて正しい理解ですので,良いかなと思いました。
 それでは,少しコメントをさせていただきたいと思いますが,今回のこの生涯学習の実現のためといったときに,重要になってくるのは,恐らく私は,先ほど御発表いただきました西田さんの中のポートフォリオ・ワーカーだと思っています。私のプレゼンテーションのところでも触れましたけれども,チャールズ・ハンディの四つのワーク,これを徹底させていくということがいろいろな意味で重要になってくるだろうと。
 四つのワークというのは,まず有給ワーク,お金を稼ぐ仕事。それからホームワーク,家事,育児,介護,看護,これは主に女性が担っていると言われています。有給ワークの方は一家の大黒柱,男性というふうに言われておりますが,そうではなくて,1人の人間が両方担う。そしてもう一つが学び。正にこの生涯学習,社会教育の部分に入ってきて,もう一つがボランティアというふうに言われていますが,そこをギフトワークというふうに名前が変わってきています。
 実は,そのボランティアをやっている方たちに,あなたたちのやっていることってギフトワークですよねと言うと,みんな目が輝くのですよ。あ,ギフトワーク,私たちのやっていることはギフトワークと。あと,メセナ企業財団のメセナの方たちにも,あなたたちの企業がやっていることって,これはギフトワークですよねと言うとすごく感動してくださるのですね。
 ギフト,私たちはギフトをあげられる立場にいるのだとか,何かそこから得られるものを,先ほどの今村さんの話ではないですけれども,NPOのマネジメントで何が大事か,大変かというと,お金をもらっている方とそうでない方がいるので,その方たちをマネジメントするのが代表としても非常に重要な役割になってくるのですね。ですから,そこのところをきちんと整理していかないと,お金をあげれば良いという話ではない。
 だけれども,日本のボランティア活動のときの議論として,有償ボランティアという概念が,1980年ぐらいですかね,出てきまして,せめて実費ぐらいはということで,有償ボランティアとボランティアって矛盾する考え方ではあるのですが,ボランティアというのは無償なのだけれども,せめて先ほどおっしゃったように交通費だけはということで有償ボランティアという概念が出てきて,非常に議論になったことがあります。
 だけど,やはりそんなにお金持ちの人たちばかりではないのだけれども,気持ちがあるといったときに,そこにどう応えていくのかといったときに,そういう仕組みが出てきたと思いますので,それを更に21世紀的にというか,人生100年時代にブラッシュアップしていくというか,アップデートさせていくということは,とても大事なのではないかなと思います。
 結局ギフトワークを全員がすれば良いわけです,はっきり言って。例えば,いろいろな研修とかに行くと,皆さんはボランティア活動をしていますかと言うと,ほとんど手が挙がらないわけですよ,例えば県庁とか,公務員さんのところに行っても。皆さん,今ここには300人いますので,300人の方がギフトワークをやったら地域は活性化しますよねと。PTAや,それから民生委員とか。やってない人がたくさんいるということなのですよ,今。なので,その方たちを開発していくという。皆さん,ギフトワーク,四つのポートフォリオ・ワークの中のギフトワークを必ずしていきましょう。それは,リタイア後ではなくて,今,ピーター・ドラッカーの言うパラレルキャリアで行きましょうということをもっともっとやっていけば,人は増えていくのではないかなと思います。
 少子・高齢化でも,元気な高齢者は頑張っていかなければいけないのだけれども,今活躍をしている,企業とかで活躍されている方たちも一緒になってパラレルキャリア,ポートフォリオのギフトワークをやっていきましょうということは,良いのではないかなと思いました。
 先ほどのお話の中で,ギフトワーク,つまりボランティア活動をやっていることが,結果として有給ワークにつながっていくと,これは正にそういう事例が女性の中にはたくさんあります。ですので,ギフトワークをしながら,そこに学びが当然入ってきて,それが結果として有給ワークになっていくというふうな循環があると思うのですね。ですから,この審議事項をうまくポンチ絵にしていったときに,いろいろなものが関係してくると思います。
 そのギフトワークの中に,例えばICTの活用,テクノロジーといったときに,今の教師だけでは当然無理だというふうに私も思います。そこにどうやって専門性を持ったプロボノの人が入っていけるのか。それをつなぐのが社会教育主事なのか。そのつなぐ人,コーディネーター,いろいろなコーディネーターがいます。学校と地域をつなぐ人,学校の先生と専門家をつなぐ人,いろいろなコーディネーターの存在が必要になってくるので,そこも整理されていくと,これの実現性が高まってくるのではないかなと思います。
 最後に一つ,大学生,もっと地域に出ろと言っておりますけれども,大学生はとても忙しいです。本当に15週授業をやらなければいけないということで,今年は特に大学の先生たちは全部授業ですよね。ゴールデンウィークはゴー・トゥー・ワークになっています。ゴールデンウィークは今までどおり,もっと更に授業になっていますので,外に行く時間がないというか,そういう大学の今置かれた状況というものも,もう一回見直していくということも,学生がもっと地域との触れ合いを担っていくために,ギフトワークができるためには必要になってくるかなというふうに思いますので,是非御検討いただけると大変有り難いと思います。
 少し長くなりました。ありがとうございました。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。
 では,山本先生,ちょうど国大協の専務知事で,大学生のボランティアも含めて。

【山本(健)委員】
 座長にそんな振られ方をすると困ってしまいますけれども。
 一つは,西田さんが報告されたのですけれども,職員の方の自発的なアイデアをいろいろ出していくという,あるいはこういう場でも議論できるというのは,大変良いことだと思いますので,今後も是非いろいろなテーマで出していただければ良いなと思いました。
といって,少し辛口で言って悪いのですけれども,一つは,西田さんの報告からいくと,ボランティア論というのは,先ほどのギフトワーク論も含めて,1970年代から日本でも50年間議論していて,社教審も中教審もその議論もしているので,それから,今村さんがおっしゃったみたいに,理念と実践をかみ合わせることはなかなか難しくて,実践の失敗も成功もあるので,是非,せっかくのレポートなので,そういうものも盛り込んでいただくと制度設計にも良いのではないかなと思うのですね。
 ボランティアというのは,私も50年間ぐらいボランティア人生みたいなものですけれども,志高くやる人もいれば,本当に自分の身近にテーマがあったのでやる人もいれば,それが発展的につながる人もいれば,それで自分の人生が満ち足りている人もいるし,周囲からも感謝されるという,いろいろ100人やれば100通りあるのだという。ある意味で市民社会の自由な領域の中での活動で,それが余り枠組みの中で,先ほどもいろいろおっしゃいましたけれども,それを注意深く制度設計する。特に国家として激励するわけなので,それをどう激励するかというのには,用意周到な留意点が要るかなと思いました。
 もう一つは,ポイント制とか履歴の問題になるのですけれども,履歴の問題はもう入試でも随分問題になっていますけれども,日本の場合は,こういったものが出てくるときに個人情報の保護に対する無警戒が,すっとこれが出てくるというのがね。これは国家の政策なので,そこはすごくハードルを掛けて提案をする必要があると思うのですね。ここはもう全く無防備な世界になっていますので,そこは是非それを補強しながら良いアイデアにしていただきたいなと改めて思います。
 それから,本来で言いますと,これは局長や課長さんたちへの注文ということでもありますけれども,今度の10期の答申は,生涯学習政策局から総合教育政策局に変えて,社会教育課を地域学習推進課に変えて出すわけなので,変えるときも私も随分小松さんや常盤さんとも議論しましたけれども,余り,恐らく納得できる説明をしないまま進んだのではないかと思うのですけれども,例えば,社会教育課を地域学習推進課にしたということについて,それなりの説得力のあるというか,説明ができるようなアイデアというか,出していく必要が,答申に作っていく必要があるのではないか。これは分科会の責任でもあるのではないかなと私は思います。
 そこで一つ言うと,いろいろ,私は社会教育でも地域学習推進でも,個別の学びももちろん基礎にするのですけれども,協働学習というのが非常に重要な概念だと思っていますけれども,これもICTへの非常に牧歌的な楽観というよりも,既にいろいろな危惧も出ていますけれども,ICTの発展は分断と格差も同時に拡大しているわけで,実際社会では,これをどういうふうにブロックしながら社会的包摂,インクルーシブの方に転換していくのかというのが,ある意味で言うと社会教育が目指す姿だと思うので,このあたりも,それは地域推進学習という,ここでも地域を作る学びとか,地域の主体になるとか,いろいろ言葉が出ていますけれども,そこをそういうキーワードも使いながら,社会教育を含んだ地域学習推進というような,新しい時代を説明するようなレポートの作り方というか,そういう議論もする必要があるのではないか。それはいろいろな各地の実践もあると思うので,是非そういうことに留意して今後作業をしてもらいたいなと思いますし,私も言える意見は言っていきたいなと思っています。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。非常に大事な視点で,局が変わったときの答申の在り方というのは,本気で考えていかないと。きょう,柳澤教育人材政策課長がいらっしゃっていますが,ここがもっと頑張っていただいてくれないと困るなと思います。この9期の答申が,開かれて,つながりづくり,つなぐ人の人材育成をしなければいけませんよという。つなぐ,人づくり,つながりづくり,まちづくりと言って,人づくりというのが今回の局の名前が変わったところの良さを出していかないといけないかなと思っています。より貴重な御提案をありがとうございました。
 では,牛尾委員,お願いします。

【牛尾委員】
 私は,こちらの資料で言いますと,開かれ,つながる社会教育の実現のための方策,①のうちの,多様な主体の連携・協働についてというところで,大学がもっと地域と連携していくという部分についてお話をしたいと思います。ふだん大学教育に携わっておりまして,様々な学問体系に沿った専門科目がカリキュラムの中心にあるのですが,その中に地域の課題解決の授業ですとか,企業の持っている問題解決の授業ですとか,実践的な科目が大学の正規のプログラムとして一定数組み込まれるように大学に対して働き掛ける方法はないのかなと思います。
 今,私の大学などでは,実務家教員の方々が企業の問題解決ですとか,地域との連携で地域再生のための授業やゼミナールですとかを担当してくださっているケースがあります。こうした授業はキャリア開発やインターンシップ関連の科目として展開される場合もありますし,各学部のカリキュラムポリシーに基づき正規科目として必要と判断されて開設されることもあります。ですので,必ずしもすべての学部や学科で開かれているわけではありません。こうした実践的授業は,もちろん教員の力量や授業内容にもよりますが,往々にして履修希望者が多く,履修者の枠も限られていることから需要に応えきれない状況も出ています。
 大学でアカデミックな理論を学ぶことは言うまでもなく大変重要なことであるわけですが,そうした理論が実際の生活,社会の問題解決にどうつながっていくかを学ぶことは同様に大切なことであると考えます。アクティブラーニングの観点からもとても重要だと思いますので,そういった実践型のプログラムも一定割合入れていく。それをした大学には何かポイントが与えられるですとか,あるいは,履修者がそういったものを何科目履修すると何かポイントになるですとか,そのやり方は,私には,今どれが良いというのは分かりませんけれども,何らかのインセンティブを与える方向というのはないのかなというのを一つ考えました。
 また,教える側ですけれども,非常勤や特任など有期の契約の方が必要になるとは思うのですけれども,企業をリタイアした方がそこに就くというのもあると思いますし,自治体職員として地域の問題を市民とともに解決していくような立場にある方が,一時大学のプログラムを展開する人として入るということもあるかと思います。それぞれの大学の立地するその地元の自治体との関係を深めるという意味でも,そうした授業が大学の中に正規の科目として組み込まれますと,かなり意味があるのではないかと思いました。
 また,社会教育士の方がそうした科目設定のためのコーディネーターとして関わる可能性もあるのではないかと思うのですが,そのあたりというのも御検討いただけたらと思いました。
以上です。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。今,いろいろな本が出ていまして,いろいろな経済格差,教育格差がありますけれども,『教育格差』という本が出ていまして,その方の主張で,大学の教育学部の講義の中で教育格差というタイトルをつけた講座名がない,口では教育格差と言うけれども,教員の方々が実感,エビデンスの視点で理解できてないということを主張していますけれども,牛尾先生の話をお聞きしながら,各大学の講座名がどこまで成果を果たしているかという視点は非常にヒントになるかという感じがしまして,大事な視点かと思いました。ありがとうございました。

【清原副分科会長】
 ありがとうございます。清原です。本日,整理していただいた一番目の「新しい時代の生涯学習の実現のための方策」を考えるときに,幾つか重要なキーワードを付け加えていければと提案いたします。
 先ほど篠原委員も,山本(健)委員も,また今,牛尾委員もおっしゃったんですけれども,他の皆様もおっしゃった「分断」とか,「格差」とか,「地域」における教育をめぐるそうした状況も,人生100年時代,及びSociety 5.0の中では,起こってはいけないのに,あるかもしれない。それらに目をつぶってはいけない。私たちは,人生100年時代,Society 5.0のポジティブな部分だけではなくて,ネガティブな部分を生涯学習あるいは社会教育の視点から減少していきたいと,そういう志というか,それを最初に示す必要はあるのかと思います。それが1点目です。
 2点目は,人生100年時代は,高齢者の学びの中で若い世代から90代,100歳の方も参加されている地域もあるかと思いますが,本当に「多世代が学びのときと場所を一緒にする」ということですから,「多世代交流」が厳然と起こっているということです。だからこそ「社会的包摂」とか「インクルージョン」という言葉があり,障害のある人,ない人が共に学ぶということがあります。そこを「協働」という取組の中で,より充実したものにしていくことが理念的にあり得るんだと思います。
 そして青少年の悩みは,人生100年と言われたら,100年の自分の人生をイメージしながら今を生きていくということですから,地域における多世代交流で100歳の人や90歳の人に出会っておかないと,自分の人生が描き切れないということです。ですから自然に学校教育だけではなくて,いいえ,学校教育の中に学習支援員として高齢の人がどんどん入ってほしいし,地域で,例えば「放課後地域子供教室」,「放課後地域子供クラブ」と言われるところに,中高年のサポーターが入ってくるということです。実際にそういう実践がありますから,人生100年時代,Society 5.0は,「多世代交流」,「社会的包摂」,「格差・分断なき協働」の地域を作っていくことが明示されていくべきだろうと思います。
 それでは,「開かれ,つながる社会教育の実現」のための方策の中で,どういう視点が重要かというと,これは既に複数の委員が御指摘されたことと同じことを私も考えておりまして,1点目は初等中等教育における1人1台パソコン導入,大容量高速ネットワークの実施に対して生涯学習はどのように対応するか。一方では,学校教育との連携で地域人材によるICT支援員として教室に入っていくこともあるでしょうし,学校という場でのこうした環境を生かして,学校という場を時間的に共有しながら,豊かなICT環境を生涯学習でも生かしていくこともあるでしょう。学びと活動の循環の場所が初等中等教育の学校現場でもあるし,初等中等教育の学校の現場を活用して高齢者が学んでもいいし,というようなことが,局が変わったという総合教育政策局ならできるかと思っています。
 だからこそ,学びを開かれたものにしていくためには,2点目に,公民館だけを(生涯学習・社会教育の)場にしないということもあるかもしれません。空き家の活用であるとか,空きスペースの活用であるとか,学校以外にも柔軟に考えていくことがいいかもしれません。
 3点目に,いろいろな課題の中で,これだけ長寿化していきますと高齢者が高齢者を支援しています。また,子育て中の人や子育てが終わった直後の人が子育て中の人を支援しています。したがってピアサポートというか,何も若い人が高齢者を支えるのでもないし,高齢者が,子育て中の人を支えるのでもないし,近い年齢の人が支え合うこともあるでしょうから,これは行政の福祉部門との一層の連携が重要だと思います。高齢者,障害者,子供,子育て支援の行政の分野と,生涯学習,社会教育の分野がより一層連携していくことが充実に向けていくと思います。そのときに,社会教育主事や社会教育士が教育委員会所属の職員であるから,だから市長部局と距離があるなどということは絶対あってはいけないのであって,コーディネーター,ファシリテーターとしては,つなぎ役としての専門性を遠慮なく福祉分野の知識や情報を身に着けながら進めていくことが必要だと思います。
 続いて,大学,専門学校,高等学校との連携が有効です。大学のない地域があります。専門学校もない,いいえ高校すらない地域が顕在化しています。そうした地域にあっては,大学は自分が立地している地域だけに貢献すればいいのでしょうか。高校もそうでしょうか。そのあたりは,市境堺,町境,村境を超えて,ICTの時代ですから遠隔の講義もできるでしょうし,相談もできるでしょうし,ICTがあるからこそ,大学,専門学校,高等学校がより開かれて,困難な地域の支援をすることが求められていくのではないかと思います。その場合には地域の産業界との連携が有効で,工場ですとか,農業の,農業者が,もっと生涯学習の中で子供たちに産業教育をしてもらうのもいいでしょうし,学校に出前授業で行くことは増えていると思うんですが,先ほど言いました人生100年時代をイメージするのは学校という場だけではなく,地域で子供たちが学ぶ機会を増やしていくことが有効だと思います。
 最後に本日,西田さんからボランティアポイントのプレゼンテーションがありまして,政策を研究して,それを提案する仕組みが文部科学省にあるということを,三鷹市役所でそれを行っていた立場としては大変心強いです。私は三鷹市長として大いに職員の職員提案を実現して議会でも応援していただいたので,是非これが少しでも実現すればいいと思うのです。ただ成功例としての加古川市を是非学びたいと思いながら,中断したところがあります。例えば地域通貨で有名な北海道の栗山町でしたっけ,クリンというのが2000年から2011年迄で一応中断している例がありますよね。当時はマイナンバーカードもないし,ポイント制といっても独自の紙幣でやっていらしたということもあるかもしれません。
 ボランティアポイントですから,換金するのがいいのか,それともある四国の先駆的なところは20世紀においてボランティアをしたポイントを蓄えて,自分が高齢者になったらそのポイントでサービスを受けるとか,そういう奉仕活動をポイントでするということで,必ずしも換金ではないポイント制をやっていらした事例を学んだことがあります。
 従いまして,お金に換えると本当に有償無償の話とかいろいろあるかもしれませんし,ポイント制といったときに,生涯学習,社会教育にふさわしいポイント制はどういう形かを考える本当にいいチャンスだと思います。マイナンバーカードがせっかくあるわけですから,それを共有すれば,本当には全国で広がれば,転居してもボランティアポイントが使えるぐらいの,市境,県境,そういうものを超えるぐらいの(広域連携の)発想がこれからあってもいいかもしれない,そう考えるチャンスかと思いました。
 いずれにしても,そうした政策提案を,私たちもこれから5月6月の取りまとめに向けて,できる限り具体的にしていきたいという元気を頂きまして,ありがとうございました。以上です。

【明石分科会長】
 たくさんのヒントを頂きまして,個人的には福祉分野とのつながり作りが欠かせない。最後の「ポイント制度を社会教育的な視点から捉え直す」というのに非常に新鮮みを感じました。ありがとうございました。では澤野委員,お願いします。

【澤野委員】
 私もこの報告書が令和時代になってからの初めての生涯学習分野での中教審の報告書になるということもありますし,先ほどから話題になっていますように総合教育政策局になってからの初のものであるというところがとても気になっていまして,是非,平成時代30年間が正に生涯学習政策局が生涯学習政策に取り組んできた期間ですので,そこの総括というか,振り返りもしつつ,新しいものを出していくべきではないのかとおぼろげに思っていたところです。
 その中で前回までもボランティアのことがそういえば出てこなかったと実は思っていたんですね。ちょうど特に90年代後半から,このボランティア,またボランティア活動を推進するためのNPOが出てきたこともありましたし,日本型の生涯学習では,ボランティア活動そのものが生涯学習の一環であるということもありました。そういう特徴もあると思いました。また,先ほどのお話ではもう70年代からボランティアに関する研究というか調査などは進んでいたということもあります。もしかするとそういった生涯学習政策としてボランティア活動やNPOを推進する時代もあったかと思うのですけれども,そのことが最近の議論の中で抜け落ちていたのはなぜなのか,何か問題があったのかとか,そういったことも振り返るような報告書の構成は,前書きあたりで触れるぐらいでもいいかもしれないんですけれども,望ましいのかと思っています。
 特に,「開かれ,つながる社会教育」というキーワードは前回の答申の非常に重要なポイントでもあるかと思いますが,外から見ていたときには,社会教育って開かれ,つながるものではなかったのかというところも不思議に思ったんですね。ですので平成の時代になぜ社会教育が,逆に考えると,閉ざされ分断されたものになったような傾向がもし見られたのであるとすれば,その要因についてエビデンスが本当にあったのかというのも気になるところですが,そのあたりも前回の答申を読み直してみても,余りよく分からない点です。縦割り行政の弊害がもしかすると要因としてあるのかもしれません。それで「ネットワーク行政」という提案が出ているのかというところもありますので,その辺を新しい提案とともに,振り返る部分があったらいいのではないかということを今,皆さんの話を聞きながら感じた点です。
 それで私は宿題かと思い,この3点の柱について考えてきたのですが,まずこの新しい時代の捉え方についてです。この社会の変化というところでは,この議論の中でも,人生100年時代,長寿化が大きく取り上げられているということと,社会の変化としてはSociety 5.0が出てきていますけれども,長寿化の方は年齢も多様な人たちの多世代間の交流ということも先ほどおっしゃっていましたが,そういう非常に多様な背景を持つ人が増えていくこと,外にも開かれた,外国籍の人が増えることもありますけれども,両面で学びの機会そのものもより一層多様になっていくということで,その支援の面でも恐らく多様になっていって,正に学校教育,社会教育,家庭教育とか様々なものが単に連携するだけではなくて,橋渡しをしていったり,融合するようなことが必要になるのではないかというイメージを持ちました。
 そこで,多分重要になっていくのが指導に当たる教員とか,支援者でしょうか。支援者としての社会教育主事とか社会教育士の役割で,役割も多様な一人一人に寄り添うような形での学習相談であったり,その人に何が必要かというニーズを開拓して学びの場につなげてあげるというような丁寧な支援が必要になるというのが人生100年時代とその多様化の時代ではないかと思っています。
 また社会の変化の捉え方ですけれども,Society 5.0が,いま一つ,人間中心を強調しているところは歓迎できる面ですけれども,そのネガティブな面もありそうだと考えています。特に例えば中国のような国では,スマートフォンとか,GPSや顔認証を用いたスマートシティという中で人々の生涯学習のモニタリングをしようというようなことが議論に上がっていて,私は12月に上海の華東師範大学というところでユネスコ関係の人たちとそういう生涯学習のこれからモニタリングの在り方という,小さな会議でしたけれども,参加してきました。中国の人たちもそうやって自分がどこにいるのか追い掛けられるみたいなのは嫌だとは言っていましたけれども,そんな形でそれこそ個人情報とかの問題も出てきますし,そういう人間中心というよりはAIに追われるような部分も出てきてしまうかもしれないので,そういった面への対抗策といいますか,そういったものもICTの負の面といいますか,デジタル化による未来像を明るく描きたいんですけれども,そうではない部分もあるというところも制度設計の面では考えるべきではないかと思いました。
 あと諸外国,特に欧米の生涯学習政策の新たな段階を議論するところでは,むしろ第4次産業革命の対応の方がよく話題になります。そこは就労,働くということとか,仕事の種類がどんどん変わっていくだろうという,これまでももう既にあった議論ではあるのですけれども,日本も学校教育でもICTの活用やプログラミングですとか,またSTEAMですか,数学,科学だけではなくてアートと融合したような学びにシフトしていくのも第4次産業革命の対応ということも強く出ているかと思いますので,社会教育の面でも,また大人のリカレント教育の面でも,そういったコミュニケーション能力ですとか,そういうソフトなスキルも重視されてはいきますけれども,グローバル化に対応した外国語教育やアートやスポーツの面で,またリベラルアーツ,幅広い教養とかそういう学びの在り方も社会の変化の中で議論が必要な面ではないかと思っています。
 また,開かれ,つながる社会教育に関しては,場の整備と人材の養成ということで特に社会教育士が相当すると思いますが,他にも社会教育に関わる図書館司書とか学芸員なども,社会教育の教育者としての役割が重要であると思います。私がよく見る北欧などでは,図書館とか博物館の教育的機能がますます高まってきています。それは今言ったような新しい社会への対応がより一層意識されている部分がありますので,そのあたりでかなり専門性の高い人材が求められると思います。ですので,今後,社会教育の分野でますますボランティアの方たちの活用なども進めていただきたい部分ではあるのですけれども,そういう新しい時代に対応した専門性の高い社会教育の指導的立場にある人たちの人材養成もより一層求められることになろうかと思います。
 もう1点だけ申し上げたいのは,多様な主体との連携協働という中で事例の御報告なども頂いた中で,NPOのような団体だけではなくて,民間企業の位置付けをどういうふうに,開かれた,つながるという公的な社会教育の中で位置付けるのかということをもう少し考えた方がいいのではないかと思いました。
 ソーシャルビジネスとかソーシャルデザインという形で,新たな社会教育にアイデアを出してくれる民間の企業,その場合は大企業のCSRという形ではなくて,ソーシャルデザインを最近では社会的起業家のような形で小規模の会社組織を作って行う,株式会社だったり有限会社だったりという場合がありますけれども,それに関わる若い人たちが増えているということを,事例報告の中でも学んだところです。でもビジネスとはNPOとは違って,目的ではないかもしれないですけれども営利も出さないといけないものでもあります。公的な社会教育の持続可能性とか中立性を考えると,そういう民間のソーシャルビジネスや企業をどのように取り込んでいくのか,協働していくのかというところ,法的なことも含めてもう少し慎重に議論するべき部分ではないかと思いました。
 むしろ今までのように生涯学習審議会とか,生涯学習,社会教育の計画を立てる段階から多様な人たちに入っていただいて,PDCAのサイクルの中に関わってもらうというスタイルが一番望ましいのではないかと思った次第です。
 他にもいろいろ考えたことはありますが,以上にしておきます。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。では,横尾委員,お願いします。

【横尾委員】
 ありがとうございます。佐賀県多久市から来ました横尾と言います。ICT教育首長協議会の会長もしていますので,そういったことも踏まえて意見を述べたいと思います。
 最初に頂いたペーパーの中の骨子のイメージ案があるのですけれども,これは短い時間の議論ができないので問題提起だけします。下にある,学びをめぐる課題と社会教育の果たす役割の③の2項目目,「親,先生,友達でもない他者との関係を築くことが自己肯定感の醸成にも資する」という記述は,私はすぐにすとんと心に落ちないのですよね。これは議論が分かれるし,こんなことを言いきってしまっていいのかと感じます。親,先生,友達と日頃のかかわりをもっていく中で,まず自己肯定感がないものが,いきなり他人に会ってもほとんどで,私は困難であるし,不可能だと思うのです。こういった文言をこの分科会として出すのはいかがかという感じで危惧をしています。このままなら賛成しかねます。
 これは問題提起です。あと意見を述べたいと思います。
 最初に申し上げたいのは,是非お願いですけれども,文部科学省においては「生涯学習」という言葉は絶対消さないでください。世界は,ユネスコもそうですけれども,ライフロング・ラーニング・シティ,ライフロング・ラーニング・プログラム,ライフロング・ラーニング・ポリシーを様々な国々でみんな行われていますので。もし,この「生涯学習」が抜けてしまうと,世界の取り組みや議論の中で日本はなくなってしまうことになります。その場合,インターネットでライフロング・ラーニングと検索してみても日本の取り組みはヒットしませんので,存在しないのと一緒になります。それでは困りますし事実と異なりますから,是非そこは守っていただきたいと期待をしています。
 次に,100年人生のことですけれども,大前提がありまして,健康で生きなければいけないし,ウイルスにかからず,災害にも遭わず,無事でなければいけませんので,健康と安全というか,防災というか,前に座長もおっしゃっていましたけれども,是非こういったことは生涯学習,社会教育の中でも非常に基本的な知識,インフラとしてお互い知るべきだと思います。若くして健康のことを知っていれば,多分,将来のがんの発症率も抑えることができるでしょうし,成人病とかも予防できるはずです。そういうことですので,できれば,過去からも申し上げているのですけれども,文部科学大臣と厚生労働大臣が共同記者会見して,人生100年生きるためのヒントとかに触れていただき,発言していただいたらいいのにと個人的には強い期待を持っています。
 次に,ICT関係でございます。今回の大型補正予算でICT教育環境整備の加速がスタートしたのは,私はとてもいいことだと思っています。これまでは,地方交付税措置の中に入っているということだったのですけれども,なかなか見えないことと,1人1台を目指すにも端末が高過ぎてできなかったのをおおよそ4.5万円程度という指針も示され,スペックもそれぞれ自治体に任されるところを共同スペックを作ろうとか,共同発注オーケーとかいろいろ改善が図られました。我々協議会としても,私自身も政府の教育再生会議に呼ばれて意見をかなり詳しく申し上げて,加速していただいてよかったと思っています。また,多くの国会議員や多くの方が関心を持たれました。印象深かったのは文部科学大臣と総務大臣にお会いしたときに,要望する直前の2,3分経った時点で,「もう1人1台は当たり前のことね」と言われました。そういう認識になったと期待をしました。そこで意見を述べたいと思います。
 一つは,民間の協力がものすごく大事ですので,是非このことは文部科学省でも引っ張っていただきたいと思います。具体的に何かと言いますと,端末は適正に安い方がいい。アメリカだと100ドルパソコンとか150ドルパソコンで全部教育できるんですね。日本円に換算すると2万円ちょっとですよね。でも4万5,000円ですものね。だから何かもっと協力してほしいと希望しています。
 2点目は,何といっても肝心なのは「リテラシーの向上」だろうと思っています。端末がどれだけ広く行き渡っても,通信環境をどれだけ整備しても,リテラシー教育がちゃんとできなかったら,ほぼ使えない道具をもらっただけになる訳ですね。子供たちには,このリテラシーと,そのツールを使って,課題解決を是非考えてもらいたいのです。小さくても,どんなささいなことでも。そこで,もし成功すると喜び感がありますので,その道に行きたいとか,こういったことで社会に貢献したいという,とてもいいモチベーションになると思うのです。ですから,その先には多分,自己実現も可能になると思いまして,この3本柱が整うようなICT教育を学校の中でも,生涯学習や社会教育の中でも是非進めていただきたいと思っています。
 その上で,頻繁にこの会議でも申し上げているのが,実はMOOCをもっと活用すべきだと思っています。以前知って,ここでもお話したと思うのですけれども,ある国のオリンピックやり投げの選手は,ずっとYouTubeで見て練習した人です。しかもそれはカフェで見て好きになって,ネットカフェにはまりきりになって,そのあと練習してということですから。これは典型的な例の一つです。知識を得るのに,本を読むのもおっくうだし,論文を読むのも大変。でも映像は分かりやすい。誰かの講演のビデオを見て感銘したと,すると,やってみようとなる。こういったモチベーションになると思いますので,是非こういったことも加味いただければいいと思っています。
 また,学びの在り方という項目はこのページ1にあるのですけれども,もし味付けをするとしたら,SDGsをどう絡めるかという気がしています。
 そして2点目になります。開かれ,つながる社会教育の実現のためということですけれども,実はSDGsの17項目の最後の項目は何て書いてあるかというと,「パートナーシップで目標達成」ですね。つまり,正に連携であり協働でございます。ですから,いろいろなことをやるというのはある意味で我々地方にいる者にとっては当たり前ですよね。みんなで協力してやっているので。それをどう伸ばすかだと思っています。そして,この連携と協働は,実は飽くまでも方法論ですので,連携したからよかったねとか,チームができてよかったね,のみでは駄目だと思っています。何かというと,その先にゴールを設けて何を解決したいとか,何を実現したいとか,このまちをきれいにしたい,よくしたい,そういう何かをみんなでできるようにしていくのはとてもいいと思っています。
 関連して2点目は,社会教育主事と社会教育士のことが触れられていますけれども,個人的にはすっきり定義をしてほしいと思っているのです。この間もあるところで講演したら,なかなかうまく私も説明できないし,聞いている方も何か分かったような,分かっていないようなとなる,だからすっきり定義したらいいと思っています。大変失礼かもしれませんが,難しかったら名前も変えてしまった方がいいと思います。最低限,今の前提でいきますと,少なくともプログラムを大きく一新して開かれたものにしていただいて,誰でもアクセスできて見ることができて,こんな役割とこんなことのできる人たちだということを認識していただかないと,多分,公民館活動に来ているたくさんの人も「それ何」という世界だと思うのです。いわば,特殊な免許になっていますので。是非それがより広くなったらいいと感じています。
 次にボランティアのことが書かれていまして,ボランティアなどの人材活用とありますが,もう本当に私が思うのは,プロとして講師として活躍してほしいと思っています。例えば,「僕のおじいちゃんは先生になった」という経験をしてもらったらいいと思います。具体策は目の前にいっぱいあります。ICT教育,人が足りません。もうパソコンのできる人,プログラミングのできる人,CADのできる人もスーパーティーチャーになります。そういったところをうまく連携すれば,自治体もお金がないので助かるし,学校現場も相談する人を探すにも,すぐ目の前にお父さんいたんだということですからいい。「そうだ,リタイアして学校に行って先生になろう」ということは,「そうだ京都行こう」キャンペーンの次ぐらいにやってもらうといいかと思っています。
 そういったことをつなげていくと,実は地域に既にあるのですけれども,総務省がやっていて文部科学省がアシストされているのでしょうか,ICTクラブとか,IoTクラブとか,いろいろな動きもございます。先ほど他の委員がおっしゃった,STEAM教育でいうとアートや文化芸術,とても大事だと思うんですね。地域の文化活動,芸術活動,私も見に行きます。地区単位の公民館運動,文化祭も行きます。確かにこういった嗜(たしな)みが最近は減っていると思うんですね。例えば,茶道,華道,長唄,小唄,そして書道,絵画,川柳,狂歌,俳句,短歌など,いろいろございます。確かにこういうのは我々の世代は確かに減ってきていると思います。もっとこういうものを大事にして未来につないでいくことは日本の文化を育むことにもなるし,「日本って素敵ね」と思っていただけるので,そういうことも是非加味していくことが必要だと思っています。
 あと後段になりますけれども,学生の利用のことも触れてあります。いいと思うのですけれども,私個人的に心配しているのは,中途半端にお金の掛からないスタッフとして使われると,生徒たちも不満だろうし,何か中途半端のまま社会貢献したつもりというのはよくなくて,本当のプロがどこまでこだわってやっているかを見せてあげるとか,一緒に何かをやるということを,是非大学院や大学のチューターかその先生や,コーチ役の先生方から,あるいは地元のプロの方から習いながら実践していくといいのではないかと思います。そこら辺も是非,文部科学省の中で検討いただいたらいいと思っています。
 あと,きょうは地域学習ということで,幾つか御提案もあって,地域学習推進課でございます。私,村おこしを手伝ったことがあるのですけれども,実は,地域を知らないと何もできません。単純でどこにもあるものだけれども,地域の歴史を知ると思いが強まるし,風景一つにも味が出ます。こだわりが出ます。そして口上も言えるようになります。そうするとそれを聞いて人は来るんですね。だから是非,それは今までの学習の中,学校あるいは地域での地域学習,協働学習があると思うのです。その中でとても大切にしていただいたらいいと強く思っています。是非こういったことを進めながら,令和になったということなので,是非,麗しく和やかな時代をこの生涯学習で開けることを心から期待しています。ありがとうございます。

【明石分科会長】
 貴重な意見ありがとうございました。では関委員,お願いします。

【関委員】
 本当にいろいろな話が出て,どこに話を持っていったらいいか,分かりかねると思うんですけれども,3点ほど。
 先ほど西田さんのお話を聞かせていただいて,こういう活動が全国に広がってきているということを改めて感じました。特に最後のページであった,先ほどギフトワークというお話が出ていたんですけれども,本当にボランタリーな活動をして,それが新しい学校への支援であったり,場合によったら新しい社会教育活動に財源として充当されていくような仕組みができれば,間違いなくその活動は膨らんでいくような気がいたします。そういったものに関わっていくことが自分の生きがい,やりがいにもなっていくような,そういう循環を生み出していただけたらいいのかと感じました。
 先ほど清原先生のお話の中に,多分あれ香老会ですかね,香川県老人問題研究会ですかね。平成の初め頃にその話を我々も聞いたことを今思い出したんですけれども,元気なお年寄りが,高齢者で支援を求めている人を支えていく。将来自分がその順番で自分がそのときになったときにはまたそれをサポートしてもらえるような,そんな仕掛けが,正に人生100年時代の一つの処方箋にもなり得るのかとも感じたものでございます。
 それと2点目ですけれども,私も現場に帰って余計この頃感じるんですけれども,学ぼうとする人間は本当にどんどん学びを深めていっているような気がします。しかしその反面,学ぼうと決してしない人,学びたくない人,場合によったら本当は学びたいんだけれども,そこに気がひけて,例えば障害を持った方であれば,学びに入っていくことが人に迷惑を及ぼすのではないかと,そういう謙虚な方もいっぱいいるのにこの頃触れております。そういう人に対して,どういうふうな学びの場を提供していけばいいのか。そういうことを考えるべきではないかと思います。
 アウトリーチ型の事業もいろいろな形でこの中にも組み込まれていると思うんですけれども,集めるだけではなくて,届けていくような学びも同時にきちんと位置付けていくのが大事ではないかと思います。
 3点目,そういったものを進めていく上で,社会教育士がどれだけきちんと位置付けられるかということが大事ではないかと思います。社会教育の専門家ではないかもしれない。場合によったら福祉の専門家であったり,企業の中で人事の専門であったり,いろいろな人がその中に入ってくることによって多様性が生まれるような気がします。今まで社会教育の経験者が社会教育主事になることが多かったと思うんですけれども,自分も含めてまだまだ視野が小さいような気がしてなりません。いろいろな人がいることによってそれぞれの個性が発揮されるような,そういう社会教育士になってもらえれば有り難いと思っております。以上です。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。では,山本教育長,お願いします。

【山本(仁)委員】
 ありがとうございます。皆さんから本当にたくさんの御意見を頂き,聞きながらなるほどと思いつつ,発言をさせていただきます。
 今,学校教育では主体的対話的で深い学びということが言われていますし,課題を捉えて,それをいろいろな人と意見交換しながら自分の考えをまとめ,行動に移せる,そうした人材を育成していくわけですが,振り返って考えてみると,大人にもこの考え方は必要ではないかと。大人はどこでこういうことを学ぶのだろうと考えたときに,それは社会教育の場ではないかと思うんですけれども,一番手っ取り早いのは学校教育に関わることではないかと思っています。それを施策として体現されているのが,コミュニティスクールと,そしてまた地域学校協働活動だろうと思っていまして,これをしっかり進めていく。社会教育の側ではそこにしっかりとつなげていく。そういうことで社会教育の方も開かれていく。そこにつながるのではないかと思っています。そういう意味で,この開かれ,つながる社会教育という言葉がありますが,何となくつながるというのは自然状態でそうなるみたいですけれども,つなげる人が非常に重要な役割を担うのではないかと思っています。それが社会教育主事あるいは社会教育士であるのかもしれませんし,また地域学校協働活動あたりのコーディネーターなど,この社会教育をしっかりと守っていくといいますか,育てていく,そうした人材ではないかと思っていまして,ここをどう作っていくかが一つ鍵になるのかと思っているところでございます。
 もう1点,先ほど髙倉委員が人口100万人以下の県が15あるとおっしゃっていましたが,田舎の県でどういうことが起こっているかというと,学校教育でしっかり人材を育てますと。普通科の進学校になるとほとんどが地元を離れて都会に出ていくと。その都会に出ていった生徒がほとんど帰ってこないということで,鳥取県で言いますと,大体二,三千人が帰ってくる学生と出て行く学生で,転出超過ということが起きてくる。それがもうずっと続いていくとどんどん県の人口が減っていきますし,若者が少なくなって疲弊していく。そういう中で高齢化がどんどん進み,今,鳥取は自家用車の保有率が高いんですけれども,高齢になってくると今,あの事件以来,どんどんと免許を返納していくと,お年寄りの方は本当に動けない状態になっている。幾ら交通費を払っても出ていけないという状態がある。そんな状況もありながら,より地域を活性化していくことを考えていかないといけないわけですが,できるだけ近い,身近にある学校とか,そういうところを使って社会教育を活性化していく,そんな工夫が要るのかと思いながら,参加させていただいております。ありがとうございました。

【明石分科会長】
 ありがとうございます。では,宮城さん。

【宮城委員】
 他の委員の皆様と重複する感じになるかもしれませんが,開かれ,つながる社会教育というところで,あえてこれを前回の答申で言われているということは,開かれていなかったし,つながっていなかったということの表れかと思っています。
 社会教育主事も右肩下がりでどんどん少なくなっていっている現状を考えると,それは行政としても,社会としても余り必要とされていないことの表れかと思っています。
 とはいえ,現場で社会教育主事の方,若しくは発令をされていなくても社会教育主事の有資格者として行政内で頑張っていらっしゃる方々を見ていると,とてもそれを誇りに思っていて一生懸命頑張っていると感じています。ですが本人たちは頑張っていて,学びも多く一生懸命やっているんだけれども認められないというのは,何かが抜けているんだろうと思うんですが,そういった中で思うのが,社会教育士もそうですけれども,学んだことのアップデートをちゃんとしているのかというところが気になっていて。集中的に学んだ期間があって,そのときの大きな収益をもって現場で活動している。けれども,その現場で活動している自分の持っている価値観が,社会がどんどん動いていく,変化していく,これだけ大きく,早く,変化していく時代に,果たして合っていたのかどうかというところも感じています。
 先ほどから,学校や福祉の分野,他の行政,NPOとか企業等ともつながっていくということが言われているんですけれども,実際,人がどうやって育つのかと思っていると,現場でしか育たないと私は実感として思っていて,現場で動いていく中でつながっていくことが大事で,何か知識はあるけれども実際つながっていないし,つなぎ方が分からないという方も多くいらっしゃるのか。社会教育士だと行政に限らずということなので,そういった視点を持っている方々,実際現場で動いている方々にその称号を与えていくということになると思うんですけれども,ただ実際現場で動いている方で問題意識を持っている人が社会教育士となり,それが地域課題,社会課題に対して取り組んで評価されていくということになるには何か一工夫ないと,ただ名前があるだけになってしまうというところで,そこのステータスといいますか,そういったことも必要かと思ったりしています。
 先ほどの学んだことのアップデートというところで言いますと,恐らく文科省でも,実際先進事例とか優良事例の情報の提供,シェアはこれまでもされてきたかと思うんですけれども,それだけではない,新たに情報を得て,また生涯学習,社会教育主事や社会教育士の人たち自身が学び続ける仕掛けというか,そういったものも何かないと結局できた時期はいいんだけれども,あと10年後,社会教育士って何だったかみたいなことにならないかと思いました。以上です。

【明石分科会長】
 ありがとうございます。では,福田委員,お願いします。

【福田委員】
 ありがとうございます。私,名簿の中で福田学園理事長と書いてあって,専門学校の団体の会長をしております。自分のところの学園では小さい四年制大学と125年目に入っている専門学校一つと,もう一つ,まだ10年,20年の専門学校をやっております。
 先ほどからのお話を皆おっしゃっていただいて,そこから結果的にはヒントを頂いたことですけれども,経営の目線からいくと,今こちらに委員として出ておられる私立大学は全然問題ないんですけれども,大変問題がある私立大学,特に地方。そして専門学校は私立大学の更に位置付け的には,全てではないですけれども下にありますから,それは私が言っているのではなく高校の評価としてそういったことが定着しているので,更に厳しいと。そして学生募集を考えておられることばかりだと思うんです。実際には募集を頑張ってやるよりは優秀なアウトカムをしていく方が結果的には早いんですけれども。
 何が言いたいかといいますと,今,ボランティア活動の西田さんの,私もしたことはないんですけれども,してみたいといずれになると思います。今は忙しくて,団体のことがいろいろございまして,これを見せていただくと,ボランティアはしたいけれども,おっしゃるとおり交通費ぐらいは出してもらえないと場所によっては行けない。十分な情報がない。休暇をとる必要がある。参加するのに手続が分からない。僕もボランティアしたことはないんですけれども,震災があったときとか災害はよく見るんです。他にもいろいろなボランティアがあるのではないかと。
 例えば,先ほど横尾委員がおっしゃっていました,小中学校に1人ずつのタブレットですね。大阪に箕面市というところがありまして,ここに進んだ市長で倉田というのがおりまして,六,七年前か,五,六年前,僕ら,箕面市の小学校を見せてもらいました。もう既に先ほど言っておられたリテラシーを物すごく活用されていて,ニュージーランドでしたか,オーストラリアともふだんからつながっているんですね。教室ではなくて廊下に画面がありまして。それから倉田さんに,これからどう望まれますかと聞いたとき,もう1人ずつ持たせているわけですから,子供だからすぐに投げたり落としてすぐ割れると。日本のハードを作る会社にしっかり壊れないやつを作ってほしいのが一番だねと。5年前ですから今は作れないかも分かりません。余談になりましたけれども。
 話が戻りますと,社会教育のプレーヤーにはなれないとは思いますけれども,大学と短大と専門学校で約80%進学して,卒業はもうちょっと減りますけれども,そこにはみんな卒業生の会があります。卒業生は,たまたまうちは長いから30年の学校は当然,年齢幅としては,二十二,三から50ぐらいでしょうか。でも,ある程度地域で専門学校も大学もあって皆,学生募集をするのに,例えばうちの専門学校は各県に支部がございまして,募集活動にもボランティアでしてくれています。卒業生の組織は恐らくみんなボランティアだと思うんですね。ですので,先ほどギフトワーカーってすばらしい,これは使わせてもらいたいと思うんですけれども,そういう意味では,地域の行政と,学校ではなく,学校を介してでしょうけれども卒業生組織であれば暇な人やら専門の人やら忙しい人やらいろいろいると思いますし,小学校にある程度のITの,地元の小学校であれば非常勤という大層なことでなくてもボランティア的に,そういうIT系の専門学校もたくさんございますので,そういう窓口に大学も専門学校もなかなか直接はできませんけれども,たくさん卒業組織には名簿も持っておりますし,皆さんやっていただける方も,ちょうどどこへ行ったらボランティアができるか分からないという話もクリアできていくかと。それを頑張っていただければ学校の価値も上がっていきます。したがって交通費ぐらいの経費は,学園が校友会で拠出することは全然問題ないのではないかと。思いつきになってしまいましたけれども,一応そういう組織があるのは御存じでしょうけれども,利活用されたらいいのではないかと思いました。一言申し上げさせていただきました。ありがとうございます。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。各委員から非常に多様で貴重な御意見を頂きまして,あと事務方と整理させていただきます。今村委員,どうぞ。

【今村委員】
 時間なのに申し訳ないです。先ほど横尾委員から,骨子イメージの丸3の「親,先生,友達でもない他者との関係性を築くことが自己肯定感の醸成に資する」というコメントについて見直した方がいいというコメントがありましたので,私もそう思いますが,とても親や先生や友達「よりも」に見えるので,これは見直した方がいいと思います。ですけれども,ただ,これが本当に伝えたかったことはそういうことでは,「よりも」ということではなくて,分断社会の中で子供たちがSNSで同質性の世界に閉じこもってしまっているところからどう連れ出すかということをここで触れたかったはずなので,このコメントを消すというよりは書き直すということでお願いいたしますということだけ補足させてください。

【明石分科会長】
 ありがとうございました。
 それで私の個人的なことで,きょうの議論は非常に貴重だと思っています。大きく整理しました。1点目が,横尾委員がおっしゃいましたけれども,SDGsの視点から社会教育を捉え直すという。持続する開発目標17ありますけれども,例えば3番の健康と福祉と,4番の質の高い教育と,11番のまちづくりと,17番のパートナーシップとか,何かそういう形で捉え直すのが大事かというのが1点。
 2点目は,山本専務理事がおっしゃったけれども,総合教育政策局になりました。何でそうなったのか,そのよさを次の答申というか,形で,どこまでできるかは分かりませんけれども,それなりのカラーを出さないといけないだろうという。それは世間に対して説明していければと思っているのかが2番目でございます。
 3番目が,100万人口の県が10県で,それで1万以下の都市が27%ぐらい。人口1万を切ると,ややもすると高校までもなくなりつつあるという。そういう地域格差における社会教育の在り方,それはもう学校教育の教育格差もありますけれども,この地域格差をどう是正するかというのは,個人的に人口2,000人の島に住んだ明石としては,是非その地域格差を直していきたい。その場合に福田委員がおっしゃったように,大学,高校とか専門学校の同窓会とか,県人会ってあります。それで学校の同窓会と県人会をもう一度地域に返していくという循環を作る。さっきの提案のように大事な御指摘かと思って。これが3番目です。
 4番目は,菊川委員がおっしゃったんですけれども,私的な利益と公的な利益ってありますよね。社会教育は両方提供するという。そのときの配分をどうするか。その中でボランティアの公的なものと,自分のリカレントで学んだ力を人生100年時代にどうやって提供できるか,バランスをとりながらできるかというのは,どこかで詰めておかないといけない難しい。大事な視点,御指摘かと思っています。それが4番目であります。
 当然その中にICTの問題。これはもう本当に学校教育では1人の子供にタブレット1台が来るときに,公民館でタブレットはないわ,ネットは使えないわ,そういう財政的な問題も含めて,ネットを使った新しい学びを促進するのがこれからの一番大事な社会教育の強さだと思うのです。新しい学びをするときのICTの整備と人材育成をどうするかというのを,横尾委員もおっしゃいましたけれども,これはどこかで押さえておかなければならないと思います。
 最後5番目が,その人材育成というか,公的な人材育成は社会教育士をもっと育てるということです。同時に,牛尾委員がおっしゃいましたけれども,大学も,本気で専門家育成をしている。しかし,そういう大学の講座の在りようを見直してみて,本当に社会にいい人を育てていっているのかとか,地域課題を解決できているのかとか,大学のカリキュラムと社会教育の人材育成の視点も非常に新鮮みのある御指摘かと思います。そういう意味での人材育成の在り方を見ていきたいと思っていました。
 同じように,宮城委員がおっしゃるように,現場で人を育てるんだという人材育成の方法も含めて考えたいと思います。ですから社会教育士,大学の高等教育の講座の問題,現場サイドの人材育成の在り方も検討できればと思っております。
 また,細かいことは後ほど事務方と詰めさせていただきますけれども,非常に個人的にとりましても,全体を見ても,非常に貴重な御意見を頂きましてありがとうございました。では事務方に返します。

【野口生涯学習推進課課長補佐】
 ありがとうございました。次回の日程につきましては事務局で調整の上,改めて御連絡させていただければと思います。事務局からは以上でございます。

【明石分科会長】
 以上をもちまして,本日の生涯学習分科会はこれにて閉会といたします。どうも御苦労さまでございました。ありがとうございます。

―― 了 ――



 

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