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はじめに

   平成15年3月の中央教育審議会の答申「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」においては,少子高齢化社会の進行などの社会の大きな変化の潮流を踏まえ,我が国の教育を新しい時代にふさわしいものにすることの必要性について提言され,その中で生涯学習の理念や家庭教育の支援,社会教育の振興の重要性が指摘された。

   また,近年,各方面から,1「生涯学習」と「社会教育」との混同が見られること,2生涯学習を担当する行政や関係機関等の取組が現在の社会的要請に必ずしも適合していないこと,3学校教育と社会教育の連携が未だ十分でないこと,4学習者のニーズ(需要)に対応した学習情報の提供・相談体制の一層の充実が必要なこと,5NPOや地域における民間教育事業者の教育力の一層の活用が必要なこと,6技術革新の進展や産業構造の変化に伴い,大学等における社会人の学習ニーズに十分対応した講座等の充実が必要なこと等の様々な課題が指摘されている。

   これらを踏まえ,中央教育審議会生涯学習分科会においては,平成15年7月14日から,生涯学習の振興方策の在り方全般について,自由討議,都道府県等の関係者や,文部科学省内関係各局・文化庁,関係各省等からのヒアリング,課題別討議等,全○○回に及ぶ審議を行ってきた。
   審議に当たっては,委員から様々な意見が出されたが,このたび,国,都道府県,市町村が生涯学習の振興を図る意義や,これらの行政や関係機関等の今後の在り方について整理し,都道府県や市町村等の関係者に周知していくことが必要であると考え,今日において特に社会的要請が高いと考えられる1若者や中高年層の職業能力向上への対応,2家庭の教育力の向上への対応,3地域の教育力の向上への対応,4健康対策等高齢者への対応,5地域課題の解決の5つの課題への対応など,審議の際に出た意見をまとめる整理することとし,とりあえず,「審議経過の報告」として提出することとした。

   本分科会としては,今後の生涯学習の振興方策について,一定の方向性を示すことはできたと考えているが,具体の方策については,なお検討すべき課題も多いと考えているため,今後,国民や関係者の意見を踏まえながら,引き続き検討を進めていきたいと考えている。



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