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資料4




若者自立・挑戦プランの具体化


平成15年8月29日
若者自立・挑戦戦略会議
文部科学大臣 遠山   敦子
厚生労働大臣 坂口      力
経済産業大臣 平沼   赳夫
経済財政政策担当大臣       竹中   平蔵








   本年6月10日に決定した「若者自立・挑戦プラン」の具体化のため、今後各省の連携を一層強化するとともに、特に若年者の就業促進に直接的に資する施策の推進に必要な概算要求については、以下のとおり行うこととする。

概算要求額合計  727億円(前年度予算額  274億円)


1.教育段階から職場定着に至るキャリア形成及び就職支援
                                      概算要求額 184億円(前年度予算額 116億円)

(1)     キャリア教育、職業体験等の推進
60億円(69億円)

1 児童・生徒等の発達段階に応じて、職場体験・インターンシップなどを活用して、児童・生徒等の勤労観、職業観を育てるためのキャリア教育を一層推進するため、推進地域を指定して指導内容、指導方法を開発する。また、学校、企業等の連携の下、一定のプログラムに基づき、中高生自らによる取材活動、職業体験、ボランティア体験等を行う事業について、対象地域を拡大して実施する。さらにフォーラムを通じてキャリア教育の普及・啓発を図る。
2 早い段階からの職業意識形成を支援するため、企業人を講師として学校に派遣し、職業や産業の実態、働くことの意義等に関して生徒に理解させ自ら考えさせるキャリア探索プログラムを小中学校に拡大するなど、地域人材の講師等の活用を促進する。
3 インターンシップ推進体制の強化のため、関係者による連絡協議会を開催する。
4 若年者の職業に関する情報交換の場所の提供や、自主的なグループ活動への支援等を実施している「ヤングジョブスポット」について、民間団体への運営委託や関係者との連携の強化により、より効果的な運営を図る。

(2)     実践的な能力を身に付けるための教育訓練の拡大、基礎的な能力を向上させる機会の提供
105億円(46億円)

1 若年者を対象とした新たな人材育成システムとして、企業と教育機関をコーディネートし、企業実習と組み合わせた教育訓練(例えば週3日は企業実習、週2日は教育訓練)を行うことにより一人前の職業人を育成する「日本版デュアルシステム」を新たに導入する。
2 フリーター等に対し、民間教育訓練機関等を活用し、グループカウンセリングによる職業意識啓発やマナー講習等、企業での職業体験を含む訓練を実施する。
3 高等学校(単位制の定時制・通信制)において、無業者、就業者等に対し、就業に関わる基礎的な能力を付与する「学びなおし」モデル事業を新たに行う。
4 IT、バイオ、福祉等の分野で、より高度な知識を習得したいフリーター等を対象として、専修学校等において企業等のニーズを踏まえた短期教育プログラムを開発、導入する。
5 全国約30校の専修学校において、新たに資格取得のためのガイダンスや職場実習等就職に直結した講座の開設を行うとともに、引き続き学生の悩みを受け止めて就職等を支援するキャリアカウンセリングの方策についての研究・開発を行う。

(3)     就職活動から職場定着までのきめ細かな就職支援
18億円(1億円)

1 在学中の早い段階からの職場見学等による職業理解の促進から就職後の職場定着の各段階を通じてマンツーマンによる一貫した支援を行う若年者ジョブサポーター(就職支援相談員)を100人から735人に拡充し、全国の公共職業安定所に配置し、中学・高校卒業者の円滑、的確な就職を実現する。
2 就業意欲や職業能力の向上の動機付け、職場でのコミュニケーション能力の付与等を内容とする業界単位の集団研修、職場定着のための事業所内の相談体制の整備等を内容とする学卒就職者の早期離職防止対策モデル事業を地域の事業主団体等に委託し、新たに実施する。

(4)     若年者に対する専門的な就職相談を行う人材(若年者向けキャリア・コンサルタント)の養成・配置
1億円(0.3億円)

   新たに若年者向けの専門的なキャリア・コンサルタントに必要な能力基準等を策定するとともに、その養成を行い、若年者対策での活用を促進する。


2.若年労働市場の整備      概算要求額  187億円(前年度予算額  143億円)

(1)     就職経路の複線化に対応した多様な就職システムの整備
121億円(132億円)

1 学卒未就職者等の若年失業者に実践的な能力を取得させ、常用雇用へ移行するため、短期間の試行雇用を実施して、若年者の雇用を推進する。
2 フリーターに対して安定就労の動機付けや職業生活に必要な知識・技能の付与等をしつつ、正社員として登用する制度を有する企業の事例を収集、分析するととともに、事業主に対する普及促進のためのセミナー、相談・援助を実施する。

(2)     人材ニーズの把握及び産業・企業が若年者に求める能力・技術の明確化
5億円(0億円)

1 若者に対するニーズの高い有望50職種について、新たに詳細な人材ニーズ調査を行う。
2 企業が若年者に求める能力・技術の要件を調査・分析し、それらを集約して学校や学生に情報提供を行うとともに、若年者の人材育成に積極的な企業の事例の収集及び分析を行う。

(3)     若年者向けの能力・技術を評価する仕組みの整備
61億円(11億円)

1 学卒、若年者向けの能力評価として技能系から事務系にわたる幅広い職種を対象とした実践的能力評価、公証の仕組みの整備を行う。
2 IT、技術経営、地域金融等の専門分野の人材について、求められる能力・技術の体系化と評価基準を策定するとともに、カリキュラムや教材の開発等を抜本的に拡充し、利用促進のための情報提供を行う。


3.若年者の能力の向上・就業選択肢の拡大 
                                              概算要求額 236億円(前年度予算額 6億円)

(1)     社会経済の複雑化・高度化に対応し、社会を牽引できるような高度な専門能力等を持つ人材養成(キャリア高度化プラン)の推進
236億円(6億円)

1 社会人や企業のニーズを踏まえた実用的な職業能力を身につけさせるため、新たに大学、大学院、専修学校等で社会人向け短期教育プログラムを開発する。
2 専門職大学院(法科大学院、ビジネススクール等)の設置促進により、高度専門職業人の養成を強化する。
3 大学教育におけるインターンシップの支援、地域貢献型の学習などの種々の取組の中で特色ある優れたものを支援し、その取組の充実を図ることにより、専門的・社会的能力の育成機能を充実させる。


4.若者が挑戦し、活躍できる新たな市場・就業機会の創出
                                                 概算要求額 29億円(前年度予算額 9億円)

(1)     創業・起業の活性化による雇用機会の創出
29億円(9億円)

1 若年層を中心に、30万以上の起業を目指す人材を対象に、インターネットにより創業に必要な情報を提供するとともに、多数の創業仲間との出会いの場の提供や専門家による相談を行う(「起ちあがれニッポンDREAM GATE」事業)。
2 創業塾について、創業予定者に加え、新事業展開等を目指す若手後継者等を対象に、経営戦略、組織マネジメント等の知識・ノウハウの体得を支援する新たなコースを開設し拡充を図る。

(2)     産業界に対する若年者対策への協力の積極的な働きかけ

   若年者雇用対策推進のため、若年者の雇用拡大、人材投資の促進、商工会議所等による積極的な求人開拓、インターンシップの積極的受入れ、トライアル雇用の活用、日本版デュアルシステムについて、産業界への働きかけを行う。


5.地域における若年者ワンストップサービスセンターの設置
                                              概算要求額 91億円(前年度予算額 0億円)

   若年者対策のために、都道府県が、産業界、教育界、地域社会・行政の連携の場として、若年者が雇用関連サービスを1か所でまとめて受けられるワンストップサービスセンター(通称:Job Cafe)を設置する場合等に、下記の支援を行う。

(1)     ワンストップサービスセンターに対し、若年者への企業説明会、職場見学会の実施、高校生の保護者の就職に関する意識の啓発や進路指導担当者の産業・雇用に係る知識等の向上、若年者の採用拡大のための広報・啓発等の事業の委託を行う。

(2)    また、都道府県の要請に応じ、ハローワークをセンターに併設するとともに、対象となる若年層が相当程度多く、若年者を取り巻く雇用失業情勢が特に厳しい地域において、日本版デュアルシステムの導入、キャリア・コンサルティング等、若年者のキャリア形成支援を重点的に実施する。

(3)    さらに、10程度のモデル地域において、地域産業の活性化・高度化のためにはそれを担う人材が必要であるとの観点から、若年人材を育成するため、地域の経済団体等を活用し、人材ニーズの掘り起こしを組み合わせて、カウンセリングからインターンシップ、研修等まで一貫したサービスを提供する。事業の推進に当たっては、成果に応じた報酬等のインセンティブ制度に基づく民間委託を活用する。


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